JP2007326339A - 真空断熱材用積層体及び真空断熱材 - Google Patents

真空断熱材用積層体及び真空断熱材 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガスバリア性、折り曲げ部分の耐ピンホール性に優れ、アウトガス発生の少ない真空断熱材用積層体を提供すると共にそれを用いた外包材に、断熱芯材を封入し、外包材内部を脱気し真空状態とした真空断熱材であって、外包材のガスバリア性が優れ、ガスバリア性の経時劣化が少なく、ヒートシール強度があり、且つ、耐ピンホール性に優れ、熱接着部を折り曲げてもピンホール発生を抑制し、断熱性能が長時間維持される真空断熱材を提供することである。
【解決手段】 真空断熱材用積層体が少なくともガスバリア層と最内層に熱接着性樹脂層が積層されて構成されており、熱接着性樹脂層が高密度ポリエチレン、ポリオレフィン、高密度ポリエチレンが順次、積層されてなることを特徴とする真空断熱材用積層体及びそれを用いた真空断熱材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空断熱材用積層体及び真空断熱材に関し、詳しくは、冷蔵庫、炊飯ジャー、ポット、クーラーボックス、輸送用コンテナ、水素等の燃料タンク、システムバス、エコキュート温水タンク、保温庫、住宅壁、及び車、飛行機、船舶、列車、OA機器の発熱部周り等の断熱壁に用いられる真空断熱材に関するものである。
従来から真空断熱材は、冷蔵庫あるいは保温庫等の断熱層として用いられている。このような真空断熱材は、外包材に断熱芯材を封入し、外包材の内部を脱気し真空状態として、外包材の端部を熱接着して用いられている。真空断熱材の断熱性能を長時間維持するためには外包材の内部を長期に亘って高真空に保持する必要があり、外包材に用いられる真空断熱材用積層体には外部からガスが透過することを防止するための優れたガスバリア性、外力や断熱芯材による内部からのピンホールの発生を防止するための突き刺し性と、断熱芯材を覆って密着封止するための熱接着性等の機能が要求され、各機能特性を有するフィルムを複数積層した積層体として構成されている。
例えば、熱接着性樹脂層に用いるフィルムは、熱接着部を通じて真空断熱材の内部に侵入するガスを防ぐガスバリア性、及び耐熱性の観点から高密度ポリエチレンまたはポリプロピレンが好ましいことが開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、熱接着による接着時に熱接着性樹脂層に異物が混入しても気密性や接着性を十分に確保するために、熱接着性樹脂層に融点の異なる例えば、直鎖状ポリエチレンと高密度ポリエチレンを積層したフィルムを用いた技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
上記の特許文献1、2に開示された技術のように、熱接着性樹脂層に高密度ポリエチレンを用いることにより、ガスバリア性が向上し熱接着部の端面から真空断熱材の内部へのガスの侵入を防ぐことができたが、高密度ポリエチレンはフィルムのコシが硬く、断熱材を例えば冷蔵庫等の断熱層として内箱と外箱の壁内に嵌め込む場合に熱接着部のヒートブリッジによる断熱性能の低下を最小限に抑えるために内箱と外箱のいずれかの壁面に取り付けた真空断熱材の熱接着部を他方の壁面側に折り曲げる必要があり、折り曲げ部分が経時劣化し、ピンホール発生を引起し真空断熱材の真空度を低下させるために十分な断熱性能が得られないという問題がある。また、高密度ポリエチレンでは十分な熱接着(ヒートシール)強度が得られないために熱接着部のヒートシールされた高密度ポリエチレン面同士間の界面を通して経時的に外包材の外部よりガスが侵入し真空度が低下するという問題もある。
また、真空断熱材の真空度を低下させる原因に真空断熱材の外部から内部へのガスの透過や侵入だけではなく、外包材自体から発生するガス(アウトガス)もあり、現状では、その対策として真空断熱材用積層体を用いた外包材に断熱芯材を封入する前に外包材を熱処理(ベーキング処理)して、真空断熱材用積層体に付着や吸着あるいは含まれている水分、及び真空断熱材用積層体の積層工程で使用される接着剤に起因する残留溶剤を取除くことが行われている。しかしながら、ベーキング処理により該水分や残留溶剤等は比較的低沸点であり容易に取除くことができるが、熱接着性樹脂層に含まれる低分子量成分には高沸点物もあり、容易に取除くことができず、該低分子量物がアウトガスとなって、経時的に真空断熱材の真空度を低下させる原因となっているのが実情である。
特開昭59−140046号公報 特開2000−108255号公報
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、ガスバリア性、折り曲げ部分の耐ピンホール性に優れ、アウトガス発生の少ない真空断熱材用積層体を提供すると共にそれを用いた外包材に、断熱芯材を封入し、外包材内部を脱気し真空状態とした真空断熱材であって、外包材のガスバリア性が優れ、ガスバリア性の経時劣化が少なく、ヒートシール強度があり、且つ、耐ピンホール性に優れ、熱接着部を折り曲げてもピンホール発生を抑制し、熱接着部のガスバリア性を確保することにより外包材内部が高真空に保持され、断熱性能が長時間維持される真空断熱材を提供することである。
本発明は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、断熱芯材を積層体からなる外包材で封入し、外包材で封入された内部を脱気し真空状態とした真空断熱材に用いられる真空断熱材用積層体において、該真空断熱材用積層体が少なくともガスバリア層と最内層に熱接着性樹脂層が積層されて構成されており、前記熱接着性樹脂層が高密度ポリエチレン、ポリオレフィン、高密度ポリエチレンが順次、積層されてなることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の真空断熱材用積層体において、前記ポリオレフィンが直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、請求項1又は2記載の真空断熱材用積層体において、前記高密度ポリエチレンがメタロセン触媒を用いた重合反応により得られるものであり、密度が0.94〜0.98g/cm3 、分子量分布分散度(Mw/Mn)が3〜8であることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材用積層体において、前記ガスバリア層がプラスチックフィルムにプラズマ化学気相成長法で形成された炭素含有酸化珪素からなる蒸着層を1層以上積層されていることを特徴とするものである。
また、請求項5記載の本発明は、請求項1〜4いずれか記載の真空断熱材用積層体を用いた外包材に、断熱芯材を封入し、前記外包材内部を脱気し真空状態とした真空断熱材であることを特徴とするものである。
本発明は、真空断熱材用積層体が少なくともガスバリア層と最内層に熱接着性樹脂層が積層されて構成されており、熱接着性樹脂層が高密度ポリエチレン、ポリオレフィン、高密度ポリエチレンが順次、積層されており、折り曲げによるピンホール発生を抑制することができ、ガスバリア性の劣化が少なく、ガスバリア性に優れた真空断熱材用積層体を提供することができるという優れた効果を奏するものである。
また、ポリオレフィンに直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、フィルムのコシを柔かくすることができ、断熱材を例えば冷蔵庫等の断熱層として内箱と外箱の壁内に嵌め込む場合に外包材の熱接着部を折り曲げても、折り曲げ部分のピンホール発生を抑制でき、外包材内部が高真空に保持され、断熱性能が長時間維持できる効果がある。
また、熱接着性樹脂層にメタロセン触媒を用いた重合反応により得られる高密度ポリエチレンを積層することにより、優れたヒートシール強度が得られ外包材の熱接着部より経時的に外包材の外部よりガスの侵入を防ぐことができ、また、フィルムのコシを柔かくすることができるために熱接着部の折り曲げによるピンホール発生を抑制することができ、さらに分子量分布分散度(Mw/Mn)を限定することによって低分子量物の含有量を少なくすることができ、熱接着性樹脂層から発生するアウトガスを減らすことができ、外包材内部が高真空に保持され、断熱性能が長時間維持できる効果がある。
また、ガスバリア層がプラスチックフィルムにプラズマ化学気相成長法で形成された炭素含有酸化珪素からなる蒸着層を1層以上積層されており、折り曲げによるクラックが発生しにくく、ガスバリア性の劣化が少なく、ガスバリア性に優れた真空断熱材用積層体を提供することができるという効果がある。さらに、真空断熱材用積層体を用いた外包材に、断熱芯材を封入し、外包材内部を脱気し真空状態とした真空断熱材は、外包材を通しての熱の伝導が少なく十分な断熱性能が得られ、外包材の内部が高真空に保持され、断熱性能が長時間保持できる効果がある。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる真空断熱材用積層体の一実施形態を示す断面図、図2は本発明にかかる真空断熱材用積層体を構成するガスバリア層の一実施形態を示す断面図、図3は本発明の真空断熱材用積層体を外包材に用いた真空断熱材の一実施形態を示す断面図であり、図中のAは真空断熱材用積層体、Bは真空断熱材、1は外層、2はガスバリア層、3は熱接着性樹脂層、4、6は高密度ポリエチレン、5はポリオレフィン、7は基材、8、9は蒸着層、10は外包材、11は熱接着部、12は断熱芯材をそれぞれ示す。
図1に示すように、本発明の真空断熱材用積層体Aは、外層1、ガスバリア層2、及び最内層に熱接着性樹脂層3を順次、積層されて構成されている。さらに熱接着性樹脂層3は高密度ポリエチレン4、ポリオレフィン5、高密度ポリエチレン6が順次、積層されて構成されている。
外層1には、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、その強度に優れ、更に、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、その他等に優れた樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。具体的には、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−トを使用できる。それらのフィルムないしシートは未延伸フィルム、あるいは、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができるが、機械的あるいは耐熱性等の面から二軸延伸フィルムが好ましい。尚、外層1は、外包材の強度等の物性を高めるために積層するものであり、積層順は外側に限定されるものではなく、ガスバリア層2と熱接着性樹脂層3との間に介在させることもでき、さらには要求品質によっては、外層1を複数設けることもできる。厚みは9〜50μmで、真空断熱材用積層体に用いる材質構成や要求品質に従い、決定される。
ガスバリア層2として、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着プラスチックフィルム、酸化珪素等の無機物や酸化アルミニウム等の金属酸化物を蒸着したプラスチックフィルム、ポリビニルアルコールや塩化ビニリデン等のガスバリア性組成物をコーティングしたプラスチックフィルム及びエチレンビニルアルコール共重合体フィルム等のガスバリア性を有するフィルムを用いることができるが、ガスバリア性に優れ、折り曲げでもクッラク発生が少なくガスバリア性の経時劣化の少ない、且つ、真空断熱材用積層体を真空断熱材の外包材として用いた際に、外包材を通しての熱の伝導が少なく十分な断熱性能が得られる酸化珪素等の無機物を蒸着したプラスチックフィルムが好ましい。さらに、プラスチックフィルムからなる基材にプラズマ化学気相成長法で形成された炭素含有酸化珪素からなる蒸着層を1層以上積層されたものがより好ましく使用できる。
図2を用いてガスバリア層2により好ましく使用できるプラズマ化学気相成長法で形成された炭素含有酸化珪素からなる蒸着層を1層以上積層されたプラスチックフィルムについて詳しく説明する。図2に示すように該フィルムに使用される基材7は、炭素含有酸化珪素の蒸着膜を保持する基材であることから、それらの形成、加工等の条件に耐え、かつ、その特性を損なうことなくそれらを良好に保持し得ることができること、更に、真空断熱材用積層体の外包材としての製袋に際し、加工作業性、耐熱性、滑り性、耐ピンホ−ル性、その他等の諸物性に優れ、更に、その他等の条件を充足し得る樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましい。
本発明において、基材7に用いる各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜200μm位、より好ましくは、9〜100μm位が望ましい。
次に、ガスバリア層2に備えられたプラズマ化学気相成長法で形成された炭素含有酸化珪素からなる蒸着層8、9について説明する。蒸着層8、9は、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等を用いて炭素含有酸化珪素を製膜化することにより製造することができ、而して、それらの中でも、プラズマ化学気相成長法が好ましく、特に低温プラズマ化学気相成長法を用いて製膜化して製造することが望ましいものである。具体的には、低温プラズマ化学気相成長装置を用いて基材7の一方の面に、有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマーガスを原料とし、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素膜を製膜化することによって、ガスバリア層2を製造することができる。上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができ、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。尚、炭素含有酸化珪素からなる蒸着層8の上に蒸着層9を製膜化する際に、蒸着層8の上にプラズマ処理(後述)を施して、コート層(図示しない)を介して蒸着層9となる炭素含有酸化珪素膜を製膜化し、さらに蒸着層9の上にプラズマ処理を施してコート層(図示しない)を設ける。
また、上記のプラズマ化学気相成長法において、珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素膜の製膜化は、基材7の上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながらSiOxの形で薄膜状に製膜化されるので、当該製膜化される珪素酸化物からなる炭素含有酸化珪素膜は、多層に重層された構造からなり、各層共に、緻密で、隙間の少ない、延展性、屈曲性、可撓性等に富む薄膜となるものであり、従って、珪素酸化物からなる炭素含有酸化珪素層のガスバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される珪素酸化物等からなる酸化珪素層と比較してはるかに高いものとなり、しかも、多層に重層した構造体からなることから、極めて高い、十分なガスバリア性を得ることができるものである。また、ガスバリア層2の蒸着層8及び9の炭素含有酸化珪素膜の膜厚としては、膜厚50〜1000Å位であることが望ましく、1000Åを超えると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、50Å未満になるとガスバリア性が劣り好ましくないものである。上記において、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。
次に、本発明において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
蒸着層8、9はプラズマ化学気相成長法の少なくとも1層以上積層されておればよく、物理気相成長法により無機酸化物を製膜化した蒸着層と組合わせることもできる。かかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、基材7の一方の面に不活性ガスによるプラズマ処理面を設け、該面に、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、イオンクラスタ−ビ−ム法等の物理気相成長法(PVD法)を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。例えば、蒸着層9にPVD法による蒸着膜を設ける方法について説明すると、蒸着層8の面にプラズマ処理を施してコート層を設けて、さらに該コート層にプラズマ処理を施して設けたプラズマ処理面(図示しない)の面に、金属または金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化して蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
尚、上記のプラズマ処理は、基材7の一方の面、コート層の面、蒸着層8の面、蒸着層9の面に設けるものであって、基材7、蒸着層8、蒸着層9若しくはコート層等の各層間接着性等を向上させ 終局的には、その両者を強固に密着させて、その層間剥離(デラミ)等の発生を防止するために設けるものである。而して、本発明において、不活性ガスによるプラズマ処理面について説明すると、かかるプラズマ処理面としては、気体をア−ク放電により電離させることにより生じるプラズマガスを利用して表面改質を行うプラズマ表面処理法等を利用してプラズマ処理面を形成することがてきる。すなわち、本発明においては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、その他等の不活性ガスをプラズマガスとして使用するプラズマ表面処理法でプラズマ処理を行うことによりプラズマ処理面を形成することができる。なお、本発明において、プラズマガスとしては、上記の不活性ガスに、更に、酸素ガスを添加した混合ガスを使用することもできる。また、本発明において、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成する場合、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜9を形成する直前に、インラインでプラズマ処理を行うことにより、蒸着層8の面にプラズマ処理を施し設けられたコート層の表面の水分、塵等を除去すると共にその表面の平滑化、活性化、その他等の表面処理を可能とすることから望ましいものである。また、本発明において、プラズマを発生させる方法としては、例えば、直流グロ−放電、高周波放電、マイクロ波放電、その他等の装置を利用して行うことができる。
また、蒸着層8、蒸着層9の上に施されたプラズマ処理面に設けるコート層には、1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH)とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物による塗膜が好適に用いられる。この塗膜を構成するポリビニルアルコール系樹脂又はエチレン・ビニルアルコール共重合体と1種以上のアルコキシドとが、相互に化学的に反応して、極めて強固な三次元網状複合ポリマ−層を構成し、而して、それと無機酸化物の蒸着膜とが相乗し、極めて高いガスバリア性を安定して維持するとともに耐衝撃性性等を備えたガスバリア層2を製造し得ることができるものである。アルコキシドには、一般式R1nM(OR2 )m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上が用いられる。
また、ガスバリア層2は、要求品質によっては複数設けることもでき、上記のガスバリア層2に使用できる材料(段落番号20参照)からガスバリア性を考慮して選択すればよい。積層順は外層1とガスバリア層2との間ないしはガスバリア層2と熱接着性樹脂層3との間に介在させることができる。
次に熱接着性樹脂層3は、高密度ポリエチレン4、ポリオレフィン5、高密度ポリエチレン6が順次、積層されて構成されており、ポリオレフィン5には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン等が用いられるが、折り曲げによるピンホール発生の防止、突き刺し強度、ガスバリア性、高密度ポリエチレンとの接着力、コスト等の面から直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、メタロセン触媒を用いた重合反応により得られる直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。
高密度ポリエチレン4、6はメタロセン触媒やチーグラー−ナッタ系触媒等を用いた重合反応により得られるものが使用できるが、メタロセン触媒を用いた重合反応により得られた高密度ポリエチレンが好ましい。高密度ポリエチレンの密度は0.94〜0.98g/cm3 であることが好ましい。且つ、分子量分布分散度(数平均分子量に対する重量平均分子量の比<Mw/Mn>)が3〜8の範囲であることが好ましい。尚、分子量分布分散度はクロス分別クロマトグラフィー(三菱樹脂製、機種名:CFC−150A)を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC法)により測定する。このようなメタロセン触媒を用いた重合反応により得られた高密度ポリエチレンはチーグラー−ナッタ系触媒を用いた重合反応により得られた高密度ポリエチレンより、分子量分布分散度が狭くでき、分子量分布分散度を限定することによって低分子量物の含有量を少なくすることができ、熱接着性樹脂層から発生するアウトガスを減らすことができ、また、優れたヒートシール強度が得られ外包材の熱接着部より経時的に外包材の外部よりガスの侵入を防ぐことができ、さらにフィルムのコシを柔かくすることができ折り曲げ部分のピンホール発生を抑制し、外包材内部が高真空に保持され、断熱性能が長時間維持できるものである。
また、熱接着性樹脂層3を高密度ポリエチレン/オレフィン/高密度ポリエチレンの積層構成にすることによって、高密度ポリエチレンの有するガスバリア性と、オレフィンの有するコシの柔かさを併せ持った熱接着性樹脂層3にすることができ、外包材の熱接着部の断面を通じて真空断熱材の内部に侵入するガスを防ぐと共に、折り曲げによるピンホール発生を抑制することができ、ガスバリア性の劣化が少なく、ガスバリア性に優れた真空断熱材用積層体が得られるものである。熱接着性樹脂層3はインフレーション法やTダイ法で共押し出しして積層される。厚みは要求品質に従い決められるが、通常20〜150μmであり、最内層の高密度ポリエチレンは5μm〜80μmが好ましい。
上記の外層1、ガスバリア層2、熱接着性樹脂層3を公知の方法で積層して真空断熱材用積層体Aが製造される。積層方法としては、ポリエステル−イソシアネート系、ポリエーテル−イソシアネート系、ポリウレタン−イソシアネート系等の接着剤を使用して貼り合せるドライラミネーション法や、熱可塑性樹脂をTダイより熱溶融押出しして貼り合せる押出しラミネーション法が用いられる。また、真空断熱材用積層体Aには、外層1もしくはガスバリア層2あるいは双方に印刷層を設けることができる。真空断熱材用積層体Aを真空断熱材の外包材として用いるためには、ガスバリア性として、酸素透過度、水蒸気透過度がそれぞれ0.5(cc/m2 ・day)、0.2(g/m2 ・day)以下であると好ましく、0.1(cc/m2 ・day)、0.1(g/m2 ・day)以下であるとさらに好ましい。
次に図3を用いて、本発明の真空断熱材用積層体を外包材10に用いた真空断熱材Bについて説明する。図3に示すように本発明の真空断熱材Bは、例えば、上記の真空断熱材用積層体の熱接着性樹脂層3を対向させて開口部となる一端を除き三方の周縁をヒートシールして熱接着部11を設けて袋状に製袋した外包材10に開口部より断熱芯材12を収容した後、外包材10の内部を脱気し真空状態とすることにより、外包材10を断熱芯材12に密着させて開口部をヒートシールして得られるものである。外包材の袋形状は、四方、三方、ガセット、ピロー等、特に限定されるものではない。
断熱芯材12としては、シリカ、パーライト、珪酸カルシウム等の無機材料、ポリウレタンフォーム等の有機材料が用いられる。また、断熱芯材12の形態としては、微粉末、多孔質、繊維質等が挙げられる。
本発明の真空断熱材Bの外包材10内部は、通常5Pa以下に脱気し真空状態とされ対流による熱伝導を極力小さくされている。真空度が5Paより大きいと、外包材10内部に残存する空気が対流し、断熱性能が低下するので好ましくない。
上記の本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
<熱接着性樹脂フィルムの作製>
メタロセン触媒を用いた重合反応により得られた密度0.943g/cm3 、分子量分布分散度(Mw/Mn)3.2の高密度ポリエチレン樹脂(M−HDPE)とメタロセン触媒を用いた重合反応により得られた密度0.915g/cm3 、分子量分布分散度(Mw/Mn)2.4の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(M−LLDPE)を用いて、インフレーション法で共押出しして〔厚さ10μmのM−HDPE/厚さ20μmのM−LLDPE/厚さ10μmのM−HDPE〕の層構成の総厚さ40μmの熱接着性樹脂フィルム(α)を作製した。
<ガスバリアフィルムの作製>
(1)基材に厚さ12μmの両面コロナ処理された二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(以下、PETと呼称する。)を使用し、プラズマ化学気相成長装置に巻取として装着し、該装置のチャンバー内を減圧した。一方、原料に有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOと呼称する。)を原料揮発供給装置において揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガスおよび不活性ガスであるヘリウム、アルゴンと混合させて原料ガスとした。製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2:He:Ar=1.2:0.5:0.5:0.5(単位;slm、1分間当たりの量をリッターで示したもの)とした。上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ製膜室に導入し、次いで、上記の厚さ12μmのPETをライン速度200m/分で搬送させながら、製膜出力15kWの電力を印加させ、蒸着チャンバー内の真空度5Paにて厚さ12μmのPETの一方のコロナ処理面の上に、膜厚300Åの炭素含有酸化珪素からなる第1層を形成し、次いで、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス600sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、上記の第1層炭素含有酸化珪素の蒸着層の面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成して巻取とした。
(2)他方、下記に示す組成に従って、EVOH(エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液(組成a)に、予め調製したエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液(組成b)を加えて攪拌、更に予め調製したポリビニルアルコール水溶液、シランカップリング剤(エポキシシリカSH6040)、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液(組成c)を加えて攪拌し、無色透明のコート液を調製した。
〔組成〕
a.EVOH(エチレン共重合率29%) 0.610(wt%)
イソプロピルアルコール 3.294
2 O 2.196
b.エチルシリケート40 11.460
イソプロピルアルコール 17.662
アルミニウムアセチルアセトン 0.020
2 O 13.752
c.ポリビニルアルコール 1.520
シランカップリング剤 0.050
イソプロピルアルコール 13.844
2 O 35.462
酢酸 0.130
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成した第1層のプラズマ処理面に、上記で調製したコート液を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、塗布量0.4g/m2(乾燥状態)のコート層を形成し巻取とした。
(3)次に、上記の(2)でコート層を形成したPETの巻取を使用し、巻取式真空蒸着装置に巻取として装着し、次いで、ライン速度600mm/分でPETを搬送し、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス500sccm(1分間当たりの量をミリリットルで示したもの)を導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、上記のコート層の面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、第1層の膜厚300Åの酸化アルミニウムの蒸着層を形成し、次いで、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス500sccmを導入して、出力20kWでプラズマ処理を行って、上記の第1層の酸化アルミニウムの蒸着層の面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成して巻取とした。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4 mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2 mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;600m/分
(4)次に、上記の(3)で形成した第2層のプラズマ処理面に、上記の(2)と同様に同じ組成のコート液をコーティングしてコート層を形成し、第1層の炭素含有酸化珪素の蒸着層膜厚300Å、第2層の酸化アルミニウムの蒸着層膜厚300Å、総膜厚600Åの2層重層の蒸着層を積層し図2に示す構成のガスバリアフィルム(β)を作製した。
<真空断熱材用積層体の作製>
外層に厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ON)、熱接着性樹脂層に上記の厚さ40μmの熱接着性樹脂フィルム(α)、ガスバリア層に上記の厚さ12μmのガスバリアフィルム(β)を使用して、ポリエステル−イソシアネート系接着剤を用いてドライラミネーション法により各層をラミネートし、〔ON15μm/ガスバリアフィルム(β)(第2層酸化アルミニウム蒸着層/第1層炭素含有酸化珪素蒸着層/PET12μm)/熱接着性樹脂フィルム(α)(M−HDPE10μm/M−LLDPE20μm/M−HDPE10μm)〕なる構成の図1に示す真空断熱材用積層体を作製した。
<真空断熱材の作製>
上記真空断熱材用積層体を矩形状に切取り熱接着性樹脂層を対向させて、周縁をヒートシールして一端に開口部を有する外包材を製袋した。断熱芯材にシリカ粉末の成形体を用いて、これを外包材の開口部より入れて、外包材内部を脱気し真空度3Paの真空状態にして開口部をヒートシールして図3に示す300mm×400mm×10mmの直方体の真空断熱材Bを作製した。
<真空断熱材用積層体の作製>
外層に厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ON)、熱接着性樹脂層に実施例1で用いた厚さ40μmの熱接着性樹脂フィルム(α)、ガスバリア層に実施例1で用いた厚さ12μmのガスバリアフィルム(β)と、さらに厚さ400Åのアルミニウムからなる蒸着層が形成された厚さ12μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)を使用して、ポリエステル−イソシアネート系接着剤を用いてドライラミネーション法により各層をラミネートし、〔ON15μm/ガスバリアフィルム(β)(第2層酸化アルミニウム蒸着層/第1層炭素含有酸化珪素蒸着層/PET12μm)/アルミ蒸着EVOH12μm/熱接着性樹脂フィルム(α)(M−HDPE10μm/M−LLDPE20μm/M−HDPE10μm)〕なる構成の真空断熱材用積層体を作製した。
<真空断熱材の作製>
上記真空断熱材用積層体を用いて実施例1と同様の真空断熱材を作製した。
[比較例1]
<真空断熱材用積層体の作製>
実施例2の熱接着性樹脂層にチーグラー−ナッタ触媒を用いた重合反応により得られた密度0.947g/cm3 、分子量分布分散度(Mw/Mn)7.0の高密度ポリエチレン樹脂(T−HDPE)を用いて、インフレーション法で製膜したHDPE単層の厚さ40μmの熱接着性樹脂フィルムを使用して実施例2と同様にラミネートし、〔ON15μm/ガスバリアフィルム(β)(第2層酸化アルミニウム蒸着層/第1層炭素含有酸化珪素蒸着層/PET12μm)/アルミ蒸着EVOH12μm/T−HDPE40μm)〕なる構成の真空断熱材用積層体を作製した。
<真空断熱材の作製>
上記真空断熱材用積層体を用いて実施例1と同様の真空断熱材を作製した。
[比較例2]
<真空断熱材用積層体の作製>
実施例2の熱接着性樹脂層にメタロセン触媒を用いた重合反応により得られた密度0.943g/cm3 、分子量分布分散度(Mw/Mn)3.2の高密度ポリエチレン樹脂(M−HDPE)を用いて、インフレーション法で製膜したM−HDPE単層の厚さ40μmの熱接着性樹脂フィルムを使用して実施例2と同様にラミネートし、〔ON15μm/ガスバリアフィルム(β)(第2層酸化アルミニウム蒸着層/第1層炭素含有酸化珪素蒸着層/PET12μm)/アルミ蒸着EVOH12μm/M−HDPE40μm〕なる構成の真空断熱材用積層体を作製した。
<真空断熱材の作製>
上記真空断熱材用積層体を用いて実施例1と同様の真空断熱材を作製した。
[比較例3]
<真空断熱材用積層体の作製>
チーグラー−ナッタ系触媒を用いた重合反応により得られた密度0.947g/cm3 、分子量分布分散度(Mw/Mn)7.0の高密度ポリエチレン樹脂(T−HDPE)とチーグラー−ナッタ系触媒を用いた重合反応により得られた密度0.920g/cm3 、分子量分布分散度(Mw/Mn)6.2の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(T−LLDPE)を用いて、インフレーション法で共押出しして〔厚さ10μmのT−HDPE/厚さ20μmのT−LLDPE/厚さ10μmのT−HDPE〕の層構成の総厚さ40μmの熱接着性樹脂フィルム(γ)を作製した。次に該熱接着性樹脂フィルム(γ)を実施例2の熱接着性樹脂層に使用して実施例2と同様にラミネートし、〔ON15μm/ガスバリアフィルム(β)(第2層酸化アルミニウム蒸着層/第1層炭素含有酸化珪素蒸着層/PET12μm)/アルミ蒸着EVOH12μm/熱接着性樹脂フィルム(γ)(T−HDPE10μm/T−LLDPE20μm/T−HDPE10μm)〕なる構成の真空断熱材用積層体を作製した。
<真空断熱材の作製>
上記真空断熱材用積層体を用いて実施例1と同様の真空断熱材を作製した。
<実験例>
上記の実施例1、2及び比較例1〜3において作製した真空断熱材用積層体について、酸素透過度、水蒸気透過度、耐ピンホール性、ヒートシール強度を測定した。また、上記の実施例1、2、及び比較例1〜3において作製した真空断熱材について、熱伝導率を測定した。
(1)酸素透過度の測定
JIS−K7126Bに基づき、温度23℃、湿度90%RHの条件で測定した。
測定機;米国、モコン(MOCON)社製測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2)水蒸気透過度の測定
温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN)〕にて測定した。
(3)耐ピンホール性の測定
真空断熱材用積層体をA4サイズの大きさに切取り供試サンプルとしてゲルボフレックステスターに取付けてASTM F−392に基づき、温度23℃の雰囲気下で500回のひねり屈曲を繰返して、供試サンプルに発生したピンホール数を測定した。
測定機;ゲルボテスター
測定条件;最大開き長さ :178mm
最小開き長さ :25.4mm
回転角(ひねり):440°
回転移動距離 :89mm
直線移動距離 :63.5mm
ひねり速度 :40回/分
(4)ヒートシール強度の測定
真空断熱材用積層体の熱接着性樹脂層面同士を重ね合わせてヒートシーラー(テスター産業製)を用いて温度170℃、圧力98kPa、時間1秒の条件でヒートシールし、その後、15mm幅に切取り、引張り試験機(島津製作所製)でJIS−Z1707に準じた試験方法(引張速度:300mm±20mm/分、剥離角度:90°)で測定した。尚、真空断熱材用積層体の流れ方向に直交してヒートシールし、流れ方向のヒートシール強度を測定した。
(5)熱伝導率の測定
作製した真空断熱材について、40℃、90%RHに7日間放置後の熱伝導率を測定環境温度20℃の条件で測定した。
測定機;英弘精機製熱伝導率測定機
上記の測定結果について、表1に示す。
Figure 2007326339
表1に示すように、酸素透過度、水蒸気透過度については、実施例1、2及び比較例1〜3の真空断熱材用積層体は、全て良好なガスバリア性を示した。耐ピンホール性は実施例1、2が0.2個、比較例3が1.0個と比較例1、2より少なく良好であった。ヒートシール強度は実施例1、2が71.3N/15mm幅、比較例2が53.1N/15mm幅で比較例1、3より著しく優れた強度を有していた。熱伝導率については、実施例1、2及び比較例2の真空断熱材は良好であった。以上より実施例1、2が全ての項目において良好な結果を示し、優れたガスバリア性、耐ピンホール性、ヒートシール強度が得られ、該真空断熱材用積層体を用いた真空断熱材は、外包材の内部を高真空に保持され、断熱性能が長時間保持できる優れた真空断熱材が得られた。
本発明にかかる真空断熱材用積層体の一実施形態を示す断面図である。 本発明にかかる真空断熱材用積層体を構成するガスバリア層の一実施形態を示す断面図である。 本発明の真空断熱材用積層体を外包材に用いた真空断熱材の一実施形態を示す断面図ある。
符号の説明
1 外層
2 ガスバリア層
3 熱接着性樹脂層
4、6 高密度ポリエチレン
5 ポリオレフィン
7 基材
8、9 蒸着層
10 外包材
11 熱接着部
12 断熱芯材
A 真空断熱材用積層体
B 真空断熱材

Claims (5)

  1. 断熱芯材を積層体からなる外包材で封入し、外包材で封入された内部を脱気し真空状態とした真空断熱材に用いられる真空断熱材用積層体において、該真空断熱材用積層体が少なくともガスバリア層と最内層に熱接着性樹脂層が積層されて構成されており、前記熱接着性樹脂層が高密度ポリエチレン、ポリオレフィン、高密度ポリエチレンが順次、積層されてなることを特徴とする真空断熱材用積層体。
  2. 前記ポリオレフィンが直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1記載の真空断熱材用積層体。
  3. 前記高密度ポリエチレンがメタロセン触媒を用いた重合反応により得られるものであり、密度が0.94〜0.98g/cm3 、分子量分布分散度(Mw/Mn)が3〜8であることを特徴とする請求項1又は2記載の真空断熱材用積層体。
  4. 前記ガスバリア層がプラスチックフィルムにプラズマ化学気相成長法で形成された炭素含有酸化珪素からなる蒸着層を1層以上積層されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の真空断熱材用積層体。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の真空断熱材用積層体を用いた外包材に、断熱芯材を封入し、前記外包材内部を脱気し真空状態とした真空断熱材。

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