JP2007326079A - 石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法 - Google Patents

石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007326079A
JP2007326079A JP2006161237A JP2006161237A JP2007326079A JP 2007326079 A JP2007326079 A JP 2007326079A JP 2006161237 A JP2006161237 A JP 2006161237A JP 2006161237 A JP2006161237 A JP 2006161237A JP 2007326079 A JP2007326079 A JP 2007326079A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
relative humidity
fired boiler
coal fired
flue gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006161237A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Nagata
真之 永田
Shoichi Onishi
召一 大西
Kazuaki Miyake
一明 三宅
Yasutoshi Ueda
泰稔 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Environmental Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Environmental Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Environmental Engineering Co Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Environmental Engineering Co Ltd
Priority to JP2006161237A priority Critical patent/JP2007326079A/ja
Publication of JP2007326079A publication Critical patent/JP2007326079A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Separation (AREA)

Abstract

【課題】電気集塵装置を有する石炭焚ボイラ排ガスの処理において、常に逆電離が発生せずに、電気集塵効率が常に安定した石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法を提供する。
【解決手段】石炭焚ボイラ1の排ガスの熱回収を行なう熱回収装置であるGGH熱回収部3aと、該GGH熱回収部3aの後流側に設けられ、排ガス中の煤塵を捕集する乾式電気集塵装置(乾式EP)4とを具備する石炭焚ボイラの排煙処理システムであって、排ガスG2中に水蒸気又は水分のいずれか一方又は両方を注入して、相対湿度を向上させる相対湿度増加装置である水蒸気又は水分注入装置20を前記GGH熱回収部3aの上流側に有してなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法に関する。
石炭焚ボイラからの排ガス中の廃熱を有効利用する技術として、ボイラ排ガスの熱を回収し、外部に排出する排ガスを加熱することの提案がなされている。図28に、石炭焚ボイラの排煙処理システムの一例を示す。図28に示すように、従来の排ガス処理設備では、石炭焚ボイラ1から出る未処理排ガスA1を、まずエアヒータ(AH)2の熱回収装置に導き、この未処理排ガスA1の熱でボイラ1に供給される空気Bを加熱する。ここで、未処理排ガスA1は120℃〜160℃に冷却される。
次いで、未処理排ガスA1は、ガスガスヒータ(GGH)熱回収部3aに導入されて熱回収され、約80℃〜110℃に冷却された後に低低温の乾式電気集塵装置(乾式EP)4に導かれる。前記乾式EP4では、未処理排ガスA1中から相当量の煤塵が除去されて煤塵濃度が低減され、排ガスA2が排出される。
前記乾式EP4を出た排ガスA2は、脱硫装置5に導入され、主に亜硫酸ガスを吸収除去されると共に、ここでも煤塵が捕集除去された後、処理後排ガスA3として排出される。
そして、脱硫装置5を出た処理後排ガスA3は水分飽和温度(約50℃)であり、GGH再加熱部3bにおいて熱回収熱媒6により再加熱され、白煙防止のための大気放出に好ましい温度(約90℃〜100℃)とされて煙突7より大気放出される(特許文献1)。
特開平11−179147号公報
しかしながら、従来の排ガス処理システムに用いられる電気集塵装置において、捕集する煤塵の電気比抵抗が高くなると、同じコロナ電流が流れる場合に、ダスト層にかかる電圧(電界強度)は低抵抗の煤塵の場合よりも大きくなり、電気集塵装置内で形成されるダスト層が絶縁破壊し、荷電状態が不安定化し、この結果集塵性能が低下する、という逆電離といわれる問題がある。
図26−1は排ガス温度と煤塵電気比抵抗との関係図を示し、図26−2は、煤塵粒子10における表面伝導11及び体積伝導12の様子の模式図を示す。
これらの図面に示すように、煤塵粒子10の電気比抵抗は、表面伝導11と体積伝導12との並列回路で決定され、モデル化されている。高温領域では、体積伝導12が支配的であり、主に、灰中のアルカリ金属成分の影響を受け、一方、低温領域では表面伝導11が支配的であり、石炭中の硫黄成分に起因するSO3が水分と結合して煤塵表面に硫酸として凝集したものの影響を受ける。
体積伝導12が低くこれに起因して高温領域の電気抵抗が高い灰においては、排ガス温度と灰の電気抵抗率との関係を示す図27に示すように、低温領域でも比較的高温の領域(95〜110℃)においては、灰の電気抵抗率が逆電離閾値を越えて、逆電離が発生し、電気集塵性能が低下する場合がある。
本発明は、前記問題に鑑み、電気集塵装置を有する石炭焚ボイラ排ガスの処理において、常に逆電離が発生せずに、電気集塵効率が常に安定した石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、ボイラの排ガスの熱回収を行なう熱回収装置と、該熱回収装置の後流側に設けられ、排ガス中の煤塵を捕集する乾式電気集塵装置とを具備する石炭焚ボイラの排煙処理システムであって、排ガス中に水蒸気又は水分のいずれか一方又は両方を注入して、相対湿度を向上させる相対湿度増加装置を有してなることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システムにある。
第2の発明は、第1の発明において、前記相対湿度増加装置が、熱交換器の上流側の排ガスの煙道中に水蒸気又は水分を注入する水蒸気又は水分注入装置であることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システムにある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記相対湿度増加装置により、排ガスの相対湿度が、前期相対湿度増加装置を未使用である場合に比べて3%以上向上されることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システムにある。
第4の発明は、石炭焚ボイラの排ガスの熱回収を行なう熱回収装置と、該熱回収装置の後流側に設けられ、排ガス中の煤塵を補充する乾式電気集塵装置とを具備する石炭焚ボイラの排煙処理システムであって、排ガス中にSO3を注入して、SO3濃度を向上させるSO3供給装置を有してなることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システムにある。
第5の発明は、第4の発明において、前記SO3の注入量が3ppm以上であることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システムにある。
第6の発明は、ボイラの排ガスの熱回収を行なった後に、排ガス中の煤塵を乾式電気集塵装置により捕集する石炭焚ボイラの排煙処理方法であって、排ガス中に水蒸気又は水分のいずれか一方又は両方を注入して、相対湿度を向上させることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理方法にある。
第7の発明は、第6の発明において、前記相対湿度増加装置により、排ガスの相対湿度が、前期相対湿度増加装置を未使用である場合に比べて3%以上向上されることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理方法にある。
第8の発明は、石炭焚ボイラの排ガスの熱回収を行なった後に、排ガス中の煤塵を乾式電気集塵装置により捕集する石炭焚ボイラの排煙処理方法であって、排ガス中にSO3を注入してSO3濃度を向上させることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理方法にある。
第9の発明は、第8の発明において、前記SO3の注入量が3ppm以上であることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理方法にある。
本発明によれば、排ガス中の相対湿度またはSO3濃度を向上させることにより、低温領域での煤塵の表面伝導を十分に向上させ、電気集塵装置を有する石炭焚ボイラ排ガスの処理において、常に逆電離が発生せずに、電気集塵効率が常に安定した石炭焚ボイラの排煙処理が可能となる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例に係る石炭焚ボイラの排煙処理システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、実施例に係る石炭焚ボイラの排煙処理システムを示す概念図である。なお、前述した図27のシステムと同一部材には同一符号を付して重複した説明は省略する。
図1に示すように、本実施例に係る石炭焚ボイラの排煙処理システムは、石炭焚ボイラ1の排ガスの熱回収を行なう熱回収装置であるGGH熱回収部3aと、該GGH熱回収部3aの後流側に設けられ、排ガス中の煤塵を捕集する乾式電気集塵装置(乾式EP)4とを具備する石炭焚ボイラの排煙処理システムであって、排ガスG2中に水蒸気又は水分のいずれか一方又は両方を注入して、相対湿度を向上させる相対湿度増加装置である水蒸気又は水分注入装置20を前記GGH熱回収部3aの上流側に有してなるものである。
本実施例のシステムでは、石炭焚ボイラ1から出る未処理排ガスG1を、まずエアヒータ(AH)2の熱回収装置に導き、この未処理排ガスG1の熱で石炭焚ボイラ1に供給される空気Bを加熱する。ここで、未処理排ガスG1は120℃〜160℃に冷却される。
次いで、熱交換された排ガスG2は、水蒸気又は水分注入装置20により、水蒸気又は水分のいずれか一方又は両方を注入して、相対湿度を向上させる。
次いで、相対湿度が向上された排ガスG3がGGH熱回収部3aに導入されて熱回収され、約80℃〜110℃に冷却された排ガスG4とした後に乾式EP4に導かれる。乾式EP4では排ガスG4中から相当量の煤塵が除去されて煤塵濃度が低減され、排ガスG5が排出される。
乾式EP4を出た排ガスG5は、脱硫装置5に導入され、主に亜硫酸ガスを吸収除去されると共に、ここでも煤塵が捕集除去された後、処理後排ガスG6として排出される。
そして、前記脱硫装置5を出た処理後排ガスG6は水分飽和温度(約50℃)であり、GGH再加熱部3bにおいて回収した熱媒6により再加熱され、白煙防止のための大気放出に好ましい温度(約90℃〜100℃)の排ガスG7とされて煙突7より大気放出される。
また、図1に示すシステムにおいては、煙突7の前に白煙防止のGGH再加熱部3bを設置しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図2に示すように、GGH再加熱部3bを設置せずに、GGH熱回収部3aで熱回収された熱媒6をボイラ設備等に利用するものであってもよい。この場合には、GGH熱回収部3aでの回収熱容量を増大されるようにする場合には、大型化され、熱回収後の排ガスG4の温度をより低下する場合もある。
ここで、本発明で水蒸気又は水分注入装置20により注入した水蒸気又は水分により増加する相対湿度とは、増湿前の排ガスG2中の相対湿度から3〜6%向上した相対湿度の値をいう。すなわち、前記水分注入装置20を未使用である場合に比べて相対湿度が3〜6%向上されることをいう。
これは、相対湿度が3%未満ではその増湿の効果が発現されず、一方6%を超える場合にはそのさらなる添加効果が発現されないからである。
例えば700MWの石炭焚ボイラの場合では、水蒸気の供給は30〜50t/hとするのが好ましい。また、水分の供給の場合には、5〜7t/hの注入により、増湿効果と温度低下効果との相乗効果を発現させることができる。
特に、排ガスに水分を供給することにより、その運転時における排ガス温度から温度を数度下げるようにすることで、排ガス温度の低下と共に相対湿度の向上を図るようにしてもよい。
また、熱交換装置の熱交換量を増大させて、運転温度を下げるようにしてもよい。一例として70℃にまで運転温度を下げれば、より高温において水または蒸気によって排ガス中の水分を向上させるのと同等の相対湿度の向上が可能である。図1の実施例においては、熱回収量は排ガスの再熱量によって決まるので、ガスガスヒータ(GGH)による排ガス温度の低減範囲に制約が存在するが、図2の実施例のような場合には特に制約なく、一例として70℃といった温度にまで運転温度を低減させることが可能である。
また、本実施例では、AH(エアヒータ)2とGGH熱回収部3aとの間の排ガスG3中に水蒸気又は水分を注入しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、AH2の上流側やボイラ内において、所定量の水蒸気又は水分を供給するようにしてもよく、例えば、ボイラ炉内の蒸発管の表面の付着物を除去する目的で設置されるスーツブロー装置を用いて炉内に上記を注入することによっても、同等の効果が得られる。
特に、AH2の上流側で水蒸気等を供給する場合では、AH2の下流側で水蒸気等を供給する場合と異なり排ガス温度が高いので、供給した水蒸気又は水分の蒸発効率が高くなるのでより好ましいものとなる。
また、水蒸気又は水分注入装置20の代わりに、SO3供給装置(図示せず)を設けるようにしてもよい。
このSO3の供給量としては、逆電離の解消のためには3ppm以上10ppm程度までとするのがよい。
これは、供給量が3ppm未満ではその添加の発現がなく、10ppm以上となるとさらなる添加効果が発現されないからである。なお、添加されたSO3は、大部分が排ガス中の水分と結合して煤塵表面に硫酸として凝集し、煤塵とともに乾式EPで捕集される。また、乾式EPをすり抜けるものがあっても、極微量であるので、亜硫酸ガスと合わせた全硫黄酸化物の量にはほとんど影響を与えない。
また、水蒸気又は水分注入装置20とSO3供給装置とを併用するようにしてもよい。
<試験例1〜3>
以下、相対湿度の増加効果を確認するための試験例について説明する。
試験はLPG焚のガス発生装置を用いて模擬ガスを発生させ、発生した模擬ガスに供試験灰を添加し、循環させて、所定の空塔速度とした。
この循環ラインの排ガス中に、水分注入装置から水分を注入して、排ガス中の相対湿度を増加させて試験を行なった。
なお、電気集塵機の電極のピッチの相違の有無についても測定するために、300mmピッチの場合(ガス量:2100m3N/h)を実線、400mmピッチの場合(ガス量:2800m3N/h)を破線で示した。
なお、供試灰の特性より、体温領域として逆電離が生じる条件として水分2%以下が必要(抵抗閾値:8×1012Ωcm)であった。
〔試験1−1〜1−4〕
試験1−1〜1−4は水分1.1%の一定として、排ガス温度を変化させ、ガス温度、水分、相対湿度を計測した。
試験の結果を図3〜図6に示す。図3〜図6は試験1−1〜試験1−4に係る印加電圧と電流密度との関係図である。
試験1−1の結果を示す図3は、温度が42℃で水分が1.1vol%で相対湿度が13.9%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合のいずれもほぼ同じプロットとなり、逆電離現象は確認されなかった。
試験1−2の結果を示す図4は、温度が51℃で水分が1.1vol%で相対湿度が8.6%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合のわずかにプロットに開きがあり、逆電離現象の開始が確認された。
試験1−3の結果を示す図5は、温度が61℃で水分が1.1vol%で相対湿度が5.4%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットに開きがはっきり確認され、逆電離現象が確認された。
試験1−4の結果を示す図6は、温度が71℃で水分が1.1vol%で相対湿度が3.5%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットに開きがはっきり確認され、逆電離現象が確認された。
〔試験2−1〜2−4〕
試験2−1〜試験2−4は水分の割合を1.1vol%から2.0vol%に変更し、この水分濃度を一定として、排ガス温度を変化させ、ガス温度、水分、相対湿度を計測した。
試験の結果を図7〜図10に示す。
試験2−1の結果を示す図7は、温度が79℃で水分が2.0vol%で相対湿度が4.5%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合のいずれもほぼ同じプロットとなり、逆電離現象は確認されなかった。
試験2−2の結果を示す図8は、温度が84℃で水分が2.0vol%で相対湿度が3.7%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合のわずかにプロットに開きがあり、逆電離現象の開始が確認された。
試験2−3の結果を示す図9は、温度が91℃で水分が2.0vol%で相対湿度が2.8%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットに開きがはっきり確認され、逆電離現象が確認された。
試験2−4の結果を示す図10は、温度が97℃で水分が2.0vol%で相対湿度が2.3%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットに開きがはっきり確認され、逆電離現象が確認された。
〔試験3−1〜3−4〕
試験3では、試験1及び試験2と異なり、ガス温度をほぼ90度に一定にして、水分を変化させ、ガス温度、水分、相対湿度を計測した。
試験の結果を図11〜図14に示す。
試験3−1の結果を示す図11は、温度が95℃で水分が1.3vol%で相対湿度が1.5%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットに開きがはっきり確認され、逆電離現象が確認された。
試験3−2の結果を示す図12は、温度が91℃で水分が2.9vol%で相対湿度が4.0%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットに開きがはっきり確認され、逆電離現象が確認された。
試験3−3の結果を示す図13は、温度が91℃で水分が3.4vol%で相対湿度が4.8%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットの開きが僅かとなり、逆電離現象がほぼ解消された。
試験3−3の結果を示す図14は、温度が91℃で水分が4.4vol%で相対湿度が6.2%であった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットの開きがなく逆電離現象は完全に解消された。
試験1〜試験3の結果を図15〜図17に各々示す。図15〜17は相対湿度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフである。なお、図中黒丸は電極が300mmピッチの場合、白丸は400mmピッチの場合を示す。
図15〜17では、先に試験した電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(Vlの上昇と下降での電界強度の値の差)を逆電離の度合い(程度)の指標とした。また、電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス=0.05kV/cmを逆電離発生の閾値と仮定した。
図15〜17に示すようにいずれにおいても逆電離の度合いは、相対湿度に対してリニアな関係にあることが判明し、相対湿度を向上させることで、逆電離現象が解消されることが確認された。また、電極間ピッチにおける差異はないことが確認された。
図18〜図20は、先の図15〜17の相対湿度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフにおいて、逆電離発生のヒステリシスを0.2kV/cmとし、この逆電離を解消する指標を0.05kV/cm以下とした場合、その起点と終点を矢印で示した。
その結果、相対湿度を約3〜5%向上させることにより逆電離が解消されることが確認された。
なお、実機ボイラにおいて、逆電離が発生した際のヒステリシスは0.19kV/cmであり、前記0.2kV/cmの範囲内の値であった。
なお、本試験例では、相対湿度を3〜5%増加させることが好ましいとしているが、実機ボイラにおいては、電界強度のヒステリシスの値が変動する場合があるので、相対湿度の上限をさらに1%程度増加した6%とするのが好ましい。
<試験4>
700MWの実機プラントにて、350MWでの運転において、水蒸気を注入した場合における煤塵濃度の低下を確認した。
その結果を図21に示す。
図21は横軸が時間であり、縦軸が上から平均電圧(kV)、水蒸気の投入の有無、乾式EP出口の煤塵濃度(mg/m3N)であり、排ガス中に14t/hの水蒸気を注入し、逆電離が解消されたことを確認した。逆電離の解消の有無は、電圧の上昇と煤塵濃度の急激な減少により確認した。
<試験5>
試験1と同様な装置を用いて、SO3供給による逆電離現象の解消の効果を確認するための試験例について説明する。
試験は発生した模擬ガスにSO3を供給し、循環させて、所定の空塔速度とした。
試験5−1〜5−4の結果を図22〜図24に示す。
試験5−1の結果を示す図22は、温度が89℃で水分が1.2vol%でSO3濃度が1.82ppmであった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットに開きがはっきり確認され、逆電離現象が確認された。
試験5−2の結果を示す図23は、温度が90℃で水分が1.2vol%でSO3濃度が3.64ppmであった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットに開きが縮小され、逆電離現象の解消傾向が確認された。
試験5−3の結果を示す図24は、温度が90℃で水分が1.2vol%でSO3濃度が6.06ppmであった。この場合には、印加電圧を徐々に上昇した場合及び徐々に下降させた場合にプロットに開きがなく、逆電離現象が解消された。
試験5−1〜5−3の結果を図25に示す。図25はSO3濃度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフである。
図25では、先に試験した電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(Vlの上昇と下降での電界強度の値の差)を逆電離の度合い(程度)の指標とした。また、電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス=0.05kV/cmを逆電離発生の閾値と仮定した。
図25に示すように、逆電離の度合いは、SO3濃度に対して相関関係があることが判明し、SO3濃度を向上させることで、逆電離現象が解消されることが確認された。また、電極間ピッチにおける差異はないことが確認された。
図25のSO3濃度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフにおいて、逆電離発生のヒステリシスを0.2kV/cmとし、この逆電離を解消する指標と0.05kV/cm以下とした場合、その起点と終点を矢印で示した。
その結果、SO3濃度を約3%以上向上させることで逆電離現象が解消されることが確認された。
なお、本試験例では、SO3濃度を3%以上増加させることが好ましいとしているが、実機ボイラにおいては、電界強度のヒステリシスの値が変動する場合があるので、SO3注入量の上限をさらに1%程度増加した3〜4%以上とするのが好ましい。
なお、本実施例では、ボイラとして石炭焚ボイラを例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
以上のように、本発明に係る、電気集塵装置を有する石炭焚ボイラ排ガスの処理において、逆電離が防止され、電気集塵効率が常に安定した石炭焚ボイラからの排ガス処理に用いて適している。
実施例に係る石炭焚ボイラの排煙処理システム図である。 実施例に係る他の石炭焚ボイラの排煙処理システム図である。 試験1−1に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験1−2に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験1−3に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験1−4に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験2−1に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験2−2に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験2−3に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験2−4に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験3−1に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験3−2に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験3−3に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験3−4に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験例1に係る相対湿度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフである。 試験例2に係る相対湿度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフである。 試験例3に係る相対湿度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフである。 試験例1に係る相対湿度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフにおいて、逆電離が解消される範囲を示したグラフである。 試験例2に係る相対湿度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフにおいて、逆電離が解消される範囲を示したグラフである。 試験例3に係る相対湿度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフにおいて、逆電離が解消される範囲を示したグラフである。 試験例4に係る実機プラントにおける逆電離現象の解消の効果を示すグラフである。 試験5−1に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験5−2に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験5−3に係る相対湿度を変化させた場合の印加電圧と電流密度との関係図である。 試験例5に係る相対湿度と電流密度0.2mA/m2における電界強度のヒステリシス(kV/cm)との関係を示すグラフである。 排ガス温度と煤塵電気比抵抗との関係図である。 煤塵粒子における表面伝導及び体積伝導の様子の模式図である。 排ガス温度と灰の電気抵抗率との関係図である。 石炭焚ボイラの排煙処理システム図である。
符号の説明
1 石炭焚ボイラ
2 エアヒータ
3a GGH熱回収部
3b GGH再加熱部
4 乾式EP
5 脱硫装置
7 煙突
20 水蒸気又は水分注入装置

Claims (9)

  1. ボイラの排ガスの熱回収を行なう熱回収装置と、該熱回収装置の後流側に設けられ、排ガス中の煤塵を捕集する乾式電気集塵装置とを具備する石炭焚ボイラの排煙処理システムであって、
    排ガス中に水蒸気又は水分のいずれか一方又は両方を注入して、相対湿度を向上させる相対湿度増加装置を有してなることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システム。
  2. 請求項1において、
    前記相対湿度増加装置が、熱交換器の上流側の排ガスの煙道中に水蒸気又は水分を注入する水蒸気又は水分注入装置であることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記相対湿度増加装置により、排ガスの相対湿度が、前期相対湿度増加装置を未使用である場合に比べて3%以上向上されることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システム。
  4. 石炭焚ボイラの排ガスの熱回収を行なう熱回収装置と、該熱回収装置の後流側に設けられ、排ガス中の煤塵を補充する乾式電気集塵装置とを具備する石炭焚ボイラの排煙処理システムであって、
    排ガス中にSO3を注入して、SO3濃度を向上させるSO3供給装置を有してなることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システム。
  5. 請求項4において、
    前記SO3の注入量が3ppm以上であることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理システム。
  6. ボイラの排ガスの熱回収を行なった後に、排ガス中の煤塵を乾式電気集塵装置により捕集する石炭焚ボイラの排煙処理方法であって、
    排ガス中に水蒸気又は水分のいずれか一方又は両方を注入して、相対湿度を向上させることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理方法。
  7. 請求項6において、
    前記相対湿度増加装置により、排ガスの相対湿度が、前期相対湿度増加装置を未使用である場合に比べて3%以上向上されることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理方法。
  8. 石炭焚ボイラの排ガスの熱回収を行なった後に、排ガス中の煤塵を乾式電気集塵装置により捕集する石炭焚ボイラの排煙処理方法であって、
    排ガス中にSO3を注入してSO3濃度を向上させることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理方法。
  9. 請求項8において、
    前記SO3の注入量が3ppm以上であることを特徴とする石炭焚ボイラの排煙処理方法。
JP2006161237A 2006-06-09 2006-06-09 石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法 Pending JP2007326079A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006161237A JP2007326079A (ja) 2006-06-09 2006-06-09 石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006161237A JP2007326079A (ja) 2006-06-09 2006-06-09 石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007326079A true JP2007326079A (ja) 2007-12-20

Family

ID=38926936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006161237A Pending JP2007326079A (ja) 2006-06-09 2006-06-09 石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007326079A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013136782A1 (ja) 2012-03-14 2013-09-19 株式会社Ihi 酸素燃焼ボイラシステム
CN103363536A (zh) * 2013-07-10 2013-10-23 浙江省电力设计院 一种火力发电厂低低温电除尘***

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5637059A (en) * 1979-09-03 1981-04-10 Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd Treatment method of exhaust gas containing dust with high electric resistance
JPS5750560A (en) * 1980-09-09 1982-03-25 Sumitomo Heavy Ind Ltd Method for refining of waste gas for electrostatic dust precipitator
JPS62183859A (ja) * 1986-02-07 1987-08-12 Kansai Electric Power Co Inc:The 石炭焚ボイラからの排ガス処理方法
JPS63171622A (ja) * 1987-01-09 1988-07-15 Babcock Hitachi Kk 排煙処理装置
JPH07308601A (ja) * 1994-05-18 1995-11-28 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 燃焼排ガス中のダストの調質方法
JP2000051651A (ja) * 1999-08-09 2000-02-22 Babcock Hitachi Kk 排煙脱硫装置および方法
JP2002204925A (ja) * 2001-01-15 2002-07-23 Electric Power Dev Co Ltd 排ガス処理システム及びその運転方法
JP2002370012A (ja) * 2001-06-13 2002-12-24 Babcock Hitachi Kk 排煙処理装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5637059A (en) * 1979-09-03 1981-04-10 Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd Treatment method of exhaust gas containing dust with high electric resistance
JPS5750560A (en) * 1980-09-09 1982-03-25 Sumitomo Heavy Ind Ltd Method for refining of waste gas for electrostatic dust precipitator
JPS62183859A (ja) * 1986-02-07 1987-08-12 Kansai Electric Power Co Inc:The 石炭焚ボイラからの排ガス処理方法
JPS63171622A (ja) * 1987-01-09 1988-07-15 Babcock Hitachi Kk 排煙処理装置
JPH07308601A (ja) * 1994-05-18 1995-11-28 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 燃焼排ガス中のダストの調質方法
JP2000051651A (ja) * 1999-08-09 2000-02-22 Babcock Hitachi Kk 排煙脱硫装置および方法
JP2002204925A (ja) * 2001-01-15 2002-07-23 Electric Power Dev Co Ltd 排ガス処理システム及びその運転方法
JP2002370012A (ja) * 2001-06-13 2002-12-24 Babcock Hitachi Kk 排煙処理装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013136782A1 (ja) 2012-03-14 2013-09-19 株式会社Ihi 酸素燃焼ボイラシステム
KR20140138279A (ko) 2012-03-14 2014-12-03 가부시키가이샤 아이에이치아이 산소 연소 보일러 시스템
JPWO2013136782A1 (ja) * 2012-03-14 2015-08-03 株式会社Ihi 酸素燃焼ボイラシステム
US9945558B2 (en) 2012-03-14 2018-04-17 Ihi Corporation Oxyfuel combustion boiler system
CN103363536A (zh) * 2013-07-10 2013-10-23 浙江省电力设计院 一种火力发电厂低低温电除尘***

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10955136B2 (en) Method and system for improving boiler effectiveness
JP4853737B2 (ja) 排ガス処理方法及び装置
US8209985B2 (en) Heat recovery equipment
CN102305413B (zh) 火力发电厂燃煤锅炉排烟余热回收及减排综合应用***
JP5416679B2 (ja) 排ガス処理方法と装置
CN104676620A (zh) 一种低低温电除尘与水媒式ggh联合的烟气处理***及烟气处理方法
JP2005059005A (ja) 石炭混合を使用して燃焼煙道ガス中の水銀を減少させるシステム及びその方法
CN103203154B (zh) 水冷管式凝水除尘器
JP2010172878A (ja) 酸素燃焼用石炭焚ボイラの排ガス処理装置と方法
JP5537195B2 (ja) ストーカ式焼却炉の廃熱回収システム
JP5284251B2 (ja) 酸素燃焼方式の排ガス処理装置と該排ガス処理装置の運用方法
CN104684627B (zh) 废气处理方法和废气处理装置
RU2482905C2 (ru) Способ и устройство управления простукиванием электростатического фильтра
JP2007326079A (ja) 石炭焚ボイラの排煙処理システム及び方法
JP2011094962A (ja) 熱回収設備
JP2006292264A (ja) 廃棄物の燃焼処理方法及び該システム
TWI754316B (zh) 廢氣處理裝置及廢氣處理方法
CN105526578A (zh) 焦化厂烟气节能环保综合治理装置及工艺
JP2019100612A (ja) ボイラ排ガス用熱交換器
JPS60227845A (ja) 排ガス処理装置
JP4901920B2 (ja) 排ガス処理システムおよび方法
CN105498974B (zh) 电除尘器辅助装置及烟气除尘***
JP2001000833A (ja) ボイラ排煙処理設備
CN109945222A (zh) 一种生物质锅炉节能减排超低排放工艺
JP2019155256A (ja) 乾燥システム及びその運用方法、並びにボイラシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20081212

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20091118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110620

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111115