JP2007321582A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁力により弾性部材の弾性力に抗して電磁ソレノイド側にバルブが吸引されるに伴いノズルニードルが開弁する燃料噴射弁を操作対象として微小量の燃料噴射を行う場合であっても、その制御性を高く維持する。
【解決手段】燃料噴射弁10は、背圧室18内の燃圧によってノズルニードル14を閉弁させるものである。背圧室18は、バルブ28の開閉によって低圧燃料通路26と連通及び遮断される。バルブ28は、電磁ソレノイド32にピーク電流を流した後、保持電流を流すことで、電磁ソレノイド32に吸引され、同電磁ソレノイド32に接触した状態が保持される。燃料噴射弁10の経年変化によってバルブ28が電磁ソレノイド32に接触しなくなるとき、電磁ソレノイド32に流れるピーク電流を増大補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性部材の弾性力に抗して電磁力により電磁ソレノイド側にバルブが吸引されるに伴いノズルニードルが開弁する燃料噴射弁を操作対象とし、前記電磁ソレノイドに対する通電操作によって前記バルブを前記電磁ソレノイドに接触した状態に保持する処理を行う燃料噴射制御装置に関する。
この種の燃料噴射制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、高圧燃料の充填される背圧室内の燃料による力によってノズルニードルが閉弁状態とされる燃料噴射弁について、背圧室と低圧側との開閉を行うバルブを電磁駆動するものも提案されている。すなわち、燃料噴射弁の備える電磁ソレノイドにピーク電流を流すことで弾性部材の弾性力に抗してバルブを開弁させた後、バルブが電磁ソレノイドに接触した状態を保持すべく、ピーク電流よりも小さい保持電流を流す。これにより、バルブが開弁している間、背圧室と低圧側とが連通し、背圧室内の圧力が低下する。これにより、ノズルニードルを開弁させることができる。換言すれば、燃料噴射弁を開弁させることができる。
ところで、上記通電操作期間が短いときには、バルブが電磁ソレノイドに接触することなく閉弁する現象が生じ得る。この場合、バルブが電磁ソレノイドに接触した状態で通電操作が終了する場合と比較して、通電操作の終了後にバルブが実際に閉弁するまでの時間が長くなることが発明者らによって見出されている。これは、バルブが電磁ソレノイドに接触していない状態において通電操作を終了する場合には、通電操作が終了しても、しばらくは慣性力によりバルブが開弁方向に変位し、バルブを閉弁させるための弾性部材の弾性力が慣性力に打ち勝つことでバルブが閉弁方向に変位し始めるためである。
上記のようにバルブが電磁ソレノイドに接触することなく閉弁する現象が生じる場合には、バルブが電磁ソレノイドに接触する最小の通電操作期間とするよりも、それよりも短い通電操作期間とする方が、バルブの実際の開操作期間が長くなり得る。このため、通電操作期間を長くするほど噴射量が多くなるという関係が成立せず、燃料噴射制御精度が低下する。
これに対し、通電操作期間の最小値においても電磁ソレノイドがバルブに接触するように各種適合を行うことも考えられるが、燃料噴射弁の特性の経年変化等によってバルブが電磁ソレノイドに接触しなくなった場合には、これに対処することができない。
特開平8−177583号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、弾性部材の弾性力に抗して電磁力により電磁ソレノイド側にバルブが吸引されるに伴いノズルニードルが開弁する燃料噴射弁を操作対象として微小量の燃料噴射を行う場合であっても、その制御性を高く維持することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記通電操作期間に対して前記バルブの実際の開操作期間が所定以上伸長しているか否かを判断する判断手段と、該伸長していると判断されるとき、前記通電操作の電流を増大補正する増大手段とを備えることを特徴とする。
上記構成では、通電操作期間に対して実際の開操作期間が所定以上伸長していると判断されるときには、通電操作に伴い開弁するバルブが電磁ソレノイドに接触することなく閉弁していると考えられる。このため、上記構成では、こうした状況下、通電操作の電流の大きさを増大補正する。これにより、通電操作に伴い開弁するバルブを電磁ソレノイドに確実に接触させることができる。このため、バルブの実際の開操作期間を縮小補正することができ、ひいては、微小量の燃料噴射を行う場合であっても、その制御性を高く維持することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記通電操作は、前記電磁ソレノイドにピーク電流を流した後、該ピーク電流よりも小さい保持電流を流すことによってなされるものであり、前記増大手段は、前記開操作期間が伸張していると判断されるとき、前記ピーク電流を増大させることを特徴とする。
上記構成では、ピーク電流を流した後保持電流を流すことで通電操作を行なうために、消費電力を低減させることができる。しかも、実際の開操作期間が所定以上伸長していると判断されるときには、ピーク電流を増大させることで、通電操作に伴い開弁したバルブが電磁ソレノイドに接触することなく閉弁する状況下、電磁ソレノイドにバルブが確実に接触するように状況を改善することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記増大手段は、アイドル回転速度制御時、前記ピーク電流の値を増大させつつ前記実際の回転速度の前記目標回転速度への追従性を監視し、該追従性が回復するときの前記ピーク電流の値を当該燃料噴射弁の通電電流のピーク値として記憶することを特徴とする。
上記構成では、アイドル回転速度制御時においてピーク電流の値を徐々に増大させることで、バルブが電磁ソレノイドに接触するように、又は、バルブが電磁ソレノイドに接触するタイミングを早めるように調節することができる。このため、実際の開操作期間を徐々に縮小することができる。そして、目標回転速度に追従することによって、燃料噴射弁の噴射特性が基準となる特性となったと考えられるため、このときのピーク値を、開操作期間を所望の期間とするための値として取得することができる。そして、これを記憶することで、次回以降の燃料噴射制御における制御性を向上させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記判断手段は、アイドル回転速度制御時において、前記内燃機関の出力軸の実際の回転速度の目標回転速度への追従性の低下に基づき、前記開操作期間が所定以上伸長していると判断することを特徴とする。
燃料噴射弁に噴射特性の変化が生じている場合、アイドル回転速度制御時においては実際の回転速度は、目標回転速度にフィードバック制御される。ただし、燃料噴射量を許容最小値以下とすることができないため、噴射特性の変化が指令噴射期間の割に噴射量が多くなる側の変化である場合には、上記フィードバック制御によっても実際の回転速度を目標回転速度に追従させることができないことがある。一方、通電操作に伴って開弁したバルブが電磁ソレノイドに接触することなく閉弁することで実際の開操作期間が伸長することは、指令噴射期間の割には噴射量が多くなる現象となって現れる。上記構成では、この性質に着目し、実際の回転速度の目標回転速度への追従性の低下に基づき、実際の開操作期間の伸長を適切に判断することができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、アイドル回転速度制御時、実際の回転速度を前記目標回転速度にフィードバック制御するための噴射量を均等に分割して噴射する均等分割噴射手段を更に備え、前記判断手段は、前記均等噴射分割手段による制御時、実際の回転速度が目標回転速度に追従しないときに前記開操作期間が所定以上伸長していると判断することを特徴とする。
上記構成では、均等分割噴射手段を備えるために、例えば微小な燃料噴射量領域における燃料噴射弁の噴射特性を学習することができる。ただし、均等分割噴射手段による制御時には、燃料噴射弁に対する噴射量の指令値が特に少量となりやすい。このため、フィードバック制御によって噴射量を減少補正する際には、フィードバック制御によって要求される噴射量が許容最小値に到達しやすい。このため、通電操作に対して実際の開操作期間が伸長しているときには、上記フィードバック制御による目標回転速度への追従性が低下しやすい。この点、上記構成では、均等分割噴射手段による制御時における目標回転速度への追従性の低下に基づき実際の開操作期間が伸長しているか否かを判断するために、均等分割噴射手段による微小噴射領域における伸長の有無を好適に判断することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記増大手段は、前記燃料噴射弁に対する噴射量の指令値が所定以下であるときに前記増大補正を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、全ての噴射量領域において増大補正する場合と比較して消費電力を低減することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記燃料噴射弁は、高圧燃料が充填される背圧室の圧力によって前記ノズルニードルが閉弁し、前記バルブの開弁により前記背圧室内の燃料が低圧側に流出することで前記ノズルニードルが開弁するものであることを特徴とする。
上記構成は、背圧室に高圧燃料を充填する経路や背圧室から低圧側へと燃料が流出する経路の経年変化等によって、通電操作に伴って開弁したバルブが電磁ソレノイドに接触することなく閉弁する状況が生じ得る構成である。
請求項8記載の発明は、前記燃料噴射弁に対する噴射量の指令値が予め定められた値以下であるとき、該値よりも大きいときよりも前記ピーク電流を増大させることを特徴とする。
上記構成では、通電操作に伴って開弁するバルブが電磁ソレノイドに接触することなく閉弁する事態が生じやすいときに限ってピーク電流を増大させることで消費電力の増大を抑制しつつも、微小量の噴射領域における燃料噴射制御精度を向上させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる燃料噴射制御装置を電磁駆動式の燃料噴射弁を備えるコモンレール式ディーゼル機関の燃料噴射制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、燃料噴射システムの全体構成を示す。
図示されるように、コモンレール2には、図示しない燃料ポンプによって燃料タンクから汲み上げられた燃料が加圧供給(圧送)される。コモンレール2では、圧送された高圧状態の燃料(高圧燃料)を蓄えて、各気筒の燃料噴射弁10(ここでは、1つの気筒の燃料噴射弁のみを例示)に高圧燃料を分配供給する配管である。燃料噴射弁10は、高圧燃料通路4を介してコモンレール2から供給される高圧燃料を、ディーゼル機関の燃焼室に噴射供給するものである。
詳しくは、燃料噴射弁10は、その先端に、円柱状のニードル収納部12が設けられている。そして、ニードル収納部12には、その軸方向に変位可能なノズルニードル14が収納されている。ノズルニードル14は、燃料噴射弁10の先端部に形成されている環状のニードルシート部16に着座することで、ニードル収納部12を外部(ディーゼル機関の燃焼室)から遮断する一方、ニードルシート部16から離座することで、ニードル収納部12を外部と連通させる。また、ニードル収納部12には、コモンレール2から高圧燃料通路4を介して高圧燃料が供給される。
ノズルニードル14の背面側(ニードルシート部16と対向する側の反対側)は、背圧室18に対向している。背圧室18には、コモンレール2の高圧燃料が、高圧燃料通路4、入オリフィス20を介して供給される。また、ノズルニードル14の中間部には、ニードルスプリング22が備えられており、ニードルスプリング22によりノズルニードル14は燃料噴射弁10の先端側へ押されている。
一方、背圧室18は、出オリフィス24を介して低圧燃料通路26と連通可能とされており、低圧燃料通路26は、燃料タンクと接続されている。上記背圧室18と低圧燃料通路26は、バルブ28によって連通及び遮断される。すなわち、出オリフィス24がバルブ28によって塞がれることで、背圧室18と低圧燃料通路26とが遮断される一方、出オリフィス24が開放されることで背圧室18と低圧燃料通路26とが連通される。
バルブ28は、バルブスプリング30によって燃料噴射弁10の先端側へ押されている。また、バルブ28は、電磁ソレノイド32の電磁力により吸引されることで、燃料噴射弁10の後方側に変位可能となっている。
こうした構成において、電磁ソレノイド32が通電されず電磁ソレノイド32による吸引力が生じていないときには、バルブ28は、バルブスプリング30の力によって、出オリフィス24を塞ぐこととなる。一方、ノズルニードル14は、ニードルスプリング22によって燃料噴射弁10の先端側へ押され、ニードルシート部16に着座した状態(燃料噴射弁10の閉弁状態)となる。
ここで、電磁ソレノイド32が通電されると、電磁ソレノイド32による吸引力によりバルブ28は燃料噴射弁10の後方側へ変位し、出オリフィス24を開放する。これにより、背圧室18の高圧燃料は、出オリフィス24を介して低圧燃料通路26へと流出する。このため、背圧室18の高圧燃料がノズルニードル14へ印加する圧力は、ニードル収納部12内の高圧燃料がノズルニードル14に印加する圧力よりも小さくなる。そして、この圧力差による力が、ニードルスプリング22がノズルニードル14を燃料噴射弁10の先端側へ押す力よりも大きくなると、ノズルニードル14がニードルシート部16から離座した状態(燃料噴射弁10の開弁状態)となる。
このように、燃料噴射弁10は、電磁ソレノイド32への通電制御がなされていないときに閉弁状態となるノーマリークローズ型の噴射弁である。
一方、電子制御装置40は、マイクロコンピュータ(マイコン42)を主体として構成されている。マイコン42は、常時記憶保持メモリ43を備えている。常時記憶保持メモリ43は、給電の有無にかかわらずデータを保持するEEPROM等の不揮発性メモリや、ECU40の主電源のオン・オフにかかわらず給電状態が維持されるバックアップRAM等、ECU40の主電源のオン・オフにかかわらずデータを保持するメモリである。
ECU40は、ディーゼル機関の出力軸の回転角度を検出するクランク角センサ50及びコモンレール2内の燃圧を検出する燃圧センサ52等のディーゼル機関の運転状態を検出する各種センサの出力や、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ54の出力等を取り込む。そして、これら各種センサの検出結果に基づき、燃料噴射弁10等、ディーゼル機関の出力制御のための各種アクチュエータを操作する。
特に、ECU40は、マイコン42が燃料噴射弁10を適切に操作することができるように、駆動回路60を備えている。駆動回路60は、ECU40の電源(バッテリ)の電圧を昇圧する昇圧回路61を備え、昇圧電圧がコンデンサ62に印加される。そして、コンデンサ62に蓄えられた電荷は、スイッチング素子63を介して、電磁ソレノイド32に放電される。更に、スイッチング素子63及び電磁ソレノイド32間には、バッテリの電圧にて直接駆動される定電流回路64が設けられている。一方、電磁ソレノイド32の他方の端子は、スイッチング素子65を介して接地されている。
そして、マイコン42は、コンデンサ62と並列接続された抵抗66及び抵抗67の直列接続体のノードNaの電圧に基づき、コンデンサ62の電圧を検出する。また、マイコン42は、スイッチング素子65及び接地間を流れる電流に基づき、電磁ソレノイド32に流れる電流を検出する。そして、これらの電圧及び電流の検出結果に基づき、昇圧回路61や定電流回路64等を操作する。
図2に、マイコン42による燃料噴射弁10の開弁操作の態様を示す。詳しくは、図2(a)に、燃料噴射弁10に対する噴射期間の指令値(指令噴射期間)を示し、図2(b)に、電磁ソレノイド32を流れる電流(操作電流)の推移を示し、図2(c)に、スイッチング素子63の操作信号の推移を示し、図2(d)に、定電流回路64の操作信号の推移を示す。
図示されるように、噴射開始の指令に伴ってスイッチング素子65及びスイッチング素子63がオン操作されることで、上記コンデンサ62の電荷が電磁ソレノイド32に放出される。そして、電磁ソレノイド32に流れる電流が所定のピーク電流Ipとなると、スイッチング素子63がオフ操作される。これにより、電磁ソレノイド32を流れる電流は漸減する。その後、マイコン42では、電磁ソレノイド32を流れる電流を上記ピーク電流Ipよりも小さい保持電流値Imにて保持すべく、定電流回路64を操作する。そして、指令噴射期間が経過すると、スイッチング素子65をオフ操作するとともに定電流回路64による定電流の供給を停止することで、電磁ソレノイド32に対する通電を終了する。
上記指令噴射期間は、燃料噴射開始の指令タイミングにおいてサンプリングされる燃圧センサ52の検出値に基づき、図3に示すマップを用いて設定される。図3に示すマップは、コモンレール2の燃圧及び噴射量から指令噴射期間を定めるものである。図示されるように、同一の噴射量の燃料を噴射する場合、燃圧が高いほど短い噴射期間に設定される。また、燃圧が同一であれば、噴射量が多いほど噴射期間が長く設定される。
なお、上記噴射開始の指令タイミングにおいてサンプリングされる燃圧に基づき指令噴射期間を設定する場合、極端に指令噴射期間が短いと、マイコン42によって実際に燃料噴射弁10に対する通電操作を停止するタイミングが、図3に基づきマップ演算された指令噴射期間によって定まるタイミングに対して遅延するおそれがある。このためマイコン42の処理能力によって指令噴射期間の許容最小値が定まる。そこで、本実施形態では、図3に示されるように、マイコン42の処理能力に応じて指令噴射期間の許容最小値を定め、指令噴射期間が許容最小値未満となることを禁じることとしている。なお、噴射開始の指令タイミングにおいてサンプリングされた燃圧に基づく指令噴射期間の設定手法は、例えば特開2001−140689号公報に記載されている。
ところで、上記燃料噴射弁10に対する指令噴射期間が短い微小噴射領域においては、出オリフィス24を開放した後、バルブ28を電磁ソレノイド32に接触させることができないまま、バルブ28が再度閉弁する現象が生じ得る。この場合、指令噴射期間の終了タイミングから実際にバルブ28が閉弁するまでのタイミングは、バルブ28が電磁ソレノイド32に接触した状態において指令噴射期間が終了した場合における閉弁タイミングに対して遅延することとなる。以下、図4を用いてこれについて説明する。
図4(a)は、電磁ソレノイド32に流れる電流(操作電流)を示し、図4(b)は、バルブ28のリフト量の推移を示し、図4(c)は、背圧室18内の燃圧の推移を示し、図4(d)は、ノズルニードル14のリフト量の推移を示す。なお、図4においては、3つの指令噴射期間に対応して、同指令噴射期間が短いものから順に、実線、1点鎖線、2点鎖線にて示している。
図中、実線にて示す一番短い指令噴射期間TQ1による通電操作にあっては、電磁ソレノイド32への通電によってバルブ28が開弁するものの、バルブ28は電磁ソレノイド32に接触することなく閉弁することとなる。この場合、電磁ソレノイド32に対する通電の停止後においても、バルブ28は慣性力により開弁方向への変位を継続する。そして、バルブスプリング30による弾性力がバルブ28の慣性力に打ち勝つようになると、バルブスプリング30の弾性力によりバルブ28が閉弁方向に変位し始める。このため、バルブ28が一旦電磁ソレノイド32に接触する指令噴射期間TQ2、TQ3におけるものと比較して、電磁ソレノイド32に対する通電が停止されてからバルブ28が閉弁するまでに要する時間が長くなる。そしてこれにより、図4(d)に示されるように、指令噴射期間TQ1が指令噴射期間TQ2よりも短いにもかかわらず、指令噴射期間TQ1を与える方が、ノズルニードル14の開弁期間が長くなり、ひいては実際の噴射量が多くなる逆転現象が生じる。
こうした問題を解決するため、通常、実際の燃料噴射制御において用いる噴射量の最小値においても上記逆転現象が生じないように、先の図2に示したピーク電流Ip等の適合がなされている。
ただし、燃料噴射弁10の経年変化等に起因して、入オリフィス20の流路面積に対する出オリフィス24の流路面積の比が変化するなどして、背圧室18への流入燃料量と背圧室18からの流出燃料量との相対的な関係が変化することがある。そして、この場合には、バルブ28の開弁時において出オリフィス24から流出する燃料の圧力が変化すること等により、電磁ソレノイド32にバルブ28が接触しない現象が生じ得る。以下、これについて説明する。
図5に、特に入オリフィス20からの流量が基準となる燃料噴射弁10のものと比較して減少する変化が生じたものについての特性を例示する。詳しくは、図5(a)は、指令噴射期間であり、図5(b)は、バルブ28のリフト量の推移を示し、図5(c)は、背圧室18内の燃圧の推移を示す。なお、図5(b)及び図5(c)において、実線にて、燃料噴射制御に際して燃料噴射弁10に想定される基準となる特性におけるものを示し、1点鎖線にて、入オリフィス20からの流量が減少したものを示している。
図示されるように、入オリフィス20からの流量が減少しているものでは、バルブ28が開弁した後の背圧室18内の燃圧の低下速度の絶対値が大きくなっている。これは、以下の理由による。すなわち、入オリフィス20から流入する燃料量Qoutに対する出オリフィス24から流出する燃料量Oinの差「Qout−Qin=ΔV」が大きくなる。ここで、バルブ28の開弁前の背圧室18の体積Vと、燃料の弾性係数Eとを用いると、背圧室18内の燃圧の低下速度差ΔPは、「ΔP=ΔV/(V×E)」となる。
背圧室18内の燃圧の低下速度の絶対値が大きい場合には、出オリフィス24から流出する燃料の圧力が低下する。このため、出オリフィス24から流出する燃料がバルブ28に加える力が低下するため、バルブ28の変位速度が低下し、バルブ28が電磁ソレノイド32に接触するリフト量(フルリフト量)となるタイミングが遅延する。
一方、図6に、特に出オリフィス24からの流量が基準となる燃料噴射弁10のものと比較して増加する変化が生じたものについての特性を例示する。なお、図6(a)〜図6(c)は、先の図5(a)〜図5(c)と対応している。なお、図6(c)において、実線にて、燃料噴射制御に際して燃料噴射弁10に想定される基準となる特性におけるものを示し、1点鎖線にて、出オリフィス24からの流量が増加したものを示している。
図示されるように、出オリフィス24からの流量が増加しているものでは、バルブ28が開弁した後の背圧室18内の燃圧の低下速度の絶対値が大きくなっている。これについては、上述した先の図5の説明と同様に考えることができる。そして、背圧室18内の燃圧の低下速度の絶対値が大きいために、出オリフィス24から流出する燃料の圧力が低下する。このため、出オリフィス24から流出する燃料がバルブ28に加える力が低下するため、バルブ28の変位速度が低下する。
上述した燃料噴射弁10の噴射特性の変化により、指令噴射期間が小さいときには、バルブ28が電磁ソレノイド32に接触することなく閉弁する現象が生じ得る。この場合、先の図4に示した問題が生じ得る。図7に、先の図5及び図6に示した変化が生じた場合における燃料噴射弁10の噴射特性を示す。なお、図中、実線にて基準となる噴射特性を、また1点鎖線にて変化後の噴射特性を示す。
図示されるように、基準となる特性においてはバルブ28が電磁ソレノイド32に接触する最小の指令噴射期間TQ2においても、先の図5や図6に例示した変化が生じることで、バルブ28がフルリフト量まで変位せずに閉弁するようになることから、バルブ28の実際の開操作期間が伸長し、ひいては噴射量が増加する。この噴射量の増加傾向は、指令噴射期間が短いほど顕著となる。
こうした状況下、燃料噴射制御の制御性を向上させるべく、本実施形態では、電磁ソレノイド32に対する通電電流を増大させ、通電操作によって電磁ソレノイド32にバルブ28が確実に接触するようにする。以下、これについて詳述する。
図8に、本実施形態にかかる上記噴射特性の変化の有無の判断及びこれに対処する制御に関する処理の手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り返し実行される。以下では、それまで上記特性異常が生じていなかった状況から、初めて異常が生じるときに図8に示す処理がなされる順序に従って図8の処理を説明する。
この一連の処理では、まずステップS10において、アイドル回転速度制御がなされているか否かを判断する。そして、アイドル回転速度制御がなされているときには、ステップS12において、クランク角センサ50の検出値に基づくディーゼル機関の出力軸の回転速度と、指令噴射量とに基づき、出力トルクを推定する。続くステップS14においては、学習モードフラグが「1」であるか否かを判断する。この学習モードフラグは、上記バルブ28の開操作期間が伸長する異常が生じたと判断されるときに「1」とされるものである。
ステップS14において否定判断されるときには、ステップS16において、上記ステップS14において推定された出力トルクが判定値α以上であって且つ目標回転速度に対する実際の回転速度の差が所定値β以上であるか否かを判断する。この判断は、通電操作に伴って開弁したバルブ28が電磁ソレノイド32に接触することなく閉弁することに起因してバルブ28の実際の開操作期間が伸長しているか否かを判断するためのものである。詳しくは、判定値αは、アイドル回転速度制御時において、実際の回転速度を目標回転速度に制御する際に出力トルクとして要求されると想定される値よりも所定量大きい値に設定される。これにより、フィードバック制御がなされているにもかかわらず出力トルクが判定値α以上であり、しかも目標回転速度よりも実際の回転速度の方が大きいなら、燃料噴射量をそれ以上低減することができない状況が生じていると考えられる。すなわち、先の図3に示した指令噴射期間の許容最小値TQminに達することでこれ以上出力トルクを低減することができないにもかかわらず、実際の出力トルクが目標回転速度とするために適切な値よりも大きい状況が生じていると考えられる。そしてこのときには、先の図7に例示したように、通電操作に伴って開弁したバルブ28が電磁ソレノイド32に接触することなく閉弁することに起因して噴射特性が大きく変化していると考えられる。
上記ステップS16において肯定判断されるときには、ステップS18において、学習モードフラグを「1」とする。
ステップS14において肯定判断されるときや、ステップS18の処理が完了するときには、ステップS20に移行する。ステップS20においては、先の図2(b)に例示したピーク電流Ipを増大させる。ここでは、スイッチング素子63のオン操作時間を伸長させること無くピーク電流Ipを増大させるべく、コンデンサ62の電圧を上昇させる処理を併せて行う。
続くステップS22においては、上記ステップS14において推定された出力トルクが判定値α以下であって且つ目標回転速度に対する実際の回転速度の差が所定値γ未満であるか否かを判断する。この判断は、ピーク電流Ipの増大補正によって、通電操作に伴って開弁したバルブ28が電磁ソレノイド32に接触するようになったか否かを判断するためのものである。ここで所定値γは、上記所定値β以下に設定されている。
ステップS22において肯定判断されるときには、増大補正後のピーク電流Ipが上限値以下であるか否かを判断する。ここで、上限値は、上記入オリフィス20や出オリフィス24の経年変化として想定される変化が生じたときに、通電操作に伴って開弁したバルブ28を電磁ソレノイド32に接触させるために要求されると想定されるピーク電流Ipの最大値程度に設定される。そして、上限値よりも大きいと判断されるときには、ステップS26において燃料噴射弁10に異常がある旨判断する。
これに対し、ステップS24において上限値以下であると判断されるときには、ステップS28においてピーク電流Ipと、コンデンサ62の昇圧電圧の値とを、上記常時記憶保持メモリ43における図9に示す記憶領域に記憶させる。そして、ステップS30において、学習モードフラグを「0」とする。
なお、ステップS10、S16、S22において否定判断されるときや、ステップS26、S30の処理が完了するときには、図8に示す一連の処理を一旦終了する。
このように、ステップS28において、常時記憶保持メモリ43に記憶されるピーク電流Ipやコンデンサ62の昇圧電圧の値を更新することで、更新後においては、アイドル回転速度制御のような微小量の噴射領域においても、電磁ソレノイド32にバルブ28を確実に接触させることができる。しかも、この際更新されるピーク電流Ipは、先の図9に例示するように、所定の噴射量Q0以下の領域に限られるため、ピーク電流Ipを常時大きなものとする場合と比較して消費電力を低減することもできる。なお、噴射量Q0は、上記入オリフィス20や出オリフィス24の経年変化として想定される変化が生じたときに、通電操作に伴って開弁したバルブ28が電磁ソレノイド32に接触しない最大の噴射量期間に対応する噴射量程度に設定すればよい。もっとも、先の図3に示したように噴射期間から噴射量は一義的に定まらない。このため、実際には、噴射期間の短い領域を噴射量と燃圧とによって特定して上記ピーク電流Ip等を更新する領域とすることが望ましい。また、図9において、噴射量Q0以下の領域とする代わりに、噴射期間TQ0以下の領域としてもよい。
図10に、上記ピーク電流Ipの更新による効果を示す。詳しくは、図10(a)は、電磁ソレノイド32に対する操作電流の推移を示し、図10(b)は、バルブ28のリフト量の推移を示し、図10(c)は、背圧室18内の燃圧の推移を示し、図10(d)は、ノズルニードル14のリフト量の推移を示す。また、図中、実線は、ピーク電流Ipの補正前の状態を示し、一点鎖線は補正後の状態を示す。図示されるように、ピーク電流Ipを増大させることで、電磁ソレノイド32にバルブ28を確実に接触させることができ、ひいては、バルブ28の実際の開操作期間を改善することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)通電操作期間に対してバルブ28の実際の開操作期間が所定以上伸長していると判断されるとき、通電操作の電流を増大補正した。これにより、バルブ28の実際の開操作期間を縮小補正することができ、ひいては、微小量の燃料噴射を行う場合であっても、その制御性を高く維持することができる。
(2)通電操作を、電磁ソレノイド32にピーク電流を流した後、該ピーク電流よりも小さい保持電流を流すことによって行って且つ、開操作期間が伸張していると判断されるとき、ピーク電流を増大させた。これにより、消費電力を低減させることができる。
(3)アイドル回転速度制御時、ピーク電流の値を増大させつつ実際の回転速度の目標回転速度への追従性を監視し、該追従性が回復するときのピーク電流の値を当該燃料噴射弁10の通電電流のピーク値として常時記憶保持メモリ43に記憶した。これにより、バルブ28の開操作期間を所望の期間とするための適切な値を取得することができる。
(4)アイドル回転速度制御時において、ディーゼル機関の出力軸の実際の回転速度の目標回転速度への追従性の低下に基づき、バルブ28の実際の開操作期間が所定以上伸長していると判断した。これにより、実際の開操作期間の伸長を適切に判断することができる。
(5)燃料噴射弁10に対する噴射量の指令値が所定以下であるときに増大補正を行うことで、全ての噴射量領域において増大補正する場合と比較して消費電力を低減することもできる。
(6)燃料噴射弁10を、高圧燃料が充填される背圧室18の圧力によってノズルニードル14が閉弁し、バルブ28の開弁により背圧室18内の燃料が低圧側(低圧燃料通路26、燃料タンク側)に流出することでノズルニードル14が開弁する構成とした。このため、入オリフィス20や出オリフィス24の経年変化等によって、通電操作に伴って開弁したバルブ28が電磁ソレノイド32に接触することなく閉弁する状況が生じ得るため、上記(1)〜(5)の作用効果を特に好適に奏することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、パイロット噴射等の微小噴射における燃料噴射弁10の噴射特性を学習すべく、図11に示すように、アイドル回転速度制御時に、要求される噴射量QIをn個の均等な噴射量qiに分割して噴射する。そして、ディーゼル機関の回転速度を目標回転速度とする際に要求される噴射量QIと基準となる噴射量との差の「1/n」に基づき、パイロット噴射等、アイドル回転速度制御時に要求される燃料量よりも微小な燃料噴射における燃料噴射弁10の噴射特性を学習する。なお、これについての詳細は、例えば特開2003−254139号公報に記載されている。
ただし、上記均等分割噴射をする際には、各噴射の指令噴射期間が過度に短いものとなる。このため、この領域においては、上記入オリフィス20や出オリフィス24の経年変化等によって、バルブ28が電磁ソレノイド32に特に接触しなくなりやすい。そして、この結果、燃料噴射弁10に対する噴射量の指令値を上記噴射量qiとしたとしても、実際に噴射される噴射量がこの噴射量よりも過度に大きくなり、上記学習を高精度に行うことができないおそれがある。
そこで本実施形態では、上記学習制御時において、各通電操作に際してバルブ28が電磁ソレノイド32に接触しないことに起因して実際の開操作期間が伸長しているか否かを判断し、伸長していると判断されるときには、ピーク電流Ipを増大補正する。以下、これについて詳述する。
図12に、本実施形態にかかる上記噴射特性の変化の有無の判断及びこれに対処する制御に関する処理の手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り替えし実行される。なお、図12において、先の図8に示した処理と同一の処理については、便宜上同一の符号を付している。
この一連の処理では、まずステップS10aにおいて、均等n分割噴射制御がなされているか否かを判断する。そしてステップS10aにおいて肯定判断されると、ステップS14において、先の図8に示したものと同様の判断をする。ステップS14において否定判断されるときには、ステップS16aにおいて、目標回転速度に対して実際の回転速度の差が所定値β以上であるか否かを判断する。この処理は、先の図8のステップS16と趣旨を同じくする。
ステップS16aにて肯定判断されるときには、先の図8同様、ステップS18において学習モードフラグを「1」とする。そして、ステップS14において肯定判断されるときや、ステップS18の処理が完了するときには、ステップS20において、ピーク電流Ipを増大補正する。
続くステップS22aでは、目標回転速度に対して実際の回転速度の差が所定値γ以下であるか否かを判断する。この処理は、先の図8のステップS22の処理と趣旨を同じくする。そして、ステップS22aにおいて肯定判断されるときには、先の図8同様、ステップS24〜S30の処理を行う。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(6)の効果又はそれの準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)均等分割噴射制御時において実際の回転速度が目標回転速度に追従しないときに開操作期間が所定以上伸長していると判断した。これにより、均等分割噴射制御による微小噴射領域における上記伸長の有無を好適に判断することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図13に、本実施形態にかかる上記噴射特性の変化の有無の判断及びこれに対処する制御に関する処理の手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り替え実行される。
この一連の処理では、まずステップS40において、ディーゼル機関のフューエルカット制御中であるか否かを判断する。そして、フューエルカット制御中であると判断されると、ステップS42において、空打ち駆動処理を実行する。ここで、空打ち駆動処理とは、先の図3に示したマップにより噴射量がゼロとなる極短い噴射期間の通電操作をすることである。この空打ち駆動によれば、通電操作期間に対してバルブ28の実際の開操作期間が大きく伸長していないなら、実際に燃料が噴射されることはないはずである。
続くステップS44においては、回転速度の上昇量が閾値ε以上であるか否かを判断する。この判断は、燃料噴射の有無に基づき、通電操作期間に対してバルブ28の実際の開操作期間が大きく伸長しているか否かを判断するものである。すなわち、閾値ε以上であるときには、燃料噴射弁10から燃料が噴射されていると考えられるため、このときには、通電操作期間に対してバルブ28の実際の開操作期間が大きく伸長していると判断する。
ステップS44において肯定判断されるときには、ステップS46において、先の図8に示したステップS28にかかる処理を行う。すなわち、常時記憶保持メモリ43に記憶されているピーク電流Ipを増大補正する。これにより、次回以降、補正されたピーク電流が用いられるようになる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)、(5)、(6)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(8)フューエルカット中に通電操作期間に対するバルブ28の実際の開操作期間の伸長の有無を判断することで、実際に微小量の噴射を行う際の燃料噴射制御の制御性を前もって向上させることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・ピーク電流の増大に際しては、コンデンサ62の昇圧電圧の上昇は必ずしも伴わなくてもよい。
・先の図8のステップS16、S22の処理を、先の図11のステップS16a、S22aの処理に変更してもよい。
・上記第1及び第2の実施形態では、実際の回転速度が目標回転速度に追従しないことに基づき、通電操作期間に対するバルブ28の実際の開操作期間が所定以上伸長しているか否かを判断したがこれに限らない。例えば実際の回転速度が目標回転速度に近似していく際の近似速度に基づき上記判断をしてもよい。
・上記各実施形態では、指令噴射期間の許容最小値TQminを、噴射開始の指令タイミングにおいてサンプリングされた燃圧に基づき指令噴射期間を設定するに際してのECU40の演算能力に基づき設定したが、これに限らない。例えばECU40の演算能力が高いものにあっては、消費電力の観点から要求されるピーク電流Ipの最大値を定めたときに、この最大値を用いた通電操作により電磁ソレノイド32にバルブ28を接触させることのできる最短の噴射期間としてもよい。
・通電操作期間に対するバルブ28の実際の開操作期間の伸長をECU40において判断する代わりに、微小量の噴射量領域においてのみ、経年変化にかかわらずバルブ28を電磁ソレノイド32に接触させることができる値にピーク電流Ipを設定してもよい。すなわち、微小量の噴射量領域においては、それ以外の領域と比較してピーク電流Ipを予め大きく設定してもよい。これにより、上記判断にかかる処理を割愛することができ、ひいてはECU40の演算負荷を低減することができる。
・通電操作期間に対するバルブ28の実際の開操作期間の伸長要因としては、上記各実施形態で例示した物に限らず、例えばバルブスプリング30の弾性力の経年変化等であってもよい。
第1の実施形態にかかるエンジンシステムについて、特に燃料噴射弁及びECUの構成を示す図。 燃料噴射弁に対する通電操作の態様を示すタイムチャート。 燃圧及び噴射量に基づき噴射期間を定めるマップを示す図。 微小量の燃料噴射における問題点を示すタイムチャート。 燃料噴射弁の特性変化を例示するタイムチャート。 燃料噴射弁の特性変化を例示する別のタイムチャート。 燃料噴射弁の特性変化を例示する図。 上記実施形態における噴射特性の変化の有無の判断及びこれに対処する制御に関する処理の手順を示すフローチャート。 上記制御におけるピーク電流及び昇圧電圧の更新態様を示す図。 上記制御の効果を示すタイムチャート。 第2の実施形態における燃料噴射弁の噴射特性の学習処理態様を示すタイムチャート。 上記実施形態における噴射特性の変化の有無の判断及びこれに対処する制御に関する処理の手順を示すフローチャート。 第3の実施形態における噴射特性の変化の有無の判断及びこれに対処する制御に関する処理の手順を示すフローチャート。
符号の説明
10…燃料噴射弁、14…ノズルニードル、28…バルブ、28…背圧室、40…ECU(燃料噴射制御装置の一実施形態)。

Claims (8)

  1. 弾性部材の弾性力に抗して電磁力により電磁ソレノイド側にバルブが吸引されるに伴いノズルニードルが開弁する燃料噴射弁を操作対象とし、前記電磁ソレノイドに対する通電操作によって前記バルブを前記電磁ソレノイドに接触した状態に保持する処理を行う燃料噴射制御装置において、
    前記通電操作期間に対して前記バルブの実際の開操作期間が所定以上伸長しているか否かを判断する判断手段と、
    該伸長していると判断されるとき、前記通電操作の電流を増大補正する増大手段とを備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記通電操作は、前記電磁ソレノイドにピーク電流を流した後、該ピーク電流よりも小さい保持電流を流すことによってなされるものであり、
    前記増大手段は、前記開操作期間が伸張していると判断されるとき、前記ピーク電流を増大させることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記増大手段は、アイドル回転速度制御時、前記ピーク電流の値を増大させつつ前記実際の回転速度の前記目標回転速度への追従性を監視し、該追従性が回復するときの前記ピーク電流の値を当該燃料噴射弁の通電電流のピーク値として記憶することを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記判断手段は、アイドル回転速度制御時において、前記内燃機関の出力軸の実際の回転速度の目標回転速度への追従性の低下に基づき、前記開操作期間が所定以上伸長していると判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  5. アイドル回転速度制御時、実際の回転速度を前記目標回転速度にフィードバック制御するための噴射量を均等に分割して噴射する均等分割噴射手段を更に備え、
    前記判断手段は、前記均等噴射分割手段による制御時、実際の回転速度が目標回転速度に追従しないときに前記開操作期間が所定以上伸長していると判断することを特徴とする請求項4記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記増大手段は、前記燃料噴射弁に対する噴射量の指令値が所定以下であるときに前記増大補正を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記燃料噴射弁は、高圧燃料が充填される背圧室の圧力によって前記ノズルニードルが閉弁し、前記バルブの開弁により前記背圧室内の燃料が低圧側に流出することで前記ノズルニードルが開弁するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  8. 弾性部材の弾性力に抗して電磁力により電磁ソレノイド側にバルブが吸引されるに伴いノズルニードルが開弁する燃料噴射弁を操作対象とし、前記電磁ソレノイドにピーク電流を流した後、該ピーク電流よりも小さい保持電流を流すことで前記バルブを前記電磁ソレノイドに接触した状態に保持する処理を行う燃料噴射制御装置において、
    前記燃料噴射弁に対する噴射量の指令値が予め定められた値以下であるとき、該値よりも大きいときよりも前記ピーク電流を増大させることを特徴とする燃料噴射制御装置。
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