JP2007319138A - 建築資材、建造物および建造物の室内環境調節方法 - Google Patents

建築資材、建造物および建造物の室内環境調節方法 Download PDF

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Abstract

【課題】建造物内への光量を調節できる建築資材、前記建築資材を備えた建造物、および前記建築資材を備えた建造物の室内環境調節方法を提供する。
【解決手段】間隙を介して配置される複数の透明シート層と、該複数の透明シート層間の間隙に加湿空気を供給する水蒸気供給装置とを備えることを特徴とする建築資材。前記建築資材を備える建造物。前記複数の透明シート層間の間隙に加湿空気を供給し、前記透明シートの間隙側の表面に結露を生じさせることにより、当該建築資材を備える建造物の室内環境を調節する室内環境調節方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築資材、建造物および建造物の室内環境調節方法に関する。
従来、農業用ハウス等の植物栽培用ハウスとしては、屋根、壁等を、透明樹脂シートやガラス板等の透明シートで構成したものが用いられている。
近年、ハウス栽培は大規模化する傾向があり、それに伴って、植物栽培用ハウスも大型化する傾向がある。
植物栽培用ハウス、特に大型の植物栽培用ハウスには、耐久性、保温性、メンテナンスのしやすさ等の向上が求められる。
保温性等に優れたハウスとして、屋根、壁等を、二枚の透明樹脂フィルムを組合せた構造としたものが提案されている。たとえば特許文献1には、二枚の透明樹脂フィルムを袋状に構成して棟木等に固定した袋状物の内部に空気を供給し、該袋状物を緊張状態に維持した屋根が提案されている。該屋根を用いた建造物は、屋根の袋状物の内部に温暖な空気を供給することにより、建造物の屋根に堆積した雪の溶解、室内の保温等が容易となっている。
植物栽培用ハウスにおいては、主に夏季に、室外からの過剰な光を遮断するために、その内部に遮光カーテンを設置することが広く行われている。遮光カーテンについても種々の提案がなされている(たとえば特許文献2を参照。)。
特開2004−81205号公報 特開平9−234829号公報
しかし、遮光カーテンは、その開閉のための開閉装置をハウス内に設置することが必要である。また、ハウス内に常に存在する遮光カーテンによってハウス内に影ができ、影になる部分とならない部分との間で、光量のムラが生じ、栽培される植物の出来に差が生じることがある。また、遮光カーテンおよびその開閉装置にはメンテナンスも必要となる。そのため、より簡便な、室内に光量のムラが生じにくい遮光手段の開発が要請されていた。
さらに、最近では、栽培される植物が多様化し、植物に求められる品質(たとえば野菜や花の色、味等)も多様化するなか、植物栽培用ハウスには、植物に応じた室内環境(光量、温度、湿度等)を実現できることが求められるようになっている。特に光量は、植物に与える影響が大きいため、光量の調節は重要となる。しかし、上述した遮光カーテンでは、光を遮断するかしないかの二段階の調節しかできず、光量の微妙な調節が困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、建造物内への光量を調節できる建築資材、前記建築資材を備えた建造物、および前記建築資材を備えた建造物の室内環境調節方法の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、間隙を介して配置される複数の透明シート層間の間隙に加湿空気を導入し、透明シート表面に結露を生じさせることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の態様は、間隙を介して配置される複数の透明シート層と、該複数の透明シート層間の間隙に加湿空気を供給する水蒸気供給装置とを備えることを特徴とする建築資材である。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様の建築資材を備える建造物である。
本発明の第三の態様は、前記第一の態様の建築資材を備える建造物の室内環境を調節する方法であって、前記複数の透明シート層間の間隙に加湿空気を供給し、前記透明シート層の間隙側の表面に結露を生じさせる工程を有することを特徴とする建造物の室内環境調節方法である。
本発明により、建造物内への光量を調節できる建築資材、前記建築資材を備えた建造物、および前記建築資材を備えた建造物の室内環境調節方法が提供できる。
≪建築資材および建造物≫
本発明の建築資材は、間隙を介して配置される複数の透明シート層と、該複数の透明シート層間の間隙に加湿空気を供給する水蒸気供給装置とを備える。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「複数の透明シート層が間隙を介して配置される」とは、透明シート層間の一部または全部が、接着されていない状態にあることを意味する。本発明において、透明シート層間は、空気等の気体を当該間隙に導入した際に空間が形成可能であればよく、気体の導入前において、当該間隙部分に視認できる隙間があってもなくてもよい。
「加湿空気」とは、間隙内に当該加湿空気が充填された状態において、間隙内の水蒸気圧が、当該建築資材が配置される環境のうちの最も低い温度(たとえば建造物の室外温度)における飽和水蒸気圧よりも高くなる量の水蒸気を含有する空気である。
前記構成においては、複数の透明シート層間の間隙に加湿空気が供給されると、間隙内に水蒸気が充満し、さらには透明シート層間の間隙側の表面に結露が生じ、遮光効果が発揮される。
透明シート層を構成する透明シートは、基本的に、光を透過する材料(光透過性材料)からなるものであればよく、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の添加剤等を含有してもよい。
透明シートの形状は、フィルム状であってもよく、板状であってもよい。
光を透過する材料としては、透明樹脂、ガラス等が挙げられる。
透明シートとしては、透明樹脂を含有する透明樹脂シート、およびガラス板からなる群から選択される1種以上が好ましい。
透明樹脂シートとしては、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略記する。)、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(以下、PCと略記する。)等の熱可塑性樹脂を含有するものが好ましい。透明樹脂シートが熱可塑性樹脂を含有することにより、複数の透明樹脂シートを熱により融着させることができる等の利点がある。
透明樹脂シートは、単一の透明樹脂層からなるものであってもよく、組成の異なる複数の透明樹脂層が積層された積層シートであってもよい。積層シートの具体例としては、たとえば、ポリエチレン樹脂層と、EVA層と、ポリエチレン樹脂層とがこの順に積層された3層フィルムが挙げられる。
透明樹脂としては、透明性、機械的強度、耐候性、耐紫外線性、耐熱性、溶着性等の点に優れることから、フッ素樹脂が好ましい。
フッ素樹脂としては、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEと略記する。)、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、FEPと略記する。)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、PFAと略記する。)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(以下、THVと略記する。)、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル等が挙げられる。
これらのうち、フッ素樹脂としては、透明性、機械的強度、耐熱性等に優れることから、ETFE、FEPおよびTHVからなる群から選択される1種以上が好ましく、特にETFEが好ましい。
透明シート層は、表面処理が施されたものであってもよい。
表面処理としては、公知の任意の処理であってよく、たとえば親水化処理、防汚処理、撥水処理等が挙げられる。
親水化処理は、たとえば当該建築資材が用いられる建造物の室内側の最外層側の表面に設けられていることが好ましい。これにより、建造物の室内側の水分により透明シート表面に結露が生じた場合に、その水滴が、当該シート表面上を流れやすくなる。そのため、たとえば植物栽培用ハウス等において、水滴が植物上に落下して植物の成長を阻害する等の影響を低減できる。
親水化処理の方法としては、無機質コロイド、親水性樹脂、金属酸化物などの溶液を塗工機でコーティングする方法、スプレーする方法、ケイ素、スズ、チタンなどの金属の酸化物をスパッタリングする方法などが好ましい。
ただし、本発明の建築資材においては、前記複数の透明シート層が、少なくとも片面は親水化処理が施されていない透明シート層を含み、該透明シート層の前記親水化処理が施されていない面が、前記間隙側に配置されていることが好ましい。
透明シート層の、間隙側の表面(間隙側表面)が、親水化処理が施されていない面であると、親水化処理が施されている面である場合に比べて、間隙側表面に結露が生じやすくなり、遮光効果が向上する。また、加湿空気により生じた結露が、間隙側表面に長時間保持され、遮光効果の持続時間が長くなる。
1つの間隙には2つの間隙側表面が接するが、本発明においては、これら2つの間隙側表面の少なくとも一方が、親水化処理が施されていない面であることが好ましい。
さらに、本発明においては、間隙側表面を、親水化処理が施されていない面とするか、親水化処理が施されている面とするかによって、遮光効率を調節できる。たとえば、親水化処理が施されていない間隙側表面の数が多いほど、遮光効果が高くなる。
間隙側表面が、親水化処理の施されていない面であることは、透明シート層が、フッ素樹脂等の親水性の低い樹脂で構成される場合に特に有効である。この場合、透明シート表面の親水性が低く(撥水性が高く)、より結露が生じやすい。
本発明において、透明シート層としては、間隙側表面の水接触角(協和界面化学社製接触角形 型式CA−Xにて測定。温度25℃±5℃、湿度50℃±10%、水滴量は1〜4μLとし蒸留水を使用。水滴を試験片上に整置してから1分以内に測定。)が60度以上のものが好ましく、80度以上のものがより好ましく、100度以上のものがさらに好ましい。間隙側表面の水接触角が大きいほど、すなわち疎水性が高いほど、当該表面に結露が発生しやすい。
透明シート層の1層の厚さは、使用する透明シートの性質(透明性、機械的強度、加工性等)、当該建築資材の用途等を考慮して適宜決定すればよい。
透明シート層が透明樹脂シートである場合は、透明性、加工性等を考慮すると、800μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましい。また、機械的強度等を考慮すると、20μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましい。
特に、透明樹脂シートがフィルム状である場合は、透明シート層の厚さは、20μm〜300μmが好ましく、40μm〜200μmがより好ましい。
また、透明樹脂シートが板状である場合は、透明シート層の厚さは、200μm〜800μmが好ましく、300〜700μmがより好ましい。
透明シート層がガラス板である場合は、透明シート層の厚さは、3mm〜10mmが好ましい。
透明シート層の全光線透過率は、70%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。全光線透過率が70%以上であると、作物の光合成に必要な光を確保しやすい。
また、本発明においては、透明シート層の全光線透過率が過剰な場合であっても、水蒸気の活用により、求められる光量・室温が僅かな追加コストにて実現可能であるため、全光線透過率の上限は、特に制限はない。
透明シート層の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定に準拠して測定される。
透明シート層の数は、2以上であればよく、特に制限はない。光線透過率、コスト等を考慮すると、透明シート層の数は、2〜5枚が好ましく、2〜3枚が特に好ましい。
複数の透明シート層は、複数の透明シートから構成されてもよく、1枚の透明シートが折りたたまれた構成、透明シートを袋状とした構成等であってもよい。
水蒸気供給装置としては、水蒸気発生装置と、発生した水蒸気を含む空気(加湿空気)を輸送する送風装置と、該送風装置と透明シート層間の間隙内とを連絡する輸送管とを備えたものが利用できる。
水蒸気発生装置としては、たとえば、ヒーター等の加熱器と水浴とを備えたもの、一般的に用いられる加湿器等が挙げられる。
送風装置としては、一般的な送風機等を利用できる。
輸送管としては、前記透明シート層と同様、光透過性材料から構成されることが好ましく、特に透明樹脂から構成されることが好ましい。これにより、本発明の建築資材を備えた建造物の室内に、当該輸送管によって影が生じることがなく、建造物内に入射する光量を、より均一にできる。
輸送管を構成する透明樹脂としては、前記透明樹脂シートが含有する透明樹脂として挙げたものと同じものが挙げられ、特に、透明性、機械的強度、耐熱性、耐久性等に優れることから、ETFEが好ましい。
水蒸気供給装置の具体的な使用例を挙げると、前記水蒸気発生装置から水蒸気を発生させると、発生した水蒸気を含む空気(加湿空気)が、送風機によって輸送管内を移動し、間隙内に供給される。
本発明の建築資材は、水蒸気供給装置を備える以外は、従来公知の建造物、たとえば植物栽培用ハウスの屋根等に用いられているものと同様の構成を有するものであってよい。該構成としては、下記(1)、(2)等が挙げられる。
(1)複数の透明シート層が、外縁部が密着し、内部は密着していない袋状物とされ、当該袋状物の内部に空気を供給する給気口が設けられている構成。
(2)複数の透明シート層が、スペーサーを介して配置された構成。
(1)の構成は、使用に際し、給気口から空気等の気体が供給され、複数の透明シート層の層間が加圧された状態、つまり、層間を膨張させ、透明シート層を緊張させた状態とされるタイプである。
間隙を構成する透明シート層は、両方とも緊張させてもよく、一方のみを緊張させてもよい。
このタイプでは、通常、緊張させる透明シート層にはフィルム状の透明樹脂シートが用いられる。
(2)の構成は、層間を膨張させない状態のまま使用されるタイプである。
このタイプで透明シート層として用いられるのは、主に、板状の透明シート(たとえばガラス板、アクリル樹脂板、PC板等)である。
図5に、本発明の建築資材の一例を示す。本例の建築資材50は、上記(1)の構成と同様、層間を膨張させて使用されるタイプである。図5(a)は、建築資材50の正面図であり、図5(b)は、建築資材50の層間を膨張させた状態の上面図である。
本例の建築資材50は、2層の透明シート層51,52が間隙53を介して配置され、一方の透明シート層51には、給気口54が設けられており、給気口54には、間隙53内に加湿空気を供給する水蒸気供給装置55が接続されている。
水蒸気供給装置55は、空気中に水蒸気を添加して加湿空気とする加湿器55aと、加湿器55aで製造された加湿空気を移動させる送風装置55bと、送風装置55bと透明シート層51との間を連絡する輸送管55cとから構成される。
透明シート層51,52の外縁部は、外枠56によって支持されている。
外枠56は、受け部材56aと抑え部材56bとから構成されており、受け部材56aと抑え部材56bとの間に透明シート層51および透明シート層52の外縁部が挟持されている。
外枠56の端部には、間隙53内に供給された加湿空気を外部に排出するための隙間(図示せず。)が設けられており、透明シート層51,52の過剰な緊張を防止できるようになっている。
透明シート層52の、間隙53側の表面には、間隙53内の温度および湿度を測定するためのセンサー57が設置されている。
図5(b)に示す例は、透明シート層51,52の両方が均等に緊張している状態を示す。
図5(b)に示すように、間隙が、短辺の長さ:長辺の長さ=1:1〜1:20の平板状の方形(正方形〜長方形)ある場合に透明シート層の両面を緊張させる場合には、透明シート層を緊張させる度合いは、図5(b)中のAの長さとBの長さとの比が、A:B=7:1〜15:1となる範囲が好ましく、10:1〜12:1となる範囲が好ましい。Bに対するAの比率が7以上であると、間隙内での空気の対流が均一となって断熱性が向上する。Bに対するAの比率が15以下であると、透明シートを強く展張させずにすみ、建築資材の製造がより容易になる。
ここで、Aは、図5(b)に示す断面を含む平面上において、透明シート層51と透明シート層52とが接する2つの接点間を結ぶ直線の距離である。
Bは、最も膨張した位置における間隙の幅(透明シート層51と透明シート層52との間の距離)の1/2の幅である。
なお、本発明の建築資材は、上記の例に限定されず、間隙を構成する透明シート層は、両方とも緊張させてもよく、一方のみを緊張させてもよい。また、透明シート層の緊張の度合いが異なっていてもよい。
各実際の使用時においては、当該建築資材に用いられている透明シート層の種類、当該建築資材が用いられる建築物の種類、当該建築資材が用いられる場所等によって均等に緊張しない場合が多い。たとえば複数の透明シート層の各層の厚みが異なったり、屋根が変則的な形をしていると、各層の緊張は不均一になる。具体例を挙げると、植物栽培用ハウス等では、通常、フレーム上に建築資材が設置されるため、室内側のシート表面がフレームに接触し、室外側とは異なった緊張をする。また、上記(2)のタイプのように、複層の透明シートを緊張させず、単に平行に展張するケースもある。
本発明の建築資材は、前記建築資材50に限定されるものではない。
たとえば、上記例では、外枠56が方形のものを示したが、外枠は、台形、三角形等の多角形型、アーチ型等の任意の形状であってよく、当該建築資材が用いられる建造物に応じて適宜決定すればよい。
また、外枠56は、透明シート層51,52の外縁の4辺すべてを固定しているが、一部のみを固定するものであってもよく、また、外枠を設けなくてもよい。すなわち、本発明においては、透明シート層51,52の層間の間隙に加湿空気を供給した際に、当該間隙に、加湿空気を保持する空間が形成可能となっていればよい。そのため、たとえば透明シート層51,52および外枠56に代えて、透明シート層を袋状としたものを用いてもよい。
また、輸送管55cが接続される位置は、加湿空気を、複数の透明シート層間の間隙に供給できる位置であればよく、透明シート層51に限定されない。たとえば、透明シート層51,52の外縁の一部を開口させ、その開口部付近に輸送管の端部を配置したり、当該開口部から直接、間隙内に輸送管を挿入してもよい。
また、複数の透明シート層間に水蒸気発生装置を設置してもよい。透明シート層間に設置される水蒸気発生装置としては、たとえば、水の入った穴あきチューブ内に発熱体が固定されたものが挙げられる。該水蒸気発生装置においては、前記発熱体を加熱することにより、水蒸気が発生し、チューブの穴から放出される。
また、上記例では、透明シート層51,52の層間に、1つの空間(間隙53)が存在するが、前記層間が、2以上の空間に区分されていてもよい。区分手段としては、たとえば、外枠56内に固定部材を設ける方法;透明シート層が、透明な熱可塑性樹脂から構成される透明樹脂シートであれば、透明シート層51,52を重ねた状態でその一部を加熱し、融着させる方法等が挙げられる。
層間が2以上の空間に区分される場合、それら複数の空間に、それぞれ、加湿空気を供給する手段を設けることが好ましい。該手段としては、各空間にそれぞれ水蒸気供給装置を接続する方法;空間の1つに水蒸気供給装置を接続し、当該空間と他の空間とを輸送管で接続するか、またはそれらの空間を直列に接続する方法等が挙げられる。各空間にそれぞれ水蒸気供給装置を接続する方法の具体例としては、たとえば、後述する図3に示すように、透明シートで構成された給気ダクトに各空間の開口部を接続し、該給気ダクト内に、気体噴出口を備えた輸送管の端部を配置し、該気体噴出口から加湿空気を噴出させる方法が挙げられる。
空間の接続に用いる輸送管としては、水蒸気供給装置における輸送管として挙げたものと同じものが挙げられる。
また、上記例では、建築資材が前記(1)の構成を有するものを示したが、本発明の建築資材は、前記(2)の構成を有するものであってもよい。
図6に、前記(2)の構成を有する建築資材における透明シート層および間隙の構成の一例を示す。
本構成においては、断面L字型のスペーサー65の一方の端部に、スペーサー65を介して、2つの透明シート層61,62が対向配置されており、透明シート層61と透明シート層62との間に間隙66が形成されている。また、スペーサー65の他方の端部に、スペーサー65を介して、2つの透明シート層63,64が対向配置されており、透明シート層63と透明シート層64との間に間隙67が形成されている。
(2)の構成を有する建築資材において、間隙の幅(透明シート層61と透明シート層62との間の距離、透明シート層63と透明シート層64との間の距離等)は、1〜50cmが好ましく、2〜10cmがより好ましい。
本発明の建築資材は、建造物の屋根、壁、窓等として有用である。
本発明の建築資材は、上述したように、遮光効果を有し、また、詳しくは後述する建造物の室内環境調節方法において説明するが、断熱効果、入射光を散乱させ、透過光(建造物の室内の光)をマイルドな光とする効果、暖房効果等を有する。したがって、本発明の建築資材が用いられる建造物としては、光、温度等の室内環境を調節することが望まれる建造物が好ましい。
室内環境を調節することが望まれる建造物としては、当該建造物内に生物(たとえば野菜、果樹、花卉等の植物;ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等の家畜、ヒト等の動物、魚や海老、うなぎ等)が存在することを目的とした建造物、その他の用途としては製塩所、倉庫、展示場、競輪・競艇・競馬場、自動車等の走行テスト場、雨よけ施設、貯水槽の保護屋根等が挙げられる。
生物が存在することを目的とした建造物の具体例としては、植物栽培用ハウス(農業用ハウス、園芸用ハウス等)、家畜用の家屋、養殖のための施設、スポーツ施設(体育館、プール、テニスコート、サッカー場、野球場、ゲートボール場、観光農園等)等が挙げられる。これらのうちでも、本発明の建築資材が用いられる建造物としては、光、温度等の室内環境の調節が特に重要であることから、植物栽培用ハウスが好ましい。
本発明の建造物は、前記建築資材を備えたものである。
建造物の構成は、透明性(光透過性)が求められる部分(屋根、壁、窓等)に前記建築資材を用いる以外は、一般的な建造物と同じ構成であってよい。
以下、本発明の建築資材を備えた建造物の具体例を、図面を用いて説明する。
図1は、前記建築資材を屋根として用いた建造物の一実施形態(以下、第1実施形態ということがある。)を示す見取り図であり、図1に示す構成の建造物10は、切妻屋根を有する温室で代表される建造物の骨格を有する。
切妻屋根を有する温室で代表される建造物の骨格は、一般に、柱、大梁、小梁等の部材が組立てられて構築された本体と、棟木、軒桁、垂木、垂木、母屋、合掌などの部材が組立てられて構築された屋根とから構成される。各部材は、主に金属製パイプ、型材であり、これを直交クランプ、自在クランプなどの緊結金具を用いて組立てられ、それぞれ本体、屋根の骨格に構築される。切妻屋根を有する温室で代表される建造物は、一般的に、前記骨格に、主に透明シートを固定することにより構築される。
本実施形態の建造物10の骨格は、一般的な建造物の場合と何ら変わるところはなく、一般的なものと同じであってよい。
本実施形態の建造物10は、筒状の透明樹脂フィルム1の左右の開口部を、それぞれ、図1に示すように、棟木11から軒桁12に至る2つの垂木13,13に固定することにより構成された屋根15を有するものである。透明樹脂フィルム1は、外縁部すべてが閉鎖され、その内部に間隙を有する袋状物2とされている。
袋状物2の一方の面には給気口3が設けられ、該給気口3には、輸送管6aと加湿器6bとを備えた水蒸気供給装置6の輸送管6aの端部が接続されている。
建造物10において、袋状物2は、その中間部が2つの垂木14,14により固定され、3つの領域に区分されている。
区分された袋状物2の各領域の間には連通管5が設置されており、袋状物2内の空気が、各領域間を相互に流通できるようになっている。なお、袋状物2の中間部を垂木14に固定しない場合は、袋状物2が区分されないため、連通管5が不要である。
屋根15において、袋状物2は、通常、給気口3から供給された加湿空気によって膨張した状態(緊張状態)に維持される。袋状物内の過剰な空気は、袋状物2の各領域に設けられた排気口4,4,4から排出されるようになっている。
前記構成においては、袋状物2の内部が適当な大きさ・容積に区分されていることにより、袋状物2内における加湿空気の循環、拡散が良好であり、熱効率が高い利点を有する。また、袋状物2、すなわち建造物10の屋根が何らかの原因で損傷を受け、破袋したときの修理、修復範囲が狭い利点もある。
建造物10において、区分された袋状物2の各領域の幅、すなわち、隣り合う垂木14,14間の距離、または垂木14と垂木13との間の距離は、20〜400cmが好ましく、30〜250cmがより好ましい。
給気口3の直径は、1〜60cmが好ましく、4〜30cmがより好ましい。
排気口4の直径は、0.4〜80cmが好ましく、0.5〜40cmがより好ましい。排気口4の直径を変えることにより、融雪および保温能力を調整できる。
連通管5の直径は、1〜60cmが好ましい。
袋状物2を垂木13に固定する固定装置(フィルム留め具)の好ましい一例を図2に示す。
図2に示すフィルム留め具20は、長尺状の下受け部材21と、その対になっている長尺状の抑え部材22とから構成される。
該固定装置を用いた垂木13への袋状物2の固定は、図2に示すとおり、袋状物2の端部を、垂木13に固定した下受け部材21に載せ、対になっている抑え部材22を被せて実施される。
フィルム留め具20としては、市販のスライロック式「スライレール」(商標:東都興業株式会社製)が例示される。もちろん、透明樹脂フィルム1の固定はこの好適例に限定されるものではない。
袋状物2を垂木14に固定する場合も、袋状物2を垂木13に固定する場合と同じ方法で固定できる。
図1においては、屋根15が切妻屋根である場合の例を示したが、屋根15の形状はこれに限定されず、半円筒状のアーチ型等であってもよい。この場合も、切妻屋根の場合と、本質的に変わるところはない。すなわち、前記屋根15の場合には、直線であった垂木13および垂木14が、アーチ型屋根の場合には、アーチ型に湾曲しているだけである。たとえば袋状物2の固定は、図2に示したフィルム留め具20(下受け部材21および抑え部材22)として、湾曲したものを用いることによって、同様に実施できる。
次に、切妻屋根を有する建造物の別の実施形態を、図3を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態において、前記第1実施形態に対応する構成要素には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の建造物30は、屋根として、略V字状にとなるよう傾斜させて対向配置された2つの屋根15,15を有し、該屋根15,15の谷部18の空間に、屋根15の横幅(谷部18の奥行き)と同じ長さで、給気ダクト31が配置されている点で前記第1実施形態の建造物10と大きく異なっている。
給気ダクト31は、その外面が透明樹脂フィルムにより構成されており、給気ダクト31の外側には、透明樹脂フィルム製のウイング32が設けられている。ウイング32は、屋根15を構成する袋状物2と重ね合わされ、図2に示したフィルム留め具20(下受け部材21および抑え部材22)を用いて垂木13に固定されている。袋状物2とウイング32とが重ね合わされ、長尺状のフィルム留め具20により接合された領域には、わずかな隙間(図示せず。)が設けられており、当該隙間から、袋状物2内の空気を排出できるようになっている。
給気ダクト31の内側には、給気口34および複数の気体噴出口35を備えた透明樹脂フィルム製のチューブ33が留置されており、チューブ33の上流側(加湿空気が供給される側)の端部に設けられた給気口34には、輸送管36aと加湿器36bとを備えた水蒸気供給装置36の輸送管36aの端部が接続されている。
建造物30においては、加湿空気を、給気口34から、給気ダクト31内に留置されたチューブ33内に供給すると、チューブ33に設けられた複数の気体噴出口35から加湿空気が噴出する。これにより、給気ダクト31を構成する透明樹脂フィルムが緊張状態に維持されるとともに、袋状物2内に加湿空気が供給される。袋状物2内の過剰の加湿空気は、上述した、長尺状のフィルム留め具20により接合された領域に設けられた隙間から排出される。
建造物30本体の骨格は、支柱16、また適宜使用される大梁、小梁などの本体を構成する部材を、アルミ製直交クランプ、自在クランプ、継手金具を用いて組立てて構築される。図3に示す骨格を有する建造物としては、連棟式温室等が一般的である。
建造物30の本体は、前記骨格に透明シートを張り巡らし、図2に示す長尺状のフィルム留め具20を用いて、骨格に固定し、壁17とすることによって構築されている。壁17を構築する透明シートは、板状であってもフィルム状であってもよい。
建造物30の出入り口(図示せず。)は、壁17の場合と同様に、枠に透明シート(たとえば透明樹脂フィルム1と同じ透明樹脂フィルム)を張り巡らし、長尺状のフィルム留め具20を用いて、骨格に固定し、ドア(図示せず。)を構築し、取付けることによって構築できる。該ドアは、建造物30内の気密性が確保できるように、本体に取付けられる。
建造物30の外壁(壁17)には、透明シートを二重に展張することが好ましく、さらには、袋状とした透明シートを用いることが保温の点から好ましく、特に、本発明の建築資材を用いることが、室内環境の調節等の点から最も好ましい。
給気ダクト31の断面形状は、円筒状または角筒状が一般的であるが、これに限定されず、他の形状であっても構わない。給気ダクト31の断面形状が角筒状の場合は、角張りが可及的に少ないのが好ましい。
給気ダクト31の断面の大きさは、屋根15の大きさ、谷部18の大きさ等に応じて適宜決定すればよい。給気ダクト31は、断面の大きさ(縦幅×横幅)が、5〜200cm×5〜200cmの範囲内であることが好ましく、25〜150cm×25〜150cmの範囲内がより好ましい。
給気ダクト31の長さは、屋根15の横幅(谷部18の奥行き)とほぼ同じであることが好ましい。
給気ダクト31を構成する透明樹脂フィルムとしては、本発明の建築資材を構成する透明シート層の透明樹脂シートを構成する透明樹脂として挙げた透明樹脂製のフィルムが挙げられる。
チューブ33の断面形状は、円筒状または角筒状が一般的であるが、これに限定されず、他の形状であっても構わない。チューブ33の断面形状が角筒状の場合は、角張りが可及的に少ないのが好ましい。
チューブ33の断面の大きさは、給気ダクト31の中で移動可能であれば、特に限定されない。チューブ33は、断面の大きさ(縦幅×横幅)が、2〜190cm×2〜190cmの範囲内であることが好ましく、5〜50cm×5〜50cmの範囲内であることがより好ましい。
チューブ33の長さは、給気ダクト31の長さの70〜100%程度が好ましい。
チューブ33を構成する透明樹脂フィルムは、給気ダクト31を構成する透明樹脂フィルムの透明樹脂と同じ透明樹脂からなるものであることが好ましい。チューブ33を構成する透明樹脂フィルムとしては、給気ダクト31を構成する透明樹脂フィルムよりは、若干薄手または柔らかめの透明樹脂フィルムを使用することが、チューブ33が給気ダクト31内を移動するときに、給気ダクト31を損傷するおそれが少ないため好ましい。
チューブ33の給気口34は、水蒸気供給装置36の輸送管36aが連結できるように構成される。
給気口34の口径は、1〜60cmが好ましく、4〜30cmがより好ましい。
チューブ33の周面には、上流側から下流側にかけて適当な間隔で、気体噴出口35が複数設けられている。
気体噴出口35の数は、1〜10ヶ/m(屋根の面積)が好ましく、1〜5ヶ/mがより好ましい。各気体噴出口35の口径は、1〜50mmが好ましく、5〜30mmがより好ましい。
本実施形態の建造物30においては、図4に示すように、屋根15の下部の谷部18の近傍、すなわち、長尺状のフィルム留め具20の近傍に、該留め具21、22と同方向に、通液管41を配置し、該通液管41には、建造物の外側から、温水または温不凍液を通液できるようにすることが好ましい。通液管41に温水または温不凍液を通液することにより、該通液管41からの放熱により、袋状物2内の温度が高まり、建造物内の空気を暖める暖房効果などの相乗的な効果が発揮される。
通液管41は、2つの屋根15,15の一方側のみに設けられてもよく、両側に設けられてもよく、両側に設けられることが好ましい。
通液管41は、直管でも、曲管でもよい。
通液管41の長さは、長いほど、前記効果が向上するため好ましい。
通液管41の直径は、3〜20cmが好ましく、3〜8cmがより好ましい。
通液管41の管壁の肉厚は、0.05〜5mmが好ましく、0.1〜0.2mmがより好ましい。
通液管41は、樹脂製の管または金属製の管であることが好ましく、透明樹脂フィルム製であることがより好ましいが、これに限定されない。
温水または温不凍液の温度は30〜95℃、好ましくは60〜90℃、より好ましくは75〜85℃である。温水または温不凍液の流量は、所望の暖房効果等が得られるよう、適宜決めればよい。
≪建造物の室内環境調節方法≫
本発明の建造物の室内環境調節方法は、前記建築資材を備える建造物の室内環境を調節する方法である。
本発明の建造物の室内環境調節方法は、少なくとも、前記複数の透明シート層間の間隙に加湿空気を供給し、前記透明シート層の間隙側の表面に結露を生じさせる工程を有する必要がある。
「加湿空気」とは、上述したように、間隙内に当該加湿空気が充填された状態において、間隙内の水蒸気圧が、当該建築資材が配置される環境のうちの最も低い温度(最低温度)における飽和水蒸気圧よりも高くなる量の水蒸気を含有する空気である。
加湿空気は、水蒸気の量以外の組成は、大気の組成と同じであってよく、異なっていてもよい。大気の組成と異なる組成の例としては、通常の大気中に存在するか、または存在しない特定のガスが大気に添加された例が挙げられる。
本発明において、加湿空気は、熱線吸収能を有するガスを含有することが好ましい。これにより、上述した断熱効果がさらに向上する。
熱線吸収能を有するガスとしては、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、亜酸化窒素(NO)、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六フッ化硫黄(SF)等が挙げられる。これらのうち、二酸化炭素ガスは、植物の生長促進効果を有しており、建造物が植物栽培用ハウスである場合に特に有用である。
加湿空気中の二酸化炭素の濃度としては、作物の生長に適していることから1000ppm以上であることが好ましく、また、人体への影響がない10000ppm以下が好ましい。
加湿空気の温度は、前記の量の水蒸気を含有する状態で、当該加湿空気の相対湿度が100%以下となる温度であればよく、特に限定されない。結露の発生効率、求められる遮光率等を考慮すると、加湿空気の温度は、当該建造物の室外温度の+10〜+70℃の範囲内であることが好ましく、フィルムの耐熱性や蒸気発生コストを勘案すると+20〜+30℃の範囲内であることがより好ましい。加湿空気の温度を調節することによって、結露時間を調節することもでき、たとえば加湿空気の温度が高いほど、結露が生じるまでの時間が短くなる。また、加湿空気の温度が高いほど、透明シート層表面に形成される結露の量、および結露の粒の大きさが大きくなり、遮光効果が高くなる。
加湿空気の相対湿度は、既に透明シート層間の間隙に存在する空気の相対湿度以上であることが好ましい。加湿空気の相対湿度は、特に、90%以上が好ましい。相対湿度が90%以上であると、結露が発生しやすくなり、発生までに要する時間もより短くなる。また、加湿空気の相対湿度が高いほど、透明シート層表面に形成される結露の量、および結露の粒の大きさが大きくなり、遮光効果が高くなる。
加湿空気の供給量(流量)は、間隙の容量、遮光効果が発揮されるまでの時間等を考慮して適宜設定すればよい。たとえば間隙の容量が0.05〜0.15mの範囲内であれば、加湿空気の流量は、0.2m/分以上が好ましく、0.4m/分がより好ましい。流量が0.4m/分以上であると、遮光率が最大になるまでの時間は短縮する。流量の上限は1m/分以下が好ましく、0.6m/分以下がより好ましい。1m/分以下であれば、フィルム表面の濡れ過ぎによる遮光率の低下現象の発生を抑制できる。
本発明においては、間隙内に水蒸気を充填し、かつ透明シート層表面に結露を生じさせることにより、遮光効果が発揮される。
すなわち、前記加湿空気が間隙に供給されると、透明シート層のうち、前記最低温度の環境(たとえば建造物の室外)に接する透明シート層の間隙側の表面に結露が発生する。つまり、間隙内の、当該透明シート層表面付近の空気が、最低温度付近の温度にまで冷却されるため、該表面付近における飽和水蒸気圧が低下し、間隙内の水蒸気圧よりも低くなる。その結果、当該透明シート層表面付近の相対湿度が100%を越え、過剰な水蒸気が透明シート層表面に付着(結露)する。
そして、間隙内の水蒸気および結露は、当該建築資材の一方の側(入射側)から入射する光を反射、散乱させ、当該建築資材の入射側とは反対側に透過する光の量を低減させ、遮光効果を発揮する。
間隙内に水蒸気が存在していても、結露が発生しない状態では遮光効果はほとんど発揮されないことから、遮光効果を発揮するためには、特に結露の発生が重要である。間隙内の水蒸気は、光の散乱の程度をさらに高める等により、補助的に遮光効果を向上させると推測される。
また、本発明においては、水蒸気および結露により入射光が散乱するため、透過光(建造物の室内の光)は、直射光に比べて散乱光の比率が高まったマイルドな光となる。散乱光の比率が高い光は、たとえば夏季の直射日光等に比べて、建造物内の動植物等にとって好ましいものであり、たとえば農作物等の出来、当該建造物内での作業環境等を向上させるメリットがある。
したがって、本発明は、建造物が植物栽培用ハウスである場合において極めて有用である。
本発明においては、間隙内に加湿空気を供給し、多量の水蒸気を存在させることにより、優れた断熱効果も得られる。すなわち、水蒸気は、優れた熱線吸収能、たとえば一般的に温室効果ガスとして知られている二酸化炭素よりも高い熱線吸収能を有しており、たとえば水蒸気の赤外線吸収機能は二酸化炭素の赤外線吸収機能の約40倍以上である。そのため、間隙内の水蒸気は、建造物の室外からの熱線(たとえば太陽光の近赤外線等)および室内からの熱線を吸収し、建造物外から建造物内へ、または室内から室外への熱の伝導を抑制する。そのため、たとえば夏季においては、建造物の室内の温度上昇が抑制され、冬季においては、室内から室外への熱の放散が防止されるなど、建造物の室内の保温性が発揮される。
したがって、本発明においては、間隙内に存在する水蒸気の量を調節することによって建築資材の断熱効果を調節し、建造物の保温性を調節することもできる。たとえば水蒸気の量を多くするほど、建築資材の断熱効果が向上し、建造物の保温性が向上する。
間隙内に存在する水蒸気の量は、加湿空気の相対湿度、供給量等を調節することによって調節できる。
また、熱線を吸収した間隙内の水蒸気を回収し、より低温の水蒸気を含む加湿空気を供給することにより、建造物内の温度上昇を抑制することもできる。
また、加湿空気として、高温の加湿空気を供給すれば、建造物内の温度を高める暖房効果も得られ、たとえば植物栽培用ハウス等における夜間の放射冷却を抑制することができる。
本発明においては、前記複数の透明シート層の前記間隙側の表面のうちの、親水化処理が施されていない面の数を調節することにより、前記間隙側の表面に生じる結露の量を調節することができる。このように結露の量を調節することにより、遮光効率を調節できる。
すなわち、上述したように、前記間隙側の表面が、親水化処理が施されていない面であると、当該表面に結露が生じやすくなる。そのため、前記間隙側の表面のうちの、親水化処理が施されていない面の数が多いほど、結露が生じやすい間隙側表面の数が多くなり、結果、全体としての結露の量が多くなる。結露の量が多くなるほど、結露による遮光効果が高くなり、遮光率が大きくなる。また、親水化処理の施されていない面を存在させることにより、間隙側表面に結露が維持される時間が長くなり、遮光効果の持続時間が長くなる。
間隙側表面のうちの、親水化処理の施されていない面の数は、0〜(間隙側表面の数)の範囲内で、所望の遮光率に応じて設定すればよい。
本発明においては、さらに、記建造物の室外からの入射光に対する建築資材の傾斜角度を調節し、当該建築資材表面における前記入射光の入射角を調節する工程を有することが好ましい。入射角を調節することにより、建築資材による遮光率を変化させ、建造物の室内の明るさを微細に調節することができる。
たとえば、建築資材表面における前記入射光の入射角が0°(すなわち入射光が、建築資材表面に対して垂直方向から入射する状態)に近いほど、遮光率が小さくなり、逆に、建築資材表面における前記入射光の入射角が大きいほど、遮光率が大きくなる。たとえば入射角を0°から45°に変更することにより、遮光率を2倍以上に高めることができる。具体例を挙げると、たとえば入射角が0°の場合の遮光率が20%であったとすると、入射角を45°とすることにより遮光率を50%等に変更できる。
入射角を調節する工程は、前記結露を生じさせる工程の前に行ってもよく、当該工程と同時に行ってもよい。
具体的には、たとえば、建築資材を建造物に設置する際に、入射角が所望の値となるよう、あらかじめ、屋根等の建築資材の設置角度(傾斜角度)を調節してもよい。
また、建造物に建築資材を設置した後、適宜、入射角が所望の値となるよう、設置角度を調節してもよい。たとえば夏季と冬季とで傾斜角度を変更すると、年間の、建造物内の光量の変動を抑制できる。
また、前記結露を生じさせる工程を行いつつ、建築資材の設置角度を調節してもよい。
建築資材の傾斜角度は、用途に応じて適宜決定すればよく、たとえば屋根として用いる場合は、水平面に対して10〜50℃の範囲内とすることが、遮光効果に優れ、好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
以下の実施例および比較例において用いたETFEフィルムの全光線透過率は、JIS K7361−1に準拠して測定した。
[実施例1]
本実施例は、温度25℃、相対湿度(以下、RHと略記する。)33%の室内で行った。
まず、図5に示した建築資材50と同じ構成の建築資材を下記の手順で作成した。
親水化処理が施されていない2枚のETFEフィルム(厚さ100μm、旭硝子株式会社製、「エフクリーン未流滴品」、縦1250mm×横1250mm、全光線透過率は93〜94%)を用意し、ETFEフィルムの一方には給気口を設け、他方のETFEフィルムには、間隙内の温度およびRHを計測するために、温度・湿度計(デイアンドデイ社製;「TR−72S」)を設置した。温度・湿度計は、センサー部が、図7(a)に示すように、右端から180mm、下端から500mmの位置となるように設置した。
これらのETFEフィルムを、温度・湿度計が内側になるように重ね、正方形(内径:縦1150mm×横1150mm)の外枠の受け部材と抑え部材との間に挟持させ、二重膜構造のパネルとした。
外枠に近いところに1ヶ所、間隙内の空気を排出する為の穴(25mm径の穴=加湿空気注入口と同形状)をフィルム上に設けた。
パネル給気口に、チューブ(材質:塩化ビニル樹脂、内径25mmの円筒形チューブ)の一端を接続し、該チューブの他端を、送風機(ELECTRIC BLOWER、淀川電機製 TYPE1;(50/60Hz、55/51W)に接続した。
チューブ内の、給気口との接続部分には、供給される空気の温度および湿度を測定するため、膜内に設置した前記温度・湿度計とおなじものを設置した。
また、ITコンロ(日立製作所製;「MH−B1」;100V、1350W)上に設置された水浴を、透明樹脂製の筐体内に入れ、該筐体と送風機とを連結して建築資材(以下、建築資材(1)という。)を構築した。
次に、図7(b)に示すように、構築した建築資材(1)のETFEフィルム面に対して一方の側(給気口側)に、光源ランプ71(松下電器産業社製;「ナショナル ハイランプ300W型」)を設置した。また、ETFEフィルム面をはさんで反対側に、照度計72(東京光電社製;「ANA−F11 一般A級照度計」)を設置した。
本実施例においては、光源ランプ71および照度計72は、光源ランプ71の発光部と照度計72のセンサー部とを結ぶ直線が、建築資材(1)の外枠を含む平面に対して垂直に、外枠内の中心を通るように設置した。
光源ランプ71の発光部と外枠内の中心との距離(以下、ランプ距離という。)は450mmとした。また、照度計72のセンサー部と外枠内の中心との距離(以下、照度計距離という。)は320mmとした。
次に、ETFEフィルム間の間隙(膜内)に、送風機を用いて、通常の空気(大気)を供給(流量0.4m/分)し、ETFEフィルムを、図5(b)と同様の緊張状態とした。このとき、最も膨らんでいる部分の間隙の厚さは100mmであり、図5(b)におけるBは50mmであった。したがって、A:B=23:1であった。
次に、膜内の温度が室温(25℃)±1℃の範囲内となった時点から、前記と同じ流量(0.4m/分)の加湿空気(ITコンロを用いて水浴から発生させた水蒸気を含む空気)の膜内への供給を開始した。このとき供給した加湿空気は、給気口付近における温度が51℃、RHが93%であった。
給気口から膜内に供給された加湿空気は、間隙内を対流して全体にいきわたっており、間隙内の空気は、外枠の四隅に設けた隙間から排出されていた。時間が経過するにつれ、ETFEフィルムの内側表面に、次第に結露が形成されていった。
加湿空気の供給中、前記A:Bの比率は常に23:1に維持されていた。
加湿空気の供給開始時点からの膜内の温度およびRH、ならびに照度計72で測定される照度の変化を観察した。その結果から、横軸に時間(秒)、縦軸に温度(℃)、RH(%)および照度(ルクス(Lux))をとってグラフを作成した。また、供給開始時点の照度に対する、測定された照度の割合(%)を求め、相対照度(%)として当該グラフに併記した。該グラフを図10に示す。
相対照度は、加湿空気の供給開始直後から低下しはじめ、240秒後には、供給開始から約20%低下し、その後、その相対照度がほぼ一定に維持された。この結果から、前記条件での遮光率が約20%であることが確認できた。
膜内のRHは、30秒間程度の間に急激に上昇した後、一旦低下し、その後、供給開始から180秒後ぐらいから再度ゆるやかに上昇していた。
また、加湿空気の供給開始から480秒後、パネルを、外枠の中心をずらさないように45°傾斜させて照度を測定したところ、照度が、加湿空気の供給開始直後の約42%にまで低下した。この結果から、パネルを45°傾斜させることにより、傾斜させない場合と比較して、遮光率を2倍強に高めることができることが確認できた。
なお、加湿蒸気を供給する前、すなわち結露が生じる前に、パネルを45°傾斜させた状態で照度を測定したところ、該照度は、パネルを傾斜させない状態の照度の96%で、パネルを傾斜させない状態の照度と比較し4%の低下が見られた。
[実施例2]
ランプ距離を250mmとした以外は実施例1と同様にして、加湿空気の供給開始時点からの膜内の温度およびRH、ならびに照度計72で測定される照度、相対照度の変化を示すグラフを作成した。該グラフを図11に示す。
その結果、照度は、ランプ距離を250mmとしたことによって実施例1よりも高くなっていたものの、相対照度、膜内のRHおよび温度は、実施例1とほぼ同じ変化を示していた。
[実施例3]
加湿空気として、給気口付近における温度が36℃、RHが63%のものを用いた以外は実施例1と同様にして、加湿空気の供給開始時点からの膜内の温度およびRH、ならびに照度計72で測定される照度、相対照度の変化を示すグラフを作成した。該グラフを図12に示す。
相対照度は、加湿空気の供給開始直後から低下しはじめ、240秒後には、供給開始から約10%低下し、その後、その相対照度がほぼ一定に維持された。
膜内のRHは、30秒間程度の間に急激に上昇した後、わずかに低下し、その後、ゆるやかに上昇していた。
また、ETFEフィルムの間隙側表面に最初に結露が形成された時間は、実施例1〜2と同等であったが、結露量が少なく、また結露の粒が小さかった。
[実施例4]
加湿空気として、給気口付近における温度が45℃、RHが63%のものを用いた以外は実施例1と同様にして、加湿空気の供給開始時点からの膜内の温度およびRH、ならびに照度計72で測定される照度、相対照度の変化を示すグラフを作成した。該グラフを図13に示す。
相対照度は、加湿空気の供給開始直後から低下しはじめ、240秒後には、供給開始から約15%低下し、その後、その相対照度がほぼ一定に維持された。
膜内のRHは、30秒間程度の間に急激に上昇した後、わずかに低下し、その後、ゆるやかに上昇していた。
また、ETFEフィルムの間隙側表面に最初に結露が形成された時間は、実施例3と同じであったが、結露量は実施例3より多く、又結露の粒は実施例3より大きかった。
[比較例1]
加湿空気の代わりに、温度25℃、RH70%の空気(加湿器(松下電器産業社製;「FE−KLA05」)を用いて加湿した空気)を用いた以外は実施例1と同様にして、空気の供給開始時点からの膜内の様子を観察したが、ETFEフィルムの間隙側表面には結露は生じなかった。また、照度の変化も見られなかった。
[実施例5]
給気口が設けられる側、すなわち光源ランプ71が配置される側のETFEフィルムとして、両面に親水化処理が施されたETFEフィルム(厚さ100μm、旭硝子株式会社製、「エフクリーン流滴品」、縦1250mm×横1250mm、全光線透過率は93〜94%)を用いた以外は実施例1と同様にして二重膜構造のパネルを作成し、該パネルを用いた以外は実施例1と同様にして建築資材(2)を構築した。
該建築資材(2)を用い、温度23℃、RH50%の室内で行い、さらに測定時間を480秒間から1200秒間に延長した以外は実施例1と同様にして、加湿空気の供給開始時点からの膜内の温度およびRH、ならびに照度計72で測定される照度、相対照度の変化を示すグラフを作成した。該グラフを図14に示す。
相対照度は、加湿空気の供給開始直後から低下しはじめ、240秒後には、供給開始から約10%低下し、その後、その相対照度がほぼ一定に維持された。
膜内のRHおよび温度は、実施例1とほぼ同じ変化を示していた。
また、加湿空気を供給している間、親水化処理が施されたETFEフィルムの間隙側表面においては、供給開始から約240秒後の時点から水滴の流れ(流滴)が生じ、360秒後の時点では、流滴が、当該表面全体に生じていた。
一方、親水化処理が施されていないETFEフィルムの間隙側表面においては、結露の成長が遅く、1200秒後においても流滴がみられなかった。
[実施例6]
実施例5で構築した建築資材(2)のパネルを、図8に示すように、設置面(水平面)に対して45°傾斜させ、また、光源ランプ71および照度計72を、光源ランプ71の発光部と照度計72のセンサー部とを結ぶ直線が、建築資材(2)の外枠を含む平面に対して垂直に、外枠内の中心を通るように設置した以外は実施例5と同様にして(すなわち、実施例5の建築資材(2)、光源ランプ71および照度計72の配置をそのまま45°傾斜させて)、加湿空気の供給開始時点からの膜内の温度およびRH、ならびに照度計72で測定される照度、相対照度の変化を示すグラフを作成した。該グラフを図15に示す。
その結果、照度、相対照度、膜内のRHおよび温度は、実施例5とほぼ同じ変化を示しており、流滴についても同じ傾向が見られた。
[実施例7]
実施例6の建築資材(2)、光源ランプ71および照度計72の配置において、図9に示すように、光源ランプ71の位置を、外枠内の中心の真上とし、照度計72の位置を、外枠内の中心の真下とした(すなわち、建築資材(2)への光の入射角を45°とした)以外は実施例6と同様にして、加湿空気の供給開始時点からの膜内の温度およびRH、ならびに照度計72で測定される照度、相対照度の変化を示すグラフを作成した。該グラフを図16に示す。
相対照度は、加湿空気の供給開始直後から低下しはじめ、240秒後には、供給開始から約20%低下し、その後、その相対照度がほぼ一定に維持された。
膜内のRHおよび温度の変化、流滴については、実施例6とほぼ同じ傾向が見られた。
上記結果から、間隙側表面に結露を発生させることが出来る加湿空気を供給した実施例1〜7においては、最大50%を超える遮光率を達成できた。また、加湿空気の温度、水蒸気量等を調節することにより、結露が生じるまでの時間を調節できることが確認できた。
また、間隙内に供給する水蒸気の量(相対湿度等)、入射光に対する建築資材の傾斜角度等を調節することにより、当該遮光率を変化させ得ることが確認できた。したがって、たとえば前記建築資材(1)、(2)等と同様の構成の建築資材を屋根として用いる場合、植物栽培用ハウス等の建造物に用いられる屋根は、実際、太陽光に対して傾斜しているため、屋根の勾配、水蒸気供給量等を調節することで、遮光率を、0〜40+α(%)範囲で調節できると考えられる。
本発明の建築資材においては、複数の透明シート層間の間隙に加湿空気が供給されると、間隙内に水蒸気が充満し、さらには透明シート層間の間隙側の表面に結露が生じ、遮光効果を発揮する。
遮光カーテンを用いることなく遮光効果が得られるため、ハウスの天井面に光を遮るものが無くなり、従来、遮光カーテンを用いることによって生じていた問題(たとえば、植物栽培用ハウス内に遮光カーテンを設置すると、カーテンは屋根からの太陽光を遮り、ハウス内を恒常的に暗くしたり、光量のムラが生じるため、植物栽培にとっては好ましくない。また、装置のメンテナンス等も必要となる。)が解消される。
したがって、建造物の外面(屋根、壁、窓等)を、光を遮るもののない透明性に優れたものとすることができ、極めてすっきりとした(カーテンのない)ハウスを実現できる。特に、加湿空気を、透明な輸送管(たとえばETFE等のフッ素樹脂製のチューブ)を使用して供給すると、建造物内の影をさらに低減できる。
特に、透明シート層としてフッ素樹脂を含有するものを用いると、結露がより生じやすく、本発明の効果がさらに向上する。また、フッ素樹脂は、耐候性、耐紫外線性、機械的強度等も優れることから、透明シート層の張替えの期間を十数年以上の長期間とすることができる。
本発明においては、加湿空気の温度および/または水蒸気量、光源に対する建築資材の傾斜角度等を調節することにより、遮光率を調節できる。
また、本発明の建築資材は、高い熱線吸収能を有するため、優れた断熱性能を有する。そのため、当該建築資材を備える建造物は、保温性に優れたものである。したがって、本発明においては、加湿空気として高温のものを供給すれば、冬であっても夏であっても、建造物内の夜間の放射冷却を抑制できる。また、熱線を吸収した間隙内の水蒸気を回収すれば、建造物内の温度上昇を抑制できる。
本発明の建築資材は、植物栽培用ハウス(農業用ハウス、園芸用ハウス等)、家畜を飼育するための家屋、スポーツ施設(体育館、プール、テニスコート、サッカー場、野球場等)、サンルーム等の種々の建造物の屋根、壁、窓等に使用でき、特に内部の植物の生育に対する影響が大きい影が生じにくいことから、植物栽培用ハウスに好適に用いられる。
本発明の建築資材を備えた建造物の一実施形態を示す見取図。 透明シートの固定に使用されるフィルム留め具の1例を示す見取図。 本発明の建築資材を備えた建造物の一実施形態を示す見取図。 図3の実施形態の建造物における好ましい1例を示す見取図。 本発明の建築資材の一実施形態を示す正面図(a)および上面図(b)。 本発明の建築資材の一実施形態の一部を示す断面図。 実施例1の建築資材を説明する概略構成図(a)、および実施例1〜5における建築資材と光源ランプと照度計との位置関係を示す図(b)。 実施例6における建築資材と光源ランプと照度計との位置関係を示す図。 実施例7における建築資材と光源ランプと照度計との位置関係を示す図。 実施例1の結果を示すグラフ。 実施例2の結果を示すグラフ。 実施例3の結果を示すグラフ。 実施例4の結果を示すグラフ。 実施例5の結果を示すグラフ。 実施例6の結果を示すグラフ。 実施例7の結果を示すグラフ。
符号の説明
1…透明樹脂フィルム、2…袋状物、3…給気口、4…排気口、5…連通管、6…水蒸気供給装置、6a…輸送管、6b…加湿器、10…建造物、11…棟木、12…軒桁、13…垂木、14…垂木、15…屋根、20…フィルム留め具、21…下受け部材、22…抑え部材、16…支柱、17…壁、18…谷部、31…給気ダクト、32…ウィング、33…チューブ、34…給気口、35…気体噴出口、36…パイプ、41…通液管、50…建築資材、51…透明シート層、52…透明シート層、53…間隙、54…給気口、55…水蒸気供給装置、55a…加湿器、55b…送風装置、55c…輸送管、56…外枠、56a…受け部材、56b…抑え部材、57…センサー、61…透明シート層、62…透明シート層、63…透明シート層、64…透明シート層、65…スペーサー、66…間隙、67…間隙、71…光源ランプ、72…照度計。

Claims (12)

  1. 間隙を介して配置される複数の透明シート層と、該複数の透明シート層間の間隙に加湿空気を供給する水蒸気供給装置とを備えることを特徴とする建築資材。
  2. 前記複数の透明シート層が、少なくとも片面は親水化処理が施されていない透明シート層を含み、該透明シート層の前記親水化処理が施されていない面が、前記間隙側に配置されている請求項1に記載の建築資材。
  3. 前記透明シート層が、フッ素樹脂を含有する請求項1または2に記載の建築資材。
  4. 前記フッ素樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体である請求項3に記載の建築資材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築資材を備える建造物。
  6. 植物栽培用ハウスである請求項5に記載の建造物。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築資材を備える建造物の室内環境を調節する方法であって、前記複数の透明シート層間の間隙に加湿空気を供給し、前記透明シート層の間隙側の表面に結露を生じさせる工程を有することを特徴とする建造物の室内環境調節方法。
  8. 前記加湿空気が、熱線吸収機能を有するガスを含有する請求項7に記載の建造物の室内環境調節方法。
  9. 前記加湿空気の温度が、建造物の室外温度の+10℃〜+70℃の範囲内である請求項7または8に記載の建造物の室内環境調節方法。
  10. 前記複数の透明シート層の前記間隙側の表面のうちの、親水化処理が施されていない面の数を調節することにより、前記間隙側の表面に生じる結露の量を調節する請求項7〜9のいずれか一項に記載の建造物の室内環境調節方法。
  11. 前記建造物の室外からの入射光に対する前記建築資材の傾斜角度を調節し、当該建築資材表面における前記入射光の入射角を調節する工程を有する請求項7〜10のいずれか一項に記載の建造物の室内環境調節方法。
  12. 前記建造物が植物栽培用ハウスである請求項7〜11のいずれか一項に記載の建造物の室内環境調節方法。

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