JP2007314012A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト耐久性を向上すると同時に、良好な轍ワンダリング性を得られる大型車両用タイヤに好適な空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】スチールコードからなる2層以上の交差ベルト層を有す空気入りラジアルタイヤであって、前記スチールコード10が1+m+n構造であり、そのインナーシース13とアウターシース15の撚り方向が同一方向に撚り合わされ、インナーシース13及びアウターシース15を構成する各シースフィラメント14、16相互の隣接間の隙間S1、S2が平均0.008mm以上であり、インナーシースフィラメント14の該スチールコード軸に対する撚り角度θ1と、アウターシースフィラメント16の該スチールコード軸に対する撚り角度θ2との交角θが10°以下であり、かつ、該スチールコード10のコード1本当たりの曲げ硬さが8〜11.5Nであって、そのベルト剛性が950〜1450N/25mmである。
【選択図】図2
【解決手段】スチールコードからなる2層以上の交差ベルト層を有す空気入りラジアルタイヤであって、前記スチールコード10が1+m+n構造であり、そのインナーシース13とアウターシース15の撚り方向が同一方向に撚り合わされ、インナーシース13及びアウターシース15を構成する各シースフィラメント14、16相互の隣接間の隙間S1、S2が平均0.008mm以上であり、インナーシースフィラメント14の該スチールコード軸に対する撚り角度θ1と、アウターシースフィラメント16の該スチールコード軸に対する撚り角度θ2との交角θが10°以下であり、かつ、該スチールコード10のコード1本当たりの曲げ硬さが8〜11.5Nであって、そのベルト剛性が950〜1450N/25mmである。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくはベルトプライに用いられるスチールコードの耐疲労性を改善しベルト耐久性を向上させると同時に、良好な轍ワンダリング性を得るようにした大型車両用タイヤに好適な空気入りラジアルタイヤに関するものである。
従来より、トラック・バス用など大型車両用の空気入りラジアルタイヤのベルトプライには、タイヤ強度やトレッド剛性を確保し、高いコーナリングパワーや良好な操縦安定性を得るために、スチールコードよりなる2層以上の交差ベルトが使用されている。
近年、車台の低床化に伴い扁平率を小さくした扁平タイヤが大型車両用タイヤにも普及するようになり、タイヤ高さに対してトレッド幅が広くなることによりトレッド剛性が増加して接地面の変形量が小さくなり、轍などの路面の段差を乗り越える際のワンダリング性が低下し、操縦安定性を損ねるという問題が生じている。
この轍ワンダリング性を改善するための手段としては、例えば、ベルトコードを細くしてベルトコードに柔軟性を付与したり、コード打ち込み密度を減じてベルト剛性を低下させる手段、トレッド面の曲率半径を小さくする手段などがあるが、前者ではベルト剛性の低下につれてタイヤ強度も低下し耐久性を損ねることになり、また後者ではトレッド接地圧が不均一になったり負荷が一部の接地部に偏り増大し、ベルト耐久性の低下や早期に偏摩耗を生じやすいという問題がある。
一方、従来よりベルトコードとして使用されている図8に示す3+9+15×0.23+1構造のスチールコードは、コード強力と柔軟性とを合わせ持ち轍ワンダリング性は良好であるが、タイヤ使用中にフィラメント同士及びラッピングワイヤWと外層シースフィラメントとの摩擦によるフレッチング摩耗によってフィラメント断面積が減少して除々にコード強力の低下を進行させる問題や、コード内部へのゴム侵入性が劣ることからトレッドの外傷や溝底クラックから浸入する水分により耐腐食性が劣り、またコードコストが高価であるという欠点を持っている。
そこで、フィラメント径を太くして、コード強力とゴム侵入性、コストの問題を解消しようとした、図5に示す3×0.20+6×0.35などの2層構造スチールコードの使用が考えられるが、フィラメント径が太いためにコード剛性が大きくなり、轍ワンダリング性に必要なコード柔軟性が損なわれる。
また、上記3層構造スチールコードの問題点を解決するものとして、1本のコアフィラメントの周囲に2層のシースを配置し、このシース層を同一方向、同一ピッチで撚り合わせてフィラメント相互間のラインコンタクト化を図るコンパクト撚りの1+18構造(図6参照)のスチールコード(特許文献1)や、シースフィラメントの細径化やその本数を間引いてゴムの浸透性を改善し、さらにラッピングワイヤを除去した1+6+(10〜11)構造(図7参照)のスチールコード(特許文献2、3)が開示され、フレッチング摩耗の低減と撚線工数を減じた低コストのスチールコードが提案されている。
上記文献1に開示の1+18構造等のコンパクト撚りスチールコードは、フィラメントのラインコンタクト化によりフレッチング摩耗が低減し耐疲労性の向上とコードコストの点で有利となるが、反面で構成フィラメントがコード内部に充填配置されるためコード断面輪郭が非円形の多角形状になるという特徴を持ち、ゴムの侵入性不足のためベルトにかかる衝撃やせん断歪みによりコードがばらけたり、一部のフィラメントが先行破断することがあり、また外傷からの水分浸入による腐食疲労性やゴムとの接着性低下により耐久性を低下させるという問題を抱えている。
実公平3−29355号公報
特開平8−232179号公報
特表2003−519299号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、ベルトプライに用いられるスチールコードを安価にするとともに、そのゴム侵入性や耐フレッチング性を改善しベルト耐久性を向上すると同時に、良好な轍ワンダリング性を得られる大型車両用タイヤに好適な空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ベルトプライに使用するスチールコードにおいて、1+m+n構造のコア及びシースを構成するフィラメント、及びインナーシースとアウターシースの撚り構成を特定することで、スチールコードのゴム侵入性と耐フレッチング性を向上しベルト耐久性を向上するとともに、適度の柔軟性をベルトコードに付与することでベルト剛性を最適にし轍ワンダリング性を良好にすることを見出したものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、スチールコードからなる2層以上の交差ベルト層を有す空気入りラジアルタイヤであって、前記スチールコードは、中心に配した1本のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に配したm本のインナーシースフィラメントからなるインナーシースと、該インナーシースの周囲に配したn本のアウターシースフィラメントとからなるアウターシースとを備える1+m+n構造スチールコード(mは5または6本、nは10または11本)で、前記インナーシースとアウターシースとの撚り方向が同一方向に撚り合わされ、前記インナーシース及びアウターシースを構成する各シースフィラメント相互の隣接間の隙間が平均0.008mm以上であるとともに、前記インナーシースフィラメントの該スチールコード軸に対する撚り角度θ1と、前記アウターシースフィラメントの該スチールコード軸に対する撚り角度θ2との交角θが10°以下であり、かつ、該スチールコードのコード1本当たりの曲げ硬さが8〜11.5Nであって、そのベルト剛性が950〜1450N/25mmであることを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
請求項2に記載の発明は、前記スチールコードのコアフィラメント径dcとインナーシースフィラメント径d1とが、次式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤである。
0.055≧(dc+d1)sin(π/m)−d1≧0.008(mm) (1)
0.055≧(dc+d1)sin(π/m)−d1≧0.008(mm) (1)
請求項3に記載の発明は、前記コアフィラメント径dcが0.23mm以上、前記インナーシース及びアウターシースを構成するフィラメント径dsが0.25mm以下であり、前記dcとdsとの比が0.80≦dc/ds≦1.2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤである。
請求項4に記載の発明は、前記インナーシースフィラメント及びアウターシースフィラメントの径が、全て同一径であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りラジアルタイヤである。
請求項5に記載の発明は、前記インナーシースフィラメントの撚り角度θ1が12〜20°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。
請求項6に記載の発明は、前記スチールコードの切断荷重が1800N以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。
請求項7に記載の発明は、タイヤ断面幅が300mm以上であり、その扁平率が80%以下の大型車両用タイヤである請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。
本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、1+m+n構造スチールコードのゴム侵入性と耐フレッチングをバランス良く両立することでベルト耐久性を向上するとともに、良好な轍ワンダリング性を得ることができ、しかもスチールコードの低価格化を図ることが出来る。
以下に、本発明の実施形態にかかる空気入りラジアルタイヤ及びそのベルトプライに用いられるスチールコードについて図面を参照し説明する。
図1は、本発明の1実施形態のトラック・バス用の空気入りラジアルタイヤの1例を示すラジアルタイヤTの半断面図であり、符号3はトレッド部、5はサイドウォール部、4はビード部、CLはタイヤセンターである。
タイヤTは、トレッド部3と、該トレッド部3の両ショルダー部で連なる一対のサイドウォール部5と該サイドウォール部5に続くビード部4とを備え、ラジアル配列されたスチールコードの端部を左右一対のビードコア6で折り返して係止したカーカスプライ2と、スチールコードをタイヤ周方向に対して傾斜し配列した4層のベルトプライ1をカーカスプライ2のタイヤ径方向外側のトレッド部3に有している。該ベルトプライ1は、2番、3番ベルトプライ1B間でそのベルトコードが相互に交差され配置されている。
カーカスプライ2には3+9+15×0.175、3+9+15×0.22、3+9×0.22、3+8×0.22などのスチールコードが1プライで使用される。また、スチールコードの代わりに、ポリエステル、アラミドなどの有機繊維タイヤコードを使用してもよい。
前記ベルトプライ1は、カーカスプライ2のタイヤ径方向外側のカーカス側から、タイヤ周方向に対して60°程度の角度で配列された3×0.20+6×0.35構造のスチールコードからなる1番ベルト1Aと、タイヤ周方向に対して23°程度の角度で相互にベルトコードを交差して配された本発明にかかる1+m+n構造スチールコードからなる2、3番ベルト1B、タイヤ周方向に対して23°程度の角度で配された1×5×0.38構造スチールコードからなる4番ベルト1Cで構成され、2、3番ベルト1Bがトレッド部3を主に補強するワーキングベルトをなしている。
上記2、3番ベルト1Bに用いられるのスチールコードは、中心に配した1本のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に配したm本のインナーシースフィラメントからなるインナーシースと、該インナーシースの周囲に配したn本のアウターシースフィラメントとからなるアウターシースとで構成された1+m+n(mは5または6本、nは10または11本)構造のスチールコードである。
上記1+m+n構造のスチールコードは、mが5本または6本のフィラメントであり、nが10本または11本のフィラメントで構成される。すなわち、1+5+10,1+5+11、1+6+10、1+6+11構造のスチールコードが挙げられる。
ここで、コアを1本のフィラメントとするのは、コアが2本撚りではコード断面形状が扁平化することでインナーシースとアウターシースを断面形状を安定させながら同一方向に撚り合わせるのが困難であり、3本撚り以上ではコア内に連続する空隙が形成されるので耐腐食性が低下することと、またコアを1本とすることでインナーシースと同時に撚ることができ撚り線工程を簡略化できるからである。また、シース層が3層以上になると撚り構造が複雑化し、特に3層以上の同方向撚りではコードの真直性や残留トーションが調整し難くなり製造上困難となる。
インナーシースのフィラメント数mが4本以下では、コアの周囲でインナーシースフィラメントが動きやすく偏りを生じてゴム侵入性が悪化し、7本以上を配置するにはコアとインナーシースフィラメントの径差を大きくする必要がありコアにかかる歪みが大きくなり耐疲労性が低下する。アウターシースフィラメント数nを10または11本とするのも、同様の理由である。
図2は、本発明にかかる1+m+n構造スチールコードの1例を示すコード断面図であり、中心に配したコア11を構成するフィラメント径dcの1本のコアフィラメント12と、該コア11の周囲に配置したインナーシース13を構成するフィラメント径d1の6本のインナーシースフィラメント14と、該インナーシース13の周囲に配置したアウターシース15を構成するフィラメント径d2の11本のアウターシースフィラメント16とからなる、インナーシース13とアウターシース15とを同一方向に撚り合わせた1+6+11構造のスチールコード10である。
また、図3は、本発明にかかる1+m+n構造スチールコードの他の例を示すコード断面図であり、中心に配したフィラメント径dc’の1本のコアフィラメント22と、該コア21の周囲に配置したインナーシース23を構成するフィラメント径d1’の5本のインナーシースフィラメント24と、該インナーシース23の周囲に配置したアウターシース25を構成するフィラメント径d2’の10本のアウターシースフィラメント26とからなり、インナーシース23とアウターシース25とを同一方向に撚り合わせた1+5+10構造のスチールコード20である。
以下、本発明にかかるスチールコードについて、主に図2に示す1+6+11構造のスチールコード10に基づき説明する。
本発明において、コアフィラメント12のフィラメント径dcは0.23mm以上であることが好ましく、インナーシース13とアウターシース15のフィラメント径dsは0.25mm以下であることが好ましい。これにより、1+m+n構造においてベルトコードとしての強力を確保する上で、コア11の周囲に配されるインナーシース13及びアウターシース15のフィラメント14、15との撚り合わせバランスを良好にするとともに、同一シース内のシースフィラメント相互の隣接間にゴムの侵入する隙間S1、S2を形成することが容易となる。
上記コアフィラメント径dcの上限は特に限定されないが、0.30mm未満、より好ましくは0.27mm以下である。0.30mm以上になると、コードの曲げ硬さが大きくなりベルト剛性が高くなって良好な轍ワンダリング性が得られ難くなる。また、フィラメントの耐疲労性はフィラメント径による依存性が大きいことが知られており、dcが0.35mmを超えると、フィラメント表面歪みが大きくなり耐疲労性に不利になり、またコアに太いフィラメントを用いるとコードの真直性も悪くなりトッピング工程などの工程通過性が低下する。
また、シースフィラメント径dsの下限は特に制限されないが、0.18〜0.24mm、さらには0.20〜0.23mmであるものが好ましい。0.18mm未満では、1+m+n構造において大型タイヤ用途のベルトコードとしての強力を確保することが困難となり、またフィラメント伸線性が低下し、すなわち伸線速度の低下や断線の増加で生産性が悪くベルト用コードとしてコスト的に見合わなくなる。
また、前記コアフィラメント径dcと、インナーシースフィラメント14及びアウターシースフィラメント16を構成するフィラメント径dsとの関係は、1<dc/ds≦1.2であることが好ましい。
図2に示す1+6+11構造の場合、コアフィラメント径dcをインナーシース及びアウターシースフィラメント径dsより若干太くすることにより、コードの真直性を良好にし、インナーシースフィラメント14相互の隣接間及びアウターシースフィラメント16相互の隣接間に、コード10内部にゴムが侵入する隙間S1とS2を形成することができる。この隙間S1、S2は共に平均0.008mm以上である必要があり、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02〜0.06mmである。
また、コアフィラメント径dcを若干太くすることで、コアフィラメント12とインナーシースフィラメント14間の接触圧を下げて疲労性の低下を防ぐことができる。しかし、コアフィラメント径dcとインナーシースフィラメント径d1の差を1.2倍よりも大きくすると、両者の疲労性の差が大きくなり、またインナーシースフィラメント14がコアフィラメント12の周りで動きやすくなり、フィラメント14が偏ってゴム侵入性の低下やコアフィラメント12のフレッチング摩耗が増えて耐疲労性が低下するので好ましくない。
この時、前記インナーシースフィラメント12の径d1とアウターシースフィラメント16の径d2は、全て同一のフィラメント径dsであってもよく、d1とd2が異なるものでもよい。また、同一シース13及び15内で異径フィラメントを組み合わせてもよいが、フィラメント部材数の増加、撚り線工程が煩雑となるなどコード生産性に影響するので、コード製造コストを抑える観点からは同一シース内には同一径のフィラメントを用いることが好ましい。
また、図3に示す1+5+10構造の場合は、コアフィラメント径dcとシースフィラメント径dsは上記0.80≦dc/ds≦1.2の関係を満たす範囲でコアフィラメント径dcがシースフィラメント径dsよりも細径であってもよく、インナーシースフィラメント24相互の隣接間及びアウターシースフィラメント26相互の隣接間に、コード20内にゴムが侵入する隙間S3とS4を形成することができるフィラメント径dsを選択すればよい。この場合も、前記隙間S3、S4は共に平均0.008mm以上である必要があり、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02〜0.06mmである。
本発明では、上記コアフィラメント12とシースフィラメント14、16を組み合わせてスチールコード10を構成するに際し、コアフィラメント径dcとインナーシースフィラメント径d1とが、次式(1)の関係を満たすことが好ましい。
0.055≧(dc+d1)sin(π/m)−d1≧0.008(mm) (1)
0.055≧(dc+d1)sin(π/m)−d1≧0.008(mm) (1)
上記式(1)から求められる値は、コード断面におけるフィラメント断面を真円として、幾何学的にインナーシースフィラメント14、14間の最短距離の平均値Tを求めたものである。
実際には、シースフィラメント14はコア11の周囲に巻き付けられるので、フィラメント断面は楕円状を有しインナーシースフィラメント14、14間の実隙間S1は上記式(1)で得られる値よりも若干小さくなり、また楕円径状は厳密にはシースフィラメントの撚りピッチにより異なってくる。
本発明者は、スチールコード被覆用ゴムの未加硫時特性、すなわち、加硫時温度、圧力でのゴム流動性とフィラメント間の距離、及びコード内部へのゴム侵入性について鋭意研究を行った結果、dcとd1とが式(1)により得られる値が0.008mm以上の関係にあれば、コアまで達するゴム侵入性が可能であること見出したものである。
すなわち、式(1)の値が0.008mm以上であればタイヤ加硫時にコード内部のコア11まで十分に被覆ゴムが侵入することができ、0.008mm未満ではコード内部へのゴム侵入性が不十分となり、本発明が十分達成できないという知見を得たものである。
また、式(1)の範囲が、0.055mmを超えるとシースフィラメントの偏りがコード製造過程やトッピング工程で生じやすくなり本発明を達成することが困難となる。
本発明にかかるスチールコード10は、図2に示すようにコアフィラメント12の周囲に6本のアウターシースフィラメント14全てが密接し撚り合わされることはなく、実際には一部のフィラメント14は密接し、他のフィラメント14は少しコアフィラメント12から浮いた状態になっている。従って、実際の隙間S1、S2は上記式(1)で得られる値よりも大きく形成されており、該実隙間は0.01mm以上、さらには0.015mm以上であることが好ましい。
また、十分なゴム侵入が確保できる隙間S1、S2を形成するために、シースフィラメント14、16の型付け率を通常より若干大きくし、例えば、95〜120%にして故意にコア11からシースフィラメント14、16を浮き気味にして撚り合わせてもよい。さらに、コアフィラメント12の長手方向にコアフィラメント径dcの1.05〜1.2倍程度の振幅でらせん状や波状のくせ付けを施して見掛けフィラメント径を大として用いてもよい。
また、本発明にかかるスチールコード10は、前記インナーシース13とアウターシース15の撚り方向が同一方向である。これにより、層撚りコードのコード強力低下の主原因である異方向撚りに基づくフィラメントの点接触によるフレッチング摩耗の問題を軽減し、フィラメント間の接触面積を大きくすることで単位面積当たりの接触圧を小さくし耐フレッチング性を改善することができる。
また、図4に示すように、スチールコード10は、インナーシースフィラメント14の該コード軸Oに対する撚り角度θ1と、アウターシースフィラメント16の該コード軸Oに対する撚り角度θ2との交角θが10°以下である。
これにより、インナーシースフィラメント14、14間の谷間にアウターシースフィラメント16が落ち込むのを防いで、スチールコード10の断面形状を円に近づけることで上記の隙間S1、S2の形成を確保しゴム侵入性を確実にするとともに、断面多角形状コードの特定フィラメントへの応力集中の問題を解消することができる。
θ1とθ2との交角θが10°を超えると、インナーシースフィラメント14とアウターシースフィラメント16とが点接触化し、両者の接触圧が大きくなってフレッチング摩耗が大きくなり、コード強力が低下しやすくなる。また、フレッティング部は、フィラメント表面のメッキが削られ、フィラメントが腐蝕しやすくなり、コードの腐蝕疲労性にも悪影響を与える。特に、ベルトプライでは、外傷からの水分がメッキ削れ部を腐食のイニシエーションとする接着低下からベルトセパレーションを誘発することがあり、むしろ強力低下現象よりもメッキ削れを防止して腐食疲労性を向上する観点で耐フレッチング性が重要になる。
なお、通常θ1とθ2とはθ1≧θ2の関係にあり、すなわちアウターシース15がインナーシース13よりも長いピッチP2>P1で撚り合わされ、耐疲労性、及びコード生産性の低下やコード単位質量の増加を抑えるようにしている。
また、本発明においては、前記インナーシースフィラメント14の撚り角度θ1が12〜20°であることが好ましい。
インナーシースフィラメントの撚り角度θ1が、12°未満であるとコード軸Oに対してフィラメント軸が平行に近づくことになり、すなわち撚りピッチP1が長くなって耐疲労性が低下し、20°を超えると撚りピッチP1が短くなりすぎ撚り効率が低下するので好ましくない。
上記構成による本発明にかかる1+m+n構造スチールコードは、コード1本当たりの曲げ硬さが8〜11.5Nであり、そのコードを用いたベルトプライのベルト剛性が950〜1450N/25mmの範囲である。
コード1本当たりの曲げ硬さが8N未満ではスチールコードが柔軟になりベルト剛性が確保できすコーナリング性能や操縦安定性が低下し、ベルト剛性を確保するためにコード打ち込み数を増加するとタイヤ重量増や接着性低下の問題が生じてくる。また、11.5Nを超えるとコードが剛直になり過ぎ轍ワンダリング性を良好にすることが困難となり、そのためにコード打ち込み数を減少するとコード間隔が大になりトレッド部の耐外傷性、特に釘などに鋭利な金属による耐カット性が低下する。
本発明においては、スチールコード1本当たりの曲げ硬さが上記範囲であり、そのコードを用いたベルトプライのベルト剛性が950〜1450N/25mmの範囲に設計することで、コーナリング特性や操縦安定性などのタイヤ特性を損なうことなく、ベルト耐久性を向上するとともに、良好な轍ワンダリング性を得ることができる。
なお、コード1本当たりの曲げ硬さとは、スチールコード1本を支点間距離25mmにて、その中央部を曲げた時の最大荷重(N)で定義される値である。
また、ベルト剛性とは、上記コード1本当たりの曲げ硬さ(N)にベルトプライのコード打ち込み数(本/25mm)を乗じた値で定義する。
上記構成による1+m+n構造スチールコードの切断荷重は、1800N以上であることが好ましい。コード切断荷重が1800N未満であると、大型タイヤのベルトプライに使用する際に、単位幅当たりの打ち込み本数が多くなってセパレーションを生じやすくし、タイヤ耐久性の低下原因となるからである。
本発明にかかるスチールコードを構成する各フィラメントは、炭素含有量が0.70〜0.95重量%程度にある高炭素鋼(例えば、JIS G3502に規定のピアノ線材)からなり、2500〜3500N/mm2程度の抗張力を有し、さらに軽量化の観点から抗張力は2700N/mm2以上が好ましく、さらに2900N/mm2以上にある高抗張力フィラメントであることがより好ましい。しかし、抗張力が3500N/mm2を超えると伸線加工性の悪化や鋼の脆化により耐疲労性が低下するので好ましくない。
さらに、フィラメント表面には、ゴムとの接着性を良好にするために銅比率が63〜67%のブラスめっきが、4〜6g/Kg程度の付着量で被覆されている。また、ブラスにコバルトやニッケルなどの第3金属を少量含む3元合金めっきでもよい。
このスチールコードの製造は、例えばスチールコード10では、コアフィラメント12の周囲に配されたインナーシース13の6本のフィラメント14が鏡板から集合ボイスに集束され、通常のバンチャー式撚線機やチューブラー式撚線機に導入されて所定ピッチで撚り合わされ1+6構造が形成される。次に、一旦ボビンに巻き取った前記1+6構造を引き出しその周囲にアウターシース15の11本のフィラメント16を配し鏡板から集合ボイスに集束し、通常のバンチャー式撚線機やチューブラー式撚線機に導入されて、1+6構造と同一方向に所定ピッチで撚り合わされることで、1+6+11構造のスチールコード10が2回の撚り線工程により製造される。
また、同一ライン上に連結された2台のバンチャー式撚線機を用い、第1のアウト−イン−アウト式バンチャー式撚線機で1+6構成のインナーシースを撚り合わせ、これに連続して前記1+6構造の周囲に11本のアウターシースフィラメント16を配置して鏡板から集合ボイスに集束して第2のアウト−イン式バンチャー式撚線機に導入し1+6+11構造スチールコード10を1工程で製造することができる。
また、上記バンチャー式撚線機に代えて、上記同一ライン上に連結された2台のチューブラー式撚線機を用いても同様に1+6+11構造スチールコード10を1工程で製造することができる。ここで、第1撚線機をバンチャー式撚線機、第2撚線機をチューブラー式撚線機としても、またその逆に配置したものでもよい。
上記のスチールコードの製造方法によると、インナーシース13の撚りピッチP1とアウターシース16の撚りピッチP2を任意に設定することができ、すなわちそれぞれの撚り角度θ1、θ2が自在にコントロールできるので、θ1とθ2との交角θの設定が容易に可能となる。
そして、本発明の空気入りラジアルタイヤは、上記スチールコードを補強材としてベルトプライに用いることで、ゴム侵入性と耐フレッチング性をバランス良く向上し、ベルト耐久性に優れたロングライフ化が図られる空気入りラジアルタイヤとすることができ、特にトラックやバス用などの大型車両に使用されるタイヤ断面幅が300mm以上であり、その扁平率が80%以下のタイヤに好適である。しかも、コード生産性を従来の3+9+15構造スチールコードより高めてコストダウンにも貢献することができる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明する。
表1、表2に記載のコード仕様に従い、実施例、比較例の1+m+n構造(mは4〜6、nは9〜11)の各スチールコードを通常のチューブラー式撚線機を用いて2回の撚り線工程により製造した。
これらのスチールコードに用いた各フィラメントは、JIS G3502に規定のピアノ線材SWRS82A材の5.5mmロッドから、パテンティング、伸線加工を繰り返し所定径の中間線に乾式伸線し、この中間線の表面にブラスめっき(銅比率64%、めっき付着量4.5g/Kg)を施した後、通常の湿式伸線機を用いて最終伸線加工して得たものである。
従来例1、2、3のスチールコードは上記と同様にして得たフィラメントを用いて、常法によりチューブラー式撚線機を使用し製造したものである。
これらのスチールコードについて、ゴム侵入性、ベルト疲労試験による耐フレッチング性、ワーキングベルトに該スチールコードを使用したタイヤの耐久性及び轍ワンダリング性を、下記の試験法により評価した。結果を表1、表2に示す。
[耐フレッチング性(ベルト疲労試験)]
従来例1のコード打ち込み本数を10.5本/25mmとし、これとベルト強力が同等になるように各スチールコードのコード打ち込み本数を調整しゴム中に埋設したベルトストリップ状の加硫サンプル(幅3×長さ45cm)を作製した。ファイアストーン型ベルト疲労試験機にて、1インチプーリーを用いて50000サイクル屈曲疲労させた後、ベルト疲労試験後のサンプルからコードを取り出し、インナーシースとアウターシースのフレッチング摩耗レベルを、顕微鏡でフィラメントを20倍に拡大し観察した。ほとんどフレッチングが認められないものを「◎」、フィラメント径減少率が最大で直径の1/8まで達したものを「○」、フィラメント径減少率が最大で直径の1/6まで達したものを「△」、フィラメント径減少率が最大で直径の1/4まで達したものを「×」、フィラメント径減少率が最大で直径の1/2まで達したものを「××」、として評価し、表1に示す。
従来例1のコード打ち込み本数を10.5本/25mmとし、これとベルト強力が同等になるように各スチールコードのコード打ち込み本数を調整しゴム中に埋設したベルトストリップ状の加硫サンプル(幅3×長さ45cm)を作製した。ファイアストーン型ベルト疲労試験機にて、1インチプーリーを用いて50000サイクル屈曲疲労させた後、ベルト疲労試験後のサンプルからコードを取り出し、インナーシースとアウターシースのフレッチング摩耗レベルを、顕微鏡でフィラメントを20倍に拡大し観察した。ほとんどフレッチングが認められないものを「◎」、フィラメント径減少率が最大で直径の1/8まで達したものを「○」、フィラメント径減少率が最大で直径の1/6まで達したものを「△」、フィラメント径減少率が最大で直径の1/4まで達したものを「×」、フィラメント径減少率が最大で直径の1/2まで達したものを「××」、として評価し、表1に示す。
[ゴム侵入性]
ベルト疲労試験用の加硫サンプルから取り出したコードを、そのアウターシースを25cmにわたり丁寧に取り除きインナーシースのゴム付着長さを測定した。インナーシースの外周が25cm全長にわたりゴム付着している場合を100点として評価した。コード5本の平均値で表1に示す。指数が大きいほどゴム侵入性は良好である。
ベルト疲労試験用の加硫サンプルから取り出したコードを、そのアウターシースを25cmにわたり丁寧に取り除きインナーシースのゴム付着長さを測定した。インナーシースの外周が25cm全長にわたりゴム付着している場合を100点として評価した。コード5本の平均値で表1に示す。指数が大きいほどゴム侵入性は良好である。
[タイヤ耐久性]
従来例1のコード打ち込み本数を10.5本/25mmとし、これとベルト強力が同等になるように各スチールコードのコード打ち込み本数を調整しゴム被覆した各トッピングシートを作製し、所定幅、角度にて裁断したものを2番、3番の交差ベルトプライ(ワーキングベルト)に適用した、サイズ315/70R22.5のラジアルタイヤを試作した。タイヤ耐久性を下記条件のドラム試験にて評価した。なお、カーカスは3+9+15×0.175スチールコード(打ち込み数15本/25mm)の1プライ、1番ベルトは3×0.20+6×0.35スチールコード(打ち込み数8本/25mm)、4番ベルトは1×5×0.38スチールコード(打ち込み数11本/25mm)とし、その他の各部位には全て共通の部材を使用した。
従来例1のコード打ち込み本数を10.5本/25mmとし、これとベルト強力が同等になるように各スチールコードのコード打ち込み本数を調整しゴム被覆した各トッピングシートを作製し、所定幅、角度にて裁断したものを2番、3番の交差ベルトプライ(ワーキングベルト)に適用した、サイズ315/70R22.5のラジアルタイヤを試作した。タイヤ耐久性を下記条件のドラム試験にて評価した。なお、カーカスは3+9+15×0.175スチールコード(打ち込み数15本/25mm)の1プライ、1番ベルトは3×0.20+6×0.35スチールコード(打ち込み数8本/25mm)、4番ベルトは1×5×0.38スチールコード(打ち込み数11本/25mm)とし、その他の各部位には全て共通の部材を使用した。
〈ドラム試験条件〉
表面が平滑な鋼製の直径1700mmの回転ドラムを有するドラム試験機により、周辺温度38±3℃、タイヤ内圧900KPa、負荷荷重4500Kgで一定とし、速度56Km/hから12時間ごとに8Km/hずつ速度を増加させ、タイヤ故障が発生するまで走行させた。故障発生までの走行距離を、従来例1を100とする指数で表1に示す。指数が大きいほど耐久性に優れる。
表面が平滑な鋼製の直径1700mmの回転ドラムを有するドラム試験機により、周辺温度38±3℃、タイヤ内圧900KPa、負荷荷重4500Kgで一定とし、速度56Km/hから12時間ごとに8Km/hずつ速度を増加させ、タイヤ故障が発生するまで走行させた。故障発生までの走行距離を、従来例1を100とする指数で表1に示す。指数が大きいほど耐久性に優れる。
[轍ワンダリング性]
各試作タイヤの内圧を900kPaとし、大型トレーラートラックの前輪に装着し、轍(幅40cm、深さ5cm、轍斜面傾斜角35°の断面略逆台形状)を設けた試験路面を走行し、轍から脱出する時の乗り越し性をテストドライバー3名によるフィーリングテストにより評価した。轍をスムーズに乗り越し、乗り越し後のハンドル操作にふらつきを感じないものを「○」、やや轍を乗り越しにくく、乗り越し後のハンドル操作にふらつき感が感じられるものを「△」、轍の乗り越しが困難で、乗り越し後のハンドル操作にふらつきが大きいものを「×」、と評価し、表に示した。
各試作タイヤの内圧を900kPaとし、大型トレーラートラックの前輪に装着し、轍(幅40cm、深さ5cm、轍斜面傾斜角35°の断面略逆台形状)を設けた試験路面を走行し、轍から脱出する時の乗り越し性をテストドライバー3名によるフィーリングテストにより評価した。轍をスムーズに乗り越し、乗り越し後のハンドル操作にふらつきを感じないものを「○」、やや轍を乗り越しにくく、乗り越し後のハンドル操作にふらつき感が感じられるものを「△」、轍の乗り越しが困難で、乗り越し後のハンドル操作にふらつきが大きいものを「×」、と評価し、表に示した。
従来例1は、ゴム侵入性が不十分であり、インナーシースとアウターシースの撚り方向が異方向であり耐フレッチング性が劣るが、コードの曲げ硬さが適度でベルト剛性に柔軟さあり轍ワンダリング性は良好である。従来例2は、コード曲げ硬さを従来例1並みに維持し、轍ワンダリング性を良好にするが、コンパクト撚りでゴム侵入性が非常に悪く、コードのばらけや腐食疲労による耐久性低下が見込まれる。従来例3は、フィラメント径が太くコード曲げ硬さが大きくなり、ベルト剛性の上昇により轍ワンダリング性が悪化した。
実施例1〜3は、コード曲げ硬さを従来例1並みに維持し、轍ワンダリング性を良好にするとともに、ゴム侵入性と耐フレッチング性を両立し、タイヤ耐久性に優れることがわかる。
一方、比較例1はコアフィラメントがシースフィラメントに対して1.2倍を超えて太くこあに歪みが集中しやすく実施例ほどの耐久性が得られず、比較例2はインナーシースが4本であるためコードの形状が安定しないため耐久性が低下し、比較例3はアウターシースフィラメントの偏りを生じ耐久性が不十分であり、比較例4はアウターシースフィラメントが12本であるので、ゴム侵入性が劣り、従来例2と同様の結果となった。比較例5は交角θが10°を超えインナーシースとアウターシースフィラメントが点接触し耐フレッチングが劣り、比較例6はコード強力が1800N未満でありベルトコードの打ち込み数が増す必要があり、ベルトエッジセパレーションによりタイヤ耐久性の低下が見られ、比較例7はコード曲げ硬さが大きく轍ワンダリング性が低下し、比較例8はアウターシースフィラメントを0.25超としたためコード曲げ硬さがさらに大きくなり轍ワンダリング性が悪化した。
以上説明したように、本発明は、トラックやバスなどの大型車両用の空気入りラジアルタイヤに適用し轍ワンダリング性、タイヤ耐久性を向上することができ、特にタイヤ断面幅が300mm以上、その扁平率が80%以下の空気入りラジアルタイヤに好適である。
10……スチールコード
11……コア
12……コアフィラメント
13……インナーシース
14……インナーシースフィラメント
15……アウターシース
16……アウターシースフィラメント
S1、S2……フィラメント間の隙間
11……コア
12……コアフィラメント
13……インナーシース
14……インナーシースフィラメント
15……アウターシース
16……アウターシースフィラメント
S1、S2……フィラメント間の隙間
Claims (7)
- スチールコードからなる2層以上の交差ベルト層を有す空気入りラジアルタイヤであって、
前記スチールコードは、中心に配した1本のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に配したm本のインナーシースフィラメントからなるインナーシースと、該インナーシースの周囲に配したn本のアウターシースフィラメントとからなるアウターシースとを備える1+m+n構造スチールコード(mは5または6本、nは10または11本)で、前記インナーシースとアウターシースとの撚り方向が同一方向に撚り合わされ、
前記インナーシース及びアウターシースを構成する各シースフィラメント相互の隣接間の隙間が平均0.008mm以上であるとともに、
前記インナーシースフィラメントの該スチールコード軸に対する撚り角度θ1と、前記アウターシースフィラメントの該スチールコード軸に対する撚り角度θ2との交角θが10°以下であり、かつ、
該スチールコードのコード1本当たりの曲げ硬さが8〜11.5Nであって、そのベルト剛性が950〜1450N/25mmである
ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 前記スチールコードのコアフィラメント径dcとインナーシースフィラメント径d1とが、次式(1)の関係を満たす
ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
0.055≧(dc+d1)sin(π/m)−d1≧0.008(mm) (1) - 前記コアフィラメント径dcが0.23mm以上、前記インナーシース及びアウターシースを構成するフィラメント径dsが0.25mm以下であり、前記dcとdsとの比が0.80≦dc/ds≦1.2である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記インナーシースフィラメント及びアウターシースフィラメントの径が、全て同一径である
ことを特徴とする請求項3に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記インナーシースフィラメントの撚り角度θ1が12〜20°である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記スチールコードの切断荷重が1800N以上である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。 - タイヤ断面幅が300mm以上であり、その扁平率が80%以下の大型車両用タイヤである
請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006145155A JP2007314012A (ja) | 2006-05-25 | 2006-05-25 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006145155A JP2007314012A (ja) | 2006-05-25 | 2006-05-25 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007314012A true JP2007314012A (ja) | 2007-12-06 |
Family
ID=38848281
Family Applications (1)
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JP2006145155A Withdrawn JP2007314012A (ja) | 2006-05-25 | 2006-05-25 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007314012A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009069373A1 (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-04 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | タイヤ用のスチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤ |
CN107190541A (zh) * | 2017-06-21 | 2017-09-22 | 盛利维尔(中国)新材料技术股份有限公司 | 一种具有1+5+10结构的开放型钢帘线 |
CN110735340A (zh) * | 2019-11-22 | 2020-01-31 | 江苏兴达钢帘线股份有限公司 | 一种十七股子午胎钢丝帘线 |
JPWO2018198776A1 (ja) * | 2017-04-28 | 2020-03-05 | 株式会社ブリヂストン | ゴム物品補強用スチールコード、その製造方法及びタイヤ |
-
2006
- 2006-05-25 JP JP2006145155A patent/JP2007314012A/ja not_active Withdrawn
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