JP2007312911A - 陥入爪矯正具 - Google Patents
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Abstract
【課題】陥入爪矯正具を提供する。
【解決手段】本発明は、陥入爪の爪甲の表面に並べて貼着される複数の支持体と、該複数の支持体に、それらの間に架け渡して取り付けられる弾性体とからなる陥入爪矯正具であって、前記支持体は、陥入爪の爪甲の両端部の矯正すべき箇所に貼着される両側支持体を含み、前記弾性体は、常温における記憶形状として直線形状ないし陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されている形状記憶材からなる陥入爪矯正具である。本発明の陥入爪矯正具は、従来の陥入爪矯正具に比べて弾性体による陥入爪矯正力が大きい。また本発明の陥入爪矯正具は、陥入爪の爪甲の表面上に空間を形成するので、陥入爪の表面の通気性が良好に保持され、雑菌などが繁殖し難く、爪の健康が維持され、爪の健康を損なうことなく陥入爪を矯正することができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、陥入爪の爪甲の表面に並べて貼着される複数の支持体と、該複数の支持体に、それらの間に架け渡して取り付けられる弾性体とからなる陥入爪矯正具であって、前記支持体は、陥入爪の爪甲の両端部の矯正すべき箇所に貼着される両側支持体を含み、前記弾性体は、常温における記憶形状として直線形状ないし陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されている形状記憶材からなる陥入爪矯正具である。本発明の陥入爪矯正具は、従来の陥入爪矯正具に比べて弾性体による陥入爪矯正力が大きい。また本発明の陥入爪矯正具は、陥入爪の爪甲の表面上に空間を形成するので、陥入爪の表面の通気性が良好に保持され、雑菌などが繁殖し難く、爪の健康が維持され、爪の健康を損なうことなく陥入爪を矯正することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、手術することなく陥入爪を容易に矯正することができる陥入爪矯正具に関するものである。
陥入爪とは爪甲先端や側縁が周囲軟部組織に食い込み、疼痛、炎症、感染、化膿、肉芽組織形成などを起こしたものを総称し、ヒトの行動に制限をきたす日常よく見られる疾患である。陥入爪の主な原因は誤った爪の切り過ぎ(深爪)で、深爪により生じる爪の辺縁、角、爪刺及び爪の部分的欠損に端を発している。
陥入爪の治療方法として、外科的治療法(ガター法、アクリル人工爪法等)は有効な方法である。しかしながら、前記外科的治療法は陥入部に対して医師による手術が必要であり、手術による痛みを伴い、また手術費用もかかるので、陥入爪に苦しむヒトにとって手軽に受け得る方法とは言えない。
最近、陥入爪を有するヒト自身が、手術することなく陥入爪を容易に矯正することができる、各種の陥入爪矯正具が提案されている。
例えば、特開平8−215227号公報(特許文献1)には、形状記憶合金又は形状記憶樹脂材から成り、常温において爪甲の表面形状に沿って湾曲し、加熱により記憶形状に変形する(例えば、偏平又は反り返えるように変形する)長片状の板状体であって、接着剤により爪甲の表面に貼着することを特徴とする陥入爪矯正具が記載されている。
特開平8−215227号公報
陥入爪の治療方法として、外科的治療法(ガター法、アクリル人工爪法等)は有効な方法である。しかしながら、前記外科的治療法は陥入部に対して医師による手術が必要であり、手術による痛みを伴い、また手術費用もかかるので、陥入爪に苦しむヒトにとって手軽に受け得る方法とは言えない。
最近、陥入爪を有するヒト自身が、手術することなく陥入爪を容易に矯正することができる、各種の陥入爪矯正具が提案されている。
例えば、特開平8−215227号公報(特許文献1)には、形状記憶合金又は形状記憶樹脂材から成り、常温において爪甲の表面形状に沿って湾曲し、加熱により記憶形状に変形する(例えば、偏平又は反り返えるように変形する)長片状の板状体であって、接着剤により爪甲の表面に貼着することを特徴とする陥入爪矯正具が記載されている。
図11に、特許文献1に記載された従来技術の陥入爪矯正具1の一例の平面図を示す。図11の陥入爪矯正具1は、形状記憶合金又は形状記憶樹脂から成り、例えば長さ15mm、幅3mm、厚さ0.2mmの略長方形のものである。陥入爪矯正具1は常温においては、図12に示すように爪甲の表面形状に合わせて弓形に湾曲されているが、加熱により偏平又は逆に反り返えるように形状が記憶されている。
使用に際しては、図13に示すように、母趾2の陥入爪3の表面に接着剤4を塗布し、次いで図14に示すように、陥入爪矯正具1を母趾2の陥入爪3の表面に接着剤4を用いて隙間がないように貼着し、上側から全体を軽く押圧して接着剤13が乾いて完全に貼着されるまで保持する。
このような状態において、予め所定形状を記憶させた所定温度まで、ドライヤ等で温風を吹き付けたり、入浴時に温湯により暖めると、形状記憶合金又は形状記憶樹脂材は記憶を取り戻し、所定の偏平又は反り返えった形状に復元しようとする。従って、図15に示すように、陥入爪矯正具1には該陥入爪矯正具1を図中矢印方向に復元する力が発生し、陥入爪3は特にその縁部において、その屈曲形状とは逆方向に反るように引っ張られる。このような力の作用状態を所定時間保持し、又は所定温度までの加熱を繰り返し行うことにより、図16に示すように、母趾2の陥入爪3の矯正すべき箇所5(陥入部)が次第に矯正されてゆく。
使用に際しては、図13に示すように、母趾2の陥入爪3の表面に接着剤4を塗布し、次いで図14に示すように、陥入爪矯正具1を母趾2の陥入爪3の表面に接着剤4を用いて隙間がないように貼着し、上側から全体を軽く押圧して接着剤13が乾いて完全に貼着されるまで保持する。
このような状態において、予め所定形状を記憶させた所定温度まで、ドライヤ等で温風を吹き付けたり、入浴時に温湯により暖めると、形状記憶合金又は形状記憶樹脂材は記憶を取り戻し、所定の偏平又は反り返えった形状に復元しようとする。従って、図15に示すように、陥入爪矯正具1には該陥入爪矯正具1を図中矢印方向に復元する力が発生し、陥入爪3は特にその縁部において、その屈曲形状とは逆方向に反るように引っ張られる。このような力の作用状態を所定時間保持し、又は所定温度までの加熱を繰り返し行うことにより、図16に示すように、母趾2の陥入爪3の矯正すべき箇所5(陥入部)が次第に矯正されてゆく。
しかしながら、特許文献1に示される陥入爪矯正具は、以下に例示するような種々の問題点を有する。
1)図16において、矯正すべき箇所5(陥入部)は陥入爪3の図中左右両側に存在する。従って、図15において、陥入爪矯正具1を図中矢印方向に復元する力(陥入爪矯正具1の復元力)のうち陥入爪3の矯正すべき箇所5を矯正するために有効な力(陥入爪矯正力)は主に、陥入爪3の図中左右両側に作用する力である。ところが、図14のように陥
入爪矯正具1を陥入爪3の表面に接着剤4を用いて貼着した場合には、前記復元力は陥入爪矯正具1全体に作用するので、陥入爪矯正具1の復元力を矯正すべき箇所5に集中的に作用させることができず、前記復元力を効果的に利用することができない。また、陥入爪矯正具1に充分な復元力を発揮させるためには、陥入爪矯正具1を予め所定形状を記憶させた所定温度まで加熱する必要があり、それ故、陥入爪矯正具1は常温における陥入爪矯正力に乏しい。
2)図14に示されるように、陥入爪矯正具1は陥入爪3の表面の貼着部を密封し、通気性を悪化させるので、爪の健康維持の点で好ましくない。また、陥入爪矯正具1は陥入爪3の表面の陥入部以外の箇所にも接着剤で貼着されるので、陥入爪3の表面に広く接着剤が塗布されることになり、接着剤や該接着剤に含まれる有機溶剤などにより爪の健康が損なわれる恐れがある。
3)陥入爪の大きさは種々に変化し得るが、図1のような陥入爪矯正具1においては、予め複数種類の大きさ(図中、左右方向の寸法)のものを用意する必要がある。また、適する大きさの陥入爪矯正具1がなかった場合、陥入爪矯正具1の大きさを微調整する(例えば、切断などにより。図中、左右方向の寸法を短縮する)ことは困難である。
従って、陥入爪を矯正するために効果的で、爪の健康を維持し、陥入爪の大きさに応じて調節可能であり、手術することなく陥入爪を容易に矯正することができる陥入爪矯正具が強く求められている。
1)図16において、矯正すべき箇所5(陥入部)は陥入爪3の図中左右両側に存在する。従って、図15において、陥入爪矯正具1を図中矢印方向に復元する力(陥入爪矯正具1の復元力)のうち陥入爪3の矯正すべき箇所5を矯正するために有効な力(陥入爪矯正力)は主に、陥入爪3の図中左右両側に作用する力である。ところが、図14のように陥
入爪矯正具1を陥入爪3の表面に接着剤4を用いて貼着した場合には、前記復元力は陥入爪矯正具1全体に作用するので、陥入爪矯正具1の復元力を矯正すべき箇所5に集中的に作用させることができず、前記復元力を効果的に利用することができない。また、陥入爪矯正具1に充分な復元力を発揮させるためには、陥入爪矯正具1を予め所定形状を記憶させた所定温度まで加熱する必要があり、それ故、陥入爪矯正具1は常温における陥入爪矯正力に乏しい。
2)図14に示されるように、陥入爪矯正具1は陥入爪3の表面の貼着部を密封し、通気性を悪化させるので、爪の健康維持の点で好ましくない。また、陥入爪矯正具1は陥入爪3の表面の陥入部以外の箇所にも接着剤で貼着されるので、陥入爪3の表面に広く接着剤が塗布されることになり、接着剤や該接着剤に含まれる有機溶剤などにより爪の健康が損なわれる恐れがある。
3)陥入爪の大きさは種々に変化し得るが、図1のような陥入爪矯正具1においては、予め複数種類の大きさ(図中、左右方向の寸法)のものを用意する必要がある。また、適する大きさの陥入爪矯正具1がなかった場合、陥入爪矯正具1の大きさを微調整する(例えば、切断などにより。図中、左右方向の寸法を短縮する)ことは困難である。
従って、陥入爪を矯正するために効果的で、爪の健康を維持し、陥入爪の大きさに応じて調節可能であり、手術することなく陥入爪を容易に矯正することができる陥入爪矯正具が強く求められている。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためのものであり、その目的とするところは、陥入爪の矯正すべき箇所に矯正するための力を常温において効果的に作用させることができ、陥入爪の表面の通気性を良好に保持することにより爪の健康を維持し、また陥入爪の大きさに応じて適用形態(例えば、接着固定部分の固定位置など)を調整することが可能であり、陥入爪に苦しむヒトが、医者にかかって手術することなく、自分で陥入爪を容易に矯正することができる陥入爪矯正具を提供することにある。
即ち、本発明の陥入爪矯正具は、陥入爪の爪甲の表面に並べて貼着される複数の支持体と、該複数の支持体に、それらの間に架け渡して取り付けられる弾性体とからなる陥入爪矯正具であって、
前記支持体は、陥入爪の爪甲の両端部の矯正すべき箇所に貼着される両側支持体を含み、
前記弾性体は、常温における記憶形状として直線形状ないし陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されている形状記憶材からなる、
ことを特徴とする
前記形状記憶材としては、形状記憶合金又は形状記憶樹脂を使用することができる。
前記支持体は、前記二つの両側支持体の間に貼着される中央部支持体を更に含むことが好ましい。
また、本発明の陥入爪矯正具において、前記弾発体が板状であり、陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されていることが好ましい。
本発明の陥入爪矯正具は、生体適合性接着剤を用いて爪甲の表面に貼着・配置されることが好ましい。本発明の陥入爪矯正具と、該陥入爪矯正具の支持体を爪甲の表面に貼着することができる生体適合性接着剤とを含む陥入爪矯正具組み合わせを予め用意すると、使用上便利である。
前記支持体は、陥入爪の爪甲の両端部の矯正すべき箇所に貼着される両側支持体を含み、
前記弾性体は、常温における記憶形状として直線形状ないし陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されている形状記憶材からなる、
ことを特徴とする
前記形状記憶材としては、形状記憶合金又は形状記憶樹脂を使用することができる。
前記支持体は、前記二つの両側支持体の間に貼着される中央部支持体を更に含むことが好ましい。
また、本発明の陥入爪矯正具において、前記弾発体が板状であり、陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されていることが好ましい。
本発明の陥入爪矯正具は、生体適合性接着剤を用いて爪甲の表面に貼着・配置されることが好ましい。本発明の陥入爪矯正具と、該陥入爪矯正具の支持体を爪甲の表面に貼着することができる生体適合性接着剤とを含む陥入爪矯正具組み合わせを予め用意すると、使用上便利である。
本発明の陥入爪矯正具は、特許文献1に示す従来の陥入爪矯正具に比べて、以下に例示するような種々の効果を奏する。
1)陥入爪の爪甲の表面に弾性体が支持体を支点にして保持されるため、陥入爪の矯正すべき箇所に、弾性体の復元力(陥入爪矯正力)を集中的に作用させ、陥入爪を効果的に矯
正することができる。また、充分な弾性体の復元力(陥入爪矯正力)を常温において得ることができるので、陥入爪に貼着した弾性体を所定温度まで加熱する必要がない。
2)陥入爪の爪甲の表面に弾性体が支持体を介して保持されることにより、陥入爪の爪甲の表面上に空間が形成されるので、陥入爪の表面の通気性が良好に保持され、雑菌などが繁殖し難く、爪の健康が維持される。
3)陥入爪の大きさに応じて、支持体の間隔及び数、弾性体の大きさ、形状、数及び横弾性係数などを調整及び/又は変更することができ、種々の大きさ及び陥入状態の陥入爪に対しても適用可能であり、適用範囲が広い。
1)陥入爪の爪甲の表面に弾性体が支持体を支点にして保持されるため、陥入爪の矯正すべき箇所に、弾性体の復元力(陥入爪矯正力)を集中的に作用させ、陥入爪を効果的に矯
正することができる。また、充分な弾性体の復元力(陥入爪矯正力)を常温において得ることができるので、陥入爪に貼着した弾性体を所定温度まで加熱する必要がない。
2)陥入爪の爪甲の表面に弾性体が支持体を介して保持されることにより、陥入爪の爪甲の表面上に空間が形成されるので、陥入爪の表面の通気性が良好に保持され、雑菌などが繁殖し難く、爪の健康が維持される。
3)陥入爪の大きさに応じて、支持体の間隔及び数、弾性体の大きさ、形状、数及び横弾性係数などを調整及び/又は変更することができ、種々の大きさ及び陥入状態の陥入爪に対しても適用可能であり、適用範囲が広い。
本発明の陥入爪矯正具に使用する支持体は、適する材料、例えば合成樹脂、例えば汎用プラスチック(例えば、ABS樹脂、メタクリル樹脂など)、汎用エンジニアリングプラスチック(例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなど)、スーパーエンジニアリングプラスチック(例えば、ポリアミドイミド)、繊維強化プラスチック(例えば、炭素繊維強化プラスチック)、プラスチック積層体、ゴム等を単独又は適宜組み合わせて使用することにより形成する。
支持体は両側支持体のみでもよいが、両側支持体に加えて更に中央部支持体を有すると、中央部支持体が弾性体の中央の支点となるので、弾性体の復元力(陥入爪矯正力)をより有効に利用することができる。中央部支持体は両側支持体の間に貼着される。例えば、中央部支持体を二つの両側支持体の中央に貼着すると、二つの両側支持体の中央に支点が形成され、弾性体の復元力(陥入爪矯正力)の有効利用の点で好ましいが、これに限定されるものではない。
支持体(両側支持体及び中央部支持体)の大きさや形状は、矯正すべき陥入爪の大きさや形状に応じて適宜選択する。支持体の数は特に限定されないが、通常は例えば、陥入爪の爪甲の矯正すべき箇所に貼着される左右で一対となる二つの両側支持体と、陥入爪の爪甲の中央に貼着される一つの中央部支持体とからなっていてよい。陥入爪が小さい場合(例えば、親指の爪以外の場合)には、陥入爪の爪甲の矯正すべき箇所に貼着される左右で一対となる二つの両側支持体のみでもよい。
支持体の爪甲の表面に貼着される面、即ち、支持体の底部は、爪甲の表面に強固に貼着し得るように、爪甲の表面に沿って湾曲した形状であることが好ましい。
支持体には弾性体を、それらの間に架け渡して取り付けることができる取り付け手段を設ける。前記取り付け手段は特に限定されない。例えば、支持体に弾性体を貫通して配置し得るように貫通孔を設けるか、又は、支持体を分割し得るように形成し、支持体の分割面上(又は下)に弾性体を通過させた後、分割面を合わせ、支持体に弾性体を固定してよい。更に、支持体に弾性体を挿入・係止し得るような溝を設けてもよい。
支持体は両側支持体のみでもよいが、両側支持体に加えて更に中央部支持体を有すると、中央部支持体が弾性体の中央の支点となるので、弾性体の復元力(陥入爪矯正力)をより有効に利用することができる。中央部支持体は両側支持体の間に貼着される。例えば、中央部支持体を二つの両側支持体の中央に貼着すると、二つの両側支持体の中央に支点が形成され、弾性体の復元力(陥入爪矯正力)の有効利用の点で好ましいが、これに限定されるものではない。
支持体(両側支持体及び中央部支持体)の大きさや形状は、矯正すべき陥入爪の大きさや形状に応じて適宜選択する。支持体の数は特に限定されないが、通常は例えば、陥入爪の爪甲の矯正すべき箇所に貼着される左右で一対となる二つの両側支持体と、陥入爪の爪甲の中央に貼着される一つの中央部支持体とからなっていてよい。陥入爪が小さい場合(例えば、親指の爪以外の場合)には、陥入爪の爪甲の矯正すべき箇所に貼着される左右で一対となる二つの両側支持体のみでもよい。
支持体の爪甲の表面に貼着される面、即ち、支持体の底部は、爪甲の表面に強固に貼着し得るように、爪甲の表面に沿って湾曲した形状であることが好ましい。
支持体には弾性体を、それらの間に架け渡して取り付けることができる取り付け手段を設ける。前記取り付け手段は特に限定されない。例えば、支持体に弾性体を貫通して配置し得るように貫通孔を設けるか、又は、支持体を分割し得るように形成し、支持体の分割面上(又は下)に弾性体を通過させた後、分割面を合わせ、支持体に弾性体を固定してよい。更に、支持体に弾性体を挿入・係止し得るような溝を設けてもよい。
弾性体の材質、大きさ及び形状は特に限定されない。弾性体の形状は、例えば、棒状、板状、これらの組み合わせ形状などであってよい。弾性体の大きさや形状は、矯正すべき陥入爪の大きさを考慮して適宜選択する。弾性体の数は限定されない。複数の弾性体を使用する場合は、棒状及び板状の弾性体を組み合わせて使用してもよい。
弾性体の材質は形状記憶材であれば特に限定されない。弾性体は、矯正するために充分な張力を矯正期間中に陥入爪に常温において継続的に付与する必要があるので、矯正期間中にあまり減少しない常温における安定した弾性、特に横弾性係数を有する必要がある。例えば、弾性体は形状記憶合金又は形状記憶樹脂であってよい。
形状記憶樹脂としては、一般的な形状記憶樹脂、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン・ブタジエンコポリマー、ポリノルボルネン、トランスポリイソプレン等が挙げられる。
形状記憶合金は形状記憶樹脂よりも一般に高い弾性を有するので好ましい。
形状記憶合金としては、例えば、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Ti−Cu合金等が挙げられる。Ni−Ti−Co合金は他の形状記憶合金に比較して横弾性
係数が大きいので特に好ましい。
形状記憶合金の横弾性係数は、形状記憶すべき加熱時(形状記憶合金はオーステナイト相の状態にある)と、常温(室温)になる冷却時(形状記憶合金はマルテンサイト相の状態にある)とでは異なり、一般的に、加熱時の横弾性係数は常温になる冷却時の横弾性係数の約2倍である。
本発明の陥入爪矯正具に使用し得る形状記憶合金は、例えば、オーステナイト相の横弾性係数8000MPa〜40000MPa及び/又はマルテンサイト相の横弾性係数4000MPa〜20000MPaを有する形状記憶合金である。
本発明の陥入爪矯正具は、一旦、陥入爪に装着した場合、例えば、入浴時や就寝時にも脱着する必要はない。本発明の陥入爪矯正具の使用中は、常温での横弾性係数の形状記憶材にて陥入爪が矯正される。他方、入浴時や就寝時、場合によっては、例えばドライヤーでの加熱時には、より大きい横弾性係数の形状記憶材にて陥入爪が矯正される。また、形状記憶材に形状記憶させる場合は、加熱時の横弾性係数の形状記憶材を所定形状に折り曲げる必要がある。従って、本発明の陥入爪矯正具に使用する形状記憶材の横弾性係数については、必要に応じて、オーステナイト相又はマルテンサイト相又はオーステナイト相及びマルテンサイト相の横弾性係数を考慮する。
オーステナイト相の横弾性係数が8000MPa未満及び/又はマルテンサイト相の横弾性係数が4000MPa未満の場合は、本発明の陥入爪矯正具を使用中、陥入爪を矯正するために充分な弾発力が得られない。
また、オーステナイト相の横弾性係数が40000MPaを越えるか、及び/又はマルテンサイト相の横弾性係数が20000MPaを越える場合は、本発明の陥入爪矯正具を使用中、陥入爪に過大な弾発力が付与される。
弾性体の材質は形状記憶材であれば特に限定されない。弾性体は、矯正するために充分な張力を矯正期間中に陥入爪に常温において継続的に付与する必要があるので、矯正期間中にあまり減少しない常温における安定した弾性、特に横弾性係数を有する必要がある。例えば、弾性体は形状記憶合金又は形状記憶樹脂であってよい。
形状記憶樹脂としては、一般的な形状記憶樹脂、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン・ブタジエンコポリマー、ポリノルボルネン、トランスポリイソプレン等が挙げられる。
形状記憶合金は形状記憶樹脂よりも一般に高い弾性を有するので好ましい。
形状記憶合金としては、例えば、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Ti−Cu合金等が挙げられる。Ni−Ti−Co合金は他の形状記憶合金に比較して横弾性
係数が大きいので特に好ましい。
形状記憶合金の横弾性係数は、形状記憶すべき加熱時(形状記憶合金はオーステナイト相の状態にある)と、常温(室温)になる冷却時(形状記憶合金はマルテンサイト相の状態にある)とでは異なり、一般的に、加熱時の横弾性係数は常温になる冷却時の横弾性係数の約2倍である。
本発明の陥入爪矯正具に使用し得る形状記憶合金は、例えば、オーステナイト相の横弾性係数8000MPa〜40000MPa及び/又はマルテンサイト相の横弾性係数4000MPa〜20000MPaを有する形状記憶合金である。
本発明の陥入爪矯正具は、一旦、陥入爪に装着した場合、例えば、入浴時や就寝時にも脱着する必要はない。本発明の陥入爪矯正具の使用中は、常温での横弾性係数の形状記憶材にて陥入爪が矯正される。他方、入浴時や就寝時、場合によっては、例えばドライヤーでの加熱時には、より大きい横弾性係数の形状記憶材にて陥入爪が矯正される。また、形状記憶材に形状記憶させる場合は、加熱時の横弾性係数の形状記憶材を所定形状に折り曲げる必要がある。従って、本発明の陥入爪矯正具に使用する形状記憶材の横弾性係数については、必要に応じて、オーステナイト相又はマルテンサイト相又はオーステナイト相及びマルテンサイト相の横弾性係数を考慮する。
オーステナイト相の横弾性係数が8000MPa未満及び/又はマルテンサイト相の横弾性係数が4000MPa未満の場合は、本発明の陥入爪矯正具を使用中、陥入爪を矯正するために充分な弾発力が得られない。
また、オーステナイト相の横弾性係数が40000MPaを越えるか、及び/又はマルテンサイト相の横弾性係数が20000MPaを越える場合は、本発明の陥入爪矯正具を使用中、陥入爪に過大な弾発力が付与される。
本発明の陥入爪矯正具は、適する接着剤を用いて支持体を、陥入爪の爪甲の表面に並べて該爪甲の表面に貼着する。接着剤としては、本発明の陥入爪矯正具の使用時の形状記憶合金の弾発力に抗し得て且つ生体に有害でないものであれば使用可能であるが、例えば、アクリル系やエポキシアミン系の生体適合性接着剤を使用することが好ましい。
以下、図面に基づいて本発明をより詳細に説明する。下記実施例においては、形状記憶材として形状記憶合金を使用したが、形状記憶樹脂を使用することも可能である。
実施例1(製造例):
図1に、本発明の陥入爪矯正具の実施例1の斜視図を示す。図1の陥入爪矯正具6は、両側支持体7,8、中央部支持体9並びに、両側支持体7,8及び中央部支持体9を貫通して配置された一本の弾性体10からなる。両側支持体7,8、中央部支持体9及び弾性体10は個別に形成されたものであり、図1はこれらを組み立てた状態を示す。両側支持体7,8及び中央部支持体9は、例えばポリカーボネート製又はABS樹脂製であり、弾性体10を通すための円形の孔11,12及び13がそれぞれ設けられている。また、両側支持体7,8及び中央部支持体9の底部14,15及び16はそれぞれ、爪甲の表面形状に沿うように湾曲されている。両側支持体7,8及び中央部支持体9の大きさや形状は、矯正すべき陥入爪の大きさや形状に応じて適宜選択するが(例えば、本例では、何れも四角錐台)、例えば、上面端部が靴や靴下に引っ掛かり難いように上面端部を丸めてもよい。
弾性体10は本例では、一本の円形断面を有する棒状体である。弾性体10の直径は、例えば0.2mm〜1.0mmであり、成人の母趾用では通常、0.4mm〜0.6mmのものを使用する。弾性体10の長さは、矯正すべき陥入爪の大きさや形状に応じて適宜選択するが、例えば、使用時に、図中、両側支持体7の右側及び両側支持体8の左側に多少ゆとりを持つ長さとするとよい。弾性体10の材質は、例えば、オーステナイト相の横弾性係数20000MPa〜27000MPa及び/又はマルテンサイト相の横弾性係数8000MPa〜11000MPaを有するNi−Ti合金又はNi−Ti−Co合金で
ある。
なお、本例では両側支持体7,8及び中央部支持体9は別体であるが、例えば、予め両側支持体7,8又は両側支持体7,8及び中央部支持体9の上面を柔軟性のある適当なブリッジ材(例えば、薄い樹脂フィルムや樹脂シートなど)で互いに結合しておくと、両側支持体7,8又は両側支持体7,8及び中央部支持体9がバラバラにならず、また、これらの上面端部が靴や靴下に引っ掛かり難くなる。
実施例1(製造例):
図1に、本発明の陥入爪矯正具の実施例1の斜視図を示す。図1の陥入爪矯正具6は、両側支持体7,8、中央部支持体9並びに、両側支持体7,8及び中央部支持体9を貫通して配置された一本の弾性体10からなる。両側支持体7,8、中央部支持体9及び弾性体10は個別に形成されたものであり、図1はこれらを組み立てた状態を示す。両側支持体7,8及び中央部支持体9は、例えばポリカーボネート製又はABS樹脂製であり、弾性体10を通すための円形の孔11,12及び13がそれぞれ設けられている。また、両側支持体7,8及び中央部支持体9の底部14,15及び16はそれぞれ、爪甲の表面形状に沿うように湾曲されている。両側支持体7,8及び中央部支持体9の大きさや形状は、矯正すべき陥入爪の大きさや形状に応じて適宜選択するが(例えば、本例では、何れも四角錐台)、例えば、上面端部が靴や靴下に引っ掛かり難いように上面端部を丸めてもよい。
弾性体10は本例では、一本の円形断面を有する棒状体である。弾性体10の直径は、例えば0.2mm〜1.0mmであり、成人の母趾用では通常、0.4mm〜0.6mmのものを使用する。弾性体10の長さは、矯正すべき陥入爪の大きさや形状に応じて適宜選択するが、例えば、使用時に、図中、両側支持体7の右側及び両側支持体8の左側に多少ゆとりを持つ長さとするとよい。弾性体10の材質は、例えば、オーステナイト相の横弾性係数20000MPa〜27000MPa及び/又はマルテンサイト相の横弾性係数8000MPa〜11000MPaを有するNi−Ti合金又はNi−Ti−Co合金で
ある。
なお、本例では両側支持体7,8及び中央部支持体9は別体であるが、例えば、予め両側支持体7,8又は両側支持体7,8及び中央部支持体9の上面を柔軟性のある適当なブリッジ材(例えば、薄い樹脂フィルムや樹脂シートなど)で互いに結合しておくと、両側支持体7,8又は両側支持体7,8及び中央部支持体9がバラバラにならず、また、これらの上面端部が靴や靴下に引っ掛かり難くなる。
実施例2(製造例):
図2に、本発明の実施例2の陥入爪矯正具17の斜視図を示す。実施例2の陥入爪矯正具17は、弾性体18が一本の矩形断面を有する板状体であり、孔19,20及び21が矩形の孔であること以外は実施例1の陥入爪矯正具6と同様である。弾性体18は、例えば、長さ10〜18mm、幅1〜4mm、厚さ0.1〜0.3mmのほぼ直方体である。
実施例2の陥入爪矯正具17では弾性体18が板状体であり、弾性体18として、例えば、陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されている形状記憶合金を使用すれば、水平形状を記憶されている形状記憶合金(棒状の弾性体10)を使用した実施例1の陥入爪矯正具6に比較して、より強い陥入爪矯正力を得ることができる。
図2に、本発明の実施例2の陥入爪矯正具17の斜視図を示す。実施例2の陥入爪矯正具17は、弾性体18が一本の矩形断面を有する板状体であり、孔19,20及び21が矩形の孔であること以外は実施例1の陥入爪矯正具6と同様である。弾性体18は、例えば、長さ10〜18mm、幅1〜4mm、厚さ0.1〜0.3mmのほぼ直方体である。
実施例2の陥入爪矯正具17では弾性体18が板状体であり、弾性体18として、例えば、陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されている形状記憶合金を使用すれば、水平形状を記憶されている形状記憶合金(棒状の弾性体10)を使用した実施例1の陥入爪矯正具6に比較して、より強い陥入爪矯正力を得ることができる。
実施例3(製造例):
図3に、本発明の実施例3の陥入爪矯正具22の斜視図を示す。実施例3の陥入爪矯正具22は、弾性体10を二本使用すること以外は実施例1の陥入爪矯正具6と同様である。実施例3の陥入爪矯正具22は、弾性体10を二本使用することにより、弾性体10を一本使用する実施例1の陥入爪矯正具6に比較して、より大きい弾発性(より強い陥入爪矯正力)を得ることができる。必要に応じて、弾性体10を三本以上使用することもできる。
図3に、本発明の実施例3の陥入爪矯正具22の斜視図を示す。実施例3の陥入爪矯正具22は、弾性体10を二本使用すること以外は実施例1の陥入爪矯正具6と同様である。実施例3の陥入爪矯正具22は、弾性体10を二本使用することにより、弾性体10を一本使用する実施例1の陥入爪矯正具6に比較して、より大きい弾発性(より強い陥入爪矯正力)を得ることができる。必要に応じて、弾性体10を三本以上使用することもできる。
実施例4(製造例):
図4に、本発明の実施例3の陥入爪矯正具23の斜視図を示す。実施例4の陥入爪矯正具23は、弾性体18を二本使用すること以外は実施例2の陥入爪矯正具17と同様である。実施例4の陥入爪矯正具23は、弾性体18を二本使用することにより、弾性体18を一本使用する実施例2の陥入爪矯正具17に比較して、より大きい弾発性(より強い陥入爪矯正力)を得ることができる。必要に応じて、弾性体18を三本以上使用することもできる。
なお、弾性体を三本以上使用する場合には、例えば、異なる形状の弾性体を組み合わせて、例えば、弾性体10と弾性体18とを組み合わせて使用してもよい。
図4に、本発明の実施例3の陥入爪矯正具23の斜視図を示す。実施例4の陥入爪矯正具23は、弾性体18を二本使用すること以外は実施例2の陥入爪矯正具17と同様である。実施例4の陥入爪矯正具23は、弾性体18を二本使用することにより、弾性体18を一本使用する実施例2の陥入爪矯正具17に比較して、より大きい弾発性(より強い陥入爪矯正力)を得ることができる。必要に応じて、弾性体18を三本以上使用することもできる。
なお、弾性体を三本以上使用する場合には、例えば、異なる形状の弾性体を組み合わせて、例えば、弾性体10と弾性体18とを組み合わせて使用してもよい。
<板状の弾性体における形状記憶の種々の態様>
図5に、形状記憶させた種々の板状の弾性体を示す。図5(a)に示す弾性体24は、平板状に形状記憶させたもの(実施例2又は実施例4のもの)である。
図5(b)に示す弾性体25は、図中、上方(爪甲の湾曲形状と反対方向)に湾曲した板状に形状記憶させたものである。例えば、弾性体25を実施例2又は実施例4の陥入爪矯正具において使用する場合には、爪甲の湾曲形状と反対方向に湾曲した状態にて、弾性体25を支持体に装着する。図5(b)に示す弾性体25は、図5(a)に示す弾性体24に比較して、より大きい弾発性(より強い陥入爪矯正力)を有している。
図5(c)に示す弾性体26は、図中、上方(爪甲の湾曲形状と反対方向)に湾曲し、両端部が更に上方(爪甲の湾曲形状と反対方向)に大きく湾曲した板状に形状記憶させたものである。弾性体26は、弾性体25の態様にて使用する。
図5(c)に示す弾性体26は、図5(b)に示す弾性体25に比較しても、更に大きい弾発性(より強い陥入爪矯正力)を有している。
図5に、形状記憶させた種々の板状の弾性体を示す。図5(a)に示す弾性体24は、平板状に形状記憶させたもの(実施例2又は実施例4のもの)である。
図5(b)に示す弾性体25は、図中、上方(爪甲の湾曲形状と反対方向)に湾曲した板状に形状記憶させたものである。例えば、弾性体25を実施例2又は実施例4の陥入爪矯正具において使用する場合には、爪甲の湾曲形状と反対方向に湾曲した状態にて、弾性体25を支持体に装着する。図5(b)に示す弾性体25は、図5(a)に示す弾性体24に比較して、より大きい弾発性(より強い陥入爪矯正力)を有している。
図5(c)に示す弾性体26は、図中、上方(爪甲の湾曲形状と反対方向)に湾曲し、両端部が更に上方(爪甲の湾曲形状と反対方向)に大きく湾曲した板状に形状記憶させたものである。弾性体26は、弾性体25の態様にて使用する。
図5(c)に示す弾性体26は、図5(b)に示す弾性体25に比較しても、更に大きい弾発性(より強い陥入爪矯正力)を有している。
<円形の孔を有する支持体の種々の態様>
図6に、本発明の陥入爪矯正具において、弾性体として一本の円形断面を有する棒状体を使用する場合の、支持体の種々の態様を示す。図6では中央部支持体を例として説明するが、両側支持体についても同様の態様を適用することができる。
図6(a)は、中央部支持体27に設けた円形断面の孔28(貫通孔)に弾性体29を挿通し、必要であれば接着剤30にて、中央部支持体27に弾性体29を固着した例である。孔28は貫通孔であるため、弾性体29を強固に支持することができる。
図6(b)は、上下に二分割した中央部支持体31で弾性体29を挟持し、接着剤30にて、上下の中央部支持体31と弾性体29とを固着した例である。上下に二分割した中央部支持体31は、棒状の弾性体でも板状の弾性体でも挟持・固着することができるので都合が良い。上下に二分割した中央部支持体31の上部及び/又は下部には、所望により、予め所定形状(例えば、円形断面、U字断面又は矩形断面)の溝を設けておくと、弾性体の挟持・固着が容易になる。
図6(c)は、中央部支持体32に、上面に開口部33を有する溝34を設けた例である。弾性体29を開口部33から図中下側に押し込み、次いで図中左側に移動させることにより、弾性体29を中央部支持体32に簡便に係止することができる。弾性体29を中央部支持体32から簡便に取り外すこともできる。
図6(d)は、中央部支持体35に、右側面に開口部36を有する溝37を設けた例である。弾性体29を開口部36から図中左側に押し込み、次いで図中上側に移動させることにより、弾性体29を中央部支持体35に簡便に係止することができる。弾性体29を中央部支持体35から簡便に取り外すこともできる。
図6に、本発明の陥入爪矯正具において、弾性体として一本の円形断面を有する棒状体を使用する場合の、支持体の種々の態様を示す。図6では中央部支持体を例として説明するが、両側支持体についても同様の態様を適用することができる。
図6(a)は、中央部支持体27に設けた円形断面の孔28(貫通孔)に弾性体29を挿通し、必要であれば接着剤30にて、中央部支持体27に弾性体29を固着した例である。孔28は貫通孔であるため、弾性体29を強固に支持することができる。
図6(b)は、上下に二分割した中央部支持体31で弾性体29を挟持し、接着剤30にて、上下の中央部支持体31と弾性体29とを固着した例である。上下に二分割した中央部支持体31は、棒状の弾性体でも板状の弾性体でも挟持・固着することができるので都合が良い。上下に二分割した中央部支持体31の上部及び/又は下部には、所望により、予め所定形状(例えば、円形断面、U字断面又は矩形断面)の溝を設けておくと、弾性体の挟持・固着が容易になる。
図6(c)は、中央部支持体32に、上面に開口部33を有する溝34を設けた例である。弾性体29を開口部33から図中下側に押し込み、次いで図中左側に移動させることにより、弾性体29を中央部支持体32に簡便に係止することができる。弾性体29を中央部支持体32から簡便に取り外すこともできる。
図6(d)は、中央部支持体35に、右側面に開口部36を有する溝37を設けた例である。弾性体29を開口部36から図中左側に押し込み、次いで図中上側に移動させることにより、弾性体29を中央部支持体35に簡便に係止することができる。弾性体29を中央部支持体35から簡便に取り外すこともできる。
実施例5(製造例):
図7に、本発明の実施例5の陥入爪矯正具38の斜視図を示す。実施例5の陥入爪矯正具38は、中央部支持体9を有しないこと以外は図2に示す実施例2の陥入爪矯正具17と同様である。実施例5の陥入爪矯正具38は、中央部支持体9を有しないことにより両側支持体7と両側支持体8との間隔を狭くすることができ、全体の寸法を小さくすることが可能なので、例えば、小さい陥入爪(例えば、親指以外の指の陥入爪)の場合に使用するために適している。
図7に、本発明の実施例5の陥入爪矯正具38の斜視図を示す。実施例5の陥入爪矯正具38は、中央部支持体9を有しないこと以外は図2に示す実施例2の陥入爪矯正具17と同様である。実施例5の陥入爪矯正具38は、中央部支持体9を有しないことにより両側支持体7と両側支持体8との間隔を狭くすることができ、全体の寸法を小さくすることが可能なので、例えば、小さい陥入爪(例えば、親指以外の指の陥入爪)の場合に使用するために適している。
実施例6(使用例):
図8〜図10において、実施例1の陥入爪矯正具6の使用方法を説明する。
図8に示すように、両側支持体7の底部14、両側支持体8の底部15及び中央部支持体9の底部16に接着剤(例えば、生体適合性のアクリル系接着剤)39を塗布する。次いで、図9に示すように、両側支持体7、両側支持体8及び中央部支持体9を母趾40の陥入爪41に貼着する。この時、両側支持体7及び両側支持体8は陥入爪41の矯正すべき箇所54(陥入部)の上に貼着し、中央部支持体9は陥入爪41の中央に貼着する。その後、弾性体10を、図中矢印で示すように、孔12,13及び11に順に挿通し、図10に示すように、陥入爪41に陥入爪矯正具6を固定する。この状態を維持すると、弾性体10により陥入爪41の矯正すべき箇所42(陥入部)に屈曲を矯正する方向(図中、上方)に弾発力が付与されるので、徐々に陥入爪41が矯正される。
なお、陥入爪41に陥入爪矯正具6を貼着・固定する方法は上述の方法に限定されず、例えば、両側支持体7、両側支持体8及び中央部支持体9の少なくとも一つに予め弾性体10を挿通した後、これら支持体を陥入爪41に貼着・配置してもよい。
図8〜図10において、実施例1の陥入爪矯正具6の使用方法を説明する。
図8に示すように、両側支持体7の底部14、両側支持体8の底部15及び中央部支持体9の底部16に接着剤(例えば、生体適合性のアクリル系接着剤)39を塗布する。次いで、図9に示すように、両側支持体7、両側支持体8及び中央部支持体9を母趾40の陥入爪41に貼着する。この時、両側支持体7及び両側支持体8は陥入爪41の矯正すべき箇所54(陥入部)の上に貼着し、中央部支持体9は陥入爪41の中央に貼着する。その後、弾性体10を、図中矢印で示すように、孔12,13及び11に順に挿通し、図10に示すように、陥入爪41に陥入爪矯正具6を固定する。この状態を維持すると、弾性体10により陥入爪41の矯正すべき箇所42(陥入部)に屈曲を矯正する方向(図中、上方)に弾発力が付与されるので、徐々に陥入爪41が矯正される。
なお、陥入爪41に陥入爪矯正具6を貼着・固定する方法は上述の方法に限定されず、例えば、両側支持体7、両側支持体8及び中央部支持体9の少なくとも一つに予め弾性体10を挿通した後、これら支持体を陥入爪41に貼着・配置してもよい。
1,6,17,22,23,38:陥入爪矯正具
2,40:母趾
3,41:陥入爪
4,30,39:接着剤
5,42:矯正すべき箇所
7,8:両側支持体
9,27,31,32,35:中央部支持体
10,18,24,25,26,29:弾性体
11,12,13,19,20,21,28:孔
14,15,16:底部
33,36:開口部
34,37:溝
2,40:母趾
3,41:陥入爪
4,30,39:接着剤
5,42:矯正すべき箇所
7,8:両側支持体
9,27,31,32,35:中央部支持体
10,18,24,25,26,29:弾性体
11,12,13,19,20,21,28:孔
14,15,16:底部
33,36:開口部
34,37:溝
Claims (5)
- 陥入爪の爪甲の表面に並べて貼着される複数の支持体と、該複数の支持体に、それらの間に架け渡して取り付けられる弾性体とからなる陥入爪矯正具であって、
前記支持体は、陥入爪の爪甲の両端部の矯正すべき箇所に貼着される両側支持体を含み、
前記弾性体は、常温における記憶形状として直線形状ないし陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されている形状記憶材からなる、
ことを特徴とする陥入爪矯正具。 - 前記形状記憶材が形状記憶合金又は形状記憶樹脂であることを特徴とする、請求項1記載の陥入爪矯正具。
- 前記支持体が、前記二つの両側支持体の間に貼着される中央部支持体を更に含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の陥入爪矯正具。
- 前記弾性体が板状であり、陥入爪の爪甲の湾曲方向と反対の方向に湾曲した形状を記憶されていることを特徴とする、請求項1ないし3の何れか一項記載の陥入爪矯正具。
- 請求項1ないし4の何れか一項記載の陥入爪矯正具と、該陥入爪矯正具の支持体を爪甲の表面に貼着することができる生体適合性接着剤とを含むことを特徴とする、陥入爪矯正具組み合わせ。
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- 2006-05-24 JP JP2006144265A patent/JP2007312911A/ja active Pending
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