JP2007312082A - マイクロストリップアンテナ - Google Patents

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尚樹 本間
Tomihiko Yoshida
富彦 吉田
Hiroshi Tanaka
博 田中
Hiroshi Kazama
宏志 風間
Tomohiro Seki
智宏 関
Koichi Tsunekawa
光一 常川
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Abstract

【課題】
従来、幅の狭い誘電体基板において斜め偏波を発生させるためにパッチ素子を回転して配置するスペースがなく、自由度が低かった。
【解決手段】
本発明に係るマイクロストリップアンテナは、2平面を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の第1面の一部に密着する平行四辺形状の第1の導体板と、前記誘電体基板の第2面の全体に密着する第2の導体板とを備えたことを特徴とする。つまり、電波を放射する第1の導体板を平行四辺形状とすることによって、幅の狭い基板であっても、基板から逸脱することなく、コンパクトな形状で斜め偏波を実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、斜め偏波を発生するマイクロストリップアンテナに関する。
一般に、無線装置が使用する電波が互いに干渉しないように、異なる偏波を利用する方法が用いられている。このような無線装置では、送信側と受信側の偏波を一致させる必要があり、例えば、通信相手の無線装置の偏波が斜め偏波である場合、それに合わせた偏波角度の斜め偏波のアンテナを用いることによって、通信品質(信号対雑音比)が向上する。逆に、通信相手と偏波角が90度異なる場合は、通信品質が低下することになる。
例えば、衛星通信では、静止衛星が日本(観測者)の真南にないため、衛星にとっては垂直または水平偏波で通信していても、地上では真南から外れるに従い偏波方向が水平面に対して斜めになる。通常、衛星通信では、垂直偏波と水平偏波で異なる信号を同時にやり取りしているため、地上局の偏波を正確に合わせないと垂直偏波の回線と水平偏波の回線が互いに干渉や混信を起こし、通信品質を大きく劣化させることになる。
また、上記の理由により、アレーアンテナを用いた1次元のビーム走査アンテナでは、アレー配列方向に対して素子アンテナの偏波を斜めに設定する必要がある。
例えば、誘電体基板面上に構成される導体の長方形パッチ素子からなるマイクロストリップアンテナを用いてアレーの配列方向に対して、斜め偏波を発生するためには、誘電体基板が長方形で、その何れかの辺がアレイの配列方向に対して平行である場合、誘電体基板の辺に対してパッチ素子の辺の方向を直角または平行とせずに、パッチ素子を基板上で回転させて構成する方法が考えられる。
図7は、従来における斜め偏波を発生するマイクロストリップアンテナ401の例である(非特許文献1参照)。同図において、背面に導体による地板402を持つ長方形誘電体基板403上に、複数の長方形パッチ素子404を配置し、パッチ素子404の各辺は長方形誘電体基板403の辺と0度以上かつ90度未満の角度を為している。また、給電端405から直線状のマイクロストリップ線路406が構成されており、マイクロストリップ線路406の他端は、整合終端用パッチ素子407に接続されている。また全てのパッチ素子404の一つの角は、マイクロストリップ線路406と接触しており、各パッチ素子404は長方形の角である接触部から電力の供給を受ける。給電端405から入力された電力は、マイクロストリップ線路406を伝わるが、途中にあるいくつかのパッチ素子に電力を供給することによって電力は次第に減衰していき、末端の整合終端用パッチ素子407で全ての電力が消費される。このように、給電端405から離れるに従って、マイクロストリップ線路406に分布する電力が減衰するため、例えば、給電端405側のパッチ素子404aよりも末端側のパッチ素子404bの方が幅が広くなっている。このように、末端側のパッチ素子404bに行く程、パッチ素子404の幅を広くすることによって放射電力を増やし、全てのパッチ素子404の放射電力が均一になるように構成している。
2000年電子情報通信学会総合大会(B−1−135)
従来のマイクロストリップアンテナは、長方形のパッチ素子を用いていたので、パッチ素子を回転させて斜め偏波を発生させていた。このため、誘電体基板の幅が狭い場合は、パッチ素子を回転させるとパッチ素子のいずれかの角が誘電体基板からはみ出してまうため、パッチ素子を自由に配置することができないという問題があった。
特に、複数のパッチ素子を用いて、各パッチ素子間に位相差を有する給電を行って、放射パターンを成形するアレー型のマイクロストリップアンテナの場合は、パッチ素子をはみ出さないように移動する必要があるため、所望の放射パターンが得られなくなるという問題があった。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、幅の狭い誘電体基板において斜め偏波を発生する場合でも、パッチ素子の配置場所の自由度が高いマイクロストリップアンテナを提供することである。
本発明に係るマイクロストリップアンテナは、2平面を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の第1面の一部に密着する平行四辺形状の第1の導体板と、前記誘電体基板の第2面の全体に密着する第2の導体板とを備えたことを特徴とする。つまり、電波を放射する第1の導体板を平行四辺形状とすることによって、幅の狭い基板であっても、基板から逸脱することなく、コンパクトな形状で斜め偏波を実現できる。
特に、前記第1の導体板の一組の対角方向の内角が85度未満であることを特徴とする。マイクロストリップアンテナは、傾斜辺の角度によって偏波角を制御できる効果があるが、平行四辺形状の前記第1の導体板の内角が85度以上になると、無視できるほど偏波角の傾きが小さくなるので、内角は85度未満とすることが好ましい。
さらに、前記誘電体基板の少なくとも2辺を互いに平行な形状で構成し、前記第1の導体板の互いに平行な2辺が、前記誘電体基板の互いに平行な2辺に対して略平行になるように前記第1の導体板を配置したことを特徴とする。この結果、誘電体基板の互いに平行な2辺と平行または直交することのない斜め方向の偏波を有する放射特性が得られる。
また、前記第1の導体板の中心を頂点とし、前記誘電体基板の互いに平行な2辺と平行な前記第1の導体板のいずれか一辺を底辺として形成される三角形状の領域内に給電手段を設けたことを特徴とする。この結果、交差偏波の発生が少なくなり、通信品質を改善することができる。
或いは、前記誘電体基板の互いに平行な2辺と平行な前記第1の導体板のいずれか一辺にマイクロストリップ線路による給電手段を設けたことを特徴とする。これにより、給電用の加工を行う必要がなくなり、アンテナの低価格化が可能となる。
また、マイクロストリップアンテナを複数個アレー状に配置したマイクロストリップアンテナにおいて、前記複数個の各マイクロストリップアンテナの前記第1の導体板の2辺と略平行の前記誘電体基板の2辺が、互いに平行かつ対向する位置に、前記複数個のマイクロストリップアンテナを等間隔でアレー状に配置したことを特徴とする。つまり、マイクロストリップアンテナをアレー状に配置して、位相差給電により指向性を制御する場合でも、基板の幅が狭くなるためマイクロストリップアンテナの間隔をより密に配置することが可能になり、間隔が広い場合に発生するグレーティングローブと呼ばれる不要放射を大幅に削減し高い放射利得を提供可能とする効果が得られる。
特に、前記誘電体基板は、前記誘電体基板の互いに平行な2辺間の距離が動作周波数における真空中の1波長以下になる誘電率を有することを特徴とする。この結果、アンテナの小型化が可能になる。
本発明によれば、電波を放射する導体板(放射素子)を平行四辺形状とすることによって、幅の狭い誘電体基板であっても斜め偏波を発生できるので、放射素子の配置場所の自由度が高まり、コンパクトな形状のマイクロストリップアンテナを実現できる。特に、平行四辺形状の導体板の内角を85度以上にすることによって、効果的に偏波角を制御することができる。また、平行四辺形状の導体板の内角を最適化することで、不要放射を相殺する放射成分を発生させることができ、所望の偏波特性を得ることが可能になる。さらに、平行四辺形状の導体板の内角をより鋭角な値とすることによって、平行四辺形状の導体板の2辺を長く取ることができるため、誘電体基板の幅がより狭い場合でも実現することができる。
また、複数個のマイクロストリップアンテナをアレー化する場合でも、アレーの配列方向に対して斜めの偏波を放射することができる。また、各マイクロストリップアンテナの間隔をより密に配置することができるので、小型化が可能となり、グレーティングローブも抑制され、高い放射利得を得ることができる。特に、放射素子が平行四辺形であるため、複数のマイクロストリップアンテナを1列に真横にアレー化した場合でも、隣接する放射素子間の近接する辺の位置が互いにずれるため、素子間結合を低減する効果もある。
以下、図面を参照して本発明に係るマイクロストリップアンテナの実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本発明に係る第1の実施形態のマイクロストリップアンテナは、誘電体基板の両面を地板とパッチ素子とを形成する導体で挟んだ構成のアンテナで、パッチ素子の形状に特徴を有している。
図1において、101はマイクロストリップアンテナ、102は地板、103は長方形状の誘電体基板、、104は導体板によって放射素子を形成するパッチ素子、105は給電手段である同軸線路、106は同軸線路105の芯線をそれぞれ示している。また、点線Aで囲まれた部分は、パッチ素子104の領域を説明するためのパッチ素子104の拡大図で、107aおよびbはパッチ素子104の誘電体基板103の長手方向(X軸方向)に平行な一対の2辺(以後、平行辺と称す)、108および109はパッチ素子104の対角線、110は対角線108および109の交点、111は対角線108および109と一辺107によって囲まれたパッチ素子104の一部領域、112aおよびbはパッチ素子104の一対の2辺(以後、傾斜辺と称す)をそれぞれ示している。ここで、誘電体基板103は長方形で、2辺はX軸に平行、他の2辺はY軸に平行であるとする。
地板102は導体板によって構成され、給電部分を除いて、誘電体基板103の背面全体に配置されている。地板102の一部は、パッチ素子104に給電するために穴が開いており、同軸線路105の芯線106が通るようになっている。芯線106は誘電体基板103を貫通して、パッチ素子104に電気的に接続されている。また、同軸線路105の外皮は、地板102に電気的に接続されている。同軸線路105は、無線装置(非図示)の高周波送受信回路に接続され、高周波信号がパッチ素子104に供給される。或いは、パッチ素子104が受信した高周波信号を高周波送受信回路に出力する。
パッチ素子104は、地板102と同様に導体板によって構成される。本実施形態のパッチ素子104の形状は、平行四辺形の導体板によって構成され、パッチ素子104の平行辺107aおよびbはX軸と平行であるが、傾斜辺112aおよびbはX軸およびY軸とも平行ではない方向に傾けられている。
ここで、パッチ素子104の向きと誘電体基板103の辺との関係は、少なくとも2辺を互いに平行な形状で構成した誘電体基板103の互いに平行な2辺に対して、平行四辺形状のパッチ素子104の平行辺107aおよびbが略平行になるように配置されている。特に、誘電体基板103の互いに平行な2辺と平行なパッチ素子104の一辺、例えば平行辺107aが底辺になるように配置されている。尚、本実施形態では、傾斜辺112aおよびbとY軸の為す角αは5度以上であるとする。この理由については、後で詳しく説明する。
芯線106は、パッチ素子104の中央を頂点とし、パッチ素子104の平行辺107aを底辺とする三角形の領域111内でパッチ素子104と接続される。このようにして芯線106から信号を入力することによって、傾斜辺112aおよびbと平行な励振電流方向を持つ励振モードを得ることができる。この結果、傾斜辺112aおよびbと平行な方向の放射電界をパッチ素子104の上方(z軸上)から観測することができるようになり、斜め偏波の放射特性が得ることができる。また、図1に示すような位置に放射素子の給電点を設けることによって、交差偏波の発生が少なくなり、通信品質を改善することができる。
このように、本実施形態に示すようなY軸方向に幅の狭い誘電体基板103の場合は、正方形のパッチ素子を回転することによって斜め偏波を得る方式の従来のマイクロストリップアンテナではスペース的に実現することが難しかったが、本実施形態では、幅の狭い誘電体基板103を用いた場合でも基板の辺方向に対して斜め偏波を発生することができ、マイクロストリップアンテナの小型化が可能となる。特に、平行四辺形状のパッチ素子104の1組の内角をより鋭角な値とすることによって、同じ誘電体基板103の幅であってもパッチ素子104の2辺を長く取ることができるため、より狭い誘電体基板103の幅でも実現できるようになる。
ここで、本実施形態のマイクロストリップアンテナ101の放射素子であるパッチ素子104の解析結果について、図2および図3を用いて説明する。図2(a)は、マイクロストリップアンテナ101のパッチ素子104部分を抜き出した解析モデルのパッチ素子501の上面図である。尚、図1のパッチ素子104と解析モデルのパッチ素子501の辺の傾斜方向は、計算の便宜上、逆になっている。
今、パッチ素子501の長手方向の2辺はX軸に平行で、傾斜辺503aおよびbはY軸の平行線504に対して傾斜角βだけ傾いているとする。この場合の傾斜辺503aおよびbの傾斜角βに対するパッチ素子501の偏波角の傾きの関係を図2(b)に示す。同図において、Eθは仰角方向の電界成分を示し、Eφは方位各方向の電界成分を示す。
観測点の方向505は、YZ面内における水平面(XY面)から仰角45度の方向であり、βが0度の時、つまりパッチ素子501の形状が長方形の場合には、電界成分Eθのみが観測される。
偏波角507は、電界成分Eθのみが観測される場合を0度とし、電界成分Eφが存在する場合は電界成分Eθと電界成分Eφとを合成したベクトル506と電界成分Eθの方向のベクトルとの為す角と定義する。
図3は、図2の解析モデルをベースに計算した結果で、横軸は傾斜角β、縦軸は偏波角をそれぞれ示している。同図において、曲線601は、観測点の方向が仰角(θ)=45度の場合の傾斜角βと偏波角の関係を示す特性で、図2に示す傾斜辺503aおよびbを傾ける(つまり、傾斜角βを増加する)に連れて、偏波角がカーブを描きながら単調増加していることがわかる。
この結果は、パッチ素子501のような平行四辺形状の放射素子を有するマイクロストリップアンテナは、傾斜辺503aおよびbの傾斜角によって放射する電波の偏波角を制御できるという効果があることを示している。
また、図3の解析結果によると、放射素子の傾斜辺の傾斜角βを5度以下にすると、偏波角の傾きは約1.5度以下になるので、電界成分Eθに対する電界成分Eφの比は(式1)で表すことができる。
20 ×log10{tan(1.5)}< −31.6dB ・・・(式1)
(式1)より、電界成分Eθに比べて電界成分Eφが無視できるほど小さいと見なせるので、傾斜角βが5度以下の場合の効果は少なくなる。
従って、図1の本実施形態に係るマイクロストリップアンテナ101のパッチ素子104の傾斜角αは5度以上、つまり平行四辺形状のパッチ素子104の内角は85度未満とすることが望ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態のマイクロストリップアンテナ201を図4に示す。本実施形態のマイクロストリップアンテナ201は、第1の実施形態と同様に、誘電体基板の両面を地板とパッチ素子とを形成する導体で挟んだ構成のアンテナで、パッチ素子は同様の形状を有しているが、給電方法が第1の実施形態と異なっている。
図4のマイクロストリップアンテナ201において、202は地板、203は長方形状の誘電体基板、204は導体板によって形成されたパッチ素子、205はパッチ素子204と連続した導体で形成されるマイクロストリップ線路、206は給電点をそれぞれ示している。
給電点206は、無線装置(非図示)の高周波送受信回路に接続され、高周波信号がマイクロストリップ線路205を介してパッチ素子204に供給される。或いは、パッチ素子204が受信した電波を高周波信号に変換して、マイクロストリップ線路205を介して給電点206から高周波送受信回路に出力される。
マイクロストリップ線路205は、第1の実施形態と同じ平行四辺形状のパッチ素子204のX軸に平行な1辺に接続されている。尚、第1の実施形態の図1と同様に、図4に示すような位置から放射素子に給電することによって、交差偏波の発生が少なくなり、通信品質を改善できる。
パッチ素子204自体は、第1の実施形態と同様に、傾斜辺207aおよびbと平行な偏波特性を持つ放射が得られるが、マイクロストリップ線路205から不要放射が生じる場合、得られる偏波特性が所望の偏波角と異なる場合が考えられる。本実施形態では、傾斜辺207aおよびbの傾斜角を調整することによって3より生ずる不要放射を相殺し、所望の偏波特性を得ることができる。
例えば、所望の偏波方向がY軸と平行な直線偏波であり、マイクロストリップ線路205より生じる不要放射の偏波成分がX軸と平行である場合は、傾斜辺207aおよびbの傾斜角を調整することによって不要放射を相殺し、所望の直線偏波を実現することも可能である。
これは、パッチ素子204の内角(つまり傾斜角α)を可変して、積極的に交差偏波(不要放射)を発生させ、発生した交差偏波とマイクロストリップ線路205から生じる不要放射の位相とが逆位相になるように調整することで、アンテナ全体としての不要放射を減衰させることができるからである。
以上に述べてきたように、本実施形態に係るマイクロストリップアンテナ201は、給電部分に不要放射を生じ易いマイクロストリップ線路を用いた場合でも、傾斜辺の傾斜角を制御することによって、所望の偏波特性を得ることが可能であり、その場合もパッチ素子204を回転しないため、狭い誘電体基板203上から逸脱することなくパッチ素子204を配置することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態のマイクロストリップアンテナ301を図5に示す。本実施形態のマイクロストリップアンテナ301は、第2の実施形態と同様に、誘電体基板を地板とパッチ素子とで挟んだ構成のアンテナで、パッチ素子自体は同様の形状を有しているが、2つのパッチ素子で構成されている。
図5のマイクロストリップアンテナ301において、302は地板、303は
四角形状の誘電体基板、304および305は導体板によって形成されたパッチ素子、306はパッチ素子304および305と連続した導体で形成されるマイクロストリップ線路、307は給電点をそれぞれ示している。
給電点307は、第2の実施形態の図4の給電点206と同様に、無線装置(非図示)の高周波送受信回路に接続され、高周波信号がマイクロストリップ線路306を介してパッチ素子304および305に供給される。或いは、パッチ素子304および305が受信した電波を高周波信号に変換して、マイクロストリップ線路306を介して給電点307から高周波送受信回路に出力される。
マイクロストリップ線路306は、第2の実施形態と同じように、平行四辺形状のパッチ素子304および305のX軸に平行な1辺にそれぞれ分岐して給電される。
尚、誘電体基板303はY軸方向の幅が真空中の1波長未満である。パッチ素子304および305は平行四辺形状のパッチ素子であり、2つのパッチ素子の傾斜辺は互いに平行であり、残りの辺はX軸と平行である。また、傾斜辺の長さは少なくとも動作周波数における実効波長の半波長程度となるが、誘電体基板303の誘電率が十分に高い場合は、真空中の半波長より大幅に短くなるため、誘電体基板303のY軸方向の幅が真空中の1波長以下でもパッチ素子304および305は接触することなく配置できる。ここで、実効波長とは、誘電体基板303の面上において、基板の誘電率の影響により、真空中の波長より短縮された波長を意味する。
本実施形態に係るマイクロストリップアンテナ301は、第2の実施形態と同様に、不要放射を生じやすいマイクロストリップ線路を用いた場合でも、傾斜辺の傾斜角を制御することによって、所望の偏波特性を得ることが可能である。従って、パッチ素子304および305を回転しないので、狭い誘電体基板303から逸脱することなくパッチ素子304および305を配置することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る第4の実施形態のマイクロストリップアンテナ310を図6に示す。本実施形態のマイクロストリップアンテナ310は、第3の実施形態のマイクロストリップアンテナ301の複数個を、同図に示すように互いに平行かつ対向する位置に、Y軸方向にアレー化したものである。
図6のマイクロストリップアンテナ310において、301a,301b,301cは第3の実施形態のマイクロストリップアンテナ301と同じ構造のマイクロストリップアンテナ、306a,306b,306cはマイクロストリップアンテナ301a〜cの給電点をそれぞれ示している。
給電点301a〜cに無線装置(非図示)の高周波送受信回路から位相差給電が行われる。つまり、給電する位相差を可変することによって、電波の放射方向を制御することができる。この場合、各マイクロストリップアンテナ301a〜cの誘電体基板の幅が真空中の1波長の長さを越えると、大きなグレーティングローブが発生するが、本実施形態では、第3の実施形態で述べたように、真空中の1波長未満とすることにより不要放射を大きく抑制することができ、且つ、高い利得の放射特性を得ることができる。
また、第2の実施形態と同様に、傾斜辺の方向を最適化することによって、所望の偏波特性も得ることができる。
このように、本実施形態に係るアレー型のマイクロストリップアンテナ310は、各マイクロストリップアンテナ301a〜cの基板の幅を狭くすることができるので、各マイクロストリップアンテナ301a〜cの間隔をより密に配置することができる。この結果、各マイクロストリップアンテナ301a〜cの間隔が広い場合に発生するグレーティングローブと呼ばれる不要放射を大幅に削減することができ、高い放射利得を得ることができる。
また、パッチ素子が平行四辺形であるため、複数のマイクロストリップアンテナを1列に真横にアレー化した場合でも、隣接するマイクロストリップアンテナのパッチ素子の互いに近接する辺の位置がずれる。つまり、パッチ素子の辺の一部が近接するだけで、全長にわたって互いに近接することがなく、マイクロストリップアンテナ間の素子間結合を低減する効果が得られる。この結果、素子間結合に起因する指向性の乱れによって生じる利得劣化を抑制することができ、素子間隔を狭めることが可能となり、アレー型のマイクロストリップアンテナをコンパクトに実現できる。
以上、各実施形態において説明してきたように、従来のマイクロストリップアンテナでは、斜め偏波を実現するためにパッチ素子を誘電体基板上で回転させて配置する必要があったので、小型化が難しいという問題があったが、本発明に係るマイクロストリップアンテナは、パッチ素子を平行四辺形状とすることによって、幅の狭い誘電体基板であっても斜め偏波を発生させることができ、マイクロストリップアンテナの小型化が可能になる。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロストリップアンテナ101の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロストリップアンテナ101の解析内容を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロストリップアンテナ101の解析結果を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態に係るマイクロストリップアンテナ201の構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るマイクロストリップアンテナ301の構成を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るアレー型のマイクロストリップアンテナ310の構成を示す斜視図である。 従来のマイクロストリップアンテナ401の構成を示す斜視図である。
符号の説明
101,201,301・・・マイクロストリップアンテナ
102,202・・・地板
103,203・・・誘電体基板
104,204・・・パッチ素子
105・・・同軸線路
106・・・芯線
205・・・マイクロストリップ線路
206・・・給電点
310・・・アレー型のマイクロストリップアンテナ

Claims (7)

  1. 2平面を有する誘電体基板と、
    前記誘電体基板の第1面の一部に密着する平行四辺形状の第1の導体板と、
    前記誘電体基板の第2面の全体に密着する第2の導体板とを備えたこと
    を特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  2. 請求項1に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    前記第1の導体板における一組の対角方向の内角が85度未満であること
    を特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  3. 請求項1または2に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    前記誘電体基板の少なくとも2辺を互いに平行な形状で構成し、
    前記第1の導体板の互いに平行な2辺が、前記誘電体基板の互いに平行な2辺に対して略平行になるように前記第1の導体板を配置したこと
    を特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  4. 請求項3に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    前記第1の導体板の中心を頂点とし、前記誘電体基板の互いに平行な2辺と平行な前記第1の導体板のいずれか一辺を底辺として形成される三角形状の領域内に給電手段を設けたこと
    を特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  5. 請求項3に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    前記誘電体基板の互いに平行な2辺と平行な前記第1の導体板のいずれか一辺にマイクロストリップ線路による給電手段を設けたこと
    を特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロストリップアンテナを複数個アレー状に配置したマイクロストリップアンテナにおいて、
    前記複数個の各マイクロストリップアンテナの前記第1の導体板の2辺と略平行の前記誘電体基板の2辺が、互いに平行かつ対向する位置に、前記複数個のマイクロストリップアンテナを等間隔でアレー状に配置したこと
    を特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  7. 請求項1乃至6に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    前記誘電体基板は、前記誘電体基板の互いに平行な2辺間の距離が動作周波数における真空中の1波長以下になること
    を特徴とするマイクロストリップアンテナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013543283A (ja) * 2010-03-19 2013-11-28 テールズ 交差偏波補償を備えた反射器アレイアンテナおよびそのようなアンテナを製造するための方法
US11936123B2 (en) 2019-05-31 2024-03-19 Murata Manufacturing Co., Ltd. Sub-array antenna, array antenna, antenna module, and communication device

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