JP2007311174A - 節度装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】節度パターンを簡単な構成で切り替え可能なロータリスイッチ装置を提供する。
【解決手段】コントローラ4は、永久磁石6の回動方向と回動角度を検出し、矢印A方向に所定角度回動されたことを検出する毎に、ドライバ回路5に送出する通電制御信号Scntを変化させることによって電磁石8〜11の通電状態を変更させる。これにより、例えば、操作ノブ3が矢印A方向に1回転される間に、操作ノブ3の回動操作に対して節度が2回与えられる。
【選択図】図1
【解決手段】コントローラ4は、永久磁石6の回動方向と回動角度を検出し、矢印A方向に所定角度回動されたことを検出する毎に、ドライバ回路5に送出する通電制御信号Scntを変化させることによって電磁石8〜11の通電状態を変更させる。これにより、例えば、操作ノブ3が矢印A方向に1回転される間に、操作ノブ3の回動操作に対して節度が2回与えられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、操作部の操作に節度を与える節度装置に関する。
従来、自動車の各種コントロールに使用されるロータリスイッチ装置は、例えば、特許文献1に開示されているスイッチ装置のように、ケース内面に形成された山部及び谷部を交互に有する節度面部と、ケース内のロータ側に設けられたコイルばね及びこのコイルばねにより節度面部に当接するように付勢されたボールとからなる節度機構を有している。
このような構成の節度機構によれば、使用者が操作ノブを回動してスイッチ操作を行う場合、ロータの回動に伴ってボールが山部を超えて谷部に移動し、この谷部に落ち込む。すなわち、ボールが山部を超える前後において操作ノブに与えられるフィードバック力が変化する。これにより、操作ノブの回動に節度が与えられている。
特開平5−94922号公報
このような構成の節度機構によれば、使用者が操作ノブを回動してスイッチ操作を行う場合、ロータの回動に伴ってボールが山部を超えて谷部に移動し、この谷部に落ち込む。すなわち、ボールが山部を超える前後において操作ノブに与えられるフィードバック力が変化する。これにより、操作ノブの回動に節度が与えられている。
上記した従来のロータリスイッチ装置の節度機構では、機械的な動作により節度が与えられるため節度パターンが1つに固定されており、1種類の節度の間隔や節度の強さ(クリック感)しか与えることができない。このものにおいて、節度の間隔や節度の強弱を切り替えるためには、切り替える種類に応じた数の節度機構が必要となり、装置自体が大型化してしまう。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、節度パターンを簡単な構成で切り替え可能な節度装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明の節度装置は、回動操作可能に設けられた操作部材と、前記操作部材と連動して回動される一対の磁極を有する回動部材と、前記回動部材の前記磁極の回動軌跡に沿うように設けられた複数の電磁石と、前記複数の電磁石に対する電流通電方向や通電量などが定められた節度用の通電パターンを有し、当該節度用の通電パターンでの前記複数の電磁石に対する通電制御により、当該複数の電磁石の少なくとも一つと前記回動部材との間に電磁力を作用させて前記操作部材の操作に節度を与える節度制御手段とを備えて構成されることを特徴とする。
本発明によれば、操作部材が回動操作されるときに、複数の電磁石の少なくとも一つの電磁石に通電を行い、当該電磁石と回動部材の磁極との間に作用する電磁力によって操作部材の操作に節度を与えるようにした。従って、通電を行う電磁石の選択、電磁石に対する電流通電方向の切り替え、及び電磁石に対する通電量を制御することによって、操作部材の回動のどの位置において節度を発生させるかを選択できると共に、節度の強さを選択できる。すなわち、簡単な構成によって、節度パターンの切り替えが可能となる。
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1〜図6を参照して説明する。
図1及び図2は、例えば、自動車のヒータコントロール用スイッチとして使用されるロータリスイッチ装置1における本発明に係る部分の構成を示す図である。ロータリスイッチ装置1(節度装置に相当)は、矩形箱状をなすスイッチボディ2と、このスイッチボディ2の上面側に配置された操作ノブ3(操作部材に相当)と、スイッチボディ2の外部に設けられたコントローラ4(節度制御手段に相当)及びドライバ回路5とによって構成されている。
以下、本発明の第1実施例について図1〜図6を参照して説明する。
図1及び図2は、例えば、自動車のヒータコントロール用スイッチとして使用されるロータリスイッチ装置1における本発明に係る部分の構成を示す図である。ロータリスイッチ装置1(節度装置に相当)は、矩形箱状をなすスイッチボディ2と、このスイッチボディ2の上面側に配置された操作ノブ3(操作部材に相当)と、スイッチボディ2の外部に設けられたコントローラ4(節度制御手段に相当)及びドライバ回路5とによって構成されている。
操作ノブ3は、図2中、下端側が開放された有底円筒状の操作部3aと、操作部3aと一体回動する軸部3bとから構成されている。軸部3bは、スイッチボディ2の上部に設けられた開口部2aより若干径小に形成されており、操作部3aの下面中央から下方に向けて延設され、開口部2aを通してスイッチボディ2内に挿通されている。そして、軸部3bは図示しない軸支持部によって回動可能に支持されている。従って、操作ノブ3は、軸部3bを回動中心としてスイッチボディ2に回動可能に支持されている。
スイッチボディ2の内部において、図2中、中央部には、矩形板状をなす永久磁石6(回動部材に相当)が設けられている。永久磁石6の両端部は、S極6a及びN極6b(一対の磁極に相当)となっている。永久磁石6は、中央に設けられた挿入穴6cが、軸部3bに固着されることにより、操作ノブ3と連動して回動する構成となっている。
永久磁石6の下方には、円板状をなすロータリエンコーダ7(位置検出手段及び変位検出手段に相当)が位置している。このロータリエンコーダ7は、図示しないが、周知のように、所定配置の多数のスリットを形成した回転板と、このスリットの通過によりパルスを発生する光学センサとを備え、この回転板が軸部3bにこれと一体回動するように取付けられている。そして、このロータリエンコーダ7は、前記回転板の回動に応じて所定の位相差を有する2つのパルス信号Senc1、Senc2を発生させる周知の構成となっている。ロータリエンコーダ7は、コントローラ4において、操作ノブ3及び永久磁石6の回動方向及び回動量(回動角度)を検出するために、パルス信号Senc1、Senc2をコントローラ4に出力するように構成されている。
永久磁石6は操作ノブ3の回動操作に伴って回動するものであり、その回動軌跡に沿うように電磁石8〜11が均等配置(90°間隔)されている。これら電磁石8〜11は、同一構成であるので、例えば電磁石8を代表として説明する。電磁石8は、金属製のコア8aに導線8bがコイル状に巻回された構成となっており、他の電磁石9〜11については、同一部分に同一の添字を付している。従って、電磁石8〜11は、永久磁石6の回動軌跡のどこかにおいて、S極6a及びN極6bのそれぞれと対向するようになっている。
電磁石8〜11のそれぞれの導線8b〜11bの両端は、ドライバ回路5に接続されている。電磁石8〜11への通電は、この導線8b〜11bの両端に駆動電圧Vdが印加されることによって行われる。また、電磁石8〜11は、印加される駆動電圧Vdの極性に応じて、導線8b〜11bに流れる電流の向きが変化し、発生する磁界も変化する。これにより、電磁石8〜11は、永久磁石6のS極6a及びN極6bと対向する部位に形成される磁極の極性変更が可能となっている。ドライバ回路5は、コントローラ4から送出される通電制御信号Scntに基づいて、電磁石8〜11に対して駆動電圧Vdを印加するように構成されている。
コントローラ4は、例えば、CPU4aを主体としたマイクロコンピュータによって構成されており、I/O部4b、メモリ4cなどを有している。I/O部4bは、例えばスイッチ群やキーボードなどの外部入力装置(図示せず)から、操作ノブ3の回動操作に対して与える節度の間隔や強さを設定するための節度パターンデータが入力されており、この節度パターンデータは、メモリ4cに記憶されるようになっている。
CPU4aは、ロータリエンコーダ7からパルス信号Senc1、Senc2が入力されており、これらパルス信号Senc1、Senc2から永久磁石6の回動方向や回動量の検出を行うようになっている。CPU4aは、この検出した回動方向や回動量と、メモリ4cに記憶された節度パターンデータとに基づいて、通電対象とする電磁石の選択、電磁石へ印加する電圧の大きさ、電磁石へ供給する電流の通電方向などの通電パターンを設定し、この設定された通電パターンを示す通電制御信号Scntをドライバ回路5に出力するように構成されている。
次に、本実施例の作用について図3〜図6も参照して説明する。
ロータリスイッチ装置1は、操作ノブ3が回動操作されることにより、ヒータコントロールに関する所定のスイッチ動作、例えば設定温度調節、風向切り替え、吹出口切り替えなどを行うようになっている。ここでは、これらのスイッチ動作が行われたことを使用者に認識させるために、操作ノブ3の回動操作に対して節度(クリック感)を与えるときのロータリスイッチ装置1の作動について説明する。
ロータリスイッチ装置1は、操作ノブ3が回動操作されることにより、ヒータコントロールに関する所定のスイッチ動作、例えば設定温度調節、風向切り替え、吹出口切り替えなどを行うようになっている。ここでは、これらのスイッチ動作が行われたことを使用者に認識させるために、操作ノブ3の回動操作に対して節度(クリック感)を与えるときのロータリスイッチ装置1の作動について説明する。
最初に、操作ノブ3が時計回り方向(図3中、矢印A方向)へ1回転(360°回動)される毎に、節度が2回与えられるような節度パターンについて説明する。なお、本実施例では、図3(a)に示すように、永久磁石6のS極6aが電磁石8と対向している状態における永久磁石6の回動位置を0°とし、回動角度の基準としている。また、メモリ4cには、上記した節度パターンを実現するための節度パターンデータが予め記憶されているものとする。
図3は、永久磁石6の回動位置と各電磁石8〜11への通電状態を概略的に示している。コントローラ4は、ロータリエンコーダ7からのパルス信号Senc1、Senc2に基づいて、操作ノブ3及び永久磁石6の回動方向と回動角度を検出し、矢印A方向に所定角度回動されたことを検出する毎に、ドライバ回路5に送出する通電制御信号Scntを変化させることによって電磁石8〜11の通電状態を変更させる。
具体的には、コントローラ4は、図3(b)に示すように永久磁石6の回動角度が90°に達したときに電磁石9をN極、電磁石8、10、11を非通電状態にする。また、コントローラ4は、図3(d)に示すように永久磁石6の回動角度が270°に達したときに電磁石8をN極、電磁石9〜11を非通電状態にするように通電の制御を行う。
図4は、操作ノブ3の回動角度と操作ノブ3に与えられるフィードバック力との関係を示している。上述したように電磁石8〜11への通電を制御することによって、図4に示すように、操作ノブ3へ与えられるフィードバック力が変化する。
すなわち、永久磁石6の回動角度が0°〜90°の間において、使用者が操作ノブ3を矢印A方向に回動操作するときには、操作ノブ3には、S極6aと電磁石8との間に働く電磁力(吸引力)が矢印A方向への回動に抗するように作用する。このため、操作ノブ3を矢印A方向へ回動させるためには、通常よりも大きな操作力が必要となる。
すなわち、永久磁石6の回動角度が0°〜90°の間において、使用者が操作ノブ3を矢印A方向に回動操作するときには、操作ノブ3には、S極6aと電磁石8との間に働く電磁力(吸引力)が矢印A方向への回動に抗するように作用する。このため、操作ノブ3を矢印A方向へ回動させるためには、通常よりも大きな操作力が必要となる。
そして、永久磁石6の回動角度が90°〜180°の間において、使用者が操作ノブ3を矢印A方向に回動操作する際、操作ノブ3には、S極6aと電磁石9との間に働く電磁力(吸引力)が矢印A方向への回動をアシストするように作用する。このため、通常よりも小さな操作力によって操作ノブ3を矢印A方向へ回動させることができる。
その後、図3(c)に示すように永久磁石6の回動角度が180°に達すると、S極6aと電磁石9とが引き合うことによって、S極6aと電磁石9とは対向した状態に保持される。これにより、操作ノブ3の回動操作に節度(クリック感)が与えられる。
その後、図3(c)に示すように永久磁石6の回動角度が180°に達すると、S極6aと電磁石9とが引き合うことによって、S極6aと電磁石9とは対向した状態に保持される。これにより、操作ノブ3の回動操作に節度(クリック感)が与えられる。
また、永久磁石6の回動角度が180°〜360°(0°)の間においても、上述した0°〜180°の間の場合と同様に、操作ノブ3の回動操作力が変化する。そして、永久磁石6の回動角度が360°(0°)のときにも、操作ノブ3の回動操作に節度が与えられる。これにより、操作ノブ3が矢印A方向に1回転される間に、操作ノブ3の回動操作に対して節度が2回与えられる。
続いて、操作ノブ3が時計回り方向(図5中、矢印A方向)へ1回転(360°回動)される毎に、節度が4回与えられるような節度パターンについて説明する。
図5は、永久磁石6の回動と各電磁石8〜11への通電状態を概略的に示している。コントローラ4は、前述の節度2回与える場合と同様に、操作ノブ3及び永久磁石6の回動方向と回動角度を検出し、矢印A方向に所定角度回動されたことを検出する毎に電磁石8〜11の通電状態を変更させる。
図5は、永久磁石6の回動と各電磁石8〜11への通電状態を概略的に示している。コントローラ4は、前述の節度2回与える場合と同様に、操作ノブ3及び永久磁石6の回動方向と回動角度を検出し、矢印A方向に所定角度回動されたことを検出する毎に電磁石8〜11の通電状態を変更させる。
具体的には、コントローラ4は、永久磁石6の回動角度が45°に達したとき(図5(a)のとき)に電磁石10をN極、電磁石8、9、11を非通電状態にし、回動角度が135°に達したとき(図5(b)のとき)に電磁石9をN極、電磁石8、10、11を非通電状態にし、回動角度が225°に達したとき(図5(c)のとき)に電磁石11をN極、電磁石8〜10を非通電状態にし、回動角度が315°に達したとき(図5(d)のとき)に電磁石8をN極、電磁石9〜11を非通電状態にするように通電の制御を行う。
図6は、操作ノブ3の回動角度と操作ノブ3に与えられるフィードバック力との関係を示している。上述したように電磁石8〜11への通電を制御することによって、図6に示すように、操作ノブ3へ与えられるフィードバック力が変化する。
すなわち、永久磁石6の回動角度が0°〜45°の間において、使用者が操作ノブ3を矢印A方向に回動操作するときには、操作ノブ3には、S極6aと電磁石8との間に働く電磁力(吸引力)が矢印A方向への回動に抗するように作用する。このため、操作ノブ3を矢印A方向へ回動させるためには、通常よりも大きな操作力が必要となる。
すなわち、永久磁石6の回動角度が0°〜45°の間において、使用者が操作ノブ3を矢印A方向に回動操作するときには、操作ノブ3には、S極6aと電磁石8との間に働く電磁力(吸引力)が矢印A方向への回動に抗するように作用する。このため、操作ノブ3を矢印A方向へ回動させるためには、通常よりも大きな操作力が必要となる。
そして、永久磁石6の回動角度が45°〜90°の間において、使用者が操作ノブ3を矢印A方向に回動操作する際、操作ノブ3には、S極6aと電磁石10との間に働く電磁力(吸引力)が矢印A方向への回動をアシストするように作用する。このため、通常よりも小さな操作力によって操作ノブ3を矢印A方向へ回動させることができる。
その後、永久磁石6の回動角度が90°に達すると、S極6aと電磁石10とが引き合うことによって、S極6aと電磁石10とは対向した状態に保持される。これにより、操作ノブ3の回動操作に節度(クリック感)が与えられる。
その後、永久磁石6の回動角度が90°に達すると、S極6aと電磁石10とが引き合うことによって、S極6aと電磁石10とは対向した状態に保持される。これにより、操作ノブ3の回動操作に節度(クリック感)が与えられる。
また、永久磁石6の回動角度が90°〜180°の間、180°〜270°の間、270°〜360°(0°)の間においても、上述した0°〜90°の間の場合と同様に、操作ノブ3の回動操作力が変化する。そして、永久磁石6の回動角度が180°、270°、360°(0°)のときにも、操作ノブ3の回動操作に節度が与えられる。これにより、操作ノブ3が矢印A方向に1回転される間に、操作ノブ3の回動操作に対して節度が4回与えられる。
以上説明したように、本実施例のロータリスイッチ装置1は、電磁石8〜11の何れか1つと永久磁石6のS極6aとの間に働く電磁力(吸引力)によって、操作ノブ3へ与えるフィードバック力を変化させて節度を発生させるようにした。従って、電磁石8〜11への通電パターンを切り替えることによって操作ノブ3の回動のどの位置において節度を発生させるかを選択できると共に、電磁石8〜11へ印加する駆動電圧Vdの大きさを変更することによって節度の強さを選択できる。
また、ロータリスイッチ装置1は、例えば、自動車のヒータコントロール用スイッチである設定温度調節スイッチ、風向切り替えスイッチ、吹出口切り替えスイッチなど、それぞれ必要とする節度の間隔や強さが異なるスイッチを、電磁石8〜11への通電パターンを切り替えるだけで実現することができる。
さらに、コントローラ4を、ロータリエンコーダ7によって検出された操作ノブ3及び永久磁石6の回動方向及び回動角度に応じて電磁石8〜11への通電を制御するように構成した。従って、操作ノブ3の回動操作時において、回動方向の次の節度位置に対応する電磁石のみに順次通電すると共に通電が不要となった電磁石への通電を停止することにより、電力費低減や温度上昇抑制に寄与できる。
(第2実施例)
図7及び図8は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
図7は第1実施例における図3相当図であり、永久磁石6の回動位置を示している。ロータリスイッチ装置20(節度装置に相当)は、永久磁石6の周囲に、第1実施例における電磁石8〜11と同様に構成され、コアと導線とを有する電磁石21〜30が設けられている。また、電磁石21〜30は、永久磁石6のS極6a及びN極6bの回動軌跡に沿うように、且つ36°間隔に配置されている。また、図示しないが、電磁石21〜30の導線の両端は、ドライバ回路5に接続されており、電磁石21〜30への通電は、導線の両端に駆動電圧Vdが印加されることによって行われる。
図7及び図8は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
図7は第1実施例における図3相当図であり、永久磁石6の回動位置を示している。ロータリスイッチ装置20(節度装置に相当)は、永久磁石6の周囲に、第1実施例における電磁石8〜11と同様に構成され、コアと導線とを有する電磁石21〜30が設けられている。また、電磁石21〜30は、永久磁石6のS極6a及びN極6bの回動軌跡に沿うように、且つ36°間隔に配置されている。また、図示しないが、電磁石21〜30の導線の両端は、ドライバ回路5に接続されており、電磁石21〜30への通電は、導線の両端に駆動電圧Vdが印加されることによって行われる。
次に、操作ノブ3が時計回り方向(図7中、矢印A方向)へ1回転(360°回動)される間に、節度が4回与えられると共に4回目の節度位置以降における操作ノブ3の回動操作に対してブレーキがかかるような節度パターンを実現する場合のロータリスイッチ装置20の作動について説明する。
なお、本実施例では、図7(a)に示すように、永久磁石6のS極6aが電磁石21と対向している状態における永久磁石6の回動位置を0°とし、回動角度の基準としている。そして、永久磁石6の回動角度が0°〜252°の間は、スイッチが正常に機能する適正操作範囲であると共に操作ノブ3の回動操作に節度が与えられるスイッチ機能領域とし、回動角度が252°〜360°(0°)の間は、適正操作範囲外であると共にこれを使用者に認識させるために操作ノブ3の回動操作にブレーキをかけるストッパ領域としている。また、メモリ4cには、上記したような節度及びブレーキ力を付与するための、節度用及びストッパ用の通電パターンデータが予め記憶されているものとする。
図7(a)に示すように、永久磁石6の回動位置がスイッチ機能領域にある場合、コントローラ4は、メモリ4cに記憶された節度用の通電パターンデータに基づいて、電磁石21〜30に対して、電磁石21〜30が図示極性となるように常時通電を行う。
そして、図7(b)に示すように、永久磁石6が使用者によって矢印A方向に回動操作されてストッパ領域に接近し、S極6aが電磁石28(永久磁石の回動角度が252°)に達すると、コントローラ4は、メモリ4cに記憶されたブレーキ用の通電パターンデータに基づいて、S極6aが対向する電磁石28及びN極6bが対向する電磁石23に対して、駆動電圧Vdよりも大きな電圧値のブレーキ電圧Vbを印加するように通電パターンを変更する。このように、ストッパ領域では、通常時より大きな電圧を印加することにより、現状位置を保持させる力を与えている。
そして、図7(b)に示すように、永久磁石6が使用者によって矢印A方向に回動操作されてストッパ領域に接近し、S極6aが電磁石28(永久磁石の回動角度が252°)に達すると、コントローラ4は、メモリ4cに記憶されたブレーキ用の通電パターンデータに基づいて、S極6aが対向する電磁石28及びN極6bが対向する電磁石23に対して、駆動電圧Vdよりも大きな電圧値のブレーキ電圧Vbを印加するように通電パターンを変更する。このように、ストッパ領域では、通常時より大きな電圧を印加することにより、現状位置を保持させる力を与えている。
その後、図7(c)に示すように、さらに永久磁石6が矢印A方向に回動操作されて、S極6aが電磁石29(永久磁石の回動角度が288°)に達すると、コントローラ4は、電磁石21〜30の極性を反転させるように通電パターンを変更する。また同時に、コントローラ4は、電磁石23、28への印加電圧を駆動電圧Vdに戻すと共に、S極6aが対向する電磁石29及びN極6bが対向する電磁石24にブレーキ電圧Vbを印加するように通電パターンを変更する。
これ以降、永久磁石6が矢印A方向に回動操作された場合にも、上述した場合と同様に、S極6aが次の電磁石に達したとき、コントローラ4は、電磁石21〜30の極性を反転させるように通電パターンを変更し、S極6a及びN極6bが対向する電磁石に対して、それぞれブレーキ電圧Vbを印加するように通電パターンを変更する。
図8は、操作ノブ3の回動角度と操作ノブ3に与えられるフィードバック力との関係を示している。上述したように電磁石21〜30への通電を制御することによって、使用者が操作ノブ3を矢印A方向に回動操作する場合、図8に示すように、操作ノブ3に与えられるフィードバック力は、操作ノブ3の回動位置(回動角度)によって変化する。
具体的には、永久磁石6の回動角度が0°〜18°の間では、操作ノブ3には、主にS極6aと電磁石21との間、及びN極6bと電磁石26との間に働く電磁力(反発力)が矢印A方向への回動をアシストするように作用する。永久磁石6の回動角度が18°〜36°の間では、操作ノブ3には、主にS極6aと電磁石22との間、及びN極6bと電磁石27との間に働く電磁力(吸引力)が矢印A方向への回動をアシストするように作用する。このように、永久磁石6の回動角度が0°〜36°の間では、操作ノブ3を36°の位置に保持しようとする力が働く。
その後、永久磁石6の回動角度が36°に達すると、S極6aと電磁石22、及びN極6bと電磁石27のそれぞれの吸引力によって、S極6aと電磁石22、及びN極6bと電磁石27とは対向した状態に保持される。これにより、操作ノブ3の回動操作に節度(クリック感)が与えられる。
また、永久磁石6の回動角度が36°〜54°の間では、操作ノブ3には、主にS極6aと電磁石22との間、及びN極6bと電磁石27との間に働く電磁力(吸引力)が矢印A方向への回動に抗するように作用する。永久磁石6の回動角度が54°〜72°の間では、操作ノブ3には、主にS極6aと電磁石23との間、及びN極6bと電磁石28との間に働く電磁力(反発力)が矢印A方向への回動に抗するように作用する。このように、永久磁石6の回動角度が36°〜72°の間では、操作ノブ3を36°の位置に戻そうとする力が働く。
これ以降も、同様にして、永久磁石6を108°及び180°の位置に保持しようとする力を働かせる。これにより、操作ノブ3の回動操作に72°間隔の節度が与えられる。
そして、操作ノブ3が矢印A方向に回動操作されて、スイッチ機能領域とストッパ領域との境界に接近した場合、すなわち、永久磁石6の回動角度が216°〜252°の間においても、前述の0°〜36°の間と同様にフィードバック力が変化し、永久磁石6の回動角度が252°に達したときには、36°に達したときと同様に、操作ノブ3の回動操作に節度が与えられる。
そして、操作ノブ3が矢印A方向に回動操作されて、スイッチ機能領域とストッパ領域との境界に接近した場合、すなわち、永久磁石6の回動角度が216°〜252°の間においても、前述の0°〜36°の間と同様にフィードバック力が変化し、永久磁石6の回動角度が252°に達したときには、36°に達したときと同様に、操作ノブ3の回動操作に節度が与えられる。
永久磁石6の回動角度が252°のとき、操作ノブ3には、前述したように、S極6aと電磁石28との間、及びN極6bと電磁石22との間に働く大きな電磁力(吸引力)が矢印A方向への回動に抗するように作用している。このため、操作ノブ3をさらに矢印A方向へ回動操作させるためには、上記電磁力よりも大きな、極めて大きな操作力が必要となる。すなわち、操作ノブ3の回動操作に対してブレーキがかかった状態となっている。
しかしながら、使用者が上記電磁力よりも大きな操作力によって、操作ノブ3をさらに回動させることが考えられる。この場合、前述したようにS極6aが次の電磁石に達すると、操作ノブ3の回動操作をアシストするようなフィードバック力が与えられてしまう。そこで、操作ノブ3の回動操作に抗するようなフィードバック力を働かせるために、電磁石21〜30の極性を反転させる。その後も、回動操作に抗するようなフィードバック力を、常に働かせるように電磁石21〜30の極性を変化させる。これにより、ストッパ領域においては、操作ノブ3の回動操作に対して常にブレーキ力が付与されるようになっている。
以上説明したように、本実施例のロータリスイッチ装置20は、操作ノブ3の回動操作の有無にかかわらず、全ての電磁石21〜30に図7(a)に示すような極性となるように予め通電するようにした。このようにすれば、予め、節度位置及び節度間隔が固定的に形成されることになり、コントローラ4による電磁石21〜30への通電制御が簡単にできる。また、この場合、通電する電磁石の選択パターン、駆動電圧Vdの極性パターン、駆動電圧Vdの大きさなどの通電パターンを変更して、この通電パターンに基づいて予め電磁石に通電しておくことで、節度位置、節度間隔、節度強度などを切り替えることができる。
また、操作ノブ3が矢印A方向に回動操作されて、スイッチ機能領域とストッパ領域との境界に接近すると、電磁石22、28にブレーキ電圧Vbを印加するようにした。これにより、電磁石28、22とS極6a、N極6bとの間に働く大きな電磁力(吸引力)がブレーキ力として作用し、操作ノブ3の回動操作に対するストッパ機能を実現できる。
また、操作ノブ3がストッパ領域に位置しているとき、使用者が上記電磁力よりも大きな操作力によって操作ノブ3をさらに回動させた場合、S極6aが次の電磁石に達する度に電磁石21〜30の極性を反転させると共に、S極6a及びN極6bが対向する電磁石にブレーキ電圧Vbを印加するように通電パターンを変更するようにした。これにより、操作ノブ3がストッパ領域に位置する間は、操作ノブ3の矢印A方向への回動操作に対して常に一定のブレーキ力を付与し、使用者に対して適正操作範囲外であることを認識させることができる。
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した実施例に限定されるものではなく、次のような変形又は拡張が可能である。
ロータリスイッチ装置1のコントローラ4は、電磁石8〜11のうち、いずれか1つのみに通電を行うように制御して、操作ノブ3が1回転する間に節度が1回与えられるような節度パターンを実現させるようにしてもよい。
ロータリスイッチ装置20におけるストッパ領域は、必要に応じて設定すればよく、スイッチ機能領域のみとしてもよい。
ロータリスイッチ装置1のコントローラ4は、電磁石8〜11のうち、いずれか1つのみに通電を行うように制御して、操作ノブ3が1回転する間に節度が1回与えられるような節度パターンを実現させるようにしてもよい。
ロータリスイッチ装置20におけるストッパ領域は、必要に応じて設定すればよく、スイッチ機能領域のみとしてもよい。
ロータリスイッチ装置20におけるスイッチ機能領域及びストッパ領域は、固定的に設定せずに、操作ノブ3が所定方向に所定角度だけ回動される間をスイッチ機能領域とし、その後、さらに上記所定方向に回動される間をストッパ領域としてもよい。このように構成すれば、節度間隔やブレーキがかかる位置の設定に自由度が増すため、さらに多くの種類の節度パターン及びブレーキパターンを実現することができる。
また、この場合、ロータリスイッチ装置20のコントローラ4は、ロータリエンコーダ7からのパルス信号Senc1、Senc2によって、操作ノブ3の回動操作の停止又は操作ノブ3の矢印A方向とは反対方向への回動操作を検出すると、電磁石21〜30へ印加する電圧を駆動電圧Vdに戻すようにするとよい。このように構成すれば、操作ノブ3の簡単な操作によってブレーキを解除させることができる。
また、この場合、ロータリスイッチ装置20のコントローラ4は、ロータリエンコーダ7からのパルス信号Senc1、Senc2によって、操作ノブ3の回動操作の停止又は操作ノブ3の矢印A方向とは反対方向への回動操作を検出すると、電磁石21〜30へ印加する電圧を駆動電圧Vdに戻すようにするとよい。このように構成すれば、操作ノブ3の簡単な操作によってブレーキを解除させることができる。
永久磁石6の周囲に配置する電磁石の数、及び永久磁石6の有する磁極の対数は、必要とする節度間隔に応じて適宜変更可能である。従って、永久磁石6の有する磁極の対数を増やして、電磁石の数を少なくすれば、コントローラ4の通電制御を簡素化できる。
図面中、1はロータリスイッチ装置(節度装置)、3は操作ノブ(操作部材)、4はコントローラ(節度制御手段)、6は永久磁石(回動部材)、6aはS極(磁極)、6bはN極(磁極)、7はロータリエンコーダ(位置検出手段、変位検出手段)、8〜11は電磁石、20はロータリスイッチ装置(節度装置)、21〜30は電磁石を示す。
Claims (5)
- 回動操作可能に設けられた操作部材と、
前記操作部材と連動して回動される一対の磁極を有する回動部材と、
前記回動部材の前記磁極の回動軌跡に沿うように設けられた複数の電磁石と、
前記複数の電磁石に対する電流通電方向や通電量などが定められた節度用の通電パターンを有し、当該節度用の通電パターンでの前記複数の電磁石に対する通電制御により、当該複数の電磁石の少なくとも一つと前記回動部材との間に電磁力を作用させて前記操作部材の操作に節度を与える節度制御手段とを備えて構成されることを特徴とする節度装置。 - 前記節度制御手段における前記節度用の通電パターンは変更可能であることを特徴とする請求項1記載の節度装置。
- 前記操作部材の回動位置を検出する位置検出手段を備え、
前記節度制御手段は、前記位置検出手段による前記操作部材の回動位置検出結果に応じて前記節度用の通電パターンを変更することを特徴とする請求項1記載の節度装置。 - 前記節度制御手段は、前記節度用の通電パターンに比して通電量を大きく設定したストッパ用の通電パターンを有し、前記複数の電磁石のうち、所定の電磁石に対して当該ストッパ用の通電パターンで通電制御することを特徴とする請求項1記載の節度装置。
- 前記操作部材の所定方向への所定回動角度範囲を検出する変位検出手段を備え、
前記節度制御手段は、前記操作部材が前記所定方向へ回動操作されて所定回動角度範囲を超えるまでは、前記回動部材の前記磁極が遭遇する電磁石の少なくとも一つに対して前記節度用の通電パターンで通電し、それ以後の前記所定方向への回動において遭遇する電磁石に対しては前記ストッパ用の通電パターンで通電し、前記所定方向とは逆方向へ前記操作部材が回動されるか又は前記操作部材の回動が停止されると当該ストッパ用の通電パターンでの通電を停止することを特徴とする請求項4記載の節度装置。
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