JP2007309123A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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栄一 神山
Daisuke Akihisa
大輔 秋久
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Abstract

【課題】可変圧縮比内燃機関において、ピストンの頂面へのカーボンの堆積に起因する騒音の発生を抑制する技術を提供する。
【解決手段】ピストンの頂面に堆積したカーボンが燃焼室天井面に衝突するカーボンスタンプが発生している場合には(S102)、圧縮比を低下させる(S103)。その後、ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去する制御を行う(S104)。また、ノッキングが発生している場合には(S105)、点火遅角処理によりノッキングを低減させる(S106)。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の圧縮比を変更する機能を有する可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的とした、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを、気筒の軸線方向に相対移動させることで燃焼室の容積を変更し、以て内燃機関の圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、コンロッドを2分割し、クランクシャフトに連結された方のコンロッドに所定の揺動中心を中心に揺動可能な揺動部材を連結し、前記揺動中心がカム軸を回転させることによって移動することで燃焼室の容積及びピストンのストロークを変更し、以って内燃機関の圧縮比を変更する技術も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
上記の技術においては、燃焼室の容積がシリンダ軸線方向に変化することで圧縮比が変化するので、前記内燃機関の圧縮比を高く設定した場合には、燃焼室の高さが減少して圧縮上死点におけるピストンの頂面と燃焼室天井面との距離が短くなる。そして、ピストンの頂面にカーボンが堆積した状態においては、ピストンの頂面に堆積したカーボンと燃焼室の天井面あるいは燃焼室の天井面に配設された部材とが圧縮上死点近傍において衝突する場合があった(これを「カーボンスタンプ」と呼ぶ。)。このことが、前記内燃機関の騒音の原因となる場合があった。
特開2003−206771号公報 特開2001−317383号公報 特開2005−180303号公報 実開平3−95025号公報 特開平11−50857号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、可変圧縮比内燃機関において、ピストンの頂面にカーボンが堆積したことに起因する騒音の発生を抑制する技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、ピストンの頂面に堆積したカーボンが圧縮上死点において燃焼室の天井面または燃焼室の天井面に配設された部材に衝突している場合に、圧縮比を低下させることを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関の燃焼室の容積および/またはピストンのストロークを変更することによって前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
前記内燃機関の圧縮上死点近傍において、前記ピストンの頂面に堆積したカーボンが前記燃焼室の天井面または前記燃焼室の天井面に配設された部材に衝突していることを検出するカーボンスタンプ検出手段と、
を備え、
前記カーボンスタンプ検出手段により、前記内燃機関の圧縮上死点近傍において、前記
ピストンの頂面に堆積したカーボンが前記燃焼室の天井面または前記燃焼室の天井面に配設された部材に衝突していることが検出された場合には、前記可変圧縮比機構によって前記内燃機関の圧縮比を低下させることを特徴とする。
そうすれば、ピストンの頂面に堆積したカーボンが燃焼室の天井面あるいは天井面に配設された部材に衝突している場合には、圧縮上死点におけるピストンの頂面と燃焼室の天井面との距離を増大させることができ、前記カーボンと前記天井面または天井面に配設された部材との衝突を抑制することができる。
ここで、前記カーボンスタンプ検出手段は、圧縮上死点において燃焼室で発生している振動または衝撃を検出し、その周波数や発生タイミングから前記カーボンと前記天井面または天井面に配設された部材との衝突を検出する手段としてもよい。またここで、燃焼室の天井面に配設された部材としては、点火栓、筒内噴射用燃料噴射弁、各種センサ等を例示することができる。
また、本発明においては、前記ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去するカーボン除去手段をさらに備え、
前記カーボンスタンプ検出手段により、前記内燃機関の圧縮上死点近傍において、前記ピストンの頂面に堆積したカーボンが前記燃焼室の天井面または前記燃焼室の天井面に配設された部材に衝突していることが検出された場合には、前記可変圧縮比機構によって前記内燃機関の圧縮比を低下させるとともに、前記カーボン除去手段によって前記ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去するようにしてもよい。
前述のように、ピストンの頂面に堆積したカーボンと燃焼室の天井面または燃焼室の天井面に配設された部材とが衝突していることが検出された場合には、圧縮比を低下することで取りあえずの騒音の発生は回避することができる。本発明においては、これに加えて、ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去する制御を行うこととした。
そうすれば、ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去できるので、該カーボンが燃焼室の天井面または燃焼室の天井面に配設された部材に衝突することをより確実に抑制できる。その結果、ピストンの頂面に堆積したカーボンに起因する騒音をより確実に抑制することができる。また、ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去できるので、除去後は圧縮比の制限を解除し、もとの高圧縮比の状態に戻すことができる。
ここで、カーボン除去手段は、例えば内燃機関における点火時期を進角する制御や、混合気の空燃比をリーンとする制御を行うことにより軽度のノッキングを発生させて、ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去するようにしてもよい。また、内燃機関における点火時期を進角する制御と、混合気の空燃比をリーンとする制御の両方を行うことにより、ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去するようにしてもよい。内燃機関における点火時期を進角させる制御を行った場合には、燃焼室における筒内圧が増加する状態で燃焼を生じさせることができ、軽度のノッキングを発生させることができる。一方、内燃機関の混合気の空燃比をリーンにすれば、燃料の気化熱による冷却効果が抑制されるために筒内の温度が上昇する。これにより軽度のノッキングを発生させることができる。あるいは、同じ燃料噴射量に対する吸入空気量を増加させて空燃比をリーンとした場合には、筒内圧を上昇させることができ、軽度のノッキングを発生させることができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、可変圧縮比内燃機関において、ピストンの頂面にカーボンが堆積したことに起因する騒音の発生を抑制することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
以下に説明する内燃機関1は、可変圧縮比内燃機関であり、シリンダ2を有するシリンダブロック3を、ピストンが連結されたクランクケース4に対してシリンダ2の中心軸方向に移動させることによって圧縮比を変更するものである。
先ず、図1を用いて、本実施例に係る可変圧縮比機構の構成について説明する。図1に
示されるように、シリンダブロック3の両側下部に複数の***部が形成されており、この各***部にカム収納孔5が形成されている。カム収納孔5は、円形をしており、シリンダ2の軸方向に対して直角に、かつ複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。カム収納孔5はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側のカム収納孔5の一対の軸線は平行である。
クランクケース4には、上述したカム収納孔5が形成された複数の***部の間に位置するように、立壁部が形成されている。各立壁部のクランクケース4外側に向けられた表面には、半円形の凹部が形成されている。また、各立壁部には、ボルト6によって取り付けられるキャップ7が用意されており、キャップ7も半円形の凹部を有している。また、各立壁部にキャップ7を取り付けると、円形の軸受収納孔8が形成される。軸受収納孔8の形状は、上述したカム収納孔5と同一である。
複数の軸受収納孔8は、カム収納孔5と同様に、シリンダブロック3をクランクケース4に取り付けたときにシリンダ2の軸方向に対して直角に、且つ、複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。これらの複数の軸受収納孔8も、シリンダブロック3の両側に形成されることとなり、片側の複数の軸受収納孔8はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側の軸受収納孔8の一対の軸線は平行である。また、両側のカム収納孔5の間の距離と、両側の軸受収納孔8との間の距離は同一である。
交互に配置される二列のカム収納孔5と軸受収納孔8には、それぞれカム軸9が挿通される。カム軸9は、図1に示されるように、軸部9aと、軸部9aの中心軸に対して偏心
された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、カム部9bと同一外形を有し軸部9aに対して回転可能に取り付けられた可動軸受部9cとを有し、カム軸9bと可動軸受部9cとが交互に配置されている。一対のカム軸9は鏡像の関係を有している。また、カム軸9の端部には、後述するギア10の取り付け部9dが形成されている。軸部9aの中心軸と取り付け部9dの中心とは偏心しており、カム部9bの中心と取り付け部9dの中心とは一致している。
可動軸受部9cも、軸部9aに対して偏心されておりその偏心量はカム部9bと同一である。また、各カム軸9において、複数のカム部9bの偏心方向は同一である。また、可動軸受部9cの外形は、カム部9bと同一直径の正円であるので、可動軸受部9cを回転させることで、複数のカム部9bの外表面と複数の可動軸受部9cの外側面とを一致させることができる。
各カム軸9の一端にはギア10が取り付けられている。一対のカム軸9の端部に固定さ
れた一対のギア10には、それぞれウォームギア11a、11bがかみ合っている。ウォームギア11a、11bは単一のモータ12の一本の出力軸にとりつけられている。ウォームギア11a、11bは、互いに逆方向に回転する螺旋溝を有している。このため、モータ12を回転させると、一対のカム軸9は、ギア10を介して互いに逆方向に回転する。モータ12は、シリンダブロック3に固定されており、シリンダブロック3と一体的に移動する。
次に、上述した構成の内燃機関1において圧縮比を制御する方法について詳しく説明する。図2(a)から図2(c)にシリンダブロック3と、クランクケース4と、これら両者の間に構築されたカム軸9との関係を示した断面図を示す。図2(a)から図2(c)において、軸部9aの中心軸をa、カム部9bの中心をb、可動軸受部9cの中心をcとして示す。図2(a)は、軸部9aの延長線上から見て全てのカム部9b及び可動軸受部9cの外周が一致した状態である。このとき、ここでは一対の軸部9aは、カム収納孔5及び軸受収納孔8の中で外側に位置している。
図2(a)の状態から、モータ12を駆動して軸部9aを矢印方向に回転させると、図2(b)の状態となる。このとき、軸部9aに対して、カム部9bと可動軸受部9cの偏心方向にずれが生じるので、クランクケース4に対してシリンダブロック3を上死点側にスライドさせることができる。そして、そのスライド量は図2(c)のような状態となるまでカム軸9を回転させたときが最大となり、カム部9bや可動軸受部9cの偏心量の2倍となる。カム部9b及び可動軸受部9cは、それぞれ軸受収納孔8及びカム収納孔5の内部で回転し、それぞれ軸受収納孔8及びカム収納孔5の内部で軸部9aの位置が移動するのを許容している。
上述したような機構を用いることによって、シリンダブロック3をクランクケース4に対して、シリンダ2の軸線方向に相対移動させることが可能となり、圧縮比を可変制御することができる。なお、上記で説明した構成は本実施例における可変圧縮比機構に相当する。
次に、図3を用いて、内燃機関1における圧縮比を可変範囲の最高圧縮比付近に設定した状態について考える。図3には、この状態における内燃機関1の燃焼室付近の詳細について示す。ここで、圧縮比を可変範囲の最高圧縮比付近とした状態は、シリンダブロック3がクランクケース4に対して接近した状態であるので燃焼室の高さが最低に近くなった状態である。一方、内燃機関1のピストン15においては、燃焼によって生じたカーボンが頂面に付着しこれが堆積する場合がある。そうすると、圧縮比を高く設定した場合に、ピストン15に堆積したカーボンが燃焼室20の天井面20aに衝突する場合がある。その結果、内燃機関1においてこれに起因する騒音が発生する場合がある。
そこで、本実施例においては、シリンダブロック3に加速度センサ25を備えるようにし、振動または衝撃を検出することにより、ピストン15に堆積したカーボンが燃焼室20の天井面20aに衝突しているかどうかを判定することとした。そして、ピストン15に堆積したカーボンが燃焼室20の天井面20aに衝突していると判定された場合には、圧縮比を低下させることとした。なお、本実施例では加速度センサ25の出力信号はECU30に入力されるとともに、ECU30からの信号によってモータ12が作動し、圧縮比が変更されるようになっている。
図4には、本実施例におけるカーボンスタンプ防止ルーチンを示す。本ルーチンはECU30のROMに記憶されたプログラムであり、内燃機関1の稼動中はECU30によって所定期間毎に実行される。
本ルーチンが実行されるとまずS101において振動または衝撃が加速度センサ25によって取得される。具体的には加速度センサ25の出力信号がECU30に入力される。S101の処理が終了するとS102に進む。
S102においては、S101で取得された振動または衝撃のデータより、カーボンスタンプが発生しているかどうかが判定される。ここでカーボンスタンプが発生しているかどうかの判定方法については、S101で取得された振動または衝撃の振幅及び周波数がカーボンスタンプ発生時に特有のものかどうかによって判定する。この方法の詳細については後述する。S102においてカーボンスタンプが発生していると判定された場合にはS103に進む。一方、カーボンスタンプが発生していないと判定された場合にはS105に進む。
S103においては、圧縮比の変更制御に用いられる、内燃機関1の運転状態と圧縮比との関係を格納したマップを、通常時マップから、上限圧縮比が制限されたカーボンスタンプ時マップに変更される。そうすると、同じ運転状態において取り得る圧縮比の最大値が低くなるので、結果として圧縮比が低下する。S103の処理が終了するとS104に進む。
S104においては、ピストン15の頂面に堆積したカーボンを除去する処理が実行される。具体的には、燃焼室20における点火時期が進角される。そうすると、混合気の点火時期がピストン15が上昇しているタイミングと合致し、燃焼前の混合気の燃焼室内における圧力上昇を急峻にすることができる。その結果軽度のノッキングを発生させることができる。この軽度のノッキングによってピストン15の頂面に堆積したカーボンを除去する。S104の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
なお、S104においては、燃焼室20における混合気の空燃比をリーンとする制御を行うことにより軽度のノッキングを発生させて、ピストン15の頂面に堆積したカーボンを除去するようにしてもよい。内燃機関1の混合気の空燃比をリーンにすれば、燃料の気化熱による冷却効果が抑制されるために筒内の温度が上昇する。また、同じ燃料噴射量に対する吸入空気量を増加させて空燃比をリーンとした場合には筒内圧が上昇する。これらの効果により、軽度のノッキングを発生させることができる。さらに、内燃機関1における点火時期を進角する制御と、混合気の空燃比をリーンとする制御の両方を行うようにしてもよい。そうすれば、より確実に、軽度のノッキングを発生させて、ピストン15の頂面に堆積したカーボンを除去することができる。
一方、S105においては、ノッキングが発生しているかどうかが判定される。具体的には加速度センサ25によってさらに振動または衝撃のデータを取得し、取得された振動または衝撃のタイミング、周波数がノッキング特有のものかどうかによって判定される。このノッキング発生の判定については公知の技術であるので詳細な説明は省略する。ここでノッキングが発生していないと判定された場合には本ルーチンをそのまま一旦終了する。ノッキングが発生していると判定された場合には、S106に進む。
S106においては、燃焼室20における点火時期の遅角処理が実行される。そうすると、S104における処理の逆の効果によりノッキングが抑制される。S106の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
次に、上記のS102においてカーボンスタンプが発生しているかどうかを判定する方法について図5及び図6を用いて説明する。図5には、燃焼室20における燃焼圧の変化と振動または衝撃のデータサンプリングのための時間ウィンドウについて示す。燃焼室における燃焼はTDCの後のタイミングで終了するため、燃焼圧はTDCの後に極大値を迎
える。そして、振動または衝撃データのサンプリングはTDCと同期して行われる。
ここで、カーボンスタンプによる振動または衝撃は必ずTDC近傍で発生する。これに対し、ノッキングによる振動または衝撃は、燃焼圧の極大時付近に発生する場合が多い。さらに、プレイグなどの異常燃焼による振動または衝撃は、TDCの前のタイミングで生じることが多い。すなわち、振動または衝撃データのサンプリングをTDCと同期して行うことにより、ノッキングやプレイグの振動または衝撃とカーボンスタンプによる振動または衝撃とを分離することが可能となる。
なお、この振動データのサンプリングの時間ウィンドウについては、図中Aで示す矩形ウィンドウであってもよいし、三角関数や図中Bで示すハニングウィンドウであってもよい。
図6には、取得した振動または衝撃のデータからカーボンスタンプが発生しているかどうかを判定する処理について示す。図の左端に示すように、加速度センサ25で得られた信号はまず周波数フィルタ50を通過することにより、特定周波数の振動のみが取り出される。ここで、通常ノッキングによって発生する振動または衝撃の周波数は7KHz〜10KHzであり、カーボンスタンプにより発生する振動または衝撃はより低い周波数である。従って、ここで周波数フィルタ50の周波数ウィンドウを適当に設定することにより、より確実にノッキングによる振動または衝撃とカーボンスタンプによる振動または衝撃とを区別することができる。
次に図5に示したデータサンプリングの時間ウィンドウ内の振動または衝撃データのみが時間ウィンドウ回路51によって取り出される。これによりTDCにおける特定周波数の信号のみが取り出されることとなる。
次に、スタンプ判定回路52により、前述の時間ウィンドウ内の振動または衝撃データ信号の振幅が所定の閾値より大きいかどうかが判定される。ここで振動または衝撃データ信号の振幅が閾値より大きい場合には、カーボンスタンプが発生していると判断され、カーボンスタンプフラグがONされる。振動または衝撃データ信号の振幅が閾値以下の場合には、カーボンスタンプは発生していないと判断され、カーボンスタンプフラグがOFFされる。なお、上記の振幅の閾値については予め実験的に求めておいてもよい。
以上、説明したように、本実施例においては、シリンダブロック3に設けられた加速度センサ25の出力からカーボンスタンプが発生しているかどうかを判定し、カーボンスタンプが発生していると判定された場合には圧縮比を低下させることとしている。これによりカーボンスタンプを即座に抑制することができる。さらに、本実施例においては、その後内燃機関1における点火時期を進角させることにより軽度のノッキングを一時的に発生させ、ピストン15の頂面に堆積したカーボンを除去することとしている。これにより、カーボンスタンプの原因を除去することができる。
さらに、カーボンスタンプが発生しているかどうかの判定においては、振動または衝撃データをTDC近傍からサンプリングし、さらにカーボンスタンプ特有の周波数帯の信号のみを取り出して、その振幅により判定しているので、より正確に、カーボンスタンプの発生の判定を行うことができる。
なお、上記のカーボンスタンプ防止ルーチンにおいてS101及びS102の処理を実行するECU30及び加速度センサ25は、本実施例におけるカーボンスタンプ検出手段を構成する。また、S104の処理を実行するECU30は、本実施例におけるカーボン除去手段に相当する。
また、上記のカーボンスタンプ防止ルーチンのS103の処理では、圧縮比の変更制御に用いられる、内燃機関1の運転状態と圧縮比との関係を格納したマップを、通常時マップから、上限圧縮比が制限されたカーボンスタンプ時マップに変更することによって結果的に圧縮比を低下させた。しかし、カーボンスタンプが発生していると判定された場合に圧縮比を低下させる方法はこれに限られない。
例えば予め定められた一定の圧縮比となるように一律に低下させてもよいし、シリンダブロック3とクランクケース4とをその時点の状態から一定の距離だけ一律に離反させるようにしてもよい。シリンダブロック3とクランクケース4とを一定の距離だけ一律に離反させる場合の移動距離は1.5mm程度としてもよい。ピストン15の頂面へのカーボンの堆積量は一般に1.2mm程度が最大と言われているからである。
また、上記のカーボンスタンプ防止ルーチンでは、S104の処理においてピストン15の頂面に堆積したカーボンを除去する処理を行っているが、この処理は別ルーチンにおいて別タイミングで行うようにしてもよい。例えば内燃機関1の始動時や、機関回転数が低下した時に行ってもよい。そうすれば、軽度のノッキングが発生することにより内燃機関1の運転性能に万が一に影響が及ぶことを抑制できる。
さらに上記のカーボンを除去する処理は必ずしも実行する必要はない。ピストン15に所定量以上のカーボンが堆積した場合には自動的に剥がれ落ちることが多いからである。従って、カーボンスタンプが発生していると判定された場合に、圧縮比を低下する制御だけでも、充分に騒音の抑制効果がある。
また、上記において加速度センサ25はシリンダ毎に複数個設けるようにし、シリンダ毎に独立にカーボンスタンプ防止ルーチンを実施してもよい。
次に、本発明における実施例2について説明する。本実施例においてはカーボンスタンプが発生している場合の他、カーボンスタンプ自体は発生していないが、カーボンがピストン15の頂面に堆積しているために燃焼室20の容積が相対的に減少し、ノッキングが生じ易くなっている状態を判定し、そのような場合にも、ピストン15の頂面に堆積したカーボンを除去する制御について説明する。
図7には、本実施例におけるカーボンスタンプ防止ルーチン2のフローチャートを示す。本ルーチンと、実施例1で説明したカーボンスタンプ防止ルーチンとの相違点は、S105の処理の後に、S201の処理が付加された点である。ここでは、本ルーチンと実施例1で説明したカーボンスタンプ防止ルーチンとの相違点についてのみ説明する。
S201では、S105においてノッキングが発生していると判定された場合に、このノッキングが正常な圧縮比範囲で発生しているかどうかが判定される。すなわち、一般的に負荷が高い運転状態ほど、また圧縮比が高い状態ほどノッキングが生じ易いと言えるので、内燃機関の運転状態が決まれば、その運転状態に対してノッキングが生じ易い圧縮比範囲を特定することができる。そして、S201においては、S105で発生していると判定されたノッキングが、ノッキングが生じ易いと考えられる圧縮比範囲において発生したものかどうかが判定される。
ここで、S105で発生していると判定されたノッキングが、ノッキングが生じ易い圧縮比範囲において発生したと判定された場合には、一般的なノッキングと考えられるのでそのままS106に進む。一方、S105で発生していると判定されたノッキングが、ノ
ッキングが生じ易い圧縮比範囲以外の圧縮比において発生したと判定された場合には、カーボンスタンプは発生していないが、ピストン15の頂面にカーボンが堆積し、燃焼室20の容積が相対的に小さくなっていると判断されるのでS104に進み、カーボン除去のための処理が実行される。
以上、説明したように、本実施例においては、カーボンスタンプ自体が発生していなくても、ピストン15の頂面にカーボンが堆積することにより、通常ノッキングが発生しないような圧縮比でノッキングが発生していると判断された場合には、カーボン除去のための処理を行うこととした。
そうすれば、カーボンスタンプの発生の予兆が現れた時点でカーボンを除去できるので、より確実にカーボンスタンプの発生を抑制することができる。
なお、上記の実施例においては、カム軸を回転させることによって、シリンダブロックをクランクケースに対して相対移動させる構成を例にとって説明した。しかし本発明を適用する構成は上記に限られるものではない。例えば、コンロッドを2分割し、クランクシャフトに連結された方のコンロッドに所定の揺動中心を中心に揺動可能な揺動部材を連結し、前記揺動中心がカム軸を回転させることによって移動することで燃焼室の容積及びピストンのストロークを変更する構成に対して本発明を適用してもよい。
本発明の実施例に係る内燃機関の概略構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施例に係る内燃機関におけるシリンダブロックがクランクケースに対して相対移動する経過を示す断面図である。 本発明の実施例に係る内燃機関の燃焼室付近の詳細を示す図である。 本発明の実施例1に係るカーボンスタンプ防止ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施例に係るカーボンスタンプの発生を判定するための振動または衝撃信号の取得方法を説明する図である。 本発明の実施例に係る振動または衝撃信号の処理について説明するための図である。 本発明の実施例2に係るカーボンスタンプ防止ルーチン2のフローチャートを示す図である。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・シリンダ
3・・・シリンダブロック
4・・・クランクケース
9・・・カム軸
10・・・ギア
11a、11b・・・ウォームギア
12・・・モータ
15・・・ピストン
20・・・燃焼室
20a・・・燃焼室天井面
25・・・加速度センサ
30・・・ECU
50・・・周波数フィルタ
51・・・時間ウィンドウ回路
52・・・スタンプ判定回路

Claims (3)

  1. 内燃機関の燃焼室の容積および/またはピストンのストロークを変更することによって前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
    前記内燃機関の圧縮上死点近傍において、前記ピストンの頂面に堆積したカーボンが前記燃焼室の天井面または前記燃焼室の天井面に配設された部材に衝突していることを検出するカーボンスタンプ検出手段と、
    を備え、
    前記カーボンスタンプ検出手段により、前記内燃機関の圧縮上死点近傍において、前記ピストンの頂面に堆積したカーボンが前記燃焼室の天井面または前記燃焼室の天井面に配設された部材に衝突していることが検出された場合には、前記可変圧縮比機構によって前記内燃機関の圧縮比を低下させることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去するカーボン除去手段をさらに備え、
    前記カーボンスタンプ検出手段により、前記内燃機関の圧縮上死点近傍において、前記ピストンの頂面に堆積したカーボンが前記燃焼室の天井面または前記燃焼室の天井面に配設された部材に衝突していることが検出された場合には、前記可変圧縮比機構によって前記内燃機関の圧縮比を低下させるとともに、前記カーボン除去手段によって前記ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記カーボン除去手段は、前記内燃機関における点火時期を進角させる制御および/または、前記内燃機関における混合気の空燃比をリーンにする制御により、前記ピストンの頂面に堆積したカーボンを除去することを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比内燃機関。
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