JP2007307873A - 発泡プラスチック成形品及びその製造方法。 - Google Patents
発泡プラスチック成形品及びその製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低強度部分、加飾を阻害する部分及び液体が進入するおそれが無く、木材の代替え品としても好適な発泡プラスチック成形品及びその製造方法を開発。
【解決手段】発泡層の外周面全体に無発泡のスキン層を設けると、断熱性、耐衝撃性、加工性などに優れる発泡プラスチックの特徴を有しながら、表面に低強度部分などの欠点が無くなる。発泡層の中間部に無発泡のスキン層を設けると成形品全体の強度及び剛性が向上し、釘を打った場合の抜け強度も向上する。
【選択図】 図2
【解決手段】発泡層の外周面全体に無発泡のスキン層を設けると、断熱性、耐衝撃性、加工性などに優れる発泡プラスチックの特徴を有しながら、表面に低強度部分などの欠点が無くなる。発泡層の中間部に無発泡のスキン層を設けると成形品全体の強度及び剛性が向上し、釘を打った場合の抜け強度も向上する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、外周全体を無発泡のスキン層で覆われた発泡プラスチック成形品に関する。
発泡プラスチックは、断熱性、耐衝撃性、防振性、遮音性、加工性などに優れるので、断熱材、包装材、建材などとして広く利用されている。しかし、強度や剛性が小さく、また加飾(転写・シルク印刷・オフセット印刷・ホットスタンプなど)に適さないという欠点がある。この欠点を改善するために発泡プラスチックシート(中心層)の表面及び裏面に無発泡プラスチックシートを接着し、両面に外層を形成した発泡プラスチック複合パネルが提案されている(特許文献1)。これは、発泡プラスチック原料と無発泡の外層材料をそれぞれ別々に調合し、それぞれ別々の押し出し成形機で中心層と外層とを別々にシート状に押し出し、直後に圧接して中心層と外層とを溶融接着するものである。この複合パネルは、表面及び裏面において、前記発泡プラスチックの欠点が改善されるほか、鋸切断、釘打ちが可能となるので、木材の代替え品として建材などとしての利用拡大が期待されるものである。
特開2002−322809
特許文献1の複合パネルは、中心層と外層とを別々に押し出し成形した後に溶融接着するものであるので、中心層と外層とが比較的はがれやすい。また、外層は表面及び裏面のみであり、側面は中心層の発泡プラスチックが露出しているので、当該部分から液体が侵入する、当該部分が壊れやすい、当該部分への加飾が阻害されるなどの問題点がある。
本発明は、低強度部分、加飾を阻害する部分及び液体が進入するおそれが無く、木材の代替え品としても好適な発泡プラスチック成形品、及びその製造方法を開発することを課題とする。
(請求項1)
本発明は、内部の発泡層と、その外周面全体を覆ったスキン層とからなり、該スキン層は前記発泡層と同一のプラスチック素材からなる無発泡の層となっていることを特徴とする発泡プラスチック成形品である。
本発明は、内部の発泡層と、その外周面全体を覆ったスキン層とからなり、該スキン層は前記発泡層と同一のプラスチック素材からなる無発泡の層となっていることを特徴とする発泡プラスチック成形品である。
(請求項2)
また本発明は、前記請求項1の発泡プラスチック成形品において、前記発泡層の中間部に、前記発泡層と同一のプラスチック素材からなる無発泡の中間層を形成したことを特徴とする発泡プラスチック成形品である。
また本発明は、前記請求項1の発泡プラスチック成形品において、前記発泡層の中間部に、前記発泡層と同一のプラスチック素材からなる無発泡の中間層を形成したことを特徴とする発泡プラスチック成形品である。
(請求項3)
また本発明は、プレス成形機のキャビティー内に発泡剤入りのプラスチック原料を射出するステップと、プレスによりキャビティーを圧縮して前記スキン層を形成するステップと、キャビティーを拡張させて前記発泡層を形成するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の発泡プラスチック成形品の製造方法である。
また本発明は、プレス成形機のキャビティー内に発泡剤入りのプラスチック原料を射出するステップと、プレスによりキャビティーを圧縮して前記スキン層を形成するステップと、キャビティーを拡張させて前記発泡層を形成するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の発泡プラスチック成形品の製造方法である。
(請求項4)
また本発明は、プレス成形機のキャビティー内に発泡剤入りのプラスチック原料を射出するステップと、プレスによりキャビティーを圧縮して前記スキン層を形成するステップと、キャビティーを拡張させて前記発泡層を形成するステップと、さらにプレスによりキャビティーを圧縮して前記中間層を形成するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の発泡プラスチック成形品の製造方法である。
また本発明は、プレス成形機のキャビティー内に発泡剤入りのプラスチック原料を射出するステップと、プレスによりキャビティーを圧縮して前記スキン層を形成するステップと、キャビティーを拡張させて前記発泡層を形成するステップと、さらにプレスによりキャビティーを圧縮して前記中間層を形成するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の発泡プラスチック成形品の製造方法である。
本発明におけるプラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニールアルコール、酢酸ビニール、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET、PETG)、ポリカーボネート、ナイロン樹脂、アイオノマー樹脂、アクリル樹脂、AS樹脂、AN樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ乳酸樹脂、その他成形可能なプラスチックである。さらに、廃プラスチック、例えば容器リサイクル法による一般廃棄物中のその他のプラスチックに該当する廃棄物を原料とすることもできる。廃プラスチックを用いることで、プラスチックのリサイクルに貢献できる。
本発明発泡プラスチック成形品の形状は、プレス射出成形により成形可能であれば特に制限はないが、例えば、長さ10〜5000mm、幅10〜5000mm、厚さ200mm以内の板状又は棒状とすることができる。
発泡層の密度は、完成品の容積に対して供給する発泡剤の量を調整することで任意に調整することができる。供給する発泡剤を多くするほど気泡比率が多くなり、密度が小さくなる。
スキン層は無発泡の層であるが、発泡が皆無である必要は必ずしも無く、気泡比率が5体積%以下程度であればほぼその目的を達成できる。スキン層の厚さは0.1〜20mm程度とすることができる。
スキン層は、プレス成形機のキャビティー内に発泡剤入りのプラスチック原料を射出した後、プレスによりキャビティーを圧縮することにより形成できる。この場合のプレス圧力は12〜18MPa程度が好適である。この状態でしばらく保持すると、プラスチックが外側から硬化し、外側部分がスキン層としてほぼ硬化する。この際、キャビティーの温度を調整することでスキン層の厚さを調整できる。すなわち、キャビティー温度急冷するほどスキン層が厚くなり、徐冷するとスキン層が薄くなる。その後、キャビティーを拡張させると、まだ硬化してないプラスチックの中心部分が膨張して発泡層となる。この状態で保持し、プラスチックを完全に硬化させると、前記請求項1の発泡プラスチック成形品となる。
キャビティーを拡張させた状態でしばらく保持し、プラスチックの中心部がまだ完全に硬化しないうちに再びキャビティーをプレスにより圧縮すると、発泡層の中間部分に中間層が形成される。拡張状態で保持する時間を長くするほど中間層が薄く形成される。
中間層は無発泡の層であるが、発泡が皆無である必要は必ずしも無く、気泡比率が5体積%以下程度であればほぼその目的を達成できる。中間層の厚さは0.1〜2mm程度とすることができる。
本発明の発泡プラスチック成形品は、外周面全体が無発泡のスキン層となっていて、発泡層が表面に全く露出していないので、断熱性、耐衝撃性、防振性、遮音性、加工性などに優れるという発泡プラスチックの特徴を有しながら、表面に低強度部分、加飾を阻害する部分がなく、ブロック内部に液体が侵入するおそれも全くないので、損傷を受けにくく、劣化しにくい。また、射出プレス成形で完全に一体成形されることにより、発泡層とスキン層がはがれることもない。
中間層を形成すると、成形品全体の強度及び剛性が向上し、釘を打った場合の抜け強度が向上するため、木材の代替え品としてさらに好適なものとなる。
図1は実施例の発泡プラスチック成形品1の斜視図、図2は発泡プラスチック成形品1の断面図である。発泡プラスチック成形品1は、外面全体(上面、下面、左右側面、前面及び後面)が厚さ約2mmのスキン層3(気泡比率0体積%)となっており、その内部が気泡比率約50体積%の発泡層2となっている。
発泡プラスチック成形品1は、例えば図4に示すようなプレス成形機5によってプレス成形される。これは、いわゆる傾斜プレス式プレス成形機で、金型(上金型7、下金型6)、加圧シリンダ9、センサ(図示せず)などからなり、上金型7と下金型6の間の空間がキャビティー8となっている。上金型7及び下金型6は冷却水により温度制御されるもので、下金型6の中央部には原料の注入口が設けられている。加圧シリンダ9は油圧式で、上金型7を上下動すると共に、キャビティー8内の原料を加圧する。また、センサで上金型の高さ及び傾きが検知され、制御装置(図示せず)が左右のシリンダの動作を制御して上金型を上下動させる。このようなプレス成形機は、例えば、特許第2951944号公報に開示されている。なお、本発明におけるプレス成形機は傾斜プレス式に限るものではない。
発泡プラスチック成形品1の原料として、廃プラスチックを用いた。容器リサイクル法による一般廃棄物中のその他のプラスチックに該当する廃棄物を水による比重分離で分別し、比重1.0以下で、ポリオレフィンを70重量%以上含む廃プラスチックを得た。これに発泡剤(永和化学工業株式会社 ポリスレン EV−405D)を3重量%加えた原料を溶融混練機(図示せず)で溶融・混練し、これをリザーバー(図示せず)からプレス成形機5のキャビティー8内に射出する。このとき、上金型7は浮動状態としておくことが望ましく(原料がキャビティー内に射出されやすいように)、上金型の位置は任意の位置でよい。本実施例の場合、上金型の当初の位置はキャビティー8の高さが12mmとなる位置とした。キャビティー8内に原料を射出するにつれて上金型7が上昇し、射出終了時のキャビティー8の高さは15mmであった。次に、加圧シリンダ9を作動してキャビティー8の高さが10.5mmとなるまで上金型7を下降させ、キャビティー内の原料をプレスし、スキン層3を形成した。このときの圧力は15MPaであった。この状態で約10秒間保持し、その後、キャビティー8の高さが15mmとなるまで上金型7を上昇させてキャビティーの容積を拡張させ、発泡層2を形成し、この状態でキャビティー内の原料が完全に硬化するまで冷却した後、成形機1から取り出して、収縮後の厚さが15mmの板状の発泡プラスチック成形品1を得た。
図3は実施例の発泡プラスチック成形品1’の断面図である。発泡プラスチック成形品1’は外面全体(上面、下面、左右側面、前面及び後面)が厚さ約2mmのスキン層3(気泡比率0体積%)となっており、その内部が気泡比率約50体積%の発泡層2となっている。さらに、発泡層2の中間部に厚さ約1mmの中間層(気泡比率0体積%)が形成されている。
発泡プラスチック成形品1’の原料は、前記発泡プラスチック成形品1と同じものを使用した。原料を溶融混練機(図示せず)で溶融・混練し、これをリザーバー(図示せず)からプレス成形機5のキャビティー8内に射出する。このとき、上金型7は浮動状態とし、キャビティー8の高さは当初12mmで、キャビティー8内に原料を射出するにつれて上金型7が上昇し、射出終了時のキャビティー8の高さは15mmであった。次に、加圧シリンダ9を作動してキャビティー8の高さが10.5mmとなるまで上金型7を下降させ、キャビティー内の原料をプレスし、スキン層3を形成した。このときの圧力は15MPaであった。この状態で約10秒間保持し、その後、キャビティー8の高さが15mmとなるまで上金型7を上昇させてキャビティーの容積を拡張させ、発泡層2を形成し、この状態で約15秒間保持した。その後、キャビティー8の高さが13mmとなるまで再び上金型7を下降させて原料をプレスし、中間層4を形成した。このときの圧力は15MPaであった。この状態でキャビティー内の原料が完全に硬化するまで冷却した後、成形機1から取り出して収縮後の厚さが13mmの板状の発泡プラスチック成形品1’を得た。
本発明の発泡プラスチック成形品は、断熱材、緩衝材などとして利用できるほか、損傷、劣化しにくいので、電気製品その他種々の機器の梱包材として利用するのに好適である。また、木材の代替え品として建材、家具用材料などとしても利用できる。
1 発泡プラスチック成形品
1’ 発泡プラスチック成形品
2 発泡層
3 スキン層
4 中間層
5 プレス成形機
6 下金型
7 上金型
8 キャビティー
9 加圧シリンダ
1’ 発泡プラスチック成形品
2 発泡層
3 スキン層
4 中間層
5 プレス成形機
6 下金型
7 上金型
8 キャビティー
9 加圧シリンダ
Claims (4)
- 内部の発泡層と、その外周面全体を覆ったスキン層とからなり、該スキン層は前記発泡層と同一のプラスチック素材からなる無発泡の層となっていることを特徴とする発泡プラスチック成形品。
- 請求項1の発泡プラスチック成形品において、前記発泡層の中間部に、前記発泡層と同一のプラスチック素材からなる無発泡の中間層を形成したことを特徴とする発泡プラスチック成形品。
- プレス成形機のキャビティー内に発泡剤入りのプラスチック原料を射出するステップと、プレスによりキャビティーを圧縮して前記スキン層を形成するステップと、キャビティーを拡張させて前記発泡層を形成するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の発泡プラスチック成形品の製造方法。
- プレス成形機のキャビティー内に発泡剤入りのプラスチック原料を射出するステップと、プレスによりキャビティーを圧縮して前記スキン層を形成するステップと、キャビティーを拡張させて前記発泡層を形成するステップと、さらにプレスによりキャビティーを圧縮して前記中間層を形成するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の発泡プラスチック成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006141855A JP2007307873A (ja) | 2006-05-22 | 2006-05-22 | 発泡プラスチック成形品及びその製造方法。 |
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JP2006141855A JP2007307873A (ja) | 2006-05-22 | 2006-05-22 | 発泡プラスチック成形品及びその製造方法。 |
Publications (1)
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JP2006141855A Pending JP2007307873A (ja) | 2006-05-22 | 2006-05-22 | 発泡プラスチック成形品及びその製造方法。 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010035903A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Techno Polymer Co Ltd | 樹脂製機枠部材及びその製造方法 |
JP2014083702A (ja) * | 2012-10-19 | 2014-05-12 | Mazda Motor Corp | 発泡樹脂成形体 |
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2006
- 2006-05-22 JP JP2006141855A patent/JP2007307873A/ja active Pending
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