JP2007306156A - カラー画像撮像方法及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの固体撮像素子を用いた撮像装置で高解像度のカラー画像を生成する。
【解決手段】撮像素子2の受光面には、シアン(Cy)、イエロー(Ye)の市松模様配列の色分離フィルタ4を配置する。例えば、レンズ10の前面には、グリーン(G)の単色フィルタ6を配置可能とする。単色フィルタ6は、フィルタ駆動機構14によって、撮像素子2への入射光路上に配置される装着状態と、当該光路上から退避された退避状態とを切り替え可能である。カラー撮像動作では、装着状態及び退避状態それぞれ1フレームずつの画像を撮像する。装着状態では各画素がG成分情報のみを表す単原色画像が得られる。退避状態ではCyとYeとが配列された補色画像が得られる。高解像度の単原色画像に基づいて輝度データを生成し、単原色画像及び補色画像を用いた演算により色差データを求める。
【選択図】図1
【解決手段】撮像素子2の受光面には、シアン(Cy)、イエロー(Ye)の市松模様配列の色分離フィルタ4を配置する。例えば、レンズ10の前面には、グリーン(G)の単色フィルタ6を配置可能とする。単色フィルタ6は、フィルタ駆動機構14によって、撮像素子2への入射光路上に配置される装着状態と、当該光路上から退避された退避状態とを切り替え可能である。カラー撮像動作では、装着状態及び退避状態それぞれ1フレームずつの画像を撮像する。装着状態では各画素がG成分情報のみを表す単原色画像が得られる。退避状態ではCyとYeとが配列された補色画像が得られる。高解像度の単原色画像に基づいて輝度データを生成し、単原色画像及び補色画像を用いた演算により色差データを求める。
【選択図】図1
Description
本発明は、高解像度のカラー撮像を取得する撮像方法及び撮像装置に関する。
CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子を用いてカラー画像を撮影可能な撮像装置として、単板式の構成と3板式の構成とが知られている。
単板式のカラー撮像装置は、1つの固体撮像素子を用いるもので、その固体撮像素子の受光面に色分離のためのカラーフィルタ(色分離フィルタ)が配置される。色分離フィルタは、光の三原色またはそれらの補色を有する複数のセグメントが所定の規則に従って配列され、固体撮像素子に行列配置された各受光画素を特定の色成分に対応付ける。近年では通常、この色分離フィルタは、固体撮像素子のチップ上に着色層を積層する、いわゆる、オンチップフィルタとして構成される。
色分離フィルタが配置された固体撮像素子の受光面には、被写体からの光がレンズ等の光学系を介して結像される。各受光画素には、その上に配置された色分離フィルタのセグメントの透過特性に応じた色成分の光が入射し、その受光量に応じた情報電荷が蓄積する。駆動回路は、固体撮像素子の動作を制御し、露光期間において各受光画素に情報電荷を蓄積させ、露光期間が終了すると、各受光画素に蓄積された情報電荷を画像信号として読み出す動作を行う。
固体撮像素子から出力された画像信号は、アナログ処理回路において、サンプルホールド、レベル補正等の処理を施された後、A/D(Analog-to-Digital)変換回路により1画素毎にデジタル変換され、画像データに変換される。
デジタル処理回路は、A/D変換回路から入力される画像データに対して色分離、マトリクス演算等の処理を施し、輝度情報を表す輝度データY及び色差情報を表す2種類の色差データU、Vを生成する。例えば、色分離によって生成される光の三原色、すなわち赤(レッド:R)、緑(グリーン:G)、青(ブルー:B)を0.3R+0.6G+0.1Bとして合成することで輝度データYが生成され、この輝度データYから赤色成分R及び青色成分Bをそれぞれ差し引くことによって色差データU、Vが生成される。
3板式のカラー撮像装置は、3つの固体撮像素子を用いる。被写体からの光は、プリズムによりRGB各成分光に分けられ、それぞれ1つの固体撮像素子の受光面に導かれる。これにより、3つの固体撮像素子それぞれからRGB各成分毎の3つの画像信号が得られる。これら固体撮像素子から出力された画像信号は、上述した単板式のカラー撮像装置と同様に画像データに変換される。デジタル処理回路は、RGB各画像データに基づいて、輝度データY、色差データU,Vを生成する。
特許第3475084号公報
3板式のカラー撮像装置は、単板式カラー撮像装置より高解像度を実現することが可能である反面、コストが高くなる、また、装置の小型化が制限されるといった問題がある。これに対し、単板式のカラー撮像装置は、比較的コストが低く、また、装置の小型化が容易であるが、色分離フィルタの効果によって解像度が比較的低くなることが問題となり得る。例えば、色分離フィルタを搭載した単板式カラー撮像素子の解像度は、同じ画素数で色分離フィルタを搭載しないモノクロ撮像素子より低くなる。その低下の程度は、色分離フィルタの配列に依存することが知られており、例えば、当該配列が原色縦ストライプ方式の場合の解像度は、モノクロ撮像素子の53〜57%、補色市松色差線順次方式の場合は、80〜85%になると言われている。
近年では、固体撮像素子の画素数の増加により、デジタルカメラなどでは広く単板式の構成が採用され、満足し得る解像度が得られている。その一方、撮像装置の中には、従来の単板式カラー撮像素子の解像度では不十分であると共に、上述の問題から3板式の構成を採用することが難しいという用途のものが存在する。例えば、書画カメラやイメージスキャナの用途の中には、A4サイズ等の比較的大きな画像を高精細に、かつカラーで読み込むことが要求される場合があり、このような場合に従来の単板式カラー撮像素子を用いた撮像装置では十分な解像度を提供できないという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、単板の固体撮像素子を用いて低コストで、かつ高解像度のカラー画像が得られるカラー画像撮像方法及び撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係るカラー画像撮像方法は、光の三原色に対する補色である第1乃至第3の補色のうち、それぞれ前記第1の補色と前記第2の補色との一方に対応した感度を有する2種類の受光画素が行列配置された固体撮像素子を用いる方法であって、被写体からの撮像目的光をそのままの色成分で前記固体撮像素子の前記各受光画素に照射して、当該固体撮像素子で撮像し補色画像を取得するステップと、前記撮像目的光を構成する前記光の三原色の各成分のうち前記第3の補色に対応する原色成分光を選択的に抽出して前記固体撮像素子の前記各受光画素に照射して、当該固体撮像素子で撮像し単原色画像を取得するステップと、前記補色画像及び前記単原色画像に対して所定の信号処理を施し、前記カラー画像を生成するステップと、を有する。
本発明に係る撮像装置は、光の三原色に対する補色である第1乃至第3の補色のうち、それぞれ前記第1の補色と前記第2の補色とに対応した感度を有する2種類の受光画素が行列配置された固体撮像素子と、前記光の三原色のうち前記第3の補色に対応する特定原色の光成分を選択的に透過する特定原色フィルタと、前記特定原色フィルタを、前記固体撮像素子の前記各受光画素に照射される光の光路上に配置した状態と配置しない状態とを切り替え可能なフィルタ駆動機構と、前記固体撮像素子及び前記フィルタ駆動機構の駆動を制御して、カラー画像の撮像時に、前記光路上に前記特定原色フィルタを配置せずに前記固体撮像素子で撮像し補色画像を取得する動作と、前記光路上に前記特定原色フィルタを配置して前記固体撮像素子で撮像し単原色画像を取得する動作とを行う駆動部と、前記補色画像及び前記単原色画像に対して所定の信号処理を施し、前記カラー画像を生成する信号処理部と、を有するものである。
他の本発明に係る撮像装置は、光の三原色に対する補色である第1乃至第3の補色のうち、それぞれ前記第1の補色と前記第2の補色とに対応した感度を有する2種類の受光画素が行列配置された固体撮像素子と、被写体に白色の照明光及び、前記光の三原色のうち前記第3の補色に対応する特定原色の照明光を切り替えて照射可能な光源と、前記固体撮像素子及び前記光源の駆動を制御して、カラー画像の撮像時に、前記被写体に前記白色の照明光を照射して前記固体撮像素子で撮像し補色画像を取得する動作と、前記被写体に前記特定原色の照明光を照射して前記固体撮像素子で撮像し単原色画像を取得する動作とを行う駆動部と、前記補色画像及び前記単原色画像に対して所定の信号処理を施し、前記カラー画像を生成する信号処理部と、を有するものである。
本発明に係るカラー画像撮像方法や撮像装置によれば、第3の補色に対応する原色(特定原色)の光は、固体撮像素子の第1の補色に感度を有する受光画素と第2の補色に感度を有する受光画素とのいずれにおいても検知される。この固体撮像素子に特定原色の光成分を選択的に入射することにより、全ての受光画素に同一の色成分に対応する情報電荷が蓄積される。従って、この場合はモノクロ撮像素子を用いて撮像した場合と同様となり、得られる単原色画像は解像度が高い画像となる。一方、特定原色フィルタを配置しない等により、固体撮像素子に入射する光の分光特性に制限を課さない状態では、第1の補色に感度を有する受光画素には、入射光のうち第1の補色成分に対応する情報電荷が蓄積され、第2の補色に感度を有する受光画素には、入射光のうち第2の補色成分に対応する情報電荷が蓄積される。つまり、補色画像は、第1の補色及び第2の補色についての画像情報を与える。この補色画像から得られる画像情報と上述の単原色画像から得られる特定原色についての画像情報とを組み合わせることで、例えば、画像上の各点での各色成分や色差データといった色情報を得ることができる。補色画像及び単原色画像を順次撮影し、それぞれの画像情報を組み合わせることで、1フレームのカラー画像信号を生成する。
本発明に係る上記撮像装置において、前記信号処理部は、前記単原色画像に基づいて前記カラー画像の輝度信号を生成し、前記補色画像及び前記単原色画像に基づいて前記カラー画像の色信号を生成することができる。
また本発明に係る上記撮像装置は、前記駆動部が、モノクロ画像の撮像時に、前記単原色画像を取得する動作を行い、前記信号処理部が、前記単原色画像に基づいて前記モノクロ画像の輝度信号を生成するように構成することができる。
本発明に係る上記撮像装置の好適な態様は、前記第1の補色及び前記第2の補色を、シアン及びイエローとし、前記特定原色を、グリーンとしたものである。
本発明によれば、補色画像及び単原色画像から得られる色情報と、単原色画像から得られる高解像度の画像情報とを組み合わせることで、1つの固体撮像素子で、高解像度のカラー画像の撮像が可能となる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る撮像装置は、カラー画像及びモノクロ画像を読み込み可能な書画カメラシステムであり、図1は、本撮像装置の概略の構成を示すブロック図である。本撮像装置は、撮像素子2、色分離フィルタ4、単色フィルタ6、光源8、レンズ10、駆動回路12、フィルタ駆動機構14、アナログ処理回路16、A/D変換回路18、デジタル処理回路20、タイミング制御回路22を含んで構成される。
図2は、撮像素子2の概略の構成を示すブロック図である。この撮像素子2は、フレーム転送方式のCCDイメージセンサであり、半導体基板表面に形成された撮像部2i、蓄積部2s、水平転送部2h及び出力部2dを備える。撮像部2i及び蓄積部2sは互いに列方向に互いの電荷転送チャネルが連続した垂直シフトレジスタからなり、撮像部2i及び蓄積部2sにはそれら垂直シフトレジスタが行方向(画像上の水平方向)に複数配列される。撮像部2iの垂直シフトレジスタの各ビットは、入射光に応じて情報電荷を発生し蓄積する受光画素を構成し、撮像部2iにはこの受光画素が行列配置される。蓄積部2sは遮光膜で覆われ、光の入射による電荷発生を防止されるので、撮像部2iからフレーム転送された情報電荷を基本的にそのまま保持することができる。水平転送部2hは水平シフトレジスタからなり、その各ビットは蓄積部2sの各電荷転送チャネルの出力端に接続され、ライン転送動作により蓄積部2sから出力される1行分の情報電荷を、出力部2dへ向けて水平方向に転送する。出力部2dは、水平転送部2hから出力される情報電荷を1ビット単位で電圧値に変換し、時系列の画像信号A0(t)として出力する。
色分離フィルタ4は、光の透過特性が異なる2種類のセグメントが所定の規則に従って配列されたものであり、撮像素子2の受光面に装着され、各セグメントはそれぞれ受光画素に対応して配置される。この色分離フィルタ4は、半導体基板に構成された撮像素子2のチップ上に着色層を積層する、いわゆる、オンチップフィルタとして構成することが可能である。
色分離フィルタ4を構成する2種類のセグメントは、特定の色成分を共通に透過するような色の組み合わせに設定される。例えば、2種類のセグメントは、光の三原色に対する3つの補色のうちの2つに対応した透過特性を有する。図2の撮像部2iには、本撮像装置で用いる色分離フィルタ4のセグメントの配列を示している。本撮像装置の色分離フィルタ4は、シアン(Cy)の色成分を透過するセグメントと、イエロー(Ye)の色成分を透過するセグメントとが市松模様に配列された構成を有する。Cyのセグメントを配置された受光画素は入射光のうちCy成分に感度を有する画素を構成し、またYeのセグメントを配置された受光画素は入射光のうちYe成分に感度を有する画素を構成する。
レンズ10は、色分離フィルタ4と被写体との間に配置され、被写体からの光を色分離フィルタ4を介して撮像素子2の受光面へ導く。
単色フィルタ6は、撮像素子2の各受光画素に照射される光の光路上に配置されるか否かを切り替え可能に構成される。例えば、単色フィルタ6は、スライド移動が可能なように構成され、レンズ10の前面の位置に挿入された状態(装着状態)と当該位置から退避した状態(退避状態)とを切り替えられる。
単色フィルタ6は、装着状態においては、色分離フィルタ4を介して撮像素子2の受光面へ入射される光を特定の色成分に制限する。その特定の色成分は、色分離フィルタ4の2種類のセグメントが共通に透過する色成分に設定される。例えば、色分離フィルタ4を2つの補色セグメントで構成する場合には、単色フィルタ6の色は、当該色分離フィルタ4に用いられていない残り1つの補色に対応する原色(特定原色)に設定される。本撮像装置で用いる色分離フィルタ4は上述のようにCy、Yeのセグメントで構成され、この場合、単色フィルタ6はGの色成分を透過するように構成される。
なお、装着状態では、撮像素子2の受光面全体に単色フィルタ6の透過光が照射される。一方、退避状態では、単色フィルタ6は、それを通過する光が撮像素子2のいずれの受光画素にも入射しない位置にあり、色分離フィルタ4には被写体からの光がそのままの色成分で照射される。
フィルタ駆動機構14は、後述するタイミング制御回路22からの指示に応答して、単色フィルタ6を移動させ、装着状態と退避状態とを相互に切り換える。例えば、フィルタ駆動機構14は、電磁モータ及びモータ制御回路を含んで構成される。単色フィルタ6は電磁モータの回転軸に取り付けられる。モータ制御回路はタイミング制御回路22からのクロック信号に応じて、電磁モータを正逆両方向に回転可能であり、単色フィルタ6は電磁モータの駆動力により回転軸を中心として回転し、装着状態と退避状態との相互間を移動する。例えば、単色フィルタ6に鉄などの強磁性金属からなる枠を取り付け、装着状態及び退避状態それぞれにて単色フィルタ6の回転を停止させるストッパを永久磁石で構成することにより、電磁モータが駆動力を発生していない期間において、単色フィルタ6をストッパに当接された状態に静止させることができる。
光源8は、読み込み台にセットされた書類等の被写体に光を照射する。光源8はタイミング制御回路22からの指示に応じて、画像読み込みに連動して点灯し、例えば白色光を照射する。
駆動回路12は、後述するタイミング制御回路22からの指示に応答して、垂直転送クロックφV、水平転送クロックφH、及び排出クロックφD等の各種駆動信号を生成し、駆動信号によって撮像素子2を駆動する。
アナログ処理回路16は、撮像素子2に接続され、撮像素子2から入力される画像信号A0(t)に対してサンプルホールド、レベル補正等の処理を施し、所定のフォーマットに従う画像信号A1(t)を生成する。A/D変換回路18は、アナログ処理回路16に接続され、アナログ処理回路16から入力される画像信号A1(t)を1画素毎にデジタル変換することで、画像データD1(t)を生成する。
そして、デジタル処理回路20は、A/D変換回路18に接続され、A/D変換回路18から入力される画像データD1(t)に対して所定の信号処理を行う。デジタル処理回路20は、カラー画像を読み込むカラー撮像時とモノクロ画像を読み込むモノクロ撮像時とで信号処理の内容を切り換える。カラー撮像時には、A/D変換回路18から入力される画像データD1(t)に対して色分離、マトリクス演算等の処理を施し、輝度情報を表す輝度データY及び色差情報を表す2種類の色差データU、Vを生成する。一方、モノクロ撮像時には、色分離を行わず、全てのデータに対してガンマ補正や輪郭補正等の処理を施し、輝度データYを生成する。このモノクロ撮像時には、色差データU、Vは、全てが固定値「0」として出力される。このデジタル処理回路20の処理についてはさらに後述する。
タイミング制御回路22は、基準クロックCKに基づいて各部の動作を制御する。例えば、駆動回路12に対しては、撮像素子2の露光状態に応じて情報電荷の蓄積時間Lを設定し、画像信号Y0(t)を適正なレベルで得られるようにしている。また、アナログ処理回路16やデジタル処理回路20に対しては、撮像素子2の動作に各処理のタイミングを同期させると共に、各処理の条件の設定を行う。フィルタ駆動機構14に対しては、例えば、単色フィルタ6を退避状態から装着状態にする際と、装着状態から退避状態にする際とにクロックパルスを供給する。
図3は、本撮像装置のカラー撮像の動作を説明する模式的なタイミング図である。本撮像装置は、単色フィルタ6を退避状態にして1フレームの画像を撮像し、さらに単色フィルタ6を装着状態にして1フレームの画像を撮像し、デジタル処理回路20がこれら2フレームの画像から1フレームのカラー画像を生成する。
図3において、Mopen信号及びMclose信号はそれぞれタイミング制御回路22からフィルタ駆動機構14のモータ制御回路に供給されるクロック信号である。モータ制御回路はMopen信号がHレベル(オン状態)のとき、電磁モータを動作させて、単色フィルタ6を装着状態から退避状態へ向けて移動させる駆動力を発生させる。一方、モータ制御回路はMclose信号がHレベル(オン状態)のとき、電磁モータを動作させて、単色フィルタ6を退避状態から装着状態へ向けて移動させる駆動力を発生させる。
例えば、本実施形態では、まず、タイミング制御回路22は、時刻t1にてMopenにパルス40を発生させてオン状態とし、単色フィルタ6を退避状態とする。その後、時刻t2にて、排出クロックφDにパルス42を発生させて電子シャッタ動作を行い、一旦、受光画素の情報電荷を全て排出する。なお、光源8は排出クロックφDのパルス42に先行して点灯され、露光期間が終了すると消灯することができる。時刻t2からの期間Lが露光期間であり、当該期間の経過後、撮像部2i及び蓄積部2sに対する垂直転送クロックφVi,φVsにクロックパルス群44を発生させて、撮像部2iの受光画素に期間Lにて蓄積される情報電荷を、蓄積部2sへフレーム転送する。蓄積部2sへ転送された情報電荷は、φVsのクロックパルス46により、水平転送部2hへ向けて1行ずつライン転送される。タイミング制御回路22は、水平転送クロックφHに発生させるクロックパルス群48により水平転送部2hを動作させ、蓄積部2sから読み出された1行分の情報電荷を出力部2dへ転送する。この水平転送部2hの転送動作に連動して、出力部2dからの出力信号A0(t)として1行分の画像信号50が得られる。
蓄積部2sにて順次、ライン転送を行い、これに同期して水平転送部2hにて水平転送動作を繰り返すことにより、単色フィルタ6を退避状態として撮像した1フレームの画像信号A0(t)の読み出しが行われる。この画像読み出しが完了すると、次に、タイミング制御回路22は、時刻t3にてMcloseにパルス60を発生させてオン状態とし、単色フィルタ6を装着状態とする。以降、退避状態について上述した動作と同様にして撮像及び情報電荷の読み出しを行って、単色フィルタ6を装着状態として撮像した1フレームの画像信号A0(t)が生成される。
退避状態及び装着状態それぞれでの撮像にて得られた画像信号A0(t)は、アナログ処理回路16及びA/D変換回路18を経て、デジタル処理回路20に順次入力される。デジタル処理回路20は、時系列で得られる両状態での画像信号を、一旦、フレームメモリに格納し、そのフレームメモリに格納された両画像信号を用いて、1フレームのカラー画像を生成する信号処理を行う。
単色フィルタ6を退避状態として得た画像信号は、被写体からの撮像目的とする光のうち、色分離フィルタ4の透過特性に応じた色成分の情報を表す。すなわち、当該画像信号は、各受光画素に対応してCy成分又はYe成分の情報を表すものであり、これら2つの補色成分Cy,Yeの情報を表す当該画像をここでは補色画像と呼ぶ。
一方、単色フィルタ6を装着状態として得た画像信号は、被写体からの撮像目的とする光のうち、単色フィルタ6と色分離フィルタ4との透過特性の積に応じた色成分の情報を表す。上述のように、単色フィルタ6は、色分離フィルタ4を構成する2種類のセグメントの色Cy及びYeの共通成分である色Gを有する。よって、当該画像信号は、全ての受光画素にてG成分の情報を表すものであり、この1つの原色成分Gの情報を表す当該画像をここでは単原色画像と呼ぶ。
デジタル処理回路20は、上述のようにA/D変換回路18から画素単位の画像データD1(t)を入力される。単原色画像の画像データD1(t)は各行の全画素について得られる。すなわち、単原色画像を構成するG成分は、色分離フィルタを搭載しないモノクロ撮像素子と同様の高解像度の画像信号を構成する。これに対して、補色画像を構成するCy成分、Ye成分の画像データD1(t)はそれぞれ各行において1画素置きに交互に得られる。すなわち、A/D変換回路18から得られた単原色画像及び補色画像の各画像データD1(t)は、同一のサンプリング点にてG,Cy,Ye全成分を与えるようにはなっていない。そこで、デジタル処理回路20は水平及び垂直方向の補間処理を行って、画面内の共通のサンプリング点群にて、それぞれG,Cy,Ye各成分の画像データD(G),D(Cy),D(Ye)を定義する。これらD(G),D(Cy),D(Ye)から演算により各サンプリング点での三原色の成分又はその補色の成分を求めることが可能である。例えば、R,B各成分の画像データD(R),D(B)は次式により求めることができる。
D(R)=D(Ye)−D(G)
D(B)=D(Cy)−D(G)
D(R)=D(Ye)−D(G)
D(B)=D(Cy)−D(G)
また、デジタル処理回路20は例えば、このようにして得られたD(R),D(G),D(B)を用いて、輝度データY,色差データU,Vを求めることができる。例えば、輝度データYは、一般にはD(R),D(G),D(B)各データに、単色フィルタ6や色分離フィルタ4の透過特性や人間の視覚の分光感度特性等を考慮した係数を乗じて、互いに加算した値で定義される。例えば、デジタル処理回路20は、次のような式により、輝度データYを求めることができる。
Y=0.3D(R)+0.6D(G)+0.1D(B)
Y=0.3D(R)+0.6D(G)+0.1D(B)
このように、通常、三原色のうちG成分が輝度データYにおいて大きな比率を占める。画像信号の解像度は基本的にはYの解像度に応じて定まるため、Yの大きな成分となるD(G)が高解像度である本撮像装置では、高解像度のカラー画像の撮像が可能となる。
また、本来の輝度において大きな比率を占めるD(G)そのものを近似的にYとして出力する構成とすることもできる。この場合、D(G)の解像度が好適にYに反映され、一層、高解像度のカラー画像信号が生成される。
以上説明した撮像装置では、単色フィルタ6の色がGであり、色分離フィルタ4をCy及びYeからなる配列とする構成であったが、他の色の組み合わせも可能である。例えば、単色フィルタ6をR、色分離フィルタ4をYe及びマゼンタ(Mg)からなる配列とする構成や、単色フィルタ6をB、色分離フィルタ4をCy及びMgからなる配列とする構成が可能である。例えば、被写体である書類が赤色を基調としたものであり、G成分やB成分が少ない場合には、D(G)がYにおいて大きな影響を有し得る。このような場合には、単色フィルタ6をRとして、D(R)を高解像度に得ることで、カラー画像の高解像度化を図ることができる。
本撮像装置は、上述のように1フレームのカラー画像を生成する際に、単原色画像の撮像と補色画像の撮像とを行う。上述の構成では、補色画像を先に撮像する例を示したが、単原色画像を先に撮像してもよい。また、単原色画像は上述のように、各画素が同一の色成分の画像データを与え、その色は、輝度データにおいて大きな比率を占め得るもの、例えば、上述の例ではGに設定される。よって、単原色画像をモノクロ画像として扱うことが可能である。そこで、本撮像装置のモノクロ撮像動作は、単色フィルタ6を装着状態として単原色画像を取得し、この単原色画像のみに基づいて、モノクロ画像を表す輝度信号を生成するように構成される。すなわち、タイミング制御回路22は、フィルタ駆動機構14を制御して単色フィルタ6を装着状態とし、駆動回路12を制御して単原色画像の撮像を行い、デジタル処理回路20が単原色画像の画像データD1(t)のみに基づいてYを生成する処理を行うように制御する。なお、この場合、デジタル処理回路20は上述したように、色差データU、Vを全て固定値「0」として出力する。
上述の実施形態の書画カメラシステムは、単色フィルタ6を用いて単原色画像と補色画像との切り替えを実現する。この構成は、書画カメラシステムに限らず、各種の撮像装置に適用することができる。例えば、自ら被写体に光を照射せずに撮像を行う撮像装置にも適用することができる。そしてこの構成を適用した各種撮像装置によれば、1つの固体撮像素子で高解像度のカラー画像の撮像が可能となる。
さらに書画カメラシステム等、被写体に光を照射して撮像を行う撮像装置では、次に述べる構成により、単色フィルタ6を用いずに同様の効果を得ることができる。その構成では、上述の構成における単色フィルタ6及びフィルタ駆動機構14を有さない代わりに、光源8を、白色光のように各色成分を含んだ全色光と、単色フィルタ6に相当する色の単色光とに切り替え可能に構成する。例えば、書画カメラシステムでは、書類を読み込み台にセットしてカラー読み込み動作を指示すると、全色光を書類に照射して補色画像を撮像し、また単色光を照射して単原色画像を撮像する。デジタル処理回路20は、このように光源の色の切り替えによって得られた単原色画像及び補色画像に基づいて、上述の実施形態と同様にカラー画像信号を生成する。このような光源の切り替えにより単原色画像及び補色画像を取得できる撮像装置の他の例は、イメージスキャナや、胃カメラのような内視鏡装置である。
なお、上述の実施形態では、撮像素子2はフレーム転送方式のCCDイメージセンサとしたが、インターライン転送方式等の他の構成のCCDイメージセンサであってもよいし、CMOSイメージセンサであってもよい。また、色分離フィルタ4の配列は、市松模様に限定されず、例えば、ストライプ配列のものであってもよい。また、色分離フィルタ4を構成するセグメントとして、2つの補色に加えて、白(W)のセグメントを混在させても、単色フィルタ6の装着状態にて単原色画像を得ることができ、高解像度のカラー画像信号の生成が可能である。
また、撮像素子2は、エリアセンサに限られず、イメージスキャナのように撮像素子2をラインセンサとして機械的な走査により二次元画像を撮像する装置にも本発明を適用することができる。
2 撮像素子、4 色分離フィルタ、6 単色フィルタ、8 光源、10 レンズ、12 駆動回路、14 フィルタ駆動機構、16 アナログ処理回路、18 A/D変換回路、20 デジタル処理回路、22 タイミング制御回路。
Claims (6)
- 光の三原色に対する補色である第1乃至第3の補色のうち、それぞれ前記第1の補色と前記第2の補色との一方に対応した感度を有する2種類の受光画素が行列配置された固体撮像素子を用いて、カラー画像を撮像する方法であって、
被写体からの撮像目的光をそのままの色成分で前記固体撮像素子の前記各受光画素に照射して、当該固体撮像素子で撮像し補色画像を取得するステップと、
前記撮像目的光を構成する前記光の三原色の各成分のうち前記第3の補色に対応する原色成分光を選択的に抽出して前記固体撮像素子の前記各受光画素に照射して、当該固体撮像素子で撮像し単原色画像を取得するステップと、
前記補色画像及び前記単原色画像に対して所定の信号処理を施し、前記カラー画像を生成するステップと、
を有することを特徴とするカラー画像撮像方法。 - 光の三原色に対する補色である第1乃至第3の補色のうち、それぞれ前記第1の補色と前記第2の補色とに対応した感度を有する2種類の受光画素が行列配置された固体撮像素子と、
前記光の三原色のうち前記第3の補色に対応する特定原色の光成分を選択的に透過する特定原色フィルタと、
前記特定原色フィルタを、前記固体撮像素子の前記各受光画素に照射される光の光路上に配置した状態と配置しない状態とを切り替え可能なフィルタ駆動機構と、
前記固体撮像素子及び前記フィルタ駆動機構の駆動を制御して、カラー画像の撮像時に、前記光路上に前記特定原色フィルタを配置せずに前記固体撮像素子で撮像し補色画像を取得する動作と、前記光路上に前記特定原色フィルタを配置して前記固体撮像素子で撮像し単原色画像を取得する動作とを行う駆動部と、
前記補色画像及び前記単原色画像に対して所定の信号処理を施し、前記カラー画像を生成する信号処理部と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 光の三原色に対する補色である第1乃至第3の補色のうち、それぞれ前記第1の補色と前記第2の補色とに対応した感度を有する2種類の受光画素が行列配置された固体撮像素子と、
被写体に白色の照明光及び、前記光の三原色のうち前記第3の補色に対応する特定原色の照明光を切り替えて照射可能な光源と、
前記固体撮像素子及び前記光源の駆動を制御して、カラー画像の撮像時に、前記被写体に前記白色の照明光を照射して前記固体撮像素子で撮像し補色画像を取得する動作と、前記被写体に前記特定原色の照明光を照射して前記固体撮像素子で撮像し単原色画像を取得する動作とを行う駆動部と、
前記補色画像及び前記単原色画像に対して所定の信号処理を施し、前記カラー画像を生成する信号処理部と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の撮像装置において、
前記信号処理部は、
前記単原色画像に基づいて前記カラー画像の輝度信号を生成し、
前記補色画像及び前記単原色画像に基づいて前記カラー画像の色信号を生成すること、
を特徴とする撮像装置。 - 請求項2から請求項4のいずれか1つに記載の撮像装置において、
前記駆動部は、モノクロ画像の撮像時に、前記単原色画像を取得する動作を行い、
前記信号処理部は、
前記単原色画像に基づいて前記モノクロ画像の輝度信号を生成すること、
を特徴とする撮像装置。 - 請求項2から請求項5のいずれか1つに記載の撮像装置において、
前記第1の補色及び前記第2の補色は、シアン及びイエローであり、
前記特定原色は、グリーンであること、
を特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006130780A JP2007306156A (ja) | 2006-05-09 | 2006-05-09 | カラー画像撮像方法及び撮像装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012230401A (ja) * | 2012-06-26 | 2012-11-22 | Keyence Corp | 拡大観察装置、拡大観察方法及び拡大観察プログラム |
KR101243285B1 (ko) * | 2011-08-19 | 2013-03-13 | 한경대학교 산학협력단 | 베이어 컬러 필터 배열 카메라를 사용한 다중 스펙트럼 기반 컬러 영상 생성장치 및 방법 |
-
2006
- 2006-05-09 JP JP2006130780A patent/JP2007306156A/ja active Pending
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