JP2007304541A - 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】未露光部の高速現像性と露光部の優れた耐現像液性とを両立させ、解像度及び密着性を向上させることができ、現像液に対する未露光部の分散性に優れた感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)バインダーポリマーとして、アクリル酸ブチルを単量体単位として含むバインダーポリマーを含有し、且つ、(B)光重合性化合物として、下記一般式(I)で表わされる化合物を含有する、感光性樹脂組成物。
Figure 2007304541

【選択図】 なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
従来、プリント配線板の製造分野において、エッチング、めっき等を行う際に用いられるレジスト材料としては、感光性樹脂組成物や、該感光性樹脂組成物の層を支持体上に積層し、更に保護フィルムを積層してなる感光性エレメントが広く用いられている。
上記感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する方法としては、以下の方法が一般的である。すなわち、まず感光性エレメントを回路形成用基板(銅基板等)上に積層(ラミネート)し、感光性樹脂組成物の層の所定部分に活性光線を照射(パターン露光)して露光部を光硬化させ、次いで未硬化部分を現像液で除去(現像)することによりレジストパターンを形成させる。そして、レジストパターンを形成させた基板にエッチング又はめっき処理を施してパターンを形成させた後、硬化部分(レジストパターン)を基板上から剥離除去する。
ところで、感光性エレメントは、近年のプリント配線板の高密度化及び高歩留化に伴い、従来の感光性エレメントに比べて解像度、密着性、可とう性(柔軟性)、及び現像液に対する分散性に優れたものの開発が要求されている。
これまでの感光性エレメントの技術では、例えば、光重合開始剤としてのヘキサアリールビイミダゾール(HABI)又はその誘導体と、ビス(p−アミノフェニル)ケトンと、低分子量(Mw=10,000〜50,000)のスチレン含有バインダーポリマーとを併用することにより解像度及び密着性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ウレタン部位(結合)を有するモノマーを使用することで可とう性を向上させ、さらに分散性モノマー(主に単官能モノマー)を使用することで現像液に対する分散性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−214583号公報 特開2001−117224号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載された感光性エレメントであっても、解像度、密着性、可とう性(柔軟性)、及び現像液に対する分散性の向上が未だ不十分であり、更なる改善が求められている。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、未露光部の高速現像性と露光部の優れた耐現像液性とを両立させ、解像度及び密着性を向上させることができるとともに、硬化後のレジストの可とう性、及び、現像液に対する未露光部の分散性に優れた感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)バインダーポリマーと、(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含有し、上記(A)バインダーポリマーとして、アクリル酸ブチルを単量体単位として含むバインダーポリマーを含有し、且つ、上記(B)光重合性化合物として、下記一般式(I)で表わされる化合物を含有する、感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 2007304541


[式中、R、R及びRは各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、n1、n2及びn3は、n1+n2+n3の値が15〜45となるように選択される1以上の整数を示す。]
かかる感光性樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、未露光部の高速現像性と露光部の優れた耐現像液性とを両立させて解像度及び密着性を向上させることができるとともに、硬化後のレジストの可とう性、及び、現像液に対する未露光部の分散性を高水準で達成することができる。かかる効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、未露光部の高速現像性と現像液に対する高い分散性が得られるのは、(A)バインダーポリマーとしてアクリル酸ブチルを単量体単位として含むものを用いることにより、ポリマーの低Tg化及び界面活性効果が向上したためであると考えられる。また、露光部の優れた耐現像液性及びレジストの優れた可とう性は、(B)光重合性化合物として3つの不飽和基及び長鎖のエチレンオキシド基を有する上記一般式(I)で表される化合物を用いることで得られるものと考えられる。特に、上記特定の(A)バインダーポリマーと上記特定の(B)光重合性化合物とを組み合わせて用いることにより、レジストは非常に優れた可とう性を得ることができ、良好なマンドレル特性を示すことができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)バインダーポリマーとして、(メタ)アクリル酸及びアクリル酸ブチルを単量体単位として含むバインダーポリマーを含有することが好ましい。かかる(A)バインダーポリマーを用いることにより、アルカリ現像性をより向上させることができ、未露光部の高速現像性及び現像液に対する分散性をより高水準で達成することができる。
本発明はまた、支持体と、該支持体上に形成された上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える、感光性エレメントを提供する。
かかる感光性エレメントによれば、感光性樹脂組成物層が、上記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成された層であるため、未露光部の高速現像性と露光部の優れた耐現像液性とを両立させて解像度及び密着性を向上させることができるとともに、硬化後のレジストの可とう性、及び、現像液に対する未露光部の分散性を高水準で達成することができる。
本発明はまた、上記本発明の感光性エレメントを、回路形成用基板上に上記感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層し、上記感光性樹脂組成物層に活性光線を画像状に照射して露光部を光硬化せしめ、次いで、未露光部を現像により除去する、レジストパターンの形成方法を提供する。
本発明は更に、上記本発明のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された回路形成用基板を、エッチング又はめっきする、プリント配線板の製造方法を提供する。
上記レジストパターンの形成方法及び上記プリント配線板の製造方法によれば、上記本発明の感光性エレメントを用いているため、レジストパターン形成時において、感光性樹脂組成物層の未露光部の高速現像性と露光部の優れた耐現像液性とを両立させて解像度及び密着性を向上させることができるとともに、硬化後のレジストの可とう性、及び、現像液に対する未露光部の分散性を高水準で達成することができる。その結果、プリント配線板の高密度化、高歩留化を実現することが可能となる。
本発明によれば、未露光部の高速現像性と露光部の優れた耐現像液性とを両立させ、解像度及び密着性を向上させることができるとともに、硬化後のレジストの可とう性、及び、現像液に対する未露光部の分散性に優れた感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマーと、(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含有し、上記(A)バインダーポリマーとして、アクリル酸ブチルを単量体単位として含むバインダーポリマーを含有し、且つ、上記(B)光重合性化合物として、上記一般式(I)で表わされる化合物を含有することを特徴とするものである。なお、本明細書においては、場合により、上記(A)バインダーポリマーを「(A)成分」、上記(B)光重合性化合物を「(B)成分」、上記(C)光重合開始剤を「(C)成分」という。以下、各成分について詳細に説明する。
上記(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、現像時間の高速化及び現像液中に溶解したレジスト成分(未露光部)の分散性向上のために、アクリル酸ブチルを含むことが好ましく、本発明における(A)バインダーポリマーは、少なくともこのアクリル酸ブチルを必須の重合性単量体として用いて得られるバインダーポリマーを含むものである。アクリル酸ブチル以外の重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(II)で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
Figure 2007304541


[式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。]
上記一般式(II)中のRで示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
上記一般式(II)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有するものであることが好ましく、かかる(A)バインダーポリマーは、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体とをラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
また、上記(A)バインダーポリマーは、耐現像液性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を単量体単位として含有するものであることが好ましい。
上記アクリル酸ブチルは、現像液中でのレジスト成分の分散性向上及び現像時間の高速化のために、共重合成分として全共重合成分基準で2〜40質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましく、20〜25質量%含むことが特に好ましい。この含有量が2質量%未満では現像液中でのレジスト成分の分散性が低下する傾向があり、40質量%を超えると現像液中での発泡性が高くなり過ぎる傾向がある。
また、上記メタクリル酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体は、現像液性及び可とう性の見地から、共重合成分として全共重合成分基準で10〜30質量%含むことが好ましく、20〜25質量%含むことがより好ましい。この含有量が10質量%未満では現像性が劣る傾向があり、30質量%を超えると可とう性が低下する傾向がある。
さらに、上記スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として、密着性及び剥離特性を共に良好にするには、スチレン及び/又はスチレン誘導体を全共重合成分基準で2〜30質量%含むことが好ましく、2〜28質量%含むことがより好ましく、2〜27質量%含むことが特に好ましい。この含有量が2質量%未満では密着性が劣る傾向があり、30質量%を超えるとはく離片が大きくなり、はく離時間が長くなる傾向がある。
これらのバインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。また、(A)バインダーポリマーとしては、特開平11−327137号公報に記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用するもできる。なお、(A)バインダーポリマーとしては、アクリル酸ブチルを単量体単位として含むバインダーポリマーを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよく、当該バインダーポリマーと、アクリル酸ブチルを単量体単位として含まないバインダーポリマーとを組み合わせて用いてもよい。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、10,000〜100,000であることが好ましく、30,000〜70,000であることがより好ましい。重量平均分子量が10,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、100,000を超えると解像度が低下する傾向がある。
また、(A)バインダーポリマーの酸価は、50〜250mgKOH/gであることが好ましく、100〜200mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が50mgKOH/g未満では現像時間が遅くなる傾向があり、250mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
上記(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物は、可とう性及び耐現像液性の観点から、下記一般式(I)に示す化合物を含有することを必須とする。
Figure 2007304541


[式中、R、R及びRは各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、n1、n2及びn3は、n1+n2+n3の値が15〜45となるように選択される1以上の整数を示す。]
ここで、n1、n2及びn3は、n1+n2+n3の値が15〜27となるように選択される1以上の整数であることが好ましい。また、n1、n2及びn3はそれぞれ5〜9の整数であることが好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物としてより具体的には、例えば、トリス{ペンタ(オキシエチル)}−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス{ヘキサ(オキシエチル)}−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス{ヘプタ(オキシエチル)}−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、硬化物の可とう性及び耐現像液性をより良好なものとする観点から、トリス{ヘプタ(オキシエチル)}−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、上記(B)光重合性化合物は、上記一般式(I)で表わされる化合物以外の他の光重合性化合物を含んでいてもよい。上記一般式(I)で表される化合物以外の他の光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられるが、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物又は分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物を必須成分とすることが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記(C)光重合開始剤(増感剤)としては、例えば、アクリジン又は分子内に少なくとも1つのアクリジニル基を有するアクリジン系化合物、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、オニウム塩などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明の感光性樹脂組成物において、上記(A)バインダーポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましく、45〜70質量部であることがより好ましい。この配合量が40質量部未満では光硬化物が脆くなり易く、感光性エレメントとして用いた場合に塗膜性が劣る傾向があり、80質量部を超えると光感度が不充分となる傾向がある。なお、(A)バインダーポリマーは、共重合成分としてアクリル酸ブチルを2〜40質量%含むことが好ましい。
上記(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、20〜60質量部であることが好ましく、30〜55質量部であることがより好ましい。この配合量が20質量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、60質量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。なお、(B)光重合性化合物は、上記一般式(I)に示す化合物を含むことを必須とする。
上記(C)光重合開始剤(増感剤)の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。この配合量が0.01質量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、5質量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、はく離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有させることができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60質量%程度の溶液として塗布することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、特に制限はないが、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
(感光性エレメント)
本発明の感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に形成された上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備えるものである。感光性樹脂組成物層は、上記本発明の感光性樹脂組成物を支持体上に塗布及び乾燥することで形成することができる。また、本発明の感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層の支持体と反対側の面に接するように積層された保護フィルムを更に備えることが好ましい。
図1は、本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、感光性エレメント1は、支持体10と、この支持体10上に設けられた感光性樹脂組成物層20と、感光性樹脂組成物層20上に設けられた保護フィルム30とを備えている。ここで、感光性樹脂組成物層20は、上述した本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成された層である。
感光性樹脂組成物層20の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましい。この厚みが1μm未満では工業的に塗工困難な傾向があり、100μmを超えると密着性や解像度が低下する傾向がある。
支持体10としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムなどが挙げられる。
支持体10の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、10〜40μmであることがより好ましい。この厚みが1μm未満では現像前の支持体剥離の際に破ける傾向があり、100μmを超えると、レジストパターン形成時に支持体10を通して感光性樹脂組成物層20に活性光線を画像状に照射する場合に、解像度が低下する傾向がある。
保護フィルム30としては、ポリエチレンやポリプロピレン等の支持体10と同様の重合体フィルムを用いることができる。
保護フィルム30は、厚みが5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚みが5μm未満ではラミネートの際、保護フィルム30が破れる傾向があり、100μmを超えると廉価性に劣る傾向がある。
感光性エレメント1は、例えば、支持体10上に、上述の感光性樹脂組成物を所定の溶剤に溶解して得られる塗布液を塗布した後、乾燥して溶剤を除去することにより感光性樹脂組成物層20を形成し、次いで、感光性樹脂組成物層20上に保護フィルム30を積層することにより製造することができる。
上記塗布液の塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、70〜150℃、5〜30分程度で行うことができる。
また、感光性樹脂組成物層20中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2質量%以下とすることが好ましい。
また、感光性エレメント1は、感光性樹脂組成物層20、支持体10及び保護フィルム30の他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
なお、本発明の感光性エレメントは、必ずしも上述した保護フィルム30を有していなくてもよく、支持体10と感光性樹脂組成物層20との2層構造であってもよい。
本発明の感光性エレメントは、貯蔵の際には、例えば、そのまま平板状の形態で、又は、感光性樹脂組成物層上に保護フィルムを有しない場合には、感光性樹脂組成物層上に保護フィルムをさらに積層して、円筒状の巻芯にロール状に巻きとった形態で貯蔵される。なお、この際、支持体が1番外側になるように巻き取られることが好ましい。
上記ロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
上記巻芯の材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。
(レジストパターンの形成方法)
本発明のレジストパターンの形成方法は、上記本発明の感光性エレメントを、回路形成用基板上に上記感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層し、上記感光性樹脂組成物層に活性光線を画像状に照射して露光部を光硬化せしめ、次いで、未露光部を現像により除去する方法である。
上記本発明の感光性エレメントを用いてレジストパターンを製造するに際し、回路形成用基板上への感光性樹脂組成物層の積層方法としては、感光性樹脂組成物層上に上記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去した後、感光性樹脂組成物層を加熱しながら回路形成用基板に圧着することにより積層する方法などが挙げられる。積層は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行うことが好ましい。感光性樹脂組成物層が積層される基板の表面は、通常金属面であるが、特に制限はない。また、積層の際、感光性樹脂組成物層の加熱温度は70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
このようにして基板上への積層が完了した感光性樹脂組成物層には、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される。これにより、感光性樹脂組成物層の露光部を光硬化せしめる。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する重合体フィルム(支持体)が活性光線に対して透明である場合には、そのまま支持体を通して活性光線を照射してもよく、一方、支持体が活性光線に対して不透明(遮光性を示す)の場合には、支持体を除去する必要がある。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光を有効に放射するものが用いられる。
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未露光部の感光性樹脂組成物層を除去して現像し、レジストパターンを形成する。ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
上記アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。
上記アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。また、現像後に行われる金属面のエッチングには、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
(プリント配線板の製造方法)
本発明のプリント配線板の製造方法は、上記本発明のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された回路形成用基板を、エッチング又はめっきすることを特徴とする方法である。
本発明の感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知の方法で処理する。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。
次いで、エッチング又はめっき終了後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、浸漬方式及びスプレー方式を単独で使用してもよいし、併用してもよい。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
表1に示す(A)成分及び(B)成分、表2に示す(C)成分及びその他の添加剤成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で混合し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
Figure 2007304541

Figure 2007304541

なお、表1中の各材料は以下の通りである。
TMPT−21:下記一般式(III)において、n1+n2+n3=21(平均値)である化合物(日立化成工業(株)製、商品名)。
Figure 2007304541

BPE−500:下記一般式(IV)において、p+q=10(平均値)である化合物(新中村化学工業(株)製、商品名)。
Figure 2007304541

UA−13:下記式(V)で示されるEO、PO変性ウレタンジメタクリレート(新中村化学(株)製、商品名)
Figure 2007304541

次いで、得られた感光性樹脂組成物の溶液を、支持体としての16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、商品名:HTR−02−16)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥させて感光性樹脂組成物層を形成した。その後、感光性樹脂組成物層上にポリエチレン製の保護フィルム(タマポリ(株)製、商品名:NF−13)を積層し、実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントを得た。なお、感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は28μmであった。
[光感度、最少現像時間、はく離時間、解像度及び密着性の評価]
銅箔(厚み35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張積層板(日立化成工業(株)製、商品名:MCL−E−61)の銅表面を、#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張積層板を80℃に加温し、その銅表面上に実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントの感光性樹脂組成物層及び支持体を、感光性樹脂組成物層を銅張り積層板側に向けて、保護フィルムを剥がしながら120℃のヒートロールを用いて1.5m/分の速度でラミネートした。この感光性樹脂組成物層及び支持体が積層された銅張り積層板を、光感度、最少現像時間、はく離時間、解像度及び密着性を評価するための試験片とした。
次に、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製、商品名:HMW−201B)を用いて、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを上記試験片の上に置いて、60mJ/cmで露光した。
その後、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムをはく離し、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を最少現像時間の2倍の時間でスプレーし、未露光部分を除去した後、銅張積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、感光性樹脂組成物の光感度を評価した。光感度は、ステップタブレットの段数で示され、このステップタブレットの段数が高いほど、光感度が高いことを示す。なお、上記最少現像時間は、未露光部のレジストが上記の現像処理によって完全に除去される時間を測定することで求めた。これらの結果を表5に示す。
また、上記試験片の感光性樹脂組成物層について、ST=23/41相当の露光量で45mm×60mm角の大きさを露光して評価基板とし、これを3質量%水酸化ナトリウム水溶液(50℃)にビーカー浸漬したときの露光部(光硬化部)のはく離時間を測定した。その結果を表5に示す。
解像度は以下の手順で評価した。すなわち、上記試験片に対し、ストーファーの21段ステップタブレットを有するフォトツールと解像度評価用ネガとしてスペース幅/ライン幅が8/400〜47/400(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを支持体に密着させ、ストーファーの21段ステップタブレットにおける現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で、支持体を通して感光性樹脂組成物層を露光した。その後、支持体を剥離し、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を最少現像時間の2倍の時間でスプレーして現像処理を行った。ここで、解像度は、現像処理によって未露光部をきれいに除去することができたライン幅間のスペース幅の最も小さい値により評価した。解像度の評価は数値が小さいほど良好な値である。その結果を表5に示す。
密着性は以下の手順で評価した。すなわち、上記試験片に対し、ストーファーの21段ステップタブレットを有するフォトツールと密着性評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が8/400〜47/400(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを支持体に密着させ、ストーファーの21段ステップタブレットにおける現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で、支持体を通して感光性樹脂組成物層を露光した。その後、支持体を剥離し、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を最少現像時間の2倍の時間でスプレーして現像処理を行った。ここで、密着性は、現像後、ラインを形成しているレジストが基板にしっかりと密着していて剥がれている箇所がなく、またラインが蛇行していたり、曲がったりしていないライン幅の最も小さい値により評価した。密着性の評価は数値が小さいほど良好な値である。その結果を表5に示す。
[マンドレル特性(可とう性)の評価]
FPC基板(高萩ニッカン(株)製、商品名:F−30VCl)上に、実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントの感光性樹脂組成物層及び支持体を、感光性樹脂組成物層をFPC基板側に向けて、保護フィルムを剥がしながら、ヒートロールを用いて温度110℃、圧力0.4MPa、速度2.0m/分の条件でラミネートした。次いで、支持体を通して感光性樹脂組成物層をST=23/41相当の露光量で露光した後、支持体を剥離し、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を最少現像時間の2倍の時間でスプレーして現像処理を行った。この感光性樹脂組成物層の光硬化物(レジスト)が積層されたFPC基板を、マンドレル特性〔硬化フィルムの可とう性(柔軟性)〕を評価するための評価基板とした。
次に、図2に示すように、作製した評価基板40を、マンドレル50に掛け、約90度に折り曲げて、レジストが剥れるマンドレル50の径を評価した。このとき、マンドレル50の径を徐々に小さくしていき、初めてレジストが剥がれた径をマンドレル特性の数値とした。この径の数値が小さいほど、感光性樹脂組成物層の光硬化物は可とう性(柔軟性)に優れることを意味する。その結果を表5に示す。
[スカム分散性の評価]
スカム分散性については、以下の方法で評価を行った。まず、実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層を、顧客推奨条件(0.4mil・m/l)の1.5倍に相当する0.6mil・m/lの溶解量で現像液(1質量%NaCO水溶液に溶解した。次に、この液を小型現像機で90分間循環撹拌した後、液の表面に発生したスカム(油状物)の量を観察し、表3に示す判定基準に基づいて評価した。その結果を表5に示す。
Figure 2007304541

[スラッジ除去性の評価]
次に、スラッジ除去性については、以下の方法で評価を行った。まず、実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層を、顧客推奨条件(0.4mil・m/l)の1.5倍に相当する0.6mil・m/lの溶解量で現像液(1質量%NaCO水溶液に溶解した。次に、この液を小型現像機で90分間循環撹拌した後、攪拌後の液をポリ瓶に移して7日間放置し、ポリ瓶底部に現像スラッジ(沈殿物)を堆積させた。放置後、ポリ瓶を10回振り、それによるポリ瓶底部に堆積した現像スラッジ(沈殿物)の除去性(スラッジ除去性)を、表4に示す判定基準に基づいて評価した。その結果を表5に示す。
Figure 2007304541

以上の評価結果をまとめて表5に示す。
Figure 2007304541

表5に示した結果から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物及び感光性エレメント(実施例1、2及び3)は、比較例1、2及び3の感光性樹脂組成物及び感光性エレメントと比較して、未露光部の高速現像性と、優れた耐現像液性(はく離時間が長い)とにより、解像度及び密着性が十分に向上されており、また、硬化後のレジストの可とう性(マンドレル特性)及び未露光部の現像液に対する分散性(スカム分散性及びスラッジ除去性)が良好であることが確認された。
本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。 マンドレル特性の試験方法を示す概略図である。
符号の説明
1…感光性エレメント、10…支持体、20…感光性樹脂組成物層、30…保護フィル
ム、40…評価基板(FPC基板)、50…マンドレル。

Claims (5)

  1. (A)バインダーポリマーと、(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含有し、
    前記(A)バインダーポリマーとして、アクリル酸ブチルを単量体単位として含むバインダーポリマーを含有し、且つ、前記(B)光重合性化合物として、下記一般式(I)で表わされる化合物を含有する、感光性樹脂組成物。
    Figure 2007304541


    [式中、R、R及びRは各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、n1、n2及びn3は、n1+n2+n3の値が15〜45となるように選択される1以上の整数を示す。]
  2. 前記(A)バインダーポリマーとして、(メタ)アクリル酸及びアクリル酸ブチルを単量体単位として含むバインダーポリマーを含有する、請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える、感光性エレメント。
  4. 請求項3記載の感光性エレメントを、回路形成用基板上に前記感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層し、前記感光性樹脂組成物層に活性光線を画像状に照射して露光部を光硬化せしめ、次いで、未露光部を現像により除去する、レジストパターンの形成方法。
  5. 請求項4記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された回路形成用基板を、エッチング又はめっきする、プリント配線板の製造方法。
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