JP2007304449A - 光変調素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶光変調素子は偏光板を用いるため投射光の50%のロスを発生していた。従って投射型ライトバルブとして大電力の光源を必要とし、偏光板の光や熱での劣化が問題であった。
【解決手段】光軸と垂直方向の電界ないし磁界でガス体ないし透明液体中の微粒子を移動させ、集積状態と分散状態を生成することによって光学的透過性を変化させることを特徴とした光変調素子であり、偏光板が不要であるため明るい投射像が可能となる。C,M,Y粒子の積層を用いることにより白色光入射で出射光をフルカラーに変調できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、入射光の強度ないしスペクトルを変化する光変調素子に関するものであり、2次元マトリクスに構成することによりデータプロジェクタ、フロントないしリア型拡大投射TV、電子シネマ等に利用できる光線利用率に優れた投射型表示装置用光変調素子に関するものである。
従来の投射型表示装置用光変調素子としては一つにはLCOS(Liquid Crystal on Silicon)と総称される液晶を用いたもので、結晶シリコン基板で形成されたアクティブマトリクス(AM)基板に設けられた反射性画素電極と透明ガラス基板に設けられた透明電極間に液晶が挟まれて反射型光変調素子として構成されている。液晶にはネマチック液晶や強誘電液晶が用いられ画素電極に印加された電圧により液晶の複屈折性を変化させ入射光の反射性を変化させるもので、既存のLSI製造装置、プロセスが使用できることや高解像度、高開口率という特徴を有するものの偏光板が必要なため光源の利用率が悪いという難点があった。同じく液晶を用いるものであるが、透明ガラス基板上にアモルファスシリコン(a−Si)または低温ないし高温プロセスで形成したポリシリコン(p−Si)でアクティブマトリクスを構成した基板をバックプレーンとし、透明ガラス基板に設けられた透明電極を持つフロントプレーンとの間に液晶を挟みこんで構成された透過型光変調素子がある。反射型光変調素子ほど解像度、開口率を上げにくいという難点があるものの投射光学系の構成が簡易化するという特徴があり、データプロジェクターやフロントないしリア型投射TVに広く利用されている。
いずれの液晶光変調素子もライトバルブ(光シャッター)として使われるもので、偏光板が必須であり、光利用率という点では難点があった。
フルカラーを実現するには光変調素子が単板式のものと3板式のものに分けられる。単板式には主に2つの方式があり、1つは1画素をR,G,Bの3ドットに分割し、光源からの白色光をR,G,Bカラーフィルタとそれぞれに対応した液晶シャッターによりR,G,B色光とし、空間的加色混合法でカラーを再現するもの、もう1つはR,G,B光を時分割で光変調素子に照射して時間的加色混合法でカラーを再現するものである。後者は前者に較べて高解像度化しやすくカラーフィルタ不要という利点があるがチラツキや色ずれを防止するには毎秒提示像数を約3倍以上に増やす必要がある。3板式は光源からの白色光をダイクロイックミラー等を用いてR,G,B光に分割し、各々に対応した液晶光変調素子から出射される色光像を加色混合するものである。カラーフィルタを用いる単板のものに較べて光学系が複雑化し、かさ高くなる難点があるが解像度が3倍になること、光源の利用効率向上やパネルの開口率向上が果たせる利点がある。
液晶を用いた上記いずれも偏光板を用いているため光源光束の50%以上を無駄にしていのが最大の難点である。
液晶以外の光変調素子としてはテキサス・インスルメントによって開発されたDMD(Digital Mirror Device)が代表的であり、結晶シリコン上に信号回路と微小なミラーを集積し、デジタル制御で個々のミラーの角度を変えて光線反射性を制御するものである。液晶のように偏光板を用いる必要がないから光線ロスが少ない利点があり、明るく高精細な映像を投射できるため単板での小型プロジェクターはじめ大画面高精細を必要とする電子シネマ用としても活躍している。しかし光変調素子の構造が複雑であるため高価になることや反射でしか使えないため光学系が複雑になるなどの難点がある。
他の光変調素子としてSPD(Suspended Particle Display)というものも提案されている。これは針状ないし鱗片状微粒子が透明液体中に分散された分散系を透明電極を有する透明基板間に挟み込んで用いるもので、微粒子が配向していない無電界時は分散粒子があらゆる方向を向いているので光を遮蔽するが電極間に交流電圧を印加して微粒子を電界方向に配向させると電界方向の吸収ないし散乱断面積が減じるため光線を透すようになるものである。微粒子が配向した状態では確かに光線透過率が向上するが光線の一部は遮蔽されてしまうためオン時の透過率が不十分であることと十分なコントラストを得ることが困難であることや、基本的にメモリ性を有していないなどの難点があった。
他の光変調素子として透明液体に分散された微粒子を電気泳動によって表示面に対して水平方向に移動集積させることによって光線透過性を変化させる横電界方式電気泳動表示法が提案されている。画素内に小面積と大面積の電極を設け、大面積の電極に微粒子を堆積させた時、光線を遮蔽し、小面積の電極に堆積させた時光線を透過させるものである。主として反射で利用することが想定されており、パネル構成としては表示面に対して平行な表示電極面を有するもので、画素内に電極を設けているゆえに開口率の低下(光線ロス)が避けられなかった。また表示領域内に大小電極があるため十分なコントラストを実現することが困難であること、また透明電極を必要とする故にプロセスコストが上昇することや表示層を多層に積層した場合透明電極での光線ロスが避けられず透過率を減じる難点があった。一方同一種類の粒子で異極性のものが混在していると大小いずれの電極にも粒子が付着してしまいコントラストを低下させるため使用する分散系は単一極性のみの分散系になるよう厳格な調整と管理を必要とした。
特開昭49−24695公報 USP5,745,094 特開平9−211499 特開2001−201770 特開2004−512565 SID2000ダイジェスト29頁「High Performance Electrophoretic Display」 SID2000ダイジェスト24頁「Development of in-Plane EPD」
本発明は偏光板で発生する光線ロスから開放され、透明電極による光ロスも回避し、表示を切り替える時以外は電力を消耗しない低電力性を有するフルカラー電子表示を実現するのに有用な光変調素子に関するものであり、画素内の光反射性ないし光吸収性微粒子を画素と平行な横電界または横磁界を作用させて移動させ、微粒子の集積状態と分散状態の割合によって光学的透過性を変化させることを特徴とした光変調素子である。
上記課題を解決するために、本発明の光変調素子は図1a(A)に示す通り、少なくとも一方は透明な2枚の基板1,2間に設けられた隔壁3によりセル4が構成され、該セル内に微粒子5が分散された分散系(表示媒体7)が充填されており、隔壁3の内面に設けられた電極6−1と6−2間にDC電圧を印加すると微粒子5の帯電極性に対応して微粒子はクーロン力により引かれてたとえば電極6−1上に堆積する。一方6−1、6−2間に逆極性のDC電圧パルスを印加するかAC電圧を印加すれば6−1上の微粒子は電極を離れてセル4中に拡散分布する。セル4内はガス又は透明な液体中に微粒子5が分散された表示媒体7で満たされており、液体の場合は粒子の移動は電気泳動となる。図1a(A)の中央左側のセルを4−1、右側のセルを4−2とすれば、粒子のセル内での分布状態が異なるため、たとえば微粒子5がカーボンなどのように黒色であれば、セル4−1は光線が透過するがセル4−2では光線は分散状態の光吸収性微粒子5のため光透過は妨げられる。電極6−1(ないし6−2)に堆積された微粒子の内どれだけの量を分散状態にするか(あるいは分散状態の粒子量をどれだけ電極に集積させて減じるか)を印加する逆極性電圧の値やパルス幅によって制御してセル4の光線透過率を制御することが可能となり中間調が再現でき、粒子堆積状態も粒子分散状態も電圧を切って後もその状態が保持される特徴があるため光変調素子はメモリ性を有する。微粒子を電極6−1に集積した時基板表面に固着して残存することはセルの明状態の光透過性を阻害するゆえに好ましくない。従ってセル部の基板内面には微粒子の固着を妨げるようテフロン(デュポン社の商標:ポリフッ化エチレン)などのコーティングがなされていることが望ましくまた表示媒体が微粒子を分散した液体分散系の場合は微粒子と液体の比重は出来るだけ近接していることが望ましい。本発明で分散状態とはブラウン運動により比重差に拘わらず液体中に安定に微粒子が均一分散したコロイド状態は勿論、基板1,2内面のいずれかないし両面に一部ないし殆どの粒子がゆるく付着した状態をも含むものである。また微粒子は1種類である必要はなく、光学的特性を最適化するため各種のものが混在していてもよく、帯電極性も同一である必要はない。微粒子5は通常光吸収性のものが使用されるが、二酸化チタンのように白色反射性のものを用いることも可能であり、この場合セル4−1の微粒子分散状態では入射光が微粒子で散乱反射されその程度に応じて透過光は減衰する。
微粒子を隔壁で形成されるセル内部に閉じ込めているのは微粒子が隣のセルに移動するのを妨げ光変調素子面内での粒子濃度均一性を維持するためである。図1a(B)は隔壁で微粒子を閉じ込める代りに、微粒子をあらかじめカプセル粒子10内に閉じ込めた例を示す。この場合も粒子濃度を光変調素子面内で均一に維持することが可能である。
カプセル粒子10の壁は透明な無機あるいは有機薄膜からなり、カプセル粒子内の表示媒体はガス体または透明液体に光吸収性ないし反射性微粒子が分散されたものである。カプセル粒子間の隙間はバインダー樹脂ないし液体で埋められている。電極6−1、6−2は面状として説明したが粒子を局所的に集積するか分散できればよく製法の容易さから電極は線状ないし点状であってもかまわない。またセル4の水平方向に微粒子を移動できればよいから対向する電極は同一面上にある必要もない。図1a(A)の隔壁で囲まれたセルないし図1a(B)のカプセル粒子10の1個が1画素を構成してもよく、多数のセルないしカプセル粒子が1画素を構成してもかまわない。またセルないしカプセル粒子は必ずしも単層である必要はない。本願では光吸収性ないし反射性微粒子の分布状態によって光変調素子を透過する方向の実質的な光線吸収ないし散乱断面積を変化させることに基づいており、微粒子間距離が密になった堆積状態の方が、微粒子間距離がより離れた分散状態に較べて光線吸収ないし散乱断面積が減じて透明度が向上することになるからである。
図1a(B)のカプセル粒子は球体として描かれているが粒子形状は球体に限られるものではない。またたとえ球体カプセル粒子であっても基板間に挟みこんで変型させて使用した方が光変調効果を増大できる場合がある。
図1bは球状カプセル粒子を変型させて利用する場合を示す。スペーサ9をカプセル直径より小さくしておくことによって球体カプセルがカドのない直方体に変型されており、図1a(A)の隔壁型セルと同様に扱うことができる。
図2は本発明の光変調素子をスペクトル変調素子として構成した場合の原理図であり、図1aないし図1bのセルないしカプセル粒子10を少なくとも3層積層することによって構成される。ただし3層の微粒子5は各々C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)色のものが用いられる。Y,M粒子が適度に分散状態にあり、C粒子が電極堆積状態にあれば、その部分はR(赤)となる。C,M,Yパネルに加えて、より完全に光を遮断するために白-黒に変調できる第4のパネルが追加され4層構成をとる場合もある。またセルの積層はY,M,Cの順に固定される必要はない。
上記説明から明らかな通り、本発明の光変調素子では隔壁部分ないしカプセル粒子間の隙間は光線透過率は変化しないから、光線透過方向のこの部分の幅は出来るだけ狭いことが望ましい。逆にこの部分が透明性であると光り抜けを生じ光変調素子の光線遮断力を低下させ純黒が得られなくなるからこの部分を黒色光吸収性にするか光反射性にすることが望ましい。ないしは光り抜けを生じる基板1ないし2の領域にブラックマトリクスないし光反射膜を設けておくことが望ましい。
本発明の光変調素子で1000:1以上の透過率変調を達成するには隔壁部を含む微粒子分散状態でのセルの光透過率を0.1%未満に押さえ込む必要があるが、隔壁部やカプセルすき間からの光り抜けを防止した上でセルないしカプセルに含有される微粒子の濃度を選定することによって容易に達成可能である。
本発明の光変調素子はX−Y型アクティブマトリクス(AM)アレー基板を用いることによってTVなどの大画面映像表示に用いる投射型ライトバルブを構成できる。AMアレーとして結晶シリコンを用いた場合は反射型ライトバルブとなり、ガラスなど透明基板上にa-Si、低温p-Si、高温p-SiなどでAMアレーを構成すれば透過型は勿論、画素に反射電極を用いることによって反射型ライトバルブも可能である。反射型の場合入射光線は2回分散系を通過するから、透過型の場合より微粒子濃度は少なくてよく、粒子移動がより高速化する高レスポンス光変調素子となる利点がある。反射型ライトバルブを構成する表示媒体に含有される微粒子には光吸収性のものが望ましい。通常TV画像などの投射に用いるライトバルブは対角サイズは1インチ以下から数インチが適切であり、画素数もVGA(640×480画素)から35mm映画フィルムに相当する高品位画像が得られる電子シネマ用では4096×2160画素程度まで用途に応じて多岐に渡る。仮に16:9のアスペクト比の対角1インチの光変調素子でフルハイビジョン相当の画素数(1920×1080)を持たせる場合、画素ピッチは11.5μとなるから、映像投射用光変調素子では小型高精細であることがまず要求される。また光源からの強力な光に晒されるための耐光性、低電力で明るい投射表示を実現するため光源からの光束利用率が極力高いこと、ライトバルブのオン/オフ時の1000対1以上のコントラスト等が併せて満足される必要がある。
図3に各画素にTFTなどのスイッチ素子を導入したX−Yアクティブマトリクスアレーを用いた光変調素子を製造する1例を示す。ガラスなどの透明基板2に蒸着、スパッタなどの方法でアルミ、タンタル、クロム、金などの電極膜を形成し、フォトエッチング法で(A)のようにY電極14を形成する。ついで表示領域に蒸着、スパッタなどの方法で第一絶縁膜16を形成しフォトエッチングによりY電極14とソース(S)電極18を繋ぐための孔17を設ける。ついでY電極形成と同様の方法でS(ソース)電極18、D(ドレイン)電極19を形成する。a-Siなどの無機半導体あるいは有機半導体とゲート絶縁膜を相次いで設けて、必要ならエッチングで、ソース、ドレイン部の積層20を残して取り除く。次に第二絶縁膜を設け半導体部/ゲート絶縁膜部を穴あけしてのちY電極形成と同様の方法でX電極15およびゲート電極24を形成する。つぎに第三絶縁膜23を設けて後、Y電極形成と同様の方法で共通電極22を形成する。最後に微粒子を移動させるためのドレイン電極19の絶縁膜をフォトエッチ、サンドブラストなどで取り除いて露出させる。ドレイン電極19と共通電極22間が微粒子を移動させる対向電極となるから、これらを覆うようにカプセル粒子を敷き詰めるか、隔壁を形成後分散系を充填してのち、他の透明基板1を貼り付け、周辺部において接着剤で接着する。COGやCOFなど公知の方法でX,Y電極に信号を供給するためのLSIを実装して光変調素子が完成する。カプセル粒子を所定位置に設置するには(1)あらかじめ基板2にカプセル粒径に対応した凹みを設けておき凹みをカプセル粒子で埋めつくす(2)所定位置にスペーサ突起を設けておきカプセル粒子の設置位置を規制する(3)透明基板に敷き詰められたカプセル粒子層を位置合わせしてマトリクスアレー側に転写する などの方法が採用できる。図3の共通電極22は素子周辺部で互いに結合されている。ドレイン電極、共通電極の幅はY電極より少し狭く、互いに向かい合う側は絶縁層を被らずセル内で露出しているのは駆動電圧を低減するためである。周知のMIM(Metal
Insulator Metal)などの非直線抵抗素子など2端子スイチイング素子をTFTの代わりに使用する場合は半導体、ゲート絶縁膜を設ける工程で2端子素子をソースとドレイン電極間に形成すればよくこの場合X電極と繋がるゲート電極24は不要である。
上ではスタッガー型のTFTを各画素に導入した構成を示したが、S,D電極形成とゲート電極形成、半導体とゲート絶縁膜成膜の順序など変更すれば逆スタッガ型TFT構成も容易である。高温p−Siを半導体に用いる場合はプロセス温度が高温になるから基板2には融点の高い石英ガラスを使う必要があり、いずれも投射型TVなどに使用できる透過型アクティブマトリクス光変調素子を構成できる。
TFTや非直線素子を設けたマトリクスパネルの利点はクロストークを防止できることは勿論、粒子が十分に移動し得ない短い電圧パルスで走査されても、セル内に電圧が保持されることにより非選択期間にも粒子を移動させ得る点にあり、高速アクセスが可能になる。
粒子の移動速度が表示の応答性を決めるが、微粒子の移動はガス体でサブミリ秒、電気泳動で数ミリ秒から数百ミリ秒が実状である。もし応答10ミリ秒のセルの場合走査線(X電極)が1000本ならば表示の全面更新に10秒かかってしまう。しかし走査は20マイクロ秒で行ってもスイッチ素子により10ミリ秒程度の電圧保持がなされれば、毎秒50枚の画像更新が可能になり、TVなどの動画表示も実現できる。ドレイン電極と共通電極間のセルの時定数が粒子移動時間より小さい場合は、ドレイン電極と共通電極間に並列容量を設けて時定数を増大すればよい。
透過は勿論、反射で使用するX−Yアクティブマトリクス型光変調素子で特に重要なことは、良好なコントラスト、色純度を実現するため出来る限り開口率を高くすることである。ここで開口率とは全表示面積に対して光変調できる領域の面積の割合をいう。たとえばX−Y電極の幅が3μでセルピッチが15μの場合セルの有効サイズは12μ角になるから開口率は64%(堆積粒子層の厚みなどを無視した場合)になり、電極幅が2μの場合に75%、1μの場合87%となり電極幅を極力狭くするのが有効なことは明らかである。電極幅一定の時、セルピッチを大きくすれば開口率は向上するが駆動電圧が高くなるか応答が遅くなるとうトレードオフの関係にあるため用途に応じてセルピッチを決めるべきである。
X−Yマトリクス光変調素子で各マトリクス交点のセルを1画素に相当させてもよいが、複数のセルをまとめて1画素とすることも可能であり、駆動源を減じることができる。
本発明は横電界または横磁界による微粒子の集積ないし分散によって光透過性を変調するもので、微粒子の光変調素子面内での濃度均一性を維持するために微粒子を隔壁で閉じ込めたり、カプセル内に閉じ込めている。微粒子をカプセルに閉じ込めることによる他の利点は、液状ないし流動性粉体としての微粒子分散系を固体化でき光変調素子面への塗布、上下基板の貼り合わせ等における取り扱いの容易さである。
図4に本発明の透過型フルカラー光変調素子の断面図を示す。現在の投射型単板式液晶カラーパネルのライトバルブとしての液晶を、パンクロマチックに透過率を変調できる微粒子を分散した分散系に置き替えることによって実現できる。すなわちX−Yマトリクス構成のAMアレーが形成された透明ガラス基板2とストライプ状あるいはドット状にR,G,Bカラーフィルタが設けられた基板1との間に分散系が挟まれて構成される。ここでは共通電極22はカラーフィルタ側に設けており、ブラックマトリクスの下に設けているが、ブラックマトリクスに導電性のものを用いれば共通電極22とブラックマトリクスを兼用することは可能である。R,G,B併置カラーフィルタを用いているため光変調素子への入射光の2/3をロスする欠点はあるが、現状確立しているTFTアレーの量産プロセスと設備がほぼそのまま利用できる利点がある。
TFTアレーの電極構成は図4で述べたように液晶用の場合から若干変更すればよい。
液晶光変調素子の場合と違って、ITO透明電極、配向膜、偏光板、配向処理プロセスなどは不要であり、プロセスの簡易化、部材の低減化に加えて、偏光板が不要であるから光変調素子への入射光の50%ロスから開放されるメリットが生じる上、強い光照射や高温で劣化しやすい偏光板が不要であることは、光変調素子の信頼性、寿命の点で優位性が発揮される。
図5には図2と同様C,M,Yカプセル粒子を積層構造で用いたフルカラー光変調素子の断面図を示す。ここでは1画素を3×3個の単層カプセル粒子から成るとして図示している。カプセル粒子径が15μであればスペーサは約45μの高さを必要とする。図5では2層目、3層目のカプセル粒子に電界を作用させるためのTFTはすべて下基板2に形成されているとして図示してある。ただし図5のような構成のアクティブマトリクスパネルを製造する方法として大きくは3つの方法が可能である。すなわち(1)C,M,Yカプセル粒子駆動用TFTはすべて基板2に形成されており、各色用ドレイン電極とこれに対向する共通電極は絶縁性スペーサの内部ないし表面を通して形成し、アレー基板とスペーサが形成された後にカプセル粒子を1層ずつ積み上げる。(2)C,M,Yカプセル粒子駆動用TFTはすべて基板2に形成されている点で(1)と同様であるが、各色用ドレイン電極、共通電極などの形成及び下部に形成されている対応する色用ドレイン電極との配線は各色カプセルを敷き詰めた後に追加してゆく。(3)1色目のアレーが形成された基板に1色目のカプセル粒子を敷き詰めて、表面を平坦化して後2色目のTFTアレーを形成するというように、アレーとカプセル粒子層を順次形成してゆく。以上いずれの方法に於ても導体の積み上げには導体ペーストのインクジェット描画法やアディティブ法として広く用いられている無電解メッキ法などが利用できる。いずれにしても最終カプセル粒子層が配置されて後は透明保護層を設けるか図5のように透明上基板を貼り付けて積層型フルカラー光変調素子が構成される。
図2および図5の光変調素子構成はまさにカラーフィルムの電子版と言えるもので、R,G,B併置カラーフィルタを用いていないから光源からの光束ロスが生じず、偏光板も不要であるから理想的な単板型フルカラー光変調素子に成り得る。
セルを多数積層する光変調素子において特に注意すべきは、界面反射である。屈折率が異なる界面では必ず界面反射が生じる。図2や図5の3層積層型光変調素子では、モノクロ素子1層辺り多数の層(基板、カプセル膜、表示媒体、バインダー膜、接着層)から成るから各層は出来るだけ透明性が高いのは勿論、屈折率のできるだけ等しい材料で構成し、不要な界面反射を出来るだけ軽減することが重要である。また図2の3層積層型光変調素子では間に入る基板の厚さにくらべて画素ピッチが小さい場合入射光線を平行光にしないと光利用率が悪化する。その点図5の如く間に基板が入らないものが光線利用率の点で有利になる。
本発明に使用する材料について述べる。
微粒子としては白黒用にはカーボンブラック、ピグメントブラック、黒鉛などまたはこれらが樹脂に埋め込まれたいわゆるトナーが使用できる。一方フェライト、マグネタイトなどの直径20nm以下の微粒子が界面活性剤で包まれて溶媒に分散された磁性流体と呼ばれるコロイド分散系は光吸収性であると共に分散安定性に優れているから有用である。粒子は電界で移動させることも磁場で移動させることも可能であり、本発明の表示媒体として利用可能である。C,M,Y微粒子としては印刷インキ、カラー複写機用トナー、インクジェット用インキなどに用いられているアゾ系、フタロシアニン系、ニトロ系、ニトロソ系など各種有機顔料や酸化鉄、カドミウムエロー、カドミウムレッドなどの無機顔料など多様なものを用いることが出来る。Y色微粒子としてはハンザイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエローなど、M色微粒子としてはピグメントレッド、ローダミンB、ローズベンガル、ジメチルキナクリドンなど、C色微粒子としてはアニリンブルー、フタロシアニンブルー、ピグメントブルーKなど、黒色微粒子としてはC,M,Y微粒子を混合して用いてもよい。微粒子は単体ばかりではなく帯電性や色調を最適化するため染料、顔料およびいくつかの色材を樹脂や液体と共に内包したカプセル微粒子を使用してもよい。粒子の形状は球形はじめ針状、鱗片状など異方形状のものは分散状態では光線吸収能、光散乱能が高く、積み重なった集積状態で吸収ないし散乱断面積が減じるものは本願で用いるのにふさわしいものである。
光変調素子に用いるための微粒子のサイズは拡大投射した際粒状性が目に付くのは好ましくないから5nm〜5μ程度が望ましい。微粒子は原子や分子レベルでの表面コートで表面変性したり、分散剤、界面活性剤等を用いて良分散状態が維持される必要があり、電界、磁界で集積させた粒子層も逆電界ないし逆磁界で速やかに再分散されるように調整されている必要がある。電気泳動で粒子を移動させる場合、粒子の荷電性向上と強い光照射下に於ても荷電状態の安定性確保が特に重要である。
本発明で使用するマイクロカプセルの製法は公知の種々の方法が適用できる。すなわち、
(1)化学的方法として代表的な界面重合法やin-site 重合法(界面反応法)
(2)物理
化学的方法として代表的な液中乾燥法、コアセルベーション法、融解分散冷却法 (3)機
械的方法として代表的な噴霧乾燥法、乾式混合、オリフィス法 などである。マイクロカプ
セルの膜材としてはゼラチン、アラビアゴム、メラミン樹脂、尿素樹脂、ホルマリン樹脂、
ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、アミノ酸樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂など多様な
高分子材料が使用可能である。内部がガス体のマイクロカプセルは一般にマイクロバルーン
と称される。微粒子を内蔵したマイクロバルーンの製法としては、微粒子の成分にたとえば
紫外光照射で窒素ガス等を発生する成分を導入ないし表面に吸着させておき、微粒子群を高
分子樹脂で覆ってカプセル化して後、紫外光を照射して内部にガスを発生して微粒子内蔵マ
イクロバルーンを製造することができる。表示媒体7がガス体のものは微粒子移動に抵抗が
少ないから高速応答の表示パネルが可能になる。
拡大投射用に使用される光変調素子は強力な光に曝されることになるから、使用する材料(微粒子、分散媒、カプセル材料、バインダー樹脂、隔壁材料、AMアレー形成材料、基板など)には特に耐光性、耐高温性に優れたものを用いる必要がある。
媒体が液体の場合シリコン系、石油系やハロゲン化炭化水素など多種類の高絶縁性溶媒が利用できる。粒子を磁場で移動させる場合は水系溶媒も使用可能である。媒体として液晶を用いると電界によって分子配列状態が変化し、併せてセルないしカプセル内での流体の流れが影響を受けるから、微粒子として2色性色素や先に述べた針状や鱗片状のような異方形粒子を分散しておくと、集積状態と分散状態での吸収断面積比を向上させる効果が期待できる。
非直線素子材料としてはTa,Alなどの薄膜を陽極酸化して他方の金属で挟み込んだMIMや、カルコゲナイト系、酸化亜鉛などの半導体が利用でき、TFT材料としてはa−Sia-InGaZnO、ポリシリコンなどの無機半導体またペンタセン、ポリフルオレン、ポリフェキシルチオフェンなどの低分子や高分子の有機半導体が用いられる。
本発明は次のような効果を奏する。
請求項1に記載されている発明は基板面に平行な電界ないし磁界の作用で微粒子を局所に堆積させるかランダムに分布させて光線透過性を変化させるものであり光変調素子として有用なものである。偏光板を用いる従来の液晶シャッタのような光線ロスが回避できるゆえ、明るい投射表示が可能となり、R,G,Bカラーフィルタと併用した加色混合法でフルカラー表示が可能であるばかりか、C,M,Yパネルを積層することによってより明るいフルカラー表示が実現できるものである。
従来のR,G,Bカラーフィルタを並置して設けた偏光板利用液晶等の加色混合型カラーディスプレイに対して偏光板を使用していない分で2倍明るく、C,M,Y積層型にすればR,G,B並置カラーフィルタで生じる2/3の光線ロスを回避できるゆえ合計6倍明るいかないし投射光源に関しては1/6の電力消費ですむメリットが生じる。
光源の光ロスが少ないからたとえばR,G,B発光のLEDないしLD(レ−ザダイオード)を光源として単板型光変調素子のフィールド順次法で明るいフルカラー像を得ることが出来る。
は本発明の光変調素子の動作原理を説明するための素子横断面図である。 は本発明の光変調素子の他の例を示す素子横断面図である。 は本発明の光変調素子で透過スペクトルの変調原理を説明するための横断面図である。 は本発明のX−Yアクティブマトリクス構成の光変調素子製造工程図の1例である。 は本発明のカラーフィルタ付き光変調素子の横断面図である。 は本発明の積層型フルカラー光変調素子の横断面図である。
符号の説明
1 透明上基板
2 透明下基板
3 隔壁
4 セル
5 微粒子
6−1,6−2 電極
7 表示媒体
8 バインダー
9 スペーサ
10 カプセル粒子
11 接着剤
13a カラーフィルタ
13b ブラックマトリクス
13c X−Yマトリクスアレー
14 Y電極
15 X電極
16 第一絶縁層
17 孔
18 ソース電極
19 ドレイン電極
20 半導体と絶縁層の積層
21 第二絶縁層
22 共通電極
23 第三絶縁層
24 ゲート電極

Claims (5)

  1. 少なくとも1方は透明な2枚の基板間に設けられた隔壁で構成されるセル、ないしは基板間にカプセル粒子が挟まれており、該セルないしカプセル粒子内には微粒子が分散された分散系が内蔵されており、該基板面と平行方向の電界または磁界を作用させて該微粒子の分布状態を変化させて、セルないしカプセル内で微粒子の集積状態と分散状態を生成することによって基板に垂直方向の光学的透過性を変化させるように構成したことを特徴とした光変調素子。
  2. 請求項1において、微粒子がそれぞれシアン色透過性、マゼンタ色透過性、イエロー色透過性であり、各色が層を構成しており、少なくともこれら3層が積層されて、各色の透過性を独立に制御できるように構成されていることを特徴とした光変調素子。
  3. 請求項1〜2において微粒子を移動させるための電界ないし磁界を作用する手段はX−Yアクティブマトリクスで構成されていることを特徴とした光変調素子。
  4. 請求項3のX−Yアクティブマトリクスはガラス基板に設けられたa-SiTFTアレー、低温p-SiTFTアレー、高温p−SiTFTアレー、有機TFTアレー、結晶Siで構成されたFETアレーのいずれかであることを特徴とした光変調素子。
  5. 請求項1〜請求項4において2枚の基板のいずれかにR,G,Bカラーフィルタが設けられており、各フィルタを透過する光量を制御するように構成されたことを特徴とした光変調素子。
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