JP2007303318A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】
鏡板面の潤滑性に優れ、且つ摺動面圧が低く摩擦抵抗の小さな構造を簡素な構造で実現する。
【解決手段】
固定スクロール100の鏡板面105に一端を中間圧力空間に連通し、一端をラップ部近傍であって吸入室に連通しない閉塞通路とした給油溝を設け、旋回スクロール200の鏡板面の外径を旋回スクロールの台板201の外径より小さくかつ固定スクロールの鏡板面の外径+旋回直径より小さく構成し、鏡板面より外側の台板面は鏡板面より一段低く構成する。
【選択図】 図1
鏡板面の潤滑性に優れ、且つ摺動面圧が低く摩擦抵抗の小さな構造を簡素な構造で実現する。
【解決手段】
固定スクロール100の鏡板面105に一端を中間圧力空間に連通し、一端をラップ部近傍であって吸入室に連通しない閉塞通路とした給油溝を設け、旋回スクロール200の鏡板面の外径を旋回スクロールの台板201の外径より小さくかつ固定スクロールの鏡板面の外径+旋回直径より小さく構成し、鏡板面より外側の台板面は鏡板面より一段低く構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は冷凍、空調用の冷媒圧縮機、空気やその他のガス圧縮機として好適なスクロール圧縮機の摺動部機構に関するものである。
旋回スクロールの台板と接触摺動する固定スクロール鏡板面に給油溝を設ける構造は特許文献1に記載されている。また固定スクロールの鏡板面(シート面)の幅寸法に関しては特許文献2に公知例がみられる。
特許文献1に記載の固定スクロール鏡板面構造は幅寸法を旋回半径の2倍以上設けることで鏡板摺動面圧を小さくし、鏡板面の給油溝により鏡板摺動面の潤滑が良好となりかじりや焼き付きを防止できる構造であるが、鏡板摺動面積が大きいため摩擦抵抗が大きくなり入力の増加につながるデメリットがあった。また鏡板摺動面積が大きいために圧縮機起動時に鏡板油溝に油が充満するのに時間がかかるデメリットがあった。特許文献2の鏡板面(シート面)では、幅寸法を旋回半径以下とすることから、旋回スクロール台板は油と接触しやすく台板摺動面の潤滑が良好となるメリットと、固定スクロール鏡板面の幅が狭いため摺動面の面圧が高くなりかじりや焼き付きが発生しやすくなるというデメリットを合わせ持った構造であった。
安価で性能及び信頼性の高い圧縮機を供給するためには、鏡板面の潤滑性に優れ、且つ摺動面圧が低く摩擦抵抗の小さな構造を簡素な構造で実現する必要がある。
安価で性能及び信頼性の高い圧縮機を供給するためには、鏡板面の潤滑性に優れ、且つ摺動面圧が低く摩擦抵抗の小さな構造を簡素な構造で実現する必要がある。
本発明は、鏡板面の摺動摩擦抵抗と摺動面圧をバランスよく設計でき、鏡板面のかじり、焼付きを低減した信頼性の高いスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様では、台板に渦巻き状のラップを直立する旋回スクロールおよび固定スクロールを互いに噛み合わせ、旋回スクロールのラップ部の外側の台板と固定スクロールのラップ部の外側に互いに接触する鏡板面を設け、旋回スクロールを固定スクロールに押し付けて駆動させ、旋回スクロールの鏡板面より外側の外周台板面を鏡板面より低い位置に設けた構成としている。さらに、固定スクロールの鏡板面に給油溝を設けた構成とすることが望ましい。さらに、旋回スクロールの鏡板面より外側の外周台板面と固定スクロールとの間に隙間が形成されていることが望ましい。
また、本発明の他の態様として、台板に渦巻き状のラップを直立する旋回スクロールおよび固定スクロールを互いに噛み合わせ、旋回スクロールのラップ部の外側の台板と固定スクロールのラップ部の外側に互いに接触する鏡板面を設け、旋回スクロールを固定スクロールに押し付けて、旋回スクロールの鏡板面の外径を固定スクロールの鏡板面の外径と旋回スクロールの旋回直径の和より小さい構成としている。さらに、旋回スクロールの台板の外形は前記固定スクロールの外径と旋回スクロールの旋回直径の和よりも大きくすることが望ましい。さらに、台板に渦巻き状のラップを直立する旋回スクロールおよび固定スクロールを互いに噛み合わせ、旋回スクロールのラップ部の外側の台板と固定スクロールのラップ部の外側に互いに接触する鏡板面を設け、旋回スクロールを固定スクロールに押し付けて駆動し、固定スクロールの鏡板面の幅が旋回スクロールの旋回半径よりも大きくすることが望ましい。
本発明によれば、鏡板面の摺動摩擦抵抗と摺動面圧をバランスよく設計でき、鏡板面のかじり、焼付きを低減した信頼性の高いスクロール圧縮機を得ることが可能となる。
本実施例では、上記課題を解決するために、固定スクロールのラップ部外側に旋回スクロールと接触摺動する鏡板面を設け、鏡板面内に給油溝を設ける。給油溝は一端を旋回スクロール外周空間に連通し、一端をラップ部近傍の吸入室に連通しない位置までのばした閉塞通路として構成する。一方、旋回スクロールのラップ部外側の台板には固定スクロール鏡板面と摺動する鏡板面を設け、鏡板面外径は台板外径より小さく且つ固定スクロールの鏡板面外径+旋回直径より小さく構成し、鏡板面より外側の台板面は鏡板面より一段低く構成する。これにより鏡板摺動面積は特許文献1と特許文献2の中間に設定することになり、低面圧と低摩擦抵抗が両立するバランスの良い寸法を選択可能となる。また、固定スクロール鏡板面は旋回スクロールの旋回運動にともない旋回スクロール鏡板面と接触せず且つ旋回スクロールの鏡板外側の台板面と隙間を保持して対面する部位ができ、固定スクロール鏡板の給油溝に油が入りやすくなり、起動時にも鏡板面に油が短時間で充満し、より良好な潤滑を確保できる。
以下、本発明のスクロール圧縮機の実施例について説明する。図1はスクロール圧縮機の断面図である。密閉容器700内には、上方に圧縮機構部、中央に電動機600、下方に油溜り730が配設されており、回転軸300を介して圧縮機構部と電動機が連結されている。圧縮機構部は、台板101に渦巻き状のラップ102を直立した固定スクロール100と、台板201に渦巻き状のラップ202を直立した旋回スクロール200を、ラップを互いに噛み合わせて形成し、固定スクロール100には吸入口103、吐出口104が設けられている。上記回転軸300は、電動機上部に備えた軸受401および電動機下部に備えた副軸受803に支持されている。副軸受部は下フレーム801を介して密閉容器700に固定されている。回転軸300の先端にはクランクピン301を備え、該クランクピン301が旋回スクロール200の台板201の下方に突設したボス203に挿入されている。ボス203内には旋回軸受210が設けられており、クランクピン301と摺動する構造となっている。旋回スクロール200の台板201の背面にはオルダム継手500が配設されている。該オルダム継手500は、旋回スクロール200を固定スクロール100に対し自転することなく旋回運動させる自転防止機構としての継手である。
上記圧縮機構部は、電動機部600に連結した回転軸300の回転によりクランクピン301が偏心回転すると、旋回スクロール200がオルダム継手500の自転防止機構により固定スクロール100に対し自転せずに旋回運動を行い、ガスを吸入管711および吸入口103を介してスクロールラップ102および202で形成される密閉室に吸入する。上記旋回運動により、密閉室は中央部へ移動しながら容積を減少してガスを圧縮し、圧縮ガスを吐出口104より吐出室に吐出する。吐出室に吐出されたガスは、圧縮機構部および電動機部の周囲を循環したのち吐出管701から圧縮機外へ放出される。なお、旋回スクロールの台板201には、ラップを組合わせて形成した圧縮室と旋回背面の背圧室411を連通させる背圧穴204が設けられており、背圧室の圧力を吸入圧力と吐出圧力の中間の圧力(中間圧力)に保っている。フレーム400に設けられたシールリング410は背圧室への吐出ガス流入を防いでいる。旋回スクロール200は前記中間圧力とシールリング410の内側に作用する吐出圧力の合力で固定スクロール100に押し付けられている。
次に給油経路について説明する。ハウジング802の下端にポンプ部900が設けられており、回転軸下端のポンプ継ぎ手310を介して駆動する。回転軸300が回転するとポンプ部900により油溜り730の油が回転軸内の油通路311に送られる。一部は横穴312を通って副軸受803に流れた後、油溜り730に戻る。油通路311を通ってクランクピン301の上部に到達した油は旋回軸受210を通り軸受401へ流れる。軸受401を潤滑した油は排油パイプ408を通り、油溜り730に戻る。また、旋回スクロールのボス203の端面には給油ポケット205が設けられており、旋回スクロール200が旋回運動することにより、給油ポケット205がシールリング410の外側と内側を往復し、旋回軸受210と軸受401の間にある油の一部を背圧室411に搬送する。搬送された油はオルダム継手500に給油された後、固定スクロールの鏡板面105と旋回スクロールの台板201の摺動面に給油される。油は背圧穴204を通って、または鏡板摺動面の微小隙間を通って圧縮室に流入する。圧縮室に流入した油は圧縮された冷媒ガスと共に吐出口104から吐出され、密閉容器700内で冷媒ガスと分離され油溜り730に戻る。
図2に本発明の実施例である固定スクロールを示す。固定スクロールのラップ部外側に鏡板面105を有し、ラップ部近傍から鏡板面外周までの幅Bは旋回半径より大きい幅で形成されている。旋回スクロールのラップ部の外側の台板と前記固定スクロールのラップ部の外側は互いに鏡板面で接触している。鏡板面105の外周部は旋回スクロール台板201の外周部の中間圧力空間に接している。鏡板面105内には給油溝106が配設されている。給油溝106の一端は鏡板面105の外周側に開放しており、前記の旋回スクロール台板201の外周部の中間圧力空間に連通している。また一端はラップ部近傍であってラップ側に連通しない閉塞通路となっている。給油溝106は円弧で形成されており、外周から内周に向かう円弧の方向が旋回スクロールの旋回方向と同方向となっている。また、給油溝106の間隔Lを旋回半径の2倍以下になるように配置されている。
図3に従来の実施例である旋回スクロールを示す。
旋回スクロール200のラップ部202の外側に鏡板面206を設け、さらに外側には鏡板面206より一段低い台板面201を設けている。旋回スクロール鏡板面206の外径は固定スクロール鏡板面105の外径+旋回直径より小さく構成されている。
旋回スクロール200のラップ部202の外側に鏡板面206を設け、さらに外側には鏡板面206より一段低い台板面201を設けている。旋回スクロール鏡板面206の外径は固定スクロール鏡板面105の外径+旋回直径より小さく構成されている。
図4に本発明の実施例である固定スクロール100と旋回スクロール200の組合せ断面図を示す。旋回スクロール200の旋回運動に伴ない、固定スクロール鏡板面a部は旋回スクロール鏡板面206と接触摺動し、固定スクロール鏡板面b部は旋回スクロール鏡板面206と接触せず、台板面201と隙間を保持して対面する。これにより、固定スクロール鏡板面全面を常に接触摺動させる構造に比べて摺動摩擦抵抗を小さく抑えることができる。また、固定スクロール100の鏡板幅は旋回半径より大きく構成するので鏡板面圧と摺動摩擦抵抗のバランスのとれた設計が可能となる。
固定スクロール鏡板給油溝106が旋回スクロール台板面201と対面するタイミングで旋回スクロール台板面201の油が給油溝106の外周端に取り込まれ、旋回スクロール200の旋回方向と同方向となっている外周から内周に向かう円弧の給油溝106に沿って給油される。また、給油溝106の間隔Lを旋回半径の2倍以下とすることにより、旋回スクロール鏡板面206の大方全体が1回転中に1回油に接触し、良好な潤滑状態を保つことができる。
図5に第1の従来例である固定スクロール200と旋回スクロール100の組合せ断面を示す。従来例では、旋回スクロール鏡板外径と台板外径が同一であるため、固定スクロール鏡板面105全面が常に旋回スクロールの鏡板面206に接触摺動しており、摺動摩擦抵抗が大きく入力が大きい傾向があった。また、起動時などの過渡時に固定スクロール鏡板面の給油溝106に油が充満するまでに時間を要した。
図6に第2の従来例である固定スクロール100と旋回スクロール200の組合せ断面を示す。従来例では固定スクロール鏡板幅が小さ過ぎるため摺動面積が小さく面圧が高く、かじりや焼付きに至りやすかった。
上記実施例によれば、鏡板面の摺動摩擦抵抗と摺動面圧をバランスよく設計できるとともに、鏡板面への給油が確実となるので、入力が小さい高性能な圧縮機であり且つ鏡板面のかじり、焼付きを防止した信頼性の高いスクロール圧縮機を安価に提供することが可能となる。
100:固定スクロール、101:台板、102:ラップ、
103:吸入口、104:吐出口、105:鏡板面、106:給油溝
200:旋回スクロール、201:台板、202:ラップ、
203:ボス、204:背圧穴、
205:給油ポケット、206:鏡板面、210:旋回軸受
300:回転軸、301:クランクピン
310:ポンプ継ぎ手、311:油通路、312:横穴、
401:軸受、408:排油パイプ、410シールリング
411:背圧室
500:オルダム継手
600:電動機部
700:密閉容器、701:吐出管、711:吸入管、730:油溜り
801:下フレーム、802:ハウジング、803:副軸受
900:ポンプ部
103:吸入口、104:吐出口、105:鏡板面、106:給油溝
200:旋回スクロール、201:台板、202:ラップ、
203:ボス、204:背圧穴、
205:給油ポケット、206:鏡板面、210:旋回軸受
300:回転軸、301:クランクピン
310:ポンプ継ぎ手、311:油通路、312:横穴、
401:軸受、408:排油パイプ、410シールリング
411:背圧室
500:オルダム継手
600:電動機部
700:密閉容器、701:吐出管、711:吸入管、730:油溜り
801:下フレーム、802:ハウジング、803:副軸受
900:ポンプ部
Claims (6)
- 台板に渦巻き状のラップが直立する旋回スクロールおよび固定スクロールを互いに噛み合わせ、前記旋回スクロールのラップ部の外側の台板と前記固定スクロールのラップの外側が互いに鏡板面で接触し、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに押し付けて駆動するスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの鏡板面より外側の外周台板面を前記鏡板面より低い位置に設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
- 請求項1において、前記固定スクロールの鏡板面に給油溝を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
- 請求項1において、前記旋回スクロールの鏡板面より外側の外周台板面と固定スクロールとの間に隙間が形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
- 台板に渦巻き状のラップが直立する旋回スクロールおよび固定スクロールを互いに噛み合わせ、前記旋回スクロールのラップの外側の台板と前記固定スクロールのラップの外側が互いに接触する鏡板面を設け、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに押し付けて駆動するスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの鏡板面の外径が前記固定スクロールの鏡板面の外径と前記旋回スクロールの旋回直径の和より小さいことを特徴とするスクロール圧縮機。
- 請求項4において、前記旋回スクロールの台板の外形は前記固定スクロールの外径と前記旋回スクロールの旋回直径の和よりも大きいことを特徴とするスクロール圧縮機。
- 台板に渦巻き状のラップが直立する旋回スクロールおよび固定スクロールを互いに噛み合わせ、前記旋回スクロールのラップの外側の台板と前記固定スクロールのラップの外側が互いに接触する鏡板面を設け、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに押し付けて駆動するスクロール圧縮機において、前記固定スクロールの鏡板面の幅が前記旋回スクロールの旋回半径よりも大きいことを特徴とするスクロール圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006130965A JP2007303318A (ja) | 2006-05-10 | 2006-05-10 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006130965A JP2007303318A (ja) | 2006-05-10 | 2006-05-10 | スクロール圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007303318A true JP2007303318A (ja) | 2007-11-22 |
Family
ID=38837464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006130965A Withdrawn JP2007303318A (ja) | 2006-05-10 | 2006-05-10 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007303318A (ja) |
-
2006
- 2006-05-10 JP JP2006130965A patent/JP2007303318A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090804 |