JP2007300297A - スピーカー装置用磁気回路及びスピーカー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品コスト及び電流歪の低減並びに不要な振動の抑制を図ることが可能なスピーカー装置用磁気回路等を提供する。
【解決手段】磁気回路は、ヨークと、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットと、マグネットとヨークの間に設けられ、ヨークの所定位置に対してマグネットを配置するスペーサと、を備え、スペーサは、金属非磁性体及び/又はヨークより内部損失の高い非磁性体により形成され、少なくともヨークの一部を覆う位置に配置されている。これにより、磁気回路に発生する渦電流の発生が抑制され、ボイスコイルに電流歪が生じるのを低減できると共に、駆動時に磁気回路で生じる不要な振動がスペーサによって押さえ込まれる結果、磁気回路に不要な振動が生じるのを抑制できる。また、スペーサの高さを変えることでマグネットをヨークの所定位置に位置決めするのが容易となり、磁気回路の組み立て時間の短縮化が図れ、その製品コストを低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピーカー装置用磁気回路の構造に関する。
従来より、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットと、略山の字状の断面形状をなすヨークと、を有するスピーカー装置用磁気回路、及びそのようなスピーカー装置用磁気回路を有するスピーカー装置が知られている(例えば、特許文献1乃至5を参照)。
この種の磁気回路では、環状のマグネットが、ヨークのセンターポール(中央磁極)の外周壁、又は、センターポールと一定の間隙をおいて対向して配置され、ヨークの要素である環状の部分の内周壁に取り付けられ、マグネットと、センターポール又は環状の部分との間に磁気ギャップが形成された構成となっている。
例えば、特許文献1に記載のスピーカー装置用磁気回路では、磁気ギャップ部でのBgの分布を均一化するために、リング状磁石(環状のマグネット)の磁気ギャップ部に面する部分に厚さが0.10〜0.15mmの軟磁性体層が設けられている。
また、特許文献2に記載のスピーカー装置用磁気回路では、中央磁極と椀状ヨークの間にラジアル方向に着磁された大きさの異なる、2つの環状のマグネットが設けられていると共に、その両者のマグネットの間には磁気ギャップを形成する非磁性体よりなる円環状の内部キャップが設けられている。このように、このスピーカー装置用磁気回路では、非磁性体よりなる内部キャップを設けることで漏洩磁束が流れ難くなるとされている。
また、このスピーカー装置用磁気回路では、中央磁極、2つのマグネット及び椀状ヨークの各上面を、平板円環状の非磁性体よりなる上部プレートで覆うようにしている。これにより、上部プレートをショートリングとして作用させることができ、電流歪を低減させることができるとされている。
特許第2998427号公報 実用新案登録第2577561号公報 特開平6−315195号公報 特開2001−176723号公報 特開平8−154296号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載のスピーカー装置用磁気回路では、ヨークの上端部付近が当該ヨークの内周壁からマグネット側に突出した形状となるようにヨークに加工が施されているので、その分だけ工程数が増加して、ヨークの製品コストが上がってしまうという問題がある。また、かかるスピーカー装置用磁気回路では、センターポールの外周壁に接合されたマグネットは、所定の空間をおいてヨークの底面側と対向するように配置されているので、ヨークの内周壁にマグネットが接合された構造を有するスピーカー装置用磁気回路と比較して、渦電流が生じやすく磁気効率が低下して電流歪が生じてしまうという問題もある。
また、上記の特許文献2に記載のスピーカー装置用磁気回路において、非磁性体よりなる内部キャップが、マグネット、中央磁極及び椀状ヨークよりも内部損失の低い素材にて形成されているような場合、その内部キャップはスピーカー装置の駆動時に生じる不要な振動を抑制することができず、スピーカー装置用磁気回路に不要な振動が発生してしまうという問題がある。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、製品コスト及び電流歪の低減並びに不要な振動の抑制を図ることが可能なスピーカー装置用磁気回路及びその製造方法並びにスピーカー装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、スピーカー装置用磁気回路であって、磁性体により形成されたヨークと、前記ヨークとの間に磁気ギャップを形成し、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットと、前記マグネットと前記ヨークの間に設けられ、前記ヨークの所定位置に対して前記マグネットを配置するスペーサと、を備え、前記スペーサは、金属よりなる非磁性体及び/又は前記ヨークより内部損失の高い非磁性体により形成され、少なくとも前記ヨークの一部を覆う位置に配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、スピーカー装置用磁気回路の製造方法であって、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有するヨークの前記フランジ部上に、金属よりなる非磁性体及び/又は前記ヨークより内部損失の高い非磁性体により形成されたスペーサを取り付けるスペーサ取り付け工程と、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットを前記スペーサ上に取り付けると共に、前記センターポールと前記マグネットの間に磁気ギャップを形成するマグネット取り付け工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、スピーカー装置用磁気回路は、磁性体により形成されたヨークと、前記ヨークとの間に磁気ギャップを形成し、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットと、前記マグネットと前記ヨークの間に設けられ、前記ヨークの所定位置に対して前記マグネットを配置するスペーサと、を備え、前記スペーサは、金属よりなる非磁性体及び/又は前記ヨークより内部損失の高い非磁性体により形成され、少なくとも前記ヨークの一部を覆う位置に配置されている。
上記のスピーカー装置用磁気回路は、鉄などの磁性体により形成されたヨークと、そのヨークとの間に磁気ギャップを形成し、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットと、そのマグネットとそのヨークの間に設けられ、そのヨークの所定位置に対してマグネットを配置するスペーサと、を備えて構成される。ここで、環状のマグネットにおいてラジアル方向に着磁された状態とは、環状のマグネットの内周壁側がN極又はS極に着磁され、これに対応して、環状のマグネットの外周壁側がS極又はN極に着磁された状態をいう。これにより、スペーサは、そのヨークの所定位置に対してマグネットを配置する位置決め用部材として機能する。その結果、ヨークの所定位置へマグネットを配置するために、意図的にヨーク側に加工を施す必要がなくなるため、スピーカー装置用磁気回路の組み立て時間を短縮化でき、これに伴いスピーカー装置用磁気回路の製品コストの低減を図ることができる。
特に、このスピーカー装置用磁気回路では、スペーサは、銅やアルミニウムなどの金属よりなる非磁性体(金属非磁性体、以下同様)及び/又はヨークより内部損失の高い非磁性体(例えば、高い比重を有する樹脂素材や硬質ゴムなど)により形成され、少なくともヨークの一部を覆う位置に配置されている。
このため、スペーサが金属非磁性体で形成されている場合には、スペーサを、いわゆるショートリングとして機能させることができる。これにより、磁気ギャップ内に配置されるボイスコイルに音声電流が流れることによって磁気回路に発生する渦電流の発生が抑制され、当該ボイスコイルに電流歪が生じるのを低減させることができる。その結果、再生音が歪むのを防止でき、音質の向上に寄与し得る。
一方、スペーサが、ヨークよりも内部損失の高い非磁性体により形成されている場合には、スピーカー装置の駆動時にスピーカー装置用磁気回路で生じる不要な振動がスペーサによって押さえ込まれる。その結果、スピーカー装置用磁気回路に不要な振動が生じるのを抑制することができる。
また、スペーサが金属非磁性体で形成され、かつ、ヨークよりも内部損失の高い非磁性体により形成されている場合には、上記した両方の作用効果を得ることができる。
上記のスピーカー装置用磁気回路の一つの態様では、前記ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有し、前記スペーサは、当該スペーサの外周壁が前記環状部の内周壁の一部と接触した状態で前記フランジ部上に取り付けられ、前記スペーサ上には前記マグネットが設けられている。
この態様では、ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、そのセンターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、そのフランジ部の外周部から当該センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有して構成される。そして、スペーサは、当該スペーサの外周壁が環状部の内周壁の一部と接触した状態でフランジ部上に取り付けられ、スペーサ上にはマグネットが設けられている。これにより、ヨークの一部、即ち環状部及びフランジ部の各一部はスペーサにより覆われることになるので、スピーカー装置用磁気回路内に発生する、渦電流の抑制効果及び/又は不要な振動の低減効果が得られる。
上記のスピーカー装置用磁気回路の他の態様では、前記ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有し、
前記スペーサは、当該スペーサの内周壁が前記センターポールの外周壁の一部と接触した状態で前記フランジ部上に取り付けられ、前記スペーサ上には前記マグネットが設けられている。
この態様では、ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、そのセンターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、そのフランジ部の外周部から当該センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有して構成される。そして、スペーサは、当該スペーサの内周壁がセンターポールの外周壁の一部と接触した状態でフランジ部上に取り付けられ、スペーサ上にはマグネットが設けられている。これにより、ヨークの一部、即ちセンターポール及びフランジ部の各一部はスペーサにより覆われることになるので、スピーカー装置用磁気回路内に発生する渦電流を抑制させることができる効果、及び/又は、磁気回路内に生じる不要な振動を抑制する効果が得られる。
上記のスピーカー装置用磁気回路の他の態様では、前記ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有し、前記スペーサと同一の材料により形成された他のスペーサを1つ又は複数含み、前記センターポールの外周壁及び前記フランジ部の上面の全部並びに前記環状部の内周壁の一部は、前記スペーサ及び前記他のスペーサにより覆われ、前記スペーサ上には前記マグネットが設けられている。
この態様では、ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、そのセンターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、そのフランジ部の外周部から当該センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有して構成される。そして、スペーサと同一の材料により形成された他のスペーサを1つ又は複数含んでいる。また、センターポールの外周壁及びフランジ部の上面の全部並びに環状部の内周壁の一部は、スペーサ及び他のスペーサにより覆われ、スペーサ上にはマグネットが設けられている。このように、ヨークの一部、即ち、センターポールの外周壁及びフランジ部の上面の全部並びに環状部の内周壁の一部は、スペーサ及び他のスペーサにより覆われているので、スピーカー装置用磁気回路内に発生する渦電流を抑制させることができる効果、及び/又は、磁気回路内に生じる不要な振動を抑制する効果が得られる。
上記のスピーカー装置用磁気回路の他の態様では、前記ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有し、
前記スペーサと同一の材料により形成された他のスペーサを含み、前記フランジ部の表面の一部及び前記環状部の内周壁の一部は、前記スペーサにより覆われていると共に、前記マグネットの内周壁及び前記フランジ部の上面の一部は、前記他のスペーサにより覆われ、前記スペーサ上には前記マグネットが設けられている。
この態様では、ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、そのセンターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、そのフランジ部の外周部から当該センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有して構成される。そして、スペーサと同一の材料により形成された他のスペーサを含んでいる。また、フランジ部の上面の一部及び環状部の内周壁の一部は、スペーサにより覆われていると共に、マグネットの内周壁及びフランジ部の上面の一部は、他のスペーサにより覆われ、スペーサ上にはマグネットが設けられている。このように、ヨークの一部はスペーサ及び他のスペーサにより覆われるので、スピーカー装置用磁気回路内に発生する渦電流を抑制させることができる効果、及び/又は、磁気回路内に生じる不要な振動を抑制する効果が得られる。
本発明の他の実施形態では、上記のスピーカー装置用磁気回路を備えるスピーカー装置を構成することができる。
本発明の更に他の実施形態では、スピーカー装置用磁気回路の製造方法は、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有する磁気回路の前記フランジ部上に、金属よりなる非磁性体及び/又は前記ヨークより内部損失の高い非磁性体により形成されたスペーサを取り付けるスペーサ取り付け工程と、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットを前記スペーサ上に取り付けると共に、前記センターポールと前記マグネットの間に磁気ギャップを形成するマグネット取り付け工程と、を備える。
上記のスピーカー装置用磁気回路の製造方法は、スペーサ取り付け工程とマグネット取り付け工程を有する。スペーサ取り付け工程は、円柱状の形状を有するセンターポールと、センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、フランジ部の外周部からセンターポールの突出方向に延在する環状部と、を有するヨークのフランジ部上に、金属よりなる非磁性体、即ち金属非磁性体及び/又はヨークより内部損失の高い非磁性体により形成されたスペーサを取り付ける。次に、マグネット取り付け工程は、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットをスペーサ上に取り付けると共に、センターポールとマグネットの間に磁気ギャップを形成する。ここで、環状のマグネットにおいてラジアル方向に着磁された状態とは、環状のマグネットの内周壁側がN極又はS極に着磁され、これに対応して、環状のマグネットの外周壁側がS極又はN極に着磁された状態をいう。こうして、スピーカー装置用磁気回路が製造される。
特に、センターポールとの間で磁気ギャップを形成するマグネットは、スペーサ上に取り付けられるので、センターポールの突出方向のスペーサの高さを必要に応じて変えることにより、ヨークの所定位置に対するマグネットの位置決めを容易に行うことができる。つまり、スペーサを、ヨークの所定位置に対してマグネットを配置させる位置出し用部材として機能させることができる。その結果、従来のようにマグネットをヨークの所定位置へ配置するために、意図的にヨーク側に加工を施すようなことをしなくて済むので、スピーカー装置用磁気回路の組み立て時間の短縮化を実現でき、スピーカー装置用磁気回路の製品コストの低減を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[スピーカー装置の構成]
図1は、本発明のスピーカー装置用磁気回路30を含むスピーカー装置100を、それらの中心軸L1を通る平面で切断したときの断面図を示す。
スピーカー装置100は、図1に示すように、略山の字状の断面形状を有し、鉄などの磁性体よりなるヨーク1と、環状の形状を有するスペーサ2と、環状の形状を有するマグネット3と、を有する磁気回路30と、略椀状の形状を有するフレーム4と、筒状の形状を有するボイスコイルボビン5と、ボイスコイルボビン5の外周壁に巻かれたボイスコイル6と、複数の波型の弾性部を有するダンパー7と、コーン状の形状を有する振動板8と、環状の形状及び略Ω状の断面形状を有するエッジ9と、ドーム状の形状を有するキャップ11と、を有する振動系部材31と、を備えて構成される。なお、本発明では、スピーカー装置の構成及び駆動方式などは、以下に述べる態様に限定されるものではない。
(スピーカー装置用磁気回路の構成)
まず、図1及び図2を参照して、外磁型の磁気回路として構成された磁気回路30の構成について説明する。図2は、本発明の特徴をなすスペーサ2の斜視図を示す。なお、図2において、直線L1はスペーサ2の中心軸を示している。
ヨーク1は、その略中央位置に設けられ、円柱状の形状を有するセンターポール1aと、センターポール1aの外周壁の下端部から外側へ延在するように形成され、フランジ形状を有するフランジ部1bと、フランジ部1bの外周部から上方へ且つセンタポール1aの突出方向へ突出するように設けられ、環状の形状を有する環状部1cと、を有する。
センターポール1aと環状部1cとの間には環状の空間が形成され、その両者は一定の間隔をおいて対向している。フランジ部1c上には、本発明の特徴をなす部材であるスペーサ2が取り付けられている。スペーサ2は、その外周壁がヨーク1の環状部1cの内周壁と接触した状態で、ヨーク1のフランジ部上に取り付けられている。
本実施例の1つの態様では、スペーサ2は、銅やアルミニウムなどの金属よりなる非磁性体(金属非磁性体)により形成されているのが好ましい。これは、ボイスコイル6に音声電流が流れることによって磁気回路30に発生する渦電流の発生を抑制し、ボイルコイル6に電流歪が生じるのを低減させることができるからである。つまり、スペーサ2を、いわゆるショートリングとして機能させることができるからである。それに加えて/又は、本実施例の他の態様では、スペーサ2は、ヨーク1やマグネット3よりも内部損失の高い非磁性体にて形成されているのが好ましい。このような内部損失の大きな非磁性体としては、例えば、高い比重を有する樹脂素材や、硬質ゴムなどを挙げることができる。このような素材を用いてスペーサ2を形成することにより、スピーカー装置100の駆動時に磁気回路30で生じる不要な振動がスペーサ2によって押さえ込まれ、磁気回路30に不要な振動が生じるのを抑制することができる。
また、スペーサ2は、ヨーク1の所定位置にマグネット3を配置する機能を有する。これにより、磁気回路30の組み立て時に、マグネット3を、ヨーク1の所定位置に位置決めすることが容易となる。好適な例では、スピーカー装置100の中心軸L1方向及びセンターポール1aの突出方向のスペーサ2の長さ(高さ)d1は、マグネット3の上面とヨーク1の上面とが略同一の面S1上に位置するように設定することができる。なお、本発明では、スペーサ2の内径d2及び外径d3の大きさは、夫々必要に応じて所望の値に設定することができる。
マグネット3は、環状の形状を有し、そのラジアル方向に着磁されている。ここで、マグネット3においてラジアル方向に着磁された状態とは、マグネット3の内周壁側がN極又はS極に着磁され、これに対応して、マグネット3の外周壁側がS極又はN極に着磁された状態をいう(以下同様の意味で用いる)。本実施例の一つの態様では、マグネット3の内周壁側はN極に着磁されていると共に、マグネット3の外周壁側はS極に着磁されている。但し、本発明では、マグネット2におけるN極及びS極の着磁状態は、上記の本実施例の一つの態様と逆の着磁状態となるように設定されていても構わない。マグネット3は、その外周壁がヨーク1の環状部1cの内周壁と接触した状態でスペーサ2上に取り付けられている。これにより、マグネット3の内周壁とセンターポール1aの外周壁の上端部付近との間には磁気ギャップ35が形成され、その磁気ギャップ35にはマグネット3の磁束が集中している。
(スピーカー装置用振動系部材の構成)
次に、振動系部材31の構成について説明する。
フレーム4は、スピーカー装置100を構成する様々な構成要素を支持する機能を有する。フレーム4は、その下端部側に設けられ、磁気回路30を載置する機能を有する第1段部4aと、第1段部4aの外側に且つ上方に設けられ、ダンパー7の外周部を支持する第2段部4bと、第2段部4bの外側に且つ上方に設けられ、エッジ9の外周部を支持する第3段部4cと、を有する。フレーム4の第1段部4a上には、磁気回路30が載置されている。
ボイスコイルボビン5は、ヨーク1のセンターポール1aの上端部付近を覆う位置に配置されている。ボイスコイルボビン5の外周壁の下端部付近には、ボイスコイル6が巻かれている。ボイスコイル6は、1つのプラス/マイナスのリード線(図示略)を有する。プラス側のリード線はL(又はR)チャンネル信号の入力配線であり、マイナス側のリード線はグランド(GND:接地)信号の入力配線である。各リード線は、図示しないアンプ側の各出力配線に電気的に接続されている。このため、ボイスコイル6には、その各リード線を通じてアンプ側から信号及び電力(以下、単に「音声電流」とも称する)が夫々入力される。
ダンパー7は、ボイスコイルボビン5を弾性的に支持する機能を有する。ダンパー7の内周縁部はボイスコイルボビン5の外周壁の適当な位置に取り付けられている一方、ダンパー7の外周縁部はフレーム8の第2段部4b上に取り付けられている。
振動板8は、ボイスコイル6へ入力される音声電流に応じた音波を放射する機能を有する。振動板8の内周縁部はボイスコイルボビン5の外周壁の上端部に取り付けられている一方、振動板8の外周縁部、即ちエッジ9の外周縁部はフレーム4の第3段部4c上に取り付けられている。エッジ9は、振動板8で生じる不要な振動などを吸収する機能を有する。なお、本実施例では、振動板8とエッジ9とは一体的に形成されているが、これに限らず、本発明では、振動板8とエッジ9とは別体に且つ独立に形成されていても構わない。
キャップ11は、磁気回路30内に粉塵や水滴等が侵入するのを防止する機能を有する。キャップ11の外周部は、振動板8上の内周部付近に取り付けられ、当該キャップ11はボイスコイルボビン5の上面側を覆っている。
以上の構成を有するスピーカー装置100では、アンプ側から出力された音声電流は、ボイスコイル6の各リード線を通じて、当該ボイスコイル6へ入力される。これにより、フレミングの左手の法則に基づき、磁気ギャップ35内でボイスコイル6に駆動力が発生し、振動板8をスピーカー装置100の中心軸L1方向へ振動させる。こうして、かかるスピーカー装置100では、振動板5を通じて矢印Y1方向に音波が放射される。
以上に述べた磁気回路30を有するスピーカー装置100は次のような特有の作用効果を奏する。
本実施例に係る磁気回路30では、スペーサ2は、金属よりなる非磁性体及び/又はヨーク1やマグネット3よりも内部損失の高い非磁性体により形成され、ヨーク1の一部、即ち環状部1cの内周壁及びフランジ部1cの各表面の一部を夫々覆っている。
かかる構成の下、スペーサ2が銅やアルミニウムなどの金属非磁性体で形成されている場合には、スペーサ2をショートリングとして機能させることができる。これにより、ボイスコイル6に音声電流が流れることによって磁気回路30に発生する渦電流の発生が抑制され、ボイスコイル6に電流歪が生じるのを低減させることができる。その結果、再生音が歪むのを防止でき、音質の向上に寄与し得る。
一方、上記の構成の下、スペーサ2が、ヨーク1及び/又はマグネット3よりも内部損失の高い非磁性体(例えば、高い比重を有する樹脂素材や硬質ゴムなど)にて形成されている場合には、スピーカー装置100の駆動時に磁気回路30で生じる不要な振動がスペーサ2によって押さえ込まれる。その結果、磁気回路30に不要な振動が生じるのを抑制することができる。
また、スペーサ2が銅やアルミニウムなどの金属非磁性体で形成されていると共に、ヨーク1やマグネット3よりも内部損失の高い非磁性体にて形成されている場合には、上記した両方の作用効果が得られる。
また、本実施例に係る磁気回路30では、その中心軸L1方向のスペーサ2の高さd1を必要に応じて適宜変えることにより、マグネット3をヨーク1の所定位置に配置することができる。つまり、スペーサ2は、ヨーク1の所定位置に対してマグネット3を配置させる位置出し用部材として機能する。その結果、ヨーク1の所定位置へマグネット3を配置するために、意図的にヨーク1側に加工を施す必要がなくなるため、磁気回路30の組み立て時間を短縮化でき、これに伴い磁気回路30の製品コストの低減を図ることができる。
[変形例1]
上記の実施例に係る磁気回路30では、センターポール1aと、スペーサ2及びマグネット3とを一定の間隙をおいて対向配置し、センターポール1aの外周壁の上端部付近とマグネット3の間に磁気ギャップ35を形成するように構成した。これに限らず、本発明では、図3(a)に示すような磁気回路32を構成しても構わない。図3(a)は、本発明の変形例1に係る磁気回路32の構成を示す片側断面図である。
変形例1に係る磁気回路32では、スペーサ2xの内径及び外径が、図1に示すスペーサ2の内径d2及び外径d3と比較して夫々小さく設定されており、スペーサ2xは、その内周壁がセンターポール1aの外周壁と接触した状態でヨーク1のフランジ部1b上に取り付けられている。磁気回路32の中心軸L1方向におけるスペーサ2xの長さ(高さ)d4は、マグネット3xの上面と、ヨーク1の上面とが略同一の面S1上に位置するように設定されている。その他、スペーサ2xの形成材料及び機能は、上記した実施例に係るスペーサ2と同様である。
マグネット3xは、そのラジアル方向に着磁されている。変形例1では、マグネット3xの内周壁側はS極に着磁されていると共に、マグネット3xの外周壁側はN極に着磁されている。但し、本発明では、マグネット3xにおけるN極とS極の着磁状態は、上記した変形例1と逆の着磁状態となるように設定されていても構わない。また、この磁気回路32では、変形例1に係るマグネット3xの内径及び外径の大きさも、図1に示すマグネット3の内径及び外径の大きさよりも夫々小さく設定されており、マグネット3xは、その内周壁がセンターポール1aの外周壁と接触した状態でスペーサ2x上に取り付けられている。そして、スペーサ2x及びマグネット3xと、ヨーク1の環状部1cとは一定の間隙をおいて対向するように配置されており、マグネット3xの外周壁と、ヨーク1の環状部1cの内周壁の上端部付近との間には磁気ギャップ35が形成されている。以上の構成を有する変形例1に係る磁気回路32では、上記した実施例に係る磁気回路30と同様に、スペーサ2xがヨーク1の一部と接触した状態で当該ヨーク1の表面の一部を覆っている。これにより、上記した実施例と同様の作用効果を得ることができる。
[変形例2]
また、本発明では、図3(b)に示すように、複数のスペーサを設けて磁気回路33を構成しても構わない。図3(b)は、本発明の変形例2に係る磁気回路33の構成を示す片側断面図である。
以下、図3(b)、並びに図4(a)及び(b)を参照して、変形例2に係る磁気回路33の構成について説明する。図4(a)は、第2のスペーサ21の構成を示す斜視図である。一方、図4(b)は、第3のスペーサ22の構成を示す斜視図である。なお、図4(a)及び(b)において、直線L1は、第2のスペーサ21及び第3のスペーサ22の中心軸を示している。
変形例2に係る磁気回路33は、上記した実施例に係る構成を基本としつつ、さらに、複数の他のスペーサ、具体的には、環状の形状を有し、非磁性体よりなる第1のスペーサ2yと、環状及び平板状の形状を有し、非磁性体よりなる第2のスペーサ21と、環状及び筒状の形状を有し、非磁性体よりなる第3のスペーサ22とを、さらに有して構成される。好適な例では、第1のスペーサ2y、第2のスペーサ21及び第3のスペーサ22の形成素材は、上記した実施例に係るスペーサ2と同様の素材にて形成されているのが好ましい。
第2のスペーサ21は、センターポール1aの直径と同一の内径を有すると共に、環状部1cの内径と同一の外径を有する。磁気回路33の中心軸L1方向における第2のスペーサ21の長さ(高さ)はd5に設定されている。第2のスペーサ21は、その内周壁がセンターポール1aの外周壁と接触した状態で、ヨーク1のフランジ部1b上に取り付けられ、フランジ部1bの表面の一部を覆っている。
第1のスペーサ2yは、上記した実施例に係るスペーサ2の内径d2及び外径d3と略同一の内径及び外径を夫々有する。磁気回路33の中心軸L1方向における第1のスペーサ2yの長さ(高さ)はd6に設定されている。そして、第1のスペーサ2yの高さd6と第2のスペーサ21の高さd5との総和は、マグネット3yの上面と、ヨーク1の上面とが略同一の面S1上に位置するように設定されている。これにより、第1のスペーサ2y及び第2のスペーサ21は、上記した実施例に係るスペーサ2と同様にマグネット3yをヨーク1の所定位置に位置出しする役割を果たす。
第3のスペーサ22は、センターポール1aの直径と同一の内径を有する。磁気回路33の中心軸L1方向における第3のスペーサ22の長さ(高さ)は、当該第3のスペーサ22の上面がヨーク1の上面と同一の面S1上に位置する高さd7に設定されている。第3のスペーサ22は、その内周壁がセンターポール1aの外周壁と接触した状態で第2のスペーサ21上に取り付けられ、センターポール1aの外周壁を覆っている。
マグネット3yは、そのラジアル方向に着磁され、上記した実施例と同様の着磁状態となるように設定されている。但し、本発明では、かかるマグネット3yのN極とS極の着磁状態は、上記の変形例2と逆の着磁状態となるように設定されていても構わない。また、マグネット3yの外径は、ヨーク1の環状部1cの内径と略同一の大きさに設定されている。そして、マグネット3yは、その外周壁が環状部1cの内周壁と接触した状態で第1のスペーサ2y上に取り付けられている。
そして、かかる磁気回路33では、第3のスペーサ22の外周壁の上端部付近と、マグネット3xの内周壁との間に磁気ギャップ35が形成されている。
特に、変形例2に係る磁気回路33では、ヨーク1の表面の一部が第1のスペーサ2y、第2のスペーサ21及び第3のスペーサ22により覆われ、さらに上記した実施例と比較して、より多くヨーク1の表面がスペーサにより覆われているため、上記した実施例と比較して、より一層、第1のスペーサ2y、第2のスペーサ21及び第3のスペーサ22をショートリングとして機能させ、ボイスコイル6に音声電流が流れることによって磁気回路33に発生する渦電流の発生を抑制し、ボイスコイル6に電流歪が生じるのを低減させることができる。
また、第1のスペーサ2y、第2のスペーサ21及び第3のスペーサ22は、上記した実施例に係るスペーサ2と同様の素材にて形成されていると共に、ヨーク1の表面の一部が第1のスペーサ2y、第2のスペーサ21及び第3のスペーサ22により覆われ、さらに上記した実施例と比較して、より多くヨーク1の表面がスペーサにより覆われているため、上記の実施例と比較して、より一層、磁気回路33で発生する不要な振動を抑制することができる。
なお、上記の変形例2においては、第1のスペーサ2yと、第2のスペーサ21と、第3のスペーサ22とは別体に且つ独立に形成されていたが、これに限らず、本発明では、第1のスペーサ2yと、第2のスペーサ21と、第3のスペーサ22とは一体的に形成されていても構わない。
[変形例3]
また、本発明では、図3(b)の変形例2と同様の趣旨より、図3(c)に示すように、複数のスペーサを設けて磁気回路34を構成しても構わない。図3(c)は、本発明の変形例3に係る磁気回路34の構成を示す片側断面図である。
変形例3に係る磁気回路34は、上記した実施例に係る構成を基本としつつ、さらに、複数の他のスペーサ、具体的には、環状の形状を有し、非磁性体よりなる第1のスペーサ2zと、環状及び筒状の形状を有し、非磁性体よりなる第2のスペーサ22xとを、さらに有して構成される。好適な例では、第1のスペーサ2z及び第2のスペーサ22xの形成素材は、上記した実施例に係るスペーサ2と同様の素材にて形成されているのが好ましい。
第1のスペーサ2zの外径は、ヨーク1の環状部1cの内径と同一の大きさに設定されている。磁気回路33の中心軸L1方向における第1のスペーサ2zの長さ(高さ)は、マグネット3zの上面がヨーク1の上面と同一の面S1上に位置する高さd8に設定されている。第1のスペーサ2zは、その外周壁がヨーク1の環状部1cの内周壁と接触した状態でフランジ部1b上に取り付けられている。これにより、環状部1cの内周壁の一部及びフランジ部1bの上面の一部は覆われている。
マグネット3zは、そのラジアル方向に着磁され、上記した変形例2と同様の着磁状態となるように設定されている。但し、本発明では、かかるマグネット3zのN極とS極の着磁状態は、上記の変形例3と逆の着磁状態となるように設定されていても構わない。マグネット3zの外径は、ヨーク1の環状部1cの内径と同一の大きさに設定されていると共に、マグネット3zの内径は、第1のスペーサ2zの内径と同一の大きさに設定されている。
第2のスペーサ22xの外径は、第1のスペーサ2z及びマグネット3zの各内径と同一の大きさに設定されている。磁気回路33の中心軸L1方向における第2のスペーサ22xの長さ(高さ)は、その上面がヨーク1の上面と同一の面S1上に位置する高さd9に設定されている。第2のスペーサ22xは、その外周壁が第1のスペーサ2z及びマグネット3zの各内周壁と接触した状態でフランジ部1b上に取り付けられている。これにより、マグネット3zの内周壁及びフランジ部1bの上面の一部は覆われている。
そして、かかる磁気回路34では、第2のスペーサ22xの内周壁の上端部付近と、センターポール1aの外周壁の上端部付近との間に磁気ギャップ35が形成されている。
特に、変形例3に係る磁気回路34では、ヨーク1の表面の一部及びマグネット3zの内周壁が第1のスペーサ2z及び第2のスペーサ22xにより覆われ、さらに上記した実施例と比較して、より多くヨーク1の表面がスペーサにより覆われていると共にマグネット3zの内周壁が覆われている。これにより、上記した実施例と比較して、より一層、第1のスペーサ2z及び第2のスペーサ22xをショートリングとして機能させ、ボイスコイル6に音声電流が流れることによって磁気回路34に発生する渦電流の発生を抑制し、ボイスコイル6に電流歪が生じるのを低減させることができると共に、より一層、磁気回路33で発生する不要な振動を抑制することができる。
なお、上記の変形例3においては、第1のスペーサ2zと第2のスペーサ22xとは別体に且つ独立に形成されていたが、これに限らず、本発明では、第1のスペーサ2zと、第2のスペーサ22xとは一体的に形成されていても構わない。
[スピーカー装置用磁気回路の製造方法]
次に、図5及び図6等を参照して、本発明の実施例等に係るスピーカー装置用磁気回路の製造方法について説明する。
図5は、上記した磁気回路30、32、33、34の製造方法のフローチャートを示す。
(磁気回路30の製造方法)
まず、図6等を参照して、上記した実施例に係る磁気回路30の製造方法について説明する。図6(a)及び(b)は、磁気回路30の各製造工程図を示す。
まず、図6(a)に示すように、上記した構成を有する、略山の字状の断面形状を有するヨーク1を用意し、次いで、矢印Y10に示すように、ヨーク1の上面側からフランジ部1b側へ上記した構成を有するスペーサ2を挿入し、さらに、そのスペーサ2の外周壁とヨーク1の環状部1cの内周壁とを接触させつつ、そのスペーサ2を接着剤を介してフランジ部1b上へ取り付ける(スペーサ取り付け工程S1)。これにより、ヨーク1の表面の一部、即ち、環状部1c及びフランジ部1bの各表面の一部がスペーサ2により覆われる。
次に、図6(b)に示すように、上記した構成を有する環状のマグネット3をヨーク1の上面側からスペーサ2側へ挿入し、さらに、そのマグネット3の外周壁とヨーク1の環状部1cの内周壁とを接触させつつ、そのマグネット3を接着剤を介してスペーサ2上に取り付ける(マグネット取り付け工程S2)。これにより、マグネット3の内周壁と、センターポール1aの外周壁の上端部付近との間に磁気ギャップ35が形成されると共に、マグネット2の上面とヨーク1の上面とが略同一の面S1上に位置するようにマグネットがヨーク1の所定位置に配置される。こうして、上記した実施例に係る磁気回路30が作製される。
以上に述べた磁気回路30の製造方法では、磁気回路30の中心軸L1方向のスペーサ2の高さd1を必要に応じて適宜変えることにより、マグネット3をヨーク1の所定位置に配置することができる。つまり、スペーサ2を、ヨーク1の所定位置へマグネット3を配置させる位置出し用部材として機能させることができる。その結果、従来のようにマグネット3をヨーク1の所定位置へ配置するために、意図的にヨーク1側に加工を施すようなことをしなくて済むので、磁気回路30の組み立て時間の短縮化を実現でき、磁気回路30の製品コストの低減を図ることができる。
(磁気回路32の製造方法)
次に、図3(a)等を参照して、上記した変形例1に係る磁気回路32の製造方法について簡略化して説明する。なお、本製造方法で用いる磁気回路の32の構成要素は、上記した変形例1と同様である。
まず、ヨーク1の上方からフランジ部1b側にスペーサ2xを挿入し、さらに、スペーサ2xの内周壁とセンターポール1aの外周壁とを接触させつつ、スペーサ2xを接着剤を介してフランジ部1b上に取り付ける(スペーサ取り付け工程S1)。これにより、ヨーク1の表面の一部、即ち、センターポール1a及びフランジ部1bの各表面の一部がスペーサ2xにより覆われる。
次に、ヨーク1の上方からスペーサ2x側にマグネット3yを挿入し、さらに、マグネット3yの内周壁とセンターポール1aの外周壁とを接触させつつ、マグネット3yを接着剤を介してスペーサ2x上に取り付ける(マグネット取り付け工程S2)。これにより、マグネット3yの外周壁と、環状部1cの内周壁の上端部付近との間に磁気ギャップ35が形成されると共に、マグネット3yの上面とヨーク1の上面とが略同一の面S1上に位置するようにマグネット3yがヨーク1の所定位置に配置される。こうして、上記した変形例1に係る磁気回路32が作製される。以上に述べた磁気回路32の製造方法では、上記した実施例に係る磁気回路30の製造方法と同様の作用効果を得ることができる。
(磁気回路33の製造方法)
次に、図3(b)等を参照して、上記した変形例2に係る磁気回路33の製造方法について簡略化して説明する。なお、本製造方法で用いる磁気回路33の構成要素は、上記した変形例2と同様である。
変形例2に係る製造方法では、スペーサ取り付け工程S1は、第2のスペーサ取り付け工程、第1のスペーサ取り付け工程、及び第3のスペーサ取り付け工程を有し、その順にそれらの複数のスペーサが取り付けられる。
まず、ヨーク1の上方からフランジ部1b側に第2のスペーサ21を挿入し、第2のスペーサ21を接着剤を介してフランジ部1b上に取り付ける(第2のスペーサ取り付け工程)。これにより、フランジ部1b、センターポール1a及び環状部1cの表面の一部が第2のスペーサ21により覆われる。
次に、ヨーク1の上方から第2のスペーサ21側に第1のスペーサ2yを挿入し、さらに、第1のスペーサ2yの外周壁とヨーク1の環状部1cの内周壁とを接触させつつ、第1のスペーサ2yを接着剤を介して第2のスペーサ21上に取り付ける(第1のスペーサ取り付け工程)。これにより、環状部1cの表面の一部が第1のスペーサ2yにより覆われる。
次に、ヨーク1の上方から第2のスペーサ21側に第3のスペーサ22を挿入し、さらに、第3のスペーサ22の内周壁とセンターポール1aの外周壁とを接触させつつ、第3のスペーサ22を接着剤を介して第2のスペーサ21上に取り付ける(第3のスペーサ取り付け工程)。これにより、センターポール1aの表面の一部が第3のスペーサ22により覆われる。なお、本発明では、第2のスペーサ取り付け工程と、第3のスペーサ取り付け工程との製造順序は逆でも構わない。
次に、ヨーク1の上方から第1のスペーサ2y側にマグネット3yを挿入し、さらに、マグネット3yの外周壁とヨーク1の環状部1cの内周壁とを接触させつつ、マグネット3yを接着剤を介して第1のスペーサ2y上に取り付ける(マグネット取り付け工程S2)。なお、本発明では、マグネット取り付け工程S2と、第3のスペーサ取り付け工程との製造順序は逆でも構わない。
これにより、マグネット3yの内周壁と、第3のスペーサ22の外周壁の上端部付近との間に磁気ギャップ35が形成されると共に、マグネット3yの上面とヨーク1の上面とが略同一の面S1上に位置するようにマグネット3yがヨーク1の所定位置に配置される。こうして、上記した変形例2に係る磁気回路33が作製される。以上に述べた磁気回路33の製造方法では、上記した実施例に係る磁気回路30の製造方法と同様の作用効果を得ることができる。
(磁気回路34の製造方法)
次に、図3(c)等を参照して、上記した変形例3に係る磁気回路34の製造方法について簡略化して説明する。なお、本製造方法で用いる磁気回路34の構成要素は、上記した変形例3と同様である。
変形例3に係る製造方法では、スペーサ取り付け工程S1は、第1のスペーサ取り付け工程、及び第2のスペーサ取り付け工程を有し、その順にそれらの複数のスペーサが取り付けられる。
まず、ヨーク1の上方からフランジ部1b側に第1のスペーサ2zを挿入し、さらに、第1のスペーサ2zの外周壁とヨーク1の環状部1cの内周壁とを接触させつつ、第1のスペーサ2zを接着剤を介してフランジ部1b上に取り付ける(第1のスペーサ取り付け工程)。これにより、環状部1cの表面の一部が第1のスペーサ2zにより覆われる。
次に、ヨーク1の上方から第1のスペーサ2z側に第2のスペーサ22xを挿入し、さらに、第2のスペーサ22xの外周壁とヨーク1の環状部1cの内周壁とを接触させつつ、第2のスペーサ22xを接着剤を介してフランジ部1b上に取り付ける(第2のスペーサ取り付け工程)。これにより、フランジ部1bの表面の一部が第2のスペーサ22xにより覆われる。
次に、ヨーク1の上方から第1のスペーサ2z側にマグネット3zを挿入し、さらに、マグネット3zの外周壁とヨーク1の環状部1cの内周壁とを接触させ、また、マグネット3zの内周壁とセンターポール1aの外周壁とを接触させつつ、マグネット3zを接着剤を介してフランジ部1b上に取り付ける(マグネット取り付け工程S2)。なお、本発明では、マグネット取り付け工程S2と、第2のスペーサ取り付け工程との製造順序は逆でも構わない。
これにより、第2のスペーサ22xの内周壁の上端部付近と、センターポール1aの外周壁の上端部付近との間に磁気ギャップ35が形成されると共に、マグネット3zの上面とヨーク1の上面とが略同一の面S1上に位置するようにマグネット3zがヨーク1の所定位置に配置される。こうして、上記した変形例3に係る磁気回路34が作製される。以上に述べた磁気回路34の製造方法では、上記した実施例に係る磁気回路30の製造方法と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の実施例に係る磁気回路を含むスピーカー装置の断面構成を示す。 本発明の実施例に係るスペーサの構成を示す斜視図である。 本発明の各種変形例に係る磁気回路の片側断面構成を示す。 本発明の変形例に係る各種のスペーサの構成を示す斜視図である。 本発明の実施例及び各種変形例に係る磁気回路の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る磁気回路の製造工程図を示す。
符号の説明
1 ヨーク
1a センターポール
1c 環状部
2、2x スペーサ
2y、2z 第1のスペーサ
21、22x 第2のスペーサ
22 第3のスペーサ
3、3x、3y、3z マグネット
30 磁気回路
35 磁気ギャップ
100 スピーカー装置

Claims (7)

  1. 磁性体により形成されたヨークと、
    前記ヨークとの間に磁気ギャップを形成し、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットと、
    前記マグネットと前記ヨークの間に設けられ、前記ヨークの所定位置に対して前記マグネットを配置するスペーサと、を備え、
    前記スペーサは、金属よりなる非磁性体及び/又は前記ヨークより内部損失の高い非磁性体により形成され、少なくとも前記ヨークの一部を覆う位置に配置されていることを特徴とするスピーカー装置用磁気回路。
  2. 前記ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有し、
    前記スペーサは、当該スペーサの外周壁が前記環状部の内周壁の一部と接触した状態で前記フランジ部上に取り付けられ、前記スペーサ上には前記マグネットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用磁気回路。
  3. 前記ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有し、
    前記スペーサは、当該スペーサの内周壁が前記センターポールの外周壁の一部と接触した状態で前記フランジ部上に取り付けられ、前記スペーサ上には前記マグネットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用磁気回路。
  4. 前記ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有し、
    前記スペーサと同一の材料により形成された他のスペーサを1つ又は複数含み、
    前記センターポールの外周壁及び前記フランジ部の上面の全部並びに前記環状部の内周壁の一部は、前記スペーサ及び前記他のスペーサにより覆われ、前記スペーサ上には前記マグネットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用磁気回路。
  5. 前記ヨークは、円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有し、
    前記スペーサと同一の材料により形成された他のスペーサを含み、
    前記フランジ部の上面の一部及び前記環状部の内周壁の一部は、前記スペーサにより覆われていると共に、前記マグネットの内周壁及び前記フランジ部の上面の一部は、前記他のスペーサにより覆われ、前記スペーサ上には前記マグネットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用磁気回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスピーカー装置用磁気回路を備えることを特徴とするスピーカー装置。
  7. 円柱状の形状を有するセンターポールと、前記センターポールの外周壁から外側へ延在するフランジ部と、前記フランジ部の外周部から前記センターポールの突出方向に延在する環状部と、を有するヨークの前記フランジ部上に、金属よりなる非磁性体及び/又は前記ヨークより内部損失の高い非磁性体により形成されたスペーサを取り付けるスペーサ取り付け工程と、
    ラジアル方向に着磁された環状のマグネットを前記スペーサ上に取り付けると共に、前記センターポールと前記マグネットの間に磁気ギャップを形成するマグネット取り付け工程と、を備えることを特徴とするスピーカー装置用磁気回路の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101498454B1 (ko) * 2012-11-19 2015-03-04 주식회사 블루콤 스피커
WO2016051744A1 (ja) * 2014-10-01 2016-04-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 磁気回路と、これを用いたラウドスピーカ

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