JP2007299983A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光装置のスループットの低下を抑制する。
【解決手段】ウエハW上の複数のショット領域のうちの所定のショット領域SA(k−1)に対してパターンを形成している間に(露光している間に)、ウエハのZ軸方向に関する位置を計測する測長ビームを、測長ビームWX3と測長ビームWXF3との間で切り替えることから、測長ビームの切り替えと露光とを並行して行うことで、測長ビームの切り替えに要する時間を露光に要する時間に隠すことができる。
【選択図】図4
【解決手段】ウエハW上の複数のショット領域のうちの所定のショット領域SA(k−1)に対してパターンを形成している間に(露光している間に)、ウエハのZ軸方向に関する位置を計測する測長ビームを、測長ビームWX3と測長ビームWXF3との間で切り替えることから、測長ビームの切り替えと露光とを並行して行うことで、測長ビームの切り替えに要する時間を露光に要する時間に隠すことができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、露光装置及び露光方法に係り、更に詳しくは、物体上の複数の区画領域にパターンを形成する露光装置及び露光方法に関する。
従来より、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスを製造するため、パターンをウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する露光装置が用いられ、近年においては、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(ステッパ)やステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(スキャニングステッパ)等が用いられることが多くなっている。
これらの露光装置、例えば、ステッパでは、基板を保持して二次元面内で移動する基板ステージを用いて、基板を所定位置に移動(ステッピング)させて、マスクに形成されたパターンを基板上の所定のショット領域に一括露光する動作を順次繰り返すが、露光装置のスループット向上の観点からは、基板ステージの移動速度を向上する必要があり、そのためには、基板ステージの小型・軽量化を図ることが望ましい。
この種の基板ステージでは、その位置情報を検出する装置として、レーザ干渉計が用いられることが多い。この場合、基板ステージにはレーザ干渉計からのレーザ光が照射され、かつ該レーザ光を反射するための反射面を設けておく必要があるが、基板ステージが小型化すると、該反射面も必然的に小さくなる。そのため、一つのレーザ干渉計によって基板ステージの位置を計測できる領域が狭くなることから、基板ステージを一つのレーザ干渉計の計測可能領域よりも広い範囲で駆動したい場合には、同一機能を有するレーザ干渉計を更に1つ設け、2つのレーザ干渉計によって基板ステージの位置情報を計測できるときに、一方のレーザ干渉計による計測から他方のレーザ干渉計による計測に切り替える必要がある。
上記切り替えにおいて、精度を確保しつつ切り替えを行うためには、基板ステージの動作に制限がかかることが一般的であり、通常の場合は、基板ステージを一旦ほぼ停止させた状態で行う必要があることから、例えば投影光学系の光学特性の計測動作などの露光動作以外の動作と並行して行うことにより、切り替えのための時間が露光装置のスループットに対してほとんど影響を与えないようにすることが望ましい。
しかるに、上記のように基板ステージを小型化すると、1枚の基板を露光している間にレーザ干渉計の切り替え動作を行わなければならなくなることが想定される。しかしながら、1枚の基板の露光を開始してから終了するまでは、計測動作などの露光動作以外の動作が行われないのが通常であることから、干渉計の切り替えのための時間が、直接、露光装置のスループットに影響を与えることが懸念される。
本発明は、上述した事情の下になされたもので、第1の観点からすると、物体上の複数の区画領域にパターンを形成する露光装置であって、前記物体を保持して所定面内で少なくとも第1軸方向に移動可能な移動体と;前記移動体が前記所定面内の第1領域内に存在するときに、前記移動体の前記第1軸方向に交差する第2軸方向の位置を計測することが可能な第1の計測装置と;前記第1領域と一部重複する前記所定面内の第2領域内に前記移動体が存在するときに、前記移動体の前記第2軸方向の位置を計測することが可能な第2の計測装置と;前記移動体が前記第1領域と第2領域とが重複する領域に存在し、かつ、前記物体上の所定の区画領域に対してパターンが形成されているタイミングで、前記移動体の前記第2軸方向の位置を計測する計測装置を、前記第1の計測装置と前記第2の計測装置のいずれか一方の計測装置から他方の計測装置に切り替える切り替え装置と;を備える露光装置である。
これによれば、切り替え装置が、物体を保持する移動体が所定面内の第1領域と第2領域とが重複する領域に存在し、かつ、物体上の所定の区画領域に対してパターンが形成されているタイミングで、移動体の第2軸方向の位置を計測する計測装置を、第1領域で移動体の位置を計測可能な第1の計測装置と、第2領域で移動体の位置を計測可能な第2の計測装置と、の間で切り替えるため、計測装置の切り替えに要する時間を物体上の所定の区画領域へのパターン形成と並行して行うことが可能である。したがって、計測装置の切り替え時間が露光装置全体のスループットを低下させるのを抑制することが可能である。ここで、移動体を小型化すると、計測装置の切り替え回数が多くなる可能性があるが、本発明では、計測装置の切り替えを頻繁に行ったとしても、スループットへの影響が小さいことから、移動体を小さくすることができる。これにより、移動体の高加速度化及び高精度な位置決めを実現することができ、ひいては、露光装置のスループットの向上及び高精度な露光を実現することが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、物体上の複数の区画領域にパターンを形成する露光方法であって、前記物体の所定方向に関する位置を第1計測装置及び第2計測装置のいずれかを用いて計測しつつ、前記物体上の複数の区画領域に対して前記パターンを順次形成する露光工程と;前記複数の区画領域のうちの所定の区画領域に対して前記パターンを形成している間に、前記物体の前記所定方向に関する位置を計測する計測装置を、前記第1計測装置と前記第2計測装置のいずれか一方から他方に切り替える切り替え工程と;を含む露光方法である。
これによれば、切り替え工程では、物体上の複数の区画領域のうちの所定の区画領域に対してパターンを形成している間に、物体の前記所定方向に関する位置を計測する計測装置を、第1計測装置と第2計測装置のいずれか一方から他方に切り替えることから、切り替え工程と露光工程とを並行して行うことで、計測装置の切り替えに要する時間が露光工程を含む全工程のスループットを低下させるのを抑制することが可能である。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る露光装置100の概略的な構成が示されている。この露光装置100は、ステッパ等の一括露光型の投影露光装置である。
この露光装置100は、照明ユニット10、レチクルRを保持するレチクルホルダRH、投影光学系PL、基板としてのウエハWを保持してXY平面内でXY2次元方向に移動するウエハステージWSTを含むステージ装置50、及びこれらの制御系等を含んでいる。
前記照明ユニット10は、光源及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスクキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)で規定される矩形(例えば、正方形)の照明領域にエネルギビームとしての照明光ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。ここでは、照明光ILとしては、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(波長436nmのg線、波長365nmのi線等)が用いられるものとする。ただし、それらに代えて、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)又はArFエキシマレーザ光(波長193nm)あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光を用いることとしても良い。
前記レチクルホルダRHは、照明ユニット10の下方に配置されている。レチクルホルダRHは、実際には、投影光学系PLの上面に載置されている(ただし、図1では図示の便宜上、レチクルホルダRHと投影光学系PLとが離間して示されている)。具体的には、レチクルホルダRHは、投影光学系PLの上面に固定されたベース上で、レチクルRを保持してX軸方向、Y軸方向、θz方向に微小駆動可能とされている。なお、レチクルホルダRHは、単にレチクルRを保持するだけの機能を有するように構成し、レチクルRの駆動は行わないようにしても良い。
レチクルRの一部には、一対のアライメントマーク(不図示)が設けられている。本第1の実施形態では、露光前に、この一対のアライメントマークを不図示のレチクルアライメント系を用いて計測し、計測結果を用いて、例えばレチクルホルダRHを微小駆動してレチクルRの位置決めを行う。
前記投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向の共通の光軸AXを有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。この投影光学系PLは、例えば、両側テレセントリックで所定の投影倍率(例えば1/4あるいは1/5)を有する。このため、照明ユニット10からの照明光ILによって照明領域が照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルの回路パターンの縮小像が、その第2面(像面)側に配置され、表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域に共役な領域(露光領域)に形成される。
投影光学系PLの近傍には、アライメント系ALGが設けられている。このアライメント系ALGとしては、画像処理方式のセンサを用いることができ、画像処理方式のセンサは、例えば特開平4−65603号公報に開示されている。このアライメント系ALGの検出中心SXは、図3に示されるように、投影光学系PLの光軸AXから−Y側に所定距離Sだけ離れている。
前記ステージ装置50は、ウエハWをウエハホルダWHを介して保持するウエハステージWST、及びウエハステージWSTを駆動するウエハステージ駆動系24等を備えている。ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方に配置され、その底面に設けられた気体静圧軸受、例えばエアベアリングによって、不図示のベースの上面の上方に非接触で支持されている。このウエハステージWSTは、リニアモータ及びボイスコイルモータなどを含むウエハステージ駆動系24によってX軸方向及びY軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、XY面に直交するZ軸方向及び回転方向(X軸回りの回転方向(θx方向)、Y軸回りの回転方向(θy方向)及びZ軸回りの回転方向(θz方向))に微小駆動される。
ウエハステージWSTは、平面視(上方から見て)、ウエハWよりも一回り大きい略正方形状の形状を有している。
上記のように、本第1の実施形態では、ウエハステージWSTが6自由度で駆動可能な単一のステージであるものとしたが、これに限らず、XY面内で自在に移動可能なXYステージと、該XYステージ上でZ,θx,θyの3自由度方向で駆動されるテーブルとによってウエハステージWSTを構成しても勿論良い。
ウエハステージWSTの位置情報は、ウエハステージWSTの側面に形成された反射面に測長ビームを照射するウエハ干渉計システム58によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。
これを更に詳述すると、ウエハ干渉計システム58は、図2に示されるように、3つのダブルパス方式の干渉計ユニット58Y、58X1,58X2を含んで構成され、各干渉計ユニット58Y、58X1,58X2内部に設けられた固定鏡の反射面を基準とするウエハステージWSTの反射面の位置の情報、すなわち、各干渉計ユニット内で分岐された測長ビームと参照ビームとの分岐点からの光路長の差の情報を用いて、ウエハステージWST(ウエハW)の位置情報を計測する。各干渉計ユニット58Y、58X1,58X2は、例えば、投影光学系PLに固定された不図示の計測マウントにて吊り下げ状態で支持されている。
干渉計ユニット58X1,58X2に対向するウエハステージWSTの側面(−X側の側面)は、図2に示されるように、Z軸方向(上下方向)に関して3つの反射領域に分割され、その最上部の反射領域(第1反射領域)と最下部の反射領域(第2反射領域)はYZ面に平行な平面とされ、その表面が鏡面加工されている(以下、それぞれの平面を第1反射面54a、第2反射面54bと呼ぶものとする)。また、中央部の反射領域(第3反射領域)は、計測ビームWXF3、WX3(これについては後述する)に対して所定角度α°(0<α<90)だけ傾いた平面とされ、その表面が鏡面加工されている(以下、第3反射領域の鏡面加工された面を、第3反射面54cと呼ぶものとする)。
干渉計ユニット58X1は、第1反射面54aに対してX軸に平行な測長ビームWXF1を照射し、第2反射面54bに対してX軸に平行な測長ビームWXF2を照射し、第3反射面54cに対してX軸に平行な測長ビームWXF3を照射する。この干渉計ユニット58X1は、ダブルパス干渉計である。このうちの測長ビームWXF1は、アライメント系ALGの検出中心SXを挟んで+Y側及び−Y側に同一距離離れた、X軸に平行な経路を通るように設定され(図3参照)、測長ビームWXF2も、アライメント系ALGの検出中心SXを挟んで+Y側及び−Y側に同一距離離れた、X軸に平行な経路を通るように設定されている(図3参照)。
また、干渉計ユニット58X1には、図2に示されるように、固定鏡56aが設けられており、その反射面(+X側の面)は、第3反射面54cで反射した測長ビームWXF3がほぼ垂直に入射するような角度に設定されている。
干渉計ユニット58X2は、第1反射面54aに対してX軸に平行な測長ビームWX1を照射し、第2反射面54bに対してX軸に平行な測長ビームWX2を照射し、第3反射面54cに対してX軸に平行な測長ビームWX3を照射する。この干渉計ユニット58X2も、前述した干渉計ユニット58X1と同様、ダブルパス干渉計である。このうちの測長ビームWX1は、投影光学系PLの光軸AX(投影中心)を挟んで+Y側及び−Y側に同一距離離れた、X軸に平行な経路を通るように設定され(図3参照)、測長ビームWX2も、投影光学系PLの光軸AX(投影中心)を挟んで+Y側及び−Y側に同一距離離れた、X軸に平行な経路を通るように設定されている(図3参照)。
また、干渉計ユニット58X2には、図2に示されるように、固定鏡56bが設けられており、その反射面(+X側の面)は、第3反射面54cで反射した測長ビームWX3がほぼ垂直に入射するような角度に設定されている。
一方、干渉計ユニット58Yに対向するウエハステージWSTの側面(+Y側の側面)は、不図示ではあるが、上端部近傍の第1反射領域と下端部近傍の第2反射領域と第1、第2反射領域に挟まれた第3領域とに分けられ、そのうちの第1反射領域と第2反射領域とが鏡面加工されている。干渉計ユニット58Yは、その第1反射領域側の反射面に対してY軸に平行な測長ビームWY1、WY3を照射し、第2反射領域側の反射面に対してY軸に平行な測長ビームWY2を照射する。
この干渉計ユニット58Yも、前述した干渉計ユニット58X1,58X2と同様、ダブルパス干渉計である。この干渉計ユニット58Yから出射される測長ビームWY1は、投影光学系PLの光軸AX(投影中心)及びアライメント系ALGの検出中心SXを挟んで+X側及び−X側に同一距離離れた、Y軸に平行な経路を通るように設定され(図3参照)、測長ビームWY2も、投影光学系PLの光軸AX(投影中心)及びアライメント系ALGの検出中心SXを挟んで+X側及び−X側に同一距離離れた、Y軸に平行な経路を通るように設定されている(図3参照)。
なお、ウエハステージWSTの+Y側の側面については、その全面を鏡面加工して反射面を形成しても良い。
上記のように構成されるウエハ干渉計システム58では、ウエハステージWSTが図3に示される第1領域内に位置するときには、干渉計58X2からの測長ビームがウエハステージWSTの−X側の端面(第1反射面54a〜第3反射面54c)に当たるようになっており、図3に示される第2領域内にウエハステージWSTが位置するときには、干渉計58X1からの測長ビームがウエハステージWSTの−X側の端面(第1反射面54a〜第3反射面54c)に当たるようになっている。
したがって、本第1の実施形態では、アライメント中においては、ウエハステージWSTはそのほぼ大半の時間、第2領域内に存在しているので、原則、干渉計ユニット58X1の測長ビームWXF1、WXF2を用いて、ウエハステージWSTのX軸方向の位置、及びθy方向(Y軸回りの回転方向)の位置を計測するとともに、測長ビームWXF3を用いて、ウエハステージWSTのZ軸方向の位置を計測する。また、干渉計ユニット58Yの測長ビームWY1,WY2を用いて、ウエハステージWSTのY軸方向の位置及びθx方向(X軸回りの回転方向)の位置を計測することができるとともに、測長ビームWY1、WY3によりθz方向の位置を計測することができる。
一方、露光中においては、ウエハステージWSTはそのほぼ大半の時間、第1領域内に存在しているので、原則、干渉計ユニット58X2の測長ビームWX1、WX2を用いて、ウエハステージWSTのX軸方向の位置、及びθy方向(Y軸回りの回転方向)の位置を計測するとともに、測長ビームWX3を用いて、ウエハステージWSTのZ軸方向の位置を計測する。また、アライメント中と同様に、干渉計ユニット58Yの測長ビームWY1,WY2を用いて、ウエハステージWSTのY軸方向の位置及びθx方向(X軸回りの回転方向)の位置を計測することができるとともに、測長ビームWY1、WY3によりθz方向の位置を計測することができる。
なお、ウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置計測方法については、特開2000−49066号公報に開示されているので、詳細な説明は省略する。
以上のように構成される本第1の実施形態の露光装置100では、通常のステッパと同様に、レチクルアライメント及びウエハアライメント系ALGのベースライン計測、並びにEGA等のウエハアライメント計測の後、ウエハアライメント計測結果に基づいて、ウエハ上のショット領域を投影光学系PLの投影領域に位置決めし露光することを繰り返す、いわゆるステップ・アンド・リピート方式の露光が行われ、レチクルRのパターンがウエハW上の複数のショット領域に順次転写される。
ここで、本実施形態の露光装置では、ウエハW上の全ショット領域SA1〜SAn(図4(B)参照)に対する露光を行う際に、ウエハステージWSTがY軸方向に関して、図4(A)に破線で示されるY位置(符号WST’で示されるY位置)から図4(A)に実線で示されるY位置(符号WSTで示されるY位置)まで移動することとなる。
ここで、本実施形態のウエハステージWSTは、前述したように、その大きさがウエハWよりも一回り大きい程度の大きさである。したがって、露光中は、前述したように、原則的に、干渉計58X2の測長ビームWX1〜WX3を用いるべきところ、図4(A)に実線で示される位置で、ウエハWの+Y側端部近傍のショット領域を露光するときに、干渉計ユニット58X2の測長ビームWX3がウエハステージWSTの−X側の側面(第3反射面54c)に当たらなくなることがある。
このため、本実施形態では、このようなウエハWの+Y側端部のショット領域を露光する以前に、ウエハステージWST(ウエハW)のZ軸方向に関する位置情報を計測する測長ビームを測長ビームWX3から測長ビームWXF3に切り換えて置く必要がある。
これについて、更に詳述する。
前提として、ウエハW上のマトリクス状に配置されたショット領域(SA1〜SAn)に対し、図4(B)に示される順(ショット領域SA1、SA2、SA3…の順)で(すなわち、−Y側端部の列から+Y側の列に向けて)順次露光を行うとする。なお、実際には、露光領域(照射領域)が固定で、ウエハステージWST(ウエハW)が移動するのであるが、図4(B)においては、図示の便宜上、露光領域(照射領域)が太線上を移動するかのように示している。
この場合、図4(B)においてハッチングを付して示すショット領域SA(k−1)に対する露光が終了するまでは、測長ビームWX3が切れることはない。このため、ショット領域SA1〜SA(k−1)を露光する間にはウエハステージWST(ウエハW)のZ軸方向に関する位置は、測長ビームWX3により計測することができる。
しかしながら、ショット領域SA(k−1)の露光が終了し、図4(B)にダブルハッチングを付した状態で示すショット領域SAkを露光するためのステッピング動作を行っている間には、測長ビームWX3がウエハステージWSTの−X側面(第3反射面54c)に当たらなくなる。このため、例えば、ショット領域SA(k−1)の露光後、ショット領域SAkの露光開始までのステッピングの途中に、測長ビームの切り替えを行うこととすると、ウエハステージWSTをステッピング中に一旦ほぼ停止させてからウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置情報の計測に用いる測長ビームを測長ビームWX3から測長ビームWXF3に切り替えなければならず、当該一旦停止によって、1枚のウエハを露光するのに要する時間が長くなるおそれがある。これは、干渉計の測長ビームの切り替えについて、精度を確保しつつ、測長ビームを切り替えるにはウエハステージWSTをほぼ停止させて切り替えを行うことが望ましいためである。
そこで、本実施形態においては、主制御装置20は、ショット領域SA(k−1)に対する露光を行っている間(この場合、ウエハステージWSTは図3に実線で示される位置にあり、第1領域と第2領域とが重複する領域内に存在している)に、ウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置情報を計測する測長ビームを、測長ビームWX3から測長ビームWXF3に切り替えることとしている。
このようなシーケンスを採用しても、本実施形態の露光装置は、ウエハステージWSTをほぼ停止した状態で露光を行う静止露光タイプの露光装置(ステッパ)であることから、測長ビームの切り替えにおける精度の低下はほとんどない。なお、ほぼ停止した状態で露光を行うとは、所定の位置決め許容範囲内でウエハステージWSTが動いている場合も含まれるものとする。
また、露光動作と並行して干渉計の切り替えを行うこととしているので、測長ビームの切り替えに要する時間の少なくとも一部を1つのショット領域を露光するのに要する時間に隠すことができるので、露光装置のスループットの低下を防止することが可能である。特に、1つのショット領域を露光するのに要する時間の方が切り替え時間よりも長い場合には、切り替え時間を露光時間に完全に隠すことができるので、測長ビームの切り替えが露光装置のスループットに与える影響はない。
なお、露光動作を、上記とは逆に、図4(B)に示されるショット領域SAn〜SA1の順に行なう場合には、主制御装置20は、ショット領域SAn〜SA(k+1)までの間は、測長ビームWX1、WX2、及びWXF3を用いてウエハステージWSTの位置計測を行い、ショット領域SAkの露光動作を行っている間に、ウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置情報を計測する測長ビームを測長ビームWXF3から測長ビームWX3に切り替え、その後のショット領域SA(k−1)〜SA1までの間は、測長ビームWX1、WX2、WX3を用いてウエハステージWSTの位置計測を行うこととすることができる。
一方、上記のようにして、露光が終了すると、例えば、図5において破線で示される位置(符号WST”’で示される位置)において、ウエハ交換が行なわれる。したがって、当該ウエハ交換位置までウエハステージWSTを移動する必要がある。この移動中に、露光中に用いていた干渉計58X2の測長ビームが切れることから、主制御装置20は、ウエハ交換位置まで移動するまでの間の適宜なとき(干渉計58X1,58X2の測長ビームがすべてウエハステージWSTの−X側の側面にあたるとき(ウエハステージWSTが図3の第1領域と第2領域とが重複する領域にあるとき))に、ウエハステージWSTの位置を計測する干渉計を干渉計58X2から干渉計58X1に切り換えておく。
そして、ウエハ交換位置WST”’において、新たなウエハに交換された後は、その新たなウエハのウエハアライメント(EGA)を行う。
ここで、アライメント系ALGを用いた、ウエハアライメント(EGA)を行なう場合には、Y軸方向に関しては、図5において破線で示されるY位置(符号WST”’で示されるY位置)から実線で示されるY位置(符号WST”で示されるY位置)まで移動しつつ、ウエハ上に設けられた複数(例えば8点)のアライメントマークの位置情報を計測する必要がある。
ここで、前述したように、ウエハアライメント中においては、原則、ウエハ干渉計58X1(測長ビームWXF1〜WSXF3)を用いた計測を行うべきところ、符号WST”で示される位置では、図5に示されるように、測長ビームWXF3がウエハステージの−X側面(第3反射面54c)に当たらなくなることが分かる。そこで、本実施形態においては、主制御装置20は、測長ビームWXF3と測長ビームWX3の両方がウエハステージWSTに当たっているとき(ウエハステージWSTが、図3の第1領域と第2領域とが重複する領域に存在するとき)で、かつウエハ上の所定のマークを計測しているとき(ウエハステージWSTがほぼ停止しているとき)に、ウエハステージWSTのZ軸方向の位置情報を計測する測長ビームを測長ビームWXF3から測長ビームWX3に切り換えておくこととしている。
これにより、アライメント動作と並行して干渉計の切り替えを行うことができるので、干渉計の切り替えに要する時間をアライメント時間に隠すことができ、露光装置のスループットの低下を防止することが可能である。
なお、アライメント動作を上記とは逆に行う(すなわち、ウエハステージWSTを+Y方向から−Y方向に移動させながら、順次ウエハW上に形成されたアライメントマークを計測する)場合には、図5の位置WST”にウエハステージがあるときに、測長ビームWXF1、WXF2、WX3によりウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置情報を計測し、測長ビームWX3、WXF3が同時にウエハステージWSTの−X側の側面に当たっているときに、ウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置情報を計測する測長ビームを測長ビームWX3から測長ビームWXF3に切り替え、その後のアライメント中は、測長ビームWX1、WX2、WX3を用いてウエハステージWSTの位置計測を行うこととすることができる。
なお、アライメント(EGA)終了後は、前述と同様に、新たなウエハに対して、ステップ・アンド・リピート方式の露光が行われ、レチクルRのパターンがウエハW上の複数のショット領域に順次転写される。
以上説明したように、本実施形態の露光装置によると、主制御装置20は、ウエハステージWSTが第1領域と第2領域とが重複する領域に存在し、かつ、ウエハ上の所定のショット領域(SA(k−1))を露光しているタイミングで、ウエハステージWSTのZ軸方向の位置を計測する測長ビームを測長ビームWX3(WXF3)と測長ビームWXF3(WX3)の間で切り替えるため、測長ビームの切り替えと露光動作とを並行して行うことが可能である。したがって、切り替え時間が露光装置全体のスループットを低下させるのを抑制することが可能である。
また、本実施形態では、上記切り替え回数が多くなったとしても、露光装置のスループットへの影響がほとんどないことから、ウエハステージWSTを小型化しても問題がない。これにより、ウエハステージWSTの高加速度化及び高精度な位置決めを実現することができ、ひいては、露光装置のスループットの向上及び高精度な露光を実現することが可能となる。
なお、上記実施形態では、干渉計ユニット58X2からの測長ビームWX3が切れる直前のショット領域に対する露光動作を行っている間に、干渉計ユニットの切り替えを行うこととしたが、これに限らず、図3の第1領域と第2領域とが重複する領域にウエハステージWSTが存在する間で、かついずれかのショット領域に対して露光を行っている間において行うことができる。
なお、上記実施形態では、ウエハステージWSTの位置を計測する干渉計ユニットの測長軸のうち、Z軸方向の位置を計測するための測長ビームが切れる場合について説明したが、これに限らず、X軸方向に関する測長ビームが切れる場合についても同様に、本発明を適用することが可能である。
《第2の実施形態》
以下、本発明の第2の実施形態について、図6(A)〜図8に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用いるとともに、その説明を省略する。なお、図6(B)〜図8において、太線で示される経路は、ウエハ上を露光領域の中心が通過する経路を示すものである。ただし、実際には、露光領域が固定で、ウエハステージWST(ウエハW)が移動するのであるが、説明の便宜上、図6(B)〜図8のように示している。
以下、本発明の第2の実施形態について、図6(A)〜図8に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用いるとともに、その説明を省略する。なお、図6(B)〜図8において、太線で示される経路は、ウエハ上を露光領域の中心が通過する経路を示すものである。ただし、実際には、露光領域が固定で、ウエハステージWST(ウエハW)が移動するのであるが、説明の便宜上、図6(B)〜図8のように示している。
本第2の実施形態は、1つのショット領域に対する露光時間の方が、上記第1の実施形態で説明した、干渉計の切り替え時間よりも短い場合に特に有効なものである。したがって、本実施形態では、1つのショット領域に対する露光時間が切り替え時間よりも短いものとして説明する。
本第2の実施形態では、露光に先立って、プロセスプログラム作成のため露光条件が設定されている。この場合、ブラインドID(本実施形態では、ブラインドIDは、No.1〜No.3まであるものとする)毎に、オペレータによって、照明ユニット10内の視野絞り(レチクルブラインド)の位置(状態)、ショットオフセット、スケーリング、ローテーション、直交度、露光時間、フォーカスオフセット、及びレベリングオフセットなどが決定されている。そして、各ブラインドIDは、ウエハW上の各ショット領域に割り振られている。
上記割り振りによって作成されたショットマップが図6(A)に例示されている。本実施形態では、ウエハW上に、異なるブラインドIDのショット領域があるため、主制御装置20では、ブラインドNo.1→ブラインドNo,2→ブラインドNo.3の順に露光を行うものとする。ここで、本第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様、ウエハWの+Y側端部近傍のショット領域(図6(A)に示される境界線BLよりも+Y側のショット領域)を露光する際には、干渉計の測長ビームWX1、WX2、WXF3を用いてウエハステージWSTの位置情報を計測し、ウエハWの境界線BLよりも−Y側のショット領域を露光する際には、干渉計の測長ビームWX1、WX2、WX3を用いて、ウエハステージWSTの位置情報を計測することとしている。
本第2の実施形態では、ウエハWの露光に際して、まず、ブラインドNo.1の露光を行うために、ブラインドを変更するなど露光条件を変更した後で、図6(B)に示されるような順番で、ブラインドNo.1のショット領域を順次露光する。この露光も、前述した第1の実施形態と同様、ステップ・アンド・リピート方式の露光が行われている。
そして、ブラインドNo.1の全ショット領域の露光終了後、ブラインドNo.2の露光を行うために、ブラインドを変更するなどの露光条件を変更した後で、図7(A)に示されるような順番で、ブラインドNo.2のショット領域を順次露光する。
この場合において、ショット領域SA(k−1)の露光を行ってからショット領域SAkの露光を開始するまでのステッピング動作中に、干渉計の測長ビームWX3がウエハステージWSTの−X端面(第3反射面54c)に当たらなくなることから、上記第1の実施形態と同様に、主制御装置20は、ショット領域SA(k−1)を露光している間(ウエハステージWSTがほぼ停止している間)にウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置情報を計測する測長ビームを測長ビームWX3から測長ビームWXF3に切り替えておくこととする。なお、上述したように、本実施形態では、1つのショット領域の露光動作に要する時間の方が測長ビームの切り替え動作に要する時間よりも短いため、露光終了後も測長ビームの切り替え動作が終了するまでは、ウエハステージWSTを1つのショット領域SA(k−1)にほぼ停止させておく必要がある。
このようにして、ブラインドNo.2の全ショット領域の露光が終了すると、測長ビームWX3がウエハステージWSTの第3反射面54cにあたるような位置で、ウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置情報を計測する測長ビームを測長ビームWXF3から測長ビームWX3に切り替えるとともに、ブラインドNo.3の露光を行うためにブラインドを変更するなどの露光条件を変更し、図7(B)に示されるように、ブラインドNo.3のショット領域の露光を実行する。
ここで、本実施形態とは異なる手順、例えば、ブラインドNo.2のショット領域を図8に示されるような露光手順で露光する場合と比較すると、図8に示される手順では、ショット領域SA(k−1)の露光中に、ウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置情報を計測する測長ビームを、測長ビームWX3から測長ビームWXF3に切り替えを行う必要があるとともに、ショット領域SAnの露光後、次のショット領域の露光を開始するまでの間の移動中(ステッピング中)において、所定位置SPでウエハステージWSTを一旦停止させて、ウエハステージWSTのZ軸方向に関する位置情報を計測する測長ビームを、測長ビームWXF3から測長ビームWX3に切り替える必要がある。このため、測長ビームの切り替えを行う回数が図7(A)の場合と比べて多くなり、これに伴って測長ビームの切り替えに要する時間がスループットの低下を引き起こすおそれがある。
したがって、本第2の実施形態のシーケンスを採用することにより、測長ビームの切り替えの回数を減らすことができるので、スループットの低下を抑制することが可能である。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、ブラインドNo.1からNo.3まで順番に露光し、かつ測長ビームの切り替え回数が少なくなるようにウエハステージを移動して露光するという観点から、図6(B)〜図7(B)に示されるような手順で露光を行うこととしたが、これに限られるものではない。すなわち、本実施形態では、(1)ステッピングに要する全移動時間(ステッピング時の平均速度及び全移動距離)、(2)切り替えに要する全時間、及び(3)ブラインドID毎に露光条件を変更するのに要する全時間、を考慮して、移動経路を決定することができる。
したがって、図6(B)〜図7(B)に示した順番に限らず、例えば、ブラインドNo.2の露光の際に、図9に示されるようなウエハステージWSTの移動経路を採用することで、切り替え回数が多くなっても最短経路をウエハステージWSTが通ることにより、スループットの低下が抑制される場合には、このような移動経路を採用することとしても良い。また、例えば(3)のブラインドID毎に露光条件を変更するのに要する時間が比較的短い場合には、ブラインドNo.1からNo.3の順に露光をするのではなく、例えば、ブラインドNo.1の全ショット領域の露光を行った後に、ウエハWの−Y端部近傍に位置するブラインドNo.2のショット領域の露光を行い、次いで、ブラインドNo.3の全ショット領域の露光を行い、最後に、ウエハWの+Y端部近傍に位置するブラインドNo.2のショット領域の露光を行うこととしても良いし、例えば、ウエハWの−Y側端部から+Y側端部に向けて、順に露光を行うこととし、その間に適宜露光条件を変えるなどすることとしても良い。
以上説明したように、本第2の実施形態によると、複数の条件下で一枚のウエハを露光する場合に、干渉計の測長ビームの切り替え時間、ブラインドID毎の露光条件の切り替えに要する時間、ステッピング時のウエハステージの移動時間などを考慮することにより、シーケンス(経路)を決定するので、高スループットでの露光を実現することができる。
なお、上記実施形態では、1つのショット領域を露光するのに要する時間が測長ビームの切り替えに要する時間よりも短い場合を前提にして説明したが、これに限らず、1つのショット領域を露光するのに要する時間の方が測長ビームの切り替えに要する時間よりも長い場合にも適用することが可能である。この場合、測長ビームの切り替え時間は露光時間に隠すことができるので、ステッピングに要する時間や、ブラインドID毎の露光条件の切り替えに要する時間等を考慮して、ウエハステージの移動経路(露光順)を決定することとすることができる。
また、上記各実施形態では、投影光学系とアライメント系とがY軸方向に所定距離離れて配置され、X軸干渉計がY軸方向に所定距離離れた状態で2つ設けられた場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば投影光学系とアライメント系とをX軸方向に所定距離離れた位置に配置し、Y軸干渉計をX軸方向に所定距離離れた状態で2つ設けることとしても良い。更には、X軸及びY軸に交差する方向に投影光学系とアライメント系とが所定距離離れて配置され、X軸干渉計とY軸干渉計の両方を2つずつ設けることとしても良い。このように、Y軸干渉計ユニットを2つ設ける場合で、露光中に一方の干渉計ユニットから他方の干渉計ユニットを切り替えなければならない場合においても、本発明を適用することも可能である。
なお、上記各実施形態ではウエハ干渉計システム58を構成する干渉計ユニット58X1,58X2のそれぞれが3本の測長ビームを有する場合について説明したが、これに限らず、測長ビームWX1,WX2を照射する干渉計とは別に、測長ビームWX3を照射する干渉計を設け、測長ビームWXF1,WXF2を照射する干渉計とは別に、測長ビームWXF3を照射する干渉計を設けることとしても良い。
なお、上記各実施形態では、計測装置として干渉計ユニットを採用した場合について、説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、干渉計ユニット58X1、58X2に代えて、エンコーダなどの他の計測装置を用いてもよい。また、干渉計ユニット58X1、58X2のいずれか一方をレーザ干渉計とし、他方をエンコーダなどの他の計測装置とすることも可能である。
なお、上記各実施形態では、ウエハステージWSTの側面を鏡面加工して反射面を形成することとしたが、これに限らず、例えば、上記反射面に代えて、ウエハステージWSTの上面の−X側端部にY軸方向を長手方向とする移動鏡を設け、+Y側端部にX軸方向を長手方向とする移動鏡を設けることとしても良い。
なお、上記各実施形態では、X軸、Y軸、Z軸及びこれら軸回りの回転方向の位置情報を、干渉計ユニットを用いて計測するものとしたが、これに限らず、干渉計ユニットによって、X軸、Y軸及びZ軸それぞれに交差する方向の位置情報を計測することとしても良い。
なお、上記各実施形態において、照明光ILとして、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良い。投影光学系は屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
なお、上記各実施形態では、本発明がステップ・アンド・リピート方式の露光装置(いわゆるステッパ)に適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置は勿論、ステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも好適に適用することができる。
この他、例えば国際公開第2004/053955号パンフレットなどに開示される、投影光学系とウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用しても良い。また、遠紫外域又は真空紫外域などの露光用照明光を用いる露光装置だけでなく、例えばEUV光又はX線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置などであっても、本発明を適用することは可能である。
なお、上記各実施形態の露光装置は、例えば特開平10−214783号公報や国際公開第98/40791号パンフレットなどに開示されているように、2つのウエハステージを用いて露光動作と計測動作(例えば、アライメント系によるマーク検出など)とをほぼ並行して実行可能なツイン・ウエハステージタイプでも良い。さらに、上記実施形態の露光装置は、例えば国際公開第2005/074014号パンフレットなどに開示されているように、ウエハステージとは別に計測ステージを備えるものでも良い。
なお、上記各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(又は可変成形マスク、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器とも呼ばれる)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。また、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞をウエハW上に形成することによって、ウエハW上にデバイスパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をリソグフィ工程を用いて製造する露光装置にも適用することができる。以上のように、上記各実施形態でエネルギビームが照射される露光対象の物体はウエハに限られるものではなく、ガラスプレート、セラミック基板、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいてレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを形成するステップ、上記の実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、エッチング等の回路パターンを形成するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、及び検査ステップ等を経て製造される。
以上説明したように、本発明の露光装置及び露光方法は、物体をほぼ静止した状態で、該物体上の複数の区画領域にパターンを形成するのに適している。
10…露光装置、20…主制御装置(切り替え装置)、54a〜54c…第1〜第3の反射面(反射面)、58X2…干渉計ユニット(第1の計測装置、レーザ干渉計)、58X1…干渉計ユニット(第2の計測装置、レーザ干渉計)、SA1〜SAn…ショット領域(区画領域)、W…ウエハ(物体)、WST…ウエハステージ(移動体)。
Claims (14)
- 物体上の複数の区画領域にパターンを形成する露光装置であって、
前記物体を保持して所定面内で少なくとも第1軸方向に移動可能な移動体と;
前記移動体が前記所定面内の第1領域内に存在するときに、前記移動体の前記第1軸方向に交差する第2軸方向の位置を計測することが可能な第1の計測装置と;
前記第1領域と一部重複する前記所定面内の第2領域内に前記移動体が存在するときに、前記移動体の前記第2軸方向の位置を計測することが可能な第2の計測装置と;
前記移動体が前記第1領域と第2領域とが重複する領域に存在し、かつ、前記物体上の所定の区画領域に対してパターンが形成されているタイミングで、前記移動体の前記第2軸方向の位置を計測する計測装置を、前記第1の計測装置と前記第2の計測装置のいずれか一方の計測装置から他方の計測装置に切り替える切り替え装置と;を備える露光装置。 - 前記第1の計測装置及び前記第2の計測装置は、レーザ干渉計であり、
前記移動体には、前記レーザ干渉計から照射されるレーザ光を反射する反射面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記第1領域と前記第2領域とが重複する領域に前記移動体が存在するときには、前記反射面に、前記第1、第2の計測装置のそれぞれからのレーザ光が照射されていることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
- 前記切り替え装置による切り替え動作に要する時間と、前記所定の区画領域に対してパターンを形成する時間とでは、前記切り替え動作に要する時間の方が短いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記第2軸方向は、前記所定面に垂直な方向及び前記所定面内で前記第1軸方向に直交する方向のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の露光装置。
- 物体上の複数の区画領域にパターンを形成する露光方法であって、
前記物体の所定方向に関する位置を第1計測装置及び第2計測装置のいずれかを用いて計測しつつ、前記物体上の複数の区画領域に対して前記パターンを順次形成する露光工程と;
前記複数の区画領域のうちの所定の区画領域に対して前記パターンを形成している間に、前記物体の前記所定方向に関する位置を計測する計測装置を、前記第1計測装置と前記第2計測装置のいずれか一方から他方に切り替える切り替え工程と;を含む露光方法。 - 前記第1計測装置は、前記物体の移動する移動面内の第1領域内に存在するときに、前記物体の第1軸方向に関する位置を計測し、前記第2計測装置は、前記第1領域と一部重複する前記移動面内の第2領域内に前記物体が存在するときに、前記物体の前記第1軸方向に関する位置を計測し、
前記切り替え工程は、前記物体が前記第1領域と前記第2領域とが重複する領域内に存在するときに実行することを特徴とする請求項6に記載の露光方法。 - 前記露光工程は、
前記2つの計測装置のいずれかを用いて前記物体の前記第1軸方向に関する位置を計測しつつ、所定経路に沿って前記物体を順次位置決めする位置決め工程と、
前記物体が位置決めされた状態で、前記移動面内の所定位置に位置する区画領域に対して前記パターンを形成するパターン形成工程と、を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の露光方法。 - 前記位置決め工程における前記所定経路は、
前記切り替え工程に要する時間、及び前記所定の区画領域に対して前記パターンを形成するのに要する時間に応じて決定されることを特徴とする請求項8に記載の露光方法。 - 前記位置決め工程における前記所定経路は、
前記物体が前記所定経路に沿って移動する間に必要な前記切り替え工程の回数に応じて決定されることを特徴とする請求項9に記載の露光方法。 - 前記位置決め工程における前記所定経路は、
前記物体の移動速度及び前記物体の移動距離に応じて決定されることを特徴とする請求項9又は10に記載の露光方法。 - 前記露光工程におけるパターン形成条件を変更する変更工程を更に含み、
前記位置決め工程における前記所定経路は、同一のパターン形成条件でパターンが形成される区画領域の配置に応じて決定されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の露光方法。 - 前記切り替え工程に要する時間と、前記所定の区画領域に対して前記パターンを形成するのに要する時間とでは、前記切り替え工程に要する時間の方が長いことを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記物体は、前記移動面内を移動する移動体に保持され、
前記第1、第2計測装置は、レーザ干渉計であることを特徴とする請求項6〜13のいずれか一項に記載の露光方法。
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-
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