JP2007296410A - ガス化装置および難分解性有機化合物処理装置および処理方法 - Google Patents

ガス化装置および難分解性有機化合物処理装置および処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 消費電力を低減することができ、ガス化した難分解性有機化合物を安定的かつ効率的に還元分解して処理することを可能にする装置を提供する。
【解決手段】 本発明の装置は、汚染土壌を間接加熱する第1加熱手段21を備え、第1加熱手段21によって汚染土壌を間接加熱することにより、汚染土壌中の水分を蒸発させ、難分解性有機化合物をガス化することなく過熱蒸気を生成させる第1ガス化装置20と、第1ガス化装置20で生成した過熱蒸気を回収し、貯留する過熱蒸気貯留槽30と、水分が除去された汚染土壌を間接加熱する第2加熱手段41を備え、第2加熱手段41によって水分が除去された汚染土壌を間接加熱することにより、汚染土壌中の難分解性有機化合物をガス化させる第2ガス化装置40とを含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、土壌中の水分および難分解性有機化合物をガス化し、分解処理する難分解性有機化合物処理装置および処理方法、その装置に用いられるガス化装置に関する。
毒性が強く、難分解性を有する有機化合物にダイオキシン類があり、このダイオキシン類は環境汚染物質として問題となっている。ダイオキシン類は、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)を総称したもので、除草剤の分解によって生成し、また、ごみ焼却の灰、製紙の汚泥、自動車の排ガス等に含まれている。
このダイオキシン類の大気中の濃度を低減させるために、ダイオキシン類を処理する方法や装置が数多く提案されている。この中で、ダイオキシン類に限らず、フロン類の濃度も効果的に低減させることができる方法として、過熱蒸気反応法が提案されている(特許文献1〜5参照)。
過熱蒸気反応法は、ダイオキシンによって汚染された土壌や汚泥を、ガス化装置に供給し、ダイオキシンの沸点を超える約400℃〜約600℃の温度で加熱してガス化させ、ガス化したダイオキシンを含むガスに、過熱蒸気を加え、さらに加熱して約900℃〜約1200℃とし、還元反応によってダイオキシンを分解する方法である。この方法で、ダイオキシンは一酸化炭素、水素、塩化水素等に分解され、この分解ガスに空気あるいは酸素を供給して酸化して無害化する。この分解ガス中には、水に溶解することにより酸性を呈する塩化水素が含まれており、これを除去するため、アルカリ水溶液中に通される。このアルカリ水溶液は、無害化されたガスを急冷する。無害化されたガスを徐冷した場合には、再びダイオキシンを生成させるおそれがあるため、ここでは急冷することが必須とされる。塩化水素が除去されたガスは、主に、二酸化炭素と水蒸気とからなる。これらの反応においてほとんどの有害物質は除去されるが、微量に残留する場合もあるため、活性炭塔を通すことにより吸着除去する。これら有害物質が除去されたところで、ブロア等によって大気中に放散される。
この過熱蒸気反応法は、汚染土壌や汚泥中の難分解性有機化合物を、過熱蒸気と空気とを供給するのみで環境基準値(2,3,7,8−四塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシンの毒性に換算した値(TEQ))以下に充分に分解除去することができる。ちなみに、ダイオキシン類の環境基準値は、大気1m中では0.6pg−TEQ/Nm以下、水1L中では1pg−TEQ/L以下、土壌1g中では1000pg−TEQ/g以下である。
過熱蒸気反応法で使用されるガス化装置は、中空円筒容器の内部に、土壌を水平方向に移動させるためのスクリューを備えている。スクリューは、中心軸と、その中心軸に周設される螺旋状の羽根とから構成され、中心軸の回転によって羽根が回転し、その羽根に沿って水平方向に土壌が移動する。また、ガス化装置は、中空円筒容器に周設されるヒータを備えている。したがって、スクリューによって土壌が水平移動する間、ヒータによって熱が加えられ、上記の約400℃〜約600℃の温度とされる。土壌中に含まれる水分や難分解性有機化合物は、この温度への加熱に伴ってガス化し、汚染物質であるこの難分解性有機化合物が土壌中から除去される。ガス化によって水分や難分解性有機化合物は、中空円筒容器の上部のノズルから反応塔へ送られ、これらが除去された土壌は、中空円筒容器の下部のノズルから、浄化された土壌として取り出される。浄化された土壌中には、汚染物質である難分解性有機化合物が土壌の環境基準値を充分に下回る濃度となっており、埋め戻し等の土壌として再利用される。反応塔へ送られたガス化した難分解性有機化合物は、約900℃〜約1200℃に加熱された後に反応器に送られ、同様に約900℃〜約1200℃に加熱されて反応器に送られた分解用の過熱蒸気と反応し、一酸化炭素や塩化水素等の低分子に分解される。
このガス化装置は、予め装置内を約400℃〜約600℃といった所定の温度に加熱しておき、その中に連続的に、または、バッチ式で汚染土壌を投入し、加熱することで、難分解性有機化合物をガス化している。このガス化には、汚染土壌に必須として含まれる水分の蒸発および加熱も含まれている。この蒸発および加熱した水分を、分解用の過熱蒸気として使用することができれば効率的である。しかしながら、バッチ式の場合では、汚染土壌中の沸点が低い水分が先に蒸発して反応塔へ送られてしまい、水の沸点に比較して高く、複数の物質から構成されるため複数の沸点を有する難分解性有機化合物がガス化される頃には、既に水分がなくなっているといった問題がある。連続的に供給する連続式の場合には、汚染土壌が徐々に加熱され、過熱蒸気とガス化した難分解性有機化合物とが共存した状態にはなるものの、この混合ガスの温度や量は不安定なものであり、ガス量が多い場合、分解に必要な予熱温度が不十分であったり、反応塔における滞留時間が確保できず、分解が不十分になるといった問題がある。また、反応塔への過熱蒸気の供給量が安定しないため、過熱蒸気の供給量が少ない場合があり、この場合、反応が不十分で、難分解性有機化合物が残留するといった問題がある。
上記のような従来のガス化装置では、バッチ式であるにしろ、連続式であるにしろ、汚染土壌に含まれる水分をすべて過熱蒸気にし、その過熱蒸気を使用することで、理論上では充分に難分解性有機化合物を分解することができるものの、現実には上記の問題から、別途ボイラ等で過熱蒸気を生成させ、反応に必要とされる所定量の過熱蒸気が供給されている。そのため、汚染土壌に含まれる水分を過熱蒸気にするエネルギーが無駄になっており、その結果、余分な消費電力を要しており、運転コストがかかるといった問題があった。また、ガス化装置においても、加熱するためのヒータが多く必要で、別途ボイラ等も必要となり、装置コストもかかるといった問題があった。
特許第3219706号公報 特許第3219689号公報 特許第3669881号公報 特許第3607624号公報 特開2004−57911号公報
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、汚染土壌に必須として含まれる水分を加熱途中で反応用等の過熱蒸気として回収し、ガス化装置としての処理負担を軽減して、少ない消費電力または燃料量で、所定のガス化温度まで加熱することを可能にする装置を提供することを目的とする。また、そのガス化した難分解性有機化合物を安定的かつ効率的に還元分解して処理する装置および方法を提供することも目的とする。
本発明の発明者らは、汚染土壌に必須として含まれる水分を有効利用するために鋭意検討の結果、ガス化装置を2つに分けた構成とし、第1ガス化装置で、常温の土壌をヒータによって約110℃〜約170℃まで加熱して、土壌中のダイオキシン類等の難分解性有機化合物を揮発させることなく、土壌中の水分のみを蒸発させ、さらには過熱蒸気を生成させ、過熱蒸気貯留槽に、分解用等として使用するために、その過熱蒸気を回収して貯留し、第2ガス化装置で、第1ガス化装置から出た約110℃〜約170℃に加熱された、水分が除去された汚染土壌をヒータで約400℃〜約600℃まで加熱して、難分解性有機化合物をガス化させることにより、従来の1つのガス化装置で土壌を常温から約400℃〜約600℃まで加熱するためにヒータが与える熱量に比較し、2つのガス化装置のヒータが与える熱量は少なくて済み、また、反応用等の過熱蒸気を生成させるボイラやヒータ等の負荷が低減され、この結果、消費電力を充分に低減させることができ、また、運転時間を大幅に短縮することができることを見出した。また、ガス化した難分解性有機化合物の量に応じて過熱蒸気貯留槽から過熱蒸気を供給することができ、安定的かつ効率的に分解させることができることを見出した。上記課題は、本発明のガス化装置、難分解性有機化合物処理装置および処理方法を提供することにより達成される。
本発明のガス化装置は、難分解性有機化合物によって汚染された汚染土壌中の該難分解性有機化合物をガス化し、分解処理する装置に用いられるガス化装置であり、汚染土壌を間接加熱する第1加熱手段を備え、この第1加熱手段によって汚染土壌を間接加熱することにより、汚染土壌中の水分を蒸発させ、難分解性有機化合物をガス化することなく過熱蒸気を生成させる第1ガス化装置と、この第1ガス化装置で生成した過熱蒸気を回収し、貯留する過熱蒸気貯留槽と、水分が除去された汚染土壌を間接加熱する第2加熱手段を備え、この第2加熱手段によって水分が除去された汚染土壌を間接加熱することにより、汚染土壌中の難分解性有機化合物をガス化させる第2ガス化装置とを含むものである。
上記過熱蒸気貯留槽に回収された過熱蒸気の一部を、第1ガス化装置に供給する過熱蒸気供給装置をさらに含むことができる。これは、汚染土壌中に過熱蒸気を流し、その汚染土壌を直接加熱して、より効果的に汚染土壌中の水分を蒸発させ、土壌を加熱するためである。
上記第1ガス化装置は、汚染土壌を受け入れるための第1土壌受入口と、過熱蒸気供給装置により供給される過熱蒸気を受け入れるための蒸気受入口と、水分が除去された汚染土壌を排出するための第1排出口と、生成した過熱蒸気を過熱蒸気貯留槽に送出するための蒸気送出口とを備える第1中空円筒容器と、第1中空円筒容器内に配設され、両端が回転自在に支持された第1中心軸と、第1中心軸に周設される第1螺旋状羽根とを備え、第1土壌受入口から受け入れた汚染土壌を第1排出口に向けて移動させる第1土壌推進手段と、第1中空円筒容器に周設され、第1中空円筒容器内の汚染土壌を間接加熱する第1加熱手段とを含む構成とすることができる。
また、上記第2ガス化装置は、水分が除去された汚染土壌を受け入れるための第2土壌受入口と、ガス化した難分解性有機化合物を排出するためのガス排出口と、難分解性有機化合物が分離された浄化土壌を排出するための第2排出口とを備える第2中空円筒容器と、第2中空円筒容器内に配設され、両端が回転自在に支持された第2中心軸と、第2中心軸に周設される第2螺旋状羽根とを備え、第2土壌受入口から受け入れた汚染土壌を第2排出口に向けて移動させる第2土壌推進手段と、第2中空円筒容器に周設され、第2中空円筒容器内の汚染土壌を間接加熱する第2加熱手段とを含む構成とすることができる。
第1ガス化装置は、第1土壌推進手段によって汚染土壌の供給速度を制御するとともに第1加熱手段によって汚染土壌の温度を制御することにより、生成する過熱蒸気の流量を制御することを特徴とする。これは、後流側の反応装置において、分解用として使用する過熱蒸気の量等を考慮し、過熱蒸気の生成量が所定量となるように調節するものである。
第2ガス化装置は、第2土壌推進手段によって水分が除去された汚染土壌の供給速度を制御するとともに第2加熱手段によって汚染土壌の温度を制御することにより、ガス化する難分解性有機化合物の流量を制御することを特徴とする。これは、ガス化する難分解性有機化合物の反応装置へ供給される流量を調節し、過熱蒸気貯留槽から供給される過熱蒸気の流量を制御しやすくするためである。
上記第2ガス化装置は、第2排出口に連続し、浄化土壌を収容する浄化土壌収容容器をさらに含むことができる。これにより、ガス化した難分解性有機化合物が第2排出口を通して排出されたとしても、大気中に排出されるのを防止することができる。
上記第1ガス化装置は、汚染土壌を110℃〜170℃に加熱することができる。これは、汚染土壌中の難分解性有機化合物をガス化させることなく、汚染土壌中の水分をすべて蒸発させるためである。
上記第2ガス化装置は、汚染土壌を400℃〜600℃に加熱することができる。これは、汚染土壌中の難分解性有機化合物をガス化し、土壌から分離除去するためである。
本発明では、難分解性有機化合物によって汚染された汚染土壌中の該難分解性有機化合物をガス化して分離し、該難分解性有機化合物を分解処理する装置も提供する。この装置は、汚染土壌を間接加熱する第1加熱手段を備え、第1加熱手段によって汚染土壌を間接加熱することにより、汚染土壌中の水分を蒸発させ、難分解性有機化合物をガス化することなく過熱蒸気を生成させる第1ガス化装置と、第1ガス化装置で生成した過熱蒸気を回収し、貯留する過熱蒸気貯留槽と、水分が除去された汚染土壌を間接加熱する第2加熱手段を備え、第2加熱手段によって水分が除去された汚染土壌を間接加熱することにより、汚染土壌中の難分解性有機化合物をガス化させる第2ガス化装置と、過熱蒸気貯留槽から反応装置に過熱蒸気を供給する過熱蒸気供給装置と、ガス化した難分解性有機化合物を加熱するガス加熱手段と、過熱蒸気を加熱する過熱蒸気加熱手段と、加熱された難分解性有機化合物と加熱された過熱蒸気とを反応させて該難分解性有機化合物を分解し、難分解性有機化合物の分解により生成した分解生成物を酸化させる反応装置とを含む。
本発明では、さらに、難分解性有機化合物の処理方法も提供する。この処理方法は、(i)第1ガス化装置で汚染土壌を間接加熱し、該汚染土壌中の水分を蒸発させ、難分解性有機化合物をガス化することなく過熱蒸気を生成させる段階と、(ii)過熱蒸気を回収し、過熱蒸気貯留槽に貯留する段階と、(iii)第2ガス化装置で水分が除去された汚染土壌を間接加熱し、汚染土壌中の難分解性有機化合物をガス化する段階と、(iv)第2ガス化装置でガス化された難分解性有機化合物と、過熱蒸気貯留槽から取り出され、難分解性有機化合物の流量に対して所定比率以上になるように流量が制御された過熱蒸気とを加熱する段階と、(v)加熱された難分解性有機化合物と加熱された前記過熱蒸気とを反応させて該難分解性有機化合物を分解する段階と、(vi)反応装置に空気または酸素を供給し、難分解性有機化合物の分解により生成した分解生成物を酸化させる段階とを含む。
また、過熱蒸気貯留槽から第1ガス化装置に過熱蒸気の一部を供給する段階を含み、過熱蒸気を生成させる段階は、供給される過熱蒸気によって汚染土壌を直接加熱する段階を含むことを特徴とする。
上記反応装置に供給する段階において、過熱蒸気は、難分解性有機化合物中の炭素のモル量の1〜5倍のモル量になるように流量が調整される。
本発明のガス化装置を提供することにより、加熱のための消費電力や燃料量を低減させ、運転時間を大幅に短縮することができる。また、第1ガス化装置で生成した過熱蒸気を回収することにより、後流側の反応装置の分解用過熱蒸気として有効利用することができる。本発明の難分解性有機化合物処理装置および処理方法を提供することにより、反応装置において、安定的かつ効率的に難分解性有機化合物を分解させることができ、反応に必要な過熱蒸気が回収できれば別途ボイラ等は不要となる。
本発明のガス化装置を詳細に説明する前に、図1を参照して本発明の難分解性有機化合物処理装置10を説明する。この難分解性有機化合物処理装置10は、ダイオキシン類といった難分解性有機化合物を汚染土壌から分離し、低分子に分解処理する装置であり、本発明のガス化装置11を含んで構成されるものである。図1に示す実施形態では、難分解性有機化合物処理装置10は、ガス化装置11のほか、前処理装置12、脱水装置13、反応装置14、冷却装置15、吸着装置16、ブロワ17、凝集装置18を含む構成とされている。
汚染土壌や汚泥には、ダイオキシン類等の難分解性有機化合物のほか、重金属、礫、ガラス片や多量の水分等が含まれている。礫やガラス片等は、粒径が大きく、ガス化装置11に用いられる螺旋状羽根等を損傷させるおそれがあるため、予め前処理装置12で除去される。また、分級することで土粒子が整えられるため、異物の噛み込み等による装置のトラブルを防止することができ、汚染土壌の均一な加熱が可能となる。この前処理装置12は、例えば、ふるいを備える分級装置とすることができる。ふるいは、例えば、メッシュサイズが約15mm、約20mmあるいは約25mmのものを使用することができる。分級装置は、このふるいを揺動させるため、揺動装置を備えることができる。図1に示す前処理装置12は、ふるいのほか、ふるい上に残留する粒径の大きなものを排出する排出ノズルを備えた構成とされている。
汚泥は多量の水分を含んでおり、この水分が増加するほど、後流側のガス化装置11で加熱および蒸発させるために必要とされる熱エネルギーが増加する。この熱エネルギーで大部分を占めるのは、水分が蒸発する際に必要とされる蒸発潜熱である。ガス化装置11の加熱手段で与える熱量を少なくするためには、予め脱水装置13で水分を除去しておくことが好ましい。例えば、港湾のダイオキシン類に汚染された底泥は、浚渫後において約2〜約3の含水比(乾燥土の質量に対する水の質量を表したもの)を有する。これを、脱水装置13によって、例えば0.5以下に低減させることができる。脱水装置13としては、汚泥を収容し、側面に多数の穴を有する容器を備えており、その容器を回転させ、水分を、多数の穴を通して遠心分離する装置を挙げることができる。汚染土壌中の土粒子の質量が1kgで、難分解性有機化合物であるダイオキシン類(例えば、分子式C12Clで、分子量322のものとする。)で表されるが0.1kg含まれている場合、以下で説明するように、反応に必要とされる蒸気量が、ダイオキシン類中の炭素のモル量と同等以上で、そのモル量の2倍〜5倍が好ましいことから、0.14kg〜0.35kg必要である。したがって、すべてを反応用の過熱蒸気として利用できるとして、以下のガス化装置11に送られる汚染土壌の含水比は、0.14〜0.35である必要がある。しかしながら、すべてを蒸発させることは難しく、漏れ、凝縮等により、ロスを生じるおそれがあるため、脱水装置13では、含水比を約0.3〜約0.5に低減させるように、汚染土壌中の水分を除去することが好ましい。
このようにして、礫等や水分を除去された汚染土壌は、系内を気密にするべくフィーダ等を使用してホッパーからガス化装置11に供給される。ホッパーとガス化装置11との間には弁が設けられており、弁により汚染土壌の供給量を制御することができる。ガス化装置11内では、この汚染土壌を加熱し、残存する水分を蒸発させ、過熱蒸気として回収し、重金属や難分解性有機化合物をガス化させ、汚染土壌から分離する。ガス化装置11の詳細については図2を参照して詳細に説明する。ここで、過熱蒸気とは、その蒸気の圧力における飽和温度を超える温度の水蒸気を意味し、常圧では100℃を超える温度の水蒸気を意味する。
汚染土壌から分離されたガスは、分解処理するため、反応装置14に送られる。重金属や難分解性有機化合物が分離除去された後の土壌は、重金属や難分解性有機化合物が環境基準値以下となり、大部分が土質成分であり、常温まで冷却後、土壌として再利用することができる。図1に示す実施形態では、ガス化装置11に連続し、大部分が土質成分とされた浄化土壌を収容する浄化土壌収容容器19を含んで構成されている。この浄化土壌収容容器19は、浄化土壌の排出とともに混入される、重金属や難分解性有機化合物等を含む分離ガスが大気中に放出されないように密閉された容器とされている。なお、この浄化土壌収容容器19には、連続して浄化土壌が受け入れられるため、混入された分解ガスは、浄化土壌収容容器19から押し出され、再びガス化装置11に戻され、反応装置14へと送られる。浄化土壌収容容器19は、浄化土壌を取り出すための取出口を備えており、処理終了後に、その取出口から浄化土壌を取り出すことができる。
反応装置14は、円筒管にヒータ等の加熱手段が周設されたものとすることができ、難分解性有機化合物および過熱蒸気を通過させるのみで分解させることができる。反応装置14における分解反応は、約900℃〜約1200℃で起こり、その反応時間は約0.5秒〜約5秒程度である。そのため、上記分離されたガスおよび過熱蒸気貯留槽から送られる過熱蒸気は、予め約900℃〜約1200℃に加熱され、反応装置14に送られる。なお、円筒管に周設された加熱手段は、円筒管内の温度を一定に保持するために使用される。これらの加熱は、ガス化装置11と反応装置14との間に配置されるガス加熱手段、ガス化装置に含まれる過熱蒸気供給装置と反応装置14との間に配置される過熱蒸気加熱手段によって行われる。これらの加熱手段は、ヒータ、加熱炉、以下に説明する電磁誘導過熱装置等とすることができる。
反応装置14内では、加熱された分離ガス中の難分解性有機化合物が過熱蒸気と反応し、難分解性有機化合物が低分子に分解される。すなわち、難分解性有機化合物はベンゼン環を有する化合物であり、この過熱蒸気による反応によってベンゼン環が断ち切られ、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン、塩化水素といった低分子に分解される。この反応装置14に送り込まれる過熱蒸気量は、難分解性有機化合物中の炭素のモル量と同等以上とされる。すなわち、その炭素のモル量が、1モルであれば、過熱蒸気は1モル以上とされる。この反応では、過熱蒸気量は、炭素のモル量の約2倍〜約5倍が好ましい。この過熱蒸気は、ガス化装置11の過熱蒸気貯留槽から流量を制御されて供給することができる。流量を制御する場合、供給される難分解性有機化合物の流量を流量計で測定し、測定した流量に所定比率を乗算し、乗算した流量になるように調節弁で制御することで、所定流量に制御された過熱蒸気を反応装置14に供給することができる。上記比率として例えば1〜4とすることができる。すなわち、難分解性有機化合物の流量が毎時0.1kgであれば、過熱蒸気の流量を毎時0.1kg〜0.4kgに制御して供給することができる。
汚染土壌に含まれる水分が少なく、過熱蒸気貯留槽に貯留される過熱蒸気量だけでは不足する場合には、別途ボイラ等を設け、不足する量の過熱蒸気を供給することができる。また、難分解性有機化合物の量が少ない場合には、汚染土壌のガス化装置11への供給量を増加させることができる。
不足する過熱蒸気を生成するための装置としては、燃料を燃焼させる等して水を加熱することにより蒸気を発生させ、さらに加熱することにより過熱蒸気を生成させるボイラや、ボイラ等の蒸気発生装置と、発熱体を巻いた中空管を備える電磁誘導過熱装置とを備えるものを用いることができる。この電磁誘導過熱装置では、その中空管内にボイラ等で発生させた蒸気を通し、電磁誘導過熱することにより過熱蒸気を発生させることができる。
反応装置14において安定的かつ効率的に分解反応を行わせるためには、反応装置内の温度が所定温度に保持され、供給されるガス化した難分解性有機化合物の流量と過熱蒸気の流量とが一定となるように制御されることが好ましい。そのためには、ガス化した難分解性有機化合物と過熱蒸気とが分離されているか、どちらか一方に他方が混入しているにしても、その他方の量が既知であり、それぞれの流量を制御できることが好ましい。本発明の装置では、ガス化装置11において、過熱蒸気が分離回収され、難分解性有機化合物のみをガス化することができ、また、そのガス化した難分解性有機化合物の流量および過熱蒸気の流量をそれぞれ制御することができるため、反応装置14において、安定的かつ効率的に分解反応を行わせることができる。
反応装置14では、さらに、分解されたガスに含まれる一酸化炭素を無害化するため、空気が送り込まれる。この空気は、難分解性有機化合物や過熱蒸気とともに、あるいは、反応装置14を構成する円筒管の途中で供給することができ、反応装置14内の温度が低下しないように、約900℃〜約1200℃に加熱して供給されることが好ましい。一酸化炭素は空気と反応して酸化され、二酸化炭素に転換される。また、メタンも、空気と反応して酸化され、水蒸気と二酸化炭素とに転換される。この場合、空気に代えて酸素を供給することもできるが、酸化反応は発熱反応であり、その後、分解ガスを冷却装置15で冷却することを考慮すれば、不活性ガスである窒素を含み、発熱を抑制することができる空気のほうが好ましい。ここで、分解ガス中に含まれる水蒸気は、ほぼ常圧で、100℃を超える温度を有するため、実質的には過熱蒸気であるが、反応装置14に入る蒸気と、反応装置14から出る蒸気とを区別するため、入る蒸気を過熱蒸気とし、出る蒸気を水蒸気としている。なお、反応装置14に送り込まれる空気は、例えば、ブロワや空気圧縮機を使用して供給することができ、ヒータ、加熱炉、上記の電磁誘導過熱装置等を使用して空気を加熱することができる。
反応装置14を出る分解ガスには、一酸化炭素、水素、メタンが残存している場合があり、徐冷では、これらの低分子同士が反応し、それと塩化水素が反応し、ダイオキシン類を再合成するおそれがある。このため、多量の冷却水によって急冷しなければならない。難分解性有機化合物処理装置10では、多量の冷却水が収容された冷却装置15を通し、分解ガスを急冷する。なお、分解ガス中には塩化水素を含んでおり、この塩化水素は大気中に放散することはできないため、冷却水をアルカリ性の水溶液とし、アルカリとこの塩化水素とを反応させ、塩化水素を回収する。アルカリとしてはこれまで知られたいかなる物質でよく、例えば、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを挙げることができる。この場合、分解ガス中の一部の二酸化炭素もアルカリと反応し、回収される。
冷却装置15を出た分解ガスは、ほとんどが二酸化炭素、水蒸気、窒素であるが、微量に一酸化炭素やメタン等の有害成分が残存している場合がある。このため、多孔性吸着材を充填した吸着装置16を設置し、これら有害成分を吸着除去する。この多孔性吸着材としては、活性炭を挙げることができ、その他としてゼオライト等を用いることもできる。この有害成分が吸着除去された無害ガスはブロワ等によって大気中に放散される。なお、この難分解性有機化合物処理装置10は、ブロワ17によって吸引され、装置内部は大気圧より低い負圧に保持される。そのため、ガス化した難分解性有機化合物が大気中に漏洩することを防止することができる。
冷却装置15は、図示しない冷却塔から冷却水が供給され、冷却塔へ冷却水を供給するが、反応生成物である二酸化炭素や塩化水素が溶存したり、未燃焼炭素やダストや重金属が堆積したりする。そのため、冷却水の一部を凝集装置18へ送るとともに、新たな水を冷却水として供給する。図1では、冷却装置15が3つから構成されているが、1つや2つ、あるいは4つ以上であってもよい。なお、冷却装置15を複数で構成することにより、確実に冷却することができるとともに、充分に塩化水素、ダスト等を除去することができる。凝集装置18へ送られた冷却水中の反応生成物等は、凝集剤によって凝集し、凝集物である残渣と、液体である排水とに分離される。なお、残渣は、ガス化装置11に送られて再度ガス化され、難分解性有機化合物とともに反応装置14で分解処理される。
この難分解性有機化合物処理装置10は、吸着装置16で吸着された有害成分を、ガスの流れ方向とは反対方向に過熱蒸気を流して脱着させ、ガス化装置11を出た分離ガスとともに、再び反応装置14に送ることができる。このようにすることで、吸着装置16内の吸着材を、ふたたび吸着可能に再生することができる。これにより、吸着材の交換頻度を低減させ、材料コストを抑制することができる。
次に、図2を参照して本発明のガス化装置を詳細に説明する。図2に示すように、本発明のガス化装置は、第1ガス化装置20と、過熱蒸気貯留槽30と、第2ガス化装置40とから構成される。第1ガス化装置20は、汚染土壌を間接加熱する第1加熱手段21を備え、第1加熱手段21によって汚染土壌を間接加熱することにより、汚染土壌中の水分を蒸発させ、それをさらに加熱して過熱蒸気を生成させるものである。また、過熱蒸気貯留槽30は、第1ガス化装置20によって生成された過熱蒸気を、温度を保持しつつ貯留するものである。過熱蒸気貯留槽30に貯留される過熱蒸気は、過熱蒸気貯留槽30に接続される過熱蒸気供給装置31によって、図1に示す反応装置14や第1ガス化装置20等に供給される。
図2に示す実施形態では、第1ガス化装置20は、汚染土壌を受け入れるための第1土壌受入口22と、過熱蒸気供給装置31により供給される過熱蒸気を受け入れるための蒸気受入口23と、水分が除去された汚染土壌を排出するための第1排出口24と、生成した過熱蒸気を過熱蒸気貯留槽30に送出するための蒸気送出口25とを備える第1中空円筒容器26と、その第1中空円筒容器26内に配設され、両端が回転自在に支持された第1中心軸27と、第1中心軸27に周設される第1螺旋状羽根28とを備え、第1土壌受入口22から受け入れた汚染土壌を第1排出口24に向けて移動させる第1土壌推進手段29と、第1中空円筒容器26に周設され、第1中空円筒容器26内の汚染土壌を間接加熱する第1加熱手段21とを含んで構成されている。
図2に示す実施形態では、第1加熱手段21が、第1中空円筒容器26に周設されており、第1中空円筒容器26の内部を移動する汚染土壌は、第1中空円筒容器26の壁を通して間接加熱されるようになっている。また、この実施形態では、蒸気受入口23から過熱蒸気も供給され、この過熱蒸気が汚染土壌に直接接触し、汚染土壌が直接加熱されるようにされている。本発明では、過熱蒸気を受け入れ、直接加熱する構成にされていなくてもよいが、このように過熱蒸気を受け入れ、直接加熱することにより、効率的で、短時間に所定温度まで加熱することができる。
第1ガス化装置20内に受け入れられた汚染土壌は、第1土壌推進手段29によって第1排出口24に向けて移動される。第1土壌推進手段29は、第1中心軸27と、第1中心軸27に周設される第1螺旋状羽根28とを備える構成とされており、第1中心軸27を回転させ、第1螺旋状羽根28が回転することにより、第1排出口24に向けて汚染土壌を移動させることができる。汚染土壌の移動速度は、第1中心軸27の回転数を変えることにより制御することができる。汚染土壌は移動中、第1中空円筒容器26に周設される第1加熱手段21によって間接加熱され、汚染土壌とともに受け入れられる過熱蒸気によって直接加熱される。
これらの加熱により、汚染土壌の温度は上昇し、約100℃に到達すると、汚染土壌中の水分が蒸発し、さらに加熱されることによって過熱蒸気が生成される。汚染土壌が第1排出口24に達すると、過熱蒸気は蒸気送出口25から排出され、加熱された汚染土壌は第1排出口24から排出される。第1ガス化装置20で汚染土壌は、第1ガス化装置20内の圧力がほぼ常圧であることから、約110℃〜約170℃に加熱される。これは、汚染土壌中に含まれる難分解性有機化合物をガス化することなく、汚染土壌中の水分をすべて蒸発させるためである。なお、蒸発だけであれば、100℃に加熱すれば良いが、例えば、蒸気送出口25、過熱蒸気貯留槽30へ送出される間、過熱蒸気貯留槽30で貯留している間等において熱ロスを生じ、蒸気は凝縮する。凝縮して生成される水は、再び蒸気にするのに多量の熱量を必要とする。このため、容易に凝縮しないよう、過熱状態である過熱蒸気として回収される。本発明では、熱ロスを考慮すると、約140℃〜約170℃が好ましい。
過熱蒸気貯留槽30は、蒸気送出口25から排出された過熱蒸気を受け入れ、温度を保持しつつ貯留する。過熱蒸気貯留槽30としては、例えば、保温材で被覆された所定容量の容器とすることができるが、温度を確実に保持するため、ヒータ等の加熱手段を備えることが好ましい。過熱蒸気供給装置31としては、図1に示す反応装置14や第1ガス化装置20に過熱蒸気を供給することができる圧縮機やブロワ等とすることができる。また、必要に応じて、過熱蒸気をさらに所定の温度まで加熱する電磁誘導過熱装置等の蒸気過熱手段を設けることができる。これまで過熱蒸気は、第1ガス化装置20および図1に示す反応装置14に送るものとして説明してきたが、第2ガス化装置40に送ることもできる。これは、過熱蒸気を潤滑材として使用するためで、この過熱蒸気の供給により、第2ガス化装置40において汚染土壌と螺旋状羽根との間に生じる摩擦や、高熱、焼き付けを防止してスムーズに土壌を移動させることができる。また、過熱蒸気貯留槽30からの過熱蒸気を約400℃〜約600℃に加熱した後に第2ガス化装置40に送ることで、汚染土壌の温度をより均一に上げることができる。
第2ガス化装置40は、第1ガス化装置20から出る水分が除去された汚染土壌を受け入れ、その汚染土壌を間接加熱する第2加熱手段41を備えており、この第2加熱手段41によって水分が除去された汚染土壌を間接加熱することにより、汚染土壌を所定温度まで加熱するとともに、この汚染土壌中の難分解性有機化合物をガス化させ、この土壌から分離除去される。
図2に示す実施形態では、第2ガス化装置40は、水分が除去された汚染土壌を受け入れるための第2土壌受入口42と、ガス化した難分解性有機化合物を排出するためのガス排出口43と、難分解性有機化合物が分離された浄化土壌を排出するための第2排出口44とを備える第2中空円筒容器45と、第2中空円筒容器45内に配設され、両端が回転自在に支持された第2中心軸46と、第2中心軸46に周設される第2螺旋状羽根47とを備え、第2土壌受入口42から受け入れた汚染土壌を第2排出口44に向けて移動させる第2土壌推進手段48と、第2中空円筒容器45に周設され、第2中空円筒容器45内の汚染土壌を間接加熱する第2加熱手段41とを含んで構成されている。
図2に示す実施形態では、第2加熱手段41が、第2中空円筒容器45に周設されており、第2中空円筒容器45の内部を移動する汚染土壌は、第2中空円筒容器45の壁を通して間接加熱されるようになっている。
第2ガス化装置40内に受け入れられた、水分が除去された汚染土壌は、第2土壌推進手段48によって第2排出口44に向けて移動される。第2土壌推進手段48は、第2中心軸46と、第2中心軸46に周設される第2螺旋状羽根47とを備える構成とされており、第2中心軸46を回転させ、第2螺旋状羽根47が回転することにより、第2排出口44に向けて移動させることができる。汚染土壌の移動速度は、第2中心軸46の回転数を変えることにより制御することができる。汚染土壌は移動中、第2中空円筒容器45に周設される第2加熱手段41によって間接加熱される。
難分解性有機化合物に含まれるダイオキシン類には、PCDDやPCDFにおいて塩素の置換位置の異なるものや、塩素数が異なるものが数十から数百種類存在する。それらは沸点が異なっており、沸点が低い順にガス化していく。第2ガス化装置40で汚染土壌は、難分解性有機化合物のすべてがガス化する約400℃〜約600℃に加熱される。汚染土壌が第2排出口44に達すると、汚染土壌は上記温度に加熱され、難分解性有機化合物はガス化されており、ガス化された難分解性有機化合物はガス排出口43から排出され、難分解性有機化合物が分離された土壌は、第2排出口44から排出される。
一般に、高い含水比の土壌は、常温から約400℃〜約600℃に加熱している間に造粒されやすく、熱伝達効率が低下することがある。これを防止するためには、汚染土壌の含水比を所定含水比以下にしてガス化装置に供給する必要がある。しかしながら、本発明のガス化装置では、約400℃〜約600℃に加熱する第2ガス化装置40の前流側の第1ガス化装置20で、すべての水分が蒸発されるため、この問題は生じない。
図2に示す実施形態では、第1ガス化装置20と第2ガス化装置40とは、第1ガス化装置20の第1排出口24と第2ガス化装置40の第2土壌受入口42とが連通するように設置されている。ここでは、第2ガス化装置40の上部に第1ガス化装置20が設置され、第1ガス化装置20の上部にホッパー50等が配置されている。フィーダ等を使用してホッパー50に入れられた汚染土壌は、弁51を開くことにより、第1ガス化装置20の第1土壌受入口22を通して第1中空円筒容器26内に受け入れることができる。また、第1排出口24と第2土壌受入口42とが連通しており、第2ガス化装置40が第1ガス化装置20の下部に設置されているため、第1ガス化装置20で加熱され、水分が除去された汚染土壌は、第1排出口24および第2土壌受入口42を通して第2ガス化装置40に受け入れることができる。
第1中空円筒容器26および第2中空円筒容器45は、所定径の鋼製のベッセルを横置きにしたものとすることができ、各受入口22、23、42、各排出口および送出口24、25、43、44はノズルを備える構造とすることができる。各加熱手段21、41は、鋼製のベッセルの壁を通して熱を間接的に与えることができるものであればいかなるものであってもよく、例えば、抵抗発熱体がその壁面に接触するように周設され、その抵抗発熱体に電気を導通することによって加熱される電気ヒータや、二重管構造とし、内管に汚染土壌を受け入れ、内管と外管との間に燃焼ガスを通して加熱する構造のものとすることができる。本発明では、燃料を燃焼させ、燃焼ガスにより加熱する構造のものは、排ガスが発生し、場合によっては不完全燃焼を引き起こす可能性があるため、電気を使用する電気ヒータが好ましい。電気ヒータを用いる場合、この電気ヒータに供給する電流量を変化することにより、汚染土壌に与える熱量を変化させ、汚染土壌が所定温度になるように制御することができる。また、電流量を制御する制御装置を設けることもできる。また、二重管構造のものを用いる場合、燃料量および燃焼空気量を調節して、燃焼温度および燃焼ガス量を変化させ、汚染土壌の温度が所定温度になるように制御することができる。この場合も、燃料量および燃焼空気量を制御する制御装置を設けることができる。
電気ヒータに使用することができる抵抗発熱体は、例えば、鉄−クロム−アルミニウム金属発熱体、ニッケル−クロム金属発熱体、白金−モリブデン−タンタル−タングステン金属発熱体、炭化珪素−シリサイト非金属発熱体、炭化珪素−カーボン非金属発熱体、モリブデン−シリサイト非金属発熱体、モリブデン−カーボン非金属発熱体とすることができる。また、各発熱体によって発生した熱を効率的に内部の汚染土壌に与えるため、各中空円筒容器に周設された各加熱手段の周囲を断熱材等で被覆することが好ましい。
汚染土壌の移動速度は、第1中心軸27、第2中心軸46の回転速度によって設定することができ、例えば、第1土壌受入口22で受け入れた汚染土壌が第1排出口24に到達するまでの時間が30分、第2土壌受入口42で受け入れた水分が除去された汚染土壌が第2排出口44に到達するまでの時間も30分となるように設定することができる。この回転速度は、汚染土壌の土質成分、粒径、難分解性有機化合物の濃度、含水比等によって適宜決定することができる。第1土壌推進手段29、第2土壌推進手段48は、例えば、螺旋状羽根を備えるスクリューが好ましい。スクリューは、この螺旋状羽根が汚染土壌を撹拌する機能を有しており、この機能により、過熱蒸気を汚染土壌に拡散させ、かつ汚染土壌を均一に加熱することを可能にするからである。本発明では、第1土壌推進手段29、第2土壌推進手段48は、往復動するピストンのようなものであってもよい。また、第1土壌推進手段29、第2土壌推進手段48は、第1中心軸27、第2中心軸46を回転させるための駆動装置を含む構成とすることができる。この駆動装置は、第1中心軸27、第2中心軸46の回転数を変化させることができ、これにより、移動速度を変化および制御することができる。駆動装置は、第1ガス化装置で生成される過熱蒸気の流量、第2ガス化装置40でガス化される難分解性有機化合物の流量が所定流量になるように、汚染土壌の移動速度を制御する制御装置を含むことができる。
本発明では、図2に示す実施形態のような、第1ガス化装置20を第2ガス化装置40の上部に配置した構成に限られるものではないが、設置スペースを小さくし、第1ガス化装置20から第2ガス化装置40に汚染土壌を搬送する装置が不要となる点で、図2に示す実施形態の構成が好ましい。
図2に示すガス化装置によるガス化について、さらに説明を加えると、まず、第1ガス化装置20の第1中空円筒容器26内を、第1加熱手段21によって、例えば、約120℃に維持し、第2ガス化装置40の第2中空円筒容器45内を、第2加熱手段41によって、例えば、約400℃に維持する。次に、第1中空円筒容器26内に、常温の汚染土壌を投入し、第1土壌推進手段29によって移動が開始される。第1中空円筒容器26内では、第1加熱手段21による加熱によって汚染土壌中の水分が蒸発し、過熱蒸気とされ、蒸気送出口25を通して過熱蒸気貯留槽30に送られる。この場合、送出される過熱蒸気の流量を設定し、その流量になるように、第1土壌推進手段29による汚染土壌の移動速度を制御することができる。
水分が除去された汚染土壌は、第2中空円筒容器45内に投入され、第2土壌推進手段48によって移動が開始され、第2加熱手段41による間接加熱により、汚染土壌中の難分解性有機化合物がガス化し、ガス排出口43を通して図1に示す反応装置14へ送られる。難分解性有機化合物が除去された土壌は、第2排出口44を通して落下し、図1に示す浄化土壌収容容器19に収容される。この場合、ガス化され、反応装置へ送られる難分解性有機化合物の流量を設定し、その流量になるように、第2土壌推進手段48による汚染土壌の移動速度を制御することができる。
なお、上記各移動速度の制御によって過熱蒸気の流量およびガス化した難分解性有機化合物の流量を制御することができれば、各移動速度の制御のみで良いが、土壌に含まれる水分、難分解性有機化合物の量は一定ではないため、各移動速度の制御のみでは難しく、第1加熱手段21および第2加熱手段41による加熱温度の制御を併用することが好ましい。
このように移動速度および加熱温度を制御し、所定量の過熱蒸気を生成させ、所定量の難分解性有機化合物をガス化させることにより、反応装置において、温度および滞留時間をほぼ一定に保持することができ、安定的かつ効率的に難分解性有機化合物を分解させることができる。
これまで、図2に示すガス化装置に連続して汚染土壌を供給し、連続して難分解性有機化合物をガス化する場合について説明してきたが、本発明のガス化装置は、バッチで処理することもできる。バッチで処理する場合、第1ガス化装置に所定量の汚染土壌を入れ、所定時間をかけて加熱し、水分を除去するために蒸気を発生させる。次に、水分が除去された汚染土壌を第2ガス化装置に入れ、所定時間をかけて加熱し、難分解性有機化合物をガス化する。このようにして1回のバッチ処理が終了した後、再度、第1ガス化装置に汚染土壌を入れ、同様の処理をすることもできるが、第2ガス化装置内は約400℃に加熱され、土壌が排出された後においても、熱が残っているため、第2ガス化装置に汚染土壌を入れ、水分を蒸発させ、次に、第1ガス化装置に、水分が除去された汚染土壌を入れて加熱し、難分解性有機化合物をガス化するというように、役割を交代させて行うことで、熱効率を向上させ、消費電力を低減させることができる。このように役割を交代させて行う場合、図2に示す上下に2つのガス化装置が配列するように設置されたものより、2つのガス化装置が横に並列に設置されたものが好ましい。以下、図3に示すガス化装置を参照してバッチ処理について詳細に説明する。
図3に示す装置は、汚染土壌を受け入れるホッパー60と、ホッパー60に接続されるフィーダ61aと、弁62a〜62lと、第1ガス化装置63と、第2ガス化装置64と、過熱蒸気貯留槽65と、過熱蒸気供給装置66と、第1ガス化装置63から出る汚染土壌を第2ガス化装置64に送るためのフィーダ61bと、第2ガス化装置64から第1ガス化装置63に送るためのフィーダ61cとから構成されている。バッチ処理では、弁62a、62c、62hを開き、その他の弁は閉じ、フィーダ61aを使用してホッパー60から第1ガス化装置63に所定量の汚染土壌を供給する。フィーダ61aで所定時間内に供給可能な量が決められているため、供給時間を制御することで、所定量の汚染土壌を供給することができる。第1ガス化装置63内に供給された汚染土壌は、第1ガス化装置63の第1加熱手段によって常温から例えば約120℃に加熱される。第1ガス化装置63では、第1土壌推進手段によって汚染土壌を往復動させ、汚染土壌を約120℃に均一に加熱する。この加熱により、汚染土壌中に含まれる水分は蒸発し、約120℃の過熱蒸気となり、過熱蒸気貯留槽65に送られ、貯留される。
第1ガス化装置63での加熱処理は、例えば30分行われ、その間、過熱蒸気貯留槽65にある程度の量の過熱蒸気が貯留されたところで、過熱蒸気供給装置66を稼働させ、弁62fを開いて第1ガス化装置63内に過熱蒸気を供給し、汚染土壌を直接加熱することができる。
上記の30分の加熱処理が終了した後、弁62fを閉じ、過熱蒸気供給装置66を停止させ、第1ガス化装置63への過熱蒸気の供給を停止する。次に、弁62a、62hを閉じ、弁62b、62dを開き、フィーダ61bを稼働させ、第1ガス化装置63から第2ガス化装置64に、水分が除去された汚染土壌を供給する。第2ガス化装置64内に供給された汚染土壌は、第2ガス化装置64の第2加熱手段によって約120℃から約400℃に加熱される。第2ガス化装置64では、第2土壌推進手段によって汚染土壌を往復動させ、汚染土壌を約400℃に均一に加熱する。この加熱により、汚染土壌中に含まれる難分解性有機化合物はガス化し、約400℃のガスとなり、図示しない反応装置へ送られる。
第2ガス化装置64での加熱処理も、例えば30分行われ、その間、過熱蒸気供給装置66を稼働させ、弁62gを開いて第2ガス化装置64内に過熱蒸気を供給し、汚染土壌を直接加熱することができる。図3に示す実施形態では、弁62gを備えるラインに加熱手段が示されていないが、この加熱手段によって過熱蒸気を約400℃に加熱した後に第2ガス化装置64に供給することが好ましい。この約400℃に加熱された過熱蒸気を供給することにより、第2ガス化装置64において汚染土壌を直接加熱し、より均一に汚染土壌の温度を上げることができる。この間、難分解性有機化合物は、沸点が低い順にガス化する。
上記の30分の加熱処理の後、弁62kを開いて図示しない反応装置へ過熱蒸気の供給を開始した後、弁62lを開き、ガス化した難分解性有機化合物を図示しない反応装置へ送る。また、難分解性有機化合物が分離された土壌は、図示しない浄化土壌収容容器へ送られる。弁62i、62gを閉じ、第2ガス化装置64への過熱蒸気の供給を停止する。
このようにして1回のバッチ処理が終了する。第1ガス化装置63は、第2ガス化装置64で加熱処理している間、第1加熱手段による加熱は停止されている。そのため、自然冷却され、装置内の温度が下がる。第2ガス化装置64も、1回のバッチ処理が終了すると、装置内の温度が下がる。しかしながら、第2ガス化装置64は、約400℃まで加熱されるため、早急に下がるということはなく、この熱を有効利用し、消費電力を低減させることができる。すなわち、次にホッパー60から汚染土壌を供給する場合には、第2ガス化装置64に供給する。これにより、第2ガス化装置64の余熱を有効利用し、第2加熱手段によって加熱するために必要とされる熱量を少なくすることができる。
第1ガス化装置63での加熱処理は、例えば、しきい値を設定し、含水比から計算される水分量の95%が過熱蒸気として送出されたところで、加熱処理を終了するように設定してもよい。また、25分の加熱で、約150℃の加熱が達成され、その時間での加熱で95%以上が蒸発するということが既知であれば、時間によって加熱処理を終了することもできる。
第2ガス化装置64での加熱処理は、例えば、しきい値を設定し、測定された量の99.5%が送出されたところで、加熱処理を終了するように設定してもよい。また、30分の加熱で、約400℃の加熱が達成され、その時間での加熱で99.5%以上がガス化するということが既知であれば、時間によって加熱処理を終了することもできる。
これまで図面を参照して本発明の装置について詳細に説明してきたが、各中空円筒容器の径や長さ、土壌推進手段の螺旋状羽根の巻き数、各受入口および排出口の径、浄化土壌収容容器の形状、大きさはいかなるものであってもよく、土壌の処理量等によって適宜決定することができるものである。また、中空円筒容器の材質は、鋼のほか、銅やアルミニウム、これらの合金であってもよい。
また、第1ガス化装置の受入口とその上部に設置されるホッパーとの間、第1ガス化装置の排出口と第2ガス化装置の受入口との間にそれぞれ、弁を設けることができ、これにより、弁を閉止し、上記のように土壌を往復動させ、充分かつ均一に加熱することができる。また、第1ガス化装置および第2ガス化装置から送出される、生成した過熱蒸気の流量、ガス化した難分解性有機化合物の流量を測定するために、送出されるラインに、オリフィス等の流量計を設けることができる。また、反応装置に供給される過熱蒸気の流量を、ガス化した難分解性有機化合物の流量に応じて調節するため、難分解性有機化合物が流れるライン、すなわち第2ガス化装置と反応装置とを接続するラインに流量計を設けることができ、過熱蒸気貯留槽と反応装置とを接続するラインに流量計および調節弁を設けることができる。
本発明の難分解性有機化合物処理装置を例示した図。 本発明のガス化装置を例示した図。 ガス化装置の別の実施形態を示した図。
符号の説明
10…難分解性有機化合物処理装置
11…ガス化装置
12…前処理装置
13…脱水装置
14…反応装置
15…冷却装置
16…吸着装置
17…ブロワ
18…凝集装置
19…浄化土壌収容容器
20…第1ガス化装置
21…第1加熱手段
22…第1土壌受入口
23…蒸気受入口
24…第1排出口
25…蒸気送出口
26…第1中空円筒容器
27…第1中心軸
28…第1螺旋状羽根
29…第1土壌推進手段
30…過熱蒸気貯留槽
31…過熱蒸気供給装置
40…第2ガス化装置
41…第2加熱手段
42…第2土壌受入口
43…ガス排出口
44…第2排出口
45…第2中空円筒容器
46…第2中心軸
47…第2螺旋状羽根
48…第2土壌推進手段
50…ホッパー
51…弁
60…ホッパー
61a、61b、61c…フィーダ
62a〜62l…弁
63…第1ガス化装置
64…第2ガス化装置
65…過熱蒸気貯留槽
66…過熱蒸気供給装置







Claims (16)

  1. 難分解性有機化合物によって汚染された汚染土壌中の該難分解性有機化合物をガス化し、分解処理する装置に用いられるガス化装置であって、
    前記汚染土壌を間接加熱する第1加熱手段を備え、前記第1加熱手段によって前記汚染土壌を間接加熱することにより、前記汚染土壌中の水分を蒸発させ、前記難分解性有機化合物をガス化することなく過熱蒸気を生成させる第1ガス化装置と、
    前記第1ガス化装置で生成した前記過熱蒸気を回収し、貯留する過熱蒸気貯留槽と、
    前記水分が除去された前記汚染土壌を間接加熱する第2加熱手段を備え、前記第2加熱手段によって前記水分が除去された前記汚染土壌を間接加熱することにより、前記汚染土壌中の前記難分解性有機化合物をガス化させる第2ガス化装置とを含む、ガス化装置。
  2. 前記過熱蒸気貯留槽に回収された前記過熱蒸気の一部を、前記第1ガス化装置に供給する過熱蒸気供給装置をさらに含む、請求項1に記載のガス化装置。
  3. 前記第1ガス化装置は、前記汚染土壌を受け入れるための第1土壌受入口と、前記過熱蒸気供給装置により供給される前記過熱蒸気を受け入れるための蒸気受入口と、前記水分が除去された汚染土壌を排出するための第1排出口と、生成した前記過熱蒸気を前記過熱蒸気貯留槽に送出するための蒸気送出口とを備える第1中空円筒容器と、前記第1中空円筒容器内に配設され、両端が回転自在に支持された第1中心軸と、前記第1中心軸に周設される第1螺旋状羽根とを備え、前記第1土壌受入口から受け入れた前記汚染土壌を前記第1排出口に向けて移動させる第1土壌推進手段と、前記第1中空円筒容器に周設され、前記第1中空円筒容器内の前記汚染土壌を間接加熱する前記第1加熱手段とを含み、
    前記第2ガス化装置は、前記水分が除去された前記汚染土壌を受け入れるための第2土壌受入口と、ガス化した前記難分解性有機化合物を排出するためのガス排出口と、前記難分解性有機化合物が分離された浄化土壌を排出するための第2排出口とを備える第2中空円筒容器と、前記第2中空円筒容器内に配設され、両端が回転自在に支持された第2中心軸と、前記第2中心軸に周設される第2螺旋状羽根とを備え、前記第2土壌受入口から受け入れた前記汚染土壌を前記第2排出口に向けて移動させる第2土壌推進手段と、前記第2中空円筒容器に周設され、前記第2中空円筒容器内の前記汚染土壌を間接加熱する前記第2加熱手段とを含む、請求項2に記載のガス化装置。
  4. 前記第1ガス化装置は、前記第1土壌推進手段によって前記汚染土壌の供給速度を制御するとともに前記第1加熱手段によって前記汚染土壌の温度を制御することにより、前記生成する過熱蒸気の流量を制御することを特徴とする、請求項3に記載のガス化装置。
  5. 前記第2ガス化装置は、前記第2土壌推進手段によって前記水分が除去された汚染土壌の供給速度を制御するとともに前記第2加熱手段によって前記汚染土壌の温度を制御することにより、ガス化する前記難分解性有機化合物の流量を制御することを特徴とする、請求項3または4に記載のガス化装置。
  6. 前記第2ガス化装置は、前記第2排出口に連続し、前記浄化土壌を収容する浄化土壌収容容器を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス化装置。
  7. 前記第1ガス化装置は、前記汚染土壌を110℃〜170℃に加熱し、前記第2ガス化装置は、前記汚染土壌を400℃〜600℃に加熱することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス化装置。
  8. 難分解性有機化合物によって汚染された汚染土壌中の該難分解性有機化合物をガス化して分離し、該難分解性有機化合物を分解処理する装置であって、
    前記汚染土壌を間接加熱する第1加熱手段を備え、前記第1加熱手段によって前記汚染土壌を間接加熱することにより、前記汚染土壌中の水分を蒸発させ、前記難分解性有機化合物をガス化することなく過熱蒸気を生成させる第1ガス化装置と、
    前記第1ガス化装置で生成した前記過熱蒸気を回収し、貯留する過熱蒸気貯留槽と、
    前記水分が除去された前記汚染土壌を間接加熱する第2加熱手段を備え、前記第2加熱手段によって前記水分が除去された前記汚染土壌を間接加熱することにより、前記汚染土壌中の前記難分解性有機化合物をガス化させる第2ガス化装置と、
    前記過熱蒸気貯留槽から反応装置に前記過熱蒸気を供給する過熱蒸気供給装置と、
    ガス化した前記難分解性有機化合物を加熱するガス加熱手段と、
    前記過熱蒸気を加熱する過熱蒸気加熱手段と、
    加熱された前記難分解性有機化合物と加熱された前記過熱蒸気とを反応させて該難分解性有機化合物を分解し、前記難分解性有機化合物の分解により生成した分解生成物を酸化させる前記反応装置とを含む、難分解性有機化合物処理装置。
  9. 前記過熱蒸気供給装置は、前記過熱蒸気貯留槽に回収された前記過熱蒸気の一部を、前記第1ガス化装置に供給する、請求項8に記載の難分解性有機化合物処理装置。
  10. 前記第1ガス化装置は、前記汚染土壌を受け入れるための第1土壌受入口と、前記過熱蒸気供給装置により供給される前記過熱蒸気を受け入れるための蒸気受入口と、前記水分が除去された汚染土壌を排出するための第1排出口と、生成した前記過熱蒸気を前記過熱蒸気貯留槽に送出するための蒸気送出口とを備える第1中空円筒容器と、前記第1中空円筒容器内に配設され、両端が回転自在に支持された第1中心軸と、前記第1中心軸に周設される第1螺旋状羽根とを備え、前記第1土壌受入口から受け入れた前記汚染土壌を前記第1排出口に向けて移動させる第1土壌推進手段と、前記第1中空円筒容器に周設され、前記第1中空円筒容器内の前記汚染土壌を間接加熱する前記第1加熱手段とを含み、
    前記第2ガス化装置は、前記水分が除去された前記汚染土壌を受け入れるための第2土壌受入口と、ガス化した前記難分解性有機化合物を排出するためのガス排出口と、前記難分解性有機化合物が分離された浄化土壌を排出するための第2排出口とを備える第2中空円筒容器と、前記第2中空円筒容器内に配設され、両端が回転自在に支持された第2中心軸と、前記第2中心軸に周設される第2螺旋状羽根とを備え、前記第2土壌受入口から受け入れた前記汚染土壌を前記第2排出口に向けて移動させる第2土壌推進手段と、前記第2中空円筒容器に周設され、前記第2中空円筒容器内の前記汚染土壌を間接加熱する前記第2加熱手段とを含む、請求項9に記載の難分解性有機化合物処理装置。
  11. 前記第1ガス化装置は、前記第1土壌推進手段によって前記汚染土壌の供給速度を制御するとともに前記第1加熱手段によって前記汚染土壌の温度を制御することにより、前記生成する過熱蒸気の流量を制御することを特徴とする、請求項10に記載の難分解性有機化合物処理装置。
  12. 前記第2ガス化装置は、前記第2土壌推進手段によって前記水分が除去された汚染土壌の供給速度を制御するとともに前記第2加熱手段によって前記汚染土壌の温度を制御することにより、ガス化する前記難分解性有機化合物の流量を制御することを特徴とする、請求項10または11に記載の難分解性有機化合物処理装置。
  13. 難分解性有機化合物によって汚染された汚染土壌中の該難分解性有機化合物をガス化し、分解処理する方法であって、
    第1ガス化装置で前記汚染土壌を間接加熱し、該汚染土壌中の水分を蒸発させ、前記難分解性有機化合物をガス化することなく過熱蒸気を生成させる段階と、
    前記過熱蒸気を回収し、過熱蒸気貯留槽に貯留する段階と、
    第2ガス化装置で前記水分が除去された前記汚染土壌を間接加熱し、前記汚染土壌中の前記難分解性有機化合物をガス化する段階と、
    前記第2ガス化装置でガス化された前記難分解性有機化合物と、前記過熱蒸気貯留槽から取り出され、前記難分解性有機化合物の流量に対して所定比率以上になるように流量が制御された前記過熱蒸気とを加熱する段階と、
    加熱された前記難分解性有機化合物と加熱された前記過熱蒸気とを反応させて該難分解性有機化合物を分解する段階と、
    前記反応装置に空気または酸素を供給し、前記難分解性有機化合物の分解により生成した分解生成物を酸化させる段階とを含む、難分解性有機化合物の処理方法。
  14. さらに、前記過熱蒸気貯留槽から前記第1ガス化装置に前記過熱蒸気の一部を供給する段階を含み、前記過熱蒸気を生成させる段階は、供給される前記過熱蒸気によって前記汚染土壌を直接加熱する段階を含む、請求項13に記載の処理方法。
  15. 前記反応装置に供給する段階において、前記過熱蒸気は、前記難分解性有機化合物中の炭素のモル量の1〜5倍のモル量になるように流量が制御される、請求項13または14に記載の処理方法。
  16. 前記過熱蒸気を生成させる段階では、前記汚染土壌を110℃〜170℃に加熱し、前記ガス化する段階では、前記汚染土壌を400℃〜600℃に加熱し、前記分解する段階では、前記ガス化された難分解性有機化合物および前記過熱蒸気を900℃〜1200℃に加熱することを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の処理方法。























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