JP2007290560A - 乗員保護装置の作動制御装置 - Google Patents

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達大 大川
Noribumi Iyoda
紀文 伊豫田
Satoru Okada
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Abstract

【課題】乗員の状態を継続的に検出しつつ、衝突前段階の乗員状態の検出結果を適切に排除して、乗員保護装置の作動態様を適切に決定すること。
【解決手段】乗員の状態を継続的に検出する乗員状態検出手段(30,32)を備え、乗員状態検出手段による乗員状態の検出結果に基づいて、衝突検出時に作動が予定される乗員保護装置(42,44)の作動態様を可変する乗員保護装置の作動制御装置であって、車両が障害物に衝突する直前の衝突前段階を検出する手段を備え、衝突前段階が検出された場合には、該検出時よりも前の乗員状態の検出結果に基づいて、前記乗員保護装置の作動態様を決定することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗員状態の検出結果に基づいて乗員保護装置の作動態様を可変する乗員保護装置の作動制御装置に関する。
従来から、車両の衝突を事前に検知する衝突予知装置と、シート上の乗員状態を判定可能な乗員検知装置と、乗員を該シートに拘束するシートベルトと、該シートベルトの巻取り、引出しを行うシートベルト駆動装置と、該衝突予知装置からの信号および該乗員検知装置からの乗員情報に基づいて、該シートベルト駆動装置を駆動させ、該乗員に応じた張力となるよう該シートベルトを巻取るシートベルト制御装置と、を備えるシートベルト装置知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005-262927号公報
ところで、上記の特許文献1には、いつの時点で乗員検知装置により検知される乗員情報を用いているかについて、具体的な開示が無いが、乗員の体格や体重等のような乗員情報(乗員状態)は、例えば後部座席の乗員と助手席側の乗員が入れ替わる場合等、変化しうるので、継続的に検出されることが望ましい。
しかしながら、乗員の状態を継続的に検出する場合には、衝突前段階において、例えばプリクラッシュシートベルト装置が作動し、シートに乗員が押し付けられることによってシートで検出される乗員の荷重が増加して、誤った乗員状態が検出される虞がある。
そこで、本発明は、乗員の状態を継続的に検出しつつ、衝突前段階の乗員状態の検出結果を適切に排除して、乗員保護装置の作動態様を適切に決定することができる乗員保護装置の作動制御装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、乗員の状態を継続的に検出する乗員状態検出手段を備え、乗員状態検出手段による乗員状態の検出結果に基づいて、衝突検出時に作動が予定される乗員保護装置の作動態様を可変する乗員保護装置の作動制御装置であって、
車両が障害物に衝突する直前の衝突前段階を検出する手段を備え、
衝突前段階が検出された場合には、該検出時よりも前の乗員状態の検出結果に基づいて、前記乗員保護装置の作動態様を決定することを特徴とする。
また、第2の発明は、衝突前段階検出時に作動が予定される第1乗員保護装置と、衝突検出時に作動が予定される第2乗員保護装置とを備える車両に搭載され、乗員の状態を継続的に検出する乗員状態検出手段を備え、乗員状態検出手段による乗員状態の検出結果に基づいて、第2乗員保護装置の作動態様を可変する乗員保護装置の作動制御装置であって、
第1乗員保護装置が作動した場合には、該作動時よりも前の乗員状態の検出結果に基づいて、第2乗員保護装置の作動態様を決定することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明に係る乗員保護装置の作動制御装置において、
前記第1乗員保護装置は、衝突前段階にシートベルトを強制的に巻き取るシートベルト装置、及び、衝突前段階に制動力を強制的に発生させる制動装置のうちの少なくともいずれか1つであることを特徴とする。これにより、かかるシートベルト装置又は制動装置の作動に伴って精度が低下しうる乗員状態の検出結果を用いずに、第2乗員保護装置の作動態様を決定することができる。
ことを特徴とする。
第4の発明は、第2又は3の発明に係る乗員保護装置の作動制御装置において、
前記第1乗員保護装置が作動した場合には、該作動時から所定時間経過するまで、一時的に、乗員状態検出手段により検出される乗員状態の検出結果を無効化することを特徴とする。これにより、シートベルト装置又は制動装置の作動に伴って精度が低下しうる乗員状態の検出結果だけを無効化しつつ、乗員の変化に動的に対応させて第2乗員保護装置の作動態様を決定することができる。
第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明に係る乗員保護装置の作動制御装置において、
前記衝突検出時に作動が予定される乗員保護装置は、助手席側のエアバック装置であることを特徴とする。これにより、助手席乗員に関する乗員状態の検出結果に応じて、助手席側のエアバック装置の作動態様を適切に決定することができる。
第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明に係る乗員保護装置の作動制御装置において、
前記乗員状態検出手段は、シートに設けられる荷重センサ又は圧力センサに基づいて乗員の状態を検出することを特徴とする。これにより、衝突前段階や第1乗員保護装置の作動時に変動しうる荷重センサ又は圧力センサの出力を用いずに、衝突検出時に作動が予定される乗員保護装置の作動態様を適切に決定することができる。
第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明に係る乗員保護装置の作動制御装置において、
前記乗員状態検出手段は、助手席のシートに設けられる荷重センサ又は圧力センサに基づいて、助手席乗員が大人であるか又は子供であるかを判定する手段であり、
前記乗員状態検出手段により助手席乗員が大人であると判定された場合には、助手席側のエアバック装置を作動許容状態にし、助手席乗員が子供であると判定された場合には、助手席側のエアバック装置を作動禁止状態にすることを特徴とする。これにより、例えば実際に助手席乗員が子供である場合において、衝突前段階や第1乗員保護装置の作動時に助手席乗員の判定結果が子供から大人に誤って変化するのが防止され、乗員保護装置を確実に作動禁止状態にすることができる。
第8の発明は、第1〜6のいずれかの発明に係る乗員保護装置の作動制御装置において、
前記乗員状態検出手段は、助手席のシートに設けられる荷重センサ又は圧力センサに基づいて、助手席乗員が大人であるか又は子供であるかを判定する手段であり、
前記乗員状態検出手段により助手席乗員が大人であると判定された場合には、助手席側のエアバック装置を、第1の出力で作動可能な状態にし、助手席乗員が子供であると判定された場合には、助手席側のエアバック装置を、第1の出力よりも小さい第2の出力で作動可能な状態にすることを特徴とする。これにより、例えば実際に助手席乗員が子供である場合において、衝突前段階や第1乗員保護装置の作動時に助手席乗員の判定結果が子供から大人に誤って変化するのが防止され、乗員保護装置を確実に低出力で作動可能な状態にすることができる。
本発明によれば、乗員の状態を継続的に検出しつつ、衝突前段階の乗員状態の検出結果を適切に排除して、乗員保護装置の作動態様を適切に決定することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を幾つかの実施例に分けて行う。
図1は、本発明の実施例1による乗員保護装置の作動制御装置の主要構成を示すシステム構成図である。本実施例の乗員保護装置の作動制御装置は、車間ECU10、PSB−ECU20A、乗員検知ECU30A,及び、エアバックECU40Aを備える。各ECU10,20A,30A,40Aは、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。各ECU10,20A,30A,40Aは、CAN(controller area network)などの適切なバスを介して必要な通信を行うものであってよい。
車間ECU10には、前方の障害物を監視する前方レーダー12が接続される。前方レーダー12は、車両のフロントグリル付近に若しくはフロントバンパ内部に車両前方を監視するように配設されてよい。前方レーダー12は、検出波を放射し、その放射された検出波のうち、前方レーダー12の検出ゾーン内の障害物(典型的には、先行車)によって反射した検出波を受けることにより、障害物の自車からの距離と、障害物の自車に対する相対的な方向とを検知する。また、カーブ路ではヨーレートセンサーやステアリングセンサの出力信号を用いて自車の進路を補正してもよい。前方レーダー12が放射する検出波としては、光波(例えば、レーザ波)や電波(例えば、ミリ波)、音波(例えば、超音波)であってよい。
車間ECU10は、前方レーダー12の検出結果(障害物情報)に基づいて、自車前方の障害物と自車とが衝突不可避であるか否かを判定する。この衝突不可避判定手法は、多種多様でありえ、例えば相対速度と相対距離とからなるマップを用いるものであってもよい。また、車間ECU10は、衝突不可避であると判定した場合には、PSB−ECU20Aにその旨を通知する。
PSB−ECU20Aには、制御対象として、プリクラッシュシートベルト(PSB)22が接続される。PSB−ECU20Aは、車間ECU10から衝突不可避の判定を受けた場合に、プリクラッシュシートベルト22を作動させて、衝突前段階における乗員の保護を実現する。
図2は、プリクラッシュシートベルト22の一例を示す図であり、図2(A)は、プリクラッシュシートベルト22の外観図であり、図2(B)は、プリクラッシュシートベルト22の作動図である。
図2に示す例では、プリクラッシュシートベルト22は、シートベルト(ウェビング)24と、シャフト26、クラッチ機構28、減速ギア29及び正逆回転可能なモータ27を備える。
通常時には、クラッチ機構28が係合せず、シャフト26はフリーな状態となる。この場合、シートベルト24は、例えばユーザによる操作によりシャフト26が正逆回転することで、巻き取り及び巻き出しが可能である。一方、モータ27に駆動電流が印加され、減速ギア29を介してモータ27の回転が伝達されると、クラッチ機構28が係合して、シートベルト24が強制的に巻き取られる。尚、シートベルトのベルト巻き取り速度や張力は、例えばベルト巻取モータ22の駆動電流の印加時間やデューティを変化させることにより可変制御することとしてもよい。
図3は、PSB−ECU20Aにより実現されるプリクラッシュシートベルト22の作動制御態様を示すフローチャートである。本処理ルーチンは、車間ECU10により衝突不可避判定処理と同様、所定の周期毎に実行されてよい。
ステップ100では、PSB−ECU20Aは、車間ECU10により衝突不可避が判定された否かを判定する。車間ECU10により衝突不可避が判定された場合には、ステップ120に進み、それ以外の場合には、ステップ110に進む。ステップ110では、プリクラッシュシートベルト22は非作動状態に維持される。
ステップ120では、PSB−ECU20Aは、モータ27を駆動してプリクラッシュシートベルト22を作動させる。
ステップ130では、PSB−ECU20Aは、例えば時間カウンタを用いてプリクラッシュシートベルト22の作動時間の計時を開始する。
ステップ140では、PSB−ECU20Aは、エアバックECU40Aからの情報に基づいて、衝突が検出されたか否かを判定する。衝突が検出された場合には、そのまま終了する。この場合、後述の如くエアバックECU40Aによりエアバック装置42及びシートベルトプリテンショナ44が作動されることになる。一方、衝突が検出されていない場合には、ステップ150に進む。
ステップ150では、PSB−ECU20Aは、プリクラッシュシートベルト22の作動時間が所定時間以上か否かを判定する。即ち、PSB−ECU20Aは、プリクラッシュシートベルト22の作動開始時から所定時間以上経過したか否かを判定する。衝突が検出されないまま、所定時間以上経過した場合には、ステップ160に進む。
ステップ160では、PSB−ECU20Aは、今回の車間ECU10による衝突不可避の判定が誤りであったと判断して、プリクラッシュシートベルト22の作動を停止させる。即ち、モータ27を逆回転させ、クラッチ機構28の係合を解除させ(リリース)、シャフト26をフリーな状態に戻す。尚、車間ECU10による衝突不可避の判定が誤りとなる場合としては、コーナーでの対向すれ違い車両や右折時の対向車に対して衝突不可避と判定してしまう場合等が考えられる。
図4は、プリクラッシュシートベルト22の作動に伴うシートベルト荷重の変化態様を示す図である。時刻t=t0にて、衝突不可避が判定され、プリクラッシュシートベルト22が作動開始されると、シートベルト24が巻き取られ、それに伴いシートベルト荷重が徐々に増加していく。そして、時刻t=t1にて、シートベルト荷重がある値まで増加すると、シートベルト24の巻き取りが停止されると共に、当該荷重(張力)が一定時間(例えば2秒)保持される。衝突が検出されないまま、一定時間以上経過した場合(時刻t=t3)には、シートベルト荷重が徐々に低減し、時刻t=t4にて元の状態に戻る。尚、衝突が検出された場合(時刻t=t2)には、シートベルトプリテンショナ44が作動して、破線で示すように、シートベルト荷重が急増することになる。
図1を再度参照するに、乗員検知ECU30Aには、乗員検知センサ32が接続される。乗員検知ECU30Aは、乗員検知センサ32からの情報に基づいて、乗員の体格や体重等の乗員の状態を検知する。本例では、乗員検知センサ32は、シートのクッション部(座部)に埋設される圧力センサの出力信号を処理して、シートの座部に加わる荷重の大きさ(体重に関連した値)や、圧力が作用している座部の面積(体格に関連した値)を演算する。乗員検知ECU30Aは、乗員検知センサ32からの演算処理結果に基づいて、乗員の状態として、乗員が大人か子供かを判定する。尚、大人か子供かは、あくまでも体格や体重を基準として判定されてよい。例えば、乗員検知ECU30Aは、シートの座部に加わる荷重の大きさが所定値以上であり、且つ、シートの座部に加わる座部の面積が所定面積以上である場合には、大人であると判定するものであってよい。
乗員検知センサ32は、運転席乗員及び助手席乗員を検知対象としてよい。この場合、乗員検知センサ32としての圧力センサは、運転席シート及び助手席側シートにそれぞれ設けられる。乗員検知ECU30Aは、乗員検知センサ32から随時供給される出力信号に基づいて、継続的に乗員状態を検知(監視)する。これは、乗員状態は、必ずしも一定ではなく、例えば後部座席の乗員と助手席側の乗員が入れ替わる場合等により、変化しうるからである。
図5は、本実施例の乗員検知ECU30Aに実行される通常時の乗員判定処理を示すフローチャートである。本処理ルーチンの実行周期、即ち乗員判定周期は、例えば100ms程度であってよい。以下では、助手席側の乗員判定処理を示すが、運転席側についても同様であってよい。
ステップ200では、PSB−ECU20Aからの情報に基づいて、プリクラッシュシートベルト22が作動したか否かが判定される。即ち、車間ECU10により衝突不可避判定が出力されたか否かが判定される。プリクラッシュシートベルト22が作動したと判定された場合には、図6に示す処理ルーチンに処理が移行する。一方、プリクラッシュシートベルト22が作動したと判定されない場合には、ステップ210に進む。
ステップ210では、乗員検知ECU30Aは、助手席側の乗員検知センサ32から随時供給される演算結果に基づいて、助手席側の乗員が大人か子供かを判定する。
このようにして、本実施例では、プリクラッシュシートベルト22が作動しない限り、助手席側の乗員判定結果(本例では、大人/子供)は、乗員判定周期毎に、更新されていく。乗員検知ECU30Aにより生成・更新される最新の乗員判定結果は、後述の如く、エアバックECU40Aに参照され、乗員保護装置の起動判定に用いられる。
図6は、プリクラッシュシートベルト22の作動に伴って本実施例の乗員検知ECU30Aに実行される乗員判定処理を示すフローチャートである。本処理ルーチンの実行周期は、図5と同様で、例えば100ms程度であってよい。
ステップ300では、PSB−ECU20Aからの情報に基づいて、プリクラッシュシートベルト22の作動状態が確認され、ステップ310では、プリクラッシュシートベルト22が作動中であるか否かが判定される。プリクラッシュシートベルト22が作動中である場合には、ステップ320に進み、プリクラッシュシートベルト22が作動中で無い場合には、ステップ330に進む。今回の処理ルーチンが初回である場合には、ステップ320に進むことになる。
ステップ320では、乗員検知ECU30Aは、乗員判定結果の更新を停止(ロック)し、乗員検知センサ32による演算処理を停止させる。これにより、通常状態において周期的に実行されていた乗員判定結果の更新が停止され、その直近の乗員判定結果が最新の乗員判定結果として保持されることになる。
ステップ330では、乗員検知ECU30Aは、乗員検知センサ32による演算処理が停止中か否かを判定する。乗員検知センサ32による演算処理が停止中の場合には、ステップ330に進み、それ以外の場合には、ステップ340に進む。
ステップ340では、乗員検知ECU30Aは、乗員検知センサ32による演算処理を再開させる。
ステップ350では、乗員検知ECU30Aは、プリクラッシュシートベルト22が作動終了後、所定時間α以上経過したか否かを判定する。所定時間α以上経過したか否かは、プリクラッシュシートベルト22が作動終了時点から計時される例えば時間カウンタを用いて判定されてよい。ここで、所定時間αは、プリクラッシュシートベルト22の作動終了後から適切な乗員判定に必要なサンプリングデータ(乗員検知センサ32の検出データ)が収集されるまでに要する時間に対応し、適宜決定される。プリクラッシュシートベルト22が作動終了後、所定時間α以上経過した場合には、ステップ370に進み、それ以外の場合には、ステップ360に進む。
ステップ360では、乗員検知ECU30Aは、プリクラッシュシートベルト22の作動終了後(乗員検知センサ32の演算が再開されてから)十分な時間が経過しておらず精度の良い乗員判定が行えない、と判断して、乗員判定結果の更新の停止状態(ロック状態)を継続する。
ステップ370では、乗員検知ECU30Aは、逆に、プリクラッシュシートベルト22の作動終了後(乗員検知センサ32の演算が再開されてから)十分な時間が経過し、今後、精度の良い乗員判定が行うことができる、と判断して、乗員判定結果の更新の停止状態(ロック状態)を解除する。
本ステップ370の処理が終了すると、以後、再びプリクラッシュシートベルト22の作動が生ずるまで、乗員検知ECU30Aは、図5の通常時の乗員判定処理を行い、助手席側の乗員判定結果(本例では、大人/子供)を更新していく。
図7は、図6に示した処理により実現されるタイミングチャートであり、プリクラッシュシートベルト22の作動に伴う乗員検知センサ32の演算処理及び乗員検知ECU30Aの乗員判定の更新に対する禁止/許可の変化態様を示す。図7には、上段から順に、プリクラッシュシートベルト22の作動(オン)/非作動(オフ)の変化態様、乗員検知ECU30Aによる乗員判定の更新の許可/禁止(ロック) の変化態様、及び、乗員検知センサ32による演算処理の許可/禁止変化態様が示されている。図6に示す処理によれば、図7に示すように、乗員検知ECU30Aによる乗員判定の更新は、プリクラッシュシートベルト22の作動中、及び、プリクラッシュシートベルト22の作動後α秒経過するまで、禁止され、乗員検知センサ32による演算処理は、プリクラッシュシートベルト22の作動中、禁止される。
ところで、プリクラッシュシートベルト22が作動している間には、図4に示したように、シートベルト荷重が増加され、それに応じて、乗員からシートに対して作用する荷重が増加する。このため、かかるプリクラッシュシートベルト22の作動中の乗員検知センサ32の出力結果を利用すると、例えば実際には子供であるのに大人であると誤判定してしまう虞がある。
これに対して、本実施例によれば、上述の如く、プリクラッシュシートベルト22の作動中には、乗員検知センサ32の演算処理を停止すると共に、乗員検知ECU30Aによる乗員判定をロックするので(判定結果の更新を停止するので)、プリクラッシュシートベルト22の作動時のシートベルト荷重の増加に起因した乗員判定精度の低下を防止することができる。
即ち、本実施例によれば、乗員検知ECU30Aにより乗員判定を継続的に実行することで、例えば乗車時には助手席の乗員が大人であったが、その後に助手席の乗員が子供に代わったような場合にも、かかる変更を検知することができ、精度の高い乗員判定を実現することができる。また、その一方で、プリクラッシュシートベルト22の作動時に乗員判定結果の更新を停止させることで、プリクラッシュシートベルト22の作動に起因して精度が低下する乗員判定結果を無効化することができる。
図1を再度参照するに、エアバックECU40Aには、制御対象として、エアバック装置42及びシートベルトプリテンショナ44が接続される。エアバック装置42及びシートベルトプリテンショナ44は、運転席側と助手席側にそれぞれ設けられる。
エアバックECU40Aには、減速度検出手段46が接続される。減速度検出手段46は、例えば車両のフロアトンネル(図示せず)に取付けられ、当該取付け位置の車両前後方向の減速度を検出する加速度センサ(フロアセンサ)であってよい。尚、減速度検出手段46は、更に、車両のサイドメンバ(図示せず)の前方に取付けられ、当該取付け位置の減速度を検出する左右の加速度センサ(フロントサテライトセンサ)を含んでもよい。この場合、衝突形態等に応じた態様でのエアバック装置42等の作動を実現することができる。尚、フロアセンサは、エアバックECU40Aの筐体に内蔵されるものであってよい。
エアバックECU40Aは、乗員検知ECU30Aによる乗員判定結果、及び、減速度検出手段46からの減速度情報に基づいて、エアバック装置42及びシートベルトプリテンショナ44を作動させるか否かを判定する。例えば減速度検出手段46からの減速度情報が所定の条件が満たされ、その他の条件(後に図8を参照して説明)も満たされた場合、エアバックECU40Aは、エアバック装置42及びシートベルトプリテンショナ44の駆動回路に作動指示(点火信号)を送る。これにより、エアバック装置42のインフレータがガスを発生して、エアバック装置42のバックが瞬時に膨張され、衝突時の乗員保護が実現される。同様に、シートベルトプリテンショナ44のガスジェネレータによりガスが生成され、スプールが回転してシートベルトが巻き取られ、衝突時の乗員保護が実現される。尚、減速度検出手段46からの減速度情報に基づいて衝突判定は、多種多様でありえ、任意の適切な手法(例えば図9にて例示)が用いられてよい。
図8は、エアバックECU40Aにより実行される主要処理を示すフローチャートである。図8に示す処理ルーチンは、例えば減速度検出手段46からの減速度信号の入力周期毎に実行されてもよい。以下の例では、助手席側に乗員が存在するが検出されている場合の処理について説明する。
ステップ400では、エアバックECU40Aは、フロアセンサが検出するフロアGに対して、次のような演算処理を実行し、演算値S及びΔVを算出する。
S=∫∫Gfloor(t)dt ………(1)
ΔV=∫Gfloor(t)dt ………(2)
ここで、Gfloor(t)は、時刻tに検出されるフロアGを表わす。但し、Gfloor(t)は、フロアGに対し所定のフィルター処理を施した値であってよい。また、積分区間は、およそ衝突開始時刻t=t1から現在時刻までとし、S(t1)=0、ΔV(t1)=0とする。従って、演算値Sは、物理的には、衝突開始時刻から現在時刻までの、車両に固定されていない車両内の物体の当該車両に対する相対移動量を意味する。また、演算値ΔVは、物理的には、衝突開始時刻から現在時刻までの、車両に固定されていない車両内の物体の当該車両に対する相対速度を意味する。
ステップ410では、エアバックECU40Aは、算出した演算値S及びΔVに基づいて、衝突判定を行う。図9は、エアバックECU40Aにより実現される衝突判定の2例を示す判定マップである。
図9(A)に示す判定マップは、フロアGfloorと演算値ΔVとの関係に基づいて、エアバック装置42及びシートベルトプリテンショナ44の作動可否判定を行うマップである。図9(A)には、縦軸にフロアGfloor、横軸に演算値ΔVを取ったときの閾値ラインが示されている。閾値ラインよりも上側の領域がON判定領域であり、下側の領域がOFF判定領域である。エアバックECU40Aは、フロアGfloorと演算値ΔVとの関係が閾値ラインを超えてOFF判定領域からON判定領域に移行した(ON判定となった)場合には、衝突が生じたと判定して、ステップ420に進む。
図9(B)に示す判定マップは、フロアGfloorに基づいて、エアバック装置42及びシートベルトプリテンショナ44の作動可否判定を行うマップである。図9(B)には、縦軸にフロアGfloor、横軸に時間を取ったときの閾値ラインが示されている。閾値ラインよりも上側の領域がON判定領域であり、下側の領域がOFF判定領域である。エアバックECU40Aは、フロアGfloorが閾値ラインを超えてOFF判定領域からON判定領域に移行し(ON判定となった)場合には、衝突が生じたと判定して、ステップ420に進む。
ステップ420では、エアバックECU40Aは、助手席側の乗員に関する乗員判定結果を参照し、助手席側の乗員が子供の場合には、ステップ430に進み、助手席側の乗員が大人の場合には、ステップ440に進む。
ステップ430では、エアバックECU40Aは、助手席側のエアバック装置42を除いて、運転席側のエアバック装置42及び運転席側及び助手席側のシートベルトプリテンショナ44に対して作動指令(点火信号)を送る。即ち、エアバックECU40Aは、乗員検知ECU30Aにより助手席の乗員が子供であると判定されている場合には、助手席側のエアバック装置42を非展開とする。
ステップ440では、エアバックECU40Aは、運転席側及び助手席側のエアバック装置42及び運転席側及び助手席側のシートベルトプリテンショナ44に対して作動指令(点火信号)を送る。即ち、エアバックECU40Aは、乗員検知ECU30Aにより助手席の乗員が大人であると判定されている場合には、助手席側のエアバック装置42を含む全ての乗員保護装置を作動させる。
このように、本実施例では、乗員検知ECU30Aにより助手席の乗員が大人であるか子供であるかの乗員判定結果に応じて、助手席側のエアバック装置42の作動の要否を判断するので、助手席の乗員の体格等に応じた適切な乗員保護を実現することができる。
また、本実施例では、上述の如く、乗員検知ECU30Aにより乗員判定が継続的に実行されるので、例えば乗車時には助手席の乗員が大人であったが、その後に助手席の乗員が子供に代わったような場合にも、かかる変更に対応して、適切な乗員保護を実現することができる。
ところで、上述の如く、プリクラッシュシートベルト22が作動している間には、シートベルト荷重が増加され、それに応じて、乗員からシートに対して作用する荷重が増加する。このため、かかるプリクラッシュシートベルト22の作動中の乗員判定結果は、例えば実際には子供であるのに大人へと更新される可能性がある。プリクラッシュシートベルト22の作動中に乗員判定結果が誤って子供から大人となると、実際には起動すべきでない助手席側のエアバック装置42を起動させてしまうことになる。
これに対して、本実施例によれば、図8に示すステップ420で参照される乗員判定結果は、図5,6を参照して説明したように、当該衝突の検出に先立って作動されたプリクラッシュシートベルト22の作動中の乗員判定結果ではなく、プリクラッシュシートベルト22の作動以前の最新の乗員判定結果である。従って、本実施例によれば、プリクラッシュシートベルト22の作動中の乗員判定結果がマスクされるので、プリクラッシュシートベルト22の作動中に乗員判定結果が誤って子供から大人へと更新されることはなく、助手席側のエアバック装置42の誤った起動を確実に防止することができる。即ち、本実施例によれば、プリクラッシュシートベルト22の作動の影響を受けることのないロバストな乗員判定結果に基づいて、助手席の乗員の体格等に応じた適切な乗員保護を実現することができる。
図10は、本発明の実施例2による乗員保護装置の作動制御装置の主要構成を示すシステム構成図である。実施例2は、プリクラッシュシートベルト22に代えて、自動ブレーキ装置60を備える点が、上述の実施例1と主に異なる。以下、上述の実施例1と同様の構成について、同様の参照符号を付して説明を省略する。
自動ブレーキ装置60は、高圧のブレーキ油を生成するブレーキアクチュエータ(ポンプ、モータ等)と、ブレーキアクチュエータと車輪のホイールシリンダを接続する油路と、油路の導通状態を制御する制御弁と、車輪に設けられるブレーキ機構とを備える。ブレーキ機構は、例えば車輪と一体に回転する円板(ディスク)の両面に摩擦材(パッド)をアクチュエータの油圧により押し付けて制動力を発生するディスクブレーキタイプや、車輪と一体に回転する回転部材(ドラム)の内面に摩擦部材(シュー)をアクチュエータの油圧により押し付けて制動力を発生するドラムブレーキタイプを含む如何なる種類のブレーキ機構であってよい。
ブレーキECU21には、制御対象として、自動ブレーキ装置60が接続される。ブレーキECU21は、車間ECU10から衝突不可避判定を受けた場合に、自動ブレーキ装置60を作動させて、衝突前段階における乗員の保護を実現する。即ち、ブレーキECU21には、車間ECU10が衝突不可避であると判定すると、自動ブレーキ装置60のアクチュエータを作動させて制動力を発生させる。この際、ブレーキECU21は、例えば障害物と自車との相対位置・相対速度に応じて目標減速度(目標制動力)を決定し、当該目標減速度が実現されるよう自動ブレーキ装置60のアクチュエータを制御する。尚、この自動ブレーキ装置60の作動による車両の制動を、ドライバのブレーキペダルを操作に応じて実現される制動でないという意味で、「自動制動」と称する。
図11は、かかる自動制動を実施した場合の、衝突前段階における乗員のシートに対する相対移動量(前方移動量)を、時間を横軸にして示すグラフである。
時刻t=t0にて、衝突不可避が判定され、自動ブレーキ装置60が作動開始されると、減速度が生じ、それに伴い乗員のシートに対する相対移動量が徐々に増加していく。そして、時刻t=t1にて、減速度が上限値まで増加すると、当該減速度が保持される。衝突が検出されないまま、一定時間以上経過した場合(時刻t=t3)には、自動ブレーキ装置60の作動が停止され、乗員のシートに対する相対移動量が低減していき、時刻t=t4にて元の状態に戻る。尚、衝突が検出された場合(時刻t=t2)には、破線で示すように、乗員のシートに対する相対移動量が急増することになる。
図12は、本実施例の乗員検知ECU30Bに実行される通常時の乗員判定処理を示すフローチャートである。図12に示す処理の実質は、図5に示した処理に対して、プリクラッシュシートベルト22が自動ブレーキ装置60に代わった点のみであるので、詳細な説明は省略する。
ステップ500では、ブレーキECU21からの情報に基づいて、自動ブレーキ装置60が作動したか否かが判定される。ステップ510では、乗員検知ECU30Bは、助手席側の乗員検知センサ32から随時供給される演算結果に基づいて、助手席側の乗員が大人か子供かを判定する。このようにして、本実施例では、自動ブレーキ装置60が作動しない限り、助手席側の乗員判定結果(本例では、大人/子供)は、乗員判定周期毎に、更新されていく。乗員検知ECU30Bにより生成・更新される最新の乗員判定結果は、後述の如く、エアバックECU40Bに参照され、乗員保護装置の起動判定に用いられる。
図13は、自動ブレーキ装置60の作動に伴って本実施例の乗員検知ECU30Bに実行される乗員判定処理を示すフローチャートである。本処理ルーチンの実行周期は、図5と同様で、例えば100ms程度であってよい。図13に示す処理の実質は、図6に示した処理に対して、プリクラッシュシートベルト22が自動ブレーキ装置60に代わった点のみであるので、詳細な説明は省略する。
ステップ600では、ブレーキECU21からの情報に基づいて、自動ブレーキ装置60の作動状態が確認され、ステップ610では、自動ブレーキ装置60が作動中であるか否かが判定される。ステップ620では、乗員検知ECU30Bは、乗員判定を停止(ロック)し、乗員検知センサ32による演算処理を停止させる。これにより、通常状態において周期的に実行されていた乗員判定結果の更新が停止される。ステップ630では、乗員検知ECU30Bは、乗員検知センサ32による演算処理が停止中か否かを判定する。ステップ640では、乗員検知ECU30Bは、乗員検知センサ32による演算処理を再開させる。ステップ650では、乗員検知ECU30Bは、自動ブレーキ装置60が作動終了後、所定時間β以上経過したか否かを判定する。所定時間β以上経過したか否かは、自動ブレーキ装置60が作動終了時点から計時される例えば時間カウンタを用いて判定されてよい。ここで、所定時間βは、自動ブレーキ装置60の作動終了後から十分なサンプリングデータ(乗員検知センサ32の検出データ)が収集されるまでに要する時間に対応し、適宜決定される。
ステップ660では、乗員検知ECU30Bは、乗員判定の停止状態(ロック状態)を継続する。ステップ670では、乗員検知ECU30Bは、乗員判定の停止状態(ロック状態)を解除する。本ステップ670の処理が終了すると、以後、再び自動ブレーキ装置60の作動が生ずるまで、乗員検知ECU30Bは、図12の通常時の乗員判定処理を行い、助手席側の乗員判定結果(本例では、大人/子供)を更新していく。
ところで、自動ブレーキ装置60が作動している間には、図11に示したように、乗員がシートに対して前方に移動され、それに応じて、乗員からシートに対して作用する荷重が減少する。このため、かかる自動ブレーキ装置60の作動中の乗員検知センサ32の出力結果を利用すると、例えば実際には大人であるのに子供であると誤判定してしまう虞がある。
これに対して、本実施例によれば、上述の如く、自動ブレーキ装置60の作動中には、乗員検知センサ32の演算処理を停止すると共に、乗員検知ECU30Bによる乗員判定をロックするので(判定結果の更新を停止するので)、自動ブレーキ装置60の作動時のシートベルト荷重の増加に起因した乗員判定精度の低下を防止することができる。
また、上述の如く、自動ブレーキ装置60が作動している間には、乗員がシートに対して前方に移動され、それに応じて、乗員からシートに対して作用する荷重が減少する。このため、かかる自動ブレーキ装置60の作動中の乗員判定結果は、例えば実際には大人であるのに子供へと更新される可能性がある。自動ブレーキ装置60の作動中に乗員判定結果が誤って大人から子供へと更新されると、実際には起動すべき助手席側のエアバック装置42が起動されないことになる。
これに対して、本実施例によれば、エアバックECU40Bによる起動判定で参照される乗員判定結果は、図12,12を参照して説明したように、当該衝突の検出に先立って作動された自動ブレーキ装置60の作動中の乗員判定結果ではなく、自動ブレーキ装置60の作動以前の最新の乗員判定結果である。従って、本実施例によれば、自動ブレーキ装置60の作動中の乗員判定結果がマスクされるので、自動ブレーキ装置60の作動中に乗員判定結果が誤って大人から子供へと更新されることはなく、助手席側のエアバック装置42の誤って起動されないことを確実に防止することができる。即ち、本実施例によれば、自動ブレーキ装置60の作動の影響を受けることのないロバストな乗員判定結果に基づいて、助手席の乗員の体格等に応じた適切な乗員保護を実現することができる。
図14は、本発明の実施例3による乗員保護装置の作動制御装置の主要構成を示すシステム構成図である。実施例3は、上述の実施例1,2に適用可能であり、エアバックECU40Cにより制御される乗員保護装置が、出力可変型の乗員保護装置50である点が主に異なる。以下、上述の実施例1に適用された場合を説明し、上述の実施例1と同様の構成について、同様の参照符号を付して説明を省略する。
乗員保護装置50は、その出力レベル(保護性能)が可変の乗員保護装置であり、展開出力が可変のエアバック装置であってよい。この場合、例えば2個のインフレータを設定し、エアバック装置の出力レベル、即ちエアバックの展開圧力は、例えば2個のインフレータのうちの作動するインフレータの個数を変更することにより、或いは、2個のインフレータの作動タイミングを変更することにより、調整することができる。
図15は、実施例3によるエアバックECU40Cにより実行される主要処理を示すフローチャートである。図15に示す処理ルーチンは、例えば減速度検出手段46からの減速度信号の入力周期毎に実行されてもよい。以下の例では、助手席側に乗員が存在するが検出されている場合の処理について説明する。また、上述の実施例1に関連して図8に示した処理ルーチンと同様の処理については説明を省略する。
ステップ700では、エアバックECU40Cは、減速度検出手段46からの減速度信号を処理する。ステップ710では、エアバックECU40Cは、処理した減速度信号に基づいて、衝突判定を行う。
ステップ720では、エアバックECU40Cは、助手席側の乗員に関する乗員判定結果を参照し、助手席側の乗員が子供の場合には、ステップ720に進み、助手席側の乗員が大人の場合には、ステップ730に進む。
ステップ730では、エアバックECU40Cは、助手席側の乗員保護装置50を低出力で展開させる。即ち、エアバックECU40Cは、乗員検知ECU30Cにより助手席の乗員が子供であると判定されている場合には、助手席側の乗員保護装置50の作動出力を“低”に設定する。
ステップ740では、エアバックECU40Cは、助手席側の乗員保護装置50を通常の出力で展開させる。即ち、エアバックECU40Cは、乗員検知ECU30Cにより助手席の乗員が大人であると判定されている場合には、助手席側の乗員保護装置50の作動出力を“通常”に設定する。
このように、本実施例では、乗員検知ECU30Cにより助手席の乗員が大人であるか子供であるかの乗員判定結果に応じて、助手席側のエアバック装置42の作動出力を決定するので、助手席の乗員の体格等に応じた適切な乗員保護を実現することができる。
また、本実施例では、上述の如く、乗員検知ECU30Cにより乗員判定が継続的に実行されるので、例えば乗車時には助手席の乗員が大人であったが、その後に助手席の乗員が子供に代わったような場合にも、かかる変更に対応して、適切な乗員保護を実現することができる。
また、本実施例によれば、図15に示すステップ720で参照される乗員判定結果は、上述の如く、当該衝突の検出に先立って作動されたプリクラッシュシートベルト22の作動中の乗員判定結果ではなく、プリクラッシュシートベルト22の作動以前の最新の乗員判定結果である。従って、本実施例によれば、プリクラッシュシートベルト22の作動中の乗員判定結果がマスクされるので、プリクラッシュシートベルト22の作動中に乗員判定結果が誤って子供から大人へと更新されることはなく、助手席側のエアバック装置42が誤って通常出力で起動されるのを確実に防止することができる。
尚、本実施例が上述の実施例2に適用された場合にも、図15に示すステップ720で参照される乗員判定結果は、上述の如く、当該衝突の検出に先立って作動された自動ブレーキ装置60の作動中の乗員判定結果ではなく、自動ブレーキ装置60の作動以前の最新の乗員判定結果である。従って、本実施例によれば、自動ブレーキ装置60の作動中の乗員判定結果がマスクされるので、自動ブレーキ装置60の作動中に乗員判定結果が誤って大人から子供へと更新されることはなく、助手席側のエアバック装置42の誤って低出力で起動されるのを確実に防止することができる。
尚、本実施例では、乗員判定として大人と子供を判定しているが、大柄な人、中柄な人、小柄な人といったように、3段階で乗員の体格ないし体重を判定してもよい。この場合、それに応じて乗員保護装置50の出力を3段階に可変させることとしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例において、車間ECU10は、前方レーダー12に代えてまたはこれに加えて、画像センサを用いて前方の障害物を検出し、衝突不可避判定を行ってもよい。画像センサは、例えばCCD(ステレオ)カメラを用いたセンサである。前方監視カメラは、車両前方の風景を撮像するように搭載され、例えば車室内のルームミラー付近に固定される。画像センサは、前方監視カメラが撮像した障害物の画像データに基づいて、例えば三角測量の原理を用いて、障害物の自車からの距離と、障害物の自車に対する相対的な方向とを障害物情報として生成する。
また、上述の実施例において、車間ECU10は、車車間通信を介して、他車から当該他車と自車との関係に関する情報を取得してもよい。或いは、車間ECU10は、車車間通信を介して、他車の同様の車間ECUによる判定結果情報を取得し、当該他車から受信した判定結果情報に基づいて当該他車との衝突が不可避であるか否かを判定してもよい。また、上述の実施例において、車間ECU10は、運転者による自主的な急制動操作に基づいて、衝突不可避状態を検出してもよい。
また、上述の実施例では、車間ECU10により衝突不可避が判定された時点からプリクラッシュシートベルト22又は自動ブレーキ装置60の作動が開始されるまで、信号処理等により時間差が発生することを考慮して、プリクラッシュシートベルト22又は自動ブレーキ装置60の作動を検出した時点から、乗員検知ECU30A,30B,30Cによる乗員判定を無効化しているが、車間ECU10により衝突不可避が判定された時点から、乗員検知ECU30A,30B,30Cによる乗員判定を無効化することとしてもよい。
また、上述の実施例1及び実施例2は、組み合わせて実施することも当然ながら可能である。この場合、プリクラッシュシートベルト22及び自動ブレーキ装置60の何れか先に作動する方が作動した時点から、乗員検知ECU30A,30Bによる乗員判定を無効化すればよい。
また、上述の実施例では、乗員検知センサ32は、シートのクッション部に埋設される圧力センサであったが、シートのシートレール等に設定されてよい他の圧力/荷重センサであってもよい。例えば特開2005−193705号公報に記載のような乗員検知方法を採用してもよい。
また、上述の実施例では、乗員検知ECU30A,30B,30Cによる乗員判定を無効化するために、乗員検知センサ32の演算処理や乗員検知ECU30A,30B,30Cによる乗員判定の更新を停止させているが、乗員検知ECU30A,30B,30Cによる乗員判定の更新のみを停止させることとしてもよい。また、乗員検知ECU30A,30B,30Cが乗員判定結果を判定周期毎に更新する構成ではなく、乗員検知ECU30A,30B,30Cが乗員判定結果を判定周期毎にエアバックECU40A,40B,40Cに出力する構成の場合には、プリクラッシュシートベルト22の作動時等に、乗員判定結果をエアバックECU40A,40B,40Cに出力しないこととしてもよいし、或いは、エアバックECU40A,40B,40C側で当該乗員判定結果を利用しないこととしてもよい。このように無効化とは、最終的にエアバックECU40A,40B,40Cによる判定に用いられないようにするものであれば、如何なる態様であってもよい。
本発明の実施例1による乗員保護装置の作動制御装置の主要構成を示すシステム構成図である。 図2(A)は、プリクラッシュシートベルト22の外観図であり、図2(B)は、プリクラッシュシートベルト22の作動図である。 ブレーキECU21により実現されるプリクラッシュシートベルト22の作動制御態様を示すフローチャートである。 プリクラッシュシートベルト22の作動に伴うシートベルト荷重の変化態様を示すグラフである。 通常状態において実施例1の乗員検知ECU30に実行される乗員判定処理を示すフローチャートである。 プリクラッシュシートベルト22の作動に伴って実施例1の乗員検知ECU30に実行される乗員判定処理を示すフローチャートである。 プリクラッシュシートベルト22の作動に伴う乗員検知センサ32の演算処理及び乗員検知ECU30Aの乗員判定の更新に対する禁止/許可の変化態様を示すタイミングチャートである。 エアバックECU40により実行される主要処理を示すフローチャートである。 乗員保護装置の作動可否判定方法の2例を示す判定マップである。 本発明の実施例2による乗員保護装置の作動制御装置の主要構成を示すシステム構成図である。 プリクラッシュシートベルト22の作動に伴う乗員のシートに対する相対移動量の変化態様を示すグラフである。 通常状態において本実施例の乗員検知ECU30に実行される乗員判定処理を示すフローチャートである。 自動ブレーキ装置60の作動に伴って実施例2の乗員検知ECU30に実行される乗員判定処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例3による乗員保護装置の作動制御装置の主要構成を示すシステム構成図である。 実施例3によるエアバックECU40により実行される主要処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 車間ECU
12 前方レーダー
20A,20C PSB−ECU
21 ブレーキECU
22 プリクラッシュシートベルト
24 シートベルト(ウェビング)
26 シャフト
27 モータ
28 クラッチ機構
29 減速ギア
30A,30B,30C 乗員検知ECU
32 乗員検知センサ
40A,40B,40C エアバックECU
42 エアバック装置
44 シートベルトプリテンショナ
46 減速度検出手段
50 出力可変型の乗員保護装置
60 自動ブレーキ装置

Claims (8)

  1. 乗員の状態を継続的に検出する乗員状態検出手段を備え、乗員状態検出手段による乗員状態の検出結果に基づいて、衝突検出時に作動が予定される乗員保護装置の作動態様を可変する乗員保護装置の作動制御装置であって、
    車両が障害物に衝突する直前の衝突前段階を検出する手段を備え、
    衝突前段階が検出された場合には、該検出時よりも前の乗員状態の検出結果に基づいて、前記乗員保護装置の作動態様を決定することを特徴とする、乗員保護装置の作動制御装置。
  2. 衝突前段階検出時に作動が予定される第1乗員保護装置と、衝突検出時に作動が予定される第2乗員保護装置とを備える車両に搭載され、乗員の状態を継続的に検出する乗員状態検出手段を備え、乗員状態検出手段による乗員状態の検出結果に基づいて、第2乗員保護装置の作動態様を可変する乗員保護装置の作動制御装置であって、
    第1乗員保護装置が作動した場合には、該作動時よりも前の乗員状態の検出結果に基づいて、第2乗員保護装置の作動態様を決定することを特徴とする、乗員保護装置の作動制御装置。
  3. 前記第1乗員保護装置は、衝突前段階にシートベルトを強制的に巻き取るシートベルト装置、及び、衝突前段階に制動力を強制的に発生させる制動装置のうちの少なくともいずれか1つである、請求項2に記載の乗員保護装置の作動制御装置。
  4. 前記第1乗員保護装置が作動した場合には、該作動時から所定時間経過するまで、一時的に、乗員状態検出手段により検出される乗員状態の検出結果を無効化する、請求項2又は3に記載の乗員保護装置の作動制御装置。
  5. 前記衝突検出時に作動が予定される乗員保護装置は、助手席側のエアバック装置である、請求項1〜4のいずれかに記載の乗員保護装置の作動制御装置。
  6. 前記乗員状態検出手段は、シートに設けられる荷重センサ又は圧力センサに基づいて乗員の状態を検出する、請求項1〜5のいずれかに記載の乗員保護装置の作動制御装置。
  7. 前記乗員状態検出手段は、助手席のシートに設けられる荷重センサ又は圧力センサに基づいて、助手席乗員が大人であるか又は子供であるかを判定する手段であり、
    前記乗員状態検出手段により助手席乗員が大人であると判定された場合には、助手席側のエアバック装置を作動許容状態にし、助手席乗員が子供であると判定された場合には、助手席側のエアバック装置を作動禁止状態にする、請求項1〜6のいずれかに記載の乗員保護装置の作動制御装置。
  8. 前記乗員状態検出手段は、助手席のシートに設けられる荷重センサ又は圧力センサに基づいて、助手席乗員が大人であるか又は子供であるかを判定する手段であり、
    前記乗員状態検出手段により助手席乗員が大人であると判定された場合には、助手席側のエアバック装置を、第1の出力で作動可能な状態にし、助手席乗員が子供であると判定された場合には、助手席側のエアバック装置を、第1の出力よりも小さい第2の出力で作動可能な状態にする、請求項1〜6のいずれかに記載の乗員保護装置の作動制御装置。
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