JP2007286314A - マイクロレンズ基板の製造方法及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents

マイクロレンズ基板の製造方法及び電気光学装置の製造方法 Download PDF

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JP2007286314A JP2006112984A JP2006112984A JP2007286314A JP 2007286314 A JP2007286314 A JP 2007286314A JP 2006112984 A JP2006112984 A JP 2006112984A JP 2006112984 A JP2006112984 A JP 2006112984A JP 2007286314 A JP2007286314 A JP 2007286314A
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Abstract

【課題】画素ピッチの狭い電気光学装置において高い光利用効率を確保でき、かつレンズ
形状の制御も容易なマイクロレンズ基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、基板21の表面に第1凹部51
を形成する工程と、前記第1凹部51の底面に第2凹部52を形成する工程と、前記第1
凹部51及び前記第2凹部52に対して等方性エッチングを行ない、前記第1凹部51及
び前記第2凹部52に起因する複数の凹曲面部221,222からなる第3凹部22を形
成する工程と、前記第3凹部22に前記基板21と屈折率の異なる媒体を充填し、各々の
前記凹曲面部221,222に対応した複数のレンズ曲面を有するマイクロレンズを形成
する工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、マイクロレンズ基板の製造方法及び電気光学装置の製造方法に関するもので
ある。
従来、プロジェクタの画像形成手段として、液晶装置等の電気光学装置が知られている
。このような電気光学装置では、光の利用効率を高めるべく、電気光学装置の各画素に対
応する位置に、微小なマイクロレンズを設けたものが知られている。このマイクロレンズ
の製造方法としては、例えば、基板に所定の開口を有するマスクを設け、この開口から基
板をウェットエッチングすることにより、基板に半球状の凹部を形成し、この凹部に基板
と屈折率の異なる樹脂を充填し、さらに、該樹脂上にカバーガラスを設けることにより、
半球状のマイクロレンズ(球面マイクロレンズ)を形成する方法が知られている。また、
特許文献1には、ウェットエッチングの処理を2段階で制御することにより、レンズの中
央部と外周部とで曲率の異なるマイクロレンズを形成する方法が開示されている。
特開2004−251992号公報
しかしながら、従来の球面マイクロレンズでは、画素ピッチの狭い電気光学装置におい
て、高輝度、高コントラストな表示が得られないという問題があった。つまり、狭ピッチ
化が進む小型の電気光学装置においては、1画素のサイズが小さくなるのに対して、パネ
ルを構成する基板の厚みやその表面に形成される膜の厚み等はそれ程小さくならない。そ
のため、従来使用されている曲率の大きなレンズを用いると、レンズの外周部に入射した
光を大きく屈折させすぎてしまい、遮光膜(ブラックマトリクス)による光量損失が大き
くなってしまうのである。一方、小さな曲率のレンズを用いると、レンズの中央部に斜め
に入射した光が十分に屈折されなくなるため、従来有効に利用できていた斜めの入射光が
投射レンズの飲込み角に収まらなくなり、光利用効率が不十分になってしまう。
このような事情は、特許文献1に開示されるマイクロレンズでも同様である。つまり、
特許文献1のマイクロレンズの形成方法では、まずマスク層を介して基板の表面に第1凹
部を形成し、このマスク層をエッチングして開口径を大きくした後、再度エッチングを行
なうことにより、第1凹部の周辺部に第2凹部を形成する。このため、第2凹部の曲率が
第1凹部の曲率よりも大きくなってしまい、特に画素ピッチの狭い電気光学装置において
光利用効率が不十分なものとなってしまう。また、マスク層とレジスト層の2層を形成す
るため、工程が煩雑になり、製造コストも高くなってしまう。さらに、マスク層のエッチ
ングはレジスト層の裏面側に回り込むエッチング液によって制御するため、マイクロレン
ズの形状の制御が難しいという問題もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、画素ピッチの狭い電気光学装
置において高い光利用効率を確保でき、かつレンズ形状の制御も容易なマイクロレンズ基
板の製造方法及び電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、基板の表面に
第1凹部を形成する工程と、前記第1凹部の底面に第2凹部を形成する工程と、前記第1
凹部及び前記第2凹部に対して等方性エッチングを行ない、前記第1凹部及び前記第2凹
部に起因する複数の凹曲面部からなる第3凹部を形成する工程と、前記第3凹部に前記基
板と屈折率の異なる媒体を充填し、各々の前記凹曲面部に対応した複数のレンズ曲面を有
するマイクロレンズを形成する工程と、を有することを特徴とする。
この方法によれば、第2凹部は元の形状を完全に消失させずに拡大、成長するので、得
られるマイクロレンズは第1凹部及び第2凹部に起因する複数段の形状を有するマイクロ
レンズとなる。ここで、第1凹部は、その外周部を起点として更に拡大、成長するため、
第1凹部に起因する第1レンズ部の曲率半径は、第2凹部に起因する第2レンズ部の曲率
半径よりも大きなものとなる。したがって、画素ピッチが狭くなった電気光学装置におい
て高い光利用効率を実現することができる。
本発明においては、前記第1凹部を形成するに際して、前記基板の表面にマスク層を形
成する工程と、前記マスク層に開口部を形成する工程と、を有し、前記第1凹部は、前記
マスク層の開口部を介して前記基板を等方性エッチングすることにより形成され、前記第
2凹部は、前記マスク層の開口部を介して前記基板を異方性エッチングすることにより形
成されることが望ましい。
この方法によれば、第1凹部を形成する工程と第2凹部を形成する工程とを共通のマス
ク層を用いて行なうことができるため、製造工程が簡単になる。
本発明においては、前記第1凹部は前記マスク層の開口部よりも広い面積で形成される
ことが望ましい。
この方法によれば、複数のレンズ曲面を有するマイクロレンズを確実に形成することが
できる。
本発明においては、前記マスク層は感光性材料からなり、前記マスク層の開口部は前記
感光性材料を現像処理及び露光処理することにより形成されることが望ましい。
この方法によれば、マスク層に開口部を形成する場合に、別途レジスト層を形成する必
要がないので、さらに工程が簡単になる。
本発明においては、前記マスク層の開口部を介して前記基板を等方性エッチングする工
程と、前記マスク層の開口部を介して前記基板を異方性エッチングする工程とを繰り返し
、前記基板に3以上のレンズ曲面を有するマイクロレンズを形成することが望ましい。
この方法によれば、3以上のレンズ曲面が形成されることで、より光利用効率の高いマ
イクロレンズ基板が提供される。
本発明の電気光学装置の製造方法は、マイクロレンズ基板を備えた電気光学装置の製造
方法であって、前記マイクロレンズ基板の製造工程が、前述した本発明のマイクロレンズ
基板の製造方法により行なわれることを特徴とする。
この方法によれば、狭ピッチ化が進む電気光学装置において高い光利用効率を実現でき
る。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、電
気光学装置の一例としてアクティブマトリクス方式の透過型液晶装置を説明するが、本発
明の電気光学装置は必ずしもこれに限定されるものではない。また、以下の図面において
は、液晶装置の表示面に平行な方向をX軸方向及びY軸方向とし、それに垂直な方向をZ
軸方向とするXYZ座標系を用いる。X軸方向及びY軸方向は、それぞれ第1配線及び第
2配線の延在方向と一致し、Z軸方向は図示略の光源からの光が入射される方向と一致す
る。さらに、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等
が異なっている。
[電気光学装置の構成]
図1は本発明の一実施形態に係る液晶装置の概略分解斜視図、図2は液晶装置に備えら
れるマイクロレンズの集光作用を説明する説明図である。
図1及び図2に示すように、電気光学装置1は、第1基板10と、第2基板20と、第
1基板10及び第2基板20を貼り合わせるシール材30と、第1基板10と第2基板2
0との隙間に封入される電気光学材料である液晶60と、を備えている。
第1基板10は、石英ガラス基板等の透光性基材と、該基材上に設けられた複数の第1
配線11及び第2配線12と、該第1配線11及び第2配線12の交差領域に設けられた
画素スイッチング素子15と、該画素スイッチング素子15と電気的に接続された第1電
極14と、第1電極14上に設けられた図示略の配向膜と、を備えている。
第1配線11はX軸方向に延在しており、各第1配線11は互いにY軸方向に間隔を空
けて平行に配列されている。第2配線12はY軸方向に延在しており、各第2配線12は
互いにX軸方向に間隔を空けて平行に配列されている。図1では、構造をわかり易くする
ために第1配線11及び第2配線12を数本ずつ示しているが、実際には多数の第1配線
11及び第2配線12が画素数に対応した数だけ配設される。画素スイッチング素子15
は、第1配線11及び第2配線12の各交差領域において第1配線11及び第2配線12
と電気的に接続されている。第1電極14は各画素スイッチング素子15に対して1つず
つ設けられており、各第1電極14は第1配線11及び第2配線12の延在方向に沿って
マトリクス状に配列されている。第1電極14はそれぞれ1つの画素を構成し、それらの
画素が複数個マトリクス状に配列されることにより、画像を表示する画像表示領域が形成
されている。
第1基板10には、第2基板20の外側に張り出す張出し部16が設けられている。張
出し部16上には、第1配線11及び第2配線12と電気的に接続される第3配線13と
、端子19とが設けられている。配線13及び端子19が配設される領域には駆動用IC
17が異方性導電材料18によって実装されている。駆動用IC17は、その入力側の端
子が第3配線13と電気的に接続されており、出力側の端子が端子19と電気的に接続さ
れている。
第2基板20は、石英ガラス基板等の透光性基材からなる基板21と、該基板21の表
面に設けられた複数の凹部22と、基板21の凹部22が配設された面に設けられた樹脂
層24と、凹部22内に充填された樹脂層24によって形成される複数のマイクロレンズ
23と、樹脂層24上に設けられた表層25と、表層25上に設けられた遮光膜(ブラッ
クマトリクス)26と、遮光膜26上に設けられた第2電極27と、第2電極27上に設
けられた図示略の配向膜と、を備えている。
凹部22は、X軸方向及びY軸方向に沿って多数配設されている。各凹部22は、それ
ぞれ1つの画素に対応している。各凹部22は、該凹部22の中心に入射される光の光軸
AXを中心として複数の凹曲面部221,222を有している。例えば、図2では、凹部
22の外周部をなす第1凹曲面部221と、中心部をなす第2凹曲面部222とが設けら
れている。これらの凹曲面部221,222は互いに曲率半径が異なっており、光軸AX
から遠い1凹曲面部221の曲率半径は、光軸AXに近い第2凹曲面部222の曲率半径
よりも大きなものとなっている。例えば、第1凹曲面部221の曲率半径をR1、第2凹
曲面部222の曲率半径をR2とした場合、R1は2.5μm〜9μmであり、R2は2
μm〜7μmである。また、凹部22の開口端の最大幅をWとした場合、Wは5μm〜2
0μmである。
マイクロレンズ23は、各凹部22に対応してX軸方向及びY軸方向に多数配設されて
いる。各マイクロレンズ23は、それぞれ1つの画素に対応している。各マイクロレンズ
23は、凹部22の凹曲面部221,222に対応して、マイクロレンズ23の中心に入
射する光の光軸AXを中心として複数のレンズ部231,232を有している。これらの
レンズ部231,232のレンズ曲面は互いに曲率半径が異なっており、光軸AXから遠
い第1レンズ部231のレンズ曲面の曲率半径は、光軸AXに近い第2レンズ部232の
レンズ曲面の曲率半径よりも大きなものとなっている。
表層25は、ガラス等の透光性基材からなる。表層25としては、基板21と同じ材質
の基板を用いることができる。この場合、表層25の熱膨張係数を、基板21の熱膨張係
数とほぼ等しいものとすることができ、これにより、基板21と表層25との熱膨張係数
の相違により生じる反り、たわみ、剥離等が防止される。なお、表層25は、セラミック
スで構成することもできる。セラミックスとしては、例えば、AlN、SiN、TiN、
BN等の窒化物系セラミックス、Al、TiO等の酸化物系セラミックス、WC
、TiC、ZrC、TaC等の炭化物系セラミックスなどが挙げられる。
樹脂層24は、基板21の屈折率よりも高い屈折率の樹脂で構成される。例えば、基板
21を石英ガラス基板とした場合、樹脂層24としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹
脂、アクリルエポキシ系樹脂等の紫外線硬化型樹脂等が好適に用いられる。樹脂層24は
、凹部22内に充填されることによりマイクロレンズ23を構成する。また、基板21と
表層25との間に挟んで硬化させることにより、両者を接着する接着層として機能する。
マイクロレンズ23を構成する基板21、樹脂層24、及び表層25によってマイクロ
レンズ基板29が構成される。マイクロレンズ基板29は、基板21側から入射された光
を複数の光束に分離し、各々の光束を対応する画素の中心部、すなわち対応する遮光膜2
6の開口部26内に集光する集光機能を有する。
表層25上には遮光膜26が設けられている。遮光膜26は第1配線11及び第2配線
12に対向して格子状に設けられており、第1電極14の中心部に対向する領域には、第
2基板20側から入射された光を透過させる開口部26Hが設けられている。また、表層
25上には、遮光膜26を覆って第2電極27が設けられている。第2電極27は画像表
示領域全体に設けられており、各第1電極14に共通の共通電極として機能する。
この電気光学装置1においては、図示略の光源から入射した光は、基板21を透過して
マイクロレンズ23によって遮光膜26の開口部26Hの内側領域に集光される。そして
、液晶60で変調された後、第1基板10を透過する。液晶60の配向状態は第1電極1
4と第2電極27との間に供給する電圧によって変化するため、第1電極14と第2電極
27との間の電圧を任意に調節することで、所望の画像を形成することができる。
また、マイクロレンズ23は外周部の曲率半径が中心部の曲率半径よりも大きくなって
いるため、特に画素ピッチの狭い液晶装置において明るくコントラスト比の高い画像表示
が可能となる。この理由を図3を用いて説明する。図3(a)は、従来の球面マイクロレ
ンズ230の集光作用を説明する説明図であり、図3(b)は、本発明のマイクロレンズ
23の集光作用を説明する説明図である。
図3(a)に示すように、狭ピッチ化が進む液晶装置においては、画素サイズが小さく
なるのに比べて、遮光膜26とマイクロレンズ230との間に配置される部材、例えば表
層25を構成するガラス基板やその表面に形成される第2電極27の厚みはそれ程小さく
ならない。このため、画素のスケールを一定とした場合に、マイクロレンズ230と遮光
膜26との間隔は、画素ピッチが狭くなるほど大きくなることになる。すなわち、開口部
26H内に光を集光させる場合、マイクロレンズ230は、画素ピッチが狭くなるほど0
°に近い角度(光軸AXに平行に近い角度)で光を屈折させることが必要となる。例えば
、従来の球面マイクロレンズ230のようにレンズの外周部ほど屈折角が大きいものでは
、マイクロレンズの中央部において所望の屈折角a1が得られたとしても、マイクロレン
ズの外周部では屈折角a2が大きくなりすぎてしまい、画素ピッチが広い場合には開口部
26H内に集光できた光が、画素ピッチが狭くなっていくと遮光膜26によって遮光され
てしまうという問題が生じるようになる。逆に、マイクロレンズ230の曲率を小さくし
てマイクロレンズの外周部において所望の屈折角a2が得られるようにすることも可能で
あるが、この場合はマイクロレンズ230の中央部の屈折角a1が小さくなりすぎてしま
い、従来有効に活用できていたレンズ中央部に斜めに入射した光を十分に屈折できなくな
り、その結果、投射レンズの飲込み角に収まらなくなる(すなわち投射レンズによってケ
ラレてしまう)という問題が生じるようになる。
一方、図3(b)に示した本発明のマイクロレンズ23では、レンズ外周部231のレ
ンズ曲面の曲率がレンズ中央部232のレンズ曲面の曲率よりも小さくなっているので、
各々のレンズ曲面の曲率を適切に設計すれば、少なくとも光軸AXに平行に入射される光
については、第1レンズ部231で屈折される光及び第2レンズ部232で屈折される光
の双方を開口部26H内に集光させることができる。もっとも、第1レンズ部231にお
いて光軸AXに対して大きく傾いた角度で入射した光については、十分な屈折角が得られ
ないので、遮光膜26によって遮光されることになるが、そもそも光源から入射される光
は極めて狭い角度分布を持った光であるので、そのような光の損失は無視できるほど小さ
なものである。
さらに、第1レンズ部231の屈折角bは第2レンズ部232の屈折角aよりも小さい
ため、第1レンズ部231による集光点F1は、第2レンズ部232による集光点F2に
比べて、マイクロレンズ23から遠い位置に集光することとなる。すなわち、第1レンズ
部231で屈折された光は光軸AXに対して平行に近い状態となり、その結果、コントラ
ストの高い表示が実現されるようになる。
[電気光学装置の製造方法]
次に、以上のように構成された電気光学装置1の製造方法についてマイクロレンズ基板
29の製造工程を中心に説明する。図4及び図5はマイクロレンズ基板29の製造方法を
説明するための工程図である。
まず、図4(a)に示すように、母材である基板21の表面にマスク層40を形成する
。また、これとともに、基板21の裏面(マスク層6を形成する面と反対側の面)に裏面
保護層42を形成する。このマスク層40は、後述の第1凹部の形成工程及び第2凹部の
形成工程で使用するエッチング材に対して高い耐性を有するものが望ましい。例えば、レ
ジスト等の感光性材料が好適である。このマスク層40は、例えば3μm程度の厚みに形
成される。
裏面保護層42は、次工程以降で基板21の裏面を保護するためのものである。この裏
面保護層42により、基板21の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護
層42は、例えば、マスク層40と同様の材料で構成することができる。
次に、マスク層40に複数の開口部41を形成する。開口部41は、凹部22を形成す
る位置に設ける。この開口部41は、例えば、マスク層40を構成する感光性材料を現像
処理及び露光処理することにより形成される。開口部41の平面形状は例えば円とされ、
その直径は1μm程度とされる。
次に、図4(b)に示すように、開口部41を介して基板21に対して等方性エッチン
グ(第1エッチング)を行ない、基板21の表面に複数の第1凹部51を形成する。この
エッチング工程は、例えば、エッチング材であるフッ酸溶液に基板21を浸漬(ウェット
エッチング)することにより行なわれる。このエッチング工程により、基板21はその表
面に平行な方向及び深さ方向にそれぞれエッチングされ、開口部41の下に、該開口部4
1よりも面積の大きな第1凹部51が形成される。なお、第1凹部51の平面形状は例え
ば円とされ、その直径は2μm〜4μm程度とされる。
次に、図4(c)に示すように、開口部41を介して基板21に対して異方性エッチン
グ(第2エッチング)を行ない、第1凹部51の底面に第2凹部52を形成する。このエ
ッチング工程は、例えば、エッチング材であるフッ素系のガスを開口部41を介して第1
凹部51の底面に供給(ドライエッチング)することにより行なわれる。このエッチング
工程により、基板21は開口部41と対向する部分において基板21の深さ方向にエッチ
ングされる。そして、第1凹部51の底面中心部に、開口部41と同程度の大きさの第2
凹部52が形成される。第2凹部52の平面形状は開口部41と同じ円形形状であり、そ
の深さは例えば1μm程度とされる。
次に、図4(d)に示すように、開口部41を介して第1凹部51及び第2凹部52に
対して等方性エッチング(第3エッチング)を行ない、第1凹部51及び第2凹部52に
起因する複数の凹曲面部221,222からなる第3凹部22を形成する。このエッチン
グ工程は、例えば、エッチング材であるフッ酸溶液に基板21を浸漬(ウェットエッチン
グ)することにより行なわれる。このエッチング工程により、第1凹部51は、その元の
形状をある程度残しつつ、基板21の表面に平行な方向及び深さ方向へ大きく拡大し、半
球状の第1凹曲面部221を形成する。一方、第2凹部52は、その第2凹部52の底面
近傍を中心として基板21の表面に平行な方向及び深さ方向へ拡大し、半球状の第2凹曲
面部222を形成する。このため、開口部41の下には、図4(d)に示すような多段の
凹部22、すなわち、前述したような中心部の曲率半径よりも外周部の曲率半径の方が大
きい凹部22が形成される。なお、第1凹曲面部221及び第2凹曲面部222の平面形
状は例えば円とされ、これらは同心円状に配置されている。
次に、図5(a)に示すように、マスク層40を除去する。また、この際、マスク層4
0の除去とともに裏面保護層42も除去する。この工程は、例えば、剥離液に基板21を
浸漬することにより行なわれる。
次に、凹部22内に、基板21を構成する材料の屈折率よりも高い屈折率の媒体を充填
することにより、マイクロレンズ23を形成する。具体的には、基板21の凹部22が形
成された面全体に、前記媒体である未硬化の樹脂(接着剤)を設ける。次いで、かかる樹
脂に例えばガラスで構成された表層25を接合する。次いで、樹脂を硬化させて樹脂層2
4を形成する。これにより、凹部22内では、樹脂層24を構成する樹脂によりマイクロ
レンズ23が形成され、図2に示すようなマイクロレンズ基板29が形成される。なお、
表層25を基板21に接合した後、必要に応じて研削、研磨等を行ない、表層25の厚さ
を調整してもよい。
以上により、マイクロレンズ基板29が完成する。このようにして製造されたマイクロ
レンズ基板29は、電気光学装置の画素毎に第1レンズ部231及び第2レンズ部232
を備えたものとなる。第1レンズ部231及び第2レンズ部232は所定の曲率を有する
球面レンズであり、その中心はマイクロレンズ23に入射される光の光軸AXと一致して
いる。また、第1レンズ部231は画素の外周に外接するように形成されており、隣接す
る第1レンズ部231は画素の境界部において連続している。すなわち、第1レンズ部2
31の外周部と画素の外周部とは一致しており、第1レンズ部231は画素と同じ矩形の
平面形状を有している。なお、画素は概ね正方形の平面形状を有しており、画素の外周部
は遮光膜26の幅方向中心部の位置に規定されている。
この電気光学装置の製造方法によれば、前述した特性を有するマイクロレンズ23を容
易に作製することができる。この方法では、マスク層40を第1凹部51の形成工程と第
2凹部52の形成工程において兼用しており、また、かかるマスク層40を用いて等方性
エッチングと異方性エッチングを繰り返すのみで凹部22を形成できるため、工程が非常
に簡単である。
なお、本実施形態では、マイクロレンズ23を第1レンズ部231と第2レンズ部23
2からなる2段のマイクロレンズとしたが、マイクロレンズの段数はこれに限定されない
。例えば、図6に示すような3段のマイクロレンズ又は4段以上のマイクロレンズとする
ことも可能である。この場合、マスク層40の開口部41を介して基板21を等方性エッ
チングする工程と、マスク層40の開口部41を介して基板21を異方性エッチングする
工程とを繰り返すことで、基板21に3以上のレンズ曲面を有するマイクロレンズを作製
することができる。図6のマイクロレンズ23は、光軸に対して最も遠い位置に配置され
る第1レンズ部231と、その次に光軸から遠い位置に配置される第2レンズ部232と
、光軸に対して最も近い位置に配置される第3レンズ部232と、を含んでおり、これら
が光軸に対して同心円状に配置された構造となっている。
[プロジェクタ]
次に、上記電気光学装置を用いたプロジェクタにつき、図7を用いて説明する。図7は
、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。このプロジェクタは上記電気光学装置1
を光変調手段として備えたものである。
図7において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、81
6、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レ
ンズ、822、823、824は上記電気光学装置からなる光変調手段、825はクロス
ダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等
のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させ
るとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射さ
れて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反
射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段
823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイ
クロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐた
め、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ
系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青
色光用光変調手段824に入射される。なお、上記各光変調手段822,823,824
には、上記の電気光学装置1が採用されている。
各光変調手段により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に
入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせ
たものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜
とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カ
ラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826に
よってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
このプロジェクタは、光変調手段として前述した電気光学装置1を有しているため、コ
ントラストが高く明るい画像表示が可能なプロジェクタが提供される。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、
本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成
部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において
設計要求等に基づき種々変更可能である。
電気光学装置の一例である液晶装置の概略分解斜視図である。 同液晶装置に備えられるマイクロレンズの集光作用を説明する説明図である。 同液晶装置に備えられるマイクロレンズの集光作用を説明する説明図である。 マイクロレンズ基板の製造方法を説明する工程図である。 マイクロレンズ基板の製造方法を説明する工程図である。 マイクロレンズ基板の他の構成例を示す部分斜視図である。 同液晶装置を備えた電子機器の一例であるプロジェクタの概略構成図である。
符号の説明
1…電気光学装置、21…基板、22…凹部(第3凹部)、23…マイクロレンズ、24
…樹脂層、29…マイクロレンズ基板、40…マスク層、41…開口部、51…第1凹部
、52…第2凹部、221…第1凹曲面部、222…第2凹曲面部、231…第1レンズ
部、232…第2レンズ部

Claims (6)

  1. 基板の表面に第1凹部を形成する工程と、
    前記第1凹部の底面に第2凹部を形成する工程と、
    前記第1凹部及び前記第2凹部に対して等方性エッチングを行ない、前記第1凹部及び
    前記第2凹部に起因する複数の凹曲面部からなる第3凹部を形成する工程と、
    前記第3凹部に前記基板と屈折率の異なる媒体を充填し、各々の前記凹曲面部に対応し
    た複数のレンズ曲面を有するマイクロレンズを形成する工程と、を有することを特徴とす
    るマイクロレンズ基板の製造方法。
  2. 前記第1凹部を形成するに際して、前記基板の表面にマスク層を形成する工程と、前記
    マスク層に開口部を形成する工程と、を有し、
    前記第1凹部は、前記マスク層の開口部を介して前記基板を等方性エッチングすること
    により形成され、前記第2凹部は、前記マスク層の開口部を介して前記基板を異方性エッ
    チングすることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ基板
    の製造方法。
  3. 前記第1凹部は前記マスク層の開口部よりも広い面積で形成されることを特徴とする請
    求項2に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  4. 前記マスク層は感光性材料からなり、前記マスク層の開口部は前記感光性材料を現像処
    理及び露光処理することにより形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のマイ
    クロレンズ基板の製造方法。
  5. 前記マスク層の開口部を介して前記基板を等方性エッチングする工程と、前記マスク層
    の開口部を介して前記基板を異方性エッチングする工程とを繰り返し、前記基板に3以上
    のレンズ曲面を有するマイクロレンズを形成することを特徴とする請求項2〜4のいずれ
    かの項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  6. マイクロレンズ基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記マイクロレンズ基板の製造工程が、請求項1〜5のいずれかの項に記載のマイクロ
    レンズ基板の製造方法により行なわれることを特徴とする電気光学装置の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011059230A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Seiko Epson Corp マイクロレンズアレイおよびマイクロレンズアレイの製造方法

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