JP2007278616A - 膨張装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】導入された冷媒の圧力および温度に応じて断面積を可変できる絞り通路を有し、高圧側を絶対圧で管理できるようにする。
【解決手段】筒状の可動弁座15とその下流側に配置されてばね18により閉弁方向に付勢された弁体17とで差圧制御弁を構成し、高圧側の冷媒の温度を感知するワックス28を封入したカップ状部材26およびダイヤフラム27からなる感温部で可動弁座15を温度の上昇に従って設定差圧が増える方向に移動し、低圧側の冷媒の圧力を感知するダイヤフラム23および皿ばね24からなる感圧部で弁体17を閉弁方向に付勢するばね18を圧力の上昇に従ってばね荷重が減る方向に作用するように構成する。高圧側の温度が所定の温度を超えると、感温部の変位を可動弁座15に伝える変位伝達部材32のストッパ34が段差部35に当接することで、高圧側の圧力が所定の圧力を超えないようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は車輌用エアコンの冷凍サイクルに用いられる膨張装置に関し、特に二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルに適用してこれを効率よく運転することができる膨張装置に関する。
車輌用エアコンの冷凍サイクルには、コンデンサで凝縮された冷媒の気液分離を行うレシーバと分離された液冷媒を膨張させる温度式膨張弁とを用いた冷凍サイクルの他に、コンデンサで凝縮された冷媒を絞り膨張させるオリフィスチューブとエバポレータで蒸発された冷媒の気液分離を行うアキュムレータとを用いた冷凍サイクルが知られている。オリフィスチューブは、細径チューブから構成されているので、構造が簡単で製造コストが低く、レイアウトの自由度も高いというメリットを有している。しかしながら、オリフィスチューブを用いた冷凍サイクルは、温度式膨張弁と違い、細径チューブのみによって冷媒を絞り膨張させているため冷媒流量の制御機能がなく、あらゆる状況にて冷凍サイクルを効率よく運転することができない。
これに対し、特に冷媒に二酸化炭素を使用した冷凍サイクルに適用し、ガスクーラ出口側における冷媒の圧力および温度に応じて冷媒が絞られるオリフィスの絞り通路断面積を可変できるようにして冷凍サイクルを効率よく運転することができるようにした膨張装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
この特許文献1の膨張装置によれば、ガスクーラから導入された冷媒の圧力および温度を検出するよう変位部材(ダイヤフラム)によって仕切られた密閉空間を弁孔の上流側に備え、変位部材の変位で弁孔を上流側から開閉するようにした弁構造を有し、密閉空間には、冷媒の温度が0℃での飽和液密度から冷媒の臨界点での飽和液密度までの範囲の密度で冷媒が封入されている。これにより、導入された冷媒の圧力がその冷媒の温度に対応した密閉空間の圧力よりも低いときは、弁孔は閉じていて、導入された冷媒の圧力が密閉空間の圧力よりも所定圧力だけ高くなると、弁孔は開き始め、導入された冷媒の圧力と密閉空間の圧力との差圧が所定圧力より大きくなると、その差圧に応じた開度になる。この結果、ガスクーラ出口側における冷媒の圧力および温度は、ガスクーラ出口側における冷媒の温度と成績係数が最大となる圧力とから求めた最適制御線上に沿って制御されるようになり、二酸化炭素を使用した冷凍サイクルの効率よい運転を可能にしている。
ところで、二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルでは、その作動圧力が高いため、冷凍サイクルを構成する構成要素は、高圧に耐えることができるよう耐圧構造になっている。また、冷媒を圧縮する圧縮機および圧縮された冷媒を膨張する膨張装置においては、冷媒圧力が耐圧的に危険な高圧の領域に入ると、圧力を低下させるように制御したり、圧力を低下させることができる構造にしたりすることが行われている。
たとえば、膨張装置にあっては、冷媒入口の高圧側の圧力を大気圧と比較し、その高圧側の圧力が所定の圧力以上になると、開弁して高圧側の圧力を低下させる構造のものが知られている(たとえば、特許文献2参照。)。この膨張装置によれば、内部が大気に開放されていて外部に膨張装置の冷媒入口に導入される冷媒圧力を受けて冷媒圧力が上昇するに従って押し縮められるベローズと、そのベローズが縮められるに従って開弁するよう構成された弁機構とを有している。これにより、ベローズが膨張装置の冷媒入口に導入される高圧側の冷媒圧力と大気圧とを比較し、冷媒圧力が冷凍サイクルにとって耐圧的に危険とされる所定の圧力を超えて高くなると、ベローズが縮んで行き、それに応動して弁機構が比例的に開弁して圧力を低下させるようにしている。このように、ベローズが冷媒入口の高圧側の圧力を絶対圧で感知して弁機構を制御することにより、冷媒入口の高圧側の圧力が所定の圧力より高くなるのをある程度防止することができる。
また、特許文献2によれば、高圧側の圧力を絶対圧で感知するのではなく、冷媒入口と冷媒出口との差圧で動作する差圧制御弁構造の膨張装置も開示されていて、冷媒入口と冷媒出口との差圧が所定の圧力を超えると、開弁して冷媒入口の圧力を低下させるようにしている。
このように、膨張装置を高圧側の圧力が制限されるように構成することで、高圧側の圧力が異常高圧になる心配はなくなる。また、高圧側の圧力が高いということは、高い冷凍能力が要求されているときなので、そのようなときに、圧縮機が最大吐出容量で運転していて、高圧側の圧力が所定の圧力を超えるようなことがあっても、圧縮機側でその吐出圧力を低下させるように制御する必要もないので、圧縮機を高い吐出圧力で効率よく運転させ、高い冷凍能力を維持させることが可能になる。
特開平9−264622号公報(図4) 特開2004−142701号公報(図2、図5)
しかしながら、従来の膨張装置においては、導入された冷媒の圧力および温度を感知して開度を可変にするために変位部材で閉止された密閉空間を備え、その密閉空間には、冷媒を非常に高い圧力で充填する構成にしているので、常温・常圧の環境下で放置される際に破裂の危険性があり、高度の品質管理が要求されることから、コストが高くなるという問題点があった。
また、高圧側の圧力が異常高圧にならないようにした従来の膨張装置では、ベローズを使用したものは、高圧側の圧力を絶対圧で感知して制御することができるが、高圧を直接受けているベローズの耐圧を考慮する必要があり、差圧制御弁構造のものにあっては、高圧側の圧力は、冷媒入口と冷媒出口との差圧に低圧側の圧力を加えた値に等しいので、高圧側の圧力は低圧側の圧力が変化すれば、その影響を直接受けてしまうため、絶対圧で管理することができないという問題点があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであって、高圧の密閉空間を有することなく、導入された冷媒の圧力および温度に応じて断面積を可変にすることができる絞り通路を備え、高圧側の圧力と低圧側の圧力との差圧で動作しながら高圧側を絶対圧で管理できるようにした膨張装置を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、冷凍サイクルを循環する冷媒を絞り膨張させる膨張装置において、前記冷媒が導入される高圧側の圧力と膨張された前記冷媒が導出される低圧側の圧力との差圧が大きくなるに従って開弁方向に作用する差圧制御弁と、高圧側の前記冷媒の温度を感知し、温度が高くなるに従って前記差圧制御弁の設定差圧が増加する方向に補正を行う感温部と、低圧側の前記冷媒の圧力を感知し、圧力が高くなるに従って前記差圧制御弁の設定差圧が減少する方向に補正を行う感圧部と、を備えていることを特徴とする膨張装置が提供される。
このような膨張装置によれば、感温部が高圧側の冷媒温度を感知して差圧制御弁の設定差圧を補正しながら、感圧部が低圧側の冷媒圧力を感知して差圧制御弁の設定差圧を補正するように構成している。これにより、差圧制御弁は、高圧側の冷媒の温度に応じた差圧で動作し、その差圧を低圧側の圧力に応じて変化されることで、高圧側の圧力を絶対圧でほぼ一定にすることができる。
本発明の膨張装置は、高圧側の温度によって差圧を設定し、その差圧を低圧側の圧力によってシフトさせる構成であるので、高圧側の圧力を絶対圧でほぼ一定にすることができるという利点がある。
感温部の感温材料としてワックスを使用することで、密閉空間に冷媒を非常に高い圧力で充填する必要がないので部品として常温・常圧の環境下で放置されたとしても破裂の危険性がない。また、感温部は、高圧側の温度が所定の温度に達すると、ストッパが作用して差圧制御弁の設定差圧を補正しないようにしたので、高圧側の温度が所定の温度を超えて高くなっても、高圧側の圧力はストッパが作用した設定圧力以上に高くなることがなく、高圧側が異常高圧になるのを防止することができる。さらに、感圧部では、低圧側の圧力を受けるダイヤフラムがその裏側から皿ばねによって支持する構成にしたので、感圧素子として通常使用されているベローズを使用することはないので膨張装置を安価に構成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、冷媒に二酸化炭素を使用した冷凍サイクルに適用した膨張装置を例に図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の膨張装置を適用した冷凍サイクルを示すシステム図である。
冷凍サイクルは、冷媒を圧縮する圧縮機1と、圧縮された冷媒を冷却するガスクーラ2と、冷却された冷媒を絞り膨張させる膨張装置3と、膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器4と、冷凍サイクル中の余剰の冷媒を蓄えておくとともに蒸発された冷媒から気相の冷媒を分離して圧縮機1へ送るアキュムレータ5と、ガスクーラ2から送り出された冷媒と圧縮機1へ送り込まれる冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器6とを備えている。図中、矢印は、冷媒の流れを表わしている。
この冷凍サイクルでは、圧縮機1が気相状態の冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧の冷媒にし、その高温高圧の冷媒をガスクーラ2にて冷却し、冷却された冷媒を膨張装置3にて絞り膨張させることで低温低圧の冷媒にし、その低温低圧の冷媒を蒸発器4にて蒸発させる、という一連の動作を連続して行う。膨張装置3が冷媒を膨張させる過程で、冷媒は気液二相状態になり、それが蒸発器4で蒸発するときに、車室内の空気から蒸発潜熱を奪うことで、冷房が行われる。
また、二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルでは、ガスクーラ2の出口の冷媒と圧縮機1の入口の冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器6を設けて、ガスクーラ2からの冷媒を内部熱交換器6でさらに冷却することで膨張装置3および蒸発器4の入口の冷媒のエンタルピを低下させ、これによって冷凍能力を向上させることが一般に行われている。
この内部熱交換器6は、その内部に、ガスクーラ2から導入された高圧の冷媒が流れる高圧通路とアキュムレータ5から導入された低圧の冷媒が流れる低圧通路が隣接して設けられており、高圧通路の出口には、膨張装置3が設けられている。
具体的には、内部熱交換器6の高圧通路の出口近傍に膨張装置3が組み込まれていて、高圧通路を通過してきた冷媒を絞り膨張させ、これにより低圧低温になった冷媒を蒸発器4へ送り込むようにしている。また、この膨張装置3は、高温側感温部を備えており、その高温側感温部は、内部熱交換器6に組み込まれたとき、高圧通路の入口(すなわち、ガスクーラ2の出口)の冷媒温度を感知するか、または高圧通路の出口(すなわち、膨張装置3の入口)の冷媒温度を感知するように内部熱交換器6の中に配置されている。
図2は実施の形態に係る膨張装置の構成を示す中央縦断面図である。
膨張装置3は、両端に筒状のシリンダ11a,11bが一体に形成されたボディ11を有し、そのボディ11の中央側部には、内部熱交換器6の高圧通路の出口に連通する冷媒入口12が設けられている。ボディ11は、また、その中央部において軸線方向に開設された可動弁座保持孔13を有し、その一端は冷媒入口12に連通し、他端はシリンダ11bに設けられた冷媒出口14に連通している。
可動弁座保持孔13には、筒状の形状を有する可動弁座15が軸線方向に進退自在に配置されている。可動弁座15は、中央が弁孔を構成するように中空部になっていて、冷媒入口12に連通する空間に位置している部分にはその中空部に高圧の冷媒を導入する冷媒導入孔16が設けられている。
冷媒出口14に連通する空間には、可動弁座15の弁孔を開閉する弁体17が配置されている。この弁体17は、シリンダ11bに可動弁座15に対して接離自在に保持され、ばね18によって閉弁方向に付勢されている。これにより、可動弁座15および弁体17は、冷媒入口12の圧力と冷媒出口14の圧力との差圧が所定の圧力を超えると開弁する差圧制御弁を構成し、これが断面積を可変できる膨張装置3の絞り通路になっている。ばね18の弁体17と反対側の端部は、シリンダ11bに軸線方向に進退自在に保持されたばね受け部材19により受けられている。このばね受け部材19は、冷媒出口14における冷媒の圧力を感知する感圧部に当接されている。
感圧部は、深さの浅いばね収容部20を有する蓋状の外側ハウジング21と、図の上側がシリンダ11bに固定され、図の下側にフランジ部を有する円筒状の内側ハウジング22と、これらの間に配置された薄い金属性のダイヤフラム23とを有し、これらの外周縁部は全周溶接により互いに固着されている。これにより、ダイヤフラム23は、弁体17およびばね受け部材19とシリンダ11bとの間のクリアランスを介して冷媒出口14における低圧側の冷媒の圧力を受けるようになっている。外側ハウジング21のばね収容部20には、複数枚、図示の例では4枚の皿ばね24が積層されて配置され、ダイヤフラム23が受ける低圧側の冷媒の圧力を裏側から支持している。ダイヤフラム23と皿ばね24との間には、干渉防止用のフィルム25が配置されている。皿ばね24は、中央部がダイヤフラム23の側に突出した形状を有し、冷媒出口14の圧力に応じて中央部が軸線方向に変位する。その変位は、ばね18を介して弁体17へ伝達される。したがって、この感圧部は、低圧側の冷媒の圧力に応じて弁体17の軸線方向の位置を補正する機能を有する。
ボディ11の図の上方にあるシリンダ11aには、高圧側の冷媒の温度を感知する感温部が設けられている。すなわち、感温部は、カップ状部材26と、このカップ状部材26の開口フランジ部に固着されダイヤフラム27と、これらによって気密に構成された密閉容器内に封入されたワックス28とによって構成されている。カップ状部材26の開口フランジ部とシリンダ11aの開口端に固定されたリング状のばね受け部材29との間には、ばね30が介装され、感温部をシリンダ11a内に形成された段差部31へ押し付けるようにしている。なお、ワックス28は、温度に応じて体積が膨張する体積膨張係数の大きな材料からなるものである。したがって、この感温部は、高圧側の冷媒の温度に応じて可動弁座15の軸線方向の位置を補正する機能を有する。
感温部に隣接して可動弁座15が嵌合された変位伝達部材32が配置され、ばね33によってダイヤフラム27の中央部に常時当接するように付勢されている。このばね33は、感温部を図の下方へ押し下げるように付勢しているばね30よりもばね荷重が小さく設定されている。また、変位伝達部材32は、ばね33を受けている部分が半径方向外方へ延出されたストッパ34が一体に形成されていて、ストッパ34の図の下方への移動をボディ11内に形成された段差部35によって規制するようにしている。
さらに、感温部と冷媒入口12との間のボディ11には、Oリング36が周設され、冷媒入口12と冷媒出口14との間のボディ11には、Oリング37が周設され、冷媒出口14と感圧部との間の内側ハウジング22には、Oリング38が周設されている。
次に、以上の構成の膨張装置3において、まず、感温部の動作について説明する。
図3は高圧側の冷媒の温度が低いときの状態を示す膨張装置の中央縦断面図、図4は高圧側の冷媒の温度が高いときの状態を示す膨張装置の中央縦断面図、図5は冷媒の温度と圧力の関係を示す図である。
まず、膨張装置3は、感温部が高圧側の冷媒の温度を感知して可動弁座15の軸線方向の位置を設定する。すなわち、図2に示した膨張装置3が高圧側の冷媒の温度として冷媒の作動温度範囲の中温域にあるとすると、この中温から高圧側の冷媒の温度が低くなると、図3に示したように、カップ状部材26のワックス28は、収縮して体積が減少するので、ダイヤフラム27は弁体17から離れる方向へ変移し、その変移は変位伝達部材32を介して可動弁座15に伝達され、可動弁座15は図の上方へ移動して差圧制御弁は開弁方向に変化する。これにより、弁体17を閉弁方向に付勢しているばね18は、ばね荷重が小さくなり、差圧制御弁は、高圧側と低圧側との差圧によって開き始めるときの設定差圧が小さくなる。逆に、高圧側の冷媒の温度が高いときには、カップ状部材26のワックス28は、図4に示したように、膨張して体積が増加するので、ダイヤフラム27は弁体17に近づく方向へ変移し、その変移は変位伝達部材32を介して可動弁座15に伝達され、可動弁座15は図の下方へ移動して差圧制御弁は閉弁方向に変化する。これにより、弁体17を閉弁方向に付勢しているばね18は、ばね荷重が大きくなり、差圧制御弁は、設定差圧が大きくなる。したがって、差圧制御弁は、高圧側の冷媒の温度が低いときには、図5に示したように、たとえば差圧ΔP1で動作し、高圧側の冷媒の温度が高くなると、設定差圧が大きくなって、差圧ΔP2で動作することになる。このとき、高圧側の圧力は、温度に応じて変化し、図5に示した太い実線に沿って変化することになる。
次に、膨張装置3における感圧部の動作について説明する。
図6は低圧側の圧力に対する感圧部のストローク特性を示す図、図7は低圧側の冷媒の圧力が高いときの状態を示す膨張装置の中央縦断面図である。
まず、膨張装置3は、感圧部が低圧側の冷媒の圧力Pxを感知して弁体17の軸線方向の位置を設定する。すなわち、図2に示した膨張装置3において、その低圧側の冷媒の温度が十分に低い(たとえば0℃)ときは、その圧力Pxも低い(たとえば3.6MPa)状態にある。このとき、感圧部では、圧力Pxを感知するダイヤフラム23は、差圧制御弁の側へ変位し、そのストローク位置は、図6の例では、+0.3mmである。この変位により、ばね18はそのばね荷重が大きくなる方向に付勢されることになり、差圧制御弁は、設定差圧が大きくなる方向に補正されることになる。
低圧側の冷媒の温度が高くなると、それに連れて圧力Pxも高くなり、たとえば温度が20℃では圧力Pxが約5.8MPaになり、そのときの感圧部は、図7に示したように、ダイヤフラム23が差圧制御弁の側とは反対側へ変位し、そのストローク位置は、図6の例では、−0.3mmである。この変位により、ばね18はそのばね荷重が小さくなり、差圧制御弁は、設定差圧が小さくなるよう補正されることになる。
高圧側の圧力は、低圧側の圧力Pxより差圧制御弁の差圧分だけ高く、その値は絶対値で表される。低圧側に感圧部を設け、低圧側の圧力Pxの変動に応じて差圧制御弁の設定差圧を補正するように構成したことで、高圧側の圧力は絶対圧でほぼ一定にすることができる。たとえば、図5において、高圧側の圧力が約11MPaであって設定差圧がΔP2であるときに、低圧側の圧力が4.7MPaなら、感圧部によってΔP2は6.3MPaに補正され、低圧側の圧力が低下して3.6MPaなら、ΔP2は7.4MPaに補正され、低圧側の圧力が上昇して5.8MPaなら、ΔP2は5.2MPaに補正され、結局、高圧側の圧力の絶対値は変化しない。
次に、高圧側の冷媒の温度が異常に高くなった場合について説明する。
図8は高圧側の冷媒の温度が高いときの状態を示す膨張装置の中央縦断面図である。
膨張装置3の高圧側の冷媒の温度が図2に示すように中温の状態であれば、ワックス28の体積膨張も中程度であるので、そのときの感温部のカップ状部材26は、ばね33よりもばね荷重の大きなばね30によってシリンダ11aに形成された段差部31に押し付けられており、軸線方向の位置は変化しない。
ここで、高圧側の冷媒の温度が上昇してくると、カップ状部材26内のワックス28が体積膨張してダイヤフラム27が差圧制御弁の方向へ変位し、設定差圧が大きくなる方向へ補正されていく。設定差圧が大きくなるということは、低圧側の圧力が変化しなければ、高圧側の圧力が高くなることを意味する。
高圧側の冷媒の温度がさらに上昇してその圧力が図5の場合において設定圧力Pmax(12MPa)に達すると、ワックス28の膨張によって図の下方へ移動されている変位伝達部材32のストッパ34がボディ11に形成された段差部35に当接するようになる。
高圧側の冷媒の温度がさらに上昇してワックス28が変位伝達部材32をさらに図の下方へ移動させようとすると、変位伝達部材32はそれ以上移動できないので、今度は、カップ状部材26がばね30の付勢力に抗して段差部31から浮上するようになり、可動弁座15が固定された状態になる。したがって、高圧側の冷媒の温度が上昇してその圧力が設定圧力Pmaxを超えると、その感温部は、差圧制御弁に対して設定差圧をそれ以上大きくする方向へ補正をすることができなくなるので、結局、温度が上昇しても、高圧側の圧力は設定圧力Pmaxより高くなることはない。
なお、上記の実施の形態では、感温部の感温材料としてワックス28を用いているが、体積膨張係数の大きな材料であれば他の固体または液体材料でも良い。
図9は膨張装置の内部熱交換器への第1の組込例を示す図、図10は膨張装置の内部熱交換器への第2の組込例を示す図である。
膨張装置3は、内部熱交換器6に組み込まれて使用される。図9に示した組込例によれば、膨張装置3は、感温部がガスクーラ2の出口の冷媒温度を感知するように内部熱交換器6に組み込まれる。すなわち、内部熱交換器6は、内部にガスクーラ2から導入された高温高圧の冷媒を流す高圧通路39を有し、その一端の入口と他端の出口とが近接して形成され、外側(図の下方)からは膨張装置3の装着穴40が高圧通路39入口および出口と連通するように形成され、さらに、その装着穴40からは蒸発器4へ冷媒を送り出すための冷媒通路41が形成されている。
膨張装置3は、内部熱交換器6の装着穴40に挿入され、装着穴40から離脱しないように図示しない適当な固定具によって固定される。これにより、膨張装置3の感温部は、高圧通路39の入口に位置し、ガスクーラ2から導入された高温高圧の冷媒に晒されるようになり、ガスクーラ出口温度を感知することになる。
また、図10に示した組込例によれば、膨張装置3は、感温部が内部熱交換器6の出口(すなわち、膨張装置3の入口)の冷媒温度を感知するように内部熱交換器6に組み込まれる。すなわち、内部熱交換器6は、高圧通路39の出口側終端部と連通するように外側(図の下方)から装着穴40が形成され、その装着穴40から蒸発器4へ冷媒を送り出すための冷媒通路41が形成されている。
膨張装置3は、内部熱交換器6の装着穴40に挿入され、適当な固定具によって固定される。ただし、この膨張装置3では、感温部と冷媒入口12との間のボディ11に周設されていたOリング36は除かれている。これにより、膨張装置3の感温部は、高圧通路39から装着穴40に送り込まれた冷媒は、冷媒入口12に導入されるとともに、感圧部が位置する空間にも導入され、感温部が高温高圧の冷媒に晒されるようになり、膨張装置3の入口温度を感知することになる。
本発明の膨張装置を適用した冷凍サイクルを示すシステム図である。 実施の形態に係る膨張装置の構成を示す中央縦断面図である。 高圧側の冷媒の温度が低いときの状態を示す膨張装置の中央縦断面図である。 高圧側の冷媒の温度が高いときの状態を示す膨張装置の中央縦断面図である。 冷媒の温度と圧力の関係を示す図である。 低圧側の圧力に対する感圧部のストローク特性を示す図である。 低圧側の冷媒の圧力が高いときの状態を示す膨張装置の中央縦断面図である。 高圧側の冷媒の温度が高いときの状態を示す膨張装置の中央縦断面図である。 膨張装置の内部熱交換器への第1の組込例を示す図である。 膨張装置の内部熱交換器への第2の組込例を示す図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 ガスクーラ
3 膨張装置
4 蒸発器
5 アキュムレータ
6 内部熱交換器
11 ボディ
11a,11b シリンダ
12 冷媒入口
13 可動弁座保持孔
14 冷媒出口
15 可動弁座
16 冷媒導入孔
17 弁体
18 ばね
19 ばね受け部材
20 ばね収容部
21 外側ハウジング
22 内側ハウジング
23 ダイヤフラム
24 皿ばね
25 フィルム
26 カップ状部材
27 ダイヤフラム
28 ワックス
29 ばね受け部材
30 ばね
31 段差部
32 変位伝達部材
33 ばね
34 ストッパ
35 段差部
36,37,38 Oリング
39 高圧通路
40 装着穴
41 冷媒通路

Claims (7)

  1. 冷凍サイクルを循環する冷媒を絞り膨張させる膨張装置において、
    前記冷媒が導入される高圧側の圧力と膨張された前記冷媒が導出される低圧側の圧力との差圧が大きくなるに従って開弁方向に作用する差圧制御弁と、
    高圧側の前記冷媒の温度を感知し、温度が高くなるに従って前記差圧制御弁の設定差圧が増加する方向に補正を行う感温部と、
    低圧側の前記冷媒の圧力を感知し、圧力が高くなるに従って前記差圧制御弁の設定差圧が減少する方向に補正を行う感圧部と、
    を備えていることを特徴とする膨張装置。
  2. 前記差圧制御弁は、その軸線方向に進退自在にボディに支持されていて前記感温部により高圧側の温度が高くなるに従って閉弁方向に移動される筒状の可動弁座と、前記可動弁座の低圧側にて閉弁方向に付勢状態で配置されていて前記感圧部により低圧側の圧力が高くなるに従って閉弁方向の付勢力が小さくなるように作用される弁体とを有していることを特徴とする請求項1記載の膨張装置。
  3. 前記感温部は、カップ状部材と、前記カップ状部材の開口部を閉止して密閉容器を形成するものであって中央部が前記差圧制御弁の開閉方向に変位可能なダイヤフラムと、前記密閉容器に封入された体積膨張係数の大きな感温材料とを有し、前記ダイヤフラムの変位を前記可動弁座に伝達するように構成したことを特徴とする請求項2記載の膨張装置。
  4. 前記感温材料は、ワックスであることを特徴とする請求項3記載の膨張装置。
  5. 前記感温部と前記可動弁座との間に配置され、前記可動弁座とは固定されて第1のばねにより前記ダイヤフラムに常時当接するよう付勢された変位伝達部材を備えていることを特徴とする請求項3記載の膨張装置。
  6. 前記感温部は、前記差圧制御弁のボディにその軸線方向に進退可能に配置され、前記第1のばねよりもばね荷重の大きな第2のばねにより前記差圧制御弁の方向に付勢されて前記ボディに当接されており、前記変位伝達部材は、前記感温部が所定の温度を感知して前記ダイヤフラムの変位を受けたときに前記ボディに当接されて、高圧側の温度が前記所定の温度より高いときは、前記ダイヤフラムの変位を前記可動弁座に伝達しないストッパを有していることを特徴とする請求項5記載の膨張装置。
  7. 前記感圧部は、低圧側の圧力を感知して軸線方向に変位するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの前記弁体が配置されている側とは反対側にて前記ダイヤフラムに当接しつつこれを支持するように配置された皿ばねとを有することを特徴とする請求項2記載の膨張装置。
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