本発明の実施形態を具体的に説明する前に、まず、本発明の実施形態の概要について述べる。本発明の実施形態にかかる表示制御システムは、宅内に設置された出力装置、表示制御装置と、宅外に設置されたVoDサーバとを有している。
ユーザは、表示制御装置を介してVoDサーバにアクセスし、視聴したい視聴データをダウンロードにより、もしくは、ストリーミングにより、出力装置に出力する。しかしながら、VoDサービスが提供する視聴データには、特定のユーザに視聴させるべきでない映像、たとえば、18歳未満のユーザに対する視聴を禁止するR18指定にかかる映像が含まれている場合があるため、そのような映像の出力を制限することが好ましい。
そこで、本実施形態においては、端末装置の所有者であるユーザが宅内に存在する場合、具体的には、ユーザが自宅にいる場合や、ユーザが家の近辺にいる場合に、表示制御装置は、そのユーザに視聴させるべきでない視聴データの出力装置を制限することによって、上述した課題を解決することとした。詳細は後述する。
まず、本実施形態の表示制御システムに適用されるFMC(Fixed/Mobile Convergence)通信システムについて説明する。FMC通信システムとは、宅内などに固定的に設置されたサーバを介した有線回線(Fixed)による通信と、屋外等において移動しながらでも通信を実行できる移動(Mobile)通信とを融合(Convergence)した通信システムである。
図1(a)、(b)に、本発明の実施形態に適用されるFMC通信システム400の第1、第2の態様例を示す。図1(a)、(b)において、FMC通信システム400は、無線LAN基地局装置80と、ネットワーク50で代表される移動通信ネットワーク52と固定通信ネットワーク54と、無線端末装置20で代表される第1無線端末装置20aと第2無線端末装置20bと、移動通信用基地局装置70で代表される第1移動通信用基地局装置70aと第2移動通信用基地局装置70bとを含む。無線端末装置20は、移動通信用基地局装置70と移動通信を実行するための移動無線用アンテナ92と、無線LAN基地局装置80と無線LANによる通信を実行するための無線LAN用アンテナ94とを有する。なお、FMC通信システム400は、移動通信ネットワーク52と固定通信ネットワーク54との間に図示しない制御サーバを含んでもよい。
移動通信用基地局装置70と無線LAN基地局装置80は、それぞれの通信エリア内に存在する無線端末装置20との間で無線通信を実行する。図1(a)においては、第1移動通信用基地局装置70aは、破線で示す第1通信エリア410内に存在する第1無線端末装置20aとの間で移動通信を実行し、第2移動通信用基地局装置70bは、破線で示す第2通信エリア420内に存在する第2無線端末装置20bとの間で移動通信を実行する。なお、第1通信エリア410と第2通信エリア420は、屋外における通信エリアであってもよい。また、第1通信エリア410と第2通信エリア420とは、後述する第3通信エリア430より広い範囲を有する通信エリアである。
たとえば、第1無線端末装置20aと第2無線端末装置20bとの間で通信を実行する場合、第1無線端末装置20aは、まず、第1移動通信用基地局装置70aとの間で無線通信を実行する。ついで、第1移動通信用基地局装置70aは、ネットワーク50を介して、第2移動通信用基地局装置70bと有線通信を実行する。さらに、第2移動通信用基地局装置70bは、第2無線端末装置20bとの間で無線通信を実行し、これにより、第1無線端末装置20aと第2無線端末装置20bとの間で通信が可能となる。なお、図1(a)における無線端末装置20と移動通信用基地局装置70との間の無線通信は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式による通信などの既知の移動通信方式により実行されてもよい。
図1(b)は、図1(a)において第2通信エリア420内に存在した第2無線端末装置20bが、第3通信エリア430内に移動した場合を示している。第3通信エリア430は、無線LAN基地局装置80が設置された住居を中心とした通信エリアであって、無線LANによる無線通信が可能なエリアである。図1(b)においては、第1無線端末装置20aと第2無線端末装置20bとの間で通信を実行する場合、第1無線端末装置20aは、まず、第1移動通信用基地局装置70aとの間で無線通信を実行する。ついで、第1移動通信用基地局装置70aは、移動通信ネットワーク52、固定通信ネットワーク54を介して、無線LAN基地局装置80と有線通信を実行する。
ここで、無線LAN基地局装置80は、第2無線端末装置20bとの間で、無線端末装置20と移動通信用基地局装置70との無線通信方式とは異なる無線通信方式を実行することによって、第1無線端末装置20aと第2無線端末装置20bとの間の通信を可能とさせる。なお、「異なる無線通信方式」とは、無線LAN方式などの通信方式を含み、移動通信に比べ狭いエリアを通信エリアとする近距離無線通信方式であってもよい。ここでは、無線LAN方式による通信の場合について説明する。この場合において、無線LAN基地局装置80は、第2無線端末装置20bを無線LAN方式などの近距離無線通信方式における端末装置と認識することによって、ネットワーク50を介して送信された信号を第2無線端末装置20bに中継できる。
中継処理は、以下の順で実行される。まず、第2無線端末装置20bが無線LAN基地局装置80の第3通信エリア430に移動した際に、第2無線端末装置20bの識別情報が無線LAN基地局装置80に登録される。つぎに、無線LAN基地局装置80は、図示しない制御サーバに第2無線端末装置20bにかかる識別情報を登録する。ここで、第2無線端末装置20bに対する通信の要求があった場合、制御サーバは、その通信の経路を無線LAN基地局装置80を介する経路に設定する。このような処理により、第2無線端末装置20bは、無線LAN基地局装置80を介して、無線LAN方式により通信を実行できることとなる。なお、無線LAN基地局装置80に代わって第2無線端末装置20bが制御サーバに識別情報を登録しても良い。
一般的に、通常の移動通信方式に比べ、近距離の無線通信方式は、通信環境が安定している場合が多いため、通信品質がよく、伝送レートなども高速となる。したがって、このような態様により、無線端末装置20は、いずれの通信エリアにおいても通信を実行することができ、また、より好ましい通信環境で通信を実行できることとなる。また、無線端末装置20は、1つの電話番号により、複数の無線通信方式により通信が実行でき、これにより、柔軟な通信環境をユーザに提供できる。
図2は、本発明の実施形態にかかる第1表示制御システム100の構成例を示す図である。第1表示制御システム100は、表示制御装置10と、無線LAN基地局装置80と、無線端末装置20で代表される第1無線端末装置20aと第2無線端末装置20bと、表示装置30と、VoDサーバ40と、ネットワーク50とを含む。
表示制御装置10と無線LAN基地局装置80とは、所定の場所に固定的に設置される。ここで、「固定的に設置」とは、同一構内において、異なる位置に設置されることを含む。無線LAN基地局装置80は、前述したように、設置された場所の近傍に無線端末装置20が存在する場合に、無線端末装置20との間で、無線通信を実行できる。ここでの通信は、IEEE802.11などにより規定された無線LAN方式であってもよく、また、その他の近距離無線通信であってもよい。
表示制御装置10は、無線LAN基地局装置80およびネットワーク50を介して、表示制御装置10が設置された場所とは異なる場所に設置されたVoDサーバ40にアクセスし、視聴データを取得する。また、表示制御装置10は、表示装置30にVoDサーバ40から取得した視聴データを表示装置30に出力する。ここで、ネットワーク50は、公衆や専用のネットワークなどであってもよい。また、表示制御装置10は、VoDサーバ40にアクセスする際に、無線LAN基地局装置80との間で無線通信を実行してもよく、また、有線通信を実行してもよい。また、説明の便宜上、第1無線端末装置20aと第2無線端末装置20bのみを図示したが、他の無線端末装置20が存在してもよい。
表示制御装置10は、所定のユーザの操作にしたがって、自己の管理下にある無線端末装置と、他のユーザの無線端末装置20であって、無線LAN基地局装置80で収容すべき無線端末装置20の識別情報とを登録する。登録の対象となるユーザは、表示制御装置10が設置された構内に住所、もしくは、居所を有するユーザとなる。たとえば、家庭内において、自宅に設置された表示制御装置10に登録する場合、登録されるユーザとは、両親や子供などを含む家族などを含み、また、その家族と同居している他のユーザを含んでもよい。
つぎに、表示制御装置10は、ユーザからの指示により、無線LAN基地局装置80およびネットワーク50を介して、VoDサーバ40から視聴可能な視聴データを取得する。また、表示制御装置10は、取得した視聴データのリストを表示装置30に表示する。ユーザは、表示装置30に表示されたリストをもとに、取得した視聴データごとに、他のユーザに視聴させるべきか否かを示す視聴許容フラグを登録する。
さらに、表示制御装置10は、すでに登録したユーザの無線端末装置20の識別情報をもとに、ユーザの入退室を管理する。具体的には、外出していたユーザが、無線端末装置20の設置場所、たとえば、自宅内に、ユーザが所有する無線端末装置20とともに帰宅することによって、まず、無線端末装置20が無線LAN基地局装置80との間において、無線LANによる無線通信が可能となる。無線通信が可能となった場合、表示制御装置10は、無線LAN基地局装置80を介して、無線端末装置20が有する識別情報を取得し、すでに登録された識別情報と一致するか否かを照合する。一致する場合、そのユーザは、帰宅済みのユーザとして、登録される。この照合は、無線LAN基地局装置80に対し、無線端末装置20が通信を実行したことを契機として、実行されてもよい。
図3は、図2の表示制御装置10の構成例を示す図である。表示制御装置10は、認証部14と、登録部16と、通信部18と、記憶部22と、操作部24と、出力制御部28とを含む。
操作部24は、ユーザの操作にしたがって、登録部16、要求部26、または、出力制御部28に指示を与える。ユーザの操作は、図示しないコントローラや表示制御装置10に接続されたPCのキーボードなどに配置されたボタンの押し下げにより実行されてもよいし、音声認識により実行されてもよい。
まず、初期状態において、所定のユーザ、たとえば、子供を管理する親は、自己の管理下にある端末装置と、他のユーザ、たとえば、子供の所有する端末装置のそれぞれの識別情報とを登録する。具体的には、操作部24は、登録にかかる識別情報を登録部16に通知し、登録部16は通知された識別情報を記憶部22に登録する。つぎに、所定のユーザは、視聴データをVoDサーバ40から取得する。視聴データのリストのみを取得してもよい。この取得処理は、管理ユーザが操作部24を操作し、所望の視聴データを取得する旨の指示を与え、操作部24は、指示にしたがい要求部26を介して、その指示を通信部18に伝えればよい。
通信部18は、無線LAN基地局装置80との間のインタフェースである。通信部18は、無線LAN基地局装置80を介してVoDサーバ40にアクセスし、視聴データの送信要求を行う。その視聴データがVoDサーバ40に存在する場合であって、要求したユーザによる視聴が可能なように設定されている場合、通信部18は、VoDサーバ40から視聴データを取得できる。取得された視聴データは、登録部16に送られる。また、出力制御部28を介して、取得できた旨が表示装置30に表示される。
取得できた旨を確認したユーザは、操作部24を操作することによって、その視聴データについて、すでに記憶部22に登録されたユーザごとに、視聴させてもよいか否かを示すフラグを登録部16に登録する。この登録処理は、視聴データを取得するごとに実行されてもよく、また、まとめて実行されてもよい。また、登録処理は、記憶部22に新たにユーザを登録した場合にも実行される。ユーザが設定すべき視聴させてもよいか否かを示すフラグの数は、ユーザの総数と視聴データの総数の積により表される。このため、たとえば、視聴データを2つ取得した場合であって、表示制御装置10に3人のユーザが登録されている場合、ユーザは、6つのフラグを設定する必要がある。具体例については後述することとする。
なお、視聴データがVoDサーバ40に存在しない場合や、その視聴データが、要求したユーザによる視聴が可能なように設定されていない場合、通信部18は、その旨を示す信号を受信し、表示装置30は、視聴データをVoDサーバ40に表示しない、あるいは、その視聴データは視聴不可能である旨を示す表示を出力する。
図示しない無線LAN基地局装置80は、表示制御装置10が設置された場所の近辺に存在する無線端末装置20との間で無線通信を実行する。また、無線LAN基地局装置80は、無線通信を実行している無線端末装置20からその識別情報を取得し、通信部18を介して、取得された識別情報を認証部14に送る。つぎに、認証部14は、記憶部22にアクセスすることによって、無線LAN基地局装置80から送られた識別情報が記憶部22に登録されているか否かを判定し、その結果を登録部16に通知する。
登録部16は、識別情報が記憶部22に登録されている旨を通知された場合、その識別情報に対応する無線端末装置20を有するユーザが帰宅したと判定し、その識別情報に対応するフラグを「在宅」に設定する。なお、登録部16は、識別情報が記憶部22に登録されていない旨を通知された場合、その無線端末装置20に対して、通信を拒否する旨の信号を送信してもよい。
通信部18は、認証部14によって認証された無線端末装置20との間で、定期的に識別情報の取得を行い、前述と同様の認証処理を実行する。ここで、所定の回数以上連続して、「在宅」と登録されたユーザの無線端末装置20が認識できなかった場合、そのユーザは外出したと判断して、表示制御装置10は、そのユーザを外出中のユーザとして、フラグを「外出」に設定する。
ここで、ユーザが表示装置30に視聴データを表示させる場合、記憶部22に「在宅」と登録されたユーザのすべてについて、視聴可能と登録されている視聴データのみが表示可能となる。一方、いずれか1人のユーザの視聴データについて、視聴不可能と登録されている場合、ユーザは、表示装置30にその視聴データを出力させることができない。具体的には、表示装置30にすべての視聴データが含まれるリストが表示され、視聴が制限されている視聴データは、ユーザによる選択ができないように設定される。なお、表示装置30に視聴データのリストが表示され、そのリストから視聴不可能と登録されている視聴データが除かれることによって、ユーザによる選択を制限してもよい。したがって、そのユーザが外出するか、もしくは、登録の内容を変更しないかぎり、その視聴データは、表示装置30に出力されることがない。
例を用いて説明する。図4(a)〜(d)は、図3の記憶部22における第1、第2の登録例および表示装置30における第1、第2の表示例を示す図である。図4(a)、(c)に図示するごとく、第1、第2の登録例は、「無線端末装置20のID」を示すID欄500と、「視聴データごとの視聴可否を示す情報」を示す視聴フラグ欄510と、「在宅/外出を示す情報」を示す在宅フラグ欄520とから構成される。ここでは、ID欄500として、4つのIDが登録される。また、視聴データはN個登録され、各IDについて、「視聴データごとの視聴可否を示す情報」として、視聴フラグ欄510に、視聴が可能な場合「○」、視聴が不可能な場合「×」が登録される。また、各IDごとに、「在宅/外出を示す情報」が「在宅」もしくは「外出」として登録される。なお、無線LAN基地局装置80と無線端末装置20間との通信の際に距離情報が得られる場合、在宅フラグの他に無線端末装置20がFMC通信システム400が視聴できるほど近くにいることを示す「在室」を表す在室フラグを付け加えても良い。
図4(a)に示す第1の登録例においては、ID欄500の「A」と「B」は、すべての視聴データについて、視聴フラグ欄510が「○」と登録され、また、双方の在宅フラグ欄520とも「在宅」と登録されている。一方、ID欄500が「C」の場合、視聴データNo.2とNo.3は、視聴フラグ欄510が「×」と登録されており、視聴データNo.1とNo.Nについては、視聴フラグ欄510に「○」と登録されている。また、在宅フラグ欄520は「外出」と登録されている。なお、視聴フラグ欄510において登録される「○」とは、その視聴データを、対応するユーザが視聴可能であることを示し、「×」とは、視聴不可能であることを示すフラグである。
さらに、ID欄500が「D」の場合、視聴データNo.2とNo.Nについて、視聴フラグ欄510が「×」と登録されている。また、ID欄500が「D」の在宅フラグ欄520は「在宅」と登録されている。なお、説明の便宜上、ここでは、視聴データNo.4〜No.(N−1)については、いずれのIDについても、視聴フラグ欄510には「×」が登録されているものとする。
図4(a)に示す第1の登録例の状態においては、在宅フラグ欄520に「在宅」と登録されているユーザは、「A」、「B」および「D」の3人である。ここで、3人のうち、視聴フラグ欄510に「×」と登録されているのは、ユーザ「D」についての視聴データNo.2とNo.Nの視聴データである。したがって、この状態においては、たとえ、「A」、「B」にかかるユーザが視聴データNo.2もしくはNo.Nを視聴したい場合であっても、それらは「D」にとって好ましくない視聴データであり、あらかじめ視聴フラグ欄510に「×」と登録されているため、表示装置30に出力されることがなくなる。したがって、ユーザは、表示装置30に、No.1もしくはNo.3のいずれかの視聴データを出力できることとなる。なお、在室フラグが使用できる場合、「在宅」の代わりに「在室」かどうかで判断してもよい。
図4(b)は、図4(a)の第1の登録例における表示装置30の第1の表示例を示す図である。第1の表示例は、視聴データごとに、「視聴データNo.」と「視聴データ名」とを含む。前述のように、図4(a)の第1の登録例の場合に視聴できる視聴データは、No.1もしくはNo.3のいずれかの視聴データとなり、図示するごとく、表示装置30に、視聴できる視聴データとして、No.1とNo.3が表示されることとなる。
図4(c)に示す第2の登録例においては、図4(a)に示す第1の登録例と比べ、ID欄500の「C」の在宅フラグ欄520に「在宅」と登録されている点が異なる。これは、「C」にかかる無線端末装置20を所有するユーザが帰宅したことを示している。
図4(c)に示す第2の登録例の状態においては、在宅フラグ欄520に「在宅」と登録されているユーザは、全員である。したがって、第1の登録例と異なり、全員についての視聴フラグ欄510に示されるそれぞれのフラグが考慮されることとなる。したがって、この状態においては、視聴データNo.1のみが視聴可能となり、第1の登録例において視聴可能であったNo.3を含むその他の視聴データは視聴できなくなる。このような態様により、新たに帰宅したユーザを含む在宅中のメンバにしたがって、出力される視聴データの制限内容が変更されるため、好ましくない視聴データが誤って出力されることを防止できる。
図4(d)は、図4(c)の第2の登録例における表示装置30の第2の表示例を示す図である。第2の表示例は、第1の表示例と同様に、視聴データごとに、「視聴データNo.」と「視聴データ名」とを含む。前述のように、図4(c)の第2の登録例の場合に視聴できる視聴データは、No.1の視聴データのみとなり、図示するごとく、表示装置30に、視聴できる視聴データとして、No.1のみが表示されることとなる。なお、図4(b)、(d)に示す第1、第2の表示例は、無線端末装置20のディスプレイに表示されてもよい。
上述したこれらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
つぎに、図2の表示制御装置10の動作について説明する。図5は、図2の表示制御装置10の動作例を示すフローチャートである。この処理は、定期的に実行されてもよく、また、ユーザの指定により実行してもよい。なお、この処理にさきだって、管理ユーザにより、ユーザごとの識別情報の登録、および、視聴データの視聴可否にかかう情報が登録されているものとする。
まず、表示制御装置10は、記憶部22にアクセスし、所定の視聴データを選択して、その視聴データが視聴可能かどうかを判定する(S10)。ここで、「在宅」にかかるユーザのうち、いずれか1人のユーザがその視聴データの視聴が可能でない場合(S10のN)、表示制御装置10は、その視聴データの出力を制限する(S12)。一方、「在宅」にかかるユーザのうち、すべてのユーザがその視聴データの視聴が可能である場合(S10のY)、表示制御装置10は、他に判定すべき視聴データが存在するか否かを確認する(S14)。ここで、判定すべき他の視聴データが存在する場合(S14のY)、S10の処理に戻る。一方、全ての視聴データについて判定済みである場合(S14のN)、表示制御装置10は、すでに判定した結果をもとに、制限された視聴データのリストを表示装置30に表示する(S16)。
図6は、図2の第1表示制御システム100の動作例を示すシーケンス図である。まず、ユーザは、表示制御装置10に対し、初期登録として、登録すべきユーザの無線端末装置20にかかる識別番号を登録する(S100)。つぎに、ユーザは、VoDサーバ40に対し、無線LAN基地局装置80を介し、視聴データを要求する(S102、S104)。VoDサーバ40は、要求にかかる視聴データを無線LAN基地局装置80を介して表示制御装置10に送信する(S106、S108)。ここで、ユーザは、受信した視聴データについて、S100の処理で登録したユーザごとに視聴の可否を判断して、表示制御装置10にフラグを登録する(S110)。
ここで、第1無線端末装置20aを所有するユーザが帰宅した場合(S112)、第1無線端末装置20aは、無線LAN基地局装置80を介し、表示制御装置10に対し、自己の識別情報を送信する(S114、S116)。つぎに、表示制御装置10は、受信した識別情報がS100で登録された識別情報と一致するか否かを判定し、一致する場合、第1無線端末装置20aを認証し(S118)、通信を許可する。さらに、表示制御装置10は、S110の処理によって登録されたフラグを確認し、S108等の処理で取得した視聴データを第1無線端末装置20aにかかるユーザに視聴させてもよいか否かを判定する(S120)。第1無線端末装置20aにかかるユーザに視聴させてもよいと判定された場合、表示装置30に対し、出力処理を行なう(S122)。
ついで、第2無線端末装置20bを所有するユーザが帰宅した場合(S124)、S114〜S120と同様の処理を実行する(S126〜S132)。ここで、すでに表示装置30に表示されている視聴データが、第2無線端末装置20bにかかるユーザに視聴させるべきでないと判定された場合、表示装置30に対し、出力制限処理を行なう(S134)。
上述の態様によると、取得された識別情報に対応する出力許容情報にしたがって、視聴データを出力装置に出力させることによって、特定のユーザに視聴させるべきでない映像の出力を制限できる。また、新たに登録された新規識別情報とすでに登録された識別情報のそれぞれに対応づけられた出力許容情報に応じて選択された視聴データを出力装置に出力させることによって、視聴データが新たに帰宅したユーザに視聴させるべきでない映像である場合であっても、その出力を制限できる。
次に、本発明の実施形態の変形例を示す。なお、前述した実施形態と共通する部分については同一の符号を付して説明を簡略化する。まず、概要を説明する。本変形例は、第2表示制御システム200に関する。第2表示制御システム200は、図2に示す第1表示制御システム100と同様の構成をとる。
第2表示制御システム200においては、まず、無線端末装置20は、あらかじめVoDサーバからダウンロードした所定の視聴データを記憶していることを前提とし、ユーザがその視聴データを表示装置30に表示することを要求した場合を想定している。要求処理は、ユーザが表示制御装置10を操作することによって実行されてもよく、また、無線端末装置20を操作することによって実行されてもよい。
一般的に、無線端末装置20に記憶されたデータをテレビジョン受像装置などの大型の表示装置に出力する場合、データの転送速度は遅く、また、画質が劣化することが多いため、これを回避することが望ましい。したがって、本変形例においては、表示制御装置10は、まず、VoDサーバ40に対し、要求にかかる視聴データを視聴できるか否かについて問い合せる。そして、VoDサーバ40から視聴できない旨の回答があった場合、表示制御装置10は、無線端末装置20から視聴データを取得して、表示装置30に出力する。一方、VoDサーバ40から視聴できる旨の回答があった場合、表示装置30は、その視聴データをVoDサーバ40から取得して、表示装置30に出力する。
このように、表示すべき視聴データがVoDサーバ40にも存在する場合は、無線端末装置20に記憶された視聴データを取得するのではなく、VoDサーバ40に記憶された視聴データを優先する。このような態様により、無線端末装置20ではなく、優先的にVoDサーバ40から視聴データを取得することによって、出力される視聴データの転送速度や品質をより向上できる。
図7は、本発明の実施形態の変形例にかかる表示制御装置10の構成例を示す図である。図7は、通信部18と、操作部24と、出力制御部28と、問合部32とを含む。なお、説明の便宜上、図7においては、図3に図示した構成のうち、認証部14、登録部16、記憶部22、要求部26の図示を省略したが、これらが第2表示制御システム200に含まれていてもよい。以下においては、所定の視聴データを表示装置30に出力するために、ユーザが無線端末装置20を操作した場合について説明する。この場合においては、まず、無線端末装置20から表示制御装置10に要求信号を送信する。
通信部18は、図示しない無線LAN基地局装置80を介して、無線端末装置20から送信された所定の視聴データの要求信号を受信する。受信された要求信号は、問合部32に伝えられる。問合部32は、要求信号にかかる視聴データについて、VoDサーバ40に対し、問い合せ信号を通信部18に送信させる。ここで、問い合せ信号とは、「VoDサーバ40に記憶されている所望の視聴データを視聴可能か否か」を示す信号である。「視聴可能か否か」とは、「VoDサーバ40に所望の視聴データが記憶されているか否か」を含み、要求したユーザに「視聴できる権限があるか否か」を含む。
つぎに、問合部32は、無線LAN基地局装置80と通信部18とを介して、VoDサーバ40からの回答を取得する。ここで、回答が「視聴可能」を示す場合、問合部32は、VoDサーバ40から視聴データを取得し、出力制御部28に送る。出力制御部28は、送られた視聴データを表示装置30に表示させる。一方、回答が「視聴不可能」を示す場合、問合部32は、無線LAN基地局装置80に対し、無線端末装置20から視聴データを取得することを通信部18を介して指示する。無線LAN基地局装置80は、無線端末装置20に対し、視聴データの要求信号を送信する。さらに、無線LAN基地局装置80は、無線端末装置20から送信された視聴データを受信し、出力制御部28に送る。出力制御部28は、送られた視聴データを表示装置30に表示させる。
つぎに、本変形例の第2表示制御システム200にかかる表示制御装置10の動作について説明する。図8は、本発明の実施形態の変形例にかかる表示制御装置10の動作例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザが無線端末装置20や表示制御装置10を操作することによって所定の視聴データが選択されたことを契機として開始されてもよい。
表示制御装置10は、要求にかかる視聴データが視聴可能であるか否かについて、VoDサーバ40に問い合わせる(S20)。VoDサーバ40からの回答が「視聴可能」を示している場合(S22のY)、表示制御装置10は、VoDサーバ40からその視聴データを取得する(S24)。一方、VoDサーバ40からの回答が「視聴不可能」を示している場合(S22のN)、表示制御装置10は、無線端末装置20からその視聴データを取得する(S26)。さらに、表示制御装置10は、取得した視聴データを表示装置30に出力する(S28)。
図9は、本発明の実施形態の変形例にかかる第2表示制御システム200の動作例を示すシーケンス図である。まず、ユーザは、VoDサーバ40からダウンロードされた無線端末装置20を操作することにより、無線端末装置20は、その視聴データを表示装置30に出力するための要求信号を無線LAN基地局装置80を介し表示制御装置10に伝える(S200、S202)。つぎに、表示制御装置10は、要求にかかる視聴データを視聴可能か否かを無線LAN基地局装置80を介しVoDサーバ40に問い合せる(S204、S206)。
VoDサーバ40は、当該ユーザが、要求にかかる視聴データを視聴できるか否かを判定する。視聴可能である場合、VoDサーバ40は、無線LAN基地局装置80を介し、その旨を回答する(S208、S210)。この場合、表示制御装置10は、視聴可能と回答された視聴データを無線LAN基地局装置80を介しVoDサーバ40に要求する(S212、S214)。VoDサーバ40は、無線LAN基地局装置80を介し、要求された視聴データを送信する(S216、S218)。表示制御装置10は、送信された視聴データを表示装置30に出力する(S220)。
上述の態様をとることによって、サーバから所望の視聴データを出力できる旨の回答があった場合、サーバから優先的に視聴データを取得して出力装置に出力させることによって、高速な出力処理が実現でき、また、出力される視聴データの質も向上できる。一方、サーバから所望の視聴データを出力できない旨の回答があった場合には、無線端末装置20から視聴データを取得して出力装置に出力させることができる。このように、状況に応じて、出力元の装置を切替えることによって、システムの柔軟性を向上できる。
次に、本発明の実施形態の別の変形例を示す。なお、前述した実施形態と共通する部分については同一の符号を付して説明を簡略化する。まず、概要を説明する。本変形例は、第3表示制御システム300に関する。図10は、本発明の実施形態の別の変形例にかかる第3表示制御システム300の構成例を示す図である。第3表示制御システム300は、図2に示す第1表示制御システム100の構成と比べ、現在地取得装置60と第3無線端末装置20cとをさらに含む。ここで、現在地取得装置60は、第3無線端末装置20cとの間で移動通信を実行できる基地局装置としての構成、機能を含む。
ここで、第3無線端末装置20cは、GPS通信衛星と通信を実行し、現在地に関する情報を取得する構成、機能を含む。現在地に関する情報には、複数のGPS通信衛星から受信したいわゆる航法メッセージを含む。第3無線端末装置20cは、取得した航法メッセージを現在地取得装置60に通知し、現在地取得装置60が通知された航法メッセージをもとに、第3無線端末装置20cの現在地を推定する。また、本変形例における表示制御装置10は、図3に示す構成と同様の構成をとってもよい。以下においては、図10、および、図3を用いて、本変形例について説明する。
一般的に、無線端末装置の現在地を表示する表示システムにおいては、現在地を確認するユーザが、PCなどを操作することによって、所定のユーザの無線端末装置の現在地を把握していた。しかしながら、確認できる現在地は、あくまでも、現在における所在地であるため、時間の経過とともにその所在地が変わることまでは確認できなかった。たとえば、現在地を確認されるユーザが子供である場合、子供の所在地を確認する親は、定期的にPCを操作するなどといった作業が必要であった。
そこで、本実施形態においては、現在地を確認すべきユーザが宅内に存在し、かつ、現在地が確認されるべきユーザが宅内に存在しない場合、制御装置は、現在地が確認されるべきユーザの所有する無線端末装置の現在地を定期的に取得することによって、逐一、そのユーザの現在地を表示画面等に表示させることとした。
まず、本変形例における表示制御装置10は、前述した実施形態と同様に、ユーザごとの識別情報や「在宅/外出を示す情報」を登録/削除することによって、入退出の管理を実行する。また、表示制御装置10は、ユーザごとに、「現在地を確認すべきユーザか否か」を示すフラグも管理する。このフラグは、管理ユーザによって設定される。以上の状態において、出力制御部28は、まず記憶部22にアクセスし、「外出」と登録されているユーザを確認する。
ここで、「外出」と登録されたユーザが「現在地を確認すべきユーザ」である場合、出力制御部28は、通信部18と無線LAN基地局装置80とを介して、現在地を取得させる。通信部18は、現在地取得装置60にアクセスすることによって、第3無線端末装置20cに現在地を取得させる。たとえば、「現在地を確認すべきユーザ」が図10に示す第3無線端末装置20cである場合、第3無線端末装置20cは、GPS通信衛星から現在地に関する情報を取得し、その情報を現在地取得装置60に伝える。現在地取得装置60は、伝えられた現在地に関する情報をもとに、第3無線端末装置20cの現在地を推定し、推定された結果を表示制御装置10に無線LAN基地局装置80を介して通知する。なお、通信部は第3無線端末装置20cにアクセスし、第3無線端末装置20cが現在地取得装置60とのやり取りで得た現在地情報を通知しても良い。
つぎに、通信部18は、現在地取得装置60から取得した現在地にかかる情報を出力制御部28に通知する。出力制御部28は、通知された現在地にかかる情報を表示装置30に表示する。また、出力制御部28は、現在地を表示する際に、その現在地にかかるユーザ、たとえば、第3無線端末装置20cを所有するユーザの氏名などと対応づけて、表示してもよい。なお、「現在地を確認すべきユーザ」が複数人の場合も、表示制御装置10は、前述と同様に現在地を取得し、ユーザごとの現在地を表示装置30に表示する。また、現在地の取得は、ユーザの指示により開始されてもよく、また、定期的に実行されてもよい。これにより、第3無線端末装置20cのユーザを管理するユーザは、定期的に、第3無線端末装置20cのユーザの所在地を容易に認識できる。
具体例を用いて説明する。図11は、図10の表示制御装置10におけるメモリの登録例を示す図である。図示するごとく、登録例は、「無線端末装置20のID」を示すID欄500と、「現在地表示フラグ」を示す現在地表示フラグ欄530と、「在宅/外出を示す情報」を示す在宅フラグ欄520とから構成される。ここでは、ID欄500に、4つのIDが登録されている。また、各IDごとに、在宅フラグ欄520に「在宅」もしくは「外出」を示すフラグが登録されている。
ここで、現在地表示フラグ欄530には、ID欄500に示す「A」と「B」について「不要」と登録され、「C」と「D」について「要」と登録されている。また、在宅フラグ欄520には、ID欄500に示す「A」と「D」について「在宅」と登録され、「B」と「C」について「外出」と登録されている。以上のような登録例の場合、在宅フラグ欄520に「外出」と登録され、かつ、現在地表示フラグ欄530に「要」と登録されているユーザは、「C」にかかる無線端末装置20の所有者となる。したがって、表示制御装置10は、ユーザCの無線端末装置20の現在地を取得し、その現在地を表示装置30に表示することとなる。
つぎに、本変形例の第3表示制御システム300にかかる表示制御装置10の動作について説明する。図12は、本発明の実施形態の別の変形例にかかる表示制御装置10の動作例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザの指定により実行されてもよく、また、定期的に実行されてもよい。
表示制御装置10は、記憶部22にアクセスし、所定のユーザを選択して、そのユーザが外出中であるか否かを判定する(S30)。ここで、所定のユーザが「外出」であった場合(S30のY)、表示制御装置10は、その所定のユーザの「現在地表示フラグ」を確認する(S32)。ここで、「現在地表示フラグ」が「要」を示す場合(S32のY)、表示制御装置10は、現在地取得装置60から、そのユーザの現在地を取得する(S34)。さらに、表示制御装置10は、取得した現在地を表示装置30に出力して(S36)、S38の処理に移る。一方、所定のユーザが「在宅」であった場合(S30のN)や、「現在地表示フラグ」が「不要」を示す場合(S32のN)も、S38の処理に移る。ここで、判定すべき他のユーザが存在する場合(S38のN)、S30の処理に戻る。一方、判定すべき他のユーザが存在しない場合(S38のY)、処理を終了する。
図13は、本発明の実施形態の別の変形例にかかる第3表示制御システム300の動作例を示すシーケンス図である。以下においては、第1無線端末装置20aおよび第2無線端末装置20bを携帯するそれぞれのユーザは、「在宅」と登録されているものとする。まず、無線LAN基地局装置80は、定期的に、第1無線端末装置20aと第2無線端末装置20bとの間でそれぞれ通信を実行する(S301、S302)。ここで、第2無線端末装置20bを携帯するユーザが外出したと仮定する(S303)。そうすると、図示するごとく、無線LAN基地局装置80が第2無線端末装置20bに対し、その存在を確認するための信号を送信した(S304)としても、第2無線端末装置20bからは応答がなくなる。ここで、所定の回数以上連続して応答がない場合、第2無線端末装置20bを携帯するユーザは外出したと判断して、無線LAN基地局装置80は、表示制御装置10に対し、その旨を示す信号を送信する(S305)。表示制御装置10は、第2無線端末装置20bを携帯するユーザを外出中のユーザとして、在宅フラグを「外出」に登録する(S306)。つぎに、表示制御装置10は、在宅フラグが「外出」と登録した第2無線端末装置20bについて、その識別情報に対応する現在地表示フラグが「要」と登録されているか否かを判定する(S308)。
ここで、第2無線端末装置20bの識別情報について、対応する現在地表示フラグが「要」と登録されている場合、表示制御装置10は、無線LAN基地局装置80を介して、現在地取得装置60に対し、第2無線端末装置20bの現在地を取得する旨の要求信号を送信する(S310、S312)。現在地取得装置60は、要求信号を受信したことを契機として、第2無線端末装置20bに対し、現在地に関する情報を送信する旨の要求信号を送信する(S314)。第2無線端末装置20bは、その要求信号を受け、GPS衛星通信と通信を実行することによって、現在地に関する情報を取得する(S316)。さらに、第2無線端末装置20bは、所得して現在地に関する情報を現在地取得装置60に送信する(S318)。
現在地取得装置60は、第2無線端末装置20bから受信した現在地に関する情報にもとづいて、第2無線端末装置20bの現在地を推定する(S320)。さらに、現在地取得装置60は、推定した第2無線端末装置20bの現在地を無線LAN基地局装置80を介して表示制御装置10に送信する(S322、S324)。表示制御装置10は、取得した第2無線端末装置20bの現在地を表示装置30に出力する(S326)。
上述の態様をとることによって、識別情報が取得されなかった無線端末装置20が表示装置30に現在地を出力すべき無線端末装置20である場合に、無線端末装置20の現在地を取得し、取得された現在地を無線端末装置20を示す表示と対応させながら表示装置30に出力させることによって、柔軟に無線端末装置20の現在地をユーザが認識できる。また、定期的に取得した無線端末装置20の現在地を表示することによって、ユーザは、無線端末装置20を所有するユーザの直近の現在地を逐一把握できる。また、ユーザによる操作を介さずに、その無線端末装置20を所有するユーザの直近の現在地を表示するため、ユーザの利便性を高め、また、無線端末装置20を所有するユーザのセキュリティを強化できる。
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。また、本発明の実施形態について、その変形例、および、別の変形例もそれぞれ説明したが、そのぞれの形態を組み合わせた態様も本発明の範囲に含まれることは、当業者に理解されるところである。
なお、視聴データは、あらかじめ取得するとして説明したが、これにかぎらず、まず、表示制御装置10は視聴データのリストを取得し、リストにもとづいて表示制御装置10に登録されたユーザごとの視聴可否フラグをもとに、取得すべき視聴データを選別し、選別された視聴データのみをVoDサーバ40から取得してもよい。また、この取得処理は、ストリーミングにより実行されてもよい。これにより、通信コストが低減できる。また、上述と同様の効果も得られることは言うまでもない。
ユーザにかかる在宅/外出フラグは、無線LAN基地局装置80と無線端末装置20とが通信を実行することにより、設定されるとして説明した。しかしながらこれにかぎらず、無線LAN基地局装置80が所定の期間連続して、そのユーザの無線端末装置20を認識したことを契機として、在宅/外出フラグを「在宅」と登録し、また、無線LAN基地局装置80が所定の期間連続して、そのユーザの無線端末装置20を認識できなかったことを契機として、在宅/外出フラグを「外出」と登録してもよい。所定の回数以上連続して、「在宅」と登録されたユーザの無線端末装置20が認識できなかった場合、そのユーザは外出したと判断できるため、表示制御装置10は、そのユーザを外出中のユーザとして登録する。
また、本発明の実施態様として、実施形態、その変形例、別の変形例として説明したが、本発明は、それらの態様を組み合わせても実施可能であることは当業者にとって容易に理解されるところである。また、組み合わせることによって、それぞれの効果が重畳されるため、ユーザにとって、より利便性の高いシステムを実現できることは言うまでもない。
10 表示制御装置、 14 認証部、 16 登録部、 18 通信部、 20 無線端末装置、 22 記憶部、 24 操作部、 26 要求部、 28 出力制御部、 30 表示装置、 32 問合部、 40 VoDサーバ、 50 ネットワーク、 52 移動通信ネットワーク、 54 固定通信ネットワーク、 60 現在地取得装置、 70 移動通信用基地局装置、 80 無線LAN基地局装置、 92 移動無線用アンテナ、 94 無線LAN用アンテナ、 100 第1表示制御システム、 200 第2表示制御システム、 300 第3表示制御システム、 400 FMC通信システム、 410 第1通信エリア、 420 第2通信エリア、 430 第3通信エリア、 500 ID欄、 510 視聴フラグ欄、 520 在宅フラグ欄、 530 現在地表示フラグ欄。