JP2007266363A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体で濡れた基板表面を乾燥させる際に基板表面に形成されたパターンの倒壊が発生するのを防止しながら、簡素な構成で基板表面を良好に乾燥させる。
【解決手段】近接ブロック3の対向面31が基板表面Wfに対して近接配置され、対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPに液密層23が形成された状態で近接ブロック3が移動方向(−X)に移動する。対向面31を規定する辺部のうち移動方向の上流側(+X)に位置する上流辺部33と接続されるとともに該上流辺部33から移動方向の上流側(+X)を臨みながら基板表面Wfから離れる方向に傾斜して延設されている延設面32に、近接ブロック3の移動開始前より溶剤30aが保持されており、蒸発した溶剤ベーパ30bの液密層23の液体への溶解によって表面張力を低下させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置および基板処理方法に関するものである。なお、乾燥処理対象となる基板には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板等が含まれる。
処理液による洗浄処理および純水などのリンス液によるリンス処理が行われた後、基板上面に液膜状に付着するリンス液を除去すべく、数多くの乾燥方法が従来より提案されている。そのうちのひとつとして、マランゴニ効果を利用した乾燥方法が知られている。この乾燥方法は、表面張力差によって生まれる対流(マランゴニ対流)により基板を乾燥させる方法であり、特に枚葉式の基板処理装置では、マランゴニ効果を利用した乾燥処理とスピン乾燥処理とを組み合わせた、いわゆるロタゴニー乾燥が知られている。
このロタゴニー乾燥では、回転している基板の中心の上方からIPA(イソプロピルアルコール)ベーパと純水とをそれぞれノズルから基板に吹き付ける。そして、これらのノズルを徐々に基板の径方向外側に移動させていくことで、IPAベーパが吹き付けられている部分から乾燥がはじまり、基板の中心から周縁に乾燥領域が広がり基板全面を乾燥させている。つまり、基板上の純水を基板の回転に伴う遠心力の作用と、IPAベーパの吹き付けによるマランゴニ効果とにより基板から除去することで乾燥させている。
また、マランゴニ効果を利用した他の基板の乾燥方法としては、例えば特許文献1に記載された乾燥方法が知られている。この乾燥方法を実行する基板処理装置は、洗浄処理とすすぎ(リンス処理)が施された基板を複数のローラにより搬送しながら、該基板を乾燥させる装置である。この装置では、基板の搬送経路に沿って支切り板と水切りブロックとが直列配置されている。このため、水滴が付着している基板が支切り板に搬送されてくると、その水滴の大半が支切り板により除去される。それに続いて、基板は水切りブロックに搬送されてくるが、搬送中の基板と水切りブロックとの間には、僅かの隙間が形成されているため、支切り板をすり抜けてきた水滴は毛細管現象によって水切りブロックの幅方向に拡散される。さらに、この水切りブロックの出口側では、IPAガスを混合させた不活性ガスが基板表面に向けて供給されている。このガス供給によってマランゴニ効果が生じて残存水滴が蒸発乾燥される。
特開平10−321587号公報(図2)
ところで、基板表面に形成されるパターンの微細化が近年急速に進められているが、この微細化に伴って基板処理において新たな問題が生じることとなった。すなわち、乾燥処理を行っている間に、微細パターン同士が引き寄せられて倒壊する問題があった。具体的には、乾燥処理の進展に伴って液体と気体との界面が基板上に現れるが、微細パターン同士がパターンの間隙に発生する負圧によって引き寄せられて倒壊する問題があった。このパターンの間隙に発生する負圧の大きさは液体の表面張力に依存し、液体の表面張力が大きいほど大きくなる。そのため、純水で濡れた基板表面を乾燥させる場合には、純水よりも表面張力の小さな流体、例えばIPAを用いることがパターン倒壊防止に有効となっている。
しかしながら、ロタゴニー乾燥では、基板を回転させながら基板の乾燥を行っているので次のような問題があった。すなわち、基板表面にIPAベーパを供給しても、基板の回転に伴う気流の影響により基板からすぐにIPAベーパが排出されてしまい、IPAを基板表面に付着する純水に十分に溶け込ませることができない。その結果、基板表面に付着する液体(純水+IPA)の表面張力を十分に低下させることができず、パターン倒壊防止に十分な効果を発揮することが困難となっていた。
また、ロタゴニー乾燥では、基板の回転に伴う遠心力とIPAベーパの吹き付けによるマランゴニ効果とにより基板の中心から周縁にかけて乾燥領域を徐々に広げながら基板を乾燥させている。このため、基板に付着する純水に対して2種類の力、つまり遠心力とマランゴニ対流によって引き起こされる力とが作用する。しかしながら、ロタゴニー乾燥では、これら2種類の力のバランスを制御することが困難であり、気液固界面を制御することが事実上出来なかった。このため、気液固界面を一方向(径方向外向き)に、かつ均等な速度で移動させることができず、乾燥された基板表面領域が再び濡れるなどしてウォーターマーク発生等の乾燥不良を引き起こしてしまう場合があった。
また、ロタゴニー乾燥や上記特許文献1に記載された乾燥方法では、IPAベーパ(IPAガス)を供給して基板の乾燥を行っているので次のような問題があった。すなわち、IPAなどの溶剤は、常温常圧では液体のため、基板表面にIPAベーパを供給するためには、液体のIPAからIPAベーパを製造することが必要になる。そのため乾燥のための装置構成や工程の複雑化を招いていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、液体で濡れた基板表面を乾燥させる際に基板表面に形成されたパターンの倒壊が発生するのを防止しながら、簡素な構成で基板表面を良好に乾燥させることができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
この発明にかかる基板処理装置の第1態様は、液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置であって、上記目的を達成するため、基板表面に対向する対向面を有し、該対向面が基板表面から離間配置されるとともに該対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体が満たされて液密層が形成された状態で、基板に対して所定の移動方向に相対移動自在な近接部材と、近接部材を基板に対して移動方向に相対移動させる駆動手段とを備え、近接部材は、所定の溶剤を液密層の移動方向の上流側界面近傍に保持する保持部を有し、溶剤は、同一温度での飽和蒸気圧が液体より高く、かつ表面張力が液体より低いことにより、保持部に保持されている間に蒸発した成分の液体への溶解によって表面張力を低下させるものであることを特徴としている。
また、この発明にかかる基板処理方法の第1態様は、液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理方法であって、上記目的を達成するため、基板表面に対向する対向面を有する近接部材を、対向面が基板表面から離間するように配置することによって対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体を満たして液密層を形成する工程と、液密層が形成された状態を維持しつつ近接部材を基板に対して所定の移動方向に相対移動させる工程と、近接部材の相対移動前または相対移動開始時点より、所定の溶剤を近接部材に設けられた保持部によって液密層の移動方向の上流側界面近傍に保持させる工程とを備え、溶剤は、同一温度での飽和蒸気圧が液体より高く、かつ表面張力が液体より低いことにより、保持部に保持されている間に蒸発した成分の液体への溶解によって表面張力を低下させるものであることを特徴としている。
このように構成された発明(基板処理装置および方法)の第1態様によれば、近接部材の対向面が基板表面から離間配置されるとともに該対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体が満たされて液密層が形成されている。そして、この状態を維持しつつ近接部材が基板に対して所定の移動方向に相対移動する。このため、液密層の該移動方向の上流側界面、つまり気液固界面の位置が近接部材によってコントロールされ、上流側界面の乱れを防止することができる。また、近接部材の保持部によって液密層の移動方向の上流側界面近傍に保持されている溶剤が、同一温度での飽和蒸気圧が液体より高く、かつ表面張力が液体より低いことにより、保持部に保持されている間に蒸発した成分の液体への溶解によって表面張力を低下させるものである。したがって、その溶剤が蒸発して発生した溶剤ベーパの一部が液密層の上流側界面の液体に溶解し、これによって、液密層の上流側界面(気液固界面)での表面張力が低下してマランゴニ対流が引き起こされる。その結果、液密層を構成する液体が移動方向の下流側に引っ張られて上流側界面も下流側に移動する。これによって、この界面移動に対応する基板表面領域を乾燥させることができる。
また、上記したように基板に付着する液体に溶剤ベーパを溶解することにより乾燥を行っているので、基板表面に微細パターンが形成されていたとしても、パターンの倒壊を有効に防止しながら基板表面を乾燥させることができる。すなわち、上流側界面(気液固界面)の位置をコントロールしながら、マランゴニ効果により基板を乾燥させているので、上流側界面が移動方向に行きつ戻りつして液密層を構成する液体が微細パターンに負荷を与えることがなく、パターン倒壊を有効に防止しながら基板表面を乾燥させることができる。しかも、基板を回転させることなく乾燥処理を行っているため、基板の回転に伴う遠心力に起因してパターン倒壊を引き起こすことがない。さらに、パターンの隙間に存在する液体に対しても溶剤ベーパが溶解して該液体の表面張力を低下させる。また、基板の回転に伴う気流の影響により基板から溶剤ベーパが拡散してしまうことがないため、溶剤ベーパの濃度を高濃度に保つことができ、その結果、液体の表面張力の低下を促進することができる。これにより、パターンの間隙に発生する負圧を低減して、パターンの倒壊を効果的に防止することができる。また、溶剤ベーパとして溶剤が自然蒸発して発生したものを用いているため、常温常圧で液状の溶剤から溶剤ベーパを製造するための構成が不要となり、乾燥のための装置構成や工程を簡素化することができる。
また、保持部により保持された溶剤および液密層の上流側界面を含む上流側雰囲気を取り囲むカバー部材を備えるようにしてもよい。このように構成された発明によれば、溶剤が自然蒸発して発生した溶剤ベーパがカバー部材によって閉じ込められるため、上流側雰囲気における溶剤ベーパの濃度をさらに高濃度に保つことができる。その結果、液密層の上流側界面での表面張力の低下を促進させ、マランゴニ対流による液密層の上流側界面の移動速度を向上できるとともに、パターン倒壊防止効果を高めることができる。
また、近接部材は、保持部として、対向面を規定する辺部のうち移動方向の上流側に位置する上流辺部と接続されるとともに該接続位置から移動方向の上流側を臨みながら基板表面から離れる方向に延設された延設面を有するようにすると、近接部材の構成を簡素化することができる。
また、近接部材の上流辺部の形状については、対向面と延設面とが鋭角をなすように構成するのが好ましい。すなわち、対向面と延設面とが鋭角、例えば30°未満の比較的小さい角度をなすように構成すると、溶剤が延設面から上流辺部を介して直ぐに液密層の上流側界面に流れ落ちてしまうのを防止して、延設面上に溶剤を好適に保持することができる。これによって、溶剤ベーパを継続して発生させることが可能になる。
また、近接部材は、保持部と、対向面を有する液密層形成部と、保持部と液密層形成部とを互いに連結する連結部とを含んでいるとしても、液密層の形成および溶剤の保持を近接部材により好適に行うことができる。
また、この発明にかかる基板処理装置の第2態様は、液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置であって、上記目的を達成するため、基板表面に対向する対向面を有し、該対向面が基板表面から離間配置されるとともに該対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体が満たされて液密層が形成された状態で、基板に対して所定の移動方向に相対移動自在な近接部材と、近接部材を基板に対して移動方向に相対移動させる駆動手段と、液体に溶解して表面張力を低下させる溶剤を液密層の移動方向の上流側界面に向けて供給する溶剤供給手段とを備えたことを特徴としている。
また、この発明にかかる基板処理方法の第2態様は、液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理方法であって、上記目的を達成するため、基板表面に対向する対向面を有する近接部材を、対向面が基板表面から離間するように配置することによって対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体を満たして液密層を形成する工程と、液密層が形成された状態を維持しつつ近接部材を基板に対して所定の移動方向に相対移動させる工程と、液体に溶解して表面張力を低下させる溶剤を液密層の移動方向の上流側界面に向けて供給する工程とを備えたことを特徴としている。
このように構成された発明(基板処理装置および方法)の第2態様によれば、近接部材の対向面が基板表面から離間配置されるとともに該対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体が満たされて液密層が形成されている。そして、この状態を維持しつつ近接部材が基板に対して所定の移動方向に相対移動する。このため、液密層の該移動方向の上流側界面、つまり気液固界面の位置が近接部材によってコントロールされ、上流側界面の乱れを防止することができる。また、液体に溶解して表面張力を低下させる溶剤が液密層の移動方向の上流側界面に向けて供給されているため、その溶剤が液密層の上流側界面の液体に溶解し、液密層の上流側界面(気液固界面)での表面張力が低下してマランゴニ対流が引き起こされる。その結果、液密層を構成する液体が移動方向の下流側に引っ張られて上流側界面も下流側に移動する。これによって、この界面移動に対応する基板表面領域を乾燥させることができる。ここで、溶剤が液密層の上流側界面に直接溶解するため、表面張力の低下を好適に促進することができる。
また、上記したように基板に付着する液体に溶剤を直接溶解することにより乾燥を行っているので、基板表面に微細パターンが形成されていたとしても、パターンの倒壊防止効果を高めながら基板表面を乾燥させることができる。すなわち、上流側界面(気液固界面)の位置をコントロールしながら、マランゴニ効果により基板を乾燥させているので、上流側界面が移動方向に行きつ戻りつして液密層を構成する液体が微細パターンに負荷を与えることがなく、パターン倒壊を有効に防止しながら基板表面を乾燥させることができる。しかも、基板を回転させることなく乾燥処理を行っているため、基板の回転に伴う遠心力に起因してパターン倒壊を引き起こすことがない。さらに、パターンの隙間に存在する液体に対しても溶剤が溶解して該液体の表面張力を低下させる。これにより、パターンの間隙に発生する負圧を低減して、パターンの倒壊を効果的に防止することができる。また、溶剤を直接液体に溶解しているため、常温常圧で液状の溶剤から溶剤ベーパを製造するための構成が不要となることから構成を簡素化できるという利点がある。
また、溶剤供給手段は、近接部材の対向面以外の非対向面に向けて溶剤を吐出する溶剤ノズルを有し、近接部材は、非対向面として、対向面を規定する辺部のうち移動方向の上流側に位置する上流辺部と接続されるとともに該接続位置から移動方向の上流側を臨みながら基板表面から離れる方向に延設された延設面を有し、溶剤ノズルから吐出された溶剤を延設面を介して上流辺部に導くとしてもよい。このように構成された発明によれば、近接部材の非対向面、つまり延設面に沿って溶剤を供給しているため、液密層の上流側界面に直接に溶剤を供給する場合と比較して、溶剤の流れを均一にして上流側界面に溶剤を供給することができ、液体の表面張力をより効果的に低下させることができる。
また、近接部材の上流辺部の形状については、対向面と延設面とが鋭角をなすように構成するのが好ましい。この構成によれば、延設面を介して溶剤を液密層の上流側界面に徐々に流下させることが可能となり、溶剤の流れをより一層均一にして上流側界面に溶剤を供給することができる。
また、近接部材は、延設面と対向して溶剤を上流辺部に向けて導く案内面をさらに有し、溶剤ノズルから吐出された溶剤で延設面と案内面との間を液密状態に満たしながら上流辺部に向けて溶剤を導くようにしてもよい。このように構成された発明によれば、溶剤を延設面と案内面との間でトラップしながら上流辺部に向けて流下させることができるので、溶剤の供給量が微量であっても溶剤の流れを均一にすることができる。このため、液密層の上流側界面に供給される溶剤量を一定にして、基板表面を均一に乾燥させる上で非常に有効となっている。
また、液密層の上流側界面より移動方向の上流側の基板表面に向けて不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段をさらに備えるようにすると、溶剤供給手段により供給された溶剤が基板表面上に残留していたとしても、これを蒸発させて基板表面を確実に乾燥させることができる。
なお、近接部材は、(1)親水性材料であること、(2)清浄度が要求されること、(3)加工容易性等の観点から石英で形成するのが好ましい。
また、本発明に用いられる溶剤としては、安全性、価格等の観点からIPA(イソプロピルアルコール)を用いることが好ましい。なお、溶剤としてエチルアルコール、メチルアルコールの各種溶剤を用いるようにしてもよい。
この発明にかかる基板処理装置および基板処理方法の第1態様によれば、基板表面から離間配置された対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体を満たして液密層を形成した状態で基板に対して近接部材を所定の移動方向に相対移動させるとともに、常温常圧で自然蒸発し、その蒸発した成分の液体への溶解によって表面張力を低下させる溶剤を、近接部材の保持部により液密層の移動方向の上流側界面近傍に保持させている。これにより、上流側界面の位置を近接部材によってコントロールしつつ、上流側界面でマランゴニ対流が引き起こされ、上流側界面が下流側に移動して、該界面移動に対応する基板表面領域が乾燥する。また、基板表面領域に微細パターンが含まれる場合であったとしても、上流側界面での表面張力を効果的に低下させているため、パターン倒壊を有効に防止することができる。また、溶剤ベーパとして溶剤が自然蒸発して発生したものを用いているため、常温常圧で液状の溶剤から溶剤ベーパを製造するための構成が不要となることから構成を簡素化できるという利点がある。
また、この発明にかかる基板処理装置および基板処理方法の第2態様によれば、基板表面から離間配置された対向面と基板表面とに挟まれた間隙空間に液体を満たして液密層を形成した状態で基板に対して近接部材を所定の移動方向に相対移動させるとともに、液体に溶解して表面張力を低下させる溶剤を液密層の移動方向の上流側界面に向けて供給している。これにより、上流側界面の位置を近接部材によってコントロールしつつ、上流側界面でマランゴニ対流が引き起こされ、上流側界面が下流側に移動して、該界面移動に対応する基板表面領域が乾燥する。また、基板表面領域に微細パターンが含まれる場合であったとしても、上流側界面での表面張力を効果的に低下させているため、パターン倒壊を有効に防止することができる。また、溶剤を直接液体に溶解しているため、常温常圧で液状の溶剤から溶剤ベーパを製造するための構成が不要となることから構成を簡素化できるという利点がある。
<第1実施形態>
図1は、この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の部分拡大図である。詳しくは、図2(a)は基板処理装置の部分側面図であり、同図(b)はその平面図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の基板Wの表面Wfに付着した汚染物質を除去するための洗浄処理に用いられる枚葉式の基板処理装置である。より具体的には、パターンが形成された基板表面Wfに対して薬液による薬液処理および純水やDIW(=deionized water)などのリンス液によるリンス処理を施した後、リンス処理を受けた基板Wに対して乾燥処理を行う装置である。この基板処理装置では、最終的にリンス処理を受けた基板Wには、リンス液が基板表面Wfの全体に付着した、いわゆるパドル状のリンス層が形成されており、この状態で乾燥処理を実行する。
この基板処理装置は、基板Wをその表面Wfを上方に向けた状態で水平に保持して回転させるスピンチャック1と、スピンチャック1に保持された基板Wと対向しながら離間配置される近接ブロック3と、退避位置にある近接ブロック3(図1の破線)の上方から溶剤を吐出する溶剤ノズル5と、基板表面Wfに向けてリンス液と同一成分の液体を吐出する液体ノズル7とを備えている。
スピンチャック1は、回転支柱11がモータを含むチャック回転駆動機構13の回転軸に連結されており、チャック回転駆動機構13の駆動により鉛直軸回りに回転可能となっている。この回転支柱11の上端部には、円盤状のスピンベース15が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット4からの動作指令に応じてチャック回転駆動機構13を駆動させることによりスピンベース15が鉛直軸回りに回転する。
スピンベース15の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン17が立設されている。チャックピン17は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース15の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン17のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部17aと、基板支持部17aに支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部17bとを備えている。各チャックピン17は、基板保持部17bが基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部17bが基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
スピンベース15に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン17を解放状態とし、基板Wに対して洗浄処理を行う際には、複数個のチャックピン17を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン17は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース15から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。基板Wは、その表面(パターン形成面)Wfを上方に向け、裏面Wbを下方に向けた状態で保持される。
さらに、基板Wに対して薬液処理およびリンス処理を実行する際に、薬液およびリンス液が基板Wの周辺に飛散するのを防止するために、スピンベース15の周囲に飛散防止カップ19が配備されている。この飛散防止カップ19は、基板搬送手段(図示せず)がスピンベース15に対して基板Wが受渡しされる際、および後述するようにして近接ブロック3により基板表面Wfに対して乾燥処理を実行する際には、基板搬送手段および近接ブロック3との干渉を避けるため制御ユニット4からの制御信号に応じて、薬液およびリンス液を捕集可能な上方位置(図1の実線位置)から下方に退避した下方位置(図1の破線位置)に駆動される。
図3は、近接ブロック3の斜視図である。近接ブロック3は、垂直断面形状が略台形となっている直角柱体であり、その一側面がリンス液で濡れた基板表面Wfと対向する対向面31となっている。近接ブロック3は水平方向に移動自在に設けられ、ブロック駆動機構41が近接ブロック3に連結されている。そのため、制御ユニット4からの動作指令に応じてブロック駆動機構41を作動させることで近接ブロック3を所定の速度で水平方向Xに往復移動可能となっている。つまり、ブロック駆動機構41の作動により近接ブロック3を基板Wの側方に退避した退避位置(図1の破線位置)から水平方向Xに移動させることで、近接ブロック3を基板表面Wfに近接して対向させながら基板全面にわたって後述する乾燥処理を実行可能となっている。
この実施形態では、水平方向Xのうち同図の左手方向(−X)に近接ブロック3を移動させることで乾燥処理を実行しており、この水平方向(−X)が本発明の「所定の移動方向」に相当しているため、以下の説明においては、水平方向(−X)を単に「移動方向」と称する。なお、ブロック駆動機構41としては、水平方向Xに延設されたガイドおよびボールネジに沿ってモータ駆動により近接ブロック3を移動させる送りネジ機構などの公知の機構を採用することができる。このように、この実施形態ではブロック駆動機構41が本発明の「駆動手段」として機能している。
近接ブロック3の対向面31以外の他の側面(非対向面)である延設面32は移動方向の上流側(+X)で、かつ上方を向いた面となっている。詳しくは、延設面32は、対向面31を規定する辺部のうち移動方向の上流側(+X)に位置する上流辺部33と接続されるとともに該上流辺部33から移動方向の上流側(+X)を臨みながら基板表面Wfから離れる方向に傾斜して延設されている。上流辺部33は、移動方向に対して直交する方向(図2(b)の上下方向、以下「幅方向」という)に延びるとともに、幅方向の長さが基板径とほぼ同等あるいはそれ以上の長さで形成されており、近接ブロック3が移動方向に移動されることで、基板表面全体を処理可能となっている。また、近接ブロック3の上流側端部では、対向面31と延設面32とが鋭角θをなしている。
そして、対向面31が基板表面Wfから僅かに離間するように近接ブロック3を配置することで基板表面Wfにパドル状態で付着しているリンス層21を構成するリンス液の一部が毛細管現象により対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SP全体に入り込んで液密層23が形成される。なお、このような近接ブロック3は、(1)親水性材料であること、(2)清浄度が要求されること、(3)加工容易性等の観点から石英で形成することが好ましい。
退避位置に位置する近接ブロック3(図1の破線)の延設面32の上方には、溶剤を延設面32に向けて吐出する溶剤ノズル5が配設されている。溶剤ノズル5は溶剤供給ユニット44と接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて溶剤供給ユニット44を作動させることで溶剤を溶剤ノズル5に圧送する。溶剤としては、同一温度での飽和蒸気圧がリンス液より高く、かつ表面張力がリンス液(純水の場合、表面張力:72dyn/cm)より低いことにより、常温常圧で蒸発した成分がリンス液に溶解し、そのリンス液への溶解によって表面張力を低下させる溶剤、例えばIPA(イソプロピルアルコール、表面張力:21〜23dyn/cm)が用いられる。なお、溶剤はIPAに限定されず、エチルアルコール、メチルアルコールの各種溶剤を用いるようにしてもよい。要は揮発性がリンス液より高く、常温常圧で自然蒸発した成分がリンス液に溶解し、その溶解によって表面張力を低下させる溶剤であればよい。
溶剤ノズル5から近接ブロック3の延設面32に向けて吐出された溶剤30aは延設面32によって保持されており、この延設面32により保持されている間に溶剤30aが自然蒸発し、図2(a)に示すように、溶剤ベーパ30bを含む雰囲気が周囲に形成されることとなる。近接ブロック3の上流辺部33において、対向面31と延設面32とのなす鋭角θは、この実施形態では例えば15°など、30°未満の比較的小さい角度に設定されている。溶剤ノズル5は1本でも、近接ブロック3の延設面32に吐出された溶剤は表面張力が小さいため、自重で延設面32全体に広がることとなる。しかしながら、幅方向に複数本のノズルあるいは幅方向に複数の吐出孔を開口させたマニホールドを配設して、図2(b)に示すように、延設面32に向けて一定間隔で溶剤30aを吐出する方が、延設面32全体にわたってより一層均等に溶剤30aを供給することができるため、好ましい。このように、この実施形態では近接ブロック3が本発明の「近接部材」に相当し、延設面32が本発明の「保持部」に相当する。
移動方向において近接ブロック3の下流側であって、基板Wの上方位置に液体供給用の液体ノズル7が1本または複数本設けられている。この液体ノズル7には液体供給ユニット45が接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて液体供給ユニット45を作動させることで基板Wに付着するリンス液と同一成分の液体を液体ノズル7に圧送する。これにより液体ノズル7から基板表面Wfに接液するリンス層21に、さらにはリンス層21から液密層23に液体が供給される。これにより、基板表面Wfに付着するリンス液が基板Wから排出され、液密層23の上流側界面よりも移動方向の下流側において基板表面Wfに接液するリンス液が液体ノズル7から追加供給された液体に置換される。
次に、上記のように構成された基板処理装置における乾燥動作について図4および図5を参照しつつ説明する。図4は、図1の基板処理装置の動作を示す模式図である。また、図5は、近接ブロック3の移動による乾燥動作を示す図である。基板搬送手段(図示せず)によって未処理の基板Wが装置内に搬入されると、制御ユニット4は飛散防止カップ19をスピンベース15を包囲する上方位置(図1の実線位置)に配置して、基板Wに対して洗浄処理(薬液処理+リンス処理+乾燥処理)を実行する。先ず、基板Wに対して薬液が供給され、所定の薬液処理が実行された後、基板Wに対してリンス処理が実行される。すなわち、図4(a)に示すように、リンスノズル8から基板表面Wfにリンス液を供給するとともに、チャック回転駆動機構13の駆動により基板Wを回転させることでリンス液が遠心力により広げられ基板表面Wf全体がリンス処理される。
所定時間のリンス処理が終了すると、基板Wの回転が停止される。リンス処理を受けた基板表面Wf全体にはリンス液が盛られた状態で付着して、いわゆるパドル状のリンス層21が形成される(図4(b))。なお、リンス処理終了後に改めてリンスノズル8からリンス液を吐出させて基板表面Wfにパドル状のリンス層21を形成するようにしてもよい。
そして、制御ユニット4は飛散防止カップ19を下方位置(図1の破線位置)に下降させて、スピンベース15を飛散防止カップ19の上方から突出させた後、基板表面Wfに対する乾燥処理を実行する。すなわち、例えば飛散防止カップ19の下降と並行して、図4(b)に示すように、溶剤ノズル5から近接ブロック3の延設面32に向けて溶剤30aを吐出し、続いて、図4(c)に示すように、ブロック駆動機構41を作動させることで近接ブロック3を一定速度で移動方向(−X)に移動させる。また、液体ノズル7よりリンス層21に液体を供給する。なお、この実施形態では、液体はリンス液と同一成分であることからリンスノズル8よりリンス液(液体)を供給するようにしてもよい。
このように対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPにはリンス液(液体)が満たされて液密層23が形成されており、例えば図5(a)に示す状態から同図(b)に示す状態に近接ブロック3が移動方向(−X)に移動すると、移動方向における液密層23の上流側端部231が近接ブロック3から外れて露出する。このとき延設面32に保持されている溶剤30aが自然蒸発して発生した溶剤ベーパ30bが液密層23の上流側端部231を構成する液体に溶解し、液密層23の上流側界面231a(気液固界面)での表面張力が低下してマランゴニ対流が引き起こされる。これによって、液密層23を構成する液体が移動方向の下流側(−X)に引っ張られて上流側界面231aも下流側に移動し、この界面移動に対応する基板表面領域が乾燥する。
また、上記のように上流側界面231aの移動に伴って乾燥領域が移動方向の下流側(−X)に広がっていくが、基板表面Wf全体が乾燥されるまでの間、上流側界面231aに対して移動方向の下流側ではリンス液(液体)が基板表面と接液した状態となっている。このため、基板表面Wfでの液体の滞留時間にほぼ比例して基板Wから液体に溶出する溶出物の量が増加するが、液体ノズル7からリンス層21に液体を供給することにより、基板表面Wfに滞留している液体を基板Wから排出している。つまり、このような基板表面Wfに滞留している液体は溶出物とともに液体ノズル7から供給された液体により押し出されて、上流側界面231aを除くリンス層21および液密層23の周縁より基板外に排出されていく。これによって、上流側界面231aまたは該界面231aよりも移動方向の下流側(−X)において基板表面Wfと接液する液体は追加供給されたフレッシュな液体に置換される。その結果、基板Wの一部が液体に溶出したとしても、該液体は上記置換動作によって基板表面Wfから排出されることとなる。さらに、このような追加供給された液体によって近接ブロック3と基板Wとの間に毛細管現象によって発生する液体の流れが速められ、基板Wからの溶出物の排出が促進される。
このように基板表面Wfと接液する液体を液体ノズル7から供給されるフレッシュな液体に置換しながら、近接ブロック3を移動方向(―X)に移動させていくことで、乾燥される基板表面領域、つまり乾燥領域が広がっていく。したがって、近接ブロック3を基板全面に対してスキャンさせることで基板表面Wf全体を乾燥させることができる。
こうして基板表面Wfに対する乾燥処理が終了すると、裏面Wbに付着した液体成分を基板Wから除去するために、裏面Wbに対する乾燥処理を実行する。すなわち、図4(d)に示すように、制御ユニット4は飛散防止カップ19を上方位置に配置するとともに、チャック回転駆動機構13の駆動により基板Wを回転させることで裏面Wbに付着する液体成分の振り切り処理(スピンドライ)を実行する。その後、制御ユニット4は、飛散防止カップ19を下方位置に配置させて、スピンベース15を飛散防止カップ19の上方から突出させる。この状態で基板搬送手段が処理済の基板Wを装置から搬出して、1枚の基板Wに対する一連の洗浄処理が終了する。
以上のように、この実施形態によれば、近接ブロック3を基板表面Wfに対して近接させて液密層23を形成した状態で近接ブロック3を移動方向に移動させるとともに、近接ブロック3の延設面32に、液密層23を構成する液体に溶解して表面張力を低下させる溶剤を保持している。これにより、上流側界面231a(気液固界面)の位置をコントロールしつつ、上流側端部231でマランゴニ対流を引き起こして上流側界面231aを下流側に移動させることで基板表面領域を乾燥させている。このように、近接ブロック3により上流側界面231aの乱れを防止しながらマランゴニ効果によって基板表面領域を乾燥させることができ、該基板表面領域でのウォーターマーク等の乾燥不良の発生を防止することができる。
また、この実施形態によれば、溶剤ベーパ30bとして溶剤30aが自然蒸発して発生したものを用いているため、常温常圧で液状の溶剤30aから溶剤ベーパ30bを製造するための構成が不要となり、乾燥のための装置構成や工程を簡素化することができる。
また、この実施形態によれば、近接ブロック3の対向面31を規定する辺部のうち移動方向の上流側に位置する上流辺部33と接続されるとともに該接続位置から移動方向の上流側を臨みながら基板表面Wfから離れる方向に延設された延設面32により溶剤30aを保持しているため、近接ブロック3が液密層23の形成機能と溶剤30aの保持機能とを兼有していることから、さらに構成の簡素化を図ることができる。
また、この実施形態によれば、近接ブロック3の上流辺部33において、対向面31と延設面32とがなす角度θを例えば15°など、30°未満の比較的小さい角度をなすように構成しているため、溶剤30aが延設面32から上流辺部33を介して直ぐに液密層23の上流側界面231に流れ落ちてしまうのを防止して、延設面32上に溶剤30aを好適に保持することができる。これによって、溶剤ベーパ30bを継続して発生させることが可能になる。
また、上記実施形態では、基板表面Wf全体が乾燥されるまでの間、液体ノズル7からリンス層21に液体を供給することで、上流側界面231aよりも移動方向の下流側(−X)において基板表面Wfと接液する液体を追加供給したフレッシュな液体に置換している。したがって、仮に基板Wの一部が液体に溶出したとしても、該液体は上記置換動作によって基板表面Wfから排出され、乾燥処理を行っている間、基板表面Wf上の液体に含まれる溶出物の量を抑制することができる。その結果、ウォータマークの発生を確実に防止して基板表面Wfを良好に乾燥させることができる。
また、図5に示すように基板表面領域に微細パターンFPが形成されていたとしても、上流側界面231a(気液固界面)の位置をコントロールしながら、マランゴニ効果により基板表面Wfを乾燥させているので、上流側界面231aが移動方向に行きつ戻りつして液密層23を構成する液体が微細パターンFPに負荷を与えることがなく、パターン倒壊を有効に防止しながら基板表面Wfを乾燥させることができる。また、基板Wを回転させることなく基板表面Wfに対して乾燥処理を行っているため、基板Wの回転に伴う遠心力に起因してパターン倒壊を引き起こすことがない。また、基板Wの回転に伴う気流の影響により基板Wから溶剤ベーパ30bが拡散してしまうことがないため、溶剤ベーパ30bの濃度を高濃度に保つことができ、その結果、液密層23を構成する液体の表面張力の低下を促進することができる。さらに、微細パターンFPの隙間に存在する液体に対しても溶剤成分が溶解して該液体の表面張力を低下させることにより、パターンの間隙に発生する負圧を低減して、パターンの倒壊を効果的に防止することができる。
<第2実施形態>
図6は、この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。具体的には、同図(a)は基板処理装置の部分側面図であり、同図(b)はその平面図である。この第2実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、近接ブロック3にカバー部材58が装着されている点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、移動方向において近接ブロック3の上流側(+X)には、液密層23の上流側端部231の全体および延設面32に保持されている溶剤30aを覆うようにカバー部材58が近接ブロック3に取り付けられている。これにより、液密層23の上流側(+X)に位置する上流側雰囲気UAがカバー部材58によって取り囲まれる。したがって、溶剤30aが自然蒸発して発生した溶剤ベーパ30bがカバー部材58によって閉じ込められ、上流側雰囲気UAにおける溶剤ベーパ30bの濃度を高濃度に保つことができる。その結果、液密層23の上流側端部231での表面張力の低下を促進させ、パターン倒壊防止効果を高めることができる。
<第3実施形態>
図7は、この発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示す図である。具体的には、同図(a)は基板処理装置の部分側面図であり、同図(b)はその平面図である。この第3実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、近接ブロック3が液密層形成部と保持部とを有している点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、近接ブロック3は、対向面31を有し、基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPに液密層23を形成する直方体形状の液密層形成部3cと、移動方向において液密層形成部3cの上流側(+X)に配設された直方体形状の保持部3dと、液密層形成部3cと保持部3dとを連結する連結部3eとを備えている。そして、溶剤ノズル5(図1)は、保持部3dの上面31dに向けて溶剤30aを吐出する。溶剤30aは上面31dによって保持されつつ自然蒸発して溶剤ベーパ30bを発生する。また、液密層形成部3cと保持部3dとが連結部3eにより連結されているため、ブロック駆動機構41(図1)が作動すると近接ブロック3を構成する各部が一体的に移動することとなる。
この実施形態によれば、直方体形状の保持部3dの上面31dで溶剤30aを保持しているため、溶剤30aが流下することなく確実に保持し続けることができ、これによって溶剤ベーパ30bを継続して発生させることができる。また、液密層形成部3cおよび保持部3dを直方体形状に形成しているため、近接ブロック3の成形を容易に行うことができる。
<第4実施形態>
図8は、この発明にかかる基板処理装置の第4実施形態を示す図である。また、図9は図8の基板処理装置の部分拡大図である。詳しくは、図9(a)は基板処理装置の部分側面図であり、図9(b)はその平面図である。この第4実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、溶剤を近接ブロック3の延設面32に保持させるのに代えて、乾燥処理中に溶剤を近接ブロック3の延設面32に向けて吐出し続ける点である。なお、その他の構成は基本的に第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、溶剤ノズル5は近接ブロック3と同期して移動方向に移動されるように構成されている。すなわち、溶剤ノズル5と近接ブロック3とはリンク機構(図示せず)によって連結されており、ブロック駆動機構41の作動により近接ブロック3と溶剤ノズル5とが一体的に移動方向に移動する。これにより、近接ブロック3の移動中に、近接ブロック3の延設面32に対する溶剤の吐出位置が予め定められた位置に保たれる。その結果、液密層23の上流側端部231に流下する溶剤の物理特性(流速や流量など)が安定し、乾燥処理を安定して良好に行うことができる。なお、溶剤ノズル5に独立した駆動手段を設けて溶剤ノズル5を近接ブロック3と連動して移動させるように構成してもよいが、溶剤ノズル5と近接ブロック3とを単一の駆動手段により一体的に移動させることにより、駆動構成を簡素化できる。
溶剤としては、リンス液(純水の場合、表面張力:72dyn/cm)に溶解して表面張力を低下させる溶剤、例えばIPA(イソプロピルアルコール、表面張力:21〜23dyn/cm)が用いられる。なお、溶剤はIPAに限定されず、エチルアルコール、メチルアルコールの各種溶剤を用いるようにしてもよい。要はリンス液に溶解して表面張力を低下させる溶剤であればよい。このように、この実施形態では、溶剤ノズル5および溶剤供給ユニット43が本発明の「溶剤供給手段」として機能している。
この溶剤ノズル5は、この実施形態では例えば、幅方向に複数の吐出孔5aを開口させたマニホールドにより構成している。ここで、マニホールドに代えて、幅方向に複数本のノズルを配設するようにしてもよい。なお、溶剤ノズル5は1本のノズルで構成しても、近接ブロック3の延設面32に吐出された溶剤は表面張力が小さいため、自重で延設面32全体に広がることとなる。ただし、マニホールドや複数本のノズルで構成した方が、延設面32の幅方向全体にわたって均等に溶剤を供給することができる点で好ましい。
次に、上記のように構成された基板処理装置における乾燥動作について図10を参照しつつ説明する。図10は、第4実施形態の基板処理装置の動作を示す模式図である。図10(a)、(b)は、第1実施形態の図4(a)、(b)と同様であるので、詳しい説明は省略する。
そして、薬液処理およびリンス処理が終了し、制御ユニット4は飛散防止カップ19を下方位置(図1の破線位置)に下降させて、スピンベース15を飛散防止カップ19の上方から突出させた後、基板表面Wfに対する乾燥処理を実行する。すなわち、図10(c)に示すように、ブロック駆動機構41を作動させることで近接ブロック3を一定速度で移動方向(−X)に移動させるとともに、溶剤供給ユニット44を作動させて溶剤ノズル5から溶剤を吐出させる。また、液体ノズル7よりリンス層21に液体を供給する。なお、この実施形態では、液体はリンス液と同一成分であることからリンスノズル8よりリンス液(液体)を供給するようにしてもよい。
このように対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPにはリンス液(液体)が満たされて液密層23が形成されており、近接ブロック3が移動方向(−X)に移動すると、移動方向における液密層23の上流側端部231が近接ブロック3から外れて露出する。このとき延設面32に向けて吐出された溶剤が延設面32に沿って流下し、液密層23を構成する液体に溶解して液密層23の上流側界面231a(気液固界面)での表面張力が低下してマランゴニ対流が引き起こされる。これによって、液密層23を構成する液体が移動方向の下流側(−X)に引っ張られて上流側界面231aも下流側に移動し、この界面移動に対応する基板表面領域が乾燥する。以降は、第1実施形態と同様に乾燥処理が行われる。図10(d)の裏面Wbに対する乾燥処理は図4(d)と同様であるので、詳しい説明は省略する。
以上のように、この実施形態によれば、乾燥処理中に溶剤供給ユニット44から溶剤ノズル5を介して溶剤を直接供給しているため、液密層23の上流側界面231aの表面張力をさらに低下させ、パターン倒壊をより効果的に防止することができる。
<第5実施形態>
図11は、この発明にかかる基板処理装置の第5実施形態を示す図である。また、図12は図11の基板処理装置の部分拡大図である。詳しくは、図12(a)は基板処理装置の部分側面図であり、図12(b)はその平面図である。この第5実施形態にかかる基板処理装置が第4実施形態と大きく相違する点は、第2実施形態と同様に近接ブロック3にカバー部材58が装着されている点と、近接ブロック3の移動方向の上流側の基板表面に向けて不活性ガスを吹き付けている点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第4実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、第2実施形態と同様に、移動方向において近接ブロック3の上流側(+X)には、液密層23の上流側端部231の全体を覆うようにカバー部材58が近接ブロック3に取り付けられている。これにより、液密層23の上流側(+X)に位置する上流側雰囲気UAがカバー部材58によって取り囲まれる。カバー部材58の上面には、幅方向に複数個の溶剤供給孔581が形成されており、その溶剤供給孔581に対応する吐出孔を有するマニホールドで構成される溶剤ノズル5がカバー部材58の上面に配設されている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて溶剤供給ユニット44が作動することで溶剤供給ユニット44から溶剤ノズル5を介して延設面32に溶剤が吐出される。したがって、溶剤が蒸発して発生する溶剤ベーパがカバー部材58によって閉じ込められ、上流側雰囲気UAにおける溶剤ベーパの濃度を高濃度に保つことができる。
移動方向におけるカバー部材58の上流側(+X)の端部より上流位置の上方には、基板Wの表面Wfに向けて乾燥した窒素ガスなどの不活性ガスを供給するための不活性ガスノズル6が配設されている。不活性ガスノズル6はガス供給ユニット46と接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じてガス供給ユニット46を作動させることで不活性ガスを不活性ガスノズル6に圧送する。不活性ガスとしては、窒素ガスに限られず、空気や他の不活性ガスを用いるようにしてもよい。このように、この実施形態では、不活性ガスノズル6およびガス供給ユニット46が本発明の「不活性ガス供給手段」として機能している。
以上のように、この実施形態によれば、カバー部材58の上流側に不活性ガスノズル6を配設し、ガス供給ユニット46から圧送した不活性ガスを不活性ガスノズル6から基板Wの表面Wfに向けて吐出しているため、溶剤供給ユニット44から供給された溶剤が基板Wの表面Wfに残留していたとしても、これを蒸発させて基板Wの表面Wfを確実に乾燥させることができる。
また、この実施形態によれば、移動方向において近接ブロック3の上流側(+X)に液密層23の上流側端部231の全体を覆うようにカバー部材58を近接ブロック3に取り付け、液密層23の上流側(+X)に位置する上流側雰囲気UAをカバー部材58によって取り囲むようにしているため、不活性ガスノズル6から吹き付けられる不活性ガスにより溶剤や溶剤ベーパが吹き飛ばされて液密層23の上流側端部231での表面張力の低下を抑制してしまうような事態を招くのを未然に防止することができる。
<第6実施形態>
図13は、この発明にかかる基板処理装置の第6実施形態を示す図である。この第6実施形態にかかる基板処理装置が第5実施形態と大きく相違する点は、カバー部材58に代えて、溶剤を延設面32との間で液密状態に満たしながら上流辺部33に向けて導くための構成を追加している点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第5実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、近接ブロック3は、対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPに液密層23を形成する本体部3a(第1実施形態の図3に示す近接ブロック3に相当)と、移動方向において本体部3aの上流側(+X)に該本体部3aと対向して配設された対向部3bとを備えている。対向部3bは本体部3aと同様に、垂直断面形状が略台形となっている直角柱体であり、その一側面が本体部3aの延設面32と対向して、溶剤を上流辺部33に向けて導く案内面37となっており、対向部3bの下面38は、基板表面Wfと対向する対向面となっている。
案内面37には溶剤吐出口5bが開口されている。対向部3bの内部には、溶剤吐出口5bと連通するマニホールド5cが設けられており、このマニホールド5cは溶剤供給ユニット44と連通されている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて溶剤供給ユニット44が作動することで溶剤供給ユニット44から溶剤がマニホールド5cに供給される。そして、マニホールド5cから溶剤吐出口5bを介して吐出された溶剤は、延設面32と案内面37との間を液密状態に満たしながら上流辺部33に向けて流下していく。したがって、液密層23の上流側界面231aに溶剤を延設面32と案内面37との間でトラップしながら流下させることができるので、上流辺部33に向けて導かれる溶剤の供給量が微量であっても溶剤の流れを均一にすることができる。このため、上流側界面231aに供給される溶剤量を一定にして、マランゴニ対流による上流側界面231a(気液固界面)の移動速度を一定速度にコントロールすることができる。したがって、基板表面Wfを均一に乾燥する上で非常に有効となっている。
また、対向部3bの下面38には、ガス吐出口6aが開口されている。対向部3bの内部には、ガス吐出口6aと連通するマニホールド6bが設けられており、このマニホールド6bはガス供給ユニット46と連通されている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じてガス供給ユニット46が作動することでガス供給ユニット46から不活性ガスがマニホールド6bに供給される。さらに、マニホールド6bからガス吐出口6aを介して不活性ガスが液密層23の上流側端部231の上流側の基板表面Wfに向けて吐出される。
このように、この実施形態によれば、液密層23の上流側界面231aに溶剤を延設面32と案内面37との間でトラップしながら流下させることができるので、上流辺部33に向けて導かれる溶剤の供給量が微量であっても溶剤の流れを均一にすることができる。このため、上流側界面231aに供給される溶剤量を一定にして、基板表面Wfを均一に乾燥させることができる。また、供給された溶剤が基板表面Wf上に液状のまま残留していたとしても、マニホールド6bからガス吐出口6aを介して吐出する不活性ガスにより残留している溶剤を蒸発させることができ、これによって、基板表面Wfを確実に乾燥させることができる。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記各実施形態では、近接ブロック3は幅方向の長さが基板Wと同一あるいはそれよりも長く延びる棒状形状を有しているが、近接ブロック3の外形形状はこれに限定されるものではなく、例えば基板Wの外周形状に対応した半円環形状を有するものを用いてもよい。また、上記実施形態では、基板Wを固定配置した状態で近接ブロック3を移動させて乾燥処理を実行しているが、基板側も同時に移動させるように構成してもよい。また、近接ブロック3を固定配置する一方、基板Wのみを移動させてもよい。要は、基板表面Wfから離間配置された対向面31と基板表面Wfとに挟まれた間隙空間SPにリンス液を満たして液密層23を形成した状態で、基板Wに対して近接ブロック3を移動方向に相対移動させるように構成すればよい。
また、上記各実施形態では略円盤状の基板Wに対して乾燥処理を施しているが、本発明にかかる基板処理装置の適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば液晶表示用ガラス基板などのように角型基板の基板表面を乾燥させる基板処理装置に対しても本発明を適用することができる。例えば図14に示すように、本発明の「駆動手段」に相当する複数の搬送ローラ68を搬送方向(+X)に配置するとともに、該搬送ローラ68により基板Wを搬送しながら上記実施形態と同一構成の近接ブロック3を固定配置してもよい。この基板処理装置においては、基板Wが搬送方向(+X)に搬送されるため、本発明の「所定の移動方向」は搬送方向と反対の方向(−X)に相当するが、基本的な動作は上記実施形態と全く同一であり、同様の作用効果が得られる。なお、図14は、第4実施形態と同様に、乾燥処理中に溶剤を吐出し続ける形態を示している。
また、上記各実施形態では、スピンチャック1に保持された基板Wに対して薬液処理およびリンス処理などの湿式処理を施した後に、そのまま同一装置内でリンス処理済の基板に対して近接ブロック3を移動方向にスキャンさせて乾燥処理を実行するように構成しているが、湿式処理と乾燥処理とを分離して行うようにしてもよい。すなわち、図15に示すように、基板Wに対して薬液処理およびリンス処理を施す湿式処理装置100と、近接ブロック3が組み込まれ、基板Wを乾燥する乾燥処理装置200とを一定距離だけ離間して配置するとともに、湿式処理装置100で最終的にリンス処理を受けた基板を基板搬送装置300により乾燥処理装置200に搬送して乾燥処理を実行するように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、液体供給ユニット45および液体ノズル7を備え、近接ブロック3の相対移動中に液体を基板表面Wfに供給するように構成しているが、この発明はこれに限られない。すなわち、近接ブロック3の相対移動中に液体を基板表面Wfに供給する構成が必須ではなく、近接ブロック3の相対移動中に液体を基板表面Wfに供給しないようにしてもよい。この場合には、液体供給ユニット45および液体ノズル7が不要となるため、構成の簡素化を図ることができる。
また、上記第5、第6実施形態において、ガス供給ユニット46に温度調節機構を設けて、高温の不活性ガスを不活性ガスノズル6から基板表面Wfに向けて吹き付けるようにしてもよい。この形態によれば乾燥に要する時間を短縮することが可能になる。
また、上記各実施形態では、乾燥処理を施すべき基板表面Wfが上方を向いた状態で該基板Wに対して近接ブロック3を移動方向に相対移動させて乾燥処理を行っているが、基板姿勢はこれに限定されるものではない。
さらに、上記各実施形態では、リンス液で濡れた基板表面Wfを乾燥させているが、リンス液以外の液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置に対しても本発明を適用することができる。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などを含む基板全般の表面に対して乾燥処理を施す基板処理装置および基板処理方法に適用することができる。
この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。 図1の基板処理装置の部分拡大図である。 近接ブロックの斜視図である。 図1の基板処理装置の動作を示す模式図である。 近接ブロックの移動による乾燥動作を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の第4実施形態を示す図である。 図8の基板処理装置の部分拡大図である。 図8の基板処理装置の動作を示す模式図である。 この発明にかかる基板処理装置の第5実施形態を示す図である。 図11の基板処理装置の部分拡大図である。 この発明にかかる基板処理装置の第6実施形態を示す図である。 本発明にかかる基板処理装置の別の実施形態を示す斜視図である。 本発明にかかる基板処理装置のさらに別の実施形態を示す平面図である。
符号の説明
3…近接ブロック(近接部材)、3a…本体部、3b…対向部、3c…液密層形成部、3d…保持部、3e…連結部、30a…溶剤、30b…溶剤ベーパ、31…対向面、32…延設面(保持部、非対向面)、33…上流辺部、37…案内面、5…溶剤ノズル(溶剤供給手段)、6…不活性ガスノズル(不活性ガス供給手段)、23…液密層、231…液密層の上流側端部(移動方向の上流側における液密層の端部)、231a…液密層の上流側界面、41…ブロック駆動機構(駆動手段)、44…溶剤供給ユニット(溶剤供給手段)、46…ガス供給ユニット(不活性ガス供給手段)、58…カバー部材、SP…間隙空間、UA…上流側雰囲気、W…基板、Wf…基板表面、X…移動方向、θ…鋭角

Claims (13)

  1. 液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置において、
    前記基板表面に対向する対向面を有し、該対向面が前記基板表面から離間配置されるとともに該対向面と前記基板表面とに挟まれた間隙空間に前記液体が満たされて液密層が形成された状態で、前記基板に対して所定の移動方向に相対移動自在な近接部材と、
    前記近接部材を前記基板に対して前記移動方向に相対移動させる駆動手段と
    を備え、
    前記近接部材は、所定の溶剤を前記液密層の前記移動方向の上流側界面近傍に保持する保持部を有し、
    前記溶剤は、同一温度での飽和蒸気圧が前記液体より高く、かつ表面張力が前記液体より低いことにより、前記保持部に保持されている間に蒸発した成分の前記液体への溶解によって表面張力を低下させるものである
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記保持部により保持された前記溶剤および前記液密層の上流側界面を含む上流側雰囲気を取り囲むカバー部材をさらに備えた請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記近接部材は、前記保持部として、前記対向面を規定する辺部のうち前記移動方向の上流側に位置する上流辺部と接続されるとともに該接続位置から前記移動方向の上流側を臨みながら前記基板表面から離れる方向に延設された延設面を有する請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記近接部材の前記上流辺部において前記対向面と前記延設面とが鋭角をなしている請求項3記載の基板処理装置。
  5. 前記近接部材は、前記保持部と、前記対向面を有する液密層形成部と、前記保持部と前記液密層形成部とを互いに連結する連結部とを含んでいる請求項1または2記載の基板処理装置。
  6. 液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理方法において、
    前記基板表面に対向する対向面を有する近接部材を、前記対向面が前記基板表面から離間するように配置することによって前記対向面と前記基板表面とに挟まれた間隙空間に前記液体を満たして液密層を形成する工程と、
    前記液密層が形成された状態を維持しつつ前記近接部材を前記基板に対して所定の移動方向に相対移動させる工程と、
    前記近接部材の相対移動前または相対移動開始時点より、所定の溶剤を前記近接部材に設けられた保持部によって前記液密層の前記移動方向の上流側界面近傍に保持させる工程と
    を備え、
    前記溶剤は、同一温度での飽和蒸気圧が前記液体より高く、かつ表面張力が前記液体より低いことにより、前記保持部に保持されている間に蒸発した成分の前記液体への溶解によって表面張力を低下させるものである
    ことを特徴とする基板処理方法。
  7. 液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理装置において、
    前記基板表面に対向する対向面を有し、該対向面が前記基板表面から離間配置されるとともに該対向面と前記基板表面とに挟まれた間隙空間に前記液体が満たされて液密層が形成された状態で、前記基板に対して所定の移動方向に相対移動自在な近接部材と、
    前記近接部材を前記基板に対して前記移動方向に相対移動させる駆動手段と、
    前記液体に溶解して表面張力を低下させる溶剤を前記液密層の前記移動方向の上流側界面に向けて供給する溶剤供給手段と
    を備えたことを特徴とする基板処理装置。
  8. 前記溶剤供給手段は、前記近接部材の前記対向面以外の非対向面に向けて前記溶剤を吐出する溶剤ノズルを有し、
    前記近接部材は、前記非対向面として、前記対向面を規定する辺部のうち前記移動方向の上流側に位置する上流辺部と接続されるとともに該接続位置から前記移動方向の上流側を臨みながら前記基板表面から離れる方向に延設された延設面を有し、前記溶剤ノズルから吐出された前記溶剤を前記延設面を介して前記上流辺部に導く請求項7記載の基板処理装置。
  9. 前記近接部材の前記上流辺部において前記対向面と前記延設面とが鋭角をなしている請求項8記載の基板処理装置。
  10. 前記近接部材は、前記延設面と対向して前記溶剤を前記上流辺部に向けて導く案内面をさらに有し、前記溶剤ノズルから吐出された前記溶剤で前記延設面と前記案内面との間を液密状態に満たしながら前記上流辺部に向けて前記溶剤を導く請求項8または9記載の基板処理装置。
  11. 前記液密層の上流側界面より前記移動方向の上流側の前記基板表面に向けて不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段をさらに備えた請求項7ないし10のいずれかに記載の基板処理装置。
  12. 前記近接部材が石英で形成されている請求項1ないし5、7ないし11のいずれかに記載の基板処理装置。
  13. 液体で濡れた基板表面を乾燥させる基板処理方法において、
    前記基板表面に対向する対向面を有する近接部材を、前記対向面が前記基板表面から離間するように配置することによって前記対向面と前記基板表面とに挟まれた間隙空間に前記液体を満たして液密層を形成する工程と、
    前記液密層が形成された状態を維持しつつ前記近接部材を前記基板に対して所定の移動方向に相対移動させる工程と、
    前記液体に溶解して表面張力を低下させる溶剤を前記液密層の前記移動方向の上流側界面に向けて供給する工程と
    を備えたことを特徴とする基板処理方法。
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