JP2007266026A - 希土類焼結磁石の製造方法 - Google Patents

希土類焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気特性の低下を抑え、低コストで高特性の希土類焼結磁石を得ることのできる希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】酸素濃度を100ppm以下とした低酸素雰囲気下で微粉砕、磁場中成形を行い、このとき、微粉際に先立ち、原料合金粉末に、オクタン酸、オクタン酸エチル、オクタン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル等、10mPa・s以下の低粘度の潤滑剤を添加することで、粉末に含まれる窒素量を抑え、磁気特性低下を抑制する。微粉砕工程、磁場中成形工程を、窒素ガス雰囲気とすることによって酸素濃度を100ppm以下とすることで、製造コストを抑える。
【選択図】なし

Description

本発明は、希土類焼結磁石の製造方法に関するものである。
希土類焼結磁石の中でもR−T−B系希土類焼結磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であることから、需要は年々、増大している。R−T−B系希土類焼結磁石の磁気特性を向上するための研究開発も精力的に行われているが、更なる高性能化が常に望まれている。
R−T−B系希土類焼結磁石をさらに高性能化させるための手法の一つとして、希土類焼結磁石の酸素量を低下させる、というものがある。そこで、粉砕から焼結までの工程をアルゴンや窒素等の不活性ガス中、あるいは真空中等、低酸素雰囲気中で行うことが行われている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開2002−57052号公報 特許第3240034号公報
しかしながら、前記の不活性ガスとして窒素ガスを選択した場合、特に粉砕工程において粉末に含まれる窒素量が増加し、磁気特性の低下を招いてしまう。
また、アルゴンガスを選択した場合、アルゴンは高価であり、製造コストに影響を与えるため、特に量産の場合には適さない、という問題もある。
本発明は、磁気特性の低下を抑え、低コストで高特性の希土類焼結磁石を得ることのできる希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
そこでなされた本発明の希土類焼結磁石の製造方法は、所定組成の原料合金粉末を、酸素濃度が100ppm以下の雰囲気下で、有機物を構成要素とし粘度が10mPa・s以下の潤滑剤が添加された状態で微細に粉砕する微粉砕工程と、酸素濃度が100ppm以下の雰囲気下で、微粉砕工程で得られた粉砕粉末を磁場中成形し、成形体を得る磁場中成形工程と、成形体を焼結する焼結工程と、を備えることを特徴とする。
このように、酸素濃度を100ppm以下とした低酸素雰囲気下で微粉砕、磁場中成形を行う場合、微粉砕工程の前に添加する潤滑剤の粘度を10mPa・sと低粘度のものにするのが、粉砕粉末に含まれる窒素量を抑えるのに有効である。特に、微粉砕工程、磁場中成形工程を、窒素ガス雰囲気とした場合に本発明は有効である。
このような潤滑剤としては、脂肪酸または脂肪酸エステルがあり、具体的には、オクタン酸、オクタン酸エチル、オクタン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル等が好適である。
また、本発明においては、焼結工程に先立ち、成形体を、水素(H)を含む雰囲気ガス下で加熱処理することにより潤滑剤を除去する潤滑剤除去工程をさらに含むようにするのが好ましい。これにより残留炭素量を低減することができ、磁気特性を向上させることができる。このとき、加熱処理は、100〜550℃で行うのが好ましい。
本発明によれば、低酸素雰囲気下で微粉砕、磁場中成形を行うときに、粉砕粉末に含まれる窒素量を抑えることができるので、磁気特性の低下を抑制できる。また、低酸素雰囲気を実現するのに窒素を用いた場合に本発明は特に有効であるため、低コストで高特性の希土類焼結磁石を得ることが可能となる。
以下、本発明を実施の形態を希土類焼結磁石の製造方法を例にして詳細に説明する。
希土類焼結磁石は、通常、原料合金作製、原料合金の粉砕、粉砕された粉末の磁場中成形、成形体の焼結という基本的な工程を経て作製される。以下、本発明の特徴部分である潤滑剤除去処理工程を含め、工程順にその製造方法を説明する。
原料合金は、真空又は不活性ガス、好ましくはAr雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。ストリップキャスト法は、原料金属をArガス雰囲気などの非酸化性雰囲気中で溶解して得た溶湯を回転するロールの表面に噴出させる。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片(鱗片)状に急冷凝固される。この急冷凝固された合金は、結晶粒径が1〜50μmの均質な組織を有している。原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。
原料合金は粉砕工程に供される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行なうことが好ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に排出させることにより粉砕を行なうことが効果的である。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。この場合、例えばストリップキャスト法で得られた原料合金は、数mm〜数十mmのサイズに切断された状態で水素粉砕に供される。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径2.5〜6μm、好ましくは3〜5μmの微粉とする。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
ここで、原料合金段階で、R14B相を主体とする合金(低R合金)と、低R合金よりRを多く含む合金(高R合金)とを用い、それぞれを粗粉砕、微粉砕した後、これらを混合して微粉を得ることもできる。その場合、低R合金粉末及び高R合金粉末の混合比率は、重量比で80:20〜97:3程度とすればよい。
この微粉砕に先立ち、有機物を構成要素とする潤滑剤を0.01〜0.5wt%程度添加する。これにより、微粉砕工程において所望の粒径の微粉末を効率よく製造することができ、次の磁場中成形時に配向性の高い微粉を得ることができる効果に加え、微粉砕粉末に含まれる窒素量を低減することができる。微粉砕前に添加する潤滑剤としては、脂肪酸または脂肪酸エステルを用いるのが好ましいが、この中でも、特に、粘度が10mPa・s(10cP)以下の潤滑剤を用いるのが好ましい。このような潤滑剤としては、オクタン酸、オクタン酸エチル、オクタン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル等がある。
さらに微粉砕後に潤滑剤を添加することもできる。微粉砕後に添加する潤滑剤は配向度を向上させるために添加するものである。
以上のようにして得られた微粉末は磁場中成形に供される。この磁場中成形は、10.1〜25kOe(800〜1975kA/m)の磁場中で、0.5〜2.0ton/cm(50〜200MPa)前後の圧力で行なえばよい。また、印加する磁場は、静磁場に限らずパルス状の磁場を用いることができる。さらに、印加する磁場の方向は、加圧方向と平行な方向、加圧方向と直交する方向のいずれであってもよい。
以上で得られた成形体は、前述した潤滑剤を含んでいる。この潤滑剤は、希土類元素と反応するために、R−Fe−B系焼結磁石として希土類元素の量が不足することにより磁気特性の劣化を招く。また、潤滑剤を多く含んでいると焼結時の収縮が焼結体中で不均一となり焼結後に変形するおそれがある。
そこで、潤滑剤の除去のための潤滑剤除去処理を、加熱処理によって行うのが好ましい。このとき、水素を含む雰囲気ガスの下で潤滑剤除去処理を成形体に施すと、真空下又は不活性ガス雰囲気下における潤滑剤除去処理に比べて成形体に残留する炭素の量を迅速に低減することができる。また、潤滑剤除去処理のための加熱処理は、100〜550℃の温度範囲に保持することが好ましい。100℃未満では潤滑剤除去の効果を十分得ることができないためであり、一方、550℃を超えると効果が飽和するためである。ここで、100〜550℃の温度範囲に保持する、とは当該温度範囲の一定温度に成形体を保持する場合に限らず、所定時間だけ当該温度範囲のいずれかの温度に成形体が加熱されていればよい。したがって、100〜550℃にかけて連続的に昇温する形態、100〜550℃の範囲において段階的に温度を上昇させる形態等、種々の形態を包含する。好ましい加熱処理の温度は、100〜450℃、さらに好ましい加熱処理の温度は100〜400℃である。
潤滑剤除去処理のための加熱処理の保持時間が短いと潤滑剤除去の効果が不十分であり、一方保持時間が長すぎても潤滑剤除去の効果が飽和してしまう。したがって、加熱処理の保持時間は、0.5〜10時間とすることが好ましく、さらには1〜7時間とすることが好ましい。
以上の潤滑剤除去処理が施された成形体は、焼結に供される。焼結は、真空又は不活性ガス雰囲気中、好ましくは真空中で行われる。焼結条件は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1100℃の温度で1〜10時間程度保持すれば緻密な焼結体を得ることができる。
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、保磁力を制御する重要な工程である。時効処理を2段に分けて行なう場合には、750〜950℃、500〜700℃での所定時間の保持が有効である。また、500〜700℃の熱処理で保磁力が大きく増加するため、時効処理を1段で行なう場合には500〜700℃の時効処理を施すとよい。
なお、高磁気特性を得るべく、水素粉砕(粉砕処理後の回収)から焼結(焼結炉に投入する)までの各工程の雰囲気を、100ppm未満の酸素濃度に抑え、低酸素雰囲気下で各処理を行う。
本発明はR−T−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCo)で示されるR−T−B系焼結磁石について適用することが好ましい。
R−T−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜37wt%含有する。ここで、RはYを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの1種又は2種以上から選択される。Rの量が25wt%未満であると、R−T−B系焼結磁石の主相となるR14B相の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが37wt%を超えると主相であるR14B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なRリッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜37wt%とする。好ましいRの量は28〜35wt%である。
また、本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を4.5wt%とする。好ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに好ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、Coを5.0wt%以下(0を含まず)、好ましくは0.1〜3.0wt%含有することができる。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相の耐食性向上などに効果がある。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Al、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが好ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を2000ppm以下、さらには1000ppm以下とすることが好ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。
以上、R−T−B系焼結磁石について説明したが、本発明は他の希土類焼結磁石、さらには磁石以外の他の焼結体に適用することができることは、当業者であれば、以上の説明あるいは以下の実施例の説明から明らかである。
ストリップキャスト法により、次に示す原料合金を作製した。
組成:28.0wt%Nd−0.1wt%Pr−0.01wt%Co−0.1wt%Al−0.04wt%Cu−1.0wt%B−0.2wt%Zr−bal.Fe
得られた原料合金に対し水素粉砕を行い、原料合金粗粉を得た。原料合金粗粉に、表1に示す潤滑剤を添加した。このとき、潤滑剤の添加量は0.1wt%とした。なお、添加した潤滑剤の粘度を、添加に先立って測定した。粘度の測定はブルックフィールド社製、「DV−1+LVシリーズ」を用い行った。測定の際の温度は20.0℃であり、スピンドル及び回転数はそれぞれの粘度に応じて変化させた。
なお、本実施例において、水素粉砕処理後、原料合金粗粉の回収時から焼結のために焼結炉に投入するまでの各工程の雰囲気は、窒素雰囲気への置換により100ppm未満の酸素濃度に抑えてある。
Figure 2007266026
次いで、気流式粉砕機(ジェットミル)を使用し、高圧窒素ガス雰囲気中で、平均粒径が約4μmとなるように微粉砕を行った。
得られた微粉の窒素分析値を計測した。その計測結果を表1に示す。
固体であるオクタン酸アミド、オレイン酸アミドに対して、液体であり粘度が10mPa・sを下回るオクタン酸、オクタン酸エチル、オクタン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチルを添加することで窒素量を低減することができることがわかる。一方、液体でありながら粘度が10mPa・sを上回るラウリン酸、オレイン酸、オレイン酸メチル、オレイン酸エチルを添加した場合、固体であるオクタン酸アミド、オレイン酸アミドを用いた場合に比較して窒素量の低下幅が少ないことが確認された。
続いて、上記実施例1と同様の手法で、粘度が10mPa・sを下回るオクタン酸(実施例)、固体であるオクタン酸アミド(比較例)を用い(添加量は0.1wt%)、平均粒径が3.5〜6.3μmの微粉を作製した。
そして、得られた微粉の窒素分析値を計測した。その計測結果を図1に示す。
図1に示すように、低酸素の窒素雰囲気中で微粉砕を行うと、オクタン酸アミドを用いた場合、微粉粒径の微細化にともない、窒素量が増加する傾向が見られる。一方、粘度が10mPa・sを下回るオクタン酸を用いた場合、微粉粒径の微細化に関わらず窒素量の増加を抑制できることが分かる。
さらに、上記の微粉を用いて磁場中成形し、所定の形状の成形体を得た。磁場中成形では、前記微粉を22kOe(1750kA/m)の磁場中において、成形圧1.5ton/cm(147MPa)で成形した。磁場方向はプレス方向と垂直な方向とした。成形体の寸法は20mm×18mm×12mmとした。
得られた成形体に対し焼結及び時効処理を行って焼結体を得た。焼結は真空中で1090℃で4時間保持する条件とし、時効処理はAr雰囲気中で900℃で1時間保持後、540℃で1時間保持する2段時効処理とした。
得られた焼結体について、保持力HcJを測定した。その結果を図2に示す。
オクタン酸アミドを用いた場合、全体としては微粉粒径が小さくなるにともない保磁力HcJが向上する傾向があるが、微粉粒径が微細になった領域において保磁力HcJが低下する傾向が見られる。これは、図1との関係から、微粉の窒素量の影響があるものと考えられる。一方、粘度が10mPa・sを下回るオクタン酸を用いた場合、微粉粒径に関わらず、粒径が小さくなるにともない保磁力HcJが向上し、特に微粉粒径が4μm以下の微細になる領域においては、オクタン酸アミドを用いた場合に比較して保磁力HcJが顕著に増加している。
続いて、上記実施例1と同様の手法で、粘度が10mPa・sを下回るオクタン酸を0.1wt%添加し、平均粒径が4μmの微粉を作製し、成形体を得た。
そして、得られた成形体について潤滑剤除去処理を行った。その条件は、アルゴン雰囲気中で100、200、300、400、500、600℃までの昇温を行った後、水素を95%以上含む雰囲気ガスへの置換を行い、その状態で2時間、加熱処理するというものである。
得られた成形体に対し焼結及び時効処理を行って焼結体を得た。焼結は真空中で1090℃で4時間保持する条件とし、時効処理はAr雰囲気中で900℃で1時間保持後、540℃で1時間保持する2段時効処理とした。
また、比較のため、潤滑剤除去処理を行わず、成形体を焼結および時効処理することで得た焼結体を用意した。
得られた焼結体について、残留炭素量を測定した。その結果を図3に示す。なお、図3において、温度0℃に示したものは、潤滑剤除去処理を行わなかった場合の残留炭素量である。
図3に示すように、潤滑剤除去処理により残留炭素量が低減し、特に潤滑剤除去処理温度が100〜500℃であるときには残留炭素量が600ppmを大幅に下回っていることが分かる。
他の潤滑剤についても実施例3と同様に潤滑剤除去処理による効果を確認した。
上記実施例1と同様の手法で、粘度が10mPa・sを下回るオクタン酸、オクタン酸エチル、オクタン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチルをそれぞれ0.1wt%添加して、平均粒径が4μmの微粉を作製し、成形体を得た。
そして、得られた成形体について潤滑剤除去処理を行った。その条件は、アルゴン雰囲気中で180℃までの昇温を行った後、水素を95%以上含む雰囲気ガスへの置換を行い、その状態で2時間、加熱処理するというものである。
また、比較のため、潤滑剤除去処理を行わず、成形体を焼結および時効処理することで得た焼結体を用意した。
得られた成形体に対し焼結及び時効処理を行って焼結体を得た。焼結は真空中で1090℃で4時間保持する条件とし、時効処理はAr雰囲気中で900℃で1時間保持後、540℃で1時間保持する2段時効処理とした。
得られた焼結体について、磁気特性(残留磁束密度Br、保磁力HcJ)、残留酸素量、残留炭素量、残留窒素量を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2007266026
表2に示すように、オクタン酸、オクタン酸エチル、オクタン酸メチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、いずれの潤滑剤を用いた場合も、潤滑剤除去処理を行うことで残留炭素量が低減し、保磁力HcJが向上していることがわかり、潤滑剤除去処理の有効性が確認された。
また、潤滑剤の添加量による違いを確認した。
上記実施例1と同様の手法で、粘度が10mPa・sを下回るオクタン酸、粘度が10mPa・sを上回るラウリン酸を、それぞれ表3に示す量を添加して、平均粒径が4μmの微粉を作製し、成形体を得た。
そして、得られた成形体について潤滑剤除去処理を行った。その条件は、アルゴン雰囲気中で180℃までの昇温を行った後、水素を95%以上含む雰囲気ガスへの置換を行い、その状態で2時間、加熱処理するというものである。
得られた成形体に対し焼結及び時効処理を行って焼結体を得た。焼結は真空中で1090℃で4時間保持する条件とし、時効処理はAr雰囲気中で900℃で1時間保持後、540℃で1時間保持する2段時効処理とした。
また、比較のため、潤滑剤除去処理を行わず、成形体を焼結および時効処理することで得た焼結体を用意した。
得られた焼結体について、残留炭素量、残留窒素量を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2007266026
表3に示すように、粘度が10mPa・sを下回るオクタン酸は、添加量0.1wt%で十分な窒素量の低減効果が得られている。一方、ラウリン酸においては添加量が0.2wt%でオクタン酸と同等の窒素量の低減効果を得ることができるものの、残留炭素量は添加量の増加にともなって増大する傾向にあり、粘度が10mPa・sを上回るラウリン酸ではオクタン酸と同等以下の窒素量および炭素量を得ることができないことが分かる。
潤滑剤の粘度に応じた、粒径と窒素量との関係を比較するための図である。 同、粒径と保磁力との関係を比較するための図である。 潤滑剤除去処理温度と残留炭素量の関係を示す図である。

Claims (5)

  1. 所定組成の原料合金粉末を、酸素濃度が100ppm以下の雰囲気下で、有機物を構成要素とし粘度が10mPa・s以下の潤滑剤が添加された状態で微細に粉砕する微粉砕工程と、
    酸素濃度が100ppm以下の雰囲気下で、前記微粉砕工程で得られた粉砕粉末を磁場中成形し、成形体を得る磁場中成形工程と、
    前記成形体を焼結する焼結工程と、
    を備えることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  2. 前記微粉砕工程、前記磁場中成形工程は、窒素ガス雰囲気とすることで、酸素濃度を100ppm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  3. 前記潤滑剤は、脂肪酸または脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1または2に記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  4. 前記潤滑剤は、前記微粉砕工程に先立ち、前記原料合金粉末に添加することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  5. 前記焼結工程に先立ち、前記成形体を、水素(H)を含む雰囲気ガス下で加熱処理することにより前記潤滑剤を除去する潤滑剤除去工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。
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