JP2007261880A - 焼結物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種廃棄物を粉末状でロータリーキルンに投入し焼成した場合に発生する塊状物延いては大径の焼結物の問題を解消し、キルンやクーラー出口でのつまりや機器の損傷を防止し、大径焼結物の粒度調整又は廃棄が不要で、高品質の焼結物が得られる焼結物の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】廃棄物等に、必要に応じて、成分調整材及び/又は焼結助剤を加えてロータリーキルンで焼成する焼結物の製造方法において、該ロータリーキルン内で発生する塊状物を、該ロータリーキルン内で破砕しながら焼成することを特徴とする焼結物の製造方法及びロータリーキルン内に、塊状物破砕用ロール及び該ロールの移動防止用ダムリングを設置したことを特徴とする焼結物の製造装置である。
【選択図】図2

Description

本発明は焼結物の製造方法に関し、特に、建設発生土、産業廃棄物等を主原料とし、高強度かつ低吸水性の焼結物を製造するに際し、ロータリーキルン内で発生する塊状物の弊害を防止可能な焼結物の製造方法に関する。
建設現場等から発生する残土や、産業廃棄物、一般廃棄物等の発生量は年間数百万トンにも達し、その大部分は有効活用されることなく、埋立処分されているのが現状である。このため、近年、それらの受入先である埋立処分場については、残余容量の逼迫が懸念され、効果的な対策が求められている。
こうした背景や、さらには、産業廃棄物の多くは無機の鉱物質の物質が主成分であることなどから、それらを遊休のロータリーキルン等を用いて焼成し、人工骨材等を製造し、有効活用する試みが種々なされてきた。
例えば、特許文献1には、建設発生土、産業廃棄物等を主原料とし、5mm以下の粉状、粒状の状態でロータリーキルンに投入し、造粒しながら焼成して焼結物を製造する方法が開示されている。該製造方法によれば、高強度且つ低吸水性の焼結物を生産性よく製造することができ、コンクリート用の骨材、路盤材、埋め戻し材、セメント原料の粘土の代替等として好適に使用することができる上、さらに、廃棄物の有効利用、遊休設備の有効活用といった優れた効果を得ることができる。
特開2005−306707号公報
しかしながら、各種廃棄物を粉末状でロータリーキルンに投入すると、廃棄物の組成によっては、該キルン内で粉末原料が加熱により軟結し、人頭大の塊状物が生成する。この塊状物がさらに加熱されると強固な大径焼結物となる。該大径焼結物は、窯前やクーラー内で転動し、キルンやクーラー出口でのつまりや機器の損傷の原因となりかねない。また、その大径焼結物を別途破砕・粒度調整しなければ、骨材等の仕様である5〜15mmΦ程度の粒状物とすることができず、さもなくば大径焼結物を廃棄する他はないといった問題点があった。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、各種廃棄物を粉末状でロータリーキルンに投入し焼成した場合に発生する塊状物延いては大径の焼結物の問題を解消し、キルンやクーラー出口でのつまりや機器の損傷を防止し、大径焼結物の粒度調整又は廃棄が不要で、高品質の焼結物が得られる焼結物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を行なった結果、ロータリーキルン内で発生する塊状物を、該ロータリーキルン内で破砕しながら焼成することにより、それら問題点を解消し、高品質の焼結物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、焼結物の製造方法であって、建設発生土、産業廃棄物、一般廃棄物及び採石場の屑石から選ばれた1種以上に、必要に応じて、成分調整材及び/又は焼結助剤を加えてロータリーキルンで焼成する焼結物の製造方法において、該ロータリーキルン内で発生する塊状物を、該ロータリーキルン内で破砕しながら焼成することを特徴とする。
ロータリーキルンに原料が投入されると、廃棄物の組成によっては、該キルン内で粉末原料が加熱により軟結し、人頭大の塊状物が生成する。この軟結状態のうちに、キルン内の破砕手段で該塊状物を破砕しておくと、その後キルン出口に向かうに従い加熱が進行しても、強固な大径焼結物が発生することはない。
また、本発明は、上記焼結物の製造方法において、ロータリーキルンの窯尻付近に設置した、塊状物破砕用ロールにより、前記塊状物を破砕することを特徴とする。キルン内という高温の雰囲気で実現可能な破砕方法としては、コスト、メンテナンスを考慮して、ロールによる破砕が最適である。
さらに、本発明は、上記焼結物の製造方法において、絶乾密度が1.00g/cm以上、かつ2.50g/cm以下、24時間吸水率及び減圧吸水率が15%以下、圧かい荷重が0.5kN以上の焼結物を得られることを特徴とする。これは塊状物破砕を行なわず、大径焼結物発生の恐れがあるものの、得られる焼結物の品質は高品質である特許文献1の製造方法と、同一水準の品質であることを示している。
一方、本発明は、焼結物の製造装置であって、ロータリーキルンの窯尻付近に、塊状物破砕用ロール及び該ロールの移動防止用ダムリングを設置したことを特徴とする。ここで、窯尻付近とは、キルンに投入された粉末原料が、加熱により軟結し塊状物を生成し始める領域であり、大略原料温度が300〜1000℃となる位置である。この位置に塊状物破砕用ロールが留まるよう、該ロールの移動防止用ダムリングを設置する。
そして、本発明は、前記塊状物破砕用ロールが、円柱形状で、円柱側面に円周方向に連続する溝が形成されていることを特徴とする。ここで、円柱側面とは、曲面部分、すなわち円柱を平面に展開した場合に、長方形となる部分をいう。円柱側面に円周方向に連続した溝とは、円柱側面上で、円柱底面の円周と平行に、リング状を形成する複数の溝、または該円周と若干の角度を持ち、ねじ溝状を形成する溝のことをいう。また、溝の断面形状として、V字型とすることも、逆Π字型とすることもできる。これらの溝を形成することにより、破砕生成物が全面的に粉体とならず、適量の小粒子を形成させ、ロータリーキルンによる転動造粒を好適に促進させることができる。
以上のように、本発明によれば、各種廃棄物を粉末状でロータリーキルンに投入し焼成した場合に発生する塊状物延いては大径の焼結物の問題を解消し、キルンやクーラー出口でのつまりや機器の損傷を防止し、焼結物の破砕が不要で、高品質の焼結物を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこの記述内容に限定されるものではない。
本発明で使用する建設発生土とは、建設現場や工事現場の掘削、ダムの浚渫工事等で発生する土壌、泥土、残土、さらに廃土壌等をいい、これらにハンドリング性や輸送性を向上させるため、消石灰などの改質材を添加した改質土も含む。
また、本発明で使用する産業廃棄物としては、例えば生コンスラッジ、各種汚泥(例えば、浄水汚泥、建設汚泥、製鉄汚泥等)、建設廃材、コンクリート廃材、ボーリング廃土、各種焼却灰(例えば、石炭灰、焼却飛灰、溶融飛灰等)、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰等が挙げられる。
更に、本発明で使用する一般廃棄物としては、例えば下水汚泥、下水汚泥乾燥粉、下水汚泥焼却灰、都市ゴミ焼却灰、都市ゴミ焼却飛灰、貝殻等が挙げられる。砕石場の屑石とは、道路用骨材、コンクリート用骨材等用に岩石を採掘し、破砕の後、篩い分ける工程で出る篩い下品をいう。本発明においては、上記した建設発生土、産業廃棄物、或いは一般廃棄物から選ばれた1種類以上を主原料として使用する。なお、以下、建設発生土、一般廃棄物、産業廃棄物及び砕石場からの屑石から選ばれる一種以上を廃棄物等ということがある。
本発明で使用する上記廃棄物等は、平均粒子径で1〜300μmのものを用いると、焼結性が良いために推奨され、特に好ましくは、平均粒子径で1〜50μmのものを用いる。300μmより大きい場合は、粉砕等によって粒度を調整したものを用いることができる。この際、粉砕は連続式、バッチ式を問わないが、経済性の観点から連続式が推奨される。平均粒子径が1μmに満たない場合は、原料の焼結性は向上するものの、粉砕にかかるコストが高騰するために好ましくない。廃棄物等は、粉砕の前後に必要に応じロータリードライヤーなどの乾燥機で乾燥して用いても良い。
上記廃棄物等のなかには、強熱減量分として数質量%から数10質量%程度の有機物を含むものもあるが、本発明では後述のように、原料形態は粉末、或いは所定の粒径以下の粒子形態で焼成するため、焼成過程での燃焼反応が容易に進行し、有機物は完全に燃焼するため、使用する廃棄物等には有機物含有量に対する規制は特段設ける必要はない。
本発明においては、上記廃棄物等を主原料として用い、該主原料に、必要に応じて成分調整剤及び/又は焼結助剤を添加し、予め所定の化学組成の原料とする。但し、廃棄物等の大量使用の観点から、成分調整剤及び/又は焼結助剤は極力使用しないことが好ましく、このために、上記した建設発生土、一般廃棄物、産業廃棄物を適宜組み合わせ、主原料である廃棄物等自体の化学組成を、目標とする原料の化学組成とする、或いは少なくとも目標とする原料の化学組成に近づけることは好ましい。
目標とする原料の化学組成は、CaOが5〜30質量%、SiOが30〜70質量%量%、Alが10〜40質量%含まれているように調整することが好ましい。
これは、CaOが5質量%に満たない場合には、焼成温度が著しく上昇し、実用的ではないことや、易焼成性が悪くなるなど焼結物品質のコントロールが困難になるために好ましくなく、逆にCaOが30質量%より多く含まれていると、やはり焼成温度が上昇し、易焼成性が悪くなるために好ましくない。また、SiOが30質量%よりも少ないと、焼成温度が上昇し、易焼成性が悪くなるために好ましくなく、70質量%よりも多いと焼成温度が著しく上昇し実用的ではなく好ましくない。Alが10質量%よりも少ないと、液相の大量発生など、安定した運転が困難になるために好ましくなく、Alが40質量%を超える量存在すると、焼成温度が著しく上昇し、実用的ではないために好ましくない。
ここで、成分調整剤とは、例えば、SiO源としては、ケイ石粉、粘土、カオリン、ベントナイトといったものが挙げられる。また、Al源としては、アルミナ粉、アルミ灰、CaO源としては、石灰石粉、消石灰、生石灰、セメント、石膏などが挙げられる。
上記成分調整剤の粒度については、廃棄物等の反応性から、平均粒子径で1〜300μmであることが好ましく、特には平均粒子径で1〜50μmであることが好ましい。300μmより大きい場合は、粉砕や分級によって粒度を調整したものを用いることができる。
成分調整剤の粒度が1μmよりも小さいと、粉砕等にかかる費用が高騰するために好ましくなく、300μmを超えると、廃棄物等との反応性が著しく悪くなり、成分調整剤としての効果が得られないために好ましくない。
一方、焼結助剤とはその名のとおり、焼結反応を促すために添加するものであって、主原料である廃棄物等、或いは廃棄物等と上記成分調整剤の混合物にすでに焼結性が備わっていれば、特に添加する必要はない。しかしながら、これらの原料成分では十分な焼結性が確保できない場合には、焼結助剤を添加する。
焼結助剤には、種々のものが挙げられるが、例えば上記に示した成分調整剤のうち、粘土やカオリン、ベントナイト、各種のAl源やセメントなどは、焼結を促す効果をあわせもっている。また、MgOも焼結を促す効果を有しており、MgOは勿論のこと、この成分を含有するMg(OH)やMgCO、或いはCaCO・MgCO(ドロマイト)、MgO・Al(スピネル)、2MgO・SiO(フォルステライト)なども好適である。また、鉄鋼副産物であるフェロニッケルスラグなどもMgOの含有量が高いばかりでなく、その有効利用といった観点からもより好適な材料と言える。
KやNaなどのアルカリ金属の酸化物や複合酸化物、例えば炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなども焼結反応を促進する効果を示すことが知られており、その複合酸化物である正長石、曹長石などの長石族、硝石、雲母族、霞石も焼結助剤として好適である。また、廃ガラスや赤泥などもその有効利用の観点から好適な材料といえる。さらに、Feを含有する酸化物や複合酸化物、例えばFe粉末や鉄さいなども焼結反応を促進する効果を合わせ持っているため、これらを必要に応じて添加しても良い。
上記添加する焼結助剤の粒度としては、やはり廃棄物等との反応性から、平均粒子径で1〜300μmが好ましく、特には平均粒子径で1〜50μmであることが好ましい。300μmより大きい場合は、粉砕等によって粒度を調整したものを用いることができる。
焼結助剤の粒度が1μmより小さいと、粉砕等にかかる費用が高騰するために好ましくなく、300μmを超えると、廃棄物等との反応性が悪くなり、焼結助剤としての効果が得られないために好ましくない。
また、焼結助剤の添加量としては、焼結物中の焼結助剤成分元素の酸化物換算値として、MgOが0.1〜10質量%、ROが0.1〜10質量%、Feが0.1〜10質量%とすることが好ましい。
なお、ROとは、アルカリ金属酸化物の総称で、RO(質量%)=NaO(質量%)+0.685KO(質量%)で表すことができる。
MgOが0.1質量%よりも小さいと、焼結助剤としての効果が得られないために好ましくなく、10質量%よりも大きいと、焼結助剤としての効果はそれ以上増加しないために好ましくない。ROが0.1質量%よりも小さいと、焼結助剤としての効果が得られなくなるために好ましくなく、10質量%より大きいと、焼結時の液相の発生が急激になり、安定した運転が行えなくなるために好ましくない。また、Feが0.1質量%よりも小さいと、焼結助剤としての効果が得られないために好ましくなく、10質量%よりも大きいと、焼結時の液相の発生が急激になり、安定した運転が行えなくなることや、焼成の雰囲気等によっては、Oを放出し、焼結物に多数の気泡を発生させる原因となるために好ましくない。
上記した廃棄物等から成る主原料、或いは該主原料に必要に応じて添加される成分調整剤及び/又は焼結助剤との混合は、ナウターミキサーやエアーブレンデングサイロなど公知の混合機で行なえばよく、連続式、バッチ式の何れを用いても良い。要は、均質な混合物が得られれば良く、混合時間等は使用する設備に応じて適宜設定すれば良いが、混合が不十分となると、良好な焼成物が得られなくなるために最大の注意を払う必要がある。また、粒度の粗い原料を用いる場合や混合度を高めたい場合は、チューブミルなどの粉砕を伴うものを使用してもよく、公知の粉砕機であれば、連続式、バッチ式を問わず何れも用いることができる。粉砕混合時間は、経済性や混合性から、概ね30分〜1時間程度が良いが、使用する設備に応じて適宜設定すると良い。
混合された原料は、5mm以下の粉状及び/又は粒状の状態でロータリーキルンに投入され、造粒しながら焼成することにより焼成物が製造される。原料は粒状の状態のままでロータリーキルンに投入しても良いが、野外ホッパーからベルトフィーダーを介してキルンに送入する場合など、発塵や周囲環境に配慮が必要な場合、或いはハンドリング面において問題を生じさせる可能性がある場合は、原料粉末を5mm以下の粒状に整粒し、ロータリーキルンへ投入しても良い。
この際、整粒にパンペレタイザーや押出し成形機を用いても特段問題はないが、これらは習熟された技能を必要とすることや設備コスト上の観点から好ましくなく、例えばパグミルやスクリューフィーダーを使用し、原料輸送経路、或いは整粒中の原料に直接散水することで、設備が簡素にでき、これといった特別な技能を必要としないことから推奨される。また、整粒物の粒子径のコントロールは、散水量で調整することができ、最適な散水量は、原料粉末の粉末度や含水量によって異なるため、整粒物の状態を見ながら、適宜調節すると良い。
整粒物が5mm以下であれば、どのような形状をしていても良く、整粒ののち、解砕や分級にて5mm以下に調整したものを用いても良い。この整粒物が5mmを超えると、均質に焼成し難くなるため好ましくない。
こうして混合された粉状の原料、或いは5mm以下に整粒された粒状の原料は、ロータリーキルンで焼成される。ロータリーキルンの使用は、セメント産業において、遊休設備の活用と言った観点から推奨されることは言うまでもないが、ロータリーキルンは、安定した品質の焼結物が連続して得られ易く、工業生産に向いていることに加え、前述の原料の配合調整による相乗効果も合わさって、極めて安定的に焼結物を製造することが可能となる。
ロータリーキルンを用いた焼成は、好ましくは800〜1500℃、より好ましくは、1150〜1350℃にて行うが、所望とする焼結物の品質(例えば、絶乾密度、吸水率等)を勘案し、適宜調製すると良い。なお、焼成温度が800℃未満では、十分な焼成が行われず、原料が造粒されないまま排出される憂いがあるために好ましくない。また、1500℃を超えると、原料が溶融してしまい、運転に支障をきたすために好ましくない。
ここで、使用するロータリーキルンは、排気系にサイクロンなどの原料循環予熱設備、プレヒーター、廃熱ボイラー等を付設していても、していなくても良い.また、窯尻にリフターを備えているものや、ロータリーキルンの内径を途中で搾めたり、広げるなどの加工を加えたものであっても良い。
燃料としては、重油、微粉炭、再生油、LNG、NPGなど一般的に用いられているものであれば、単体或いは混焼で使用しても良く、所定の焼成温度になるよう焚き込み量を調整する。近年、セメントキルンにおいては、廃プラスチック、廃タイヤ、廃木材や肉骨粉などが、燃料代替として用いられているが、そのようなものが燃料の一部として使用されても良い。
ロータリーキルンでの焼成時間は、経済性の観点から概ね15〜120分とするのが適当であるが、所定品質の焼結物が得られるよう、適宜調製すると良い。また、焼成時のロータリーキルン内のO分圧は、一般的な焼成範囲である3〜12%に調整すれば良いが、特に限定されるものではない.また、サイクロンなどの原料循環系を備えていないロータリーキルンにて焼成を行う場合は、ロータリーキルン窯尻の風速が概ね5m/S以下となるよう、ドラフトを調整すると良く、ロータリーキルン窯尻の風速が5m/Sを越えると、多量の原料が系外へ飛散して焼結物の収率が低下するために好ましくない。
本発明では、前述のとおり、ロータリーキルン内に塊状物破砕用のロールを設置すること等によりキルン内に発生する塊状物を破砕することを特徴としている。ロールの材質は、キルン内のレンガ材質と同じものがよい。金属製のものは、耐熱性などに問題があり好ましくない。
塊状物破砕用ロールの形状は、円柱形状で、円柱側面に円周方向に連続する溝が形成されている形状が好ましい。ここで、円柱側面とは、曲面部分、すなわち円柱を平面に展開した場合に、長方形となる部分をいう。円柱側面に円周方向に連続した溝とは、円柱側面上で、円柱底面の円周と平行に、リング状を形成する複数の溝、または該円周と若干の角度を持ち、ねじ溝状を形成する溝のことをいう。また、溝の断面形状として、V字型(図1(a)参照)とすることも、逆Π字型(図1(b)参照)とすることもできる。これらの溝を形成することにより、破砕生成物が全面的に粉体とならず、適量の小粒子を形成させ、ロータリーキルンによる転動造粒を好適に促進させることができる。
塊状物破砕用ロールの直径は、ロータリーキルンの直径の40%以下でとすべきであり、20〜30%が好ましい。破砕はロールの自重によるものであるため、キルン直径の20%以下では、完全には塊状物を破砕できない。逆に、キルン直径の40%以上では、ロール径が大き過ぎるため、レンガの損傷やロータリーキルンの駆動電動機の負荷が増し運転上好ましくない。
図2には、ロータリーキルン内での塊状物破砕用ロールの設置状況を示す。該ロールの設置位置は、原料粉末が加熱により軟結し、塊状物を生成し始める領域である、原料温度が300℃〜1000℃となる領域に設置するとよい。1000℃を超えると焼結直前となるため、該ロールで破砕するのは困難となる。また、ロータリーキルン内には塊状物破砕用ロールが移動しないように、該ロールの窯前側と窯尻側にダムリングを形成する。このダムリングの高さは、あまり高いと原料の流れを妨げる原因となるので該ロール径の50%以下がよい。
上記のようなロータリーキルンによる原料の焼成によって、大塊の発生による機器の停止などのトラブルが無く安定焼成でき、焼結物の品質も絶乾密度が1.0g/cm以上、2.5g/cm以下、24時間吸水率、減圧吸水率が0.1%以上、焼結物の圧かい荷重が0.5kN以上の焼結物が得られる。
本発明により得られる焼結物は、24時間吸水率が低いばかりでなく、減圧吸水率も低いのが特徴であり、上記した24時間吸水率、減圧吸水率が0.1%以上、15%以下である焼結物が得られるのは無論、24時間吸水率、減圧吸水率が共に0.1%以上、6%以下で、焼結物の圧かい荷重が1.0kN以上の焼結物も容易に得ることができる。
ここで、減圧吸水率とは、一定の減圧下にて強制的に吸水を行う方法であり、具体的には、密閉容器中に焼結物を水没させ、真空ポンプでー400mmHgまで容器を減圧し、15分間静置した後に徐々に大気に開放し、焼結物に含水した水量から減圧時の吸水率を測定した値である。この減圧吸水率は、コンクリートのポンプ圧送時の配管内における骨材の吸水率を推察する指標となるものであり、焼結物をコンクリート用骨材として使用する場合には、コンクリートにした際の良好なワーカビリティーを確保するために、焼結物は、24時間吸水率のみならず、減圧吸水率を低くすることが重要である。表面のみの焼成が進行し易い従来のペレット焼成は、外観上は緻密質であっても、焼結物内部に焼成むらが生じていることが多く、それによって、24時間吸水率が低い場合においても、減圧吸水率が高くなることが一般的であるが、本発明によって得られる焼結物は、焼成過程において、核となる溶融粒子が他の溶融粒子を巻き込みながら粒成長し、焼結度を高めながら焼成が進行することから、表面から内部まで非常に焼きむらの少ない非常に均質で緻密質な焼結物が得られる。そのため、24時間吸水率が低いことは勿論のこと、同時に減圧吸水率も低くなるといった特徴があり、加えて強度も備わったものとなる。また、5mm以下の粉状及び/又は粒状の状態でロータリーキルンに投入するため、廃棄物等の主原料に含有されている有機物が、焼成中に燃焼され易いといった特徴もあり、焼成中の焼結物の発泡化が抑制され、結果として絶乾密度も高い焼結物が得られ易い。
また、焼結物には、鉱物種として少なくともアノ−サイト(CaO・2SiO・ Al)が含有されていることが好ましい。この焼結物は、生成相の主体が珪酸塩鉱物、アノ−サイト、ガラスからなるものであるが、焼結物の原料となる廃棄物等は、数種の珪酸塩鉱物から構成されており、この珪酸塩鉱物同士が反応し、結合相としてガラスが生成する.更に該ガラスと珪酸塩鉱物との反応によって強固な鉱物質であるアノ−サイトが析出し、主にガラスと珪酸塩鉱物との間に介在する。この強固な鉱物質であるアノ−サイトが介在することにより、高い強度を発現することができる。生成相中に占めるアノ−サイトの含有量は、15〜50質量%、より好ましくは、20〜40質量%である.アノ−サイトの含有量が15質量%未満では、珪酸塩鉱物粒子間の結合がガラスによって担われる比率が高まることから、高い結合力が得られず、焼結物強度が低下するために好ましくない。逆に50質量%を超えると、結晶質相が増大することにより、易焼成性を維持することが困難となるために好ましくない。
また、焼結物の化学組成は、CaOが5〜30質量%、SiOが30〜70質量%、Alが10〜40質量%であることが好ましい。これは、このような化学組成の焼結物は、易焼成性が良く、上記した性状、すなわち絶乾密度及び圧かい荷重が高く、24時間吸水率及び減圧吸水率が共に低い良好な性状を有する焼結物となるために好ましい。
以上、詳述した本発明によれば、高強度で且つ低吸水率の焼結物が得られるため、コンクリート用の骨材、路盤材、埋め戻し材、セメント原料の粘土の代替等として好適に使用することができ、しかも、建設発生土、産業廃棄物などの廃棄物を主原料とするため、廃棄物の有効利用、及び遊休のロータリーキルンをそのまま使用できるため、遊休設備の有効活用という観点からも、優れた効果を奏する発明となる。
次に本発明に係る焼結物の製造方法の実施例を説明する。
試験に使用した廃棄物等(建設発生土、下水汚泥、石炭灰)の化学組成を表1に示す。また、試験に使用した成分調整剤(炭酸カルシウム、普通ポルトランドセメント、ベントナイト)、及び焼結助剤(フェロニッケルスラグ)の化学組成を表2に示す。
(表1)
Figure 2007261880
(表2)
Figure 2007261880
表1及び表2に示した原料を、表3に示した種々の割合で計量し、本発明の好ましい範囲の化学組成に配合し、該計量原料を、130mのエアーブレンディングサイロに80トン投入し、エアーによる曝流混合を各々6時間行った。
(表3)
Figure 2007261880
得られた混合原料は、粉末のままロータリーキルンに1トン/hrで投入し、滞留時間が60分となる条件で、緻密質な焼結物が得られるように燃料であるA重油の焚き量を調整しながら焼成した。融着防止材として、珪石粉を窯前より原料投入量の5%吹き込んだ。
今回用いたロータリーキルンは、内径1.5m、長さ20mのものであり、予熱機(プレヒーター)を設置していないタイプである。このキルンで焼成原料が1000℃となる位置として、窯尻から5m付近にダムリングを設置し、更にキルン内に投入された直後に焼成原料は600℃まで上昇すると予想されるが、原料投入口との干渉を考慮して窯尻から3m付近にもうひとつのダムリングを設置した。ダムリングの形状は、高さ150mm、幅100mmとし、材質は使用している耐火レンガで作成した。塊状物破砕用ロールは、レンガと同一材質のもので、直径400mm、長さ1000mmを1本作成しキルン内に設置した。こうした焼成条件により得られた焼結物は、外観上緻密質のものであった。
得られた焼結物を、目開き5、10、15mmの篩いにて篩い分けし、5〜10mm、10〜15mmの焼結物について、それぞれ絶乾密度、24時間吸水率をJIS A 1110に準拠して測定した。焼結物の強度を測定するため、土木学会基準の高強度フライアッシュ人工骨材の圧壊荷重試験方法に準拠して圧かい荷重を測定した。
試験結果を表4に示す。なお、表中の製品回収率は、キルン焼成品の内、15〜5mmの回収量(t)をキルンから出た焼成物(t)で除した値である。実施例1〜5は、上記の通りロータリーキルン内に塊状物破砕用ロールを設置後、焼成した結果であり、比較例1〜5は該ロールを設置前に焼成した結果である。
(表4)
Figure 2007261880
表4から明らかなように、塊状物の破砕を行なう本発明の焼結物の製造方法を適用した実施例1〜5で得られた焼結物は、その品質において、比較例1〜5で得られた焼結物と同等である。しかも、比較例においては大径焼結物の発生が有り、その分製品回収率が低下しているのに対し、実施例では大径焼結物の発生は無く、製品回収率も高かった。
本発明の焼結物の製造方法は、高強度で且つ低吸水率の焼結物が得られるため、コンクリート用の骨材、路盤材、埋め戻し材、セメント原料の粘土の代替品等の製造方法として好適に利用することができ、しかも、建設発生土、産業廃棄物などの廃棄物を主原料とするため、廃棄物の活用法、及び遊休のロータリーキルンをそのまま使用できるため、遊休設備の活用法として、有効に利用できる。
本発明に係る焼結物の製造方法に用いる塊状物破砕用ロールの形状を示す側面断面図(a)V字型溝形状、(b)逆Π字型溝形状 本発明に係る焼結物の製造方法に用いるロータリーキルンの側面断面図
符号の説明
1 ロータリーキルン
2 塊状物破砕用ロール
3 ダムリング
4 原料投入シュート
5 バーナー
6 原料の流れ

Claims (5)

  1. 建設発生土、産業廃棄物、一般廃棄物及び採石場の屑石から選ばれた1種以上に、必要に応じて、成分調整材及び/又は焼結助剤を加えてロータリーキルンで焼成する焼結物の製造方法において、該ロータリーキルン内で発生する塊状物を、該ロータリーキルン内で破砕しながら焼成することを特徴とする焼結物の製造方法。
  2. ロータリーキルン内に設置した、塊状物破砕用ロールにより、前記塊状物を破砕することを特徴とする請求項1に記載の焼結物の製造方法。
  3. 絶乾密度が1.00g/cm以上、かつ2.50g/cm以下、24時間吸水率及び減圧吸水率が15%以下、圧かい荷重が0.5kN以上の焼結物を得ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の焼結物の製造方法。
  4. ロータリーキルン内に、塊状物破砕用ロール及び該ロールの移動防止用ダムリングを設置したことを特徴とする焼結物の製造装置。
  5. 前記塊状物破砕用ロールが、円柱形状で、円柱側面に円周方向に連続する溝が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の焼結物の製造装置。
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