JP2007261140A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
接着層を介すことなく基材フィルムとの接着性に優れ、視認性が良好で、かつ干渉縞と外光の映り込みの低減されたハードコート層を積層した積層フィルムを提供する。
【解決手段】
ポリエステルフィルムの少なくとも片面にハードコート層が積層された積層フィルムにおいて、ポリエステルフィルムとハードコート層との間に突起構造が形成され、ハードコート層表面の中心線平均粗さが150nm以上500nm以下、全光線透過率が90%以上であることを特徴とする積層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層フィルムに関し、更に詳しくはポリエステルフィルムとハードコート界面に突起構造を有し、かつハードコート層表面が特定の表面粗さを有する構成とすることにより反射防止フィルムとして適用した場合に干渉縞が発生せず、画像の明るさを低減することなく映り込みを低減させる効果を有するものである。
表面にハードコート層を設けた積層フィルムは反射防止フィルム、タッチパネル用フィルム、銘板用フィルムなどの幅広く適用されている。
特に近年、液晶、プラズマ、リアプロダクションなどの技術を用いたモニターや大型薄型テレビの市場は著しい拡大をみせており、これらに適用される部材も要求に応じた高機能フィルムが開発されている。その中で画面表面の反射を防止する反射防止フィルムはトリアセテートフィルムやポリエステルフィルムを基材として傷付防止のためのハードコート層、その上に高屈折率層、更に低屈折率層が設けられ、層間の界面反射を相殺して反射防止機能を付与するものが中心となっている。
しかしながら要求機能の高度化の中でポリエステルフィルムに直接ハードコート層を設けた場合には、接着性不良やフィルムとハードコート層との屈折率差と厚みムラに起因する干渉縞が発現し、視認性の悪いものとなる。また接着性を改良するために界面にプライマー層を設けた場合には、接着性改良効果は認められるものの、同様に干渉縞を解消することはできない。また近年、反射防止フィルムには表面の反射防止機能のみならず、蛍光灯や外光の映り込みを防止する機能が求められている。
これらの現象を改善するために、塗膜厚み精度を向上したり、ハードコート層の屈折率を高くし、屈折率差を少なくする方法(特許文献1参照)、基材フィルムの表面を熱プレスにより粗面化し、その面にハードコート層を設ける方法(特許文献2)、基材フィルムを溶解する溶剤を用いてハードコート剤を塗布し、基材フィルムを溶解または膨潤させることで反射界面レスとして干渉縞を低減する方法(特許文献3)などが提案されている。
しかしながら塗膜厚み精度にも限界があり、樹脂成分のみで高屈折率化するにも限度がある。また熱プレスによる方法では干渉縞は低減できても必要以上に表面が粗面化するためヘイズが上昇し透明性が悪く、画像が白っぽく見える欠点がある。更に溶解、膨潤法では適用できる樹脂が限定され高度に二軸配向したポリエステルフィルムなどではオルトクロロフェノールのような特殊な溶剤に限定され、作業環境が極めて悪い。
我々は上記の欠点を改良するためにプライマー層を設けることなくフィルム製膜工程中でハードコート層を塗布し、熱処理工程で硬化させることにより直接接着する方法を提案した(特許文献4)。更に基材フィルムとハードコート層界面に微細な突起構造を形成することで干渉縞を低減できることを見出している(特許文献4)。
また映り込みを防止するために反射防止フィルムの表面を粒子添加などで粗面化し、外光を乱反射させる方法が取り入れられている。
しかしながら、干渉縞が無く、画像の明るさを低減せず、かつ映り込みの低減された高度な要求に応えるフィルムは無く、その開発が待望されている。
特開2002−241527号公報 特開平8−197670号公報 特開2003−205563号公報 特開2005−41205号公報
本発明は、反射防止フィルムのより高度な要求に応えるために、基材フィルムとの接着性に優れ、良好な耐摩耗性を示し、干渉縞がなく、映り込みが小さく、全光線透過率が高く画像の明るさを低減させない高度な反射防止フィルムに適用できる積層フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にハードコート層が積層された積層フィルムにおいて、ポリエステルフィルムとハードコート層との間に突起構造が形成され、かつハードコート層表面の中心線平均粗さが150nm以上500nm以下、全光線透過率が90%以上であることを特徴とする積層フィルムである。
本発明の積層フィルムを反射防止フィルムに適用することにより、基材フィルムとハードコート層との接着性、摩耗性に優れ、かつ干渉縞が低減され、写り込みの少ないものとすることができる。
本発明における基材ポリエステルフィルムのポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリプロピレンナフタレートなどが挙げられ、これらの2種以上が混合されたものあってもよい。また、これらと他のジカルボン酸成分やジオール成分が共重合されたポリエステルであってもよいが、この場合は、結晶配向が完了したフィルムにおいて、その結晶化度が好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上のフィルムが好ましい。結晶化度が25%未満の場合には、寸法安定性や機械的強度が不十分となりやすい。結晶化度は、密度勾配法(JIS−K7112(1980))やラマンスペクトル分析法により得ることができる。
上述したポリエステルを使用する場合には、その極限粘度(JIS K7367に従い、25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gである。
また、本発明で用いられる基材フィルムは、2層以上の積層構造の複合体フィルムであっても良い。複合体フィルムとしては、例えば、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルムを挙げることができ、内層部と表層部が化学的に異種のポリマーであっても同種のポリマーであっても良い。本発明の目的用途であるディスプレイ用に用いる場合には、基材フィルム中には粒子などを含有しない方が内部散乱などがなく透明性などの光学特性上好ましい。
本発明における基材フィルムは、フィルムの熱安定性、特に寸法安定性や機械的強度を十分なものとし、平面性を良好にする観点から、ハードコート層が設けられた状態では二軸延伸により結晶配向されたフィルムであることが好ましい。二軸延伸により結晶配向しているとは、結晶配向が完了する前の熱可塑性樹脂フィルムを長手方向および/または幅方向にそれぞれ2.5〜5倍程度延伸し、その後熱処理により結晶配向を完了させたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
本発明で用いられる基材フィルムの厚みは、本発明の積層フィルムが使用される用途に応じて適宜選択されるが、機械的強度やハンドリング性などの点から、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜300μmである。
本発明の基材フィルム中には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤や樹脂組成物、架橋剤などを含有しても良い。例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の粒子(例えば例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属微粉末など)、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを挙げることができる。
特にプラズマディスプレイ用に使用する場合には、色補正や近赤外カット機能を有する染料を用いるために基材フィルムには紫外線カット機能を有するのが好ましく、紫外線吸収剤を含有させるのが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびベンゾオキサジノン系化合物、環状イミノエステル系化合物などを好ましく例示することができるが380nm〜390nmでの紫外線カット性、色調などの点からベンゾオキサジノン系化合物が最も好ましい。これらの化合物は1種で用いても良いし、2種以上併用しても良い。またHALS(ヒンダードアミン系光安定剤)や酸化防止剤などの安定剤の併用はより好ましい。
好ましい材料であるベンゾオキサジノン系化合物の例としては、2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(p−ベイゾイルフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−2´−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2´−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などを例示することができる。これらの化合物の添加量は基材フィルム中に0.5〜5重量%好ましくは1〜5重量%含有させるのが好ましい。
また、更に優れた耐光性を付与するためにシアノアクリレート系4量体化合物を併用することが好ましい。シアノアクリレート系4量体化合物は基材フィルム中に0.05〜2重量%含有させることが好ましい。シアノアクリレート系4量体化合物とは、シアノアクリレートの4量体を基本とする化合物であり、例えば1,3−ビス(2´シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイルオキシ)−2、2−ビス−(2´シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイルオキシメチルプロパン)がある。これと併用する場合には、前述の紫外線吸収剤は基材フィルム中に0.3〜3重量%添加するのが好適である。
本発明の積層フィルムは波長380nmでの透過率が5%以下であるのが好ましく、上記の紫外線吸収剤の添加により達成することができる。これにより特にプラズマディスプレイ用部材に適用する場合、紫外線から基材フィルムや染料色素などを保護することができる。透過率は、分光硬度計U−3410((株)日立製作所製)に直径60mmの積分球130−063((株)日立製作所製)及び10度傾斜スペーサーを取り付けた状態で波長380nmの透過率を求めたものである。
また本発明積層フィルムは全光線透過率が90%以上好ましくは92%以上、更に好ましくは94%以上であるのが良い。全光線透過率が90%に満たない場合には反射防止フィルムとした時に画像の鮮明度が阻害される。
また本発明の積層フィルムのヘイズは1.5%以上7%以下、好ましくは3.5%以上7%以下、更に好ましくは3.5%以上5%以下であるのが望ましい。ヘイズが1.5%未満の場合には反射防止フィルムとした場合、写り込みの低減効果が不十分になったり、7%を越える場合には画像の鮮明度が低下する場合がある。
更に本発明の積層フィルムのb値が1.5以下であるのが好ましく、より好ましくは1.0以下が良い。透過b値が1.5を越えるとフィルム自体がやや黄ばんで見えるため画像の鮮明さを損なう場合がある。透過b値は、分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用いJIS−K7105(1981)に準じて測定したものである。
本発明の積層フィルムにおいては、基材フィルムの少なくとも片面にハードコート層が積層されるが、このハードコート層は多官能アクリレートを主成分とし、基材との接着性を向上させる目的でメラミン系架橋剤の併用、ハードコート層のもろさを改良するための1〜3官能のアクリレートを用いるのが好ましい。
本発明における多官能アクリレートとは、1分子中に4個以上、より好ましくは5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基(但し、本明細書において「・・・(メタ)アクリ・・・」とは、「・・・アクリ・・・又は・・・メタアクリ・・・」を略して表示したものである。)を有する単量体もしくはオリゴマー、プレポリマーである。1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体、オリゴマー、プレポリマーとしては、1分子中に4個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、4個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物などを挙げることができる。
具体的な例としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを用いることができる。これらは、1種または2種以上を混合して使用することができる。
ハードコート層形成塗布材料中に占める多官能アクリレート成分は40〜95重量%、好ましくは50〜80重量%とするのがよい。前記使用割合が少なすぎる場合はハードコート膜硬度が低くなり、多すぎる場合はクラックが発生しやすくなる場合がある。
本発明では基材フィルムとハードコート層との接着性を発現させることを目的として、メラミン系架橋剤を用いるのが好ましい。メラミン系架橋剤の種類は特に限定しないがメラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。またメラミン系架橋剤としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。エーテル化に使用する低級アルコールとしてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。官能基としてはイミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基などのアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン、メチロール基型メラミン、メチロール基型メチル化メラミン、完全アルキル型メチル化メラミン等である。その中でもメチロール化メラミン、完全アルキル化メラミンが接着性の点で好ましい。
メラミン系架橋剤の量は特に限定しないがハードコート層形成塗布材料中に固形分で、多官能アクリレート100重量部に対して、2〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜35重量部であるのが接着性と硬度のバランスの点で好ましい。この範囲より添加量が少ない場合には接着性が低下し、多い場合には硬度が低下する場合がある。
またメラミン系架橋剤の硬化を促進する目的で酸触媒を添加するのが好ましい。酸触媒としてはp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジメチルピロリン酸、スチレンスルホン酸およびこれらの誘導体を挙げることができ、更にこれらをジメチルエタノールアミン等でブロックしたものが塗剤の安定性の点で好適である。
本発明では上記の多官能アクリレート、メラミン系架橋剤の他にハードコート層のもろさの改善、低粘度化による塗布性や平面性の向上を目的として以下のような組成物を併用するのが好ましい。例えば1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する低粘度アクリレートとして、(a)炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど。
(b)ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル類:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど。
(c)ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類:2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパンなど・
(d)ジイソシアネート化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物に、更にアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート類など。
(e)分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にアクリル酸又はメタクリル酸を反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類など。
(f)分子内に1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−及びi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、sec−、およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなど。これらの単量体は、1種または2種以上混合して使用してもよい。これらの化合物の添加量は、適宜設定すれば良いが、ハードコート機能を主目的とする場合においては、多官能アクリレート100重量部に対し、10〜40重量部の範囲とするのが好ましい。
また、本発明では反応性希釈剤を用いることができる。反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
これらのアクリルオリゴマー、反応性希釈剤などの具体例は、山下晋三、金子東助編、「架橋剤ハンドブック」、大成社1981年発行、第267頁〜第275頁、第562頁〜第593頁を参考とすることができるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。低粘度アクリレートの量は特に限定されないがハードコート層固形分中で、多官能アクリレート100重量部に対して3〜50重量部、好ましくは8〜40重量部、さらに好ましくは16〜25重量部であるのが接着性と硬度のバランスの点で好ましい。上記の化合物は以下の市販品を適用することができる。
三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC”シリーズなど)、東亜合成化学工業株式会社;(商品名“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。また、本発明のハードコート層形成にあたり、ハードコート層表面を平滑化するためにレベリング剤を用いるのが好ましい。代表的なレベリング剤としてはシリコーン系、アクリル系、フッ素系などが挙げられるが平滑性のみを要求する場合にはシリコーン系が少量の添加で有効である。シリコーン系レベリング剤としてはポリジメチルシロキサンを基本骨格とし、ポリオキシアルキレン基を付加したもの(例えば、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製 SH190)が好適である。
一方、ハードコート層上に更に積層膜を設ける場合には積層膜の塗布性、接着性を阻害しない必要があり、その場合にはアクリル系レベリング剤を用いるのが好ましい。このようなレベリング剤としては「ARUFON−UP1000シリーズ、UH2000シリーズ、UC3000シリーズ(商品名):東亜合成化学(株)製」などを用いるのが好ましい。レベリング剤の添加量はハードコート層形成組成物中に0.01〜10重量部含有させるのが好ましい
本発明では、ハードコート層の改質剤として、本発明の効果を阻害しない範囲内で塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、無機系粒子、有機系粒子、有機系潤滑剤、有機高分子化合物、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料あるいは安定剤などを用いることができる。
本発明においてはハードコート層と基材ポリエステルフィルムとの界面に突起構造を形成させる必要がある。この突起構造の形成により干渉縞を著しく低減することができるとともにハードコート層表面の粗さを付与することができるのである。突起の形状は特に限定しないが円状、楕円状のものが好ましく突起のサイズその長さ方向の平均サイズが50〜500μm、好ましくは60〜300μm、更に好ましくは80〜200μm、幅方向の平均サイズは10〜100μm、好ましくは15〜60μm、更に好ましくは20〜50μm、突起の平均高さは0.1〜2.0μmの範囲とするのが干渉縞レス化とヘイズ、映り込み防止の点で望ましい。特に幅方向と高さの比(高さ/幅)を1/5〜1/50程度にすることにより干渉縞低減効果が顕著であり、かつハードコート層表面の中心線平均粗さを適度に大きくして映り込み防止効果を発現させるのに有効である。
突起のサイズは、以下の方法により求めるものである。積層フィルムのハードコート面を微分干渉顕微鏡を用い総倍率200倍で1000×1000(μm)を写真撮影し、その画像の濃淡により、突起部の界面を同定し、撮影部の全突起の長軸方向(長さ方向)、短軸方向(幅方向)のサイズを測定する。場所を変えて10カ所測定し、得られた突起サイズデーターから突起サイズの平均値を求める。
上記特定のサイズの突起を形成せしめるためには、以下の方法を用いることができる。すなわち長手方向に3〜6倍に延伸され、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの少なくとも片面にハードコート層形成組成物を塗布し、その後、端部を把持してテンター内に導き、幅方向に1.2〜1.5倍の第一段延伸を行い、更に幅方向に2.0〜5.0倍の第二段延伸を行った後、180〜245℃で3〜10%のリラックスを行いつつ結晶配向を完了させる方法である。この方法を適用することにより、本発明の目的とするポリエステルフィルムとハードコート層との間に突起構造が形成され、該突起の長さ方向のサイズおよび幅方向のサイズとすることができる。
特に突起サイズを大きくしたい場合には長手方向の延伸倍率を高くし、幅方向の第一段延伸温度および第二段延伸温度を低くするのが好ましく、そのサイズは延伸温度と延伸倍率により調整することができる。
更に本発明においてハードコート層表面の中心線平均粗さは150nm以上500nm以下、好ましくは150nm以上400nm以下、更に好ましくは150nm以上300nm以下とする必要がある。中心線平均粗さが150nm以下の場合には映り込み防止効果が不十分となり500nmを越える場合には、粗さが大きすぎて干渉縞レス化や映り込み防止には有効であるが、画像の鮮明度が低下したり、最表面に位置する反射防止フィルムでは、汚れやすくなる問題が生じる。このようなハードコート層の中心線平均粗さとするには、上記の基材フィルムとハードコート層界面に形成させる突起構造に由来するハードコート層表面の突起構造を形成させた後、ハードコート層表面を平滑化処理する方法が好ましい。すなわち上記の幅方向の第二段延伸後で熱硬化前の段階で積層フィルムを加温して適度に表面を平滑化させて所望の中心線平均粗さとする方法を用いるのが好ましい方法である。ハードコート層や基材フィルムに粒子を添加して凹凸を形成したアンチグレアフィルムも上市されているが、全光線透過率の低下や白化の問題があるので好ましくない。
また本発明において全光線透過率を90%以上とする必要があるが、これを達成するためには、上記のハードコート層を両面に設けても良いし、ハードコート層を片面に設ける場合には基材ポリエステルフィルムのハードコート層を設けた基材フィルムの反対面に屈折率の低い層を積層するのが有効である。具体的にはアクリル系樹脂、ポリエステル共重合体、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂などを挙げることができるが、基材との接着性や、該層上に積層膜を設けることを考慮するとアクリル系樹脂の積層が好ましい。
具体的にアクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(ここでアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基など)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N、N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)等のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを用いることができ、これらは1種または2種以上を共重合したものが使用できる。更に以下のモノマーを併用しても良い。例えばアリルグリシジルエーテル、スチレンスルホン酸及びその塩、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびそれらの塩、無水物、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマル酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニルなどを用いることができる。
またアクリルとポリエステル、ウレタン、エポキシ樹脂などとのブロック共重合体、グラフと共重合体などの使用も可能である。
これらの中で好ましいアクリル系樹脂の形態としてはメチルアクリレート、エチルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリル酸の共重合体を挙げることができる。これらのアクリル系樹脂は有機溶媒もしくは水に溶解、分散したものを用いることができるが、基材ポリエステルフィルム製造工程内で積層する方法(インラインコーティング法)によるのが好ましく、水に溶解、分散するアクリル系樹脂が好ましい。
またこれらのアクリル系樹脂は熱可塑性であっても自己架橋タイプであっても良く、更には架橋剤との併用であっても良い。架橋剤としてはメラミン系、エポキシ系、イソシアネート系、オキサゾリン系など任意に選定できるが塗布の安定性や基材との密着性、耐湿熱性などの観点からメラミン系、オキサゾリン系が好ましく、特にメラミン系が好ましい。メラミン系架橋剤の種類は特に限定しないがメラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。またメラミン系架橋剤としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。エーテル化に使用する低級アルコールとしてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。官能基としてはイミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基などのアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン、メチロール基型メラミン、メチロール基型メチル化メラミン、完全アルキル型メチル化メラミン等である。その中でもメチロール化メラミン、完全アルキル化メラミンが接着性の点で好ましい。
メラミン系架橋剤の量は特に限定しないが塗布材料中に固形分で2〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜35重量部とするのが好ましい。
本発明においては、その効果を発現するために以下の製造方法を用いるのが好ましい。すなわち縦方向に高度に結晶配向させるために延伸温度を低くして縦延伸倍率を3〜6倍とし、その縦延伸フィルムの片面にハードコート層形成組成物を塗布し、その反対面にアクリル系樹脂の水分散体を塗布し、その後、端部を把持してテンター内に導き、60〜75℃の温度で予熱後、幅方向に1.2〜1.5倍の第一段延伸を行い、更に75〜85℃で幅方向に2.0〜5.0倍の第二段延伸を行い、延伸完了後に140〜180℃に加温し、次いで200〜245℃で3〜10%のリラックスを行いつつ積層膜を硬化させると共に結晶配向を完了させる方法である。
本発明においては基材フィルムとハードコート層の間には接着層を介在させないことが好ましい。接着層が介在すると基材フィルムやハードコート層との屈折率差によって干渉縞が発生したり、接着層の紫外線による劣化や高温多湿状態での接着耐久性が劣る場合がある。本発明の製造方法によれば基材フィルムとハードコート層との界面に接着層を介在させることなく極めて高度な接着性を付与することができる。これは本製造方法において突起形成部分が基材ポリエステル組成物とハードコート組成物の混在した状態を形成しているためである。すなわち本発明者らの見解によれば縦延伸により縦方向に配向した一軸延伸フィルムに溶剤を含まない特定のハードコート塗剤を塗布し、その後、特定の条件下で幅方向に微延伸を施すことにより、基材フィルムに微細なクラックが発生し、そのクラック部分にハードコート塗剤が浸透して、更に幅方向に延伸することでポリエステルとハードコート組成物の混在した突起が形成させることを見出した。
次に、本発明の積層フィルムの製造方法の一例について、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称する)を例にして説明するが、これに限定されるものではない。
平均粒子経0.1μmのアルミナ粒子を0.2重量%含有するPETペレット(極限粘度0.62dl/g)を、180℃で約2時間真空乾燥して十分に水分を除去した後、押し出し機に供給し、260〜300℃の温度で溶融押し出しし、T字型の口金からシート状に成形する。このようにして得られたシート状物を、約20℃の鏡面の冷却ドラム上で冷却固化して未延伸シートを得る。このときキャストドラムとの密着性を向上させる目的で静電印加法を用いることが好ましい。その後、得られた未延伸シートを、60〜75℃に加熱したロール群で長手方向に3〜6倍の延伸を行なう。次いで、1軸に延伸されたフィルムの冷却ドラム面側に、多官能アクリレート、メラミン系架橋剤、レベリング剤などからなるハードコート層形成塗剤を塗布し、その反対面にアクリル系水分散体(必要に応じてメラミン系架橋剤を併用)を塗布する。その後フィルムの両端をクリップで把持しつつテンターに導く。テンター内で60〜75℃に予熱後、幅方向に1.2〜1.5倍の第一段幅方向の微延伸を行う。その後、連続的に幅方向に75〜85℃で2.0〜5.0倍の第二段延伸を行い、延伸完了後に140〜180℃に加温し、次いで200〜245℃で3%〜10%のリラックスを行いつつ熱固定を行い、積層膜を硬化させると共に基材フィルムの結晶配向を完了させる。
なおハードコート層形成塗剤の塗布手段としては特に限定するものでは無く、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプレーコート法などを用いることができる。このようにして得られた本発明の積層フィルムは、特定の製膜方法により、製膜工程内で一気にハードコート層を設けることができるので生産性が良く、表面硬度が高く、ハードコート層と基材フィルムとの接着性が優れており、かつ異物欠点が殆どなく、干渉縞の発生が少なく、写り込みの低減された視認性のよいものとすることができる。本発明の積層フィルムは、特にLCD、PDP、SED、リアプロダクションなどのディスプレイ用反射防止フィルム基材、タッチパネル用基材、窓張り用基材、銘板用基材などとして好適に使用される。
ハードコート層の厚さは、用途に応じて決定すればよいが、通常1μm〜20μmが好ましく、より好ましくは2μm〜10μmである。ハードコート層の厚さが1μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために表面硬度が十分でなく傷が付きやすくなる傾向にあり、一方、厚さが20μmを超える場合には、硬化時にカールしたり、折り曲げなどの応力により硬化膜にクラックが入りやすくなる傾向にある。
また、本発明の効果が損なわれない範囲において、ハードコート層の最外層に図柄などの印刷層を設けてもよい。
また、得られた積層フィルムを、各種の方法で各種機能フィルムなどと貼り合わせて用いることもできるし、他方の面に粘着層を積層したり、導電層を設けたりすることもできる。
例えば、本発明の積層フィルムを、ハードコート層を設けた面の反対面に各種粘着剤を用いて相手材と貼り合わせ、該相手材に耐摩耗性や耐擦傷性などのハードコート層の機能を付与して用いることもできる。このとき用いられる粘着剤としては、2つの物体をその粘着作用により接着させる接着剤であれば特に限定されず、ゴム系、アクリル系、シリコーン系あるいはポリビニルエーテル系などからなる接着剤を用いることができる。
また本発明の積層フィルムをプラズマディスプレイなどの反射防止フィルムとして使用する場合には、ハードコート層上に高屈折率を設け、さらにその上に低屈折率層を設けることで好適に使用することができる。
高屈折率層としては特に限定しないが、屈折率1.55〜1.70程度のものであって積層厚みを0.03〜0.15μmとするのが好ましい。このような高屈折率層は、バインダー成分中に金属化合物粒子を微分散させることによって得ることができる。例えばバインダー成分として、ポリエステル、アクリル、ウレタン、エポキシなど汎用の樹脂を使用し、それに分散させる高屈折率金属化合物粒子として例えば錫含有酸化アンチモン粒子、亜鉛含有酸化アンチモン粒子、錫含有酸化インジウム粒子、酸化亜鉛/酸化アルミニウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子などを用いることができるが同時に帯電防止機能を付加できる組成物がより好ましく、錫含有酸化インジウム粒子が特に好適である。金属化合物粒子は平均一次粒子径(BET法による球相当径)が0.5μm以下、好ましくは0.001〜0.3μmの粒子径のものが透明性を維持する点で好適である。これらの金属化合物に更に導電性を向上させる目的でポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの有機導電材料を添加することもできる。
低屈折率層としては屈折率が1.28〜1.40程度のものが好ましく積層厚みは0.01〜0.15μm程度である。低屈折率層を形成する材料としては公知の材料を適用でき、フッ素化合物やパーフルオロアルキル基を有する化合物などが好適である。またバインダー樹脂中に中空微細粒子を充填させることによって達成することもできる。このような中空粒子は、例えば特開2001−233611号公報、J.AM.Chem.soc.2003,125,316−317等の公知文献に記載されている。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)接着性
剥離試験:常態下(23℃、相対湿度65%)で、積層フィルムのハードコート層上に1mm のクロスカットを100個入れ、ニチバン株式会社製セロハンテープ(登録商標)をその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往復させ、押し付けた後、90度方向に剥離する試験方法。ハードコート層の残存した個数より、下記基準で評価を実施する。
○ :2回の剥離試験の後、80個以上のハードコート層が残存している
△ :1回の剥離試験の後、80個以上のハードコート層が残存している
× :1回の剥離試験の後、80個未満のハードコート層が残存している。
(2)SW硬度
スチールウール#0000でハードコート層表面を荷重を変更し、それぞれの荷重において一定荷重下で10往復(速度10cm/s)摩擦し、耐傷性(傷が付かなかった)があった最大荷重を測定した。2kg/cmが実用上問題ないレベルであり、合格とした。
(3)ヘイズ(%)
全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用い、JIS K−7105(1981年)に基づいて測定した。測定は積層フィルム1m2を20cm×50cm角に10等分し、その分割したサンプルの中心部のヘイズを測定した。ヘイズの値は10カ所の平均値を求めた。
(4)突起のサイズ(μm)
積層フィルムのハードコート面を微分干渉顕微鏡で200倍で1000μm×1000μmの面積を写真撮影し、その画像から視野内の全突起の長さと幅を測定した。積層フィルム1mを20cm×50cm角に10等分し、各々のサンプルの中心部10カ所を撮影し、画像の濃淡から突起部の界面を同定し、その全突起の長さ方向、幅方向の突起サイズの平均値を求めた。また突起の高さは積層フィルムの断面方向にミクロトーム((株)日本ミクロトーム研究所製)で薄膜切片を切り出し1000倍の光学顕微鏡を用いて基材フィルムとハードコート層界面の断面観察を行いデジタルカメラで撮影した。この画像をphotoshop(adobe)により断面方向に5倍に拡大し、画像から個々の突起の頂点と最低谷部結ぶ線と直交する線の長さを求めて突起の高さとした。これを視野角内で観察された全突起について測定し、その平均値を求め、拡大倍率から実際のサイズに換算して突起高さとした。
(5)干渉縞のレベル評価
裏面反射の影響を無くするために、非ハードコート面を#240のサンドペーパーで粗面化した後、黒色のマジックインキで着色したA4サイズのサンプルシートを作製し、暗室にて3波長蛍光灯(ナショナルパルック 3波長形昼白色(F・L 15EX−N 15W)の直下30cmに置き視角を変えながら目視により干渉縞の程度を観察し、以下の評価を行った。レベルB以上を良好とした。
干渉縞が全くない : レベルA
非常に弱い干渉縞が見えるが面内でのムラが無い : レベルB
非常に弱い干渉縞だが面内でムラがある :レベルC
弱い干渉縞が見える : レベルD
干渉縞が強い : レベルE。
(6)視認性
ハードコート面を上にした積層フィルムの下5cmにカラー写真を置き、積層フィルムを通して写真を見た場合の画像の鮮明度とムラを目視で観察した。○以上を良好と判断した。
像が鮮明に見える : ◎
わずかに像がぼやけるがムラがない : ○
像がぼやける部分が混在する : △
全体に像がぼやける : ×。
(7)中心線平均粗さ(nm)
JIS−B0601(1982年)に準じて高精度薄膜段差計ET−10((株)小坂研究所製)を用いて以下の条件で中心線平均粗さを求めた。
・触針先端半径 : 0.5μm
・触針荷重 : 5mg
・測定長 : 1mm
・カットオフ値 : 0.08mm
なお測定は幅方向(突起サイズの幅方向)に走査して場所を変えて10回の測定を
行い、その平均値を求めた。
(8)全光線透過率(%)
全自動ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて積層フィルムの厚み方向の全光線透過率を求めた。1m2を20等分してその中心の測定を行い、20点の平均値とした。
(9)映り込み
積層フィルムの非ハードコート面側を黒色マジックインキで着色し、全光線透過率を10%以下とする。このフィルムのハードコート面を上にして、蛍光灯下で1m上方から蛍光灯を映し込んだ時の状態を下記の基準で目視評価した。○以上を良好とした。
◎ : 蛍光灯のランプ形状が不明確である。
○ : 蛍光灯のランプ形状がぼやけている。
△ : 蛍光灯のランプ形状がややぼやけている。
× : 蛍光灯のランプ形状が明確に写る。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒径0.2μmのアルミナ粒子を0.015重量%と平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.005重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以下PET、極限粘度0.62dl/g)チップを、180℃で3時間十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、285℃で溶融後、T字型口金からシート状に押出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャストドラムに巻き付けて冷却固化し未延伸シートとした。このようにして得られた未延伸シートを、73℃に加熱したロール群で長手方向に3.8倍延伸し、1軸延伸フィルムを得た。この1軸延伸フィルムの片面に、以下に示すハードコート形成塗剤をメタバー方式で20μm厚に塗布し、その反対面に以下に示すアクリル系水系塗材を結晶配向完了後で0.1μmになるように塗布した。表裏に塗剤が塗布されたフィルムの両端をクリップで把持しつつ68℃の予熱ゾーンに導き、その温度で幅方向に1.2倍延伸した。更に連続的に82℃で幅方向に3.3倍の延伸を行い、延伸完了後のフィルムを熱処理前のゾーンで165℃まで段階的に昇温しながら9秒間加温し、その後、5%の幅方向のリラックスを行いながら220℃の熱処理ゾーンで15秒間の熱処理を施し、塗膜硬化、熱固定を行った。このようにして総厚みが125μm、ハードコート層厚みが5μm、アクリルコート層厚みが0.1μmの積層フィルムを作成した。この積層フィルムの特性は表1に示すとおり、干渉縞が全くなく、視認性も良好で極めて接着性に優れ、映り込みの小さいものであった。
<ハードコート形成塗剤処方>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(KAYARAD−DPHA:日本化薬(株)製) 100重量部
・アルキル化メラミン(サイメル350:日本サイテックインダストリーズ(株)製) 20重量部
・トリメチロールプロパン・エチレンオキサイド変性トリアクリレート(M−350:東亞合成(株)製) 15重量部
・スルホン酸系ブロック触媒(キャタリスト602:日本サイテックインダストリーズ(株)製) 1重量部
・ARUFON UP1000(東亞合成(株)製) 0.2重量部
<アクリル系水系塗剤>
・アクリル系共重合体(ニカゾールA08:日本カーバイド(株)製)
固形分比 100重量部
・ メラミン系架橋剤(ニカラックMW12LF:三和ケミカル(株)製)
固形分比 25重量部
上記の混合物の3wt%水分散体。
(比較例1)
実施例1において縦延伸温度を83℃、延伸倍率を2.6倍とし、ハードコート塗剤塗布後の幅方向の第一段延伸予熱温度を88℃、第2段延伸温度を93℃とした以外は同様にして積層フィルムを作成した。この積層フィルムは、表1に示すとおり、視認性、接着性は良好であったが干渉縞、映り込みのレベルが不十分なものであった。
(比較例2)
実施例1のハードコート層形成塗剤中に平均粒子径3.0μmのシリカ粒子を15wt%添加した以外は実施例2と同様にして積層フィルムを作成した。このフィルムは干渉縞、接着性、映り込みは良好であったが、ヘイズが高く、視認性の悪いものであった。
(実施例2〜3)
実施例1において幅方向の第一段延伸温度を72℃とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作成した(実施例2)。また実施例1において延伸後の段階的加温温度を145℃とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作成した(実施例3)。これらの積層フィルムはいずれも干渉縞、視認性、映り込みの特性が良好であった。
(比較例3)
実施例1において縦延伸温度を100℃、延伸倍率を3.0倍、幅方向の微延伸を行わず、90℃に予熱後、100℃で3.3倍幅方向に延伸した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作成した。このフィルムは接着性、表面硬度、全光線透過率、視認性に優れ干渉縞も低減されたが映り込みが不十分なものであった。
Figure 2007261140
本発明は、基材フィルムとの接着性、視認性が良く、干渉縞、外光の映り込みが低減されたハードコート層を積層した積層フィルムであり、プラズマテレビの反射防止フィルム、タッチパネル用フィルム、銘板用フィルムなどの各種用途に展開することができる。

Claims (2)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面にハードコート層が積層された積層フィルムにおいて、ポリエステルフィルムとハードコート層との間に突起構造が形成され、かつハードコート層表面の中心線平均粗さが150nm以上500nm以下、全光線透過率が90%以上、であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 積層フィルムのヘイズが1.5%以上7%以下であることを特徴とする請求項1の積層フィルム。
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