JP2007261023A - 金属板ラミネート用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィルムラミネート板を成形する際に、成形性が良好であり、成形して得られた金属缶の耐衝撃性が良好なポリエステル系フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリエステル樹脂にワックスを500ppm以上含有させた樹脂層(I)と、融点が180℃以上であるポリエステル樹脂にポリアミド系ポリマーを含有する事を特徴とする樹脂層(II)の少なくとも2層からなり、前記樹脂層(II)中に含有される前記ポリアミド系ポリマーの平均径が0.2〜5.0μmである事を特徴とし、該樹脂層(II)の金属板との接着面側に水分散型共重合ポリエステル樹脂層(III)を塗布してなるフィルムであり、該フィルムを金属板上に貼り合わせて、そのフィルムの融点以上の熱によって再溶融後、急速に冷却をさせた後の該フィルムと金属板の密着強度が18N/15mm以上である事を特徴とする金属板ラミネート用フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は清涼飲料、ビール、缶詰等の金属容器の腐蝕防止等の目的で使用される積層ポリエステル系フィルム、該フィルムを金属板にラミネートしたフィルムラミネート金属属板、及び該フィルムラミネート金属板を成形してなる金属容器にに関するものである。さらに詳細には、金属板へのラミネート性と製缶性(例えば、絞り・しごき加工性)に優れた積層ポリエステル系フィルム、該フィルムを金属板にラミネートしたフレーバー性と耐衝撃性に優れたフィルムラミネート金属板、及び該フィルムラミネート金属板を成形してなる金属容器に関するものである。
従来、金属缶の缶内面及び缶外面は腐蝕防止を目的として、エポキシ系,フェノール系等の各種熱硬化性樹脂を溶剤に溶解又は分散させたものを塗布し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しかしながら、この熱硬化性樹脂の被覆方法では塗料の乾燥に長時間を要するため生産性が低下したり、多量の有機溶剤による環境汚染など好ましくない問題を発生させることが多いという欠点があった。
かかる欠点を解決するため、金属板に熱可塑性樹脂を溶融押出法で被覆する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)。また、エチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル層とエチレンテレフタレート及び/又はエチレンイソフタレートを主成分とするポリエステルにオレフィン系ポリマーブレンドした層の2層構成の樹脂を溶融押出法で被覆する方法も知られている。(特許文献2参照)。しかしながら、これらの被覆方法では被覆樹脂の両端部の厚みが厚く、得られた樹脂被覆金属板の両端をトリミングして厚みが比較的均一な中央部分しか製缶用材料として使用できないため、経済性の点から満足される方法ではなかった。
かかる欠点を回避するため、融点が120〜260℃のポリエステルのキャストフィルムを加熱金属板にラミネートする方法が開示されている。(特許文献3参照)。しかしながら、この被覆方法では得られたキャストフィルムを金属板にラミネートするまでの保管期間が長くなるとフィルムが脆くなり、ラミネート時に張力がかかるとフィルムが切断しやすく、実質的に満足される方法ではなかった。
ところで、絞りしごき缶用金属板に用いられる被覆用樹脂には、絞りしごき加工に追従しうる成形性、金属板から樹脂が剥離しない密着性、打缶時の衝撃性に耐えうる耐衝撃性が必要である。しかしながら、従来の金属缶用被覆樹脂にはこのような要求を必ずしも満足するものではなかった。
ポリエステル樹脂の耐衝撃性を改良する方法としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンイソフタレートを主成分とするポリエステル層と、ポリエステルと熱可塑性エラストマーを配合した層からなる2軸延伸積層フィルムを用いる方法が知られている。(特許文献4参照)。しかしながら、上記公報に記載された方法ではポリエステルフィルムを金属板にラミネートする際の密着性および絞りしごき加工に対する成型性が十分ではなかった。
また、更にポリエステル樹脂の耐衝撃性を改良する方法としては、たとえば、結晶性ポリエステル層と結晶性ポリエステルとオレフィン系ポリマーを混合してなる2軸延伸積層フィルムを用いる方法が知られている。(特許文献5参照)。しかしながら上記公報に記載された方法では、フレーバー性、または製缶時の熱処理による突沸現象(所謂ワキ)を満足するものではなかった。
特開昭57−203545号公報 特開平7−276564号公報 特開平7―207039号公報 特開平8−156182号公報 特開2004−285343号公
本発明は前記従来技術の問題点を解消することを目的とするものである。即ち、密着性が良好なフィルムラミネート金属板が得られ、かつ上記フィルムラミネート板を成形する際に、密着性・成形性(例えば、絞り・しごき加工性など)が良好であり、成形して得られた金属缶の耐衝撃性が良好なポリエステル系フィルム、フィルムラミネート金属板、及びフィルムラミネート金属板を成形して得る金属容器を提供するものである。
本発明の目的は、ポリエチレンテレフタレート単位とポリブチレンテレフタレート単位よりなり該重量比率が20〜80/80〜20である事を特徴とするポリエステル樹脂にワックスを500ppm以上含有させた樹脂層(I)と、融点が180℃以上であるポリエステル樹脂にポリアミド系ポリマーを含有する事を特徴とする樹脂層(II)の少なくとも2層からなり、前記樹脂層(II)中に含有される前記ポリアミド系ポリマーの平均径が0.2〜5.0μmである事を特徴とし、該樹脂層(II)の金属板との接着面側に水分散型共重合ポリエステル樹脂層(III)を塗布してなるフィルムであり、かつ水分散型共重合ポリエステル樹脂層(III)の樹脂厚みが5nm〜40nmであり、前記積層ポリエステル系フィルム樹脂層(I)/(II)の層比率が30〜70/70〜30であり、該フィルムを金属板上に貼り合わせて、そのフィルムの融点以上の熱によって再溶融後、急速に冷却をさせた後の該フィルムと金属板の密着強度が18N/15mm以上である事を特徴とする金属板ラミネート用フィルムによって達成される。
この場合において、樹脂層(I)の融点が200℃以上であり少なくともふたつ以上の融解ピークを有する樹脂組成物である事が好適である。
またこの場合において、水分散型共重合ポリエステル樹脂層(III)の樹脂厚みが5nm〜40nmの範囲に入る事が好適である。
さらにまた、前記フィルムラミネート金属板を成形してなる金属容器も好適である。
本発明のポリエステル系フィルムはフィルムをラミネートする際、特に密着性が良好で製缶性(特に、缶内面フィルムと加工ポンチの離型性、金属板と該フィルムの密着性)に優れたフィルムラミネート金属板が得られ、かつ上記フィルムラミネート金属板を成形して得た金属缶の耐衝撃性が良好であり、極めて有用なポリエステル系フィルム、フィルムラミネート金属板、及びフィルムラミネート金属板を成形して得る金属容器であるといえる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における樹脂層(I)に用いられるポリエステルは結晶性のポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレートを20〜80/80〜20重量%の比率で混合溶融押し出しする。結晶性のポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの混合比率としては20〜80/80〜20重量%である事が必要である。ポリブチレンテレフタレート比率が20重量%未満だと温水処理時に白化し、80重量%を超えると製膜性が低下し、生産性・原料コストの面からも経済的ではなく好ましくない。
特に40〜60/60〜40重量%の混合比率である事が耐白化性、生産性、製缶性の観点からも好ましい。
本発明の樹脂層(I)に使用されるポリエステルの融点は200℃以上であることが必要であり、200〜260℃の範囲内に存在する事が好ましい。融解ピークが200℃未満であると製缶性が損なわれ、260℃を超える場合は樹脂層(II)との溶融押出し時のバランスが崩れ製膜性が低下する為、共に好ましくない。更に好ましくは、高温側融解ピークとしては240℃以上、低温側融解ピークとしては210℃以上の融点を有する事が製缶性(絞り・しごき加工において、缶内面側の樹脂ではポンチの離型性の確保)の観点から好ましい。
さらに該融解ピークとしては少なくともふたつ以上の融解ピークを有することが必要である。混合溶融押出しの際にエステル交換反応が進むと、温水白化性、製缶性(特にポンチの離型性)が低下する為、該反応を抑制し融解ピークとしては二つ以上の融解ピークを有する事が必要である。この達成の為の手段としては、溶融押出し時の温度を低くしたり、酸化防止剤,熱安定剤,を添加してエステル交換反応を抑制する事などが挙げられる。
本発明におけるポリエステルには、必要に応じて酸化防止剤,熱安定剤,紫外線吸収剤,可塑剤,顔料,帯電防止剤,結晶核剤,潤滑剤,無機又は有機粒子よりなる滑剤等を配合させてもよい。
該フィルムの滑剤量は特に限定しないが、樹脂層(I)に対しては、0.01〜2重量%の範囲である事が好ましい。当該フィルムが絞り加工の際に、ポンチやダイスとスムーズに離型させるために、0.01重量%以上の滑剤量が好ましいからである。一方、2重量%を超える量を含有しても、離型性の効果が変わらず、コスト的に不利になるだけだからである。
潤滑剤として、ワックスを用いる際には、500ppm〜2000ppmの範囲で添加されることが好ましい実施様態である。500ppm未満では、50℃環境下での鋼球を滑走子とするフィルム表面との動摩擦係数が0.30以下とならず成形加工性を得られず、2000ppmを越えて含有しても成形加工性の効果が変わらず、コスト的に不利になるからである。
ポリエステルの不活性粒子量としては試料を切り出し、理学電機製蛍光エックス線装置(装置名:ZSX100e)を用い、分析径を30mmΦとして各試料1枚を上面及び下面から測定し、PET用検量線を用いて不活性粒子量に換算した。
前記の不活性無機粒子としては、シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、酸化チタン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、フッ化リチウム、硫酸バリウム、カーボンブラック等が例示できる。
また前記の架橋高分子粒子としては、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のアクリル系単量体、スチレンやアルキル置換スチレン等のスチレン系単量体等と、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメチルアクリレート等の架橋性単量体との共重合体;メラミン系樹脂;ベンゾグアナミン系樹脂;フェノール系樹脂;シリコン含有系樹脂等が例示できる。
また前記のワックスとしてはポリオレフィン系ワックス、ポリエステル系ワックス等の合成ワックス、カルナバワックス等の天然ワックス等が例示できる。
前記粒子系滑剤の平均粒径は、1〜3μmが好ましい。1μm未満ではポンチ離型性の改良効果が発現できないからである。逆に3μmを越えるとポンチ離型性の向上効果が飽和する一方、摩耗による滑剤の脱落が発生したり、金属板とのラミネート時にフィルム破断が起こる場合があるからである。
本発明におけるポリエステルの製造方法については特に限定しない。即ち、エステル交換法又は直接重合法のいずれの方法で製造されたものであっても使用できる。又、分子量を高めるために固相重合法で製造されたものであってもかまわない。さらに、缶に内容物を充填後に実施されるレトルト処理等でのポリエステル樹脂からのオリゴマー量を少なくする点より、減圧下または、不活性ガス雰囲気下での固相重合法で製造されたオリゴマー含有量が低いポリエステルを使用することは好ましい。
本発明におけるポリエステルの製造の際には重合触媒としては酸化アンチモン、酸化ゲルモニウム、チタン化合物等が用いられるほか、重合触媒以外に本発明のポリエステル系樹脂組成物を用いて溶融押出しフィルムを成形する際の静電密着性を付与するために、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を各々の金属イオンの総量として300ppm以下、リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸エステル誘導体をリン原子として200ppm以下の範囲で添加することも可能である。上記重合触媒以外の金属イオンの総量が300ppm、またリン量が200ppmを越えると、得られたポリエステルの着色が顕著になるのみならず,ポリエステルの耐熱性及び耐加水分解性も低下する場合があるので好ましくない。
本発明の樹脂層(II)のポリエステル系樹脂組成物に使用されるポリエステルとしては、本発明の樹脂層(I)に使用されるポリエステルとして前述したポリエステルを使用することができる、ただし、製缶性の観点から融点200℃以上の結晶性ポリエステルである必要はない。樹脂層(I)のポリエステルと樹脂層(II)のポリエステルは同一であってもよいが、異なるものを使用してもよい。
本発明の樹脂層(II)に使用されるポリアミド系樹脂としては、たとえば ε―カプロラクタムを主原料としたナイロン6を挙げる事ができる。また、その他のポリアミド樹脂としては、3員環以上のラクタム、ω―アミノ酸、二塩基酸とジアミン等の重縮合によって得られるポリアミド樹脂を挙げる事ができる。具体的にはラクタム類としては、先に示したω―ラクタムの他に、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラクタム、ω―アミノ酸類としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸を挙げることができる。また、二塩基酸類としてはアジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサンジエンジオン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸を挙げることができる。さらに、ジアミン類としてはエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−トリメチレルヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ピスー(4,4‘−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン等を挙げることができる。そしてこれらを重縮合して得られる重合体またはこれらの共重合体、たとえばナイロン6,7,11,12,6.6,6.9,6.11,6.12,6T,6I,MXD6(メタキシレンジパンアミド6)、6/6.6,6/12,6/6T,6/6I,6/MXD6等を用いる事ができる。加えて上記ポリアミド樹脂を単独あるいは2種以上を混合して用いる事ができる。
本発明のリメルト後のポリエステルフィルムにおいて、樹脂層(II)のポリエステル中にブレンドされたポリアミド系ポリマーは粒子状に分散し、その分散粒子の平均径は5.0μm以下であることが、金属へのラミネート性と製缶性、缶の耐衝撃性を兼備するために必要であり、特に0.2〜3.0μmの範囲である事が好ましい。ポリアミド系ポリマーの分散系が5.0μmを超える場合、耐衝撃性が低下するので好ましくない。
ポリアミド系ポリマーの分散径を上記の範囲内にするためには、ポリエステルとポリアミド系ポリマーをブレンドする際の溶融混練の条件を選択する事によって達成する事ができる。溶融混練する条件は選択したポリエステル樹脂とポリアミド系ポリマーの種類や量に依存するが、溶融ブレンドした樹脂をTダイから層状に押し出し、フィルムを成型する場合は単軸よりも二軸の押出し機を用いる事が好ましい。
本発明ではポリエステルとポリアミド樹脂をブレンドする際、ブレンド比率は70:30〜99:1であることが必要である。ポリアミド樹脂が1%未満の場合、耐衝撃性の改良効果が不充分であり好ましくない。又、ポリアミド樹脂が30%を超える場合、製缶性(ポンチの離型性)が劣るため好ましくない。
次に水分散型子共重合ポリエステル樹脂層(III)について説明する。本発明の水分散型共重合ポリエステル樹脂は、Tgが40℃以上であり且つ、所謂コーティングにより5nmから40nmの厚みに制御されてなることが好ましい。コート厚みが5nm以下ではコート層が所謂膜割れを起こし、適正な樹脂膜を形成できず、40nmを超えてると製缶時に剥がれ・浮きなどが起こり収率が下がり好ましくないからである。このコーティング処理に関しては、製膜中(インライン)の延伸膜でも製膜後(オフライン)のフィルムに処理してもどちらでも良い。水分散型高分子とはそれ自身は水には不溶であるが、水系溶媒に分散または溶解することが出来る高分子化合物である。具体的には分子内に親水性基を有するモノマー成分を共重合した高分子化合物が挙げられる。このような高分子を用いることにより金属板との優れた密着強度を実現することが出来る。
また、有機溶剤を使用しないことにより、人体や環境への悪影響を低減することが出本発明の水分散型高分子化合物としては、親水性基を有するモノマー成分を共重合したポリエステル樹脂が挙げられる。親水性基とは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基または、それらの誘導体や金属塩基、エーテル基等であり、これらの基を分子内に含むモノマーを共重合し、水に分散可能な状態で存在するものである。
親水性基を含むモノマーとしては、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸等のスルホン酸含有モノマーの金属塩等が挙げられる。
また、共重合ポリエステルに、親水性基を有するピニル系モノマーをグラフト重合させる方法がある。上記親水性基を有するビニル系モノマーとしては、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、アミド基等を含むもの、親水性基に変化させることが出来る基としては酸無水物基、グリシジル基、クロル基などを含むものが挙げられる。なかでもカルボキシル基を有するものが好ましい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、及びそれらの塩等のモノマーである。
本発明では、樹脂層(I)のポリエステルと、樹脂層(II)のポリエステルとオレフィン系ポリマーをドライブレンド又は溶融混合して得たポリマーを、それぞれ公知の1軸又は2軸押出機内で溶融させた後、系内で合流させ2層としTダイを使用して層状の溶融樹脂膜を得るか、または別々の流路から送られた溶融樹脂をTダイ内で合流させて2層層状の溶融樹脂膜を得る。
本発明では冷却固化方法として、回転させた冷却ロールにTダイから層状に溶融した樹脂を接触させる公知の方法が使用できる。溶融樹脂を冷却ロールに接触させる際、強制的にエアーを吹き付ける方法又は静電気で密着させる方法又は溶融樹脂が冷却ロールに接触する周囲を減圧雰囲気にする方法を採用することが好ましい。
本発明では冷却固化させた後、冷却固化物をポリエステルのガラス転移点以上かつ冷結晶化温度未満の温度で1.3〜6.0倍縦延伸を実施することが必要である。さらに生産性を向上させるため、横延伸を実施することが好ましく、次いで3%以上のリラックス率で50℃以上かつポリエステルの融点−20℃〜−80℃の温度範囲で1〜20秒間熱処理してフィルムを得る。所謂フィルムの熱収縮率を好ましく制御する為にはフィルムの融点−20℃〜−80℃までの熱処理とする事が必要である。
次いで、フィルムの両端を切断除去した後、必要な巾に切断してロール状のポリエステル系フィルムを得る。本発明では、上記の切断除去したフィルムの両端部及び/又はロール状フィルムを得た残りのフィルムを細断したものを押固める方法又は加熱溶融させる方法等によって得た原料を再使用することは可能である。再使用原料は通常、樹脂層(II)に使用することがフィルムの特性を維持する点で好ましい。再使用率は特に限定されないが、5〜50%が好ましい。
本発明で本発明では金属板として、ティンフリースティール等の表面処理鋼板あるいはアルミニウム板又はアルミニウム合金板あるいは表面処理を施したアルミニウム板又はアルミニウム合金板が使用できる。これらの金属板をポリエステルの融点−20℃以上かつ融点+150℃に加熱した後、ラミネートロールを使用してラミネートし、引き続いてこのラミネート金属板をポリエステルの融点+10℃以上乃至融点+60℃以下で加熱(所謂リメルト処理)した後、水冷及び/又は空冷してフィルムラミネートリメルト金属板を得る。
本発明のフィルムは、樹脂層(I)と樹脂層(II)の2層構成からなり、(I)/(II)の層比率としては70〜30/30〜70の範囲にある事が好ましい。更に好ましくは60〜40/40〜60である。リメルト処理などの高温処理の際には樹脂層の突沸(所謂 ワキ)が発生しやすく、該現象を抑制する為に樹脂層(I)、(II)の層厚みを上記比率とする事が有用であり、しごき等の加工を経て成形する際の加工条件が厳しくなっても成形性と耐衝撃性を両立することができる為である。
本発明ではフィルムの厚みは特に限定されないが、10〜50μmが被覆効果(防錆性)と経済性の点から好ましい。
本発明のフィルムラミネート金属板は、本発明の積層フィルムを、ポリエステル(III)層側が金属板側となるようにラミネートするのが好ましい。離型性を有するポリエステル(I)層がフィルムラミネート金属板の表層を構成することにより、絞り成形時にポンチとの離型性を発揮できるからである。
本発明の積層フィルムは特にリメルト処理した後の該フィルムと金属板の密着強度が18N/15mm以上である事が好適である。リメルト処理後の密着強度が、18N/15mm未満であると、浮き・剥がれなどが発生し易くなる為である。
フィルムと金属板との密着強度は以下のように行う。
(1)フィルムラミネート金属板の作製
220℃に予熱した金属板に、上記で作製したポリエステル積層フィルムのポリエステルC層が金属板と接するように、ニップロール間を通過させてラミネートした後、10〜40℃の水槽中で急冷し、フィルムがラミネートされた金属板を得た。
(2)リメルト金属板の作製方法(再溶融処理)
フィルムラミネート金属板を、270℃で40秒間 加熱した後空冷し、更に水中冷却して、リメルト金属板を作製した。
(3)密着強度
リメルト金属板から、希塩酸によって金属部の一部を溶解除去し、フィルムのみを取り出した。これをきっかけとして、フィルム/金属板を剥離する。充分に剥離をした後、フィルムが伸びないように補強材を貼付け、15mm巾にカッティングを行う。該サンプルを引張り試験機を用い引張り速度5mmにて剥離強度を測定した。
本発明では金属板上の水分散樹脂膜厚みは5nmから40nmの厚みに制御されてなることが好ましい。コート厚みが5nm以下ではコート層が所謂膜割れを起こし、適正な樹脂膜を形成できず、40nmを超えてると該リメルト板の製缶時に、剥がれ・浮きなどが起こり収率がさがる為 好ましくないからである。
以下、実施例をもとに本発明をさらに詳細に説明する。
[評価方法]
(1)ポリエステルの融点
ポリエステル組成物を300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷して得たサンプル10mgを用い、窒素気流中、示差走査型熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で発熱・吸熱曲線(DSC曲線)を測定したときの、融解に伴う吸熱ピークの頂点温度を融点Tm(℃)とした。
(2)ポリエステルの不活性粒子量
試料として切り出したフィルムを理学電機製蛍光エックス線装置(装置名:ZSX100e)を用い、分析径を30mmΦとして各試料1枚を上面及び下面から測定し、PET用検量線を用いて不活性粒子量に換算した。
(3)不活性粒子の平均粒径
真空乾燥機にて終夜乾燥させた被覆用フィルム試料にイオンプラズマエッチング処理を行い、ベースフィルムの(I),(II)層中に含有されている不活性粒子を露出させた。次いで、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、粒子の大きさにあわせて適宜倍率を変え写真撮影を行った。少なくとも100点以上の粒子の円相当径を画像処理装置にて求め、粒子の個数で除して個数基準の平均粒子径(μm)を求めた。写真撮影された粒子のコントラストが弱い場合には、OHPフィルムに粒子の輪郭を極細マジックペンでトレースし、該トレース像を画像処理装置にて粒子の円相当径を求めた。
また、ポリエステルに粒子を添加する前の紛体状態の粒子は、SEM試料台に両面テープを張り、その上に紛体を薄くのせ、カーボン蒸着後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、粒子の大きさにあわせて適宜倍率を変え写真撮影を行った。少なくとも100点以上の粒子の円相当径を画像処理装置にて求め、粒子の個数で除して個数基準の平均粒子径(μm)を求めた。
(4)水分散型樹脂層厚み測定
フィルムを引き出しながら切り出された試料を重量法にて測定した。これは、切り出された試料の重量を測定後、水分散型樹脂層を任意の溶剤を用いて拭き取り、その後の試料の重量を測定し、拭き取り前後の重量差から該樹脂の比重を1とおいた時の水分散型樹脂層の厚みとして算出するものである。
(5)ポリアミド系ポリマーの平均粒径
実施例及び比較例の方法でポリエステル樹脂およびポリアミド系ポリマーを押出機で溶融混練しTダイより層状に押出したシートを延伸して得られたフィルムをエポキシ樹脂に包埋して硬化させものをクライオミクロトームにて各延伸方向と平行となる断面で切開し超薄切片を作製した。これを酸化ルテニウムで染色したのち室温で10分間保持し、次いでカーボン蒸着して透過型電子顕微鏡で観察した。分散粒子の平均径は画像解析装置(東洋紡績製、V10)を用いて長径の加重平均により求めた。
(6)ラミネートアルミ板の作製方法
250℃に加熱したアルミニウム合金板(厚み:0.26mmの3004系合金板)にポリエステルとポリオレフィン系ポリマー溶融混合後、急冷固化して得た樹脂膜をラミネートした後、40℃以下で急冷硬化させてラミネート板を作成した。
(7)リメルトアルミ板の作製方法
上記ラミネートアルミ板を275℃で40秒間 加熱した後に空冷し次いで水中冷却してリメルトアルミニウム板を作製した。
(8)リメルト後密着強度
リメルトアルミ板を希塩酸によってアルミニウム金属部の一部を溶解除去し、フィルムのみを取り出した。これをきっかけとして、フィルム/アルミ金属板を剥離する。
充分に剥離をした後、フィルムが伸びないように補強材を貼付け、15mm巾にカッティングを行う。該サンプルを引張り試験機を用い引張り速度5mm/minにて剥離強度を測定した。
(9)缶内面樹脂と加工ポンチの離型性
ラミネートアルミニウム板を絞り加工によりカップに成形した後、60缶/分の速度で再絞り・しごき加工によってn=100缶を成形し、成形缶上部に起る座屈程度をで目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:缶開口部の座屈未発生
△:缶開口部円周の約1/3に座屈発生
×:缶開口部円周の1/3以上に座屈発生
(10)耐衝撃性A
リメルト板を製缶して得た缶を280℃で40秒加熱後水中急冷した缶の胴壁中央部より7cm角のサンプルを各10枚切り出した。このサンプルの缶外面に相当する面に先端径10mmの重り(600g)を高さ10cmから落させて衝撃を与えた後、衝撃部を水酸化ナトリウム水溶液に浸し、金属端面を陽極にし直流12Vを30Sec通電させた際の電流値を測定し、以下の基準で評価した。
×:7枚以上が5mA以上
△:7枚以上が1mA以上
○:7枚以上が1mA未満
(11)耐衝撃性B
リメルト板を製缶して得た缶を280℃で40秒加熱後水中急冷した缶の胴壁中央部より7cm角のサンプルを切り出した。このサンプルの缶外面に相当する面に先端径10mmの重り(600g)を高さ10cmから落して衝撃を付与する。ついで7%の希塩酸を満たしたガラス容器上にサンプルを置き(サンプルの凸部が浸漬する状態で置き)、3日後に凸部の腐蝕状態を目視観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:凸部の腐蝕未発生
×:凸部の腐蝕発生
(12)極限粘度(IV)
オルトクロロフェノール中25℃で測定した値(dl/g)である。
(13)ワキ耐性
上記(7)の条件で作製したリメルトアルミ板の外観を観察した。評価基準は以下のとおり設定し、○を実用性ありと評価した。
○:突沸 未発生
×:突沸 発生
次に、実施例および比較例に用いたポリエステルとオレフィン系ポリマーの種類と内容について説明する。
(1)PET:ポリエチレンテレフタレート(IV=0.73)
投入口、温度計、圧力計及び精留塔付留出管、撹拌翼を備えた反応装置にテレフタル酸100重量部に対して、エチレングリコール82重量部(エチレングリコール/テレフタル酸のモル比=2.2)、酸成分に対して酸化ゲルマニウムをGe元素として0.05モル%、酢酸マグネシウムをMg元素として0.05モル%、そして、平均粒径1.3μmの無定形シリカ粒子0.23重量部を仕込み、撹拌しながら窒素を導入し系内の圧力を0.3MPaに保ち、温度230℃〜250℃で生成する水を系外に留去しながらエステル化反応を行った。反応終了後、250℃にて、リン酸トリメチルをP量として0.04モル%加え、昇温しながら徐々に減圧し、275℃、1.0hPa以下の真空下で重縮合反応を行い、得られた固有粘度0.73のポリエステル(PET)樹脂を用いた。
(2)PBT:ポリブチレンテレフタレート(IV=1.0)
投入口、温度計、圧力計及び精留塔付留出管、撹拌翼を備えた反応装置に、テレフタル酸100重量部に対して、1,4−ブタンジオール86重量部(1,4−ブタンジオール/テレフタル酸のモル比=1.6)、テトラノルマルブチルチタネート0.05重量部、ブチルヒドロキシスズオキサイド0.025重量部を仕込み、190℃〜230℃で生成する水を系外に留出しながらエステル化反応を行った。反応終了後、テトラノルマルブチルチタネート0.05重量部、およびリン酸0.025重量部を添加し250℃、減圧下(1.0hPa以下)で重縮合反応を行い、得られたポリエステル(PBT、固有粘度0.85)を用いた。
(3)PET−I(10):ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位10モル%、IV=1.0)
テレフタル酸90重量部、イソフタル酸10重量部を用いた以外はポリエチレンテレフタレート(PET)の製造方法と同様な方法により製造し、得られたポリエステル(PET−I(10)、固有粘度0.73)を用いた。
(4)ポリアミドA:ナイロン6(東洋紡製、T−814:商品名)を用いた。
(5)ポリアミドB:ポリメタキシリレンアジパミド(東洋紡製、T−600:商品名)を用いた。
(6)ポリアミドC:ポリメタキシリレンアジパミド(三菱瓦斯化学社製、S6007:商品名)を用いた。
(7)ポリアミドD:ナイロン12/PTMG共重合体(東洋紡製、DA330:商品名)を用いた。
[実施例1]
樹脂層(I):主原料としてPET/PBT=40/60(重量%)、ポリエチワックス1000ppmを添加した原料を100℃で24時間乾燥したものを用いた。
樹脂層(II):主原料としてPET−I(10)/ポリアミドA/ポリアミドB=88/3/3(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混練して得た原料を100℃で24時間乾燥したものを用いた。樹脂層(I)、(II)をそれぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、流路内で合流させ、Tダイより層状に冷却ロール上に押出し、積層樹脂の未延伸シートを得た。該未延伸シートを予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に3.5倍延伸し、さらにテンターで予熱温度80℃、延伸温度100℃で横方向に4.0倍延伸した後、150℃で8秒間熱処理して厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。このフィルムの各層厚みの比率は(I)層/(II)層=60/40であった。
該フィルムに対して、グラビアコーティング法にて、コート層厚みが10nmとなるように調整したコート液(東洋紡製 バイロナールMD1200)を樹脂層(II)側にコーティングし、160℃にて8秒間、乾燥した。
このフィルムを250℃に加熱した3004系アルミニウム合金板(厚み 0.26mm)に樹脂層(III)を接合面としてフィルムを圧着し、275℃で40秒間加熱した後、空冷し次いで水中急冷してリメルトアルミニウム板を得た。
こうして得られたリメルトアルミニウム板に成形用潤滑剤を塗布した後、加熱して板温70℃で絞り加工を実施した。次いで、得られたカップの温度を40℃にして金型温度80℃でしごき加工を実施し、350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト後の密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性、耐衝撃性を表1および表2に示す。本実施例のラミネート板は製缶性とワキ耐性に優れ、かつ本実施例のアルミ缶は耐衝撃性に優れていた。
[実施例2]
樹脂層(I)と(II)の層比率を50/50とし、樹脂層(I)へのポリエチワックス添加量を800ppmとした以外は実施例1と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。ついで、実施例1と同様に、リメルトアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト後の密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性,耐衝撃性を表1および表2に示す。本実施例のラミネート板は製缶性とワキ耐性に優れ、かつ本実施例のアルミ缶は耐衝撃性に優れていた。
[実施例3]
樹脂層(II)の原料をPET−I(10)/ポリアミドA/ポリアミドC=88/3/3(重量%)とした以外は実施例1と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。ついで、実施例1と同様にリメルトアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト後の密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性,耐衝撃性を表1および表2に示す。本実施例のラミネート板は製缶性とワキ耐性に優れ、かつ本実施例のアルミ缶は耐衝撃性に優れていた。
[実施例4]
樹脂層(II)の原料をPET−I(10)/ポリアミドB/ポリアミドD=88/3/3(重量%)とした以外は実施例2と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。ついで、実施例1と同様にリメルトアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト後の密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性,耐衝撃性を表1および表2に示す。本実施例のラミネート板は製缶性とワキ耐性に優れ、かつ本実施例のアルミ缶は耐衝撃性に優れていた。
[実施例5]
樹脂層(II)の原料をPET−I(10)/ポリアミドA=94/6(重量%)とした以外は実施例3と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。ついで、実施例1と同様にリメルトアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト後の密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性,耐衝撃性を表1および表2に示す。本実施例のラミネート板は製缶性とワキ耐性に優れ、かつ本実施例のアルミ缶は耐衝撃性に優れていた。
[比較例1]
樹脂層(II)の原料をPET−I(10)=100(重量%)(実施例1からポリアミド樹脂を除いた原料)とした以外は実施例1と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。ついで、実施例1と同様にリメルトアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト後の密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性,耐衝撃性、50℃での鋼球μを表1および表2に示す。本比較例のラミネート板は製缶性と耐ワキ性に優れていたが、アルミ缶の耐衝撃性が悪いため好ましくない。
[比較例2]
水分散型樹脂の塗布を行わない以外は実施例3と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。ついで、実施例1と同様にリメルトアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト後の密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性,耐衝撃性を表1および表2に示す。本比較例のラミネート板は耐ワキ性と耐衝撃性には優れていたが、製缶時の密着性が悪いため収率が落ち、好ましくない。
[比較例3]
水分散型樹脂のコート厚みを50nmとした以外は実施例3と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。ついで、実施例1と同様にラミネートアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性,耐衝撃性を表1および表2に示す。本比較例のラミネート板は耐ワキ性と耐衝撃性には優れていたが、製缶時の密着性が悪いため収率が落ち、好ましくない。
[比較例4]
樹脂層(I)の原料をPET−I(10)=100(重量%)とした以外は実施例3と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。ついで、実施例1と同様にラミネートアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性,耐衝撃性を表1および表2に示す。本比較例のラミネート板を製缶した際に、缶内面フィルムの延展不良が発生し評価に値する製缶品を得る事ができなかった。
[比較例5]
樹脂層(I)の原料をPET/PBT=10/90(重量%)とした以外は実施例3と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得ようとした。
本比較例のフィルムは製膜性が非常に悪く、延伸時に破断が多発し安定したフィルム膜を確保する事ができなかった。
[比較例6]
樹脂層(I)と樹脂層(II)の層比率を20/80とした以外は実施例3と同様にして厚みが20μmのポリエステル系フィルムを得た。ついで、実施例1と同様にラミネートアルミニウム板を作製し、製缶して350mlサイズのシームレス缶を得た。
ポリエステルの融点、分散径、リメルト密着性、製缶性(缶内面フィルムとポンチの離型性と缶外面フィルムのキズ発生程度)、ワキ耐性,耐衝撃性を表1および表2に示す。本比較例のラミネート板はリメルト時に突沸(所謂ワキ)現象が発生し、評価に値する製缶品を得る事ができなかった。
上記結果を表1、表2に示す。
Figure 2007261023
Figure 2007261023
本発明のポリエステル系フィルムはフィルムをラミネートする際、特に密着性が良好で製缶性(特に、缶内面フィルムと加工ポンチの離型性、金属板と該フィルムの密着性)に優れたフィルムラミネート金属板が得られ、かつ上記フィルムラミネート金属板を成形して得た金属缶の耐衝撃性が良好であり、極めて有用なポリエステル系フィルムに利用することができ、産業界に寄与することが大である。

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレート単位とポリブチレンテレフタレート単位よりなり該重量比率が20〜80/80〜20である事を特徴とするポリエステル樹脂にワックスを500ppm以上含有させた樹脂層(I)と、融点が180℃以上であるポリエステル樹脂にポリアミド系ポリマーを含有する事を特徴とする樹脂層(II)の少なくとも2層からなり、前記樹脂層(II)中に含有される前記ポリアミド系ポリマーの平均径が0.2〜5.0μmである事を特徴とし、該樹脂層(II)の金属板との接着面側に水分散型共重合ポリエステル樹脂層(III)を塗布してなるフィルムであり、かつ前記水分散型共重合ポリエステル樹脂層(III)の樹脂厚みが5nm〜40nmであり、前記積層ポリエステル系フィルム樹脂層(I)/(II)の層比率が30〜70/70〜30であり、該フィルムを金属板上に貼り合わせて、そのフィルムの融点以上の熱によって再溶融後、急速に冷却をさせた後の該フィルムと金属板の密着強度が18N/15mm以上である事を特徴とする金属板ラミネート用フィルム。
  2. 樹脂層(I)の融点が200℃以上であり少なくともふたつ以上の融解ピークを有する樹脂組成物である事を特徴とする請求項1に記載の金属板ラミネート用フィルム。
  3. 水分散型共重合ポリエステル樹脂層(III)のTgが40℃以上である事を特徴とする請求項1あるいは2に記載の金属板ラミネート用フィルム。
  4. 請求項3に記載されたフィルムラミネート金属板を成形してなることを特徴とする金属容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012251140A (ja) * 2011-05-10 2012-12-20 Toyobo Co Ltd 3ピース缶ラミネート用ポリエステルフィルム

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