JP2007260934A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各ノズル列の間隔の設計の自由度を高めること。
【解決手段】コントローラは、複数の印刷モードにてドット形成動作及び搬送動作を行わせることが可能である。全ての画素に形成されたドットによって印刷画像が構成される場合、各印刷モードが行われる際に、その印刷モードに従った所定数のノズルによって各ドット列が形成され、その印刷モードに従った所定間隔で各ドット列が所定方向に並び、いずれの印刷モードによって形成されたドット列にも、各ノズル列のノズルにより形成されたドットがある。
【選択図】図18

Description

本発明は、複数のノズル列を備える印刷装置及び印刷方法に関する。
紙、布、フィルム等の各種の媒体に画像を記録する記録装置として、インクを断続的に吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタは、移動方向(主走査方向ともいう)に移動するノズルからインクを吐出するドット形成動作と、媒体を搬送方向(副走査方向ともいう)に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、媒体に画像を印刷している。
このようなインクジェットプリンタでは、インクを吐出するノズルの数を増やすと、記録速度を高めることができる。しかし、1つのノズル列のノズル数を多くするのでは、ヘッドの製作が困難である。そこで、複数のノズル列を搬送方向の異なる位置に設ける構成により、ノズル数を増加させることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2004/080719パンフレット
複数のノズル列を搬送方向の異なる位置に設ける場合、各ノズル列の間隔の設定に自由度があることが望ましい。また、同じ構成で複数の印刷モードに対応可能であることが好ましい。
本発明は、複数のノズル列を搬送方向の異なる位置に設ける場合において、各ノズル列の間隔の設計の自由度を高めることを目的としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、所定方向に並ぶ複数のノズルからなるノズル列を複数備え、複数の前記ノズル列が前記所定方向に関して異なる位置に設けられ、移動方向に移動可能なキャリッジと、媒体を前記所定方向に沿って搬送する搬送機構と、前記キャリッジの移動中に前記ノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿うドット列を前記媒体に形成するドット形成動作と、前記媒体を前記所定方向に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返させ、複数の前記ドット列を前記所定方向に並べて前記印刷画像を構成するコントローラと、を備え、前記コントローラは、複数の印刷モードにて前記ドット形成動作及び前記搬送動作を行わせることが可能であり、全ての画素に形成されたドットによって前記印刷画像が構成される場合、各印刷モードが行われる際に、その印刷モードに従った所定数のノズルによって各前記ドット列が形成され、その印刷モードに従った所定間隔で各前記ドット列が前記所定方向に並び、いずれの前記印刷モードによって形成されたドット列にも、各ノズル列の前記ノズルにより形成されたドットがあることを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
所定方向に並ぶ複数のノズルからなるノズル列を複数備え、複数の前記ノズル列が前記所定方向に関して異なる位置に設けられ、移動方向に移動可能なキャリッジと、
媒体を前記所定方向に沿って搬送する搬送機構と、
前記キャリッジの移動中に前記ノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿うドット列を前記媒体に形成するドット形成動作と、前記媒体を前記所定方向に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返させ、複数の前記ドット列を前記所定方向に並べて前記印刷画像を構成するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、複数の印刷モードにて前記ドット形成動作及び前記搬送動作を行わせることが可能であり、
全ての画素に形成されたドットによって前記印刷画像が構成される場合、
各印刷モードが行われる際に、その印刷モードに従った所定数のノズルによって各前記ドット列が形成され、その印刷モードに従った所定間隔で各前記ドット列が前記所定方向に並び、
いずれの前記印刷モードによって形成されたドット列にも、各ノズル列の前記ノズルにより形成されたドットがある
ことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、各ノズル列の間隔の設計の自由度を高めることができる。
かかる印刷装置であって、あるノズル列の前記搬送方向上流側のノズルと、別のノズル列の搬送方向下流側のノズルとの前記搬送方向に関する間隔が、前記複数の印刷モードにおける前記搬送方向の各ドットピッチの最小公倍数の整数倍であることが望ましい。これにより、いずれの前記印刷モードによって形成されたドット列にも、各ノズル列の前記ノズルによりドットを形成することが可能になる。
かかる印刷装置であって、前記キャリッジを前記移動方向に移動させるためのベルトを更に備え、前記ベルトよりも前記搬送方向上流側又は下流側の一方にある2つのノズル列の間隔は、前記ベルトよりも前記搬送方向上流側の前記ノズル列と前記ベルトよりも前記搬送方向下流側の前記ノズル列との間隔よりも、短いことが望ましい。設計の自由度が高いため、このような構成の場合に特に有効である。
かかる印刷装置であって、いずれの前記印刷モードにおいても、前記所定数は、前記ノズル列の数の整数倍であることが望ましい。これにより、各ドット列を形成可能なノズルが各ヘッドに少なくとも1つは存在するようになる。
かかる印刷装置であって、全ての画素に形成されたドットによって前記印刷画像が構成される場合、各ノズル列は、前記全ての画素のうちのノズル列の数分の一の画素に、前記ドットを形成することが望ましい。これにより、特定のノズル列の影響が印刷画像に強く反映されないようにできる。
かかる印刷装置であって、各ノズル列において前記インクの吐出を許可されている吐出許可ノズルの数が同じであることが望ましい。これにより、各ドット列を形成可能なノズルが各ヘッドに少なくとも1つは存在するようになる。
かかる印刷装置であって、前記所定数を前記ノズル列の数で割った値をM’とし、各ノズル列の前記吐出許可ノズルの数をN’とし、搬送方向のドットピッチをDとし、各ノズル列のノズルピッチがk×Dであるとき、M’が整数であり、N’/M’が整数であり、N’/M’とkが互いに素の関係であり、搬送量が(N’/M’)×Dであることが望ましい。これにより、いずれの前記印刷モードによって形成されたドット列にも、各ノズル列の前記ノズルによりドットを形成することが可能になる。
かかる印刷装置であって、前記キャリッジには複数のヘッドが設けられており、各前記ヘッドは色毎にノズル列を有しており、複数の前記ヘッドが前記所定方向に関して異なる位置に設けられることによって、同じ色の複数の前記ノズルが、前記所定方向に関して異なる位置に設けられることが望ましい。このように、同じ構成のヘッドを複数用いることにより、簡単にノズル数を増やすことができる。
所定方向に関して異なる位置に設けられた複数のノズル列を用意し、
複数の前記ノズル列が移動方向に移動中に各ノズル列の前記所定方向に並ぶ複数のノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿うドット列を媒体に形成するドット形成動作と、前記媒体を前記所定方向に沿って搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、複数の前記ドット列を前記所定方向に並べて前記印刷画像を構成する
印刷方法であって、
ある印刷モードにて、全ての画素にドットを形成する場合、
前記ある印刷モードに従った所定数のノズルによって各前記ドット列を形成するとともに、各ノズル列の前記ノズルにより形成されたドットがあるように各前記ドット列を形成して、前記ある印刷モードに従った所定間隔で各前記ドット列を前記所定方向に並べ、
別の印刷モードにて、全ての画素にドットを形成する場合、
前記別の印刷モードに従った所定数のノズルによって各前記ドット列を形成するとともに、各ノズル列の前記ノズルにより形成されたドットがあるように各前記ドット列を形成して、前記別の印刷モードに従った所定間隔で各前記ドット列を前記所定方向に並べる
ことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、各ノズル列の間隔の設計の自由度を高めることができる。
===印刷システムの構成===
次に、印刷システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、インクジェットプリンタの概要を示すための第1の斜視図である。図2は、インクジェットプリンタの概要を示すための第2の斜視図である。図3は、印刷システムの構成を説明するためのブロック図である。
この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、不図示の入力装置等を備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
本実施形態のプリンタ1は、幅広のロール紙や、JIS規格のA列0番用紙やB列0番用紙といった比較的大型の単票状の印刷用紙に対して画像を印刷するための大判印刷用の印刷装置である。このプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、コントローラ60、及び駆動信号生成部70を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、搬送モータ21と、搬送ローラ22と、従動ローラ23と、プラテン24と、ロール紙保持部25とを有する。搬送モータ21は、搬送ローラ22を回転させるものである。搬送ローラ22が回転すると、搬送ローラ22と従動ローラ23との間に挟まれたロール紙Sが搬送方向に搬送される。プラテン24は、搬送中のロール紙を支持するためのものである。ロール紙保持部25は、巻き回されたロール紙Sを回転可能に保持するためのものである。このロール紙保持部25のロール紙Sが搬送ローラ22に引っ張られることによって、ロール紙Sがプラテン24側へ供給される。
キャリッジユニット30は、ヘッドを移動方向へ移動させるためのものである。このキャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32と、第1プーリ33及び第2プーリ34と、ベルト35と、上ガイド36A及び下ガイド36Bとを有する。キャリッジ31は、上ガイド36A及び下ガイド36Bによって、移動方向に移動可能に案内されている。キャリッジモータ32が回転すると、第1プーリ、第2プーリ及びベルト35によってキャリッジ31へ動力が伝達され、キャリッジ31が移動方向に移動する。
ヘッドユニット40は、複数のヘッドを有する。図中では4個のヘッド41A〜41Dが設けられている。以下の説明では、上のヘッドから順に、第1ヘッド41A、第2ヘッド41B、第3ヘッド41C、第4ヘッド41Dが配置されている。これらの第1ヘッド41A〜第4ヘッド41Dはキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、第1ヘッド41A〜第4ヘッド41Dも移動方向に移動する。そして、各ヘッドが移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。各ヘッドには、ピエゾ素子群412と、このピエゾ素子群412を制御するためのヘッド制御部413とが設けられている。ヘッドには複数のノズル(後述)が形成されており、ヘッド制御部413が各ピエゾ素子の駆動を制御することにより、各ノズルからのインクの吐出が制御される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51やロータリー式エンコーダ(不図示)等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものであり、キャリッジ31に設けられた検出部51Aと、スリットが設けられたスケール51Bとを有する。ロータリー式エンコーダ(不図示)は、搬送ローラ22の回転量を検出する。このロータリー式エンコーダの検出結果に基づいて、紙の搬送量が検出される。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、CPU61と、メモリ62とを有する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ62は、CPU61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU61は、メモリ62に格納されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。
<ヘッドのノズル構成について>
図4は、各ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。各ヘッドの下面には、ブラックインクノズル列Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンタインクノズル列Mと、イエローインクノズル列Yが形成されている。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。
各ノズル列の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。
各ノズル列のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯180よりも搬送方向の下流側に位置している。各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
なお、後述する説明では、第1ヘッド41Aに属するノズル列のことを「第1ノズル列」と呼び、第2ヘッド41Bに属するノズル列のことを「第2ノズル列」と呼び、第3ヘッド41Cに属するノズル列のことを「第3ノズル列」と呼び、第4ヘッド41Dに属するノズル列のことを「第4ノズル列」と呼ぶ。
===ヘッドが1つの場合の印刷方法(参考例)===
まず、ヘッドが1つの場合における印刷方法について説明する。
<インターレース印刷>
図5A及び図5Bは、インターレース印刷の説明図である。図5Aは、パス1〜パス4におけるヘッド(又はノズル列)の位置とドットの形成の様子を示し、図5Bは、パス1〜パス5におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。
図中の左側には、紙に対するヘッド(又はノズル列)の位置が示されている。説明の都合上、色毎にあるノズル列のうちの一つの色のノズル列のみを示し、ノズル列のノズル数も少なくしている(ここでは12個)。図中の黒丸で示されるノズルは、インクの吐出を許可されているノズル(吐出許可ノズル)である。一方、白丸で示されるノズルは、インクの吐出を禁止されているノズル(吐出禁止ノズル)である。また、説明の便宜上、ヘッド(又はノズル列)が紙に対して移動しているように描かれているが、同図はヘッドと紙との相対的な位置を示すものであって、実際には紙が搬送方向に移動されている。
図中の右側には、紙に形成されるドットが示されている。説明の都合上、ここでは全ての画素にドットを形成することを前提にしているが、実際には、印刷画像の内容によってドットの形成されない画素がある(例えば、空の雲の領域や人の肌の領域などでは、ドットの形成されない画素が多い)。
また、説明の都合上、各ノズルは数ドット(図中の丸印)しか形成していないように示されているが、実際には、移動方向に移動するノズルから間欠的にインク滴が吐出されるので、移動方向に多数のドットが並ぶことになる。このドットの列をラスタラインともいう。黒丸で示されるドットは、最後のパスで形成されるドットであり、白丸で示されるドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。なお、「パス」とは、移動するノズルからインクを吐出して、ドットを形成する動作(ドット形成動作)をいう。各パスは、紙を搬送方向に搬送する動作(搬送動作)と交互に行われる。
「インターレース印刷」とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方法を意味する。例えば、図5A及び図5Bにおける印刷方法では、1回のパスで形成されるラスタラインの間に、3本のラスタラインが挟まれている。
インターレース印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)吐出許可ノズルの数N(整数)はkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。
同図では、ノズル列は搬送方向に沿って配列された12個のノズルを有する。ノズル列のノズルピッチkは4なので、インターレース印刷を行うための条件である「Nとkが互いに素の関係」を満たすため、全てのノズルは用いられずに、11個のノズル(ノズル♯1〜ノズル♯11)が用いられる。また、11個のノズルが用いられるため、紙は搬送量11・Dにて搬送される。その結果、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル列を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。なお、実際のノズル数(180個)は11個よりも多いので、実際の搬送量(179・D)は11・Dよりも多くなる。
<オーバーラップ印刷(2パス)>
図6A及び図6Bは、オーバーラップ印刷の説明図である。図6Aは、パス1〜パス4におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図6Bは、パス1〜パス8におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。
「オーバーラップ印刷」とは、ラスタラインを複数のノズルで形成する印刷方法を意味する。例えば、図6A及び図6Bにおける印刷方法では、各ラスタラインは、2つのノズルで形成されている。
オーバーラップ印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、数ドットおきに間欠的にドットを形成する。そして、他のパスにおいて、他のノズルが既に形成されている間欠的なドットを補完するように(ドットの間を埋めるように)ドットを形成することにより、1つラスタラインが複数のノズルにより形成される。このようにM回のパスにて1つのラスタラインが形成される場合、「オーバーラップ数M」と定義する。
図6A及び図6Bでは、各ノズルは1ドットおきに間欠的にドットを形成するので、パス毎に奇数番目の画素又は偶数番目の画素にドットが形成される。そして、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、オーバーラップ数M=2になる。
オーバーラップ印刷において、搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)N/Mが整数であること、(2)N/Mはkと互いに素の関係にあること、(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定されること、が条件となる。
図6A及び図6Bでは、ノズル列は搬送方向に沿って配列された12個のノズルを有する。しかし、ノズル列のノズルピッチkは4なので、オーバーラップ印刷を行うための条件である「N/Mとkが互いに素の関係」を満たすために、全てのノズルは用いられずに、10個のノズルが用いられる。また、10個のノズルが用いられるため、紙は搬送量5・Dにて搬送される。その結果、例えば、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル列を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。
図6A及び図6Bでは、パス1では各ノズルが奇数画素にドットを形成し、パス2では各ノズルが偶数画素にドットを形成し、パス3では各ノズルが奇数画素にドットを形成し、パス4では各ノズルが偶数画素にドットを形成する。つまり、前半の4回のパスでは、奇数画素−偶数画素−奇数画素−偶数画素の順にドットが形成される。そして、後半の4回のパス(パス5〜パス8)では、前半の4回のパスと逆の順にドットが形成され、偶数画素−奇数画素−偶数画素−奇数画素の順にドットが形成される。なお、パス9以降のドットの形成順は、パス1からのドット形成順と同様である。
<オーバーラップ印刷(4パス)>
図7は、オーバーラップ数Mが4の場合のオーバーラップ印刷の説明図である。すなわち、4回のパスにて1つのラスタラインを形成する印刷方法である。この印刷方法によれば、1つのラスタラインが4つのノズルにより形成されている。
この印刷方法では、12個のノズルが吐出許可ノズルになり、各パスの間に行われる搬送処理では紙が搬送量3・Dにて搬送される。各パスにおいて各ノズルがドットを形成する際、各ノズルは、4画素に1画素の割合でドットを形成する(全ての画素にドットを形成する場合)。
このように、オーバーラップ数は2に限られるものではない。
===ヘッドが複数の場合の印刷方法(比較例)===
複数のヘッドで印刷を行う本実施形態の印刷方法を説明する前に、比較例の印刷方法について説明する。ここでは説明を簡略化するため、キャリッジ31には2個のヘッドが設けられているものとする。また、説明の都合上、色毎にあるノズル列のうちの一つの色のノズル列のみを示し、各ノズル列のノズル数も少なくしている(ここでは6個)。
図8Aは、比較例の複数ノズル列の構成の説明図である。図8Bは、比較例の複数ノズル列の間隔の説明図である。図8Cは、比較例の複数ノズル列によるオーバーラップ印刷の説明図である。
比較例では、2つのノズル列(第1ノズル列411A、第2ノズル列411B)は、互いに異なるヘッドに属する同じ色のノズル列である(第1ノズル列411Aは第1ヘッド41Aに属するノズル列であり、第2ノズル列411Bは第2ヘッド41Bに属するノズル列である)。第1ノズル列411A及び第2ノズル列411Bは、実際には移動方向にずれて配置されているが、ここでは説明の都合上、搬送方向に並んで配置されている(移動方向に関して同じ位置に配置されている)。
第1ノズル列411A及び第2ノズル列411Bは、それぞれ6個のノズルを有している。各ノズル列の中でのノズルピッチは、前述の参考例と同様に、4・Dである(k=4)。
比較例のヘッドは、ノズル列の間隔(詳しくは、第1ノズル列411Aのノズル♯6Aと第2ノズル列411Bのノズル♯1Bとの間隔)が9・Dになるように、設けられている。つまり、比較例のヘッドは、ノズル列の間隔が搬送量(5・D)とノズルピッチ(4・D)との和に等しくなるように、設けられている。これにより、あるパス(パスi)において第2ノズル列411Bのノズルが形成したドットと、次のパス(パスi+1)において第1ノズル列411Aのノズルが形成したドットとが、搬送方向の間隔が4・Dになるように形成されることになる。
つまり、比較例のヘッドによれば、パスi+1における第1ノズル列411A及びパスiにおける第2ノズル列411Bが、所定の搬送量(5・D)にて搬送されることによって、擬似的に、ノズルピッチ4・Dにて配列された12個のノズルとして機能している(図8B参照)。
そして、比較例では、2つのノズル列が擬似的にノズルピッチ4・Dにて配列された12個のノズルとして機能するので、オーバーラップ数Mが2のオーバーラップ印刷を行う際には、12個のノズルのうちの10個のノズルが用いられる(10個のノズルが吐出許可ノズルになり、2個のノズルが吐出禁止ノズルになる)。また、10個のノズルが用いられるため、オーバーラップ印刷の際に、紙は搬送量5・Dにて搬送されることになる(図8C参照)。
比較例の場合、2つのノズル列の間隔(第1ノズル列411Aの吐出許可ノズル♯6Aと、第2ノズル列411Bの吐出許可ノズル♯1Bとの間隔)を、特定の間隔に設計する必要がある。具体的には、2つのノズル列の間隔が、搬送量の整数倍とノズルピッチとの和になる必要がある。
このため、比較例のような印刷方法では、ノズル列の間隔についての設計上の制約が大きい。
===第1実施形態===
第1実施形態の説明においても、説明を簡略化するため、2個のヘッドがキャリッジ31に設けられているものとする。なお、ヘッドが4個の場合については、第2実施形態において説明する。
<(1)2個のヘッドの配置について>
図9は、2個のヘッドの配置についての説明図である。既に説明した通り、各ヘッドの下面には、ブラックインクノズル列Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンタインクノズル列Mと、イエローインクノズル列Yが形成されている。
各ヘッドは、移動方向にずれて配置されている。このため、ある色に関して、第1ヘッド41Aのノズル列と、第2ヘッド41Bのノズル列は、移動方向の異なる位置に配置されている。このため、仮に第1ヘッド41Aのノズル列と第2ヘッド41Bのノズル列とが同時にインクを吐出すると、第1ヘッド41Aのノズル列によって形成されたドットと、第2ヘッド41Bのノズル列によって形成されたドットが、移動方向の異なる位置に形成される。但し、キャリッジ31が移動方向に移動可能であるため、第1ヘッド41Aのノズル列のインクの吐出タイミングと、第2ヘッド41Bのノズル列のインクの吐出タイミングとをずらせば、移動方向に関して同じ位置にドットを形成することができる。そこで、後述する説明では、同じ色のノズル列を搬送方向に並べて説明している。
図に示す通り、第1ヘッド41Aのノズル列のノズル♯180と、第2ヘッド41Bのノズル列のノズル♯1との間は、搬送方向に関して間隔Lだけ離れている。この間隔Lは、印刷解像度(搬送方向のドットピッチD)の整数倍という条件を満たしていれば良い。すなわち、本実施形態では、ノズル列の間隔(第1ヘッド41Aと第2ヘッド41Bの間隔)についての設計上の制約が少ない。
次に、このように配置されたヘッドを用いた印刷方法について説明する。
<(2)オーバーラップ数Mが2の場合について>
まず、オーバーラップ数Mが2の場合について説明する。すなわち、2回のパスにて1つのラスタラインを形成する印刷方法について説明する。この印刷方法によれば、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されている。また、特に本実施形態によれば、以下の説明で明らかになるように、いずれのラスタラインにも、第1ノズル列411Aにより形成されるドットと、第2ノズル列411Bにより形成されるドットとがある。
以下の説明では、色毎にあるノズル列のうちの一つの色のノズル列のみを示す。また、第1ヘッド41Aのノズル列と第2ヘッド41Bのノズル列は、実際には移動方向にずれて配置されているが、以下の説明では、説明の都合上、搬送方向に並んで配置されている(移動方向に関して同じ位置に配置されている)。
まず、各ヘッド(又は各ノズル列)のドット形成の様子について説明する。
図10A及び図10Bは、第1実施形態においてM=2の場合の各ヘッドのドット形成の様子の説明図である。図10Aは、パス1〜パス4におけるヘッドの位置とドット形成の様子を示し、図10Bは、パス1〜パス5におけるヘッドの位置とドット形成の様子を示している。
第1実施形態においてM=2の場合の吐出許可ノズルは、図5A及び図5Bの参考例のインターレース印刷と同様に、ノズル♯1〜ノズル♯11である。つまり、各ヘッドの吐出許可ノズルの数は11である。また、第1実施形態においてM=2の場合の搬送量Fは、図5A及び図5Bの参考例のインターレース印刷と同様に、11・Dである。
各ノズルは、図6A及び図6Bの参考例のM=2のオーバーラップ印刷のように、1ドットおきに間欠的にドットを形成するので、パス毎に奇数番目の画素又は偶数番目の画素にドットが形成される。つまり、各ノズルは、図5A及び図5Bの参考例のインターレース印刷と比べて、半分のドットしか形成していない。このため、図10A及び図10Bに示す印刷方法では、吐出許可ノズル数N(各ヘッドの吐出許可ノズル数)や搬送量Fが図5A及び図5Bの参考例と同じではあるが、1つのヘッドだけでは、図5A及び図5Bのように搬送方向に連続して並ぶラスタラインを完成することができない。
但し、図10A及び図10Bに示す印刷方法によれば、1つのヘッドによって、市松模様状にドットを形成することができる。つまり、1つのヘッドは、印刷画像を構成するドット全体のうちの丁度半分のドットを形成することができる。
次に、2つのヘッドによるドット形成の様子について説明する。
図11は、第1実施形態においてM=2の場合のドット形成の様子の説明図である。
図中の左側には、紙に対するヘッド(又はノズル列)の位置が示されている。具体的には、間隔Lだけ離れた第1ノズル列411A及び第2ノズル列411Bが、紙に対して搬送量Fずつ相対的に移動する様子が示されている(実際には、パスとパスの間で紙がノズル列に対して搬送量Fずつ搬送される)。
図中の右側の斜線部は、搬送方向に連続してラスタラインが並ぶ範囲を示している。具体的には、パス4における第1ノズル列411Aのノズル♯1の位置(搬送方向上流側のノズル列の搬送方向最下流側の吐出許可ノズルの位置)と、パス11の第2ノズル列411Bのノズル♯11(搬送方向下流側のノズル列の搬送方向最上流側の吐出許可ノズルの位置)との間において、搬送方向に連続して複数のラスタラインが並ぶことになる。
図中の右下には、斜線部の一部の領域(8個のラスタライン分の領域)におけるドット形成の様子が示されている。丸印は、第1ノズル列411Aのノズルから吐出されたインクにより形成されたドットを示している。三角印は、第2ノズル列411Bのノズルから吐出されたインクにより形成されたドットを示している。
前述したとおり、各ヘッドは、市松模様状にドットを形成することができる(図10A及び図10B参照)。このため、第2ノズル列411Bによって形成されたドットの間を補完するように、第1ノズル列411Aがドットを形成すれば、2つのヘッドによって、全ての画素にドットを形成することができる。なお、第1ノズル列411Aも第2ノズル列411Bも同じように市松模様状のドットを形成するためには、各ノズル列の吐出許可ノズルの数を同じに設定する必要がある。
図12A〜図12Cは、2つのノズル列の間隔を変更した場合のドット形成の様子の説明図である。
図12Aは、2つのノズル列の間隔がLの場合のドット形成の様子を示している。ここでは、あるラスタラインを形成するドットを黒く塗りつぶしている。黒丸は、あるパス(パスXという)において第1ノズル列411Aのノズル♯iが形成したドットであるものとする。また、黒三角は、別のパス(パスYという)において第2ノズル列411Bのノズル♯jが形成したドットであるものとする。つまり、パスXにおいて第1ノズル列411Aのノズル♯iは偶数画素にドットを形成し、パスYにおいて第2ノズル列411Bのノズル♯jは奇数画素にドットを形成する。
図12Bは、2つのノズル列の間隔をL+Dに変更した場合のドット形成の様子を示している。つまり、ノズル列の間隔が、図12Aの場合と比較してドットピッチDだけ離れている。この図でも、パスXにおいて第1ノズル列411Aのノズル♯iが形成したドットを黒丸で示している。また、パスYにおいて第2ノズル列411Bのノズル♯jが形成したドットを黒三角で示している。
図12Bに示す通り、黒三角は、黒丸によって構成されるラスタラインの搬送方向上流側に隣接するラスタラインを構成する。また、図に示す通り、パスYにおいて第2ノズル列411Bのノズル♯jは、奇数画素ではなく偶数画素に、ドットを形成する(黒三角が偶数画素にある)。なお、黒丸を含むラスタラインは、別のパスにおいて第2ノズル列411Bの別のノズルによって形成されるドット(図中の白三角)によって構成されることになる。
図12Cは、2つのノズル列の間隔をL+2Dに変更した場合のドット形成の様子を示している。つまり、ノズル列の間隔が、図12Aの場合と比較してドットピッチの2倍(2D)だけ離れている。この図でも、パスXにおいて第1ノズル列411Aのノズル♯iが形成したドットを黒丸で示している。また、パスYにおいて第2ノズル列411Bのノズル♯jが形成したドットを黒三角で示している。
図12Cに示す通り、黒三角は、黒丸によって構成されるラスタラインよりも2つ分搬送方向上流側のラスタラインを構成する。また、図に示す通り、パスYにおいて第2ノズル列411Bのノズル♯jは、奇数画素にドットを形成する(黒三角が奇数画素にある)。
図12A〜図12Cに示すように、2つのノズル列の間隔が変更されたとしても、第2ノズル列411Bによって形成されたドットの間を補完するように、第1ノズル列411Aがドットを形成すれば、2つのヘッドによって、全ての画素にドットを形成することができる。但し、2つのノズル列の間隔Lは、印刷解像度(搬送方向のドットピッチD)の整数倍という条件を満たしている必要がある。
ところで、例えば第1ノズル列411Aが奇数画素にドットを形成するパスのときに、2つのノズル列の間隔Lに応じて、第2ノズル列411Bが奇数画素にドットを形成する場合や、偶数画素にドットを形成する場合がある。例えばパスYにおける第2ノズル列411Bは、図12Aにおいては奇数画素にドットを形成するが、図12Bにおいては偶数画素にドットを形成する。このようにするためには、第1ノズル列411Aのインク吐出タイミングと第2ノズル列411Bのインク吐出タイミングとを別々に設定できるようにする必要がある。このために、本実施形態では、ヘッド毎に駆動信号生成部を設けている(図3参照)。各駆動信号生成部は、対応するノズル列が奇数画素にドットを形成する場合には奇数画素用駆動信号を生成し、対応するノズル列が偶数画素にドットを形成する場合には偶数画素用駆動信号を生成する。
上記の印刷方法によれば、各ラスタラインを構成するドットのうち、半分のドットは第1ノズル列411Aによって形成され、残りの半分のドットは第2ノズル列411Bによって形成される。言い換えると、各ラスタラインにおいて、第1ノズル列411Aによって形成されたドットと、第2ノズル列411Bによって形成されたドットは、1:1の割合である。
これに対し、例えば第1ノズル列411Aが4画素に1画素の割合でドットを形成し、第2ノズル列411Bが4画素に3画素の割合でドットを形成することによって、各ラスタラインを構成することもできる。言い換えると、各ラスタラインにおいて、第1ノズル列411Aによって形成されたドットと、第2ノズル列411Bによって形成されたドットを、1:3の割合にすることもできる。しかし、このようにすると、第2ノズル列411Bの機械的特徴が各ラスタラインに反映され易くなり、もし第2ノズル列411Bのノズルに目詰まりが生じてドットに不具合があると、画質の低下が著しい。
<(3)オーバーラップ数Mが4の場合ついて>
次に、オーバーラップ数Mが4の場合について説明する。すなわち、4回のパスにて1つのラスタラインを形成する印刷方法について説明する。この印刷方法によれば、1つのラスタラインが4つのノズルにより形成される。また、特に本実施形態によれば、いずれのラスタラインにも、第1ノズル列411Aにより形成されるドットと、第2ノズル列411Bにより形成されるドットとがある。
まず、各ヘッドのドット形成の様子について説明する。
図13A及び図13Bは、第1実施形態においてM=4の場合のドット形成の様子の説明図である。図13Aは、パス1〜パス4におけるヘッドの位置とドット形成の様子を示し、図13Bは、パス1〜パス8におけるヘッドの位置とドット形成の様子を示している。
第1実施形態においてM=4の場合の吐出許可ノズルは、図6A及び図6Bの参考例のオーバーラップ印刷(M=2)と同様に、ノズル♯1〜ノズル♯10である。つまり、各ヘッドの吐出許可ノズルの数は10である。また、第1実施形態においてM=4の場合の搬送量Fは、図6A及び図6Bの参考例のインターレース印刷(M=2)と同様に、5・Dである。
各ノズルは、図7の参考例のM=4のオーバーラップ印刷のように、4画素に1画素の割合でドットを形成する。つまり、各ノズルは、図7の参考例のM=4のオーバーラップ印刷と比べて、半分のドットしか形成していない。このため、図10A及び図10Bに示す印刷方法では、吐出許可ノズル数N(各ヘッドの吐出許可ノズル数)や搬送量Fが図6の参考例と同じではあるが、1つのヘッドだけでは、図6A及び図6Bのように搬送方向に連続して並ぶラスタラインを完成することができない。
但し、図13A及び図13Bに示す印刷方法によれば、1つのヘッドによって、市松模様状にドットを形成することができる。つまり、1つのヘッドは、印刷画像を構成するドット全体のうちの丁度半分のドットを形成することができる。
次に、2つのヘッドによるドット形成の様子について説明する。
図14は、第1実施形態においてM=4の場合の各ヘッドのドット形成の様子の説明図である。図11と同様に、図中の右側の斜線部は、搬送方向に連続してラスタラインが並ぶ範囲を示している。また、図中の右下には、斜線部の一部の領域(8個のラスタライン分の領域)におけるドット形成の様子が示されている。丸印は、第1ノズル列411Aのノズルから吐出されたインクにより形成されたドットを示している。三角印は、第2ノズル列411Bのノズルから吐出されたインクにより形成されたドットを示している。
前述したとおり、各ヘッドは、市松模様状にドットを形成することができる(図10A及び図10B参照)。このため、第2ノズル列411Bによって形成されたドットの間を補完するように、第1ノズル列411Aがドットを形成すれば、2つのヘッドによって、全ての画素にドットを形成することができる。なお、第1ノズル列411Aも第2ノズル列411Bも同じように市松模様状のドットを形成するためには、各ノズル列の吐出許可ノズルの数を同じに設定する必要がある。
そして、詳しい説明は省略するが、前述の図12A〜図12Cとほぼ同様に、2つのノズル列の間隔が変更されたとしても、第2ノズル列411Bによって形成されたドットの間を補完するように、第1ノズル列411Aがドットを形成すれば、2つのヘッドによって全ての画素にドットを形成することができる。但し、2つのノズル列の間隔Lは、印刷解像度(搬送方向のドットピッチD)の整数倍という条件を満たしている必要がある。
<(4)印刷条件について>
参考例のようにヘッドが1つの場合、搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)N/Mが整数であること、(2)N/Mはkと互いに素の関係にあること、(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定されること、が条件となっていた。なお、インターレース印刷の場合、オーバーラップ数Mが1であると考えればよい。
ここで、オーバーラップ数Mをノズル列数で割った値をM’と定義し、各ノズル列の吐出許可ノズル数をN’と定義する。すると、参考例の印刷条件において、MをM’に置き換え、NをN’に置き換えれば、本実施形態の印刷条件と合致する。
すなわち、本実施形態の印刷条件をまとめると、以下のようになる(後述する第2実施形態の印刷条件も同様である)。
(条件1)各ノズル列のN’が同じであること
(条件2)M’が整数であること
(条件3)N’/M’が整数であること
(条件4)N’/M’はkと互いに素の関係にあること
(条件5)搬送量Fが(N’/M’)・Dに設定されること
(条件6)LがドットピッチDの整数倍であること
これらの条件を満たすことにより、それぞれのラスタラインに対して、そのラスタラインを形成可能なノズルが各ヘッドに少なくとも1つは存在するようになる。つまり、これにより、いずれのラスタラインにも、各ノズル列のノズルによってドットを形成することが可能になる。
なお、条件2(M’が整数であること)を満たすためには、オーバーラップ数Mは、ヘッドの数(ノズル列の数)以上にする必要がある。
<(5)複数の印刷モードと間隔Lとの関係について>
図15Aは、第1実施形態の3つの印刷モードを説明するための表である。ここでの説明では、各ノズル列は180個のノズルから構成されるものとする。
印刷モードとは、ドットを形成するときの状態をいう。たとえ解像度が同じであっても、ドットの形成順序等が異なれば、印刷モードは異なることになる。表中の印刷モード1〜印刷モード3は、ドットを形成するときの状態が異なるため、異なる印刷モードである。コントローラ60は、メモリに格納されたプログラムに従って各ユニットを制御することによって、表中の印刷モード1〜印刷モード3をそれぞれ実現する。
印刷モード1〜印刷モード3を実現するためには、いずれの印刷モードにおいても前述の条件1〜条件6を満たす必要がある。特に、条件6(LがドットピッチDの整数倍であること)をいずれの印刷モードにおいても満たすためには、間隔Lは、各印刷モードの印刷解像度(搬送方向のドットピッチD)の最小公倍数の整数倍にする必要がある。ここでは、印刷モード1のドットピッチDが1/720インチであり、印刷モード2のドットピッチDが1/720インチであり、印刷モード3のドットピッチが1/1440インチであるため、2つのノズル列の間隔Lは、1/720インチの整数倍にすれば良い。また、前述の条件2をいずれの印刷モードにおいても満たすことは、言い換えると、いずれの印刷モードのオーバーラップ数Mであってもヘッドの数の整数倍であること、になる。
図15Bは、第1実施形態の4つの印刷モードを説明するための表である。図15Aと比較すると、印刷モード4が追加されている。
印刷モード4では、ドットピッチが1/540インチである。このような場合、間隔Lは、1/180インチの整数倍にする。
===第2実施形態の印刷方法===
次に、4個のヘッドがキャリッジ31に設けられている第2実施形態について説明する。
<(1)4個のヘッドの配置について>
図16は、4個のヘッドの配置についての説明図である。既に説明した通り、各ヘッドの下面には、ブラックインクノズル列Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンタインクノズル列Mと、イエローインクノズル列Yが形成されている。
図に示す通り、第1ヘッド41Aのノズル列のノズル♯180と、第2ヘッド41Bのノズル列のノズル♯1との間は、搬送方向に関して間隔L12だけ離れている。また、第2ヘッド41Bのノズル列のノズル♯180と、第3ヘッド41Cのノズル列のノズル♯1との間は、搬送方向に関して間隔L23だけ離れている。また、第3ヘッド41Cのノズル列のノズル♯180と、第4ヘッド41Dのノズル列のノズル♯1との間は、搬送方向に関して間隔L34だけ離れている。間隔L12、間隔L23及び間隔L34は、印刷解像度(搬送方向のドットピッチD)の整数倍という条件をそれぞれ満たしていれば良い。すなわち、本実施形態では、ノズル列の間隔についての設計上の制約が少ない。
なお、間隔L12、間隔L23及び間隔L34は、同じにする必要はなく、それぞれ条件を満たしているのであれば異なっていても良い。特に、間隔L12及び間隔L34は、プリンタの小型化の観点から短いことが望ましいが、間隔L23は、ベルト35(図1及び図2参照)があるため、短くすることができない。このため、間隔L12及び間隔L34は、例えば搬送量Fよりも短く設計され、間隔L23は、例えば搬送量Fよりも長く設計される。
次に、このように配置されたヘッドを用いた印刷方法について説明する。
<(2)オーバーラップ数Mが4の場合について>
ここではオーバーラップ数Mが4の場合について説明する。すなわち、4回のパスにて1つのラスタラインを形成する印刷方法について説明する。この印刷方法によれば、1つのラスタラインが4個のノズルにより形成されている。また、特に本実施形態によれば、以下の説明で明らかになるように、いずれのラスタラインにも、各ノズル列により形成されるドットがある。
以下の説明では、色毎にあるノズル列のうちの一つの色のノズル列のみを示す。また、各ヘッドの同じ色のノズル列は、実際には移動方向にずれて配置されているが、以下の説明では、説明の都合上、搬送方向に並んで配置されている(移動方向に関して同じ位置に配置されている)。
まず、各ヘッドのドット形成の様子について説明する。
図17A及び図17Bは、第2実施形態においてM=4の場合の各ヘッドのドット形成の様子の説明図である。図17Aは、パス1〜パス4におけるヘッドの位置とドット形成の様子を示し、図17Bは、パス1〜パス5におけるヘッドの位置とドット形成の様子を示している。
第2実施形態においてM=4の場合の吐出許可ノズルは、図5の参考例のインターレース印刷と同様に、ノズル♯1〜ノズル♯11である。つまり、各ヘッドの吐出許可ノズルの数は11である。また、第2実施形態においてM=4の場合の搬送量Fは、図5の参考例のインターレース印刷と同様に、11・Dである。
各ノズルは、図7の参考例のM=4のオーバーラップ印刷のように、4画素に1画素の割合でドットを形成する。つまり、各ノズルは、図5A及び図5Bの参考例のインターレース印刷と比べて、1/4のドットしか形成していない。このため、図17A及び図17Bに示す印刷方法では、吐出許可ノズル数N(各ヘッドの吐出許可ノズル数)や搬送量Fが図5A及び図5Bの参考例と同じではあるが、1つのヘッドだけでは、図5のように搬送方向に連続して並ぶラスタラインを完成することができない。
但し、図17A及び図17Bに示す印刷方法によれば、1つのヘッドによって、印刷画像を構成するドット全体のうちの1/4のドットを形成することができる。
次に、4個のヘッドによるドット形成の様子について説明する。
図18は、第2実施形態においてM=4の場合のドット形成の様子の説明図である。図11や図14と同様に、図中の右側の斜線部は、搬送方向に連続してラスタラインが並ぶ範囲を示している。また、図中の右下には、斜線部の一部の領域(8個のラスタライン分の領域)におけるドット形成の様子が示されている。丸印は、第1ノズル列411Aのノズルから吐出されたインクにより形成されたドットを示している。三角印は、第2ノズル列411Bのノズルから吐出されたインクにより形成されたドットを示している。ダイヤ印(◇)は、第3ノズル列411Cのノズルから吐出されたインクにより形成されたドットを示している。四角印(□)は、第4ノズル列411Dのノズルから吐出されたインクにより形成されたドットを示している。
前述したとおり、各ヘッドは、印刷画像を構成するドット全体のうちの1/4のドットを形成することができる(図17A及び図17B参照)。このため、第1ノズル列411A〜第4ノズル列411Dが間を補完するようにドットをそれぞれ形成すれば、4個のヘッドによって、全ての画素にドットを形成することができる。なお、第1ノズル列411A〜第4ノズル列411Dが同じようにドットを形成するためには、各ノズル列の吐出許可ノズルの数を同じに設定する必要がある。
そして、詳しい説明は省略するが、前述の図12A〜図12Cとほぼ同様に、間隔L12、間隔L23及び間隔L34が変更されたとしても、4個のヘッドによって全ての画素にドットを形成することができる。但し、間隔L12、間隔L23及び間隔L34のいずれも、印刷解像度(搬送方向のドットピッチD)の整数倍という条件を満たしている必要がある。
上記の印刷方法によれば、各ラスタラインにおいて、第1ノズル列411A〜第4ノズル列411Dによって形成されたドットは、1:1:1:1の割合である。
これに対し、例えば第1ノズル列411Aが8画素に1画素の割合でドットを形成し、第2ノズル列411Bが8画素に3画素の割合でドットを形成し、第3ノズル列411C及び第4ノズル列411Dがそれぞれ4画素に1画素の割合でドットを形成することによって、各ラスタラインを構成することもできる。言い換えると、各ラスタラインにおいて、第1ノズル列411A〜第4ノズル列411Dによって形成されたドットを、1:3:2:2の割合にすることもできる。しかし、このようにすると、第2ノズル列411Bの機械的特徴が各ラスタラインに反映され易くなり、もし第2ノズル列411Bのノズルに目詰まりが生じてドットに不具合があると、画質の低下が著しい。
<(3)印刷条件について>
なお、ここではオーバーラップ数が8の場合などについては説明を省略するが、第2実施形態のように4個のヘッドを用いる場合であっても、以下の条件を満たせばよい。
(条件1)各ノズル列のN’が同じであること
(条件2)M’が整数であること
(条件3)N’/M’が整数であること
(条件4)N’/M’はkと互いに素の関係にあること
(条件5)搬送量Fが(N’/M’)・Dに設定されること
(条件6)LがドットピッチDの整数倍であること
<(4)複数の印刷モードと間隔Lとの関係について>
図19Aは、第2実施形態の3つの印刷モードを説明するための表である。ここでの説明では、各ノズル列は180個のノズルから構成されるものとする。
印刷モード1〜印刷モード3を実現するためには、いずれの印刷モードにおいても前述の条件1〜条件6を満たす必要がある。特に、条件6(LがドットピッチDの整数倍であること)をいずれの印刷モードにおいても満たすためには、間隔Lは、各印刷モードの印刷解像度(搬送方向のドットピッチD)の最小公倍数の整数倍にする必要がある。ここでは、印刷モード1のドットピッチDが1/720インチであり、印刷モード2のドットピッチDが1/720インチであり、印刷モード3のドットピッチが1/1440インチであるため、2つのノズル列の間隔Lは、1/720インチの整数倍にすれば良い。また、前述の条件2をいずれの印刷モードにおいても満たすことは、言い換えると、いずれの印刷モードのオーバーラップ数Mであってもヘッドの数の整数倍であること、になる。このため、前述の第1実施形態ではヘッドの数が2なのでオーバーラップ数Mの最小値は2であるが、第2実施形態では、ヘッドの数が4なので、オーバーラップ数Mの最小値は4になる。
図19Bは、第2実施形態の4つの印刷モードを説明するための表である。図19Aと比較すると、印刷モード4が追加されている。印刷モード4では、ドットピッチが1/540インチであるため、このような場合、間隔Lは1/180インチの整数倍にする。
===その他の実施の形態===
一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
===まとめ===
(1)前述の実施形態によれば、プリンタ1は、移動方向に移動可能なキャリッジ31と、媒体を所定方向に沿って搬送する搬送ユニット(搬送機構に相当)と、ラスタライン(ドット列に相当)を形成するドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返させるコントローラ60と、を備えている(図1〜図3参照)。キャリッジ31には複数のヘッドが設けられているため、キャリッジ31には複数のノズル列が一体的に設けられている。各ノズル列は、搬送方向(所定方向に相当)に並ぶ複数のノズルから構成されている(図4参照)。また、各ノズル列は、搬送方向に関して異なる位置に設けられている(図9、図11、図14、図16、図18参照)。
コントローラ60は、複数の印刷モードにてドット形成動作と搬送動作を行わせることが可能である。例えば、図15Aの印刷モード1の場合、コントローラ60は、奇数画素又は偶数画素にドットを形成するドット形成動作と、搬送量179・D(178/720インチ)にて紙Sを搬送する搬送動作とを交互に行わせることになる。
ところで、ある印刷モードにおいて、あるラスタラインを構成するドットが特定のノズルだけによって形成されるような印刷方法の場合、2つのノズル列の間隔の設計上の制約が大きくなる。なぜならば、仮に2つのノズル列の間隔を変更すると、そのラスタラインを形成可能なノズルが存在しなくなるおそれがあるからである。
このため、2つのノズル列の間隔を変更しても、各ラスタラインを形成可能なノズルが各ヘッドに少なくとも1つは存在するようにすることが望ましい。なぜならば、このようにすることによって、例えば図12A〜図12Cに示すように、2つのノズル列の間隔を変更しても、全ての画素にドットを形成することができるからである。
そして、本実施形態では、いずれの印刷モードによって形成されたラスタラインにも、各ノズル列のノズルにより形成されたドットがある。例えば、第1実施形態では、いずれの印刷モードによって形成されたいずれのラスタラインにも、第1ノズル列411Aのノズルにより形成されたドット(図14の右下の丸印)と、第2ノズル列411Bのノズルにより形成されたドット(図14の右下の△印)がある。また、第2実施形態では、いずれの印刷モードによって形成されたいずれのラスタラインにも、第1ノズル列411A〜第4ノズル列411Dの各ノズル列のノズルにより形成されたドット(図18の右下の丸印、三角印、ダイヤ印(◇)、四角印(□))がある。言い換えると、本実施形態において、各ノズル列のドットにより形成されたドットが各ラスタラインにあるのは、各ラスタラインを形成可能なノズルが各ヘッドに少なくとも1つは存在するように構成しているためである。
したがって、各ノズル列のドットにより形成されたドットが各ラスタラインにあるように構成するようにすれば、2つのノズル列の間隔を変更し易くなる。
(2)前述の実施形態では、あるノズル列(例えば第1ノズル列411A)のノズル♯180(搬送方向上流側のノズルに相当)と、別のノズル列(例えば第2ノズル列411B)のノズル♯1(搬送方向下流側のノズルに相当)との搬送方向に関する間隔(図9のLを参照、若しくは、図16のL12、L23又はL34を参照)が、複数の印刷モードにおける搬送方向のドットピッチDの最小公倍数の整数倍である。例えば、図15Aの印刷モード1〜印刷モード3だけを行うならば、間隔Lは1/720インチの整数倍になるが、更に図15Bの印刷モード4を行うならば、間隔Lは1/180インチの整数倍になる。
これにより、いずれの印刷モードにおいても、各ラスタラインを形成可能なノズルが各ヘッドに少なくとも1つは存在するようになる。つまり、これにより、いずれの印刷モードによって形成されたラスタラインにも、各ノズル列のノズルによってドットを形成することが可能になる。
(3)前述の実施形態では、ベルト35から動力が伝達されることによって、キャリッジ31が移動する(図1及び図2参照)。ベルト35のある場所ではノズル列を紙に対向させることができないため、また、ベルト35がキャリッジ31の中央部に設けられているため、第1ヘッド41A及び第2ヘッド41Bと、第3ヘッド41C及び第4ヘッド41Dとの間が離れて構成される(図16参照)。この結果、例えば第1ヘッド41Aの第1ノズル列411Aと第2ヘッド41Bの第2ノズル列411B(ベルトよりも搬送方向下流側にある2つのノズル列に相当)との間隔L12は、第3ヘッド41Cの第3ノズル列411C(ベルトよりも搬送方向上流側のノズル列に相当)と第2ヘッド41Bの第2ノズル列411B(ベルトよりも搬送方向下流側のノズル列に相当)との間隔L23よりも、短くなる。
本実施形態では、2つのノズル列の間隔の設計上の自由度が高いため、このような構成であっても、複数の印刷モードを実行可能な複数のヘッドを構成することができる。
(4)前述の実施形態では、いずれの印刷モードにおいても、オーバーラップ数M(所定数に相当)が、ヘッドの数(つまり同じ色のノズル列の数)の整数倍である(図15A及び図19A参照)。これにより、前述の条件2(M’ が整数であること(つまりオーバーラップ数Mをノズル列数で割った値が整数であること)を満たすことができ、各ラスタラインを形成可能なノズルが各ヘッドに少なくとも1つは存在するようになる。
(5)前述の実施形態では、各ノズル列は、全ての画素のうちのノズル列数分の一の画素に、ドットを形成する。例えば、ノズル列数が2である第1実施形態の場合、各ノズル列は、印刷画像を構成する全ての画素のうちの半分の画素に、ドットを形成する。また、ノズル列数が4である第2実施形態の場合、各ノズル列は、印刷画像を構成する全ての画素のうちの1/4の画素に、ドットを形成する。
これにより、特定のノズル列の影響が印刷画像に強く反映されないようにできる。
(6)前述の実施形態では、各ノズル列において吐出許可ノズルの数N’が同じになっている。これにより、前述の条件1を満たすことができ、各ラスタラインを形成可能なノズルが各ヘッドに少なくとも1つは存在するようになる。
(7)なお、前述の条件1〜条件5を満たすことにより、各ラスタラインを形成可能なノズルが各ヘッドに少なくとも1つは存在するようになり、各ノズル列のドットにより形成されたドットが各ラスタラインにあるようにできる。
(8)前述の実施形態では、複数のヘッドがキャリッジに設けられており、各ヘッドは色毎にノズル列を有している。そして、複数のヘッドが所定方向に関して異なる位置に設けられることによって、同じ色の複数のノズルが、搬送方向に関して異なる位置に設けられる。このように、同じ構成のヘッドを複数用いることにより、簡単にノズル数を増やすことができる。
(9)前述の実施形態の構成要素を全て備えれば、全ての効果を奏することができる。但し、設計の自由度を高める効果を得るだけであれば、前述の実施形態の構成要素を全て必要とするわけではない。
インクジェットプリンタの概要を示すための第1の斜視図である。 インクジェットプリンタの概要を示すための第2の斜視図である。 印刷システムの構成を説明するためのブロック図である。 各ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 図5A及び図5Bは、インターレース印刷の説明図である(参考例)。 図6A及び図6Bは、オーバーラップ印刷の説明図である(参考例)。 オーバーラップ数Mが4の場合のオーバーラップ印刷の説明図である(参考例)。 図8Aは、比較例の複数ノズル列の構成の説明図である。図8Bは、比較例の複数ノズル列の間隔の説明図である。図8Cは、比較例の複数ノズル列によるオーバーラップ印刷の説明図である。 第1実施形態における2個のヘッドの配置についての説明図である。 図10A及び図10Bは、第1実施形態においてM=2の場合の各ヘッドのドット形成の様子の説明図である。 第1実施形態においてM=2の場合のドット形成の様子の説明図である。 図12A〜図12Cは、2つのノズル列の間隔を変更した場合のドット形成の様子の説明図である。 図13A及び図13Bは、第1実施形態においてM=4の場合の各ヘッドのドット形成の様子の説明図である。 第1実施形態においてM=4の場合のドット形成の様子の説明図である。 図15Aは、第1実施形態の3つの印刷モードを説明するための表である。図15Bは、第1実施形態の4つの印刷モードを説明するための表である。 第2実施形態における4個のヘッドの配置についての説明図である。 図17A及び図17Bは、第2実施形態においてM=4の場合の各ヘッドのドット形成の様子の説明図である。 第2実施形態においてM=4の場合のドット形成の様子の説明図である。 図19Aは、第2実施形態の3つの印刷モードを説明するための表である。図19Bは、第2実施形態の4つの印刷モードを説明するための表である。
符号の説明
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 搬送モータ、22 搬送ローラ、23 従動ローラ、
24 プラテン、25 ロール紙保持部、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
33 第1プーリ、34 第2プーリ、35 ベルト、
36A 上ガイド、36B 下ガイド、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、41A 第1ヘッド、41B 第2ヘッド、
41C 第3ヘッド、41D 第4ヘッド、
411 ノズル列、411A 第1ノズル列、411B 第2ノズル列、
411C 第3ノズル列、411D 第4ノズル列、
412 ピエゾ素子群、413 ヘッド制御部、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
60 コントローラ、61 CPU、62 メモリ、
100 印刷システム、110 コンピュータ、120 表示装置

Claims (10)

  1. 所定方向に並ぶ複数のノズルからなるノズル列を複数備え、複数の前記ノズル列が前記所定方向に関して異なる位置に設けられ、移動方向に移動可能なキャリッジと、
    媒体を前記所定方向に沿って搬送する搬送機構と、
    前記キャリッジの移動中に前記ノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿うドット列を前記媒体に形成するドット形成動作と、前記媒体を前記所定方向に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返させ、複数の前記ドット列を前記所定方向に並べて前記印刷画像を構成するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、複数の印刷モードにて前記ドット形成動作及び前記搬送動作を行わせることが可能であり、
    全ての画素に形成されたドットによって前記印刷画像が構成される場合、
    各印刷モードが行われる際に、その印刷モードに従った所定数のノズルによって各前記ドット列が形成され、その印刷モードに従った所定間隔で各前記ドット列が前記所定方向に並び、
    いずれの前記印刷モードによって形成されたドット列にも、各ノズル列の前記ノズルにより形成されたドットがある
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    あるノズル列の前記搬送方向上流側のノズルと、別のノズル列の搬送方向下流側のノズルとの前記搬送方向に関する間隔が、前記複数の印刷モードにおける前記搬送方向の各ドットピッチの最小公倍数の整数倍である
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記キャリッジを前記移動方向に移動させるためのベルトを更に備え、
    前記ベルトよりも前記搬送方向上流側又は下流側の一方にある2つのノズル列の間隔は、前記ベルトよりも前記搬送方向上流側の前記ノズル列と前記ベルトよりも前記搬送方向下流側の前記ノズル列との間隔よりも、短い
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    いずれの前記印刷モードにおいても、前記所定数は、前記ノズル列の数の整数倍である
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    全ての画素に形成されたドットによって前記印刷画像が構成される場合、各ノズル列は、前記全ての画素のうちのノズル列の数分の一の画素に、前記ドットを形成する
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    各ノズル列において前記インクの吐出を許可されている吐出許可ノズルの数が同じである
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記所定数を前記ノズル列の数で割った値をM’とし、各ノズル列の前記吐出許可ノズルの数をN’とし、搬送方向のドットピッチをDとし、各ノズル列のノズルピッチがk×Dであるとき、
    M’が整数であり、
    N’/M’が整数であり、
    N’/M’とkが互いに素の関係であり、
    搬送量が(N’/M’)×Dである
    ことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記キャリッジには、複数のヘッドが設けられており、
    各前記ヘッドは、色毎にノズル列を有しており、
    複数の前記ヘッドが前記所定方向に関して異なる位置に設けられることによって、同じ色の複数の前記ノズルが、前記所定方向に関して異なる位置に設けられる
    ことを特徴とする印刷装置。
  9. 所定方向に並ぶ複数のノズルからなるノズル列を複数備え、複数の前記ノズル列が前記所定方向に関して異なる位置に設けられ、移動方向に移動可能なキャリッジと、
    媒体を前記所定方向に沿って搬送する搬送機構と、
    前記キャリッジの移動中に前記ノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿うドット列を前記媒体に形成するドット形成動作と、前記媒体を前記所定方向に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返させ、複数の前記ドット列を前記所定方向に並べて前記印刷画像を構成するコントローラと、
    を備え、
    (1)前記コントローラは、複数の印刷モードにて前記ドット形成動作及び前記搬送動作を行わせることが可能であり、
    全ての画素に形成されたドットによって前記印刷画像が構成される場合、
    各印刷モードが行われる際に、その印刷モードに従った所定数のノズルによって各前記ドット列が形成され、その印刷モードに従った所定間隔で各前記ドット列が前記所定方向に並び、
    いずれの前記印刷モードによって形成されたドット列にも、各ノズル列の前記ノズルにより形成されたドットがあり、
    (2)あるノズル列の前記搬送方向上流側のノズルと、別のノズル列の搬送方向下流側のノズルとの前記搬送方向に関する間隔が、前記複数の印刷モードにおける前記搬送方向の各ドットピッチの最小公倍数の整数倍であり、
    (3)前記キャリッジを前記移動方向に移動させるためのベルトを更に備え、
    前記ベルトよりも前記搬送方向上流側又は下流側の一方にある2つのノズル列の間隔は、前記ベルトよりも前記搬送方向上流側の前記ノズル列と前記ベルトよりも前記搬送方向下流側の前記ノズル列との間隔よりも、短く、
    (4)いずれの前記印刷モードにおいても、前記所定数は、前記ノズル列の数の整数倍であり、
    (5)全ての画素に形成されたドットによって前記印刷画像が構成される場合、各ノズル列は、前記全ての画素のうちのノズル列の数分の一の画素に、前記ドットを形成し、
    (6)各ノズル列において前記インクの吐出を許可されている吐出許可ノズルの数が同じであり、
    (7)前記所定数を前記ノズル列の数で割った値をM’とし、各ノズル列の前記吐出許可ノズルの数をN’とし、搬送方向のドットピッチをDとし、各ノズル列のノズルピッチがk×Dであるとき、
    M’が整数であり、
    N’/M’が整数であり、
    N’/M’とkが互いに素の関係であり、
    搬送量が(N’/M’)×Dである
    (8)前記キャリッジには、複数のヘッドが設けられており、
    各前記ヘッドは、色毎にノズル列を有しており、
    複数の前記ヘッドが前記所定方向に関して異なる位置に設けられることによって、同じ色の複数の前記ノズルが、前記所定方向に関して異なる位置に設けられる
    (9)ことを特徴とする印刷装置。
  10. 所定方向に関して異なる位置に設けられた複数のノズル列を用意し、
    複数の前記ノズル列が移動方向に移動中に各ノズル列の前記所定方向に並ぶ複数のノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿うドット列を媒体に形成するドット形成動作と、前記媒体を前記所定方向に沿って搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、複数の前記ドット列を前記所定方向に並べて前記印刷画像を構成する
    印刷方法であって、
    ある印刷モードにて、全ての画素にドットを形成する場合、
    前記ある印刷モードに従った所定数のノズルによって各前記ドット列を形成するとともに、各ノズル列の前記ノズルにより形成されたドットがあるように各前記ドット列を形成して、前記ある印刷モードに従った所定間隔で各前記ドット列を前記所定方向に並べ、
    別の印刷モードにて、全ての画素にドットを形成する場合、
    前記別の印刷モードに従った所定数のノズルによって各前記ドット列を形成するとともに、各ノズル列の前記ノズルにより形成されたドットがあるように各前記ドット列を形成して、前記別の印刷モードに従った所定間隔で各前記ドット列を前記所定方向に並べる
    ことを特徴とする印刷方法。

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