JP2007259454A - 無線通信システムにおいてパケット再送を処理する方法及び装置 - Google Patents

Abstract

【課題】無線通信システムにおいてパケット再送を処理する方法及び装置を提供する。
【解決手段】方法は、ＨＡＲＱプロセスを起動し、シーケンス番号が第一値であるパケットの送信回数が所定最大送信回数に達し、かつ該パケットに対応する確認信号が届いていない場合に、該パケットのシーケンス番号を第二値にし、新たなパケットに標示を変えて再送するステップからなる。
【選択図】図３

Description

この発明は無線通信システムにおいてパケット再送を処理する方法及び装置に関し、特にＨＡＲＱ（ハイブリッド自動リピート要求）プロセスの伝送効率とデータのスループットを向上させる方法及び装置に関する。

第三世代移動通信技術はＷＣＤＭＡ（広帯域符号分割多元接続）を利用し、高いスペクトル利用効率、カバー率、通話品質及び高速伝送を実現させるとともに、ＱｏＳ（サービス品質）の確保、柔軟性のある双方向通信の実現、通話中断率の低減を可能にする。第三世代移動通信システムにおいて、ユーザーはＵＥ（ユーザー装置、例えば携帯電話）を通して映像通話、電話会議、ゲーム、オンライン音楽再生、及び電子メールを楽しむことができる。もっとも、高速かつ実時間の情報伝送に頼るこれらの機能を実現させるため、従来は第三世代移動通信テクノロジーに関してＨＳＰＤＡ（高速ダウンリンクパケットアクセス）とＨＳＵＰＡ（高速アップリンクパケットアクセス）規格を定めている。両規格は、帯域の使用率とパケットの処理効率を向上させ、アップリングとダウンリンクの伝送速度を向上させる効果がある。

ＨＳＤＰＡとＨＳＵＰＡはＨＡＲＱ（ハイブリッド自動リピート要求）技術を利用して再送の速度を速め、送信遅延を改善する。ＨＡＲＱ技術はＦＥＣ（フィードフォワード誤り訂正）とＡＲＱ（自動リピート要求）を結合した技術であり、受信端から返送される確認信号（ACK/NACK）に基づいて再送の要否を決め、後続の復号化に役立つ情報を前回送信が失敗したデータから取り出して保存する。ＨＡＲＱ技術は再送と初回送信において同じ送信ブロックセットを利用するため、両者はデータビット数が同じで、変調方法、チャンネルコードセット、発信電力が異なりうる。再送要求の回数を最低限に抑えるため、従来のＨＡＲＱは、ソフト合成法に属するＣＣ（チェイス合成）法とＩＲ（増加的冗長性）法のいずれかでメッセージ復号の正確性を確保する。ＣＣ法は誤りが検出されたパケットと同じパケットを送信し、デコーダーが復号前に受信したパケットをすべて結合する方法である。ＩＲ法は冗長ビットを少しずつ送信して元データと結合させ、データ量を増やし誤りの回復を容易にする方法である。

送信端はＨＡＲＱ技術を利用し、受信端から返送された確認信号に基づいて送信失敗したデータをすばやく処理する。受信端が送信端の送信圏外に移動する場合を除き、再送の回数が十分であれば、受信端は送信端からパケットを漏れなく受信できる。しかし、再送回数を抑え、無線資源を節約するため、従来の技術はパケット最大再送回数を定めることが一般である。例えば、3GPP TS 25.321 V6.7.0規格によれば、ＨＡＲＱプロフィールは、同一パケットの最大再送回数を定める最大送信回数情報を含み、送信回数が最大送信回数を超えてもパケットが受信端に届いていない場合、送信端は当該パケットを削除してレジスターを空きにする（flush）。そうすると、当該パケットは上位層プロトコルまたは他のＡＲＱ法（ＨＡＲＱと異なる方法）で再送しなければならず、再送の時間が増え、伝送効率が低下することが免れない。

この発明は前述の問題を改善するため、無線通信システムにおいてパケット再送を処理する方法及び装置を提供することを課題とする。

この発明は、無線通信システムのユーザー端においてパケット再送を処理する方法を提供する。該方法は、ＨＡＲＱ（ハイブリッド自動リピート要求）プロセスを起動し、シーケンス番号が第一値であるパケットの送信回数が所定最大送信回数に達し、かつ該パケットに対応する確認信号が届いていない場合に、該パケットのシーケンス番号を第二値にし、新たなパケットに標示を変えて再送するステップからなる。

この発明は更に、パケット再送を処理するときに送信遅延を抑える、無線通信システムに用いられる通信装置を提供する。該通信装置は、通信装置の機能を実現させる制御回路と、制御回路の中に設けられ、プログラムコードを実行して制御回路を制御する中央処理装置（ＣＰＵ）と、制御回路の中でＣＰＵと結合されるように設けられ、プログラムコードを保存するための保存装置とを含む。そのうちプログラムコードは、ＨＡＲＱプロセスを起動し、シーケンス番号が第一値であるパケットの送信回数が所定最大送信回数に達し、かつ該パケットに対応する確認信号が届いていない場合に、該パケットのシーケンス番号を第二値にし、新たなパケットに標示を変えて再送するステップを含む。

本発明はＨＡＲＱプロセスにおいて、最大送信回数に達したが受信端に届いていないパケットを、新たなパケットに標示を変えてから受信端に送信する。受信端はレジスターを空きにし、該パケット以外のデータを保存しない。本発明は他のプロトコル層やＡＲＱ法を利用しなくても紛失したパケットを再送できるため、送信遅延を抑え、ＨＡＲＱプロセスの送信効率とデータスループットを向上させる効果がある。

かかる方法及び装置の特徴を詳述するために、具体的な実施例を挙げ、図示を参照して以下に説明する。

図１を参照する。図１は無線通信システムの無線通信装置１００のブロック図である。説明を簡素化するため、図１は無線通信装置１００の入力装置１０２、出力装置１０４、制御回路１０６、ＣＰＵ（中央処理装置）１０８、保存装置１１０、プログラムコード１１２及びトランシーバー１１４のみ描くとする。無線通信装置１００において、制御回路１０６はＣＰＵ１０８で保存装置１１０に保存されるプログラムコード１１２を実行し、無線通信装置１００の動作を制御する。制御回路１０６は入力装置１０２（例えばキーボード）を介してユーザーが入力した信号を受信し、出力装置１０４（スクリーン、スピーカーなど）を介して映像、音声などの信号を出力する。無線信号を受発信するトランシーバー１１４は受信した信号を制御回路１０６に送信し、または制御回路１０６による信号を無線で出力する。言い換えれば、通信プロトコルの構造から見れば、トランシーバー１１４は第一層の一部とみなされ、制御回路１０６は第二層と第三層の機能を実現させる。

図２を参照する。図２は図１に示すプログラムコード１１２を表す説明図である。アプリケーション層２００と、第三層インターフェイス２０２と、第二層インターフェイス２０６からなるプログラムコード１１２は、第一層インターフェイス２１８と接続されている。第二層インターフェイス２０６はＲＬＣ（無線リンク制御）エンティティー２２４とＭＡＣ（媒体アクセス制御）エンティティー２２６を含む。ＲＬＣエンティティー２２４は伝送品質によって伝送データや制御指令に対して、分割、再組み立て、連結、パディング、再送、暗号化、シーケンスチェック、重複検出など処理を行う。ＭＡＣエンティティー２２６は第三層インターフェイス（ＲＲＣ層、無線資源制御層）２０２の無線資源配分指令に従って、ＲＬＣエンティティー２２４から別々の論理チャンネルに属するパケットを一般、共通または専用チャンネルに対応させ、チャンネルマッピング、マルチプレクシング、伝送形式選択、ランダムアクセス制御などのプロセスを実行する。

ＨＳＤＰＡまたはＨＳＵＰＡ規格準拠のシステムでは、ＭＡＣエンティティー２２６はＨＡＲＱプロセスを実行し、受信端から返送された確認信号に基づいて送信失敗したデータを速やかに再送する。それに鑑みて本発明は、ＨＡＲＱプロセスでパケットを適時に再送し、送信遅延を改善するパケット再送処理プログラムコード２２０を提供する。図３を参照する。図３は本発明による方法３０のフローチャートである。下記方法は無線通信システムの送信端におけるパケット再送処理に利用され、パケット再送処理プログラムコード２２０としてコンパイルされることができる。

ステップ３００：開始。
ステップ３０２：ＨＡＲＱプロセスを実行する。
ステップ３０４：シーケンス番号が第一値であるパケットの送信回数が所定最大送信回数に達し、かつ該パケットに対応する確認信号が届いていない場合に、該パケットのシーケンス番号を第二値にし、新たなパケットに標示を変えてから再送する。
ステップ３０６：終了。

上記のとおり、ＨＡＲＱプロセスにおいて、パケット送信回数が最大送信回数に達するが、対応する確認信号を受けていないとき、送信端は新たなパケットに標示を変えてパケットを再送する。再送されたパケットを受けると、受信端はレジスターを空きにする。言い換えれば、該パケットを上位層プロトコルや他のＡＲＱ法で再送する必要がなく、送信遅延を改善し、送信効率を向上させる効果がある。望ましくは、送信端はカウンターでパケットの送信回数を集計し、新たなパケットに標示が変わるときにカウンターをリセットする。再送パケットのシーケンス番号（第二値）は元パケットのシーケンス番号（第一値）と同じにするか、または他の値にすることができる。

したがって、ＨＡＲＱプロセスにおいて、パケット送信回数を集計するカウンターの値が、ＨＡＲＱプロフィールに記録される最大送信回数に達したが、対応する確認信号を受けていないとすれば、送信端は該パケットのシーケンス番号を本来のままにするかまたは別の値にし、新たなパケットに標示を変えてから受信端に再送する。新たなパケットと標示が変わったパケットを受けると、受信端はレジスターを空きにし、レジスターが該パケット以外のデータを保存しないようにする。本発明は他のプロトコル層やＡＲＱ法を利用せずとも、最大送信回数に達したが届いていないパケットを再送することができるため、ＨＡＲＱプロセスの送信効率とデータスループットを向上させる効果がある。

以上はこの発明に好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に属するものとする。

この発明は従来の動作条件を変えたのみであり、当然実施可能である。

無線通信システムの無線通信装置のブロック図である。 図１に示すプログラムコードを表す説明図である。 この発明による方法のフローチャートである。

符号の説明

１００ 無線通信装置
１０２ 入力装置
１０４ 出力装置
１０６ 制御回路
１０８ ＣＰＵ
１１０ 保存装置
１１２ プログラムコード
１１４ トランシーバー
２００ アプリケーション層
２０２ 第三層インターフェイス
２０６ 第二層インターフェイス
２１２ バッファー
２１８ 第一層インターフェイス
２２０ パケット再送処理プログラムコード
２２４ ＲＬＣエンティティー
２２６ ＭＡＣエンティティー

Claims (14)

1. 無線通信システムのユーザー端においてパケット再送を処理する方法であって、
   ＨＡＲＱ（ハイブリッド自動リピート要求）プロセスを起動し、
   シーケンス番号が第一値であるパケットの送信回数が所定最大送信回数に達し、かつ該パケットに対応する確認信号が届いていない場合に、該パケットのシーケンス番号を第二値にし、新たなパケットに標示を変えて再送するステップからなることを特徴とするパケット再送処理方法。
2. 前記方法は更に、カウンターでパケットの送信回数を集計することを特徴とする請求項１記載のパケット再送処理方法。
3. 前記方法は更に、パケットの送信回数が所定最大送信回数に達し、かつパケットに対応する確認信号が届いていないときに、カウンターをリセットすることを特徴とする請求項２記載のパケット再送処理方法。
4. 前記所定最大送信回数はＨＡＲＱプロフィールの中に記録されることを特徴とする請求項１記載のパケット再送処理方法。
5. 前記第二値と第一値が同じであることを特徴とする請求項１記載のパケット再送処理方法。
6. 前記第二値と第一値が相違することを特徴とする請求項１記載のパケット再送処理方法。
7. 前記無線通信システムは、第三世代移動通信システムに付加されるＨＳＵＰＡ（高速アップリンクパケットアクセス）システムであることを特徴とする請求項１記載のパケット再送処理方法。
8. パケット再送を処理するときに送信遅延を抑える、無線通信システムに用いられる通信装置であって、
   通信装置の機能を実現させる制御回路と、
   制御回路の中に設けられ、プログラムコードを実行して制御回路を制御する中央処理装置（ＣＰＵ）と、
   制御回路の中でＣＰＵと結合されるように設けられ、プログラムコードを保存するための保存装置とを含み、そのうちプログラムコードは、
   ＨＡＲＱプロセスを起動し、
   シーケンス番号が第一値であるパケットの送信回数が所定最大送信回数に達し、かつ該パケットに対応する確認信号が届いていない場合に、該パケットのシーケンス番号を第二値にし、新たなパケットに標示を変えて再送するステップを含むことを内容とすることを特徴とする通信装置。
9. 前記プログラムコードは更に、カウンターでパケットの送信回数を集計するステップを含むことを特徴とする請求項８記載の通信装置。
10. 前記プログラムコードは更に、パケットの送信回数が所定最大送信回数に達し、かつパケットに対応する確認信号が届いていないときに、カウンターをリセットするステップを含むことを特徴とする請求項９記載の通信装置。
11. 前記所定最大送信回数はＨＡＲＱプロフィールの中に記録されることを特徴とする請求項８記載の通信装置。
12. 前記第二値と第一値が同じであることを特徴とする請求項８記載の通信装置。
13. 前記第二値と第一値が相違することを特徴とする請求項８記載の通信装置。
14. 前記無線通信システムは、第三世代移動通信システムに付加されるＨＳＵＰＡシステムであることを特徴とする請求項８記載の通信装置。

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