JP2007258467A - 吸着装置、研磨装置、半導体デバイス製造方法およびこの方法により製造される半導体デバイス - Google Patents

吸着装置、研磨装置、半導体デバイス製造方法およびこの方法により製造される半導体デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】研磨による加工精度を向上させることができる吸着装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る吸着装置50は、真空源を用いて半導体ウェハを真空吸着することにより半導体ウェハを保持するように構成された吸着装置であって、半導体ウェハが吸着保持される円盤状の吸着基材51と、吸着基材51の表面側に設けられて表面に半導体ウェハの被吸着面と接触する吸着面67が形成される樹脂製のコーティング層65とを備えて構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体ウェハを真空吸着により保持する吸着装置、および、この吸着装置を用いた研磨装置に関する。さらに、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法および半導体デバイスに関する。
半導体ウェハを真空吸着により保持する吸着装置として、吸着面側にピン状または凸条をなす複数の剛性の凸部がその先端面が同一高さとなるように形成された吸着装置が従来から知られている(例えば、特許文献1を参照)。この吸着装置では、各凸部の先端面はウェハと接触した状態で凸部間の凹部が負圧に引かれ、ウェハが各凸部の先端面に倣って平坦に保持される。このように、各凸部の先端面がウェハと接触して保持する吸着面となっている。
ウェハと吸着装置の吸着面との間に異物が介在すると、その箇所付近においてウェハが変形して***してしまい、種々の不都合が生じる。例えば、ウェハを平坦化研磨する場合、異物により***した箇所付近が過剰に研磨されてしまい、致命的な欠陥となる。通常はウェハや吸着装置の吸着面は洗浄されるが、前記異物を完全に除去することは不可能である。これに対し、上述のような吸着装置によれば、ウェハと吸着面との接触面積が凸部の先端面の面積に限定されるため、ウェハと吸着面との間にゴミや研磨剤などの異物が介在する確率を大幅に低減させることができる。
ところが、上述のような従来の吸着装置においても、ウェハと吸着面との接触面積が小さいとはいえ、その間に異物が介在する可能性を完全に無くすことは不可能である。前記従来の吸着装置において、ウェハと凸部の先端面との間に異物が介在すると、種々の不都合が生じることになる。
そこで、凸部の先端面に樹脂製のコーティング層を設けた吸着装置が考案されている。これにより、ウェハと吸着面との間に入り込んだ異物が弾性を有するコーティング層に埋没するため、ウェハの下面が平坦に保たれ、ウェハと吸着面との間に介在する異物による影響を低減させることができる。
特開平10−50810号公報
しかしながら、凸部の先端面にコーティング層を設けることにより、異物による影響を低減させることはできたが、研磨による加工精度を向上させるために、吸着面側の形状を最適化する必要が生じた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、研磨による加工精度を向上させることができる吸着装置、および、この吸着装置を用いた研磨装置を提供することを目的とする。また、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法および半導体デバイスを提供することを目的とする。
このような目的達成のため、第1の本発明に係る吸着装置は、真空源を用いて半導体ウェハを真空吸着することにより直径が約300mmの半導体ウェハを保持するように構成された吸着装置において、半導体ウェハが吸着保持される円盤状の吸着基材と、吸着基材の表面側に設けられて表面に半導体ウェハの被吸着面と接触する吸着面が形成される樹脂製のコーティング層とを備え、吸着基材が、吸着基材の表面側に表面側から見て円環状に形成された第1凸部と、吸着基材の表面側における第1凸部の内周側に円柱状に形成された複数の第2凸部と、複数の第2凸部の間に形成される凹部に開口して吸着基材内に設けられ真空源と繋がる複数の吸着穴とを有し、第1凸部および複数の第2凸部における先端面の高さがそれぞれ互いに同じ高さとなるように構成され、第1凸部および複数の第2凸部における先端面に設けられたコーティング層の表面に吸着面が形成され、この吸着面に半導体ウェハの被吸着面を接触させて吸着穴に負圧を作用させることで、被吸着面が吸着面に真空吸着されるように構成される。
そして、複数の第2凸部は、0.5〜0.8mmの直径を有して、0.8〜1.2mmのピッチで縦横に並ぶように設けられ、複数の吸着穴は、0.5〜0.8mmの直径を有して、吸着基材の中心軸を中心とした半径約41mmの円上において等間隔に3箇所、吸着基材の中心軸を中心とした半径約90mmの円上において等間隔に3箇所、吸着基材の中心軸を中心とした半径約127.5mmの円上において等間隔に6箇所設けられ、吸着基材の表面側において第1凸部より外周側に位置する第1凸部より高さの低い円環状領域の幅が3.5〜5mmとなるように構成されている。
また、第2の本発明に係る吸着装置は、第1の本発明に係る吸着装置と同様の構成であって、直径が約200mmの半導体ウェハを保持するように構成された吸着装置において、複数の第2凸部は、0.5〜0.8mmの直径を有して、0.8〜1.2mmのピッチで縦横に並ぶように設けられ、複数の吸着穴は、0.5〜0.8mmの直径を有して、吸着基材の中心軸を中心とした半径約41mmの円上において等間隔に6箇所、吸着基材の中心軸を中心とした半径約77.5mmの円上において等間隔に6箇所設けられ、吸着基材の表面側において第1凸部より外周側に位置する第1凸部より高さの低い円環状領域の幅が3〜4.5mmとなるように構成されている。
さらに、本発明に係る研磨装置は、半導体ウェハを真空吸着により保持可能な吸着装置と、半導体ウェハを研磨可能な研磨部材とを備え、研磨部材を半導体ウェハの表面に当接させながら相対移動させて半導体ウェハの表面を研磨するように構成された研磨装置において、吸着装置が本発明に係る吸着装置であることを特徴とする。
また、本発明に係る半導体デバイス製造方法は、本発明に係る研磨装置を用いて半導体ウェハの表面を平坦化する工程を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る半導体デバイスは、本発明に係る半導体デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、研磨による加工精度を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る吸着装置(ウェハ吸着装置50)を備えた研磨装置の代表例であるCMP装置(化学的機械的研磨装置)を図1に示している。第1実施形態のCMP装置1は、被研磨物たる半導体ウェハ30をその上面側に着脱自在に吸着保持可能なウェハ吸着装置50と、このウェハ吸着装置50の上方位置に設けられ、ウェハ吸着装置50上に保持されたウェハ30の被研磨面31と対向する研磨パッド42が取り付けられた研磨部材41を保持してなる研磨ヘッド40とを備えて構成されている。
このCMP装置1では、研磨パッド42の寸法(直径)はウェハ30の寸法(直径)よりも小さく(すなわち研磨パッド42はウェハ30よりも小径であり)、研磨パッド42をウェハ30に接触させた状態で双方を相対移動させることにより、ウェハ30の被研磨面31(上面)全体を研磨できるようになっている。また、このCMP装置1で研磨されるウェハ30は、直径が300mm(12インチ)の半導体ウェハである。
これらウェハ吸着装置50と研磨ヘッド40とを支持する支持フレーム20は、水平な基台21と、この基台21上にY方向(紙面に垂直な方向でこれを前後方向とする)に延びて設けられたレール(図示せず)上をY方向に移動自在に設けられた第1ステージ22と、この第1ステージ22から垂直(Z方向)に延びるように設けられた垂直フレーム23と、この垂直フレーム23の上部に設けられた第2ステージ24と、この第2ステージ24上から水平(X方向)に延びるように設けられた水平フレーム25と、この水平フレーム25上をX方向(左右方向)に移動自在に設けられた第3ステージ26とを有して構成されている。
第1ステージ22内には第1電動モータM1が設けられており、これを回転駆動することにより第1ステージ22を上記レールに沿ってY方向に移動させることができる。また、第3ステージ26内には第2電動モータM2が設けられており、これを回転駆動することにより第3ステージ26を水平フレーム25に沿ってX方向に移動させることができる。このため、上記電動モータM1,M2の回転動作を組み合わせることにより、第3ステージ26をウェハ吸着装置50上方の任意の位置に移動させることが可能である。
ウェハ吸着装置50は基台21上に設けられたテーブル支持部27から上方に垂直に延びて設けられた回転軸28の上端部に水平に取り付けられている。この回転軸28はテーブル支持部27内に設けられた第3電動モータM3を回転駆動することにより回転されるようになっており、これによりウェハ吸着装置50をXY面(水平面)内で回転させることができる。
研磨ヘッド40は第3ステージ26から下方に垂直に延びて設けられたスピンドル29の下端部に取り付けられている。このスピンドル29は第3ステージ26内に設けられた第4電動モータM4を回転駆動することにより回転されるようになっており、これにより研磨ヘッド40全体を回転させて研磨パッド42をXY面(水平面)内で回転させることができる。
さて、図2および図3に示すように、ウェハ吸着装置50は、ウェハ30を真空吸着するための吸着基材51と、吸着基材51を保持して回転軸28に連結される回転保持部材70とを主体に構成される。吸着基材51は、ステンレスやセラミック等の高い剛性を有する材料を用いて直径約298mmの円盤状に形成され、ネジ等の固定手段により回転保持部材70の上面側(表面側)に取り付けられる。吸着基材51の上面側(表面側)には、図3に示すように、上面側(表面側)から見て円環状の第1凸部52が形成されており、ウェハ30の外周部近傍を支持するようになっている。また、図4に示すように、吸着基材51の上面側(表面側)における第1凸部52の内周側には、円柱状の第2凸部53が複数形成されており、ウェハ30の中央側を支持するようになっている。
図5に示すように、第1凸部52および第2凸部53の先端面(上面)の高さは、それぞれ互いに同じ高さとなるように構成され、これらの先端面は高い精度で同一平面内に位置するようになっている。なお、第1および第2凸部52,53の先端面の高さは、数百μm程度である。また、第1凸部52の外径は約290mmであり、第1凸部52の幅は約0.5mmである。また、第2凸部53の直径は約0.5mm(0.5〜0.8mmが好ましい)であり、図4に示すように、吸着基材51の上面側(表面側)における第1凸部52の内周側に、複数の第2凸部53が約0.8mm(0.8〜1.2mmが好ましい)のピッチP1で縦横に並ぶように設けられる。
図2に示すように、吸着基材51の内部中央には、吸着基材51の下面側(裏面側)で開口するように第1センタ穴58が形成されており、この第1センタ穴58の側部には、図3にも示すように、等間隔に(30度間隔で)並ぶ12本の放射通路59がそれぞれ吸着基材51の外周部へ向けて延びるように形成されている。さらに、放射通路59には、第1〜第3の吸着穴55〜57が放射通路59の途中から上方へ延びるように形成されて、吸着基材51の上面側(表面側)において複数の第2凸部53(および、第1凸部52と)の間に形成された凹部54で開口するようになっている(図6も参照)。
第1〜第3の吸着穴55〜57の直径は、約0.7mm(0.5〜0.8mmが好ましい)となっている。また、複数の吸着穴のうち、吸着基材51の最も内側に位置する第1吸着穴55は、図3に示すように、吸着基材51の中心軸O1を中心とした第1の円C1上において等間隔に(120度間隔で)3箇所設けられる。ここで、第1の円C1の半径R1は約41mmである。
第1吸着穴55より外側に位置する第2吸着穴56は、吸着基材51の中心軸O1を中心とした第2の円C2上において等間隔に(120度間隔で)3箇所設けられる。ここで、第2の円C2の半径R2は約90mmであり、3つの第2吸着穴56は、第1吸着穴55が形成される放射通路59(吸着基材51の中心線)に対して(中心軸O1を中心に)60度回転した放射通路59(吸着基材51の中心線)上にそれぞれ設けられる。
吸着基材51の最も外側に位置する第3吸着穴57は、吸着基材51の中心軸O1を中心とした第3の円C3上において等間隔に(60度間隔で)6箇所設けられる。ここで、第3の円C3の半径R3は約127.5mmであり、6つの第3吸着穴57は、第1吸着穴55および第2吸着穴56が形成される放射通路59(吸着基材51の中心線)に対して(中心軸O1を中心に)30度回転した放射通路59(吸着基材51の中心線)上にそれぞれ設けられる。
吸着基材51の上面側(表面側)における第1凸部52の外周側には、図3および図5に示すように、上面側(表面側)から見て円環状の第3凸部60が形成されており、第1凸部52との間に溝部61が形成されるようになっている。第3凸部60の先端面(上面)の高さは、第1凸部52の先端面(上面)よりも約1mmだけ低くなるように設定される。吸着基材51の外周部近傍には、水供給穴62が上下に貫通して形成されており、水供給穴62の上端部は溝部61で開口するとともに、下端部は回転保持部材70の水供給通路74と繋がるようになっている。そして、この水供給穴62から溝部61に水が供給されて、溝部61が水(ウォーターシール)で満たされるようになっている。
吸着基材51の上面側(表面側)には、図5および図7に示すように、ポリウレタン系樹脂や、アクリル系樹脂、フッ素系ゴム等といった樹脂製のコーティング層65が設けられ、第1および第2凸部52,53の先端面に設けられたコーティング層65の表面(上面)に、ウェハ30の下面である被吸着面32と接触可能な吸着面67が形成される。そして、この吸着面67にウェハ30の被吸着面32(下面)を接触させて各吸着穴55〜57に負圧を作用させることで、ウェハ30の被吸着面32が吸着基材51の吸着面67に真空吸着される。
なお、コーティング層65は、吸着基材51の表面側にプライマー(図示せず)をスプレーガン等で塗布(および乾燥)して下地層66を形成した後、この下地層66の上にポリウレタン系樹脂や、アクリル系樹脂、フッ素系ゴム等からなる塗布材をスプレーガン等で塗布(および乾燥)することで得られる。そして、第1および第2凸部52,53の先端面に設けられたコーティング層65の表面にラップ定盤および研磨液を用いた研磨加工を行うことで平坦化された吸着面67が形成される。
このように、吸着基材51の表面側にコーティング層65を設けることで、図7(b)に示すように、ウェハ30の被吸着面32とコーティング層65の表面に形成された吸着面67との間に異物Xが介在しても、コーティング層65が有する弾性によって異物Xがコーティング層65に埋没しようとするため、ウェハ30が異物Xによって変形することがなく、吸着状態におけるウェハ30の平坦度を高めることができる。また、研磨加工を行って吸着面67の平坦度を(例えば1μm程度に)高めておくことにより、ウェハ30のうねりを一層低減させることができ、吸着状態におけるウェハ30の平坦度をより高めることができる。
なお、下地層66は、吸着基材51に対するコーティング層65の塗着性を高めるために用いられるものであって、場合によっては必ずしも必要ではない。また、コーティング層65の表面(吸着面67)に対して前述のような研磨加工を必ずしも行う必要はない。
さらに、コーティング層65(および下地層66)の厚さは、数十μm程度(例えば、40〜90μm)と比較的薄くすることが好ましい。コーティング層65の厚さを数百μmと比較的厚くすると、コーティング層65の表面(すなわち、吸着面67)の各部位に加わる力が互いに異なるような場合、コーティング層65の弾性変形により当該各部位の厚さが比較的大きく異なることになり、これに起因してウェハ30が大きくうねってしまう。これに対し、コーティング層65の厚さを数十μmと比較的薄くしておけば、当該各部位の厚さが相対的に大きく異ならないので、ウェハ30のうねりを低減させることができる。
ところで、図5に示すように、吸着基材51の表面側(上面側)における第1凸部52よりも外周側の部分には、第3凸部60を含む第1凸部52よりも高さの低い円環状領域B1が設けられる。このように、第1凸部52よりも高さの低い円環状領域B1を設けて、ウェハ30の外周部を吸着保持しないようにすることで、ウェハ30が研磨荷重を受けてもウェハ30の外周部で逃げるため、ウェハ30の外周部が研磨されにくくなってウェハ30外周部の過剰研磨を防止することができる。なお、この円環状領域B1の幅は、約4mm(3.5〜5mmが好ましい)に設定される。
回転保持部材70は、図2および図3に示すように、ステンレスやセラミック等の高い剛性を有する材料を用いて円盤状に形成され、ネジ等の固定手段により回転軸28の上部に水平に取り付けられる。そのため、回転保持部材70の上面側(表面側)に取り付けられた吸着基材51は、回転保持部材70により水平面内で回転自在に保持されることとなる。
回転保持部材70の中央部には、第2センタ穴71が上下に貫通して形成されており、第2センタ穴71の上端部は吸着基材51の第1センタ穴58と繋がるとともに、下端部は図示しない管路を介してエアオペレートバルブ81(図8を参照)と繋がるようになっている。これにより、吸着基材51の各吸着穴55〜57は、放射通路59、第1および第2センタ穴58,71、並びに図示しない管路を介してエアオペレートバルブ81(図8を参照)に繋がる。
回転保持部材70の上面側(表面側)には、矩形の溝が渦巻状に延びるように形成され、吸着基材51の下面(裏面)との間に渦巻状に延びる冷却水路72が形成されるようになっている。この冷却水路72の内周部は図示しない管路を介して冷却水供給装置(図示せず)と繋がっており、外周部は回転保持部材70に形成された排水穴(図示せず)と繋がっている。なお、冷却水供給装置から供給された所定温度の水は、渦巻状の冷却水路72を内周側から外周側へ通過してウェハ吸着装置50(回転保持部材70)の温度を一定に保つようになっている。
また、回転保持部材70の外周部近傍には、水供給通路74が上下に貫通して形成されており、回転保持部材70の上端部は吸着基材51の水供給穴62と繋がるとともに、下端部は図示しない管路を介して開閉電磁弁85(図8を参照)と繋がるようになっている。これにより、吸着基材51の水供給穴62は、水供給通路74および図示しない管路を介して、開閉電磁弁85と繋がる。
前述したように、吸着基材51の各吸着穴55〜57は、放射通路59、第1および第2センタ穴58,71、並びに図示しない管路を介して、図8に示すように、エアオペレートバルブ81の一方のポートに繋がっている。一方、エアオペレートバルブ81の他方のポートには、真空源である真空ポンプ82と、真空破壊用の微圧エアにレギュレートしたエアを供給するコンプレッサ83と、純水を供給可能な純水供給部84とが接続されている。
そして、エアオペレートバルブ81は、図示しない制御部からの電磁弁作動信号を受けて、各吸着穴55〜57が真空ポンプ82に繋がる状態と、各吸着穴55〜57がコンプレッサ83に繋がる状態と、各吸着穴55〜57が純水供給部84に繋がる状態と、各吸着穴55〜57がどれとも繋がらない状態とに切り替える機能を有している。したがって、エアオペレートバルブ81の切替作動により各吸着穴55〜57が真空ポンプ82に繋がると、真空ポンプ82の作動により各吸着穴55〜57に負圧が生じる。また、各吸着穴55〜57がコンプレッサ83に繋がると、コンプレッサ83から各吸着穴55〜57に真空破壊用の高圧エアが供給される。さらに、各吸着穴55〜57が純水供給部84に繋がると、純水供給部84からの水(純水)が各吸着穴55〜57から吸着基材51の上面側に供給される。
また、吸着基材51の水供給穴62は、水供給通路74および図示しない管路を介して、開閉電磁弁85の一方のポートに繋がっている。一方、開閉電磁弁85の他方のポートには、純水供給部84が接続されている。そして、制御部(図示せず)からの電磁弁作動信号を受けて開閉電磁弁85が開放作動すると、水供給穴62と純水供給部84とが繋がるようになっている。したがって、開閉電磁弁85の開放作動により水供給穴62が純水供給部84に繋がると、純水供給部84からの水(純水)が水供給穴62から溝部61に供給される。
このような構成のCMP装置1を用いてウェハ30の研磨を行うには、まず、ウェハ吸着装置50の上面に研磨対象となるウェハ30を吸着取り付けする(このときウェハ30の中心はウェハ吸着装置50の回転中心に一致させる)。次に、電動モータM3により回転軸28を駆動してウェハ吸着装置50およびウェハ30を回転させる。続いて、電動モータM1,M2を駆動して第3移動ステージ26をウェハ30の上方に位置させ、電動モータM4によりスピンドル29を駆動して研磨ヘッド40を回転させる。次に、研磨ヘッド40を上下動させるエアシリンダー(図示せず)を用いて研磨ヘッド40を降下させ、研磨パッド42の下面(研磨面)をウェハ30の上面(被研磨面)に押し当てるようにする。
このとき、図示しないエア供給源から研磨ヘッド40内に所定のエアを供給して、研磨ヘッド40内のエア圧によりウェハ30と研磨パッド42との接触圧を所定の値に設定する。そして、電動モータM1,M2を駆動して研磨ヘッド40をXY方向(ウェハ30と研磨パッド42との接触面の面内方向)に揺動させる。このとき同時に、図示しない研磨剤供給装置より研磨剤を圧送し、研磨パッド42の下面側に研磨剤を供給させる。これにより、ウェハ30の被研磨面31は、研磨剤の供給を受けつつウェハ30自身の回転運動と研磨ヘッド40の(すなわち研磨パッド42の)回転及び揺動運動とにより研磨される。
ウェハ吸着装置50にウェハ30を吸着取り付けするには、まず、図5に示すように、吸着基材51の上面にウェハ30を置き、吸着基材51の吸着面67(上面)にウェハ30の被吸着面32(下面)を接触させる。このとき、前述したように、ウェハ30の中心はウェハ吸着装置50、すなわち吸着基材51の回転中心に一致させるようにする。そして、真空ポンプ92を利用して吸着基材51の各吸着穴55〜57に負圧を作用させ、ウェハ30の被吸着面32を吸着基材51の吸着面67に真空吸着させる。これにより、ウェハ30がウェハ吸着装置50に吸着保持される。
なお、ウェハ吸着装置50にウェハ30を吸着取り付けするときには、エアオペレートバルブ81の切替作動により各吸着穴55〜57を真空ポンプ82に繋げることで、真空ポンプ82の作動により各吸着穴55〜57に負圧が生じる。また、ウェハ吸着装置50からウェハ30を取り外すときには、エアオペレートバルブ81の切替作動により各吸着穴55〜57をコンプレッサ83に繋げることで、コンプレッサ83から各吸着穴55〜57に高圧エアが供給されて真空破壊が行われる。さらに、吸着基材51の吸着面67(上面)を洗浄するときには、エアオペレートバルブ81の切替作動により各吸着穴55〜57を純水供給部84に繋げることで、純水供給部84からの水(純水)が各吸着穴55〜57から吸着面67上に供給される。
本実施形態のウェハ吸着装置50では、前述したように、吸着基材51の表面側にコーティング層65を設けることで、ウェハ30の被吸着面32とコーティング層65の表面に形成された吸着面67との間に異物が介在しても、コーティング層65が有する弾性によって異物がコーティング層65に埋没しようとするため、ウェハ30が異物によって変形することがなく、吸着状態におけるウェハ30の平坦度を高めることができる。
また、本実施形態のウェハ吸着装置50では、第2凸部53の直径を約0.5mmとするとともに第2凸部53の並ぶピッチP1を約0.8mmとし、各吸着穴55〜57の直径を約0.7mmとするとともに各吸着穴55〜57を本実施形態で述べたような箇所に配置し、円環状領域B1の幅を約4mmとすることで、直径が300mm(12インチ)の半導体ウェハ30の研磨における加工精度を向上させることが可能になった。
なお、第2凸部53の直径が0.8mmより大きいと、第2凸部53とウェハ30の被吸着面32との接触面積が大きくなるため、第2凸部53上の異物の影響を受けやすくなる。一方、第2凸部53の直径が0.5mmより小さいと、第2凸部53とウェハ30の被吸着面32との接触面積が小さくなるため、一つの第2凸部53上がウェハ30の被吸着面32から受ける力が大きくなり、その結果、第2凸部53が異物のような役目を果たすため、第2凸部53上におけるウェハ30の被研磨面31の部分の研磨量が増えてしまう。よって、第2凸部53の直径は0.5〜0.8mmの範囲であることが好ましい。
また、第2凸部53が1.2mmより広いピッチで縦横に並ぶように設置されると、第2凸部53の数が少なくなるため、一つの第2凸部53がウェハ30の被吸着面32から受ける圧力が大きくなり、その結果、第2凸部53が異物のような役目を果たすため、第2凸部53上におけるウェハ30の被研磨面31の部分の研磨量が増えてしまう。一方、第2凸部53が0.8mmより狭いピッチで縦横に並ぶように設置されると、第2凸部53の数が多くなるため、第2凸部53とウェハ30の被吸着面32との接触面積が大きくなり、第2凸部53上の異物の影響を受けやすくなる。よって、第2凸部53は0.8〜1.2mmの範囲のピッチで縦横に並ぶように設置されることが好ましい。
なお、各吸着穴55〜57の直径が0.5mmより小さいと、ウェハ30を吸着する排気速度が遅くなり、ウェハ30が吸着面67から剥がれやすくなる。一方、各吸着穴55〜57の直径が0.8mmより大きいと、ウェハ30に局所的な凹みが発生し、その凹みの部分が研磨しにくくなる。よって、各吸着穴55〜57の直径は0.5〜0.8mmの範囲であることが好ましい。
また、第1吸着穴55が吸着基材51の中心軸O1を中心とした半径約41mmの円C1上において等間隔に3箇所、第2吸着穴56が吸着基材51の中心軸O1を中心とした半径約90mmの円C2上において等間隔に3箇所、第3吸着穴57が吸着基材51の中心軸O1を中心とした半径約127.5mmの円C3上において等間隔に6箇所設置される構成とすることで、ウェハ30吸着後の被研磨面31の表面形状を研磨に有利な形状とすることができる。
なお、円環状領域B1の幅を3.5〜5mmの範囲とすることで、ウェハ30の被研磨面31の外周部分が過剰に研磨されることを防止することができ、研磨の均一性を向上させることができる。
そして、以上のような構成のウェハ吸着装置50を備えたCMP装置1によれば、ウェハ30の加工精度および歩留まりを向上させることができる。
次に、CMP装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態のCMP装置101は、上述した第1実施形態のCMP装置1に対してウェハ吸着装置50の装置構成のみ異なり、他の装置構成は同様であるため同一部位に同一番号を付して重複説明を省略する。第2実施形態のCMP装置101は、図1に示すように、半導体ウェハ130をその上面側に着脱自在に吸着保持可能なウェハ吸着装置150と、第1実施形態のCMP装置1と同様にしてウェハ吸着装置150の上方位置に設けられた研磨ヘッド40とを備えて構成される。
第2実施形態のCMP装置101で研磨されるウェハ130は、直径が200mm(8インチ)の半導体ウェハである。そのため、第2実施形態のCMP装置101では、研磨パッド42の寸法(直径)は第2実施形態におけるウェハ130の寸法(直径)よりも小さく(すなわち、研磨パッド42がウェハ130よりも小径に)設定され、研磨パッド42をウェハ130に接触させた状態で双方を相対移動させることにより、ウェハ130の被研磨面131(上面)全体を研磨できるようになっている。
ウェハ吸着装置150は、図9および図10に示すように、ウェハ130を真空吸着するための吸着基材151と、吸着基材151を保持して回転軸28に連結される回転保持部材170とを主体に構成される。吸着基材151は、ステンレスやセラミック等の高い剛性を有する材料を用いて直径約198mmの円盤状に形成され、ネジ等の固定手段により回転保持部材170の上面側(表面側)に取り付けられる。吸着基材151の上面側(表面側)には、図10に示すように、上面側(表面側)から見て円環状の第1凸部152が形成されており、ウェハ130の外周部近傍を支持するようになっている。また、図11に示すように、吸着基材151の上面側(表面側)における第1凸部152の内周側には、円柱状の第2凸部153が複数形成されており、ウェハ130の中央側を支持するようになっている。
図12に示すように、第1凸部152および第2凸部153の先端面(上面)の高さは、それぞれ互いに同じ高さとなるように構成され、これらの先端面は高い精度で同一平面内に位置するようになっている。なお、第1および第2凸部152,153の先端面の高さは、数百μm程度である。また、第1凸部152の外径は約190mmであり、第1凸部152の幅は約0.5mmである。また、第2凸部153の直径は約0.5mm(0.5〜0.8mmが好ましい)であり、図11に示すように、吸着基材151の上面側(表面側)における第1凸部152の内周側に、複数の第2凸部153が約0.8mm(0.8〜1.2mmが好ましい)のピッチP2で縦横に並ぶように設けられる。
図9に示すように、吸着基材151の内部中央には、吸着基材151の下面側(裏面側)で開口するように第1センタ穴158が形成されており、この第1センタ穴158の側部には、図10にも示すように、等間隔に(30度間隔で)並ぶ12本の放射通路159がそれぞれ吸着基材151の外周部へ向けて延びるように形成されている。さらに、放射通路159には、第1および第2の吸着穴155,156が放射通路159の途中から上方へ延びるように形成されて、吸着基材151の上面側(表面側)において複数の第2凸部153(および、第1凸部152と)の間に形成された凹部154で開口するようになっている。
第1および第2の吸着穴155,156の直径は、約0.6mm(0.5〜0.8mmが好ましい)となっている。また、複数の吸着穴のうち、吸着基材151の最も内側に位置する第1吸着穴155は、図10に示すように、吸着基材151の中心軸O2を中心とした第1の円C4上において等間隔に(60度間隔で)6箇所設けられる。ここで、第1の円C4の半径R4は約41mmである。
第1吸着穴155より外側に位置する第2吸着穴156は、吸着基材151の中心軸O2を中心とした第2の円C5上において等間隔に(60度間隔で)6箇所設けられる。ここで、第2の円C5の半径R5は約77.5mmであり、6つの第2吸着穴156は、第1吸着穴155が形成される放射通路159(吸着基材151の中心線)に対して(中心軸O2を中心に)30度回転した放射通路159(吸着基材151の中心線)上にそれぞれ設けられる。
吸着基材151の上面側(表面側)における第1凸部152の外周側には、図10および図12に示すように、上面側(表面側)から見て円環状の第3凸部160が形成されており、第1凸部152との間に溝部161が形成されるようになっている。第3凸部160の先端面(上面)の高さは、第1凸部152の先端面(上面)よりも約1mmだけ低くなるように設定される。吸着基材151の外周部近傍には、第1実施形態の場合と同様にして水供給穴162が形成され、この水供給穴162から溝部161に水が供給されて、溝部161が水(ウォーターシール)で満たされるようになっている。
図12に示すように、吸着基材151の上面側(表面側)には、第1実施形態の場合と同様にして樹脂製のコーティング層165が設けられ、第1および第2凸部152,153の先端面に設けられたコーティング層165の表面(上面)に、ウェハ130の下面である被吸着面132と接触可能な吸着面167が形成される。そして、この吸着面167にウェハ130の被吸着面132(下面)を接触させて各吸着穴155,156に負圧を作用させることで、ウェハ130の被吸着面132が吸着基材151の吸着面167に真空吸着される。
このように、吸着基材151の表面側にコーティング層165を設けることで、第1実施形態の場合と同様に、吸着状態におけるウェハ130の平坦度を高めることができる。また、研磨加工を行って吸着面167の平坦度を(例えば1μm程度に)高めておくことにより、ウェハ130のうねりを一層低減させることができ、吸着状態におけるウェハ130の平坦度をより高めることができる。
ところで、図12に示すように、吸着基材151の表面側(上面側)における第1凸部152よりも外周側の部分には、第3凸部160を含む第1凸部152よりも高さの低い円環状領域B2が設けられる。このように、第1凸部152よりも高さの低い円環状領域B2を設けて、ウェハ130の外周部を吸着保持しないようにすることで、ウェハ130が研磨荷重を受けてもウェハ130の外周部で逃げるため、ウェハ130の外周部が研磨されにくくなってウェハ130外周部の過剰研磨を防止することができる。なお、この円環状領域B2の幅は、約3.8mm(3〜4.5mmが好ましい)に設定される。
回転保持部材170は、図9および図10に示すように、ステンレスやセラミック等の高い剛性を有する材料を用いて円盤状に形成され、ネジ等の固定手段により回転軸28の上部に水平に取り付けられる。そのため、回転保持部材170の上面側(表面側)に取り付けられた吸着基材151は、回転保持部材170により水平面内で回転自在に保持されることとなる。
回転保持部材170の中央部には、第1実施形態の場合と同様にして第2センタ穴171が形成され、これにより、吸着基材151の各吸着穴155,156は、放射通路159、第1および第2センタ穴158,171、並びに図示しない管路を介してエアオペレートバルブに繋がる。回転保持部材170の上面側(表面側)には、矩形の溝が渦巻状に延びるように形成され、第1実施形態の場合と同様にして、吸着基材151の下面(裏面)との間に冷却水路172が形成される。また、回転保持部材170の外周部近傍には、第1実施形態の場合と同様にして水供給通路174が形成され、これにより、吸着基材151の水供給穴162は、水供給通路174および図示しない管路を介して、開閉電磁弁と繋がる。
第2実施形態のCMP装置101を用いてウェハ130の研磨を行うには、第1実施形態のCMP装置1と同様の動作を行えばよい。第2本実施形態のウェハ吸着装置150では、第2凸部153の直径を約0.5mmとするとともに第2凸部153の並ぶピッチP2を約0.8mmとし、各吸着穴155,156の直径を約0.6mmとするとともに各吸着穴155,156を本実施形態で述べたような箇所に配置し、円環状領域B2の幅を約3.8mmとすることで、直径が200mm(8インチ)の半導体ウェハ130の研磨における加工精度を向上させることが可能になった。
なお、第2凸部153の直径が0.8mmより大きいと、第2凸部153とウェハ130の被吸着面132との接触面積が大きくなるため、第2凸部153上の異物の影響を受けやすくなる。一方、第2凸部153の直径が0.5mmより小さいと、第2凸部153とウェハ130の被吸着面132との接触面積が小さくなるため、一つの第2凸部153上がウェハ130の被吸着面132から受ける力が大きくなり、その結果、第2凸部153が異物のような役目を果たすため、第2凸部153上におけるウェハ130の被研磨面131の部分の研磨量が増えてしまう。よって、第2凸部153の直径は0.5〜0.8mmの範囲であることが好ましい。
また、第2凸部153が1.2mmより広いピッチで縦横に並ぶように設置されると、第2凸部153の数が少なくなるため、一つの第2凸部153がウェハ130の被吸着面132から受ける圧力が大きくなり、その結果、第2凸部153が異物のような役目を果たすため、第2凸部153上におけるウェハ130の被研磨面131の部分の研磨量が増えてしまう。一方、第2凸部153が0.8mmより狭いピッチで縦横に並ぶように設置されると、第2凸部153の数が多くなるため、第2凸部153とウェハ130の被吸着面132との接触面積が大きくなり、第2凸部153上の異物の影響を受けやすくなる。よって、第2凸部153は0.8〜1.2mmの範囲のピッチで縦横に並ぶように設置されることが好ましい。
なお、各吸着穴155,156の直径が0.5mmより小さいと、ウェハ130を吸着する排気速度が遅くなり、ウェハ130が吸着面167から剥がれやすくなる。一方、各吸着穴155,156の直径が0.8mmより大きいと、ウェハ130に局所的な凹みが発生し、その凹みの部分が研磨しにくくなる。よって、各吸着穴155,156の直径は0.5〜0.8mmの範囲であることが好ましい。
また、第1吸着穴155が吸着基材151の中心軸O2を中心とした半径約41mmの円C4上において等間隔に6箇所、第2吸着穴156が吸着基材151の中心軸O2を中心とした半径約77.5mmの円C5上において等間隔に6箇所設置される構成とすることで、ウェハ130吸着後の被研磨面131の表面形状を研磨に有利な形状とすることができる。
なお、円環状領域B2の幅を3〜4.5mmの範囲とすることで、ウェハ130の被研磨面131の外周部分が過剰に研磨されることを防止することができ、研磨の均一性を向上させることができる。
そして、以上のような構成のウェハ吸着装置150を備えたCMP装置101によれば、ウェハ130の加工精度および歩留まりを向上させることができる。
続いて、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施例について説明する。図13は半導体デバイスの製造プロセスを示すフローチャートである。半導体製造プロセスをスタートすると、まずステップS200で次に挙げるステップS201〜S204の中から適切な処理工程を選択し、いずれかのステップに進む。
ここで、ステップS201はウェハの表面を酸化させる酸化工程である。ステップS202はCVD等によりウェハ表面に絶縁膜や誘電体膜を形成するCVD工程である。ステップS203はウェハに電極を蒸着等により形成する電極形成工程である。ステップS204はウェハにイオンを打ち込むイオン打ち込み工程である。
CVD工程(S202)もしくは電極形成工程(S203)の後で、ステップS205に進む。ステップS205はCMP工程である。CMP工程では本発明による研磨装置により、層間絶縁膜の平坦化や半導体デバイス表面の金属膜の研磨、誘電体膜の研磨等が行われ、ダマシン(damascene)プロセスが適用されることもある。
CMP工程(S205)もしくは酸化工程(S201)の後でステップS206に進む。ステップS206はフォトリソグラフィ工程である。この工程ではウェハへのレジストの塗布、露光装置を用いた露光によるウェハへの回路パターンの焼き付け、露光したウェハの現像が行われる。さらに、次のステップS207は現像したレジスト像以外の部分をエッチングにより削り、その後レジスト剥離が行われ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くエッチング工程である。
次に、ステップS208で必要な全工程が完了したかを判断し、完了していなければステップS200に戻り、先のステップを繰り返してウェハ上に回路パターンが形成される。ステップS208で全工程が完了したと判断されればエンドとなる。
本発明による半導体デバイス製造方法では、CMP工程において本発明にかかる研磨装置を用いているため、ウェハの加工精度および歩留まりが向上する。これにより、従来の半導体デバイス製造方法に比べて低コストで半導体デバイスを製造することができるという効果がある。なお、上記半導体デバイス製造プロセス以外の半導体デバイス製造プロセスのCMP工程に本発明による研磨装置を用いても良い。また、本発明による半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスは、歩留まりが高く低コストの半導体デバイスとなる。
本発明に係る吸着装置を備えた研磨装置の一例であるCMP装置を示す正面図である。 第1実施形態の吸着装置の正断面図である。 第1実施形態の吸着装置の平面図である。 第1実施形態の第1凸部の近傍を示す拡大平面図である。 第1実施形態の第1凸部の近傍を示す拡大断面図である。 吸着穴の近傍を示す拡大平面図である。 吸着装置にウェハが吸着された状態を模式的に示す断面図である。 吸着装置の配管図(ブロック図)である。 第2実施形態の吸着装置の正断面図である。 第2実施形態の吸着装置の平面図である。 第2実施形態の第1凸部の近傍を示す拡大平面図である。 第2実施形態の第1凸部の近傍を示す拡大断面図である。 本発明に係る半導体デバイスの製造プロセスを示すフローチャートである。
符号の説明
1 CMP装置(研磨装置)
30 半導体ウェハ 32 被吸着面
42 研磨部材
50 ウェハ吸着装置(吸着装置) 51 吸着基材
52 第1凸部 53 第2凸部
54 凹部 55 第1吸着穴
56 第2吸着穴 57 第3吸着穴
65 コーティング層 67 吸着面
82 真空ポンプ(真空源)
101 CMP装置(第2実施形態)
130 半導体ウェハ 132 被吸着面
150 ウェハ吸着装置(吸着装置) 151 吸着基材
152 第1凸部 153 第2凸部
154 凹部
155 第1吸着穴 156 第2吸着穴
165 コーティング層 167 吸着面
B1 円環状領域
C1 第1の円 C2 第2の円
C3 第3の円
O1 中心軸 P1 ピッチ
B2 円環状領域(第2実施形態)
C4 第1の円 C5 第2の円
O2 中心軸 P2 ピッチ

Claims (5)

  1. 真空源を用いて半導体ウェハを真空吸着することにより直径が約300mmの前記半導体ウェハを保持するように構成された吸着装置において、
    前記半導体ウェハが吸着保持される円盤状の吸着基材と、
    前記吸着基材の表面側に設けられて表面に前記半導体ウェハの被吸着面と接触する吸着面が形成される樹脂製のコーティング層とを備え、
    前記吸着基材が、前記吸着基材の表面側に前記表面側から見て円環状に形成された第1凸部と、
    前記吸着基材の表面側における前記第1凸部の内周側に円柱状に形成された複数の第2凸部と、
    前記複数の第2凸部の間に形成される凹部に開口して前記吸着基材内に設けられ前記真空源と繋がる複数の吸着穴とを有し、
    前記第1凸部および前記複数の第2凸部における先端面の高さがそれぞれ互いに同じ高さとなるように構成され、
    前記第1凸部および前記複数の第2凸部における前記先端面に設けられた前記コーティング層の表面に前記吸着面が形成され、前記吸着面に前記半導体ウェハの前記被吸着面を接触させて前記吸着穴に負圧を作用させることで、前記被吸着面が前記吸着面に真空吸着されるように構成されており、
    前記複数の第2凸部は、0.5〜0.8mmの直径を有して、0.8〜1.2mmのピッチで縦横に並ぶように設けられ、
    前記複数の吸着穴は、0.5〜0.8mmの直径を有して、前記吸着基材の中心軸を中心とした半径約41mmの円上において等間隔に3箇所、前記吸着基材の中心軸を中心とした半径約90mmの円上において等間隔に3箇所、前記吸着基材の中心軸を中心とした半径約127.5mmの円上において等間隔に6箇所設けられ、
    前記吸着基材の表面側において前記第1凸部より外周側に位置する前記第1凸部より高さの低い円環状領域の幅が3.5〜5mmとなるように構成されていることを特徴とする吸着装置。
  2. 真空源を用いて半導体ウェハを真空吸着することにより直径が約200mmの前記半導体ウェハを保持するように構成された吸着装置において、
    前記半導体ウェハが吸着保持される円盤状の吸着基材と、
    前記吸着基材の表面側に設けられて表面に前記半導体ウェハの被吸着面と接触する吸着面が形成される樹脂製のコーティング層とを備え、
    前記吸着基材が、前記吸着基材の表面側に前記表面側から見て円環状に形成された第1凸部と、
    前記吸着基材の表面側における前記第1凸部の内周側に円柱状に形成された複数の第2凸部と、
    前記複数の第2凸部の間に形成される凹部に開口して前記吸着基材内に設けられ前記真空源と繋がる複数の吸着穴とを有し、
    前記第1凸部および前記複数の第2凸部における先端面の高さがそれぞれ互いに同じ高さとなるように構成され、
    前記第1凸部および前記複数の第2凸部における前記先端面に設けられた前記コーティング層の表面に前記吸着面が形成され、前記吸着面に前記半導体ウェハの前記被吸着面を接触させて前記吸着穴に負圧を作用させることで、前記被吸着面が前記吸着面に真空吸着されるように構成されており、
    前記複数の第2凸部は、0.5〜0.8mmの直径を有して、0.8〜1.2mmのピッチで縦横に並ぶように設けられ、
    前記複数の吸着穴は、0.5〜0.8mmの直径を有して、前記吸着基材の中心軸を中心とした半径約41mmの円上において等間隔に6箇所、前記吸着基材の中心軸を中心とした半径約77.5mmの円上において等間隔に6箇所設けられ、
    前記吸着基材の表面側において前記第1凸部より外周側に位置する前記第1凸部より高さの低い円環状領域の幅が3〜4.5mmとなるように構成されていることを特徴とする吸着装置。
  3. 前記半導体ウェハを真空吸着により保持可能な吸着装置と、前記半導体ウェハを研磨可能な研磨部材とを備え、前記研磨部材を前記半導体ウェハの表面に当接させながら相対移動させて前記半導体ウェハの表面を研磨するように構成された研磨装置において、
    前記吸着装置が請求項1もしくは請求項2に記載の吸着装置であることを特徴とする研磨装置。
  4. 請求項3に記載の研磨装置を用いて前記半導体ウェハの表面を平坦化する工程を有することを特徴とする半導体デバイス製造方法。
  5. 請求項4に記載の半導体デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする半導体デバイス。
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