JP2007257746A - ヘッド素子の製造方法及び試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ヘッド素子の試験に供される記録媒体のノイズ成分以外にも、記録媒体のエラーレート、信号レベル等を1つの独立した評価指標と考え、事前に記録媒体の複数のトラック領域におけるセクタ毎に評価指標値を調査し、所定の閾値を超える異常セクタを把握し、異常セクタの無い或いは少ないトラックにおいて、ヘッド素子の信頼性のより高い試験をすることを目的とする。
【解決手段】ヘッド素子の特性試験に供する記録媒体の試験領域として、記録媒体上のトラック領域をセクタ単位に分割し、各セクタごとに評価指標に係わる指標値を算出し、算出された指標値が所定の閾値を超えるセクタを、記憶領域に異常セクタとして記憶させ、記録媒体上の2次元的に異常セクタの所在分布を把握し、試験に供されるトラック領域を選択する。
【選択図】図1
【解決手段】ヘッド素子の特性試験に供する記録媒体の試験領域として、記録媒体上のトラック領域をセクタ単位に分割し、各セクタごとに評価指標に係わる指標値を算出し、算出された指標値が所定の閾値を超えるセクタを、記憶領域に異常セクタとして記憶させ、記録媒体上の2次元的に異常セクタの所在分布を把握し、試験に供されるトラック領域を選択する。
【選択図】図1
Description
本発明は情報の記録再生に用いるヘッド素子の試験において、試験に供される記録媒体の所定の評価指標値の特性分布から記録媒体における試験位置を決めてから行うヘッド素子の製造方法、試験装置に関する。
ディスク装置に用いられるヘッドに組み込まれた記録再生用素子(以下、ヘッド素子と呼ぶ)は、試験に供される所定の記録媒体に対し、1つ1つのヘッド素子の特性が試験され、試験結果に基づいて良品と不良品に選別される。試験に供する記録媒体は特性の良いものが用いられるが、平均的な特性であり、局所的な特性があまり良くないものも存在する。
通常、量産品の磁気ヘッド試験では、指定された記録媒体の位置(たとえば媒体中央)においてのみ試験が行なわれている場合が多く、その試験領域に記録媒体の特性が不良の領域が含まれていると、特性が悪く計測されてしまい、不良ヘッド素子が大量に発生する恐れがあった。従来は、記録媒体の局所的な不良を考慮せずに試験が行われていたため、測定結果が悪くても、本当にヘッド素子に因るものか、それとも記録媒体に因るものか、あるいは信号回路系のノイズによるものなのか切り分けることが困難であった。
そこで、ヘッド素子が計測される特性を悪くする記録媒体の特性による要因を排除するため、試験領域における記録媒体の局所的な特性を把握して試験を行いたいという要望が強かった。このような要望に関連する公知例として、特開平2002−93088号公報においては、被測定磁気ヘッドにより媒体面に所定の信号を書き込み、同じ被測定磁気ヘッドにより書き込んだ信号を読み取らせて磁気ヘッドの良否の判定を行なう磁気ヘッド試験を行なう前に、試験に使用される媒体の試験に供される範囲が試験用媒体として有効かどうかを検証するため、事前に書き込み信号の消去が正常にできる領域かどうかを確認し、正常に消去できない領域は使用しないようにしている。また、特開平2003−91813号公報においては、軟磁性下地層を有する垂直磁気記録媒体のスパイクノイズ発生位置の検出を行ない、スパイクノイズ発生位置の分布図の作成、媒体の良否判定を行なう方法が開示されている。
これらの公知例においては、イレーズ特性、スパイクノイズといった限られた範囲の現象への対処方法であり、磁気ヘッドの試験に使用される磁気記録媒体から生ずる他の様々なノイズ成分、エラーレートの大小等をも排除した試験を行なうには不十分であり、これらに対処できる試験方法が待ち望まれていた。
そこで、本願特許出願人は、特願2005−57292号において、磁気ヘッドの試験に供される磁気記録媒体のノイズ成分を事前調査し、ノイズ成分が所定の閾値を超えた磁気記録媒体の領域を試験領域から除外し、磁気記録媒体に起因する媒体ノイズ成分の少ない領域においてヘッド素子の試験を行なう技術を開示した。
しかし、ヘッド素子の試験に供される記録媒体に起因するノイズ成分である媒体ノイズ、エラーレートの大きさ、信号レベル等を微視的に計測し、記録媒体における所定の種類の評価指標に関する値を記録媒体の面における2次元分布として捕え、これを考慮した幅広い試験が必要となってきている。
特開平2002−93088号公報
特開平2003−91813号公報
特願2005−57292号
精度良くヘッド素子の試験を行うためには、試験に供される記録媒体の特性が均質であることが望ましい。このため、記録媒体の媒体欠陥以外にも微視的にみて磁気特性が揃っている必要がある。本発明は、試験に供される記録媒体のノイズ成分以外にも、例えば記録媒体のエラーレート、信号レベル等を1つの独立したファクタと考え、事前に記録媒体の複数のトラック領域におけるセクタ毎に調査し、記録媒体における媒体ノイズ、エラーレート、信号レベル等の値が所定の閾値を超えるセクタ(以下、異常セクタと呼ぶ)を把握し、異常セクタの無い或いは少ないトラックにおいてヘッド素子の試験をすることを目的とする。
そして、異常セクタを含むトラックにおいて試験をするときは、異常セクタにおける試験をスキップするかあるいは試験を行った結果を無視するようにし、より精度の優れた試験方法、装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、ヘッド素子の試験工程を有する前記ヘッド素子の製造方法であって、前記試験工程はヘッド素子の試験前に前記試験に供する記録媒体における試験位置を決めるステップを有し、前記ステップは、前記記録媒体のトラック上のセクタに所定の情報を所定のライトヘッドにより書き込むステップと、所定のリードヘッドにより前記情報を読み出すステップと、前記トラック上の複数のセクタにおいて読み出された前記情報により前記セクタごとの前記記録媒体に係わる評価指標値を算出するステップと、前記セクタの中で前記評価指標値が所定の閾値を超えるセクタを異常セクタとして記憶領域に記憶するステップと、前記記憶領域に記憶された前記異常セクタの前記記録媒体における所在位置を2次元的に認識するステップと、前記試験位置を前記異常セクタの数の少ないトラック領域の中から選択するステップとを含み、ヘッド素子の試験において、選択された前記トラック領域においてヘッド素子の試験を行い試験結果を得るステップと、
前記トラック領域に前記異常セクタが含まれるとき、前記試験結果から前記異常セクタにおける試験結果を除外するステップとを有することを特徴とするヘッド素子の製造方法である。
前記トラック領域に前記異常セクタが含まれるとき、前記試験結果から前記異常セクタにおける試験結果を除外するステップとを有することを特徴とするヘッド素子の製造方法である。
請求項1に記載の発明によれば、ヘッド素子の試験を行う前に前記試験に供する記録媒体における試験位置を決める。決め方は、記録媒体に係わる評価指標としてエラーレート、媒体ノイズ、信号レベル等を個々に捉え、それぞれについて所定の閾値を超えるセクタを異常セクタとして認識し、異常セクタを記録媒体における位置を、例えば磁気ヘッド素子の試験においては試験に供する磁気記録媒体におけるトラック番号とトラック内のセクタ番号に関する2次元情報として認識し、異常セクタの無いあるいは少ないトラックにおいてヘッド素子の試験を行う。前述のように例えば従来行っていた信号レベルについてだけ注目するのではなく、少なくとも前述の3つの評価指標をもって評価指標値の1つでも閾値を外れる値を持つセクタを異常セクタと決め、異常セクタを含むトラックにおいて試験をするときは、異常セクタにおける試験をスキップするか、あるいは試験を行った結果を無視することにより、より精度の優れた試験結果を得る。このように、試験結果から前記異常セクタにおける試験結果を除外するというのは、実質的に異常セクタにおける試験結果が最終的試験結果に反映されないようにされていれば足る。
ここで、ヘッド素子は、ハードディスク装置、MOディスク装置、光ディスク装置のいずれの装置におけるものでも構わず、磁気ヘッド素子や光ヘッド素子を意味する。
請求項1においては、ヘッド素子の特性評価精度を向上させるために、試験領域として供する記録媒体上のトラックをセクタ単位に分割し、各セクタごとに所望する媒体に係わる評価指標値を算出し、算出された評価指標値が所定の閾値を超えるセクタを、例えば、ヘッド試験機が有する記憶領域に異常セクタとして記憶させ、試験に用いるセクタから除くようにしている。そして、記録媒体上の異常セクタの位置を2次元的に把握し、異常セクタの含まれるトラックを選択してヘッド素子の試験用領域から外すか、あるいは、例えば異常セクタが少なく含まれるトラックを選択して異常セクタをスキップしてヘッド素子の特性評価をする。このように、ヘッド素子の試験結果に媒体に係わる評価指標の影響を極力排除し計測精度の向上を図る。
ここで、ヘッド素子により試験に供される記録媒体のトラック上のセクタは、ディスク・フォーマッタによって得られる、例えば、サーボ面サーボ方式によるR/W用にアサインされたデータセクタであっても、あるいは、試験用記録媒体として用意された専用のセクタであっても構わない。
また、セクタごとの記録媒体に係わる評価指標値は、例えば、所定周波数帯域内における評価指標値のピーク値の最大値でも、単にピーク値の平均値であっても、あるいは、所定周波数帯域を幾つかの周波数帯域に分割し、分割された周波数帯域ごとに一定レベルの大きさの評価指標値の出現頻度を求めて出現頻度の平均値を使用しても構わない。要は、評価指標として数値化できるものであれば足りる。
本発明は、各ヘッド素子の試験を行う前に、ヘッド試験に供される記録媒体における所望の評価指標についての測定値をセクタ単位で求め、評価指標ごとに閾値を設けて閾値を外れる値をもつセクタを異常セクタとしてヘッド素子の試験を行う対象領域から外し、計測精度の向上を図ろうとするものである。したがって、ヘッド素子の試験に供する記録媒体の評価指標を、例えば、媒体のエラーレート、媒体ノイズ、媒体に記録された信号のレベルを選び、各評価指標についてそれぞれに閾値を設けてもよい。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記記録媒体に係わる評価指標値を媒体のエラーレートの大きさとすることを特徴とする請求項1におけるヘッド素子の製造方法である。
請求項2に記載の発明によれば、ヘッド素子の特性評価精度を向上させるために、ヘッド素子の試験に供する試験領域として記録媒体上のトラックをセクタ単位に分割し、各セクタごとに媒体のエラーレートに係わる評価指標値を算出して、算出された評価指標値が所定の閾値を超えるセクタを、例えば、ヘッド試験機が有する記憶領域に異常セクタとして記憶させ、ヘッド素子の試験においては不良セクタを飛び越さずにそのまま試験データのリードライトを行なうが、異常セクタにおける測定値はヘッド素子の試験結果に反映させないようにする。これにより、ヘッド素子の特性評価をする各種項目の試験結果に媒体のエラーレートの影響が極力排除されるようになっている。
請求項3に記載の発明は、前記記録媒体に係わる評価指標値を媒体のエラーレートの大きさと媒体ノイズの大きさの両方とすることを特徴とする請求項1におけるヘッド素子の製造方法である。
請求項3に記載の発明によれば、記録媒体に係わる評価指標を特に媒体のエラーレートと媒体ノイズとする。これにより、媒体のエラーレートに限らず媒体ノイズについても評価指標として同時に考慮し、これらの測定値に閾値を設けることにより、さらに信頼度のあるヘッド評価が期待できる。ここで、媒体ノイズの大きさを、媒体から発せられるノイズの種類に限らず、例えば、ピーク値が閾値以上の値、あるいは、ノイズのレベルの平均値が閾値以上の値とすることができる。
請求項4に記載の発明は、ヘッド素子の試験装置であって、試験に供する記録媒体における試験位置を決める手段を有し、前記手段は、記録媒体のトラック上のセクタに所定の情報を所定のライトヘッドにより書き込む手段と、所定のリードヘッドにより前記情報を読み出す手段と、前記トラック上の複数のセクタにおいて読み出された前記情報により前記セクタごとの前記記録媒体に係わる評価指標値を算出する手段と、前記セクタの中で前記評価指標値が所定の閾値を超えるセクタを異常セクタとして記憶領域に記憶する手段と、
前記記憶領域に記憶された前記異常セクタの前記記録媒体における所在位置を2次元的に認識する手段と、前記試験位置を前記異常セクタの数の少ないトラック領域の中から選択する手段とを含み、ヘッド素子の試験において、選択された前記トラック領域においてヘッド素子の試験を行い試験結果を得る手段と、前記トラック領域に前記異常セクタが含まれるとき、前記試験結果から前記異常セクタにおける試験結果を除外する手段を有するヘッド素子の試験装置である。
前記記憶領域に記憶された前記異常セクタの前記記録媒体における所在位置を2次元的に認識する手段と、前記試験位置を前記異常セクタの数の少ないトラック領域の中から選択する手段とを含み、ヘッド素子の試験において、選択された前記トラック領域においてヘッド素子の試験を行い試験結果を得る手段と、前記トラック領域に前記異常セクタが含まれるとき、前記試験結果から前記異常セクタにおける試験結果を除外する手段を有するヘッド素子の試験装置である。
請求項4に記載の発明によれば、記憶装置の記憶領域に記憶された異常セクタをヘッド素子の試験に供されるセクタから除く手段は、記憶領域に記憶された異常セクタを試験に供されるセクタとして使用禁止する手段であっても、あるいは、前記記憶領域に記憶された異常セクタにおける試験結果を無視する手段であっても構わない。例えば、異常セクタを試験において使用しないようにする手段か、あるいは、ヘッド素子の試験において所定の情報を書込・読出するが測定結果には反映させないようにする手段である。
従来は、ヘッド素子の試験において、試験に供される記録媒体の局所的な不良を考慮せずに試験を行っていたため、測定結果が悪くても、本当にヘッド素子が悪いのか、それとも媒体が悪いのか、信号回路系のノイズによるものなのか切り分けることが困難であったが、本発明によって、試験に供される記録媒体におけるヘッド素子の試験領域の局所的な媒体特性を求めることが可能となり、記録媒体に係わる媒体ノイズ、エラーレート、信号レベルといった、ヘッド素子の試験に影響を与えるファクタをヘッド素子の試験結果から除外することができ、ヘッド素子の試験の精度を向上させることができる。
磁気ディスク装置においては、媒体ノイズを抽出してそのレベルを測定する場合、例えば、磁気ヘッドを用いて磁気記録媒体に所定の信号を記録した後、前記磁気ヘッドによる再生信号をスペクトラム・アナライザにより信号帯域分測定して積分ノイズとして求め、この積分ノイズから回路系ノイズとヘッド系ノイズを除去して媒体ノイズを得ている。
磁気記録媒体上にライトヘッドで磁気的信号として書き込むと、その磁気的信号をリードヘッドで読み出した信号波形には、媒体ノイズ、リードヘッドやアンプなどを含む伝送系ノイズが含まれている。伝送系ノイズは電子ノイズと呼ばれる。電子ノイズと媒体ノイズをあわせたノイズをランダムノイズと考えると、ランダムノイズから電子ノイズを引けば媒体ノイズを求めることができる。
磁気記録媒体の特性を数値で表わすことのできる媒体特性評価指標として、媒体ノイズを媒体特性評価指標の1つと考えれば、媒体特性評価指標はデジタルサンプリングされた信号波形を用いて、
媒体特性評価指標2=(ランダムノイズ誤差成分)2−(電子ノイズ誤差成分)2
と表すことができる。
媒体特性評価指標2=(ランダムノイズ誤差成分)2−(電子ノイズ誤差成分)2
と表すことができる。
ここで、(ランダムノイズ誤差成分)2 は、回転する磁気記録媒体に対し、ヘッド素子により磁気記録媒体の1回転ごとに信号の書き込みと読み出しを所定回数行ない、所定回数のサンプリングした出力波形を加算平均し、実際の波形と加算平均した波形の差分を2乗和することにより求めたものである。
また、(電子ノイズ誤差成分)2は、回転する磁気記録媒体に対し、ヘッド素子により磁気記録媒体の最初の1回転にて信号の書き込みを行い、同一の書込信号波形を所定回数サンプリングして加算平均し、実際の波形と加算平均した波形の差分を2乗和することにより求めたものである。
図1は、本発明によるデータ処理のフロー例を示す。磁気ヘッド素子の試験に供する磁気記録媒体の、試験領域を選択するフローである。
ここで用いるヘッド素子はリードヘッドとライトヘッド両方を備えたヘッド素子であるとする。
まず、評価条件を設定する(S01)。トラック数、セクタ数等の指定である。そして、磁気記録媒体を試験機にセットし、磁気記録媒体の評価開始位置へ評価用ヘッドを移動する(S02)。試験信号のデータをヘッド素子を介して試験に供せられる磁気記録媒体上の書込トラックを指定して磁気記録媒体の1回転(1周)内で書き込む(S03)。
書き込まれたデータを、ヘッド素子を用いて1周内に所望のNセクタ分から読み出す(S04)。既に書き込まれたデータに対して同様にM周分読み出してサンプリンクし、(S05)同一セクタ内ごとに読出波形を加算していく(S06)。このようにして加算されたデータが平均された読出波形(読出波形Aとする)は、電子ノイズがキャンセルされた波形となる(S07)。
また、試験信号のデータをヘッド素子を介して試験に供せられる磁気記録媒体上の書込トラックを指定して磁気記録媒体の1回転(1周)内で書き込む(S08)。
書き込まれたデータを、ヘッド素子を用いて1周内に所望のNセクタ分から読み出す(S09)。これを同様にL周分繰り返し、サンプリンクして同一セクタ内ごとに読出波形を加算していく(S11)。L周分サンプリングが終了すると加算波形の平均化処理を行う(S12)。このようにして加算平均された読出波形(読出波形Bとする)は、媒体ノイズと電子ノイズが共にキャンセルされた波形となる。読出波形Bと読出波形Aの差分から媒体ノイズ成分だけが取り出せる(S13)。
さらに、評価位置を変える必要があるかどうかを、初めの評価条件設定の値と照合し(S14)、あれば評価位置を移動する(S15)。なければ、得られたデータから試験に適した領域の抽出を行う(S16)。
このように、本発明では、真の信号波形にランダムノイズが重畳されているとき、加算平均することで真の信号波形が求まることを利用し、どのようにして各ノイズ成分をキャンセルし、あるいは各ノイズ成分を取り出すかを行なうかにより、本実施例では媒体ノイズの取り出しを説明した。
媒体の評価指標を媒体のエラーレート、記録された信号レベルとした場合は、それぞれを従来技術によりセクタ毎に、例えば平均値、合計値等を評価指標値として測定し、所望の閾値から飛び出す値をもつセクタを異常セクタとして場所と共に記録する。
図2には、本発明による試験装置の一実施例を示す。試験装置として、ハードディスク装置のヘッドとディスクの自由な組合せを行なって記録・再生試験をできるようにしたスピンスタンドと呼ばれる装置や、あるいはサーボトラックライタを用いた試験装置を利用したものであっても構わないが、図2により、一実施例を説明する。
スピンドルモータ5に取り付けられた磁気ディスク媒体1に対し、例えば、書込ヘッドとGMR素子を用いた読取ヘッドを組み込んだヘッド素子を取り付けた磁気ヘッド2を浮上させ、磁気ヘッド2はシークを含むポジショニングを行なうためのポジショナ4に搭載されている。電源およびコントローラ6はスピンドルモータ5やポジショナ4の駆動制御用のドライバ回路、コンバータ、電源装置等から成っている。磁気ヘッド2は信号処理を行なうためのヘッドアンプ3、R/Wチャネル7に接続され、さらに、CPU(図示省略)を内蔵した制御装置8に接続されている。メモリ9には、試験機に用いる各種プログラムやデータ処理のための一時記憶領域を有する。
図3は、本発明による評価量と測定値との関係を示す。
図3において、横軸は、本発明に供せられる磁気ディスク媒体のセクタ番号を示し、説明のため、32セクタまでしか示していないが、通常の磁気ディスク媒体であれば、200以上のセクタを有する。図示されている折れ線グラフは2つのグラフを示している。評価値と記されたグラフは磁気ディスク媒体の特性評価指標を数値で表した評価値であり、本発明においては媒体ノイズである。ここでは、モデル的に示してあるが、媒体ノイズの大きさを特性評価指標としているので、この値は小さい方が媒体特性が優れているとする。媒体ノイズにあっては、セクタ毎にさらに細かなビット位置におけるノイズ成分の積分値でプロットするとセクタ単位でのノイズの大きさが得られこれをセクタ単位で平均したものをプロットしてある。
一方、測定値と記されたグラフは、実際にヘッド試験を行なったときの媒体ノイズの影響を受けやすい試験項目における測定値の一例である。測定値がセクタ#8、セクタ#12、セクタ#18、セクタ#19において大きいのは、媒体ノイズが重畳した磁気信号をヘッドが拾っていると解釈される。
このように、いくつかの媒体ノイズに影響を受けやすい試験項目においては、媒体ノイズが測定データに重畳されて、ヘッド素子の特性があたかも悪いような結果となるため、この場合は、あらかじめ、これらの試験項目においては、セクタ#8、セクタ#12、セクタ#18、セクタ#19を試験領域から除くことにより、信頼性の高いヘッド素子試験が行なわれる。
図4には、複数トラックにおける閾値を超えた評価指標の2次元マップを示す。ヘッド素子の試験に供される磁気記録媒体を例にとり、磁気記録媒体上のトラック番号とセクタ番号から異常セクタに関する2次元マップを作成したものである。図において黒い点が異常セクタの位置を示している。図4から、ヘッド素子の試験に供される磁気記録媒体上のどのトラックを選択したら、異常トラックが含まれないか、あるいは、クラック番号を指定した場合に、異常トラックがどのように分布しているかが分かる。
1 磁気ディスク媒体
2 磁気ヘッド
3 ヘッドアンプ
4 ポジショナ
5 スピンドルモータ
6 電源およびコントローラ
7 R/Wチャネル
8 制御装置
9 メモリ
2 磁気ヘッド
3 ヘッドアンプ
4 ポジショナ
5 スピンドルモータ
6 電源およびコントローラ
7 R/Wチャネル
8 制御装置
9 メモリ
Claims (4)
- ヘッド素子の試験工程を有する前記ヘッド素子の製造方法であって、
前記試験工程はヘッド素子の試験前に前記試験に供する記録媒体における試験位置を決めるステップを有し、
前記ステップは、
前記記録媒体のトラック上のセクタに所定の情報を所定のライトヘッドにより書き込むステップと、
所定のリードヘッドにより前記情報を読み出すステップと、
前記トラック上の複数のセクタにおいて読み出された前記情報により前記セクタごとの前記記録媒体に係わる評価指標値を算出するステップと、
前記セクタの中で前記評価指標値が所定の閾値を超えるセクタを異常セクタとして記憶領域に記憶するステップと、
前記記憶領域に記憶された前記異常セクタの前記記録媒体における所在位置を2次元的に認識するステップと、
前記試験位置を前記異常セクタの数の少ないトラック領域の中から選択するステップとを含み、
ヘッド素子の試験において、選択された前記トラック領域においてヘッド素子の試験を行い試験結果を得るステップと、
前記トラック領域に前記異常セクタが含まれるとき、前記試験結果から前記異常セクタにおける試験結果を除外するステップとを有することを特徴とするヘッド素子の製造方法。 - 前記記録媒体に係わる評価指標値を媒体のエラーレートの大きさとすることを特徴とする請求項1におけるヘッド素子の製造方法。
- 前記記録媒体に係わる評価指標値を媒体のエラーレートの大きさと媒体ノイズの大きさの両方とすることを特徴とする請求項1におけるヘッド素子の製造方法。
- ヘッド素子の試験装置であって、
試験に供する記録媒体における試験位置を決める手段を有し、
前記手段は、
記録媒体のトラック上のセクタに所定の情報を所定のライトヘッドにより書き込む手段と、
所定のリードヘッドにより前記情報を読み出す手段と、
前記トラック上の複数のセクタにおいて読み出された前記情報により前記セクタごとの前記記録媒体に係わる評価指標値を算出する手段と、
前記セクタの中で前記評価指標値が所定の閾値を超えるセクタを異常セクタとして記憶領域に記憶する手段と、
前記記憶領域に記憶された前記異常セクタの前記記録媒体における所在位置を2次元的に認識する手段と、
前記試験位置を前記異常セクタの数の少ないトラック領域の中から選択する手段とを含み、
ヘッド素子の試験において、選択された前記トラック領域においてヘッド素子の試験を行い試験結果を得る手段と、
前記トラック領域に前記異常セクタが含まれるとき、前記試験結果から前記異常セクタにおける試験結果を除外する手段を有するヘッド素子の試験装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2019139828A (ja) * | 2018-02-15 | 2019-08-22 | 株式会社東芝 | 欠陥登録方法 |
-
2006
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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