JP2007256554A - Memsデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、反りの発生が抑えられ、且つ、平坦度が高いミラーを備えたMEMSデバイスを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るMEMSデバイス10は、第1基板11と、第1基板の周囲に配置された環状の第2基板12と、第2基板の周囲に配置されたフレーム13と、第1基板と第2基板とを連結し、第1基板を第2基板に対して揺動可能に支持する第1ヒンジ部14と、第2基板とフレームとを連結し、第1ヒンジ部の揺動の中心軸と同一直線状に中心軸が位置するように、第2基板をフレームに対して揺動可能に支持する第2ヒンジ部15と、第1基板及び第2基板の揺動の中心軸と平行な部分を有する第2基板に形成された駆動用配線16と、第2基板の外側における第1基板及び第2基板の揺動の中心軸に対して直交方向の位置に配置され、第1基板及び第2基板の揺動の中心軸に対して直交方向の磁界を発生させる磁界発生手段17とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気力を用いてマイクロミラー等が形成される基板を揺動させるように構成されたMEMSデバイスに関する。
近年、レーザ光を用いたプリンタ、複写機、プロジェクタ等の画像形成装置を構成する種々の装置において、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により製造されたMEMSデバイスが普及している。MEMS技術とは、シリコンなどの半導体製造プロセス等における技術を応用して種々の機械要素の小型化等を実現するための技術である。画像形成装置に用いられるMEMSデバイスとして、例えば、特許文献1に提案されているような、レーザ光の反射方向を変動させて、レーザ光を走査するプレーナ型光走査装置を挙げることができる。
このプレーナ型光走査装置は、特許文献1の図1に示すように、トーションバーに軸支された可動板12の表面に形成されたミラー14と、当該可動板12の裏面に形成された駆動コイル15と、可動板12の裏面において、当該駆動コイル15を横切る方向に磁界を発生させる永久磁石19A、19B、20A、20Bとを備える。駆動コイル15に電流を流すと、電流が磁界と直交する向きに流れることで、可動板12に磁気力が作用して、可動板12がトーションバーを中心に回動する。駆動コイル15に流す電流を交流電流とすると、電流の向きが周期的に変化することで、可動板12に作用する磁気力の向きも周期的に変化する。これにより、可動板12は所定の振れ角(揺動する角度範囲)で揺動する。このように、可動板12が所定の振れ角で揺動することで、特許文献1のプレーナ型光走査装置は、ミラー14に入射したレーザ光の反射方向を逐次変動させて、レーザ光の走査を行う。
しかしながら、駆動コイル15に電流が流れると、駆動コイル15が発熱し、当該発熱によって可動体12及びミラー14がバイメタル効果等によって反る恐れがある。ミラー14に反りが発生すると、レーザ光を正常な方向に反射できなくなり、そのため、ミラー14が反る恐れのあるプレーナ型光走査装置をレーザ光の走査に用いることは余り好ましくない。
反りを防止する技術として、例えば、特許文献2に提案されている技術を挙げることができる。特許文献2の技術は、特許文献2の図1に示す可動板1(特許文献1の可動板12に相当する部材)の両面に反射ミラー3A、3B(特許文献1のミラー14に相当する部材)と薄膜コイル2A、2B(特許文献1の駆動コイル15に相当する部材)とを形成して、可動板1の両面に同じように熱を発生させることで、可動板1及び反射ミラー3A、3Bの反りを防止するものである。
特開2000−249964号公報 特開2004−264684号公報
しかしながら、同一部材(特許文献2においては可動板1)上に反射ミラー3A、3Bと薄膜コイル2A、2Bとを設けると、反射ミラー3A、3Bを形成するプロセスが複雑となる分、反射ミラー3A、3Bの平坦度が悪化する。例えば、画像形成装置におけるレーザ光の走査に用いるミラーの場合、反射ミラー3A、3Bに要求される平坦度は、レーザ光の波長の1/4以下である。レーザ光の波長は、一般的に780〜630nmであり、よって、画像形成装置におけるレーザ光の走査に用いるミラーには、非常に高い平坦度が要求される。従って、特許文献2の技術を採用した場合、このような平坦度を満たした反射ミラー3A、3Bを製造することは技術的に困難である。
本発明は、斯かる従来技術の問題を解決するべくなされたものであり、反りの発生が抑えられ、且つ、平坦度が高いミラーを備え、画像形成装置等におけるレーザ光の走査に適したMEMSデバイスを提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載の如く、第1基板と、前記第1基板の周囲に配置された環状の第2基板と、前記第2基板の周囲に配置されたフレームと、前記第1基板と前記第2基板とを連結し、前記第1基板を前記第2基板に対して揺動可能に支持する第1ヒンジ部と、前記第2基板と前記フレームとを連結し、前記第1ヒンジ部の揺動の中心軸と同一直線状に中心軸が位置するように、前記第2基板を前記フレームに対して揺動可能に支持する第2ヒンジ部と、前記第1基板及び前記第2基板の揺動の中心軸と平行な部分を有する前記第2基板に形成された駆動用配線と、前記第2基板の外側における前記第1基板及び前記第2基板の揺動の中心軸に対して直交方向の位置に配置され、前記第1基板及び前記第2基板の揺動の中心軸に対して直交方向の磁界を発生させる磁界発生手段とを備えたことを特徴とするMEMSデバイスを提供する。
本発明に係るMEMSデバイスは、第1基板の周囲に配置された環状の第2基板と、第2基板の周囲に配置されたフレームとを備え、第2基板は、第2ヒンジ部を介してフレームに揺動可能に支持されている。第2基板には、駆動用配線が形成されており、第2基板の外側における第2基板の揺動の中心軸(以下、単に、「中心軸」という場合がある)に対して直交方向の位置には、磁界発生手段が配置されている。駆動用配線は、中心軸と平行な部分を有し、磁界発生手段は、中心軸と直交方向の磁界を発生させる。このように、駆動用配線の中心軸と平行な部分が磁界の向きと直交するため、駆動用配線に電流を流すと、駆動用配線の周囲に磁気力が生じる。この磁気力により、フレームに揺動可能に支持された第2基板は、第2ヒンジ部の弾性力に抗しながら回動する。従って、駆動用配線に交流電流を流すと、電流の向きが周期的に変化し、磁気力の向きが交互に変化するため、第2基板は、所定の振れ角で揺動する。
このように揺動する第2基板は、上述のように、第1基板の周囲に配置され、第1ヒンジ部によって当該第1基板を揺動可能に支持している。第1基板と第2基板とは、それぞれの揺動の中心軸が同一直線状に位置するように、第1基板が第1ヒンジ部に、第2基板が第2ヒンジ部に支持されている。第1基板と第2基板との揺動の中心軸が同一直線状に位置するため、第2基板が揺動すると、第1基板も第1ヒンジ部の弾性力に抗して揺動する。よって、第1基板の表面にミラーを形成すると、第1基板の揺動によりレーザ光の走査を行うことが可能である。
上述のように、本発明に係るMEMSデバイスは、第1基板と第2基板とは、第1ヒンジ部を介して連結されているため、駆動用配線に交流電流が流れて駆動用配線が発熱しても、第1基板にその熱が殆ど伝わらない構成とされている。従って、第1基板の表面にミラーを形成しても、第1基板とミラーとがバイメタル効果によって反ることがほぼ完全に抑えられる。また、駆動用配線が第2基板に形成されているので、第1基板にミラーを形成すると、ミラーと駆動用配線とが同一部材に形成されないため、ミラーの形成のプロセスが複雑となることが防がれる。よって、本発明に係るMEMSデバイスにおいては、平坦度の高いミラーを形成することが可能である。
以上のように、本発明によれば、反りの発生が抑えられ、且つ、平坦度が高いミラーを備え、画像形成装置等におけるレーザ光の走査に適したMEMSデバイスを提供することができる。
好ましくは、本発明に係るMEMSデバイスは、特許請求の範囲の請求項2に記載の如く、前記第2基板は、一方の面と他方の面とを通電させるスルーホールが2箇所に設けられ、前記駆動用配線は、前記第2基板の一方の面に形成された第1部分と、他方の面に形成された第2部分とを具備し、前記第1部分は、一端部が一方のスルーホールに接続され、他方のスルーホールが外側に位置するように、当該一端部を内側端部とした渦状に形成され、前記第2部分は、両方のスルーホールを接続するように形成され、さらに、前記第1部分の他端部と前記他方のスルーホールの前記第2基板の一方の面側とが電源に接続されている構成とされる。
かかる好ましい構成においては、前記駆動用配線は、前記第2基板の一方の面に形成された第1部分と、他方の面に形成された第2部分とを具備している。そして、第1部分は、一端部が一方のスルーホールに接続され、他方のスルーホールが外側に位置するように、当該一端部を内側端部とした渦状に形成されており、他端部が電源に接続されている。このスルーホールは、一方の面と他方の面とを導通させるためのものである。また、第2部分は、一方のスルーホールと他方のスルーホールとを第2基板の他方の面において接続するように形成されており、一方のスルーホールを介して第1部分と接続されている。さらに、第2部分に接続される他方のスルーホールの第2基板の一方の面側は、電源と接続されており、従って、第2部分は、他方のスルーホールを介して電源と接続されている。よって、かかる好ましい構成においては、第1部分の他端部が電源に接続され、この第1部分と接続された第2部分が、他方のスルーホールを介して電源と接続されているため、駆動用配線は、電源から供給される電流を流すことができる。
このように駆動用配線を形成し、他方のスルーホールを電源と接続すると、第2基板の一方の面に渦状に複数回巻かれた状態に第1部分が形成されても、駆動用配線を重ねて短絡させることなく、駆動用配線の両端を電源に接続して、電流を流すことができる。かかる好ましい構成のように、第2基板上において駆動用配線を複数回巻かれた状態に形成することで、同一方向に流れる電流が増大するため、駆動用配線に流れる交流電流が小さい場合であっても、大きな磁気力を発生させることができる。よって、かかる好ましい構成においては、少ない電力で第1の基板を揺動させることができる。
また、好ましくは、本発明に係るMEMSデバイスは、特許請求の範囲の請求項3に記載の如く、前記第1基板の何れか一方の面に磁性膜が設けられる構成とされる。
かかる好ましい構成のように第1基板に磁性膜を設けると、上述のように磁界発生手段によって、第1基板の揺動の中心軸と直交する方向の磁界が発生しているため、第1基板が揺動すると、磁性膜は、磁界発生手段が発生させる磁界を横断することになる。そうすると、磁性膜によって横断された部分においては、一方の磁界発生手段から発生した磁力線が、磁性膜に沿って、磁性膜の反対側の端部に向いた方向となり、磁性膜の反対側の端部に磁力線が集中し、磁性膜の反対側の端部と他方の磁界発生手段との間においては磁束密度が高い状態となる。上述のように、第1基板と第2基板との揺動の中心軸が同一直線状にあると、第1基板と第2基板とが同一の周波数及び同一の位相で揺動するので、第2基板に形成された駆動用配線は、磁性膜の反対側の端部と他方の磁界発生手段との間、または、その間の近傍に位置する。よって、駆動用配線が磁束密度の高い位置に位置するため、かかる好ましい構成によれば、少ない電力で大きな磁性力を発生させることができるので、少ない電力で第1の基板を揺動させることができる。
以上のように、本発明によれば、反りの発生が抑えられ、且つ、平坦度が高いミラーを備え、画像形成装置等におけるレーザ光の走査に適したMEMSデバイスを提供することを目的とすることが可能である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係るMEMSデバイスの一実施形態について説明する。図1は、一実施形態に係るMEMSデバイスが用いられたレーザ光走査装置の概略構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るレーザ光走査装置100は、MEMSアクチュエータ1と、後述するようにMEMSアクチュエータ1が具備するマイクロミラーに向けてレーザ光Lを出射するレーザ光源(本実施形態ではレーザダイオード)2とを備えている。その他、本実施形態に係るレーザ光走査装置100は、レーザ光源2から出射されたレーザ光Lを平行光にするためのコリメータレンズ3と、前記マイクロミラーにおけるレーザ光の反射光L’を感光ドラムP上で結像させるためのfθレンズ4及び固定ミラー5を備えている。以上の構成を有するレーザ光走査装置100において、MEMSアクチュエータ1が具備するマイクロミラーを揺動させることにより、レーザ光源2から出射したレーザ光Lの反射光L’がレーザプリンタ等の感光ドラムPでプリント幅分だけ走査されることになる。
MEMSアクチュエータ1は、マイクロミラーを備えるMEMSデバイス10と、MEMSデバイス10が実装されるパッケージ基板と、マイクロミラーを揺動させる交流電源30とを備えている。
以下、本実施形態に係るMEMSデバイス10を詳述する。図2は、本実施形態に係るMEMSデバイス10の概略構成図であり、図2(a)は平面図を示し、図2(b)はC―C端面図を示す。図2に示すように、本実施形態に係るMEMSデバイス10は、第1基板11と、第2基板12と、フレーム13と、第1ヒンジ部14と、第2ヒンジ部15と、駆動用配線16と、磁界発生手段17と、磁性膜19とを備えている。
図2に示すように、第1基板11は、MEMSデバイス10の中央に配置されている。かかる第1基板11は、矩形状に形成されており、一方の面には、アルミ蒸着等によってマイクロミラー18が形成されている。第2基板12は、環状に形成され、第1基板11との間に空隙をおいて、第1基板11を囲繞するように、第1基板11の周囲に配置されている。第1基板11と第2基板12とは、2つの第1ヒンジ部14によって連結されており、第1基板11は、2つの第1ヒンジ部14によって第2基板12に対して揺動可能に支持されている。2つの第1ヒンジ部14は、同一直線状に位置するように、それぞれの一端部は、第1基板11の外縁部の対向する位置に接続されており、それぞれの他端部は、第2基板12の内縁部の対向する位置に接続されている。
フレーム13は、環状に形成され、第2基板12との間に空隙をおいて、第2基板12を囲繞するように、第2基板12の周囲に配置されている。第2基板12とフレーム13とは、2つの第2ヒンジ部15によって連結されており、第2基板12は、2つの第2ヒンジ部15によってフレーム13に対して揺動可能に支持されている。第1基板11と第2基板12との揺動の中心軸Aが同一直線状に位置するように、2つの第2ヒンジ部15は、2つの第1ヒンジ部14と同一直線状に位置するように配置されている。2つのそれぞれの第2ヒンジ部15の一端部は、第2基板12の外縁部の対向する位置に接続されており、それぞれの他端部は、フレーム13の内縁部の対向する位置に接続されている。
駆動用配線16は、第2基板12の一方の面において、第1基板11を囲繞するように環状に形成されており、図2(a)に示すように、第2基板12の中心軸Aの両側において、中心軸Aと平行に形成されている部分を有している。駆動用配線16の両端部は、第2ヒンジ部15を介して、フレーム13の外側に引き出されている。
駆動用配線16は、第2基板12の駆動用配線16を形成する部分以外にレジストを塗布し、第2基板12を無電解めっきして、駆動用配線16を形成する部分に銅膜等を形成し、その後レジストを除去することで、形成することができる。
磁性膜19は、第1基板11のマイクロミラー18が形成された面と反対面に設けられている。
磁界発生手段17は、ベース基板30に配置されている。図2(a)及び図2(b)に示すように、このベース基板30は、上記したパッケージ基板20の両外側に配置される基板である。この磁界発生手段17によって、磁界発生手段17の間には、図2に示す矢印X方向の磁界が発生している。磁界発生手段17には、例えば永久磁石を用いることができる。永久磁石を用いる場合、S極とN極とが対向するようにそれぞれのベース基板23に永久磁石を配置する。
このようなベース基板30の間に配置されるパッケージ基板20に、揺動ユニット10A(第1基板11、第2基板12、フレーム13、第1ヒンジ部14、第2ヒンジ部15、駆動用配線16が一体的に形成されたもの)が実装される。図3は、パッケージ基板20の平面図である。図3に示すように、パッケージ基板20は、中央に矩形状の開口部21が形成されている。パッケージ基板20への揺動ユニット10Aの実装は、中心軸Aの向きが、磁界発生手段17が発生させる磁界の向きと直交するように向けられ(図2(a)参照)、さらに、開口部21の上方に第1基板11と第2基板12とが位置した状態で開口部21の周囲にフレーム13が固定されることで行なわれる(図2(b)参照)。このように、第1基板11と第2基板12とが開口部21の上方に位置することで、第1基板11と第2基板12とが揺動しても、第1基板11と第2基板12とがパッケージ基板20と衝突して、これらの揺動が妨げられることが回避されている。
また、パッケージ基板20には、導電パターン22が形成されており、当該導電パターン22は、図1に示す交流電源30に接続されている。この導電パターン22には、フレーム13の外側に引き出された駆動用配線16の両端部が接着され、これにより駆動用配線16が交流電源30から交流電流の供給を受けることが可能になっている。駆動用配線16の両端部と導電性パターン22との接着には、例えば導電性接着材を用いることができる。なお、揺動部材10Aをパッケージ基板20へ実装する際に、これらの位置決めを容易にできるように、例えばフレーム13とパッケージ基板20の開口部21の周囲とに互いに嵌合する凹凸を形成してもよい。
以上のようにパッケージ基板20に実装されたMEMSデバイス10の駆動用配線16に交流電源30によって交流電圧が印加されて、駆動用配線16に交流電流が流れると、駆動用配線16の中心軸Aと平行に形成された部分において、中心軸Aと平行に電流が流れる。上述のように、中心軸Aが、磁界発生手段17が発生させる磁界の向きと直交するように揺動ユニット10Aが実装されているため、駆動用配線16の中心軸Aと平行に形成された部分においては、電流と、磁界の向きが直交し、図2(b)に示す矢印Z方向の磁気力が発生する。駆動用配線16に流れる電流は交流電流であるため、前記磁気力は向きが周期的に変化する。従って、磁気力の向きの変化によって、フレーム13に揺動可能に支持された第2基板12が第2ヒンジ部15の弾性力に抗しながら揺動する。第2基板12が揺動すると、第2基板12と第1基板11との揺動の中心軸が同一直線状に位置するように第1基板11と第2基板12とが支持されているので、第1基板11も第1ヒンジ部の弾性力に抗して揺動する。
また、本実施形態に係るMEMSデバイス10は、第1基板11に磁性膜19が設けられているため、第1基板11が揺動すると、磁性膜19は、磁界発生手段17が発生させる磁界を横断することになる。磁性膜19が磁界を横断したときの磁界の様子を磁力線を用いて描くと、図4に示すように、磁界の磁性膜19に横切られた部分においては、磁力線が、磁性膜19に沿って、磁性膜19の反対側の端部に向いた方向となり、磁性膜19の反対側の端部に磁力線が集中し、磁性膜19の反対側の端部と磁界発生手段17との間においては磁束密度が高い状態となる。本実施形態に係るMEMSデバイス10においては、第1基板11と第2基板12との揺動の中心軸が同一直線状に位置しており、第1基板11と第2基板12とが同一の周波数及び同一の位相で揺動する。よって、第2基板12に形成された駆動用配線16は、磁性膜19の反対側の端部と磁界発生手段17との間、または、この間の近傍に位置するため、駆動用配線16は磁束密度の高い位置に位置する。従って、本実施形態に係るMEMSデバイス10においては、少ない電力で大きな磁性力を発生させることができるので、少ない電力で第1の基板11を揺動させることができる。
第1基板が揺動することによって、第1基板に形成されたマイクロミラー18が揺動するため、レーザ光源2から出射されたレーザ光Lの反射方向が逐次変動し、レーザ光Lの反射光L’によって感光ドラムPが、プリント幅分だけ走査されることになる。
以上のように、本実施形態に係るMEMSデバイス10によれば、駆動用配線16が形成される第2基板12が、第1ヒンジ部14を介してマイクロミラー18が形成される第1基板11に連結されているため、駆動用配線16に交流電流が流れて駆動用配線16が発熱しても、第1基板11に熱が殆ど伝わらない構成とされている。従って、第1基板11と、第1基板11の表面に形成されるマイクロミラー18とがバイメタル効果によって反ることが防止される。
また、第1基板にマイクロミラー18が、第2基板12に駆動用配線16が形成されるため、同一部材にマイクロミラー18と駆動用配線16とが形成されないので、マイクロミラー18の形成のプロセスが複雑となることが防がれる。よって、本実施形態に係るMEMSデバイス10においては、平坦度の高いマイクロミラー18を形成することが可能である。以上のように、本実施形態に係るMEMSデバイス10においては、マイクロミラー18の反りの発生が抑えられ、且つ、平坦度の高いマイクロミラー18を実装することができる。
また、本実施形態に係るMEMSデバイス10は、第1基板11と第2基板12とフレーム13とが、第1ヒンジ部14と第2ヒンジ部15とによって連結されて一体物として形成されている。よって、フレーム13をパッケージ基板20に固定して、揺動ユニット10Aをパッケージ基板20に実装する際に、第1基板11と第2基板12とをフレーム13に支持するための部材を別途必要としないため、本実施形態に係るMEMSデバイス10は、低コストで提供することができる。さらに、本実施形態に係るMEMSデバイス10は、第1基板11と、第2基板12と、フレーム13と、第1ヒンジ部14と、第2ヒンジ部15と、磁界発生手段17とが2次元的に配置されているので、嵩張ることもない。
また、本実施形態に係るMEMSデバイス10においては、第1基板11と第2基板12との振れ角は、第1ヒンジ部14と第2ヒンジ部15とのばね定数を調整することによって個別に調整することができる。第1基板11の振れ角は、プリント幅の走査が可能な大きさとしなければならないが、第2基板12の振れ角の大きさについてはこのような制限がない。振れ角について制限のない第2基板12の振れ角を小さくすると、第2ヒンジ部15を介してフレーム13の外側に引き出された駆動用配線16の疲労を少なくでき、駆動用配線16の製品寿命を長くすることができる。
なお、本実施形態では、磁界発生手段17は、パッケージ基板20に配置されているが、パッケージ基板20に配置することに代えて、フレーム13の中心軸Aに対して直交方向の両側の位置に配置してもよい。
以下において、揺動ユニット10Aの変形例を説明する。図5は、当該変形例の平面図である。なお、図5においては、上記で説明した一実施形態と同一の部材については同一の符号を付している。
図5に示すように、本変形例においては、第1ヒンジ部14が4本設けられており、各第1ヒンジ部14は、略S字の曲線状に形成されている。第1ヒンジ部14は、第1基板11の外周縁のうち、対向する2辺のそれぞれに、2つ接続されている。各第1ヒンジ部14の第1基板11と接続された端部と反対側の端部は、第2基板12の内周縁の対向する2辺に接続されている。また、第2ヒンジ部15も4本設けられており、各第2ヒンジ部15も、略S字の曲線状に形成されている。第2ヒンジ部15は、第2基板12の外周縁のうち、対向する2辺のそれぞれに、2つ接続されている。各第2ヒンジ部15の第2基板12と接続された端部と反対側の端部は、フレーム13の内周縁の対向する2辺に接続されている。
本変形例においては、上述した4本の第1ヒンジ部14と第2ヒンジ部15とによって第1基板11と第2基板12との揺動の中心軸Aが同一直線状に位置するように、第1基板11と第2基板12とが支持されている。
さらに、本変形例においては、第2基板12には、スルーホール12a、12bが2箇所に形成され、フレーム13の一方の面に導電パターン13a、13bが形成されている。スルーホール12a、12bは、第2基板12の一方の面と他方の面とを導通させるために形成されたものである。スルーホール12a、12bは、例えば、第2基板12の一方の面から他方の面に貫通する貫通孔を穿孔し、当該貫通孔を形成する第2基板12の内壁に導電性部材を塗布して形成することができる。一方、導電パターン13a、13bは、それぞれ交流電源30と接続されている。
スルーホール12a、12bが形成された第2基板12には、駆動用配線16が、一方の面と他方の面との両面に形成されている。駆動用配線16の第2基板12の一方の面に形成される第1部分16aは、一端部が一方のスルーホール12aに接続され、他方のスルーホール12bが外側に位置するように、当該一端部を内側端部とした渦状に複数回巻かれた状態に形成されており、他端部が導電パターン13aに接続されている。また、図5の点線で示すように、駆動用配線16の第2基板12の他方の面に形成される第2部分16bは、一方のスルーホール12aと他方のスルーホール12bとを接続するように形成されており、一方のスルーホール12aを介して駆動用配線16の第1部分16aと接続されている。第2部分16bに接続される他方のスルーホール12bの第2基板12の一方の面側は、配線16cによって導電パターン13bと接続されており、第2部分16bは、他方のスルーホール12b及び配線16cを介して導電パターン13bと接続されている。
従って、本変形例においては、第1部分16aの他端部が導電パターン13aに接続され、この第1部分16aと接続された第2部分16bが、他方のスルーホール12b及び配線16cを介して導電パターン13bと接続されているため、駆動用配線16は、交流電源30から供給される電流を流すことができる。
このように駆動用配線16を形成すると、第2基板12の一方の面に渦状に複数回巻かれた状態に第1部分16aが形成されても、駆動用配線16を重ねて短絡させることなく、駆動用配線16を導電導電パターン13a、13bに接続することができる。本変形例のように、第2基板12の一方の面に渦状に複数回巻かれた状態に第1部分16aを形成し、駆動用配線16を短絡させることなく導電パターン13a、13bに接続させると、第2基板12上において同一方向に流れる電流が増大する。従って、中心軸Aと平行方向に流れる電流が増大し、当該電流が増大することで、当該電流と磁界発生手段17が発生させる磁界とによって生じる磁気力を大きくすることができる。よって、本変形例においては、交流電源30が供給する交流電流を増大させること無く、大きな磁気力を発生させることができ、少ない電力でマイクロミラー18を揺動させることができる。
なお、本変形例においては、導電パターン13a、13bがフレーム13に形成されているため、本変形例を実装するパッケージ基板20には、導電パターン22を形成する必要はない。もちろん、本変形例において、導電パターンをフレーム13に形成することは必須でなく、フレーム13に代えて、上記実施形態と同様に、パッケージ基板20に形成してもよい。
また、本変形例のように、駆動用配線16の第1部分16aを複数回渦状に巻いて、少ない電力でマイクロミラー18を揺動させる構成については、図2に示すような構成の揺動ユニット10Aにおいても実現することができる。具体的には、図2に示す第2基板12にスルーホール12a、12bを2箇所に設け、駆動用配線16を本変形例のように形成することで、実現することができる。
さらに、本変形例においても、駆動用配線16は、第2基板12の駆動用配線16を形成する部分以外にレジストを塗布し、第2基板12を無電解めっきして、駆動用配線16を形成する部分に銅膜等を形成し、その後レジストを除去することで、形成することができる。また、この方法でスルーホール12a、12bも駆動用配線16と同時に形成することが出来る。具体的には、第2基板12のスルーホール12a、12bを形成する部分に貫通孔を穿孔し、駆動用配線16を形成する部分と貫通孔の周囲の部分とを除いた部分にレジストを塗布し、第2基板12を無電解めっきして、駆動用配線16を形成する部分と貫通孔とに銅膜等を形成し、その後レジストを除去することで、形成することができる。
図1は、一実施形態に係るMEMSデバイスが用いられたレーザ光走査装置の概略構成図である。 図2は、一実施形態に係るMEMSデバイスの概略構成図であり、図2(a)は平面図を示し、図2(b)はC―C端面図を示す。 図3は、本実施形態に係るパッケージ基板の平面図である。 図4は、磁力線を用いて磁界の様子を表した図である。 図5は、揺動ユニットの変形例の平面図である。
符号の説明
1 MEMSアクチュエータ
10 MEMSデバイス
11 第1基板
12 第2基板
12a、12b スルーホール
13 フレーム
14 第1ヒンジ部
15 第2ヒンジ部
16 駆動用配線
16a 第1部分
16b 第2部分
17 磁界発生手段
18 マイクロミラー
19 磁性膜
10A 揺動ユニット
100 レーザ光走査装置
20 パッケージ基板
30 交流電源

Claims (3)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板の周囲に配置された環状の第2基板と、
    前記第2基板の周囲に配置されたフレームと、
    前記第1基板と前記第2基板とを連結し、前記第1基板を前記第2基板に対して揺動可能に支持する第1ヒンジ部と、
    前記第2基板と前記フレームとを連結し、前記第1ヒンジ部の揺動の中心軸と同一直線状に中心軸が位置するように、前記第2基板を前記フレームに対して揺動可能に支持する第2ヒンジ部と、
    前記第1基板及び前記第2基板の揺動の中心軸と平行な部分を有する前記第2基板に形成された駆動用配線と、
    前記第2基板の外側における前記第1基板及び前記第2基板の揺動の中心軸に対して直交方向の位置に配置され、前記第1基板及び前記第2基板の揺動の中心軸に対して直交方向の磁界を発生させる磁界発生手段とを備えたことを特徴とするMEMSデバイス。
  2. 前記第2基板は、一方の面と他方の面とを通電させるスルーホールが2箇所に設けられ、
    前記駆動用配線は、前記第2基板の一方の面に形成された第1部分と、他方の面に形成された第2部分とを具備し、
    前記第1部分は、一端部が一方のスルーホールに接続され、他方のスルーホールが外側に位置するように、当該一端部を内側端部とした渦状に形成され、
    前記第2部分は、両方のスルーホールを接続するように形成され、
    さらに、前記第1部分の他端部と前記他方のスルーホールの前記第2基板の一方の面側とが電源に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
  3. 前記第1基板の何れか一方の面に磁性膜が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のMEMSデバイス。
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