JP2007247597A - ガスタービンのシール構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラットフォーム34dの前縁側および/または後縁側に設けられたアーム部41と、内側シュラウド33cの後縁側および/または前縁側で、かつ、前記アーム部41の先端部を取り囲むように形成された凹所42とを備え、前記アーム部41の半径方向内側に位置する内周面41aが、その基端部から先端面41bにかけて、漸次半径方向外側に拡径する傾斜面とされ、前記先端面41bよりも半径方向内側に位置するとともに、前記凹所42を形成する側面42dが、前記プラットフォーム34dが取り付けられた動翼ディスクの回転軸に略平行となるように形成されている。
【選択図】 図2
Description
多量の冷却用空気が必要となり、ガスタービンの効率が低下してしまうといった問題点は、外周側が上下に2分割された半割れ構造を採用する産業用ガスタービン、すなわち、図2ないし図5に示した隙間tを有するようなガスタービンにおいて特に問題となる。
また、上記特許文献2に開示されているガスタービンのシール構造には、静翼の内周ケーシングの、動翼のタービンディスクと対向する部位に案内板部材が設けられている。そのため、シール構造が複雑化して、製造コストも増加してしまうといった問題点もあった。
また、半割れ構造を有する産業用のガスタービンにも適用することができるガスタービンのシール構造を提供することも目的としている。
本発明によるガスタービンのシール構造は、静翼ブレード本体の半径方向内側に配置された内側シュラウドと、動翼ブレード本体の半径方向内側に配置されたプラットフォームとの間に配置されたガスタービンのシール構造であって、前記プラットフォームの前縁側および/または後縁側に設けられたアーム部と、前記内側シュラウドの後縁側および/または前縁側で、かつ、前記アーム部の先端部を取り囲むように形成された凹所とを備え、前記アーム部の半径方向内側に位置する内周面が、その基端部から先端面にかけて、漸次半径方向外側に拡径する傾斜面とされ、前記先端面よりも半径方向内側に位置するとともに、前記凹所を形成する側面が、前記プラットフォームが取り付けられた動翼ディスクの回転軸に略平行となるように形成されている。
このようなガスタービンのシール構造によれば、動翼ディスクの回転に伴ってアーム部の側(半径方向外側)に供給されてきた(流れてきた)冷却用空気は、アーム部の内周面に沿って先端面の方(すなわち、凹所の方)へスムーズに導かれることとなる。一方、内側シュラウドとアーム部との間を通って進入してきた燃焼ガスは、凹所を形成する側面に沿って先端面の方へ導かれることとなる。そして、アーム部の内周面に沿って先端面の方へ導かれた冷却用空気と、側面に沿って先端面の方へ導かれた燃焼ガスとは、先端面の半径方向内側(例えば、図3中の破線で囲んだ部分)において、ぶつかり合う(衝突する)こととなる。このとき、冷却用空気と燃焼ガスとは十分にミキシングされることとなるので、進入してきた燃焼ガスの温度を十分に低下させることができるとともに、半径方向内側(すなわち、動翼ディスクの側)に温度の低い燃焼ガスを流すことができるようになる。また、先端面の半径方向内側(例えば、図3中の破線で囲んだ部分)において、燃焼ガスが冷却用空気により堰き止められ、燃焼ガスの進入が妨げられるような状態となるので、燃焼ガスの進入量を低減させることができる。
このようなガスタービンのシール構造によれば、動翼ディスクの回転に伴ってアーム部の側(半径方向外側)に供給されてきた(流れてきた)冷却用空気は、アーム部の内周面に沿って先端面の方(すなわち、凹所の方)へスムーズに導かれることとなる。一方、内側シュラウドとアーム部との間を通って進入してきた燃焼ガスは、凹所を形成する側面に沿って先端面の方へ導かれることとなる。そして、アーム部の内周面に沿って先端面の方へ導かれた冷却用空気と、側面に沿って先端面の方へ導かれた燃焼ガスとは、先端面の半径方向内側(例えば、図3中の破線で囲んだ部分)において、ぶつかり合う(衝突する)こととなる。このとき、冷却用空気と燃焼ガスとは十分にミキシングされることとなるので、進入してきた燃焼ガスの温度を十分に低下させることができるとともに、半径方向内側(すなわち、動翼ディスクの側)に温度の低い燃焼ガスを流すことができるようになる。また、先端面の半径方向内側(例えば、図3中の破線で囲んだ部分)において、燃焼ガスが冷却用空気により堰き止められ、燃焼ガスの進入が妨げられるような状態となるので、燃焼ガスの進入量を低減させることができる。
さらに、凹所を通過した(凹所から出てくる)燃焼ガスの主流が、動翼ディスクの回転軸から離れていく方向に進んでいくこととなるので、動翼ディスクの側に進む燃焼ガスの量を低減させることができる。
このようなガスタービンのシール構造によれば、例えば、図5に示すように、凹所の底面に沿って流れる燃焼ガスに向かって冷却用空気が噴出され、図5中の二点鎖線で囲んだ部分において、凹所の底面に沿って流れてきた燃焼ガスと、冷却用空気供給孔から噴出された冷却用空気とがぶつかり合う(衝突する)こととなる。このとき、冷却用空気と燃焼ガスとは十分にミキシングされることとなるので、進入してきた燃焼ガスの温度を十分に低下させることができる。
このようなタービンによれば、冷却用空気の量が少量で済むので、冷却用空気の消費量を低減させることができるとともに、ガスタービンの性能を向上させることができる。
図1は、本実施形態に係るガスタービンのシール構造(以下、「シール構造」という)40を具備したガスタービン10のタービン部30の概略縦断面図である。
図1に示すように、ガスタービン10は、燃焼用空気を圧縮して燃焼器(combustor)20に送る圧縮機(図示せず)と、この圧縮機(compressor)から送られてきた燃焼用空気に燃料を噴射して燃焼させ、高温燃焼ガスGを発生させる燃焼器20と、この燃焼器20の下流側に位置し、燃焼器20を出た燃焼ガスGにより駆動されるタービン部30とを主たる要素として構成されたものである。
1段静翼31、2段静翼33、3段静翼35、および4段静翼37はそれぞれ、外側シュラウド(outer shroud)31a,33a,35a,37a、断面翼型を有する静翼ブレード本体31b,33b,35b,37b、および内側シュラウド(inner shroud)31c,33c,35c,37cを具備するものであり、外側シュラウド31a,33a,35a,37aを介して静止側の車室(図示せず)に固定されている。
これら1段静翼31、2段静翼33、3段静翼35、および4段静翼37は、燃焼ガスGを膨張・減圧させるほか、これら静翼31,33,35,37からの流出ガスが、下流側に位置する動翼(moving blade)32,34,36,38に対して最適な角度で衝突するよう流れの方向を与える働きをするものである。
なお、図1中の符号Rは、動翼ディスク32e,34e,36e,38eの回転軸である。
図2および図3に示すように、シール構造40は、プラットフォーム34dの前縁側(燃焼ガスGの流れに対して上流側)に設けられたアーム部41と、内側シュラウド33cの後縁側(燃焼ガスGの流れに対して下流側)で、かつ、アーム部41の先端部と対向する位置に設けられた凹所42とを備えている。
一方、アーム部41の半径方向外側に位置する外周面(内側シュラウド33cの後縁部内周面42aと対向する外周面)41cは、その基端部(動翼ブレード本体34bの側に位置する根本部)から先端部に向かって漸次(徐々に)縮径した後、先端部に向かって漸次(徐々に)拡径する傾斜面、すなわち、断面視略V字状の傾斜面とされている。
また、アーム部41の先端には、内側シュラウド33cの後縁部内周面42aに向かって突出する、断面視矩形状の凸部(フランジ部)41dが設けられている。
なお、先端面41bは、動翼ディスク32e,34e,36e,38eの回転軸Rと直交する面に略平行となるように形成されており、凸部41dの半径方向外側に位置する外周面41eは、動翼ディスク32e,34e,36e,38eの回転軸Rに略平行となるように形成されている。
後縁部内周面42aは、凸部41dの外周面41eと対向するとともに、凸部41dの外周面41eに略平行となるように(すなわち、動翼ディスク32e,34e,36e,38eの回転軸Rに略平行となるように)形成されている。
底面42cは、内側シュラウド33cの半径方向内側に位置する後縁側端面33c’よりも前縁側(燃焼ガスGの流れに対して上流側)に位置するとともに、先端面41bに略平行となるように(すなわち、動翼ディスク32e,34e,36e,38eの回転軸Rと直交する面に略平行となるように)形成されている。
傾斜面42bは、後縁部内周面42aの前縁側の一端と、底面42cの半径方向外側の一端とを連結するとともに、半径方向内側から外側にかけて漸次(徐々に)拡径するすり鉢状の斜面である。
側面42dは、底面42cの半径方向内側の他端と、後縁側端面33c’の半径方向外側の一端とを連結する平面であり、後縁部内周面42aに略平行となるように(すなわち、動翼ディスク32e,34e,36e,38eの回転軸Rに略平行となるように)形成されている。
また、内側シュラウド33cの半径方向内側に位置する後縁側端面33c’と、アーム部41の先端面41bとの間には、隙間tが形成されており、半割れ構造のガスタービンにおいて組立て可能な構造となっている。
また、本実施形態に係るシール構造40は、単純な構造となっているので、製造コストの低減化を図ることができる。
本実施形態に係るシール構造50は、側面42dの代わりに側面52dが設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
また、凹所42を通過した(凹所42から出てくる)燃焼ガスGの主流が、動翼ディスク32e,34e,36e,38eの回転軸Rから離れていく方向に進んでいくこととなるので、動翼ディスク32e,34e,36e,38eの側に進む燃焼ガスGの量を低減させることができる。
その他の作用効果については、前述した第1実施形態と同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態に係るシール構造60は、凹所42の底面42cに、冷却用空気Cを供給するための冷却用空気供給孔61が設けられているという点で前述した第2実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第2実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
その他の作用効果については、前述した第2実施形態と同じであるので、ここではその説明を省略する。
33b 静翼ブレード本体
33c 内側シュラウド
33c’後縁側端面
34b 動翼ブレード本体
34d プラットフォーム
34e 動翼ディスク
40 シール構造
41 アーム部
41a 内周面
41b 先端面
42 凹所
42a 後縁部内周面(壁面)
42b 傾斜面(壁面)
42c 底面(壁面)
42d 側面(壁面)
50 シール構造
52d 側面(壁面)
60 シール構造
61 冷却用空気供給孔
C 冷却用空気
G 燃焼ガス
R 回転軸
Claims (4)
- 静翼ブレード本体の半径方向内側に配置された内側シュラウドと、動翼ブレード本体の半径方向内側に配置されたプラットフォームとの間に配置されたガスタービンのシール構造であって、
前記プラットフォームの前縁側および/または後縁側に設けられたアーム部と、前記内側シュラウドの後縁側および/または前縁側で、かつ、前記アーム部の先端部を取り囲むように形成された凹所とを備え、
前記アーム部の半径方向内側に位置する内周面が、その基端部から先端面にかけて、漸次半径方向外側に拡径する傾斜面とされ、
前記先端面よりも半径方向内側に位置するとともに、前記凹所を形成する側面が、前記プラットフォームが取り付けられた動翼ディスクの回転軸に略平行となるように形成されていることを特徴とするガスタービンのシール構造。 - 静翼ブレード本体の半径方向内側に配置された内側シュラウドと、動翼ブレード本体の半径方向内側に配置されたプラットフォームとの間に配置されたガスタービンのシール構造であって、
前記プラットフォームの前縁側および/または後縁側に設けられたアーム部と、前記内側シュラウドの後縁側および/または前縁側で、かつ、前記アーム部の先端部を取り囲むように形成された凹所とを備え、
前記アーム部の半径方向内側に位置する内周面が、その基端部から先端面にかけて、漸次半径方向外側に拡径する傾斜面とされ、
前記先端面よりも半径方向内側に位置するとともに、前記凹所を形成する側面が、前記内側シュラウドの端面の側から前記凹所を形成する底面の側にかけて、漸次半径方向内側に拡径するように形成されていることを特徴とするガスタービンのシール構造。 - 前記内側シュラウドに、前記凹所を形成する壁面に沿って流れる燃焼ガスに向けて冷却用の空気を噴出する冷却用空気供給孔が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスタービンのシール構造。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載のガスタービンのシール構造を備えてなることを特徴とするガスタービン。
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