−第1実施例−
図1に、本発明の第1実施例のフルカラーデジタル複合機能複写機MF1の外観を示す。このフルカラー複写機MF1は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)120と、操作ボード10と、カラースキャナ100と、カラープリンタ200の各ユニットで構成されている。なお、操作ボード10と、ADF120付きのカラースキャナ100は、プリンタ200から分離可能なユニットであり、カラースキャナ100は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、プリンタ200のエンジンコントローラと直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読取りを行う。
図2に、複合機能複写機MF1のカラープリンタ200の機構を示す。この実施例のカラープリンタ200は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ200は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットa〜dが、第1転写ベルト208の移動方向(図中の左から右方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式(タンデム方式)のフルカラー画像形成装置である。回転可能に支持され矢印方向に回転する感光体201の外周部には、除電装置,クリーニング装置,帯電装置202および現像装置204が配備されている。帯電装置202と現像装置204の間には、露光装置203から発せられる光情報の入るスペースが確保されている。感光体201は4個(a,b,c,d)あるが、それぞれ周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。現像装置204が扱う色材(トナー)の色が異なる。各感光体201(4個)の一部が、第1転写ベルト208に接している。ベルト状の感光体も採用可能である。
第1転写ベルト208は矢印方向に移動可能に、回転する支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第1転写ローラが感光体201の近傍に配備されている。ベルトループの外側に、第1転写ベルト用のクリーニング装置が配備されている。第1転写ベルト208より転写紙(用紙)又は第2転写ベルト215にトナー像を転写した後にその表面に残留する不要のトナーを拭い去る。露光装置203は公知のレーザ方式で、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体表面に照射して静電潜像を形成する。LEDアレイと結像手段から成る露光装置も採用できる。
図2上で、第1転写ベルト208の右方には、第2転写ベルト215が配備されている。第1転写ベルト208と第2転写ベルト215は接触し、あらかじめ定められた転写ニップを形成する。第2転写ベルト215は矢印方向に移動可能に、支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第2転写手段が配備されている。ベルトループの外側に、第2転写ベルト用のクリーニング装置,チャージャ等が配備されている。該クリーニング装置は、用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。転写紙(用紙)は、図の下方の給紙カセット209,210に収納されており、最上の用紙が給紙ローラで1枚づつ、複数の用紙ガイドを経てレジストローラ233に搬送される。第2転写ベルト215の上方に、定着器214、排紙ガイド224、排紙ローラ225、排紙スタック226が配備されている。第1転写ベルト208の上方で、排紙スタック226の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部227が設けてある。トナーの色はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色があり、カートリッジの形態にしてある。粉体ポンプ等により対応する色の現像装置204に適宜補給される。
ここで両面印刷のときの各部の動作を説明する。まず感光体201による、作像が行われる。すなわち、露光装置203の作動により、不図示のLD光源からの光は、不図示の光学部品を経て、帯電装置202で一様に帯電された感光体201のうち、作像ユニットaの感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。感光体201上の潜像は現像装置204で現像され、トナーによる顕像が感光体201の表面に形成され保持される。このトナー像は、第1転写手段により、感光体201と同期して移動する第1転写ベルト208の表面に転写される。感光体201の表面は、残存するトナーがクリーニング装置でクリーニングされ、除電装置で除電され次の作像サイクルに備える。第1転写ベルト208は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。作像ユニットbの感光体201に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第1転写ベルト208に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。なお、単色黒のみを形成する場合もある。このとき同期して第2転写ベルト215は矢印方向に移動していて、第2転写手段117の作用で、第2転写ベルト215の表面に第1転写ベルト208表面に作られた画像が転写される。いわゆるタンデム形式である4個の作像ユニットa〜dの各感光体201上で画像が形成されながら、第1,第2転写ベルト208,215が移動し、作像が進められるので、その時間が短縮できる。第1転写ベルト208が、所定のところまで移動すると、用紙の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度感光体201により作像され、給紙が開始される。給紙カセット121又は122内の最上部にある用紙が引き出され、レジストローラ233に搬送される。レジストローラ233を経て、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215の間に送られる用紙の片側の面に、第1転写ベルト208表面のトナー像が、第2転写手段117により転写される。更に記録媒体は上方に搬送され、第2転写ベルト215表面のトナー像が、チャージャにより用紙のもう一方の面に転写される。転写に際して、用紙は画像の位置が正規のものとなるよう、タイミングがとられて搬送される。
上記のステップで両面にトナー像が転写された用紙は、定着器214に送られ、用紙上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド224を経て排紙ローラ225により本体フレーム上部の排紙スタック226に排出される。図2のように、排紙部224〜226を構成した場合、両面画像のうち後から用紙に転写される面(頁)、すなわち第1転写ベルト208から用紙に直接転写される面が下面となって、排紙スタック226に載置されるから、頁揃えをしておくには2頁目の画像を先に作成し、第2転写ベルト215にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を第1転写ベルト208から用紙に直接転写する。第1転写ベルト208から直接に用紙に転写される画像は、感光体表面で正像にし、第2転写ベルト215から用紙に転写されるトナー像は、感光体表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順、ならびに、正、逆像(鏡像)に切り換える画像処理も、コントローラ501上でのメモリに対する画像データの読書き制御によって行っている。第2転写ベルト215から用紙に転写した後、ブラシローラ,回収ローラ,ブレード等を備えたクリーニング装置が、第2転写ベルト215に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。
図2では、第2転写ベルト215のクリーニング装置のブラシローラが、第2転写ベルト215の表面から離れた状態にある。支点を中心として揺動可能で、第2転写ベルト215の表面に接離可能な構造になっている。用紙に転写する以前で、第2転写ベルト215がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図で反時計方向に揺動し接触させる。除去された不要トナーはトナー収納部に集められる。以上が、「両面転写モード」を設定した両面印刷モードの作像プロセスである。両面印刷の場合には、常にこの作像プロセスで印刷が行われる。
片面印刷の場合には、「第2転写ベルト215による片面転写モード」と「第1転写ベルト208による片面転写モード」の2つがあり、前者の第2転写ベルト215を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が第2転写ベルト215に転写され、そして用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の上面に印刷画面がある。後者の第1転写ベルト208を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が、第2転写ベルト215には転写されずに、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合は、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の下面に印刷画面がある。
図3に、図1に示す複合機能複写機MF1の電装系統のシステム構成を示す。電装システムは、画像形成装置の全体制御を行うプリンタコントローラ501、コントローラ501に接続された、画像形成装置の操作ボード10、画像データを記憶するHDD503、アナログ回線を使用して外部との通信を行う通信コントロール装置インターフェースボード504、LANインターフェースボード505、汎用PICバスに接続された、FAXのコントロールユニット506、IEEE1394ボード、無線LANボード、USBボード等507と、PCIバスでコントローラに接続されたエンジン制御510、エンジン制御510に接続された、画像形成装置のI/Oを制御する入出力制御20、及び、コピー原稿(画像)を読込むスキャナーボード(SBU:Sensor Board Unit)111、及び画像データが表わす画像光を感光体ドラム上に投射する(光書込みする)光書込ユニット512等で構成される。
原稿を光学的に読み取るスキャナ100は、原稿に対する原稿照明光源の走査を行い、CCD110に原稿像を結像する。原稿像すなわち原稿に対する光照射の反射光をCCD110で光電変換してR,G,B画像信号を生成する。
通信コントロール装置インターフェイスボード504は、装置に不具合が発生した場合に外部の遠隔地診断装置に即時に通報し、故障個所の内容,状況等をサービスマンが認識し早急に修理することを可能としている。また、それ以外に装置の使用状況等の発信にも使用されている。
図3に示すCCD110は、3ラインカラーCCDであり、EVENch(偶数画素チャンネル)/ODDch(奇数画素チャンネル)のR、G、B画像信号を生成し、SBUボードのアナログASIC(Application Specific IC)に入力する。SBUボード111にはアナログASIC及び,CCD、アナログASICの駆動タイミングを発生する回路を備えている。CCD110の出力は、アナログASIC内部のサンプルホールド回路により、サンプルホールドされその後、A/D変換され、R、G、Bの画像データに変換し、且つシェーディング補正し、そして出力I/F(インターフェイス)112で画像データバスを介して画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)に送出する。
IPPは画像処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段であり、分離生成(画像が文字領域か写真領域かの判定:像域分離),地肌除去,スキャナガンマ変換,フィルタ,色補正,変倍,画像加工,プリンタガンマ変換および階調処理を行う。SBUからIPPに転送された画像データは、IPPにて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正され、フレームメモリ521に書き込まれる。
プリンタコントローラ501には、CPU及びプリンタコントローラボードの制御を行うROM、CPUが使用する作業用メモリであるRAM,リチウム電池を内臓し、SRAMのバックアップと時計を内臓したNV−RAM及び、プリンタコントローラボードのシステバス制御、フレームメモリ制御、FIFO等のCPU周辺を制御するASIC及びそのインターフェース回路等が搭載されている。
プリンタコントローラ501は、スキャナアプリケーション,ファクシミリアプリケーション,プリンタアプリケーションおよびコピーアプリケーション等の複数アプリケーションの機能を有し、システム全体の制御を行う。操作ボード10の入力を解読して本システムの設定とその状態内容を操作ボードの表示部に表示する。
PCIバスには多くのユニットが接続されており、画像データバス/制御コマンドバスで、画像データと制御コマンドが時分割で転送される。
通信コントロール装置インターフェースボード504は、通信コントロール装置と、コントローラ501との通信インターフェースボードである。コントローラ501との通信は、全二重非同期シリアル通信で接続されている。通信コントロール装置522とは、RS−485インターフェース規格により、マルチドロップ接続されている。遠隔の管理システムとの通信は、この通信コントローラ装置インターフェースボード504を経由して実施される。
LANインターフェースボード505は、社内LANに接続されている。社内LANとコントローラ501との通信インターフェースボードであり、PHYチップを搭載している。LANインターフェースボード505とコントローラ501とは、PHYチップI/F及びI2CバスI/Fの標準的な通信インターフェースで接続されている。外部機器との通信はこのLANインターフェースボード505を経由して実施される。
HDD503は、システムのアプリケーションプログラムならびにプリンタ、作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベース、ならびに、読取り画像や書込み画像のイメージデータ、すなわち画像データ、ならびにドキュメントデータを蓄える画像データベースとして用いられる。物理インターフェース、電気的インターフェース共に、ATA/ATAPI−4に準拠したインターフェースでコントローラに接続されている。
操作ボード10には、液晶タッチパネルのほかに、テンキー,クリア/ストップキー,スタートキー,初期設定キー,モード切換えキー,テスト印刷キー,電源キー等がある。また、液晶タッチパネルの左側には、URL,メール文,ファイル名,フォルダ名等の入力,設定用ならびに短縮登録用の、平仮名を付記したアルファベットキーボードがある。
液晶タッチパネルには、各種機能キーならびにエンジン510およびコントローラ501の動作状態を示すメッセージなどが表示される。液晶タッチパネルには、「コピー」機能,「スキャナ」機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能の選択用および実行中を表わす機能選択キーが表示される。機能選択キーで指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、機能キーならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージが表示される。オペレータが液晶タッチパネルに表示されたキーにタッチすると、操作ボード10はオペレータ入力として読み込み、選択された機能を示すキーを、指定中を表す灰色に反転表示する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチする事で詳細機能の設定画面がポップアップ表示される。このように、液晶タッチパネルは、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。機能キーの中には、印刷色指定キー「黒(Bk)」,「フルカラー」,「自動色選択」,「青(C)」,「赤(M)」および「黄(Y)」指定キーがある。
操作ボード10の内部には、CPU及びROM,RAM、LCD及びキー入力を制御するASIC(LCDC)が搭載されている。ROMには操作ボード10の入力読込み、及び表示出力を制御する、操作ボード10の制御プログラムが書き込まれている。RAMは、CPUで使用する作業用メモリである。プリンタコントローラ501との通信により、パネルを操作して使用者がシステム設定の入力を行う入力と、使用者にシステムの設定内容,状態を表示する、表示および入力の制御を行っている。
プリンタコントローラ501のワークメモリから出力されたBk,C,M,Yの各色の書込み信号(画像DATA)は、光書込みユニット512に入力される。光書込みユニット512で書込み信号に基づくLD電流制御(PWM制御)が行われ、各LDが書込み信号に対応して付勢(駆動;通電)される。
エンジン制御510は、画像形成の制御すなわち作像制御を主として行い、CPU及び、画像処理を行うIPP、複写およびプリントアウトを制御するため必要なプログラムを内蔵したROM、その制御に必要なRAM、及びNV−RAMを搭載している。NV−RAMにはSRAMと、電源OFFを検知して、EEPROMにストアするメモリを搭載している。また、他の制御を行なうCPUとの信号の送受信を行なう、シリアルインターフェースも備えているI/O ASICは、エンジン制御ボードが実装された、近くのI/O(カウンター、ファン、ソレノイド、モータ等)を制御するASICである。入出力制御20とエンジン制御ボード510とは同期シリアルインターフェース接続されている。
入出力制御20には、サブCPUを搭載しており、Pセンサ、Tセンサ等のアナログ制御,用紙センサの検出信号を参照するジャム検出,用紙搬送制御も含む画像形成装置のI/O制御および電源制御を行っている。入出力制御20には、各種センサ,アクチュエータ(モータ、クラッチ、ソレノイド)とのインターフェース回路がある。
電源装置には、主電源スイッチ28を介して外部入力ACが与えられる主電源29,補助電源32,複写機MF1の24V系負荷への給電電流値を検出する負荷電流検出器33および電流指示器64がある。
図4に、電源装置の構成をやや詳細に示す。主電源SW28のオン(閉)により、商用AC電源が主電源29および補助電源32に供給される。その商用AC電源から、主電源29の、AC制御回路である定着電源31および定電圧電源30、ならびに補助電源32のキャパシタ充電器38に、商用AC電圧が印加される。定着電源31は、入出力制御20から与えられる、電力上限指示信号に対応する位相角限度内の、定着器214(図2)の定着ヒータ36の発熱による定着器温度を目標値(リロード目標値/待機時目標値/作像時目標値)に合致させるためのサイリスタ導通位相角で、給電サイリスタを導通トリガして、AC電力を定着ヒータ36に通電する。すなわち、電力上限指示信号で指定される電力範囲内で、定着器温度をフィードバック制御する。
主電源29の、第1電源である定電圧電源30は、商用ACをDCに変換しそしてDC/DCコンバータの定電圧フィードバック制御で5Vと24Vの2系統のDC定電圧を発生して、5V系負荷と24V系負荷に出力する。定電圧電源30により生成される5V定電圧を用いて各制御部のCPUが動作する。主電源29の24V出力は24V系負荷35へ印加される。
補助電源32は、本実施例では、キャパシタ充電器38,それによって充電されるキャパシタ37、および、キャパシタ電力を24V系負荷35への給電ラインに定電流出力する、第2電源である定電流電源26で構成される。負荷電流検出器33は、定電圧電源30(第1電源)および定電流電源26(第2電源)が同時に供給する電流値の和である24V系負荷電流値を検出して電流検出信号を、電流指示器64に与える。電流指示器64には、入出力制御20が、定電圧電源30の出力電流上限値を指定する上限指示データMCDを与える。電流指示器64は、24V系負荷電流値より上限指示値を減算した値(=定電流電源26の出力電流指示値)を示す電流指示信号Sioを定電流電源26に与える。定電流電源26は、該電流指示信号Sioが指示する電流値を目標値とする定電流制御によって、キャパシタ37の電力を24V系負荷ラインに定電流給電する。定電流電源26の内部の、定電流制御に用いるフィードバック制御信号Smは、電源26の外部のA/Dコンバータ70にも与えられ、入出力制御20が、フィードバック制御信号SmをA/Dコンバータ70でデジタルデータすなわちフィードバック制御データSmに変換して読み込み、該制御データSmに基づいて、定電流電源26の出力異常の有無を判定する。
主電源SW28のオフからオンへの切り換わりにより、定着電源31,定電圧電源30およびキャパシタ充電器38に商用交流が供給され、定着電源31が定着ヒータ36に給電し、定電圧電源30が5Vおよび24V定電圧を発生する。このとき定着器温度が低いと入出力制御20が定着電源31への電力消費量の割り当てを高くして定着器214をヒートアップ(リロード)する。この状態では定着ヒータ36による電力消費が大きい。定着器214のヒートアップを終えて印刷指示を待つ状態が待機モードである。この状態では複写機の電力消費は少ない。待機モードでコピー又は印刷の指示があると、プリンタコントローラ501が、エンジン制御510にコピー又は印刷を指示し、エンジン制御510がこれを開始する。エンジン制御510がコピー又は印刷を実行している状態は動作モードであり、消費電力が大きい。入出力制御20は、エンジン制御510の入出力制御命令に従い、センサおよび各種負荷に対する入出力を行う。
補助電源32のキャパシタ37は、電気二重層コンデンサ等の大容量のキャパシタで構成した。電気二重層コンデンサ以外にもいろいろと選択可能だが、本実施例では短時間での充放電が可能で、長寿命である電気二重層コンデンサを用いた。電気二重層コンデンサの特徴として、放電するに従い端子電圧(キャパシタ電圧)が低くなってしまうため、定電流電源26をキャパシタ37の後に配置することにより、キャパシタ電圧の変動にもかかわらず、所要電流値を出力するようにしている。
図5は、入出力制御20の構成を表すブロック図である。入出力制御20は、エンジン制御510からの制御命令ならびに、ROM22に格納されたプログラムや不揮発性RAM24に格納されたプログラムやデータに従って、センサおよび負荷に対する入出力制御および電源装置の制御を行うCPU21と、CPU21を動作させるためのプログラムを格納するROM22と、CPU21のワークメモリとして使用されるRAM23と、各負荷の動作状態や各動作モードにおける消費電力データを格納した消費電力テーブルや各動作モードにおける印刷処理に要する時間データを格納した印刷処理時間テーブルなどを記憶する不揮発性RAM24と、フルカラーデジタル複合機能複写機MF1の各センサ26の入力読み込みおよび負荷35の個々の駆動(付勢/消勢)を制御するI/O制御部25とを備えている。
入出力制御20は、エンジン制御510の画像読込み,印刷,複写等のプロセス制御,シーケンス制御に伴なう指示に従って、センサおよび負荷への入出力制御および電源制御を行っており、各動作モードに応じてシーケンシャルに各負荷を動作させる。また入出力制御20は、キャパシタ37の充放電の制御も行っており、装置の立ち上げ時、及び立ち上げ後所定の時間までの期間は、キャパシタ37に蓄積された電力から、24V系負荷35に給電する。このときACライン27からの供給電力に対して生じる余裕分によって、定着ヒータ36への供給電力量を増大する。定着電力が低く、しかも負荷電流が少ない待機モードにおいて、充電器38を用いてキャパシタ37を充電する。
図6に、図4に示す定電流電源26,負荷電流検出器33および電流指示器64の構成を示す。キャパシタ37は、本実施例では電気二重層キャパシタである。電気二重層キャパシタは耐圧が低く、使用上の充電上限電圧は2.5Vである。そのために、高い電圧を得るためには、何個も直列に接続する必要がある。しかし、小容量のキャパシタを沢山直列にするよりも、大容量のキャパシタを少なく使った方が、同じ容量を低コストで得ることができる。24V負荷に給電するためには、電気二重層キャパシタを直列数9個以下で用いる場合は、充電上限電圧が22.5V以下になるので、昇圧レギュレータを用いて定電流電源26を構成する必要がある。そこで本実施例では、昇圧レギュレータ40で、キャパシタ37の電力を昇圧して定電流出力する。
昇圧レギュレータ40の半導体スイッチ41は、PWMコントローラ42の出力PWMパルスのH期間に導通(ON;オン)し、L期間は非導通(OFF;オフ)となる。スイッチ41が導通すると、キャパシタ37からリアクトル43およびにスイッチ41に電流が流れ、リアクトル43が蓄電し、スイッチ41が非導通に転換したときにリアクトル43の蓄電電力が高圧となってダイオード44を通してキャパシタ45を高圧充電する。スイッチ41のPWMパルス周期のON/OFFの繰り返しにより、キャパシタ45の電圧が上昇し、電流検出抵抗47を通して、また電源ON/OFFコントローラ55の半導体スイッチ56を通して、更に、負荷電流検出器33の電流検出抵抗60を通して、24V系負荷35に給電する。
負荷電流検出器33は、電流検出抵抗60の両端の電位差を差動増幅器61で増幅して、負荷電流値に比例する負荷電流信号(抵抗60の電圧降下電圧:図7の(a))を発生し、抵抗62およびキャパシタ63でなるローパスフィルタを通して、電流指示器64に出力(印加)する。該ローパスフィルタは、モータ起動時の略10msec程度の期間の過電流(突入電流)を吸収し平滑化する数10msec程度の時定数のものである。
電流指示器64は、入出力制御20が与える電流上限値指示データMCDをD/Aコンバータ65で上限指示信号(電圧)にアナログ変換し、差動増幅器66で、負荷電流検出値−上限指示値を演算し、演算結果を表す差分電圧を、負電圧はダイオード67で遮断して、定電流電源26に、電流指示信号として出力する。すなわち、電流指示器64は、24V系負荷電流検出値(所要負荷電流値)から、入出力制御20が指示する定電圧電源30の出力電流上限値(MCD:30へのAC電力消費割当の上限値)を差し引いた差分値(図7の(b))を、定電流電源26が負担すべき目標電流値として、その分の電流出力を、定電流電源26に指示する。
定電流電源26は、電流検出抵抗47の両端の電位差を差動増幅器48で増幅して、出力電流値に比例する出力電流信号(抵抗47の電圧降下電圧)を発生する。バイアス回路49が該出力電流信号の電圧レベルを設定値分引き上げた正バイアスの出力電流信号を差動増幅器50に与える。差動増幅器50は、正バイアスの出力電流信号から、電流指示器64が与える目標電流値の差分、すなわち定電流フィードバック制御のエラー電圧を、PWMコントローラ42に、PWMパルスのデューティ指示信号として与える。
PWMコントローラ42は、デューティ指示信号にて指定されるデューティに、半導体スイッチ41をオン/オフ駆動するPWMパルスのデューティを定める。すなわち、電流指示器64の、電流指示信号である出力信号(定電流電源26が負担すべき目標電流値)Sioが高くなって差動増幅器50の出力電圧Sm(フィードバック制御信号)が低下すると、PWMパルスのデューティを高くする。これにより昇圧レギュレータ40の出力電流値が増大する。これにより電流検出抵抗47の電圧降下が増大し出力電流検出信号のレベルが上昇して差動増幅器50の出力電圧Smが上昇すると、PWMパルスのデューティを低くする。これにより昇圧レギュレータ40の出力電流値が低下する。このようなフィードバックPWM制御により、昇圧レギュレータ40の出力電流値が、電流指示器64が与える、24V系負荷電流検出値(所要負荷電流値)から、入出力制御20が指示する定電圧電源30の出力電流上限値MCDを減算した差分Sio(電流指示信号)に相当する値となる。図7の(c)に、24V系負荷電流検出値(実線)と、定電圧電源30の出力電流上限値(指示値)MCD(点線)と、定電流電源26の出力電流値(一点鎖線)、の3者の関係を示す。
24V系負荷35には、入出力制御20がオン/オフ制御する負荷の他に、待機モードおよび動作モードでは常に駆動される冷却ファンなどの24V系負荷などもあり、入出力制御20がその制御対象である24V系負荷をオフ(非通電)にしていても、24V系負荷への給電ライン(負荷電流検出器33)には負荷電流が流れる。図6に示す昇圧レギュレータ40は、ブースト(Boost)方式の昇圧タイプであるので、PWMコントローラ42が半導体スイッチ41のスイッチング動作(PWMパルス出力)を停止していても、レギュレータ40の出力電圧が入力電圧よりも低下すると、入力から出力に向けて電流が流れてしまう。すなわちキャパシタ37が放電する。主電源スイッチ28がOFFされたりして定電圧電源30の24V出力電圧が消え、しかも24V系負荷のいずれかがオンであると、キャパシタ37が該負荷に放電してしまう。これを防止するために本実施例では、定電流電源26に電源ON/OFFコントローラ55を備えている。
電源ON/OFFコントローラ55は、電圧検出器57にて、電源26の出力端の電圧を監視して、それが、定電圧電源30の24V出力電圧下限値から、負荷電流による降下電圧を引いた値より少し小さい設定値(例えば22.8V)以下になると、監視出力信号を、正常時の高レベルHから、出力の低電圧異常を示す低レベルLに切り換える。アンドゲート58には、入出力制御20が電源ON/OFF指示信号(H:ON指示/L:OFF指示)を与えているので、電圧検出器57の監視出力信号が正常を示すHである間は、アンドゲート58の出力がHでトランジスタ59はONで半導体スイッチ56をONにしているが、電圧検出器57の監視出力信号が低圧異常を示すLに切り換わると、トランジスタ59がOFFに転じて半導体スイッチ56がOFFに転じて、負荷給電ラインへの、電源26出力を遮断する。すなわちキャパシタ37の放電を防ぐ。アンドゲート58の出力信号(H:電流出力指示/L:電流出力遮断指示)は、PWMコントローラ42にも与えられ、この信号に応答してPWMコントローラ42は、H(電流出力指示)であると前述のPWMパルスを半導体スイッチ41に与えてそれをON/OFF駆動するが、L(電流出力遮断指示)であると、半導体スイッチ41にLを与えて半導体スイッチ41をOFFに拘束する。このOFFにより、半導体スイッチ41を通るキャパシタ37の放電も防止される。
電圧リミッタ51は、定電流電源26の出力端の電圧が、定電圧素子52を用いて設定した閾値(設定値)を超えると、比較器53の出力を、正常を表わすLから異常を表わすHに切り換える。このHがダイオード54を通してPWM42への、フィードバック制御信号であるPWM制御信号Smを、デューティ0以下を指定する電圧レベルに高くし、半導体スイッチ41を連続OFFに拘束する。仮に定電流電源26の出力端の電圧が異常に高くなると、これにより抵抗47により検出する出力電流値が低下し、これに応答してPWMコントローラ42が出力電流値を高くするようにPWMパルスのデューティを高くするので、出力電圧の高異常を更に増幅することになってしまう。電圧リミッタ51はこのような異常動作を未然に防止する。電圧リミッタ51のレギュレータ40を動作停止する設定値は、定電圧電源30の正常出力電圧の最大値より高くする必要がある。定電圧電源30の出力電圧の正常範囲を24V+5%以下、−4%以上に定めているので、25.2V以上である必要がある。一方、負荷35への出力電圧は、24V+10%が上限であるので、26.4V以下の必要がある。そこで本実施例では、電圧リミッタ51の上記設定値(リミット電圧)は、25.2V以上26.4V以下の範囲内の値に定めている。
次に、定電流電源26の出力電流の推移の概要を説明する。主電源スイッチ28オン直後の、定着温度を目標温度に立ち上げる定着リロード期間では、装置に要求される立ち上げ時間を満足させるため、通常時より多大な電力を定着ヒータ36に供給し、定着ヒータ36をプリントが可能な温度にできるだけ早く立ち上げる。定着温度をプリントが可能な温度に立ち上げることを定着リロードという。このとき、+24V系負荷35へは定電圧電源30および定電流電源26の両者から同時に電力を供給して定電圧電源30のAC電力消費を低くし定着電源31のAC電力割り当てを大きくして、定着ヒータ電流を大きくし、立ち上げ時間を短縮させる。
また、定着ヒータ36はプリントが可能な温度に一度達すれば、温度維持のためには、定着ヒータ供給電力が起動時より小さくてもよくても、定着リロード終了後からは、プリント動作が開始され、モータ等の起動により負荷35の電力消費が増大し、定着ヒータ供給電力を含めた総電力がAC電源ライン27の供給可能な電力を越えてしまうことがあるが、その際の電源ライン27の供給電力を供給可能電力以下(図8の(a))とするために、定着電源31の電力配分を下げ(図8の(b))、定着電源31のAC電力消費と定電圧電源30のAC電力消費を合わせてAC電源ラインの最大電力内に制限する最大値に、定電圧電源30の出力電力を上げる(図8の(c))。すなわち該出力電力が可能な値に、入出力制御20が電流指示器64に与える電流上限値MCDを設定する(図8の(d)および(e))。すなわちAC電力消費を電源ライン27の供給可能最大電力以下に抑える。これにより、定電流電源26が負荷35に、AC電力消費を上限値近くで押さえるための定電圧電源30の出力電流値では足らない、不足分の負荷電流(図8の(f))を給電する。
入出力制御20が電流指示器64に与える電流上限値MCD(本実施例ではデジタルデータ)は、定電圧電源30の出力電力の上限値を可変設定し、定電流電源26の分担タイミングおよび電力を可変調整するものである。
本実施例では、図6のA/Dコンバータ70によりPWMパルスのデューティ指示信号(フィードバック制御信号)Smをデジタル変換し、入出力制御20に与える。入出力制御20が、前記デジタル変換した値が所定の範囲外であることを検出した場合に、警告等の異常処理を行う。
図9に、主電源SW28のオフからオンへの切換り、又は、省エネモードから待機モードへの復帰により、複写機MF1各部に印刷および複写を行うに所要の動作電圧が印加された直後に入出力制御20(のCPU21)が開始する「定着電力制御」DPCの概要を示す。複写機MF1各部に印刷および複写を行うに所要の動作電圧を印加した待機モードになると入出力制御20は、定着電源31から、定着温度を読込む(ステップ1)。以下においては、ステップ内には、ステップという語を省略してステップ番号のみを記す。
読み込んだ定着温度が、定着リロード温度未満であると、定着温度が不足で温度立ち上げすなわち定着リロードが必要であるので、補助電源32が給電可(キャパシタ38の充電電圧が給電可レベル)か判定して(2,3)、給電可であると、入出力制御20は、高速定着リロード用の電流上限値データMCDを電流指示器64に出力して、電源ON/OFFコントローラ55に電源ON指示信号を与える。すなわち補助電源32から負荷35への給電を開始する(4)。しかも、定着電源31には、高電力消費が可能な高電力配分上限値を与える(5)。これに応じて定着電源31は、高電力消費の急速定着リロードを開始する。
電源ON/OFFコントローラ55が電源ON指示信号に応答して昇圧レギュレータ40のPWMコントローラ42に動作指示信号を与えるので、PWMコントローラ42が、出力電流コントローラ46が与える、フィードバック制御信号であるPWM指示信号Smが指示するデューティのPWMパルスを発生して半導体スイッチ42に印加する。これにより昇圧レギュレータ40が、キャパシタ37の電力の放出すなわち負荷35への給電を開始する。
電流指示器64が、負荷電流検出器33が検出した負荷電流値から、電流指示器64が出力する定電圧電源30宛ての電流上限値MCDを差し引いた差分値を表わす電流指示信号Sioを、出力電流コントローラ46に、定電流電源26の出力電流目標値として与える。出力電流コントローラ46は、出力電流目標値Sioから定電流電源26の実際の出力電流値(差動増幅器48の出力)を差し引いたエラー信号相当の、該実際の出力電流値を出力電流目標値Sioにするための、上記PWM指示信号Smを発生してPWMコントローラ42に出力する。
図8に示すように、複写機MF1の電力消費パターンは、複写機MF1内外の温度によって少々の変動はあるものの、略定型であり、したがって定電流電源26の出力も、図8の(f)に示すように、略定型であり、定電流電源26が正常に動作し負荷35に給電しているときには、PWM指示信号Smのレベル範囲は所定範囲内である。この所定範囲を正常範囲という。この所定範囲をPWM指示信号Smのレベルが外れるということは、定電流電源26の回路異常,動作異常、および/又は、キャパシタ37の蓄電力不足又は異常、と考えられる。
図9を再度参照すると、入出力制御20は、補助電源32(の定電流電源26)からの給電を開始すると(4,5)、PWM指示信号SmをA/Dコンバータ70でデジタルデータすなわちPWM指示データSmに変換して読込み(6)、それが所定範囲内か、すなわち補助電源32が正常動作か、を判定する(7)。
PWM指示データSmが所定範囲を外れていない間は、定着温度を監視して、定着温度が定着リロード温度未満であると、定着リロードが必要であるので、補助電源32から負荷35への給電を継続する(6〜9)。定着温度が定着リロード温度以上になると、定着リロードが不要であるので、定着ヒータへの高電力投入(定着温度の急速立ち上げ)を停止する。すなわち定着電源31に低電力消費を指定する低電力配分上限値を与える(10)。そして電源ON/OFFコントローラ55に電源OFF指示信号を与える(11)。
PWM指示データSmが所定範囲を外れていると、入出力制御20は補助電源32の異常をエンジン制御510に報知し、エンジン制御510がプリンタコントローラ501を介して、操作ボード10に該異常を表示する(12)。しかも入出力制御20は、定着電源31に低電力消費を指定する低電力配分上限値を与える(13)。これに応じて定着電源31は、定着ヒータ温度制御を、低電力消費のヒータ温度制御に切り替える。入出力制御20は更に、電源ON/OFFコントローラ55に電源OFF指示信号を与える。すなわち補助電源32から負荷35への給電を停止する(14)。そしてその後は、定着温度を監視して、定着温度が定着処理用の下限温度以下に下がると、給紙間隔(繰り返しコピーの用紙繰り出し搬送のピッチ)の延長要をエンジン制御501に報知し、エンジン制御501が、定着ヒータ低電力給電用の長いピッチに、給紙間隔を変更する(15〜17)。定着温度が定着リロード温度(定着リロードが必要となる下限値)以上に復帰すると、給紙間隔を元に戻す(18〜20)。次の表1に、通常の給紙間隔(90mm)およびそのとき必要なヒータ電力(900W)と、長くする給紙間隔(270mm)およびそのとき必要なヒータ電力(700W)の一例を示す。
要約すると、補助電源32が異常と判定すると、定着電源31により定着器214のヒータの最大供給電力を小さくし、補助電源32からの電力の供給を停止する。定着電源31により定着器214のヒータの最大供給電力を小さくしてヒータ温度制御するため、用紙サイズ,環境温度,連続印刷時間等の条件により定着部の温度が徐々に低下してくることがある。定着部の温度が低くなると定着性が低下し、画像品質に重大な影響がでる。そこで、定着部温度が定着部下限温度に達すると、印刷用紙の紙間を長くすることにより印刷の生産性は下がるが、定着部の温度上昇を図り温度低下を防止する。
紙間を長くすると定着部の温度が徐々にあがってきて、定着部の温度が定着部リロード温度より高くなると印刷の生産性を元に戻すよう、紙間を元に戻す。前記定着部リロード温度は例えば170℃、定着部下限温度は例えば160℃である。通常印刷時は定着部温度が170℃に保たれるように制御されている。定着に厳しい環境となり、定着部温度を170℃で維持できなくなり、徐々に定着部温度が低下して160℃になると印刷用紙の紙間を長くすることにより生産性を低下させる制御となる。生産性を低下させたおかげで定着にとって環境が良くなり、徐々に定着部温度が上がり、定着部制御温度の170℃に戻ることとなる。
この第1実施例によれば、入出力制御20が、補助電源32から負荷35へ給電している間、フィードバック制御信号であるPWM指示信号Smを監視して、それが所定範囲をはずれると補助電源32が異常であるとして、操作ボード10に該異常を表示すると共に、定着電源31のヒータ電力上限値を下げて補助電源32の出力を停止するので、補助電源32に異常を生じてもAC電源に過負荷を与えることがなく、しかも、補助電源32の異常の拡大を回避できる。電力不足により定着温度が低下すると給紙間隔を広げるので、画像形成速度(枚/分)は低下するものの印刷を継続することができ、しかも所要の定着温度を維持できるので、ユーザの利便性の低下は小さい。