JP2007242662A - 微小チップの剥離方法及び剥離装置、微小チップの選択転写方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 必要数の微小チップを有効に且つ精度良く短時間に取り出すことが可能な微小チップ剥離方法及び剥離装置を提供する。
【解決手段】 エキスパンションシート3上に貼り付けられた微小チップ4群から選択的に微小チップ4を剥離する。剥離対象となる微小チップ4に対応して所定の間隔で配列された複数の固定突起(突き上げピン14)によりエキスパンションシート3上の微小チップ4を選択的に支持するとともに、各突き上げピン14の近傍に設けられた真空吸引孔15によりエキスパンションシート3を真空吸引する。これにより、密集した微小チップ4群の中から選択的に取り出したい微小チップ4のみが水平な位置状態を保ったまま他の微小チップ4よりも鉛直方向上方に正確に飛び出す形になる。この状態でチップ保持機構(例えば熱剥離シート17や真空ピックアップ30)により選択された複数の微小チップ4をエキスパンションシート3から剥離する。
【選択図】 図2
【解決手段】 エキスパンションシート3上に貼り付けられた微小チップ4群から選択的に微小チップ4を剥離する。剥離対象となる微小チップ4に対応して所定の間隔で配列された複数の固定突起(突き上げピン14)によりエキスパンションシート3上の微小チップ4を選択的に支持するとともに、各突き上げピン14の近傍に設けられた真空吸引孔15によりエキスパンションシート3を真空吸引する。これにより、密集した微小チップ4群の中から選択的に取り出したい微小チップ4のみが水平な位置状態を保ったまま他の微小チップ4よりも鉛直方向上方に正確に飛び出す形になる。この状態でチップ保持機構(例えば熱剥離シート17や真空ピックアップ30)により選択された複数の微小チップ4をエキスパンションシート3から剥離する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の平面ディスプレイ基板に微小チップ(例えば画素制御素子)を間隔を拡大して転写する際に適用される微小チップの剥離方法及び剥離装置に関するものであり、さらには、これを利用した微小チップの選択転写方法に関する。
例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに代表される平面ディスプレイにおいては、ガラス基板上に化学気相堆積法(CVD法)等を利用して各画素を駆動する薄膜トランジスタ(TFT)等の微小電子デバイスを直接形成することが行われている。この微小電子デバイスで各画素のオン、オフ、濃淡等を制御することにより、画像表示が可能となる。
この種の平面ディスプレイにおいては、大画面化への需要が旺盛であり、これに伴い基板面積の拡大が急務となっている。当然のことながら、大画面化に対応して、使用するガラス基板の面積も大面積化する必要があり、前記従来技術では、この大面積化されたガラス基板上に駆動素子である薄膜トランジスタ等を直接形成する必要がある。
しかしながら、大面積化されたガラス基板上に駆動素子である薄膜トランジスタ等を直接形成しようとすると、様々な困難を伴い、製造コストを大幅に上昇する要因となっている。具体的には、基板面積の拡大に伴い、ガラス基板上に薄膜トランジスタ等の微小電子デバイスを作製するための製造装置(CVD装置等)を必然的に大型化する必要があり、それらを設置するクリーンルームも大型化する必要がある。その結果として、多大な設備投資が必要となり、これが製造コストの上昇に繋がっている。
また、ガラス基板上に駆動素子である薄膜トランジスタ等を直接形成する方法では、素子(薄膜トランジスタ)の特性の点でも問題を残しており、平面ディスプレイの表示品質を向上する上で大きな障害となっている。前記方法では、ガラス基板が耐えられる300℃程度の低温における堆積薄膜で作製可能なアモルファス・シリコン(a−Si)膜を半導体膜として使用せざるを得ず、結晶シリコンを使用する半導体電子デバイスに較べ動作性能が劣る。これを解決するために、例えば堆積されたa−Si膜をレーザー照射により溶融させて多結晶シリコン(ポリシリコン)とし、これを用いて移動度が大きい薄膜トランジスタを形成することも検討されているが、この場合には、レーザー溶融による多結晶シリコンの作製に高コストを要し、現状では適用範囲が比較的小さな面積の平面ディスプレイに限られる。
このような状況から、本願発明者らは、薄膜トランジスタ等の電子デバイスをウエハ等に密集状態で形成し、これをダイシングした微小チップをガラス基板上の所定の位置に実装することで大画面平面ディスプレイを実現する技術を提案している(例えば特許文献1及び特許文献2等を参照)。
特許文献1には、平面ディスプレイ基板のピッチを自然数で除したピッチにて画素制御素子を多数形成し、平面ディスプレイ基板のピッチに対応する画素制御素子を選択的にピックアップし、平面ディスプレイ基板上に形成した透明熱可塑性樹脂フィルムの塑性変形により画素制御素子を保持させ、透明紫外線硬化樹脂膜により画素制御素子の周辺を固定するという画素制御素子の転写方法が開示されており、特許文献2には、これを応用して平面ディスプレイ基板を製造する方法が開示されている。
ところで、前記画素制御素子のような微小チップを間隔を拡大して転写する方法では、密集状態にある切断済み微小チップ群から選択的に転写対象となる複数の微小チップを剥離し取り出す必要がある。前記特許文献1や特許文献2記載の発明では、真空チャックを利用して粘着テープ上の微小チップ(画素制御素子)を吸着する方法が開示されているが、剥離に際しては加熱等により前記粘着テープの粘着力を局所的に低下させる必要があること、粘着テープの粘着力が高いと確実に真空チャックによって剥離することが難しこと、微小チップが密集しているため取り出し対象となる微小チップに対して真空チャックを正確に位置決めすることが難しいこと等の問題がある。
密集した微小チップ群の中から所定の微小チップを確実に取り出す方法としては、いわゆるエクスパンションシート上に微小チップ群を載せ、取り出したい微小チップの位置を割り出した後、微小チップの背面側からピンを突き上げて微小チップを押し出し、他の微小チップと分離してピックアップで取り出す方法が知られている。しかしながら、この場合には、取り出す微小チップの数が増加するに伴って取り出し時間が長くなり、その結果エクスパンションシートが偏って伸びたままになり、次第に微小チップを確実に取り出すことが難しくなるという問題が生ずる。また、微小チップの取り出しを確実なものとするためには、微小チップの突き上げ量を大きくすることが有利であるが、微小チップの突き上げ量を大きくすると、エキスパンションシートの変形量が増え、微小チップの取り出しが難しくなるという矛盾もある。
このような不都合を解消するために、取り出し対象となる微小チップの周辺のエキスパンションシートを微小チップ突き出し用ピンと同芯状に配された吸着孔によって吸引し、ピンの突き出し量を小さく済ませようという試みもなされている(例えば特許文献3を参照)。
特許文献3には、粘着シート上に並ぶチップを真空吸着用コレットを用いて個々にピックアップする方法であって、粘着シートのうちチップの周囲に相当する部分を筒状のニードルスリーブの先端で下方から所定量だけ押し上げ、更に粘着シートのうちチップの直下に相当する部分をこのニードルスリーブの内側に嵌合するニードルの先端で所定量だけ突き上げた状態で、チップの上面に当接したコレットによってチップを真空吸引してピックアップするチップピックアップ方法が開示されている。
特許第3474187号公報
特許第3492679号公報
特開平5−121525号公報
しかしながら、前記特許文献3記載の方法は、微小チップを個々にピックアップする方法であって、多数個の微小チップを一度に取り出す用途に適用しようとすると、装置構成が複雑になるという大きな欠点があり、そのような提案はされていない。
前述のように、例えばウエハリング上に密集した状態の微小チップ群から多数個同時に、しかも離間した微小チップを選択的に直接ピックアップする有効な方法が未だ開発されておらず、それ故、1個ずつ取り出すか、あるいは複数取り出せても数十個程度が限度であり、確実性がないばかりか作業に長時間を要しているのが現状である。
本発明は、前述の従来の実情に鑑みて提案されたものであり、密集した微小チップ群の中から選択した微小チップだけを効率良く突出させることができ、またエキスパンションテープにダメージを与えることがなく、必要数の微小チップを有効に且つ精度良く短時間に取り出すことが可能な微小チップ剥離方法及び剥離装置を提供することを目的とする。また、こうして取り出した微小チップを使用して移載用基板や大面積基板を精度良く短時間に製造することが可能な微小チップの選択転写方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の微小チップ剥離方法は、エキスパンションシート上に貼り付けられた微小チップ群から選択的に微小チップを剥離する微小チップ剥離方法であって、剥離対象となる微小チップに対応して所定の間隔で配列された複数の固定突起により前記エキスパンションシート上の微小チップを選択的に支持するとともに、各固定突起の近傍に設けられた真空吸引孔によりエキスパンションシートを真空吸引し、この状態でチップ保持機構により選択された複数の微小チップをエキスパンションシートから剥離することを特徴とする。
また、本発明の微小チップ剥離装置は、エキスパンションシート上に貼り付けられた微小チップ群から選択的に微小チップを剥離する微小チップ剥離装置であって、剥離対象となる微小チップに対応して所定の間隔で配列される複数の固定突起と、各固定突起の近傍に設けられた真空吸引孔とを有するチップ剥離板と、剥離対象となる複数の微小チップを一括して保持し、前記エキスパンションシートから剥離するチップ保持機構とを備え、前記エキスパンションシート上の微小チップを前記チップ剥離板の固定突起により選択的に支持するとともに、前記真空吸引孔により固定突起近傍のエキスパンションシートを真空吸引し、この状態で前記チップ保持機構により選択された複数の微小チップをエキスパンションシートから剥離することを特徴とする。
本発明では、微小チップ分離用の固定突起の周辺に真空吸引孔を設け、この真空吸引孔によりエキスパンションシートをその上に載置される微小チップとともに引き込むことで、選択的に取り出したい微小チップが一度に分離される。すなわち、本発明は、取り出したい微小チップを選択的に突き上げるという発想ではなく、選択しない微小チップを全て押し下げ、相対的に取り出したい微小チップを浮き上がらせ、他の微小チップから分離するという特徴を有する。
前記特徴を有する本発明の剥離方法、剥離装置は、構造が簡単でありながら、精度が高く確実に剥離対象となる微小チップを剥離し得る画期的な剥離方法、剥離装置ということができる。例えば、選択した微小チップの位置が分離前と分離後で変わらないので、安定した微小チップの取り出しが実現される。また、取り出したい微小チップ周辺の他の微小チップが強制的に均一に押し下げられる方式であるので、固定突起の突出高さを従来方式の数分の1に抑えることができる。それ故、エキスパンションシートに無理な張力がかからず、微小チップの取り出し操作を繰り返し行ってもその変形が進まず、微小チップの取り出し精度が悪くならない。
前述の構成を有する本発明の剥離方法及び剥離装置によれば、密集した微小チップ群の中から選択した微小チップだけを効率良く分離することができ、またエキスパンションテープにダメージを与えることがなく、必要数の微小チップを精度良く短時間に取り出すことが可能である。したがって、これを適用した本発明の微小チップの選択転写方法によれば、微小チップが離間して配列された大面積基板を精度良く短時間に製造することが可能であり、例えば、これまで実用化が困難と思われていた大画面高性能ディスプレイや大面積高性能太陽電池パネル等を、安価に且つ大量に作製することが可能になる。
以下、本発明を適用した微小チップの剥離方法及び剥離装置、さらには微小チップの選択転写方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(微小チップ移載プロセス)
本発明の微小チップの剥離方法及び剥離装置の説明に先立って、先ず、本発明の微小チップの剥離方法及び剥離装置が適用される微小チップ移載プロセス(微小チップの選択転写方法)について説明する。
本発明の微小チップの剥離方法及び剥離装置の説明に先立って、先ず、本発明の微小チップの剥離方法及び剥離装置が適用される微小チップ移載プロセス(微小チップの選択転写方法)について説明する。
図1に、微小チップ移載プロセスの概要を示す。この微小チップ移載プロセスは、シリコンウエハに作り込んだ素子(例えば画素制御素子)を切断後、選択的に取り出し、最終的にはマザーボード(例えば平面ディスプレイ基板)上に所定の間隔で配列するように転写することで、例えば大画面平面ディスプレイを実現するものである。
前記微小チップ移載プロセスでは、図1(A)に示すように、シリコンウエハ1に薄膜トランジスタ等の微小電子デバイスを作り込む。大画面平面ディスプレイを作製する場合には、画素制御素子を作り込む。
次いで、微小電子デバイスを作り込んだシリコンウエハ1をウエハリング2に所定のテンションで張設されたエクステンションシート3上に載置し、図1(B)に示すように、各微小電子デバイスに対応して微小チップ4に切断(ダイシング)し、エクステンションシート3上に微小チップ群が密集して載置された状態とする。各微小チップ4の形状は、例えば0.4mm角の方形状であり、チップ間隔は例えば0.06mmである。エクステンションシート3上に載置される微小チップ4の個数は、例えば125×125個であり、微小チップ4が配列される微小チップ領域は57.5mm角である。
前記エクステンションシート3上の微小チップ4は、複数個おきに選択的に取り出すことで、各微小チップ4間の間隔を拡大する。例えば、微小チップ4を3個飛ばして4個おきに順次取り出せば、微小チップ4間の間隔は1.84mmに拡大される。選択的に取り出した微小チップ4は、図1(C)に示すように、例えば選択的取り出しシート5上に配列する形で転写する。本例では、選択的取り出しシート5上の微小チップ4間の間隔は1.84mmであり、微小チップ4の個数は25×25個、微小チップ4が配列される微小チップ領域は46mm角である。
選択的取り出しシート5上の微小チップ4は、図1(D)に示すように、チップバッチ移載用基板6上に転写する。ここでは、4枚の選択的取り出しシート5上の微小チップ4をチップバッチ移載用基板6上に転写する。このチップバッチ移載用基板6の形状は、例えば125mm角であり、材質は例えばステンレスである。チップバッチ移載用基板6の微小チップ4の載置面には粘着材層を形成しており、微小チップ4を粘着力により保持する。
図1(E)に示すように、このようなチップバッチ移載用基板6を複数枚、例えば16×9枚用意し、図1(F)に示すように、各チップバッチ移載用基板6上の微小チップ4をマザーボード7上に順次転写する。マザーボード7の形状は、1620mm×948mmの矩形状である。16×9枚のチップバッチ移載用基板6の微小チップ4を転写することで、マザーボード7上には800×450個の微小チップ4がマトリクス状に配列されることになる。平面ディスプレイとする場合、表示領域は1472mm×828mmであり、大画面ディスプレイが実現される。この方法の利点としては、前記チップバッチ移載用基板6の段階で転写状態を確認することができ、最終的なマザーボード7の歩留まりを上げることができる点を挙げることができる。最終的なマザーボード7の段階で微小チップ4の転写状態を確認するのでは、仮に転写不良があった場合にはマザーボード7全体がNGになってしまうが、前記チップバッチ移載用基板6の段階で確認すれば、転写不良が発生しているチップバッチ移載用基板6を取り除くことで、マザーボード7の段階での不良の発生を最小限に抑えることができる。
(第1の実施形態)
本発明の微小チップの剥離方法や剥離装置は、前記微小チップ移載プロセスにおいて、エクステンションシート3上の微小チップ4の選択的な取り出しに適用されるものである。以下、本実施形態の微小チップの剥離方法及び剥離装置について説明するが、本実施形態は、微小チップの剥離を粘着面を有する熱剥離シートにより行う場合の実施形態である。
本発明の微小チップの剥離方法や剥離装置は、前記微小チップ移載プロセスにおいて、エクステンションシート3上の微小チップ4の選択的な取り出しに適用されるものである。以下、本実施形態の微小チップの剥離方法及び剥離装置について説明するが、本実施形態は、微小チップの剥離を粘着面を有する熱剥離シートにより行う場合の実施形態である。
図2(A)〜図2(F)に本実施形態の微小チップの剥離方法を工程順に示す。本実施形態において、エクステンションシート3上の微小チップ4を選択的に取り出すには、先ず、図2(A)に示すように、エクステンションシート3が張設され微小チップ4が密集状態で載置されたウエハリング2を前記剥離装置に設置する。ウエハリング2は、ここではリング状としたが、必ずしもこれに限らず、例えば正方形の枠体等であってもよい。
前記剥離装置においては、ステンレス製のベース11上に多孔質吸着プレート12が固定され、その上にチップ剥離板13が取り付けられている。さらに、ベース11上には、チップ剥離板13を取り囲むようにしてウエハリング2の位置決めを行う位置決め装置(図示は省略する。)が取り付けられている。
前記位置決め装置は、例えばウエハリング2を周辺の4方向から内側に押し込むようにしてウエハリング2の位置合わせを行う。前記位置決め装置を設置することで、例えば、ウエハリング2上に配列される微小チップ4の配列ピッチが後述のチップ剥離板13に形成される突き上げピンの配列ピッチに比べて大きくなっていても、これを吸収することができる。前記位置決め装置によって周辺からウエハリング2を押し込む量を増やすことによってウエハリング2が圧縮され、その上にある微小チップ4も配列ピッチが圧縮されるからである。したがって、ウエハリング2上の微小チップ4の配列ピッチとチップ剥離板13に形成される突き上げピンの配列ピッチに僅かな違いがあったとしても、前記位置決め装置を調製することでそれを吸収することができる。
前記チップ剥離板13には、前記の通り、微小チップ4を選択的に取り出すための多数の突き上げピン14が固定突起として形成されている。前記突き上げピン14は、ウエハリング2のエクステンションシート3上に配列された微小チップ4のうち、選択的に取り出したい微小チップ4の真下にくるように配列形成されており、例えば配列される微小チップ4のうち4個おきに取り出す場合には、これに相当するピッチで配列形成する。
また、前記チップ剥離板13の突き上げピン14の周囲には、真空吸引孔15が形成されている。この真空吸引孔15は、微小チップ4を粘着固定するエクスパンションシート3を吸着するためのものであり、例えば図3に示すように各突き上げピン14の周囲4箇所、及び突き上げピン14間の領域に形成されている。
前記多孔質吸着プレート12は、前記チップ剥離板13に設けられた真空吸引孔15において真空吸引を行うために用いられるものであり、真空吸着及び圧空解放のための配管12aが設けられるとともに、この配管12aに前記真空吸着及び圧空解放を制御する空圧制御機構が接続されている。なお、この多孔質吸着プレート12は、必ずしも多孔質板でなくてもよく、チップ剥離板13を支持して真空吸引孔15を通してエキスパンションシート3を吸着するという機能を有していれば、例えば切り溝加工された板や、少なくとも真空吸引孔15の直下に貫通孔を有する板であってもよい。この場合、真空吸着するための板に前記突き上げピン14を一体に形成し、チップ剥離板13と一体物とすることも可能である。
図2(B)は、エクステンションシート3が張設され微小チップ4が密集状態で載置されたウエハリング2の前記剥離装置への装着状態を示すものである。微小チップ4の剥離、取り出しに際しては、切断分離済みの微小チップ4が密集してエキスパンションシート3に粘着固定されたウエハリング2を前記チップ剥離板13の上に載せる。このとき、エキスパンションシート3の微小チップ4が粘着固定される面とは反対側の面(下側面)が、チップ剥離板13の突き上げピン14が形成されていない周辺部分に僅かに接触する程度の高さになるように調整された台座16の上に載せる。そして、選択的に取り出そうとしている微小チップ4の真下に微小チップ4を突き上げるための突き上げピン14が位置するようにウエハリング2の位置合わせを行う。この位置合わせは、前記位置決め装置を使用して行えばよく、例えばウエハリング2上の微小チップ4の配列ピッチが突き上げピン14の配列ピッチよりも大きい場合には、前記位置合わせ装置を調整(例えば、位置合わせネジを逆位相に回転)し、ウエハリング2を圧縮して取り出し対象となる微小チップ4が突き上げピン14のピッチに合うように調整する。
この状態で多孔質吸着プレート12の配管12aから真空吸引を開始すると、その上に載置されるチップ剥離板13の真空吸引孔15を通して空気が吸引され、エキスパンションシート3とチップ剥離板13の間の空間の気圧が徐々に下がり、エキスパンションシート3がチップ剥離板13に大気圧で押し付けられるようになる。また、前記真空吸引孔15は突き上げピン14の周囲にも形成されているため、エキスパンションシート3は突き上げピン154の直近部分においても鉛直方向に押し下げられる。それ故、前記突き上げピン14の高さは僅かなもので済み、例えば0.4mm程度の高さがあればよい。
前記の結果、図2(C)に示すように、突き上げピン14の真上の微小チップ4は突き上げピン14の上に乗ったような形となり、他の微小チップ4よりも高い位置にとどまることになる。他の微小チップ4は、突き上げピン14にような支えがないため、エキスパンションシート3に貼り付いたままチップ剥離板13に引き寄せられる。このとき、突き上げピン14の周辺の微小チップ4は、チップ剥離板13まで完全に引き寄せられることはないが、エキスパンションシート3の傾斜した面にしたがって突き上げピン14上にある微小チップ4よりはチップ剥離板13方向に向かって下方に位置することになる。
以上により、密集した微小チップ群の中から選択的に取り出したい微小チップ4のみが水平な位置状態を保ったまま他の微小チップ4よりも鉛直方向上方に正確に飛び出す形になる。また、突き上げピン14上の微小チップ4においては、エキスパンションシート3との接触面積も小さくなっているので、エキスパンションシート3による粘着力が低下し、剥離し易い状態となる。
そこで次に、前記選択的に取り出したい微小チップ4(飛び出した形の微小チップ4)の剥離(取り出し)を行うが、本実施形態では、前記微小チップ4剥離のためのチップ保持機構として熱剥離シートを用いる。
熱剥離シート17は透明樹脂枠18に取り付けられており、図2(D)に示すように、粘着面17aが下になるようにして選択的に飛び出した微小チップ4上に載置する。そして、図2(E)に示すように、熱剥離シート17の粘着面17aとは反対側の面を、剥離しようとする微小チップ4群の端から順にスキージのような部材で押し付けるようにすると、熱剥離シート17の押し下げられた部分の粘着面17aが微小チップ4の上面に押し付けられる。その後、スキージが通り過ぎると、熱剥離シート17がその張力(復帰張力)で元の位置に戻ろうとし、これに伴い取り出し対象となる微小チップ4を順に剥離していく。なお、熱剥離シート17の押し付け方法としては、前記スキージに限らず、例えば熱剥離シート17に空気圧を加えることにより行ってもよい。
前記剥離の際には、微小チップ4とエキスパンションシート3の間の粘着力、及び微小チップ4と熱剥離シート17の間の粘着力の違いで微小チップ4を剥離することになる。ここで、熱剥離シート17の粘着力は、同じ面積であればエクスパンションシート3の粘着力よりは小さくなるように設定されているが、実際には、突き上げピン14の上端の面積を微小チップ4の底面積より小さくしており、突き上げピン14による突き上げにより微小チップ4とエクスパンションシート3との接触面積(実効的な粘着力)が小さくなっているので、微小チップ4は確実に熱剥離シート17側に剥離されることになる。熱剥離シート17への転写状態を図2(F)に示す。
前記熱剥離シート17による微小チップ4の選択的取り出しは、先の微小チップ移載プロセスにおいて、図1(B)から図1(C)に示される選択的取り出しに相当し、熱剥離シート17が選択的取り出しシート5に相当する。したがって、前記微小チップ移載プロセスに適用するとすれば、前記熱剥離シート17上に取り出された微小チップ4は、次にチップバッチ移載用基板に転写する。
図4(A)〜図4(E)に、熱剥離シート17上の微小チップ4のチップバッチ移載用基板20への転写プロセスを示す。
図4(A)に示すように、チップバッチ移載用基板20は、吸着部23に対する位置決め用の嵌合孔21aを有するチップバッチ移載用背面板21と、その上に形成される粘着材22とから構成されており、前記転写に際しては、吸着部23上に前記チップバッチ移載用基板20を設置する。吸着部23はベース板24上に設置されており、複数の真空吸引孔23aが複数設けられるとともに、真空吸引用の配管23bが設けられている。また、前記吸着部23には、前記チップバッチ移載用基板20を位置決めするための嵌合ピン23cが植立形成されている。さらに、ベース板24には、熱剥離シート17から微小チップ4を剥離するためのヒータが装備されている。
一方、図4(B)に示すように、前記チップバッチ移載用基板20と対向して、選択的に微小チップ4が取り出され粘着された状態の4枚の熱剥離シート17を吸着するための真空ピックアップ25が装備されており、各真空ピックアップ25には真空及び圧空のための配管25aが接続され、さらに空圧制御機器に接続されている。
微小チップ4を熱剥離シート17からチップバッチ移載用基板20に転写するには、先ず、図4(B)に示すように、真空ピックアップ25に熱剥離シート17を吸着固定する。このとき、真空ピックアップ25に熱剥離シート17上の微小チップ4に対応して嵌合孔25bを形成しており、各熱剥離シート17上の微小チップ4がこれら嵌合孔25bに嵌合するように位置合わせをして吸着固定しておく。
転写に際しては、図4(C)に示すように、熱剥離シート17を1枚ずつ前記真空ピックアップ25で吸引し、チップバッチ移載用基板20の決められた位置に載せて粘着させる。このとき、熱剥離シート17を吸着固定する真空ピックアップ25とチップバッチ移載用基板20が取り付けられたベース板24との物理的配置は決まっているため、熱剥離シート17をピックアップしチップバッチ移載用基板20に押し付けるという動作は、決められた距離分だけ単純に平行移動させるという制御を行うだけでよい。
次に、図4(D)に示すように、ベース板24のヒータをオンして熱剥離シート17を加熱し、微小チップ4を熱剥離シート17から剥離させてチップバッチ移載用基板20上に転写する。前記転写に際しては、ベース基板24による加熱に加えて、別途温風を熱剥離シート17に吹き付け、熱剥離を促進するようにしてもよい。
前記転写の後、チップバッチ移載用基板20を吸着部23から取り外し、チップ移載プロセスのマザーボード上への微小チップの転写工程へと移行する。
以上のように、本実施形態の微小チップ剥離方法及び微小チップ剥離装置では、チップ分離用の突き上げピン14の周辺に真空吸着用の真空吸引孔15を設け、この真空吸引孔15を通してエキスパンションシート3をその上の微小チップ4とともに引き込み、選択的に取り出したい微小チップ4を一気に分離するという特徴を有する。つまり、選択的に取り出したい微小チップ4を突き上げるという発想ではなく、選択しない微小チップ4を全て押し下げ、選択的に取り出したい微小チップ4を相対的に浮き上がらせて分離するという特徴を有する。したがって、構造が簡単でありながら精度が高く安定した微小チップ4の取り出しを実現することができる。
その他、本実施形態の微小チップ剥離方法及び微小チップ剥離装置は、様々な利点を有する。例えば、選択したい微小チップ4の位置が分離前と分離後で変わらないので、安定したチップ取り出しが可能である。また、取り出したい微小チップ4の周辺の他の微小チップが強制的に均一に押し下げられる方式であるため、突き出しピン14の高さを従来方式(ピンを突き上げる方式)の数分の1で済ませることができる。それ故、エキスパンションシート3に無理な力が加わらず、チップ取り出し操作を繰り返し続けてもその変形が進まないので、チップ取り出し精度が悪くならない。
さらに、移載先の微小チップ4の配置が取り出したピッチそのままである場合には、すなわち選択的に多数の微小チップ4を取り出す場合には特に都合が良いが、仮に1個ずつ微小チップ4を取り出す場合であっても、本発明の利点が生きてくる。例えば、一度位置決めした多数の微小チップ4を分離すれば、その後はピックアップ等により分離された微小チップ4を順に取り出していけばよいからである。全ての微小チップ4を取り出した後には、別の微小チップ群を選択的に分離するという動作を繰り返していけば、微小チップ4の突き上げ動作が簡略化され、チップ取り出し時間が短縮され、しかもその精度が悪くならない。
また、本実施形態においては、分離された微小チップ4を剥離するためのチップ保持機構として熱剥離シート17を用いているが、これはより微小なチップの取り出しに有効である。微小チップ4の表面積が小さくなるにしたがって、例えば真空吸引を利用して微小チップ4を保持する方法では、多数の微小チップ4を同時に取り出すことが困難になる。これは、正しい姿勢で吸着されない微小チップ4が1つでもあると、その微小チップ4の影響で他の微小チップ4の吸引が阻害されるからである。真空圧を利用した吸引力が、摩擦力や静電気による吸引力、あるいは分子間引力といった外乱に比べて相対的に小さくなっていることも関係している。前記熱剥離シート17の粘着力を利用した取り出し方式は、その後の熱剥離操作が必要であるという点と、熱剥離シート17自体が消耗品であるという点で不利ではあるが、多数個の微小チップ4の同時取り出しの確実性が高いという大きな利点を有する。
なお、本実施形態では、チップ保持機構として熱剥離シートを使用した場合について説明したが、この熱剥離シートを使用する代わりに粘着面を有する紫外線硬化型シート(UV硬化型シート)を使用してもよい。その場合、微小チップをエキスパンションシート3から剥離するには、加熱する代わりに粘着面の反対側から紫外線を照射することになる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、微小チップをエキスパンションシートから取り出す際にチップ保持機構として真空ピックアップを用いた実施形態である。図5(A)〜図5(F)に選択的なチップ剥離プロセスを示す。なお、このチップ剥離プロセスにおいて、図5(A)から図5(C)までの工程は、先の第1の実施形態の図2(A)から図2(C)までの工程と同じであるので、同一の部材に同一の符号を付して、ここではその説明は省略する。
本実施形態は、微小チップをエキスパンションシートから取り出す際にチップ保持機構として真空ピックアップを用いた実施形態である。図5(A)〜図5(F)に選択的なチップ剥離プロセスを示す。なお、このチップ剥離プロセスにおいて、図5(A)から図5(C)までの工程は、先の第1の実施形態の図2(A)から図2(C)までの工程と同じであるので、同一の部材に同一の符号を付して、ここではその説明は省略する。
真空ピックアップ30によって選択的に微小チップ4の剥離(取り出し)を行う場合、図5(C)に示すように選択的に取り出したい微小チップ4を飛び出させた後、図5(D9に示すように、真空ピックアップ30を微小チップ4上に配置する。真空ピックアップ30は、各微小チップ4を嵌合するための凹部31と、この凹部31の底部を貫通する貫通孔32が形成されており、さらに真空及び圧空のための配管33が接続され、空圧制御装置に接続されている。前記凹部31は、チップバッチ移載用基板20に転写する微小チップ4の数の整数分の1、例えば1/16の数だけ形成されている。また、前記凹部31は、嵌め込まれた微小チップ4の上面が僅かに突出するように、微小チップ4の高さよりもその深さが若干浅くなるように設定されている。
前記真空ピックアップ30で微小チップ4を取り出すためには、図5(E)に示すように、真空ピックアップ30の各凹部31に微小チップ4が嵌合するように位置合わせをして真空ピックアップ30を降下させ、前記配管33から真空吸引を行う。すると、真空吸引力により各微小チップ4が真空ピックアップ30の凹部31に吸着固定される。この状態で図5(F)に示すように、真空ピックアップ30を上昇させ、微小チップ4をエキスパンションシート3から剥離する。前記の通り、突き上げピン14上の微小チップ4においては、エキスパンションシート3との接触面積も小さくなっているので、エキスパンションシート3による粘着力が低下し、剥離し易い状態となっている。したがって、前記真空ピックアップ30の真空吸引力が前記エキスパンションシート3による粘着力よりも大きければ、微小チップ4を簡単に剥離することが可能である。
前記真空ピックアップ30によって微小チップ4を選択的に取り出した場合、例えば図1(C)に示す選択的取り出しシート5を経ることなく図1(D)に示すチップバッチ移載用基板6(チップバッチ移載用基板20)に転写することも可能であるが、ここでは微小チップ4のチップ位置を修正した後、チップバッチ移載用基板20へ転写することとする。
前記真空ピックアップ30においては、微小チップ4に対応して設けられる凹部31の大きさが実際の微小チップ4の大きさよりも若干大きく形成されている。前記凹部31の大きさが微小チップ4の大きさと全く同じであると、位置決め精度を非常に厳しく管理する必要があり、現実的には円滑なチップ取り出しが不可能になるおそれがある。ただし、前記凹部31の大きさを実際の微小チップ4の大きさよりも大きく形成すると、真空吸引に際して微小チップ4が若干の位置ずれを起こしたり、向きがばらつく等の不都合が発生する可能性がある。そこで、本実施形態においては、チップ位置修正板を用い、各微小チップ4の位置や向き等を修正してからチップ移載用基板20に転写することとする。
図6(A)〜図6(G)は、チップ位置修正プロセスを示すものである。このチップ位置修正プロセスにおいては、前記真空ピックアップ30の凹部31に嵌合して分離した微小チップ4は、先ず、チップ位置修正板40に移し、位置や向きの修正を行う。
前記チップ位置修正板40は、ベース板41上に載置されており、真空及び圧空のための配管42が接続され、空圧制御装置に接続されている。また、チップ位置修正板40の上面には、チップバッチ移載用基板20に転写する微小チップ4の数だけ凹部43及び貫通孔44が形成されている。本実施形態の場合、真空ピックアップ30に形成される凹部31の数の4倍の凹部43が形成されている。前記凹部43は、図7(A)に示すように、微小チップ4の大きさよりも若干大きく形成されており、直交する2つの辺(凹部43の内壁)が位置決めのための基準面43a,43bとされている。また、前記凹部43の深さは、前記微小チップ4が嵌合されたときに上面が若干突出するように、微小チップ4の高さよりも僅かに小さく設定されている。
チップ位置修正に際しては、先ず、図6(A)に示すように、チップ位置修正板40上の所定の位置に真空ピックアップ30を移動し、位置決めした状態で図6(B)に示すように真空ピックアップ30を下降させる。このとき、真空ピックアップ30に保持された微小チップ4は、前記チップ位置修正板40の凹部43に嵌合される。そして、図6(C)に示すように、真空ピックアップ30の真空吸引による吸着を解放し、真空ピックアップ30を上昇させることで、真空ピックアップ30の凹部31に保持されていた各微小チップ4は、前記チップ位置修正板40の凹部43内に移動する。この時点では、図7(A)に示すように、各微小チップ4はチップ位置修正板40の凹部43内に多少の位置ずれ、向きのバラツキ等をもって配置される。
その後、図6(D)に示すように、真空ピックアップ30をチップ位置修正板40の凹部43における基準面43a,43bに向かう方向とは逆の方向に僅かに移動させ、図6(E)に示すように、真空ピックアップ30を降下させて再び微小チップ4を吸着する。さらに、真空ピックアップ30を僅かに持ち上げて、図6(F)に示すように、微小チップ4を図中矢印方向(前記チップ位置修正板40の凹部43の基準面43a,43b側に押し付ける方向)に移動し、各微小チップ4をチップ位置修正板40の凹部43に吸着させる。このとき、各微小チップ4は図7(B)に示すように2辺がチップ位置修正板40の凹部43の基準面43a,43bによって位置決めされ、正確な位置、向きに配列される。チップ位置修正板40による微小チップ4の格納状態を図6(G)及び図7(B)に示す。同様の操作を3回繰り返し、チップ位置修正板40上に全ての微小チップ4を正確に位置決めした状態で格納する。
なお、前記チップ位置修正板40の構成としては、前記に限らず、例えば図8に示すような構造を採用することも可能である。図8に示す例においては、ベース板41上に吸着部51を載置し、さらにその上に支持用突起53が形成された支持用突起付基板52を介してチップ位置修正板40を配置している。チップ位置修正板40には、前記の通りチップバッチ移載用基板20に転写する微小チップ4の数だけ凹部43及び貫通孔44が形成されている。本構造を採用した場合、図8(B)に示すように、凹部43間の領域においてチップ位置修正板40の背面側が支持用突起付基板52の支持用突起53によって支持されることになる。また、微小チップ4の真空吸引は、前記吸着部51を介して行われる。図8(C)に、前記構造を採用した場合の微小チップ4格納状態を示す。
以上により、チップ位置修正板40に微小チップ4を正確に位置決めして格納した後、チップバッチ移載用基板20への転写を行う。図9(A)〜図9(C)にこの転写プロセスを示す。
転写に際しては、先ず、図9(A)に示すように、前記チップ位置修正板40上にチップバッチ移載用基板20を配置し、図9(B)に示すように、チップ位置修正板40上にチップバッチ移載用基板20を重ね合わせる。このとき、チップ位置修正板40に位置決めピン61を植立しておくとともに、チップバッチ移載用基板20に位置決め孔62を形成しており、これらを嵌め合わせることにより正確に位置決めをして重ね合わせる。また、チップバッチ移載用基板20については、粘着材22が下向きとなるようにしてチップ位置修正板40上に重ねて静かに押し付け、前記粘着材22の粘着力を利用して微小チップ4を転写する。チップ位置修正板40側の真空吸引を停止することにより、微小チップ4の全数を前記粘着材22に転写することができる。図9(C)に、微小チップ4のチップバッチ移載用基板20への転写状態を示す。
本実施形態においては、真空ピックアップ30を用いて微小チップ4の取り出しを行っているので、微小チップ4が微小になった場合、真空ピックアップ30の凹部31周辺の形状に工夫が必要になるが、真空圧を利用して微小チップ4を吸着する方法は、消耗品がなく廉価に微小チップ4を取り出すことができるという利点を有する。
また、前記真空ピックアップ30を用いて微小チップ4の取り出しを行う場合、前記の通り、微小チップ4が微細になると、真空ピックアップ30の凹部31の周辺に形状に工夫が必要になる。個々の微小チップ4を凹部31に確実に嵌め込んで、その底面で吸着するようにしないと真空圧を効率よく利用できないからである。そのため、真空ピックアップ30の凹部31の寸法は、微小チップ4の加工精度に依存し、想定される最も大きな微小チップ4のサイズに凹部31のサイズを合わせることになる。このように真空ピックアップ30の凹部31の大きさを微小チップ4の大きさよりも大きめに形成した場合、単純にそのまま微小チップ4群を移載すると、微小チップ4を吸着する際に平行移動する等の位置ずれが生じ、これを修正しないまま移載することになる。本実施形態では、真空ピックアップ30に一旦吸着された微小チップ4を、チップ位置修正板40の基準面43a,43bを利用して位置ずれを修正し、チップバッチ移載用基板20に移載するようにしているので、チップ移載精度も向上する。
1 シリコンウエハ、2 ウエハリング、3 エクステンションシート、4 微小チップ、5 選択的取り出しシート、6 チップバッチ移載用基板、7 マザーボード、11ベース、12 多孔質吸着プレート、13 チップ剥離板、14 突き上げピン、15 真空吸引孔、17 熱剥離シート、20 チップバッチ移載用基板、22 粘着材、30 真空ピックアップ、31 凹部、40 チップ位置修正板、43 凹部、43a,43b 基準面
Claims (14)
- エキスパンションシート上に貼り付けられた微小チップ群から選択的に微小チップを剥離する微小チップ剥離方法であって、
剥離対象となる微小チップに対応して所定の間隔で配列された複数の固定突起により前記エキスパンションシート上の微小チップを選択的に支持するとともに、各固定突起の近傍に設けられた真空吸引孔によりエキスパンションシートを真空吸引し、この状態でチップ保持機構により選択された複数の微小チップをエキスパンションシートから剥離することを特徴とする微小チップ剥離方法。 - 多孔質基板を介して前記真空吸引を行うことを特徴とする請求項1記載の微小チップ剥離方法。
- 前記チップ保持機構として粘着面を有する熱剥離シートまたは紫外線硬化型シートを用い、前記粘着面を微小チップに押し当てることにより複数の微小チップをエキスパンションシートから剥離することを特徴とする請求項1または2記載の微小チップ剥離方法。
- 前記チップ保持機構として微小チップ嵌合部を有する真空ピックアップを用い、前記微小チップ嵌合部に剥離する微小チップを位置合わせし真空吸着することにより複数の微小チップをエキスパンションシートから剥離することを特徴とする請求項1または2記載の微小チップ剥離方法。
- 前記真空ピックアップにより吸着保持された微小チップを、基準面を有する位置修正用凹部内に移動し、前記真空ピックアップを所定方向に移動させることで各微小チップを前記基準面に突き当て、位置修正を行うことを特徴とする請求項4記載の微小チップ剥離方法。
- エキスパンションシート上に貼り付けられた微小チップ群から選択的に微小チップを剥離する微小チップ剥離装置であって、
剥離対象となる微小チップに対応して所定の間隔で配列される複数の固定突起と、各固定突起の近傍に設けられた真空吸引孔とを有するチップ剥離板と、
剥離対象となる複数の微小チップを一括して保持し、前記エキスパンションシートから剥離するチップ保持機構とを備え、
前記エキスパンションシート上の微小チップを前記チップ剥離板の固定突起により選択的に支持するとともに、前記真空吸引孔により固定突起近傍のエキスパンションシートを真空吸引し、この状態で前記チップ保持機構により選択された複数の微小チップをエキスパンションシートから剥離することを特徴とする微小チップ剥離装置。 - 前記チップ剥離板の背面側に設置される多孔質基板を備え、当該多孔質基板を介して真空吸引を行うことを特徴とする請求項6記載の微小チップ剥離装置。
- 前記チップ保持機構として粘着面を有する熱剥離シートまたは紫外線硬化型シートを備えることを特徴とする請求項6または7記載の微小チップ剥離装置。
- 前記チップ保持機構として微小チップ嵌合部を有する真空ピックアップを備えることを特徴とする請求項6または7記載の微小チップ剥離装置。
- 基準面を有する位置修正用凹部が形成された位置修正治具を備えることを特徴とする請求項9記載の微小チップ剥離装置。
- 前記位置修正用凹部は直交する2つの基準面を有することを特徴とする請求項10記載の微小チップ剥離装置。
- 前記位置修正治具は、基準面を有する位置修正用凹部が形成されるとともに各位置修正用凹部に対応して貫通孔が形成された位置修正用基板と、前記位置修正用基板の位置修正用凹部間の領域を背面から支持する支柱用突起が形成された支柱用突起付基板と、前記支柱用突起付基板の背面側に設置され真空吸引孔を有する吸着機構部とから構成されることを特徴とする請求項10または11記載の微小チップ剥離装置。
- 請求項1から5のいずれか1項記載の微小チップ剥離方法により剥離した微小チップを移載用基板に転写し、さらに複数枚の移載用基板上の微小チップを順次大面積基板に転写することを特徴とする微小チップの選択転写方法。
- 前記大面積基板が平面ディスプレイ基板であり、前記微小チップが画素制御素子であることを特徴とする請求項13記載の微小チップの選択転写方法。
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