JP2007242572A - 燃料電池用燃料カートリッジの接続機構とそれを用いた燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料カートリッジの接続機構にノズル部とソケット部とによる接続機構を適用するにあたって、キー部による案内溝やそれに設けられる突起等の削れを抑制する。
【解決手段】燃料カートリッジに設けられたノズル部9を燃料電池本体に設けられたソケット部6に挿入し、これらノズル部9とソケット部6とを接続する機構である。ノズル部9はその外周部に形成された案内溝18と、案内溝18の終端部近傍に形成された凸部19または凹部を有する接続状態確認部とを備える。ソケット部6はその内周面から突出するように設けられ、案内溝18と係合して燃料カートリッジの挿入を案内するキー部29と、キー部29を突出方向に伸縮させる伸縮機構30とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は燃料電池用燃料カートリッジの接続機構とそれを用いた燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料のみを補給すれば連続して長時間発電することができるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
直接メタノール型燃料電池(DMFC:direct methanol fuel cell)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯機器用の電源として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また内部気化型等のパッシブ方式が知られている。これらのうち、パッシブ方式はDMFCの小型化に対して有利である。例えば、特許文献1や特許文献2には液体燃料を保持する燃料浸透層と、燃料浸透層中に保持された液体燃料の気化成分を拡散させて燃料極に供給する燃料気化層とを具備する内部気化型DMFCが記載されている。
内部気化型等のパッシブ型DMFCは、燃料タンクと液体燃料を気化させる機構とを具備しており、この燃料タンクに対してサテライトタイプ(外部注入式)の燃料カートリッジを用いて液体燃料を供給している。燃料カートリッジを用いて液体燃料を供給する場合、バルブ機構を内蔵するノズル部とソケット部とで構成されたカップラを用いて、液体燃料の遮断並びに注入を行うことが検討されている(例えば特許文献3参照)。ノズル部とソケット部には、燃料カートリッジの挿入を案内するために、例えばノズル部側に案内溝を設け、この案内溝と係合するキー部をソケット部側に設けることが試みられている。
特許第3413111号公報 特開2004-171844号公報 特開2004-127824号公報
上述したように、DMFC側の燃料タンクと燃料カートリッジとの接続には、ノズル部とソケット部とで構成されたカップラが用いられているが、単にノズル部をソケット部に挿入しただけでは接続状態を固定(ロック)することができない。そこで、ノズル部の外周面に設けられる案内溝を途中から周方向に変位させたり、あるいは案内溝の終端部近傍にキー部が乗り越えることが可能な突起(凸部)を設けることが検討されている。
しかしながら、ノズル部側の案内溝は樹脂で形成されているのに対して、ソケット部側のキー部は金属製であることから、燃料カートリッジの接続操作を繰り返し実施した際に、樹脂製の案内溝が金属製のキー部で削られてしまうおそれがある。特に、燃料カートリッジの接続操作時に、操作者に対してロック感(クリック感)を与えるために、案内溝の終端部近傍に突起を設けた場合、この突起自体が金属製のキー部で削り取られることで、持続的にロック感(クリック感)を付与することができないという問題が生じる。
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、燃料カートリッジの接続機構にノズル部とソケット部とによる接続機構を適用するにあたって、キー部による案内溝やそれに設けられる突起の削れを抑制することによって、ロック状態やロック感を持続的に維持することを可能にした燃料電池用燃料カートリッジの接続機構、およびそのような燃料カートリッジの接続機構を適用した燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る燃料電池用燃料カートリッジの接続機構は、燃料カートリッジに設けられたノズル部であって、その外周部に形成された案内溝と、前記案内溝の終端部近傍に形成された凸部または凹部を有する接続状態確認部とを備えるノズル部と、燃料電池本体に設けられ、前記ノズル部が挿入されて接続されるソケット部であって、その内周面から突出するように設けられ、前記案内溝と係合して前記燃料カートリッジの挿入を案内すると共に、前記接続状態確認部と接触して前記ノズル部と前記ソケット部との接続状態を示すキー部と、前記キー部を突出方向に伸縮させる伸縮機構とを備えるソケット部とを具備することを特徴としている。
本発明の一態様に係る燃料電池は、燃料電池用の液体燃料を収容するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体に設けられたノズル部とを備える燃料カートリッジと、前記燃料カートリッジのノズル部と着脱可能に接続されるソケット部を有する燃料供給部と、前記燃料供給部から前記液体燃料が供給されて発電動作する起電部とを備える燃料電池本体とを具備し、前記燃料カートリッジのノズル部と前記燃料電池本体のソケット部とは、本発明の態様に係る燃料カートリッジの接続機構を具備することを特徴としている。
本発明の態様に係る燃料電池用燃料カートリッジの接続機構によれば、キー部を突出方向に伸縮させることによって、案内溝やそれに設けられる接続状態確認部(凸部または凹部)が削られることを抑制している。従って、燃料カートリッジのロック状態やロック感を持続的に維持することが可能となる。このような燃料カートリッジの接続機構を適用した燃料電池によれば、接続信頼性や操作性等を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、それらの図面は図解のために提供されるものであり、本発明はそれらの図面に限定されるものではない。
図1は本発明の一実施形態による燃料電池の構成を示す図である。図1に示す燃料電池1は、起電部となる燃料電池セル2と燃料タンク3とから主として構成される燃料電池本体4と、燃料タンク3に液体燃料を供給するサテライトタイプ(外部注入式)の燃料カートリッジ5とを具備している。燃料タンク3の下面側には、液体燃料の供給口となるソケット部6を有する燃料供給部7が設けられている。ソケット部6は後に詳述するようにバルブ機構を内蔵しており、液体燃料が供給されるとき以外は閉状態とされている。なお、燃料電池本体4は燃料タンク3を経ずに燃料供給部7から直接燃料電池セル2に液体燃料を供給する構造を有していてもよい。
一方、燃料カートリッジ5は、燃料電池用の液体燃料を収容するカートリッジ本体8を有している。カートリッジ本体8の先端には、その内部に収容された液体燃料を燃料電池本体4に供給する際の燃料吐出口となるノズル部9が設けられている。ノズル部9は後に詳述するようにバルブ機構を内蔵しており、液体燃料を供給するとき以外は閉状態とされている。このような燃料カートリッジ5は、燃料タンク3に液体燃料を注入するときのみ燃料電池本体4に接続されるものである。
燃料カートリッジ5のカートリッジ本体8には、燃料電池本体4に応じた液体燃料、例えば直接メタノール型燃料電池(DMFC)であれば各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が収容されている。なお、カートリッジ本体8に収容する液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料電池本体4に応じた液体燃料が収容される。
上述した燃料電池本体4の燃料タンク3に設けられたソケット部6と燃料カートリッジ5のカートリッジ本体8に設けられたノズル部9とは、一対の接続機構(カップラ)を構成するものである。ソケット部6とノズル部9とで構成されたカップラの具体的な構成について、図2を参照して説明する。図2は本発明の第1の実施形態による燃料電池用燃料カートリッジの接続機構を示している。図2は燃料カートリッジ5のノズル部9と燃料電池本体4のソケット部6とを接続する前の状態を示している。
燃料電池本体4と燃料カートリッジ5とを接続するカップラにおいて、カートリッジ側接続機構としてのノズル部(オス側カップラ)9は、ノズルベース部11とノズル挿入部12とを有している。先端にノズル口を有する円筒状のノズル挿入部12は、カートリッジ本体8の先端開口部に装着されたノズルベース部11から突出するように形成されている。ここではノズルベース部11とノズル挿入部12とを一体成形した部品を示しているが、これらは異なる材料で個別に成形したものを組合せて使用してもよい。
カートリッジ本体8の先端側内部には、カップ状のバルブホルダ13が配置されている。バルブホルダ13はバルブ室を規定するものであり、その先端側外縁部がカートリッジ本体8とノズルベース部11とで挟み込まれて固定されている。バルブホルダ13で規定されたバルブ室内には、バルブ14が配置されている。バルブ14は、バルブヘッド14aを有するバルブ本体14bと、バルブ本体14bの先端側に設けられたバルブステム14cと、バルブ本体14bの後方側に設けられたガイドピン14dとを備えている。
バルブヘッド14aを有するバルブ本体14bは、バルブホルダ13で規定されたバルブ室内に配置されている。バルブステム14cは円筒状のノズル挿入部12内に収容されている。バルブ本体14bやバルブステム14cを有するバルブ14は、軸方向(ノズル部9の挿入方向)に進退可能とされている。バルブヘッド14aとノズルベース部11の内側に形成されたバルブシート15との間には、Oリング16が配置されている。バルブ本体14bには、圧縮スプリング17でバルブヘッド14aをバルブシート15に押し付ける力が常時加えられており、これらによってOリング16は押圧されている。
従って、通常状態(燃料カートリッジ5が燃料電池本体4から切り離された状態)においては、Oリング16を介してバルブヘッド14aをバルブシート15に押し付けることで、ノズル部9内の燃料流路を閉状態としている。一方、後述するように燃料カートリッジ5を燃料電池本体4に接続すると、バルブステム14cが後退してバルブヘッド14aがバルブシート15から離れるで、ノズル部9内の燃料流路が開状態とされる。バルブホルダ13の底部には液体燃料の流路となる連通孔13aが設けられている。バルブ本体14bの後方側に設けられたガイドピン14dは連通孔13a内に挿通されている。
上述したノズル挿入部12の外周面には、燃料カートリッジ5の挿入方向(ノズル部9の軸方向)に沿って、例えば2条の案内溝18が形成されている。案内溝18の終端部近傍には接続状態確認部として凸部19が形成されている。接続状態確認部としての凸部19は、後述する図9ないし図16に示すように、案内溝18の底面もしくは側面に形成することができ、その数は1個もしくは2個以上とされる。また、案内溝18の形状はノズル挿入部12の軸方向に沿った直線形状に限らず、後述する図15や図16に示すように、途中から周方向に変位するものであってもよい。すなわち、案内溝18の形状としては直線形状、あるいは直線部と曲線部とを有するJ形状等が挙げられる。
一方、燃料電池側接続機構としてのソケット部(メス側カップラ)6は、円筒状のハウジング21を有している。ハウジング21は上部部材21a、中間部材21b、下部部材21cを有しており、これらは一体化されて燃料電池本体4の燃料供給部7内に埋め込まれている。ハウジング21の中間部材21bは、その径方向内側に突出したリング状凸部22を有している。リング状凸部22上には弾性体ホルダとしてゴムホルダ23が設置されており、このゴムホルダ23は上部部材21a内に配置されている。ゴムホルダ23は中間のジャバラ形状と材料特性(ゴム弾性)に基づいて軸方向に弾性が付与されている。ゴムホルダ23の内側は液体燃料の流路とされている。
ハウジング21内にはバルブ24が配置されている。バルブ24は、バルブヘッド24aを有するバルブ本体24bと、バルブ本体24bの先端側に設けられたバルブステム24cと、バルブ本体24bの後方側に設けられたガイドピン24dとを備えている。バルブヘッド24aを有するバルブ本体24bは、中間部材21bと下部部材21cとで形成されたバルブ室内に配置されている。バルブステム24cはゴムホルダ23内に収容されている。これらバルブ本体24bやバルブステム24cを有するバルブ24は、軸方向(ノズル部9の挿入方向)に進退可能とされている。
バルブヘッド24aとリング状凸部22の下面側に形成されたバルブシート25との間には、Oリング26が配置されている。バルブ本体24bには、圧縮スプリング27でバルブヘッド24aをバルブシート25に押し付ける力が常時加えられており、これらによってOリング26は押圧されている。従って、通常状態(燃料電池本体4から燃料カートリッジ5が切り離された状態)においては、Oリング26を介してバルブヘッド24aをバルブシート25に押し付けることによって、ソケット部6内の流路を閉状態としている。一方、後述するように燃料電池本体4に燃料カートリッジ5が接続されると、バルブステム24cが後退してバルブヘッド24aがバルブシート25から離れることによって、ソケット部6内の流路が開状態とされる。
ハウジング21の下部部材21cには、燃料供給部7内を介して燃料タンク3に接続された連通孔28が設けられている。なお、バルブ本体24bの後方側に設けられたガイドピン24dは連通孔28内に挿通されている。このように、ソケット部6はハウジング21内に設けられた燃料流路が、下部部材21cに設けられた連通孔28を介して燃料タンク3に接続されている。そして、バルブ24を開状態としてソケット部6内の燃料流路を開くことによって、燃料カートリッジ5に収容された液体燃料を、ソケット部6を介して燃料タンク3内に注入することが可能とされている。
上述したソケット部6のハウジング21の内周面には、ノズル部9側の案内溝18と係合して燃料カートリッジ5の挿入を案内するキー部29が設けられている。キー部29は例えば金属材料で形成されており、ハウジング21の内周面から径方向内側に向けて突出するように配置されている。キー部29は案内溝18の数にしたがった配置数や配置間隔で設けられている。このようなキー部29をハウジング21に設けたキー挿入穴21aに差し込むことによって、キー部29をハウジング21の径方向内側に突出させている。さらに、キー部29はその突出方向に伸縮可能とされている。
すなわち、ソケット部6は案内溝18と係合するキー部29と、このキー部29を突出方向に伸縮させる伸縮機構30とを備えている。キー部29の伸縮機構30には、例えばばね材やゴム状弾性体等を使用することができる。図3は板ばねを用いた伸縮機構30を示している。すなわち、図3に示す伸縮機構30はキー部29の後方に配置された板ばね31を有している。板ばね31はキー部29の軸方向内側に向けてばね力(復元力)を加えている。キー部29の先端に力が加わった際に板ばね31が外側にたわむことによって、ハウジング21の内周面から突出しているキー部29は径方向外側に向けて後退(収縮)する。キー部29先端に加えられていた力が取り除かれると、キー部29は板ばね31のばね力で元の状態(定常状態)に復元する。
図4はコイルばねを用いた伸縮機構30を示している。すなわち、図4に示す伸縮機構30はキー部29の後方に配置されたコイルばね(圧縮ばね)32を有している。キー部29の先端に力が加わった際にコイルばね32が軸方向に縮むことによって、ハウジング21の内周面から突出しているキー部29は径方向外側に向けて後退(収縮)する。キー部29先端に加えられていた力が取り除かれると、キー部29はコイルばね32のばね力で元の状態(定常状態)に復元する。このように、伸縮機構30はキー部29をハウジング21の内周面から突出した定常状態とそれより径方向外側に後退した状態(収縮状態)との間で、その突出方向(キー部29の軸方向)に伸縮させるものである。
キー部29の伸縮機構30を構成するばね材は、上述した板ばね31やコイルばね32に限られるものではなく、キー部29の軸方向内側に向けてばね力(復元力)を加えることが可能なものであれば種々のばね材を使用することができ、例えば台形ばねのようなばね材を適用することも可能である。さらに、ばね材に代えてゴム状弾性体で伸縮機構30を構成してもよい。この場合、ゴム状弾性体による弾性力がキー部29の軸方向内側に向けて加えられるように、キー部29の後方にゴム状弾性体を配置する。
キー部29の先端(案内溝18と接する部分)は、例えば図3や図4に示したように曲面で構成されている。キー部29の先端には曲面に限らず、図5や図6に示すように傾斜面を設けてもよい。ここで、キー部29の先端形状は案内溝18との係合性を高めることに加えて、後述するように燃料カートリッジ5に過剰なねじり力が加えられた際に、ノズル部9が回転するようにキー部29を後退させるような形状を有していることが好ましい。このようなキー部29の先端形状としては、例えば図3や図4に示した曲面形状や図5や図6に示した傾斜面形状(回転方向に傾斜面を設けた形状)が挙げられる。
上述したような燃料カートリッジ5に収容された液体燃料を燃料電池本体4の燃料タンク3に供給するにあたっては、図7および図8に示すように、燃料カートリッジ5のノズル部9を燃料タンク3に設けられたソケット部6に挿入して接続する。ここで、ソケット部6のキー部29は、定常状態(ソケット部6にノズル部9が挿入されていない状態)では伸縮機構30のばね力や弾性力等によって、ハウジング21の内周面から径方向内側に突出している。このようなソケット部6のキー部29をノズル部9の案内溝18に係合させながら、ノズル部9をソケット部6に挿入する。
ノズル部9をソケット部6に挿入すると、まずノズル挿入部12の先端部がゴムホルダ23に接触し、バルブ機構が開状態となる前に液体燃料の流路周辺のシールが確立される。この状態からノズル部9をソケット部6に差し込むと、ノズル部9のバルブステム14cとソケット部6のバルブステム24cの先端同士が突き当たると共に、キー部29が案内溝18を遡って接続状態確認部としての凸部19に接触する。この状態からさらにノズル部9をソケット部6に差し込むと、キー部29が凸部19を乗り越えてノズル部9とソケット部6とが接続されると同時に、ソケット部6のバルブ24とノズル部9のバルブ14とが順に開放されて液体燃料の流路が確立する。
この際、キー部29はその後方に配置された伸縮機構30で伸縮可能とされている。従って、キー部29は図7に示すように、定常状態(内側に突出した状態)から外側に向けて後退(収縮)しつつ、凸部19を乗り越えることになる。キー部29が凸部19を乗り越えると、キー部29は図7に示すように伸縮機構30を構成するばね31、32のばね力(復元力)等の弾性力で元の状態(定常状態)に復元する。この状態でキー部29が案内溝18の終端部に突き当たることによって、ノズル部9とソケット部6との接続が確立される。さらに、キー部29が凸部19を乗り越えることによって、操作者にロック感(クリック感)を与えて、接続操作が完了したことを実感させることができる。
ここで、キー部29は前述したように金属材料等で形成されているのに対して、ノズル部9のノズル挿入部12(案内溝18や凸部19を含む)は、例えばスーパーエンジニアプラスチックや汎用エンジニアプラスチック等の樹脂材料で形成されている。金属製のキー部29が単に樹脂製の凸部19を乗り越えた場合、凸部19がキー部29で削られてしまうおそれがある。このような点に対して、この実施形態ではキー部29が伸縮(後退)しながら凸部19を乗り越えるため、金属製のキー部29で樹脂製の凸部19が削られることを抑制することが可能となる。さらに、案内溝18自体もキー部29で削られるおそれがあるが、これもキー部29の伸縮で抑制することができる。
さらに、キー部29と案内溝18とが一対の形状をなすように、それらの具体的な形状、配置数、配置間隔等を液体燃料に応じて設定することによって、液体燃料の誤注入等を防止することができる。すなわち、キー部29の形状、配置数、配置間隔等を液体燃料の種別(種類や濃度等)に応じて設定し、さらに案内溝18をキー部29に対応した形状、配置数、配置間隔とすることで、燃料電池本体4に対応した液体燃料を収容する燃料カートリッジ5のみを接続可能にすることができる。これによって、燃料電池本体4に対応した液体燃料のみを供給することが可能となる。このように、キー部29と案内溝18との組合せは燃料識別手段として利用することができる。
また、ノズル部29は燃料カートリッジ5に過度なねじり力が加わった際に回転するように構成されている。すなわち、キー部29と案内溝18とが係合した状態で、燃料カートリッジ5に過度なねじり力が加わったとしても、キー部29が伸縮機構30により後退することで、ノズル部29の回転を阻害することがない。従って、キー部29と案内溝18との係合部の破損やそれに基づくノズル部9やソケット部6の損傷を抑制することができる。燃料カートリッジ5にねじり力が加わった際にノズル部29の回転させる上で、前述したようにキー部29の先端側には曲面や傾斜面を設けておくことが好ましい。これによって、ねじり力に対してキー部29がスムーズに後退する。
なお、ノズル部9やソケット部6の形成材料には、耐メタノール性を有するスーパーエンジニアプラスチックや汎用エンジニアプラスチックを適用することが好ましい。このような材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)等の汎用エンジニアプラスチック、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)等のスーパーエンジニアプラスチックが挙げられる。
ノズル部9の案内溝18に形成する凸部19の形状は、特に限定されるものではなく、例えば図9に示す断面台形状や図10に示す断面半円状等が挙げられる。また、キー部29の乗り越えをさらに容易にするめために、例えば図11や図12に示すようにキー部29の挿入方向の傾斜を緩やかにした形状等を適用することも可能である。図9ないし図12では凸部19を案内溝18の底面に設けた構造を示したが、例えば図13や図14に示すように、凸部19は案内溝18の側面に設けてもよい。この場合、凸部19は図13に示すように案内溝18の一方の側面から突出するように設けてもよいし、また図14に示すように案内溝18の両側面から突出するように設けてもよい。
さらに、案内溝18は図9ないし図14に示した直線形状に限らず、例えば図15や図16に示すようなJ形状を有するものであってもよい。すなわち、図15および図16に示す案内溝18は、燃料カートリッジ5の挿入方向に沿って形成された直線部18aと、この直線部18aから連続して周方向に変位する曲線部18bとを有しており、さらに曲線部18bの終端部近傍の一方の側面(図15)または両側面(図16)に凸部19が設けられている。このような周方向に変位する案内溝18によれば、燃料カートリッジ5をより確実に固定することができる。なお、凸部19を案内溝18の側面に形成する場合も、案内溝18の底面に形成する場合と同様に種々の形状を適用することが可能である。
上述したように、この実施形態による燃料カートリッジ5の接続機構(ソケット部6とノズル部9とによる接続機構(カップラ))によれば、ソケット部6側のキー部29でノズル部9側の案内溝18や接続状態確認部としての凸部19等が削られることが抑制される。従って、燃料カートリッジ5のロック状態を継続的に維持することができると共に、ロック感(クリック感)を持続的に付与することが可能となる。そして、燃料カートリッジ5の接続と同時にノズル部9とソケット部6の燃料流路をそれぞれ開くことによって、燃料カートリッジ5に収容された液体燃料を燃料電池本体4の燃料タンク3に供給することができる。このような接続機構を適用した燃料電池1によれば、接続信頼性、操作性、液体燃料の供給信頼性等を向上させることが可能となる。
なお、ここではソケット部6側のキー部29を伸縮させる構造について説明したが、例えばノズル部9側の凸部19を伸縮可能とすることによっても同様な効果を得ることができる。さらに、ソケット部6とノズル部9の取り付け部位や案内溝18とキー部29の形成位置等も種々に変更が可能である。例えば、ノズル部9のノズル挿入部12の外周面にキー部を設けると共に、このキー部と係合する案内溝をソケット部6のハウジング21の内周面に設けてもよいし、また燃料タンク3側にノズル部を設けると共に、燃料カートリッジ5側にソケット部を設けるようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態による燃料電池用燃料カートリッジの接続機構について、図17ないし図19を参照して説明する。なお、燃料電池1の全体構造は前述した実施形態と同様である。さらに、ノズル部9側の案内溝18に設ける接続状態確認部の形状やソケット部6側のキー部29の突出状態等を除いて、ノズル部9とソケット部6の詳細構造は第1の実施形態と同様とされている。図17ないし図19において、第1の実施形態と同一部分については同一符号を付し、その説明を一部省略する。
燃料カートリッジ5側の接続機構としてのノズル部(オス側カップラ)9において、案内溝18の終端部には接続状態確認部として凹部41が形成されている。接続状態確認部としての凹部41は、後述する図20ないし図23に示すように、案内溝18の底面に形成することができる。また、案内溝18の形状は前述した第1の実施形態と同様に、ノズル挿入部12の軸方向に沿った直線形状に限らず、途中から周方向に変位するものであってもよい。すなわち、案内溝18の形状としては直線形状、あるいは直線部と曲線部とを有するJ形状等が挙げられる。
一方、燃料電池本体4側の接続機構としてのソケット部(メス側カップラ)6において、ハウジング21の内周面にはノズル部9側の案内溝18と係合して燃料カートリッジ5の挿入を案内するキー部29が設けられている。キー部29はハウジング21の内周面から径方向内側に突出するように配置されており、さらに前述した第1の実施形態と同様に突出方向に対して伸縮可能とされている。すなわち、ソケット部6は案内溝18と係合するキー部29と、このキー部29を突出方向に伸縮させる伸縮機構30とを備えている。伸縮機構30の具体的な構造は前述した通りである。
ここで、第2の実施形態におけるキー部29の伸縮機構30は、案内溝18と係合するときにキー部29を定常状態から収縮させると共に、キー部29が凹部41と嵌合するときに突出させて定常状態に復元させるものである。すなわち、キー部29は凹部41と嵌合した際に定常状態に復元するように、当初(定常状態)の突出位置が設定されている。キー部29は案内溝18と係合する際に、上記した定常状態から伸縮機構30に基づいて後退(収縮)するように構成されている。伸縮機構30は前述した第1の実施形態と同様に、各種のばね材やゴム状弾性体で構成することができる。
上述したような燃料カートリッジ5に収容された液体燃料を燃料電池本体4の燃料タンク3に供給するにあたっては、図18および図19に示すように、燃料カートリッジ5のノズル部9を燃料タンク3に設けられたソケット部6に挿入して接続する。ここで、ソケット部6のキー部29は、定常状態(ソケット部6にノズル部9が挿入されていない状態)では伸縮機構30のばね力や弾性力等によって、ハウジング21の内周面から径方向内側に突出している。このようなソケット部6のキー部29をノズル部9の案内溝18に係合させながら、ノズル部9をソケット部6に挿入する。
ノズル部9をソケット部6に挿入すると、まずキー部29が伸縮機構30で後退(収縮)して案内溝18に係合する。さらに、ノズル挿入部12の先端部がゴムホルダ23に接触し、バルブ機構が開状態となる前に液体燃料の流路周辺のシールが確立される。この状態からノズル部9をソケット部6に差し込むと、図18に示すようにキー部29が後退した状態を維持しつつ案内溝18を遡り、ノズル部9のバルブステム14cとソケット部6のバルブステム24cの先端同士が突き当たる。
この状態からさらにノズル部9をソケット部6に差し込むと、図19に示すようにキー部29が凹部41に嵌合してノズル部9とソケット部6とが接続されると同時に、ソケット部6のバルブ24とノズル部9のバルブ14とが順に開放されて液体燃料流路が確立する。この際、キー部29は伸縮機構30のばね力(復元力)等で定常状態に復元し、これにより凹部41と嵌合する。このようにして、ノズル部9とソケット部6との接続が確立される。さらに、キー部29を凹部41に嵌合させることによって、操作者にロック感(クリック感)を与えて、接続操作が完了したことを実感させることができる。
この実施形態の燃料カートリッジ5の接続機構においては、キー部29を伸縮可能とすることによって、案内溝18の終端部に設けた凹部41にキー部29を嵌合させる接続構造の適用を可能としている。さらに、キー部29が伸縮機構30により後退して案内溝18に係合し、この状態を維持して案内溝18を遡るため、金属製のキー部29で樹脂製の案内溝18が削られることを抑制することができる。さらに、キー部29を接続状態確認部としての凹部41に確実に結合させることができる。
ノズル部9の案内溝18に形成する凹部41の形状は、特に限定されるものではなく、例えば図20に示す断面台形状や図21に示す断面半円状等が挙げられる。また、キー部29の嵌合や離脱を容易にするめために、例えば図22や図23に示すようにキー部29の挿入方向の傾斜を緩やかにした形状等を適用することも可能である。さらに、案内溝18は図20ないし図23に示した直線形状に限らず、J形状を有するものであってもよい。すなわち、案内溝18は、燃料カートリッジ5の挿入方向に沿って形成された直線部と、この直線部から連続して周方向に変位する曲線部とを有し、さらに曲線部の終端部に凹部41を設けたものであってもよい。
この実施形態による燃料カートリッジ5の接続機構(ソケット部6とノズル部9とによる接続機構)によれば、ソケット部6側のキー部29でノズル部9側の案内溝18等が削られることが抑制される。従って、燃料カートリッジ5のロック状態を継続的に維持することができると共に、ロック感(クリック感)を持続的に付与することが可能となる。そして、燃料カートリッジ5の接続と同時にノズル部9とソケット部6の流路をそれぞれ開くことによって、燃料カートリッジ5に収容された液体燃料を燃料電池本体4の燃料タンク3に供給することができる。このような接続機構を適用した燃料電池1によれば、接続信頼性、操作性、液体燃料の供給信頼性等を向上させることが可能となる。
次に、燃料電池本体4の構造について説明する。燃料電池本体4は特に限定されるものではなく、例えばパッシブ型やアクティブ型のDMFCを適用することができる。ここでは、燃料電池本体4に内部気化型のDMFCを適用した実施形態について、図24を参照して説明する。ただし、これに限定されるものではない。図24に示す内部気化型(パッシブ型)のDMFC4は、起電部を構成する燃料電池セル2と燃料タンク3に加えて、これらの間に介在された気体選択透過膜51を具備している。
燃料電池セル2は、アノード触媒層52およびアノードガス拡散層53からなるアノード(燃料極)と、カソード触媒層54およびカソードガス拡散層55からなるカソード(酸化剤極/空気極)と、アノード触媒層52とカソード触媒層54とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜56とから構成される膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を有している。アノード触媒層52およびカソード触媒層54に含有される触媒としては、例えば、Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。
具体的には、アノード触媒層52にメタノールや一酸化炭素に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を、カソード触媒層54に白金やPt−Ni等を用いることが好ましい。また、炭素材料のような導電性担持体を使用する担持触媒、あるいは無担持触媒を使用してもよい。電解質膜56を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂、タングステン酸やリンタングステン酸等の無機物等が挙げられる。ただし、これらに限られるものではない。
アノード触媒層52に積層されるアノードガス拡散層53は、アノード触媒層52に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層52の集電体も兼ねている。一方、カソード触媒層54に積層されるカソードガス拡散層55は、カソード触媒層54に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層54の集電体も兼ねている。アノードガス拡散層53にはアノード導電層57が積層され、カソードガス拡散層55にはカソード導電層58が積層されている。
アノード導電層57およびカソード導電層58は、例えば金のような導電性金属材料からなるメッシュや多孔質膜、あるいは薄膜等で構成されている。なお、電解質膜56とアノード導電層57との間、および電解質膜56とカソード導電層58との間には、ゴム製のOリング59、60が介在されており、これらによって燃料電池セル(膜電極接合体)2からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
燃料タンク3の内部には、液体燃料Fとしてメタノール燃料が充填されている。また、燃料タンク3は燃料電池セル2側が開口されており、この燃料タンク3の開口部と燃料電池セル2との間に気体選択透過膜51が設置されている。気体選択透過膜51は、液体燃料Fの気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離膜である。このような気体選択透過膜51の構成材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂が挙げられる。ここで、液体燃料Fの気化成分とは、液体燃料Fとしてメタノール水溶液を使用した場合にはメタノールの気化成分と水の気化成分からなる混合気、純メタノールを使用した場合にはメタノールの気化成分を意味する。
カソード導電層58上には保湿層61が積層されており、さらにその上には表面層62が積層されている。表面層62は酸化剤である空気の取入れ量を調整する機能を有し、その調整は表面層62に形成された空気導入口63の個数やサイズ等を変更することで行う。保湿層61はカソード触媒層54で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制する役割を果たすと共に、カソードガス拡散層55に酸化剤を均一に導入することで、カソード触媒層54への酸化剤の均一拡散を促進する機能も有している。保湿層61は例えば多孔質構造の部材で構成され、具体的な構成材料としてはポリエチレンやポリプロピレンの多孔質体等が挙げられる。
そして、燃料タンク3上に気体選択透過膜51、燃料電池セル2、保湿層61、表面層62を順に積層し、さらにその上から例えばステンレス製のカバー64を被せて全体を保持することによって、この実施形態のパッシブ型DMFC(燃料電池本体)4が構成されている。カバー64には表面層62に形成された空気導入口63と対応する部分に開口が設けられている。また、燃料タンク3にはカバー64の爪64aを受けるテラス65が設けられており、このテラス65に爪64aをかしめることで燃料電池本体4全体をカバー64で一体的に保持している。なお、図24では図示を省略したが、図1に示したように燃料タンク3の下面側にはソケット部6を有する燃料供給部7が設けられている。
上述したような構成を有するパッシブ型DMFC(燃料電池本体)4においては、燃料タンク3内の液体燃料F(例えばメタノール水溶液)が気化し、この気化成分が気体選択透過膜51を透過して燃料電池セル2に供給される。燃料電池セル2内において、液体燃料Fの気化成分はアノードガス拡散層53で拡散されてアノード触媒層52に供給される。アノード触媒層52に供給された気化成分は、下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
なお、液体燃料Fとして純メタノールを使用した場合には、燃料タンク3から水蒸気が供給されないため、カソード触媒層54で生成した水や電解質膜56中の水をメタノールと反応させて(1)の内部改質反応を生起するか、あるいは上記した(1)式の内部改質反応によらず、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
内部改質反応で生成されたプロトン(H+)は電解質膜56を伝導し、カソード触媒層54に到達する。表面層62の空気導入口63から取り入れられた空気(酸化剤)は、保湿層61、カソード導電層57、カソードガス拡散層55を拡散して、カソード触媒層54に供給される。カソード触媒層54に供給された空気は、次の(2)式に示す反応を生じさせる。この反応によって、水の生成を伴う発電反応が生じる。
(3/2)O2+6H++6e- → 3H2O …(2)
上述した反応に基づく発電反応が進行するにしたがって、燃料タンク3内の液体燃料F(例えばメタノール水溶液や純メタノール)は消費される。燃料タンク3内の液体燃料Fが空になると発電反応が停止するため、その時点でもしくはそれ以前の時点で燃料タンク3内に燃料カートリッジ5から液体燃料を供給する。燃料カートリッジ5からの液体燃料の供給は、前述したように燃料カートリッジ5側のノズル部9を燃料電池本体4側のソケット部6に挿入して接続することにより実施される。
この実施形態の燃料電池(パッシブ型DMFC)においては、燃料カートリッジ5を燃料電池本体4に容易にかつ確実に接続することができるため、燃料カートリッジ5から燃料電池本体4への液体燃料の供給を継続的に信頼性よく実施することが可能となる。特に、小型化が進められているパッシブ型DMFCに好適である。ただし、本発明の接続機構はこれに限られるものではなく、燃料カートリッジで液体燃料を供給する機構を有する各種の燃料電池に適用可能である。
本発明の一実施形態による燃料電池の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態による燃料カートリッジの接続機構(ノズル部とソケット部とによる接続機構)の構成(未接続状態)を示す断面図である。 図2に示すソケット部におけるキー部の伸縮機構の一例を示す図である。 図2に示すソケット部におけるキー部の伸縮機構の他の例を示す図である。 図3に示すキー部の一変形例を示す図である。 図4に示すキー部の一変形例を示す図である。 図2に示す接続機構の結合進行状態を示す断面図である。 図2に示す接続機構の結合状態を示す断面図である。 図2に示すノズル部の案内溝に形成する凸部の一例を示す断面図である。 図2に示すノズル部の案内溝に形成する凸部の他の例を示す断面図である。 図2に示すノズル部の案内溝に形成する凸部のさらに他の例を示す断面図である。 図2に示すノズル部の案内溝に形成する凸部のさらに他の例を示す断面図である。 図2に示すノズル部の案内溝の側面に凸部を形成した一例を示す正面図である。 図13に示す凸部の変形例を示す正面図である。 図2に示すノズル部の案内溝と凸部の変形例を示す図である。 図15に示す凸部の変形例を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態による燃料カートリッジの接続機構(ノズル部とソケット部とによる接続機構)の構成(未接続状態)を示す断面図である。 図17に示す接続機構の結合進行状態を示す断面図である。 図17に示す接続機構の結合状態を示す断面図である。 図17に示すノズル部の案内溝に形成する凹部の一例を示す断面図である。 図17に示すノズル部の案内溝に形成する凹部の他の例を示す断面図である。 図17に示すノズル部の案内溝に形成する凹部のさらに他の例を示す断面図である。 図17に示すノズル部の案内溝に形成する凹部のさらに他の例を示す断面図である。 図1に示す燃料電池における燃料電池本体の一例として内部気化型DMFCの構成例を示す断面図である。
符号の説明
1…燃料電池、2…燃料電池セル、3…燃料タンク、4…燃料電池本体、5…燃料カートリッジ、6…ソケット部(メス側カップラ)、8…カートリッジ本体、9…ノズル部(オス側カップラ)、12…ノズル挿入部、14,24…バルブ、18…案内溝、19…凸部、21…ハウジング、29…キー部、30…伸縮機構、31…板ばね、32…コイルばね、41…凹部。

Claims (14)

  1. 燃料カートリッジに設けられたノズル部であって、その外周部に形成された案内溝と、前記案内溝の終端部近傍に形成された凸部または凹部を有する接続状態確認部とを備えるノズル部と、
    燃料電池本体に設けられ、前記ノズル部が挿入されて接続されるソケット部であって、その内周面から突出するように設けられ、前記案内溝と係合して前記燃料カートリッジの挿入を案内すると共に、前記接続状態確認部と接触して前記ノズル部と前記ソケット部との接続状態を示すキー部と、前記キー部を突出方向に伸縮させる伸縮機構とを備えるソケット部と
    を具備することを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  2. 請求項1記載の燃料電池用燃料カートリッジ接続機構において、
    前記伸縮機構は、前記キー部が前記接続状態確認部を構成する前記凸部を乗り越えるときに、定常状態の前記キー部を収縮させることを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  3. 請求項1記載の燃料電池用燃料カートリッジ接続機構において、
    前記伸縮機構は、前記キー部が前記案内溝と係合するときに、定常状態の前記キー部を収縮させると共に、前記キー部が前記接続状態確認部を構成する前記凹部と嵌合するときに、前記収縮状態のキー部を突出させて定常状態に復元させることを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の燃料電池用燃料カートリッジの接続機構において、
    前記伸縮機構は前記キー部を伸縮させるばね材またはゴム状弾性体を有することを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の燃料電池用燃料カートリッジの接続機構において、
    前記キー部はその先端部側に設けられた曲面または傾斜面を有することを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  6. 請求項5記載の燃料電池用燃料カートリッジの接続機構において、
    前記キー部は前記ノズル部が前記ソケット部に接続された前記燃料カートリッジにねじり力が加えられた際に前記ノズル部が回転するように伸縮することを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の燃料電池用燃料カートリッジの接続機構において、
    前記キー部および前記案内溝は前記液体燃料に応じた形状、配置数および配置間隔から選ばれる少なくとも1つを有し、前記燃料電池本体に対応した前記液体燃料を収容した前記燃料カートリッジのノズル部を前記ソケット部に接続した場合のみに、前記キー部と前記案内溝とが係合するように構成されていることを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の燃料電池用燃料カートリッジの接続機構において、
    前記接続状態確認部は前記案内溝の底面または側面に形成された1個以上の前記凸部または凹部を有することを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の燃料電池用燃料カートリッジの接続機構において、
    前記案内溝は前記ノズル部の外周面に前記燃料カートリッジの挿入方向に沿って直線状に形成されていることを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  10. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の燃料電池用燃料カートリッジの接続機構において、
    前記案内溝は、前記ノズル部の外周面に前記燃料カートリッジの挿入方向に沿って形成された直線部と、前記直線部から連続して周方向に変位する曲線部とを有することを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項記載の燃料電池用燃料カートリッジの接続機構において、
    前記ノズル部および前記ソケット部は、それぞれバルブ機構を内蔵することを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジの接続機構。
  12. 燃料電池用の液体燃料を収容するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体に設けられたノズル部とを備える燃料カートリッジと、
    前記燃料カートリッジのノズル部と着脱可能に接続されるソケット部を有する燃料供給部と、前記燃料供給部から前記液体燃料が供給されて発電動作する起電部とを備える燃料電池本体とを具備し、
    前記燃料カートリッジのノズル部と前記燃料電池本体のソケット部とは、請求項1ないし請求項11のいずれか1項記載の燃料電池用燃料カートリッジの接続機構を具備することを特徴とする燃料電池。
  13. 請求項12記載の燃料電池において、
    前記起電部は、燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極と前記酸化剤極とに挟持された電解質膜とを備えることを特徴とする燃料電池。
  14. 請求項13記載の燃料電池において、
    さらに、前記燃料タンクと前記起電部との間に介在され、前記液体燃料の気化成分を前記燃料極に供給する気体選択透過膜を具備することを特徴とする燃料電池。
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