JP2007240743A - 波長変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長変換装置の部品数や組立工数を減らすことにより低コスト化を図り、及び小型化を容易にする。
【解決手段】半導体基板10の第1主表面11上に、ドメイン反転層50、n型の第1クラッド層60、導波路層70、p型の第2クラッド層80及びキャップ層85を順に積層して備えている。さらに、キャップ層85上に第2電極94を備え、半導体基板の第2主表面13上に第1電極92を備えている。第1電極と第2電極間に順方向の電圧が印加されると、導波路層内に発振光が発生する。導波路層には、発振光の導波方向に、信号光、発振光及び変換光の間の擬似位相整合条件を満たす周期的ドメイン反転構造が設けられていて、導波路層に入射された信号光と、発振光とによる差周波発生により差周波光が発生し、差周波光が変換光として出射される。
【選択図】図1

Description

この発明は、波長変換素子及びその製造方法に関するものである。
波長変換装置を構成する波長変換素子として、半導体基板に周期的ドメイン反転構造が形成された光導波路によって、擬似位相整合(QPM:Quasi−Phase Matching)を実現して波長変換を行う、擬似位相整合型波長変換素子(以下、QPM型波長変換素子と称することもある。)が開発されている(例えば、非特許文献1参照)。この波長変換素子にポンプ光と信号光を入射すると、ポンプ光と信号光の差周波であって、QPM条件を満たす光が変換光として得られる。
S.J.Yoo et al.、"Quasi−phase−matched second−harmonic generation in AlGaAs waveguides with periodic domain inversion achieved by wafer−bonding"、Appl.Phys.Lett., vol.66, No.25, June 1995, pp.3410−3412
しかしながら、上述の従来例の波長変換素子にポンプ光を入射させるためには、光源の光出力を光ファイバに入射させ、その光ファイバからの光を波長変換素子に入射させる必要がある。このため、光源である半導体レーザ素子と波長変換素子を波長変換装置の筺体に固定して、それぞれレンズ系及び光ファイバと光学的に結合(以下、単に光学結合と称する。)させた後、半導体レーザ素子と波長変換素子とを光学結合させることになる。この場合、レンズ系などの部品の数や光学結合などの組立工数を減らすことが困難であるので、低コスト化が図れない。また、半導体レーザ素子と波長変換素子とを光学結合するための空間が必要になるので、波長変換素子の小型化が困難である。
上述の問題を解決するために、この出願に係る発明者が鋭意研究を行ったところ、波長変換を行う導波路で、レーザ発振を起こさせることにより得られたレーザ光を、波長変換素子のポンプ光として利用できることを見出した。波長変換素子の導波路で発生したレーザ光をポンプ光として利用すれば、波長変換素子への外部からのポンプ光の入射が不要になる。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、従って、この発明の目的は、部品数や組立工数を減らすことにより低コスト化が図られ、及び小型化が容易になる波長変換素子及びその製造方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の、入射された信号光に対して、信号光と波長が異なる変換光を出射する波長変換素子は、半導体基板と、ドメイン反転層と、積層体と、キャップ層と、第1電極と、第2電極とを備えている。ドメイン反転層は、半導体基板の第1主表面上に形成されている。積層体は、ドメイン反転層上に、n型の第1クラッド層、導波路層及びp型の第2クラッド層が順に積層されて形成されている。キャップ層は、第2クラッド層上に形成されている。第1電極は、半導体基板の第2主表面上に設けられており、及び第2電極は、キャップ層上に設けられている。第1電極と第2電極間の積層体に順方向の電圧が印加されると、導波路層内に誘導放出光が発生する。誘導放出光が導波路層の長手方向の両端面間に構成される共振器により増幅されて発振光が発生する。導波路層には、発振光の導波方向に、信号光、発振光及び変換光の間の擬似位相整合条件を満たす周期的ドメイン反転構造が設けられていて、導波路層に入射された信号光と、発振光とによる差周波発生により差周波光が発生する。この差周波光が変換光として出射される。
上述した波長変換素子の実施にあたり、好ましくは、半導体基板の第1主表面上に、擬似位相整合条件を満たす周期で交互に第1領域及び第2領域が設定されており、ドメイン反転層は、第1領域の半導体基板の第1主表面上に、順次に積層されて形成された半導体層及び第1ドメイン層と、第2領域の半導体基板の第1主表面上に形成された第2ドメイン層とを備えるのが良い。なお、第2ドメイン層の自発分極の方向は、第1ドメイン層の自発分極の方向に対して反転している。
また、この発明の他の好適実施形態によれば、波長変換素子は、半導体基板、ドメイン反転層、積層体、キャップ層、第1電極及び第2電極を備えている。半導体基板の第1主表面には、第1領域の傾斜面と第2領域の水平面の周期構造が設けられている。ドメイン反転層は、周期構造上に、Ge層とGaAs層が順に積層されて形成されている。積層体は、ドメイン反転層上に、n型の第1クラッド層、導波路層及びp型の第2クラッド層が順に積層されて形成されている。キャップ層は、第2クラッド層上に形成されている。第1電極は、半導体基板の第2主表面上に設けられており、及び第2電極は、キャップ層上に設けられている。第1電極と第2電極間の積層体に順方向の電圧が印加されると、導波路層内に誘導放出光が発生し、該誘導放出光が導波路層の長手方向の両端面間に構成される共振器により増幅されて発振光が発生し、周期構造は、信号光、発振光及び変換光の間の擬似位相整合条件を満たしている。導波路層では、第2領域の部分の自発分極の方向が第1領域の部分の自発分極の方向に対して反転している。導波路層に入射された信号光と、発振光とにより差周波光が発生し、及びこの差周波光が変換光として出射される。
また、この発明の波長変換素子の製造方法は、以下の工程を備えている。
先ず、半導体基板を用意する。次に、半導体基板の第1主表面上に、信号光、当該波長変換素子で発生する発振光及び変換光の間の擬似位相整合条件を満たす周期で自発分極の方向が反転するドメイン反転層を形成する。次に、ドメイン反転層上に、n型の第1クラッド層、導波路層及びp型の第2クラッド層を順次に成長させて、当該第1クラッド層、導波路層及び第2クラッド層が積層されて形成された積層体に擬似位相整合条件を満たす周期的ドメイン反転構造を形成する。次に、第2クラッド層上にキャップ層を形成する。次に、半導体基板の第2主表面上に第1電極を形成し、及びキャップ層上に第2電極を形成する。
上述した半導体素子の製造方法の実施にあたり、好ましくは、ドメイン反転層を形成する工程が、以下の工程を備えるのが良い。先ず、半導体基板の第1主表面上に、第1半導体層及び第2半導体層を順次に積層して形成する。次に、第2半導体層上に、擬似位相整合条件を満たす周期で交互に第1領域及び第2領域を設定し、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、第2領域に開口部が設けられている絶縁膜マスクを形成する。次に、絶縁膜マスクを用いたエッチングにより、第1半導体層及び第2半導体層の第2領域の部分を除去して、第2領域の半導体基板の第1主表面を露出させる。次に、第1領域に残存した第2半導体層の部分を第1ドメイン層とし、及び、第2領域の露出した半導体基板上に、自発分極の方向が前記第1領域内の自発分極の方向に対して反転している第2ドメイン層を第1ドメイン層と同じ高さまで成長させる。次に、絶縁膜マスクを除去する。
ドメイン反転層を形成する工程は、以下の工程を備えていても良い。先ず、半導体基板の第1主表面上に、擬似位相整合条件を満たす周期で交互に第1領域及び第2領域を設定し、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、第1領域に開口部が設けられている絶縁膜マスクを形成する。次に、第1領域の半導体基板の第1主表面上に、Si層及びGaAs層を順次に積層して形成し、当該GaAs層を第1ドメイン層とする。次に、絶縁膜マスクを除去する。次に、絶縁膜マスクの除去により露出した、第2領域の半導体基板の第1主表面上に、自発分極の方向が第1領域内の自発分極の方向に対して反転しているGaAs層を形成し、当該GaAs層を第2ドメイン層とする。
また、この発明の半導体素子の製造方法の実施にあたり、以下の工程を備える構成としても良い。先ず、半導体基板を用意する。次に、半導体基板の第1主表面上に、信号光、当該波長変換素子で発生する発振光、及び変換光の間の擬似位相整合条件を満たす周期で、交互に第1領域及び第2領域を設定する。次に、半導体基板の第1主表面に、第1領域に水平面及び第2領域に傾斜面を有する周期構造を形成する。次に、周期構造上にGe層を形成し、さらにGe層上にGaAs層を形成して、第2領域内の自発分極の方向が、第1領域内の自発分極の方向に対して反転しているドメイン反転層を得る。次に、ドメイン反転層上に、第1クラッド層、導波路層、及び第2クラッド層を順次に成長させて、当該第1クラッド層、導波路層及び第2クラッド層が積層された積層体であって、第2領域内の自発分極の方向が、第1領域内の自発分極の方向に対して反転している、周期的ドメイン反転構造を有する当該積層体を形成する。次に、第2クラッド層上にキャップ層を形成する。次に、半導体基板の第2主表面上に第1電極を形成し、及びキャップ層上に第2電極を形成する。
この発明の波長変換素子及びその製造方法によれば、波長変換を行う導波路自体でレーザ発振を起こさせて、ポンプ光を得ることができる。従って、光源が不要になるとともに、光源と波長変換素子のそれぞれに設けられるレンズ系などの部品数を減らすことができる。また、従来のように、光源と波長変換素子の間の光学結合を行う必要がないので、波長変換装置の組立工数を減らすことができる。さらに、光学結合するための空間が不要になるので、波長変換装置の縮小化が可能になる。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係についてはこの発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成の組成(材質)及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されない。
(波長変換素子)
図1(A)及び(B)を参照して、この発明の波長変換素子について説明する。図1(A)及び(B)は、この発明の波長変換素子の構成例を説明するための概略図である。図1(A)は、波長変換素子の上面に直交し、かつその長手方向に沿った断面の切り口を示している。また、図1(B)は、波長変換素子の上面に直交し、かつその長手方向に直角な方向に沿った断面の切り口を示している。
波長変換素子100は、半導体基板としてn型のGaAs基板10と、ドメイン反転層50、積層体55、キャップ層85、第1電極92及び第2電極94とを備えている。
ドメイン反転層50は、GaAs基板の一方の主表面である第1主表面11上に形成されている。
積層体55は、ドメイン反転層50上に、n型の第1クラッド層60、導波路層70及びp型の第2クラッド層80が順に積層されて形成されている。第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80は、いずれもAlGaAsで形成されている。第1及び第2クラッド層60及び80の組成式は、Al0.3GaAsであり、導波路層70の組成式はAl0.13GaAsである。なお、ここでは、AlGaAsの表記は、Al0.3GaAs及びAl0.13GaAsなど組成比の異なるものを総称するものとして、用いている。
第1クラッド層60は、AlGaAsに例えばSiが導入されて、n型になっている。また、第2クラッド層80は、AlGaAsに例えばMg又はZnが導入されて、p型になっている。導波路層70は、真性の半導体層である。
波長変換素子100の長手方向に伝播する光の、横方向への拡散を防ぐため、すなわち、横方向の閉じ込めを行うため、第2クラッド層80は、リッジ状に形成されている。この結果、波長変換素子100は、リッジ導波路構造になっている。
キャップ層85は、積層体55の第2クラッド層80上に形成されている。キャップ層85は、例えばGaAsで形成される。
第1電極92は、GaAs基板10の、第1主表面11に対向する第2主表面13上に設けられている。また、第2電極94は、キャップ層85上に設けられている。
この第1電極92と第2電極94間の積層体55に順方向電圧が印加されると、導波路層70内にキャリアが注入され、その結果、導波路層70内で誘導放出光が発生する。導波路層70の長手方向の両端面72a及び72bの間に共振器が構成され、誘導放出光がこの共振器で増幅される。この結果、導波路層70の共振器で発振光が発生する。つまり、導波路層70は、いわゆる半導体レーザの活性層として機能することになり、この波長変換素子100は、半導体レーザとしての機能を有することになる。
第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80には、発振光の導波方向、すなわち、波長変換素子100の長手方向に沿って周期的ドメイン反転構造が設けられている。
周期的ドメイン反転構造について、GaAs基板10を、その上側表面である第1主表面11が(100)面である直方体状として説明する。
GaAs基板10の第1主表面11に、周期Λで交互に設定された第1領域及び第2領域を考える。
ドメイン反転層50は、第1領域のGaAs基板10の第1主表面11上に順次に形成された半導体層であるシリコン(Si)層22及び第1ドメイン層32と、第2領域のGaAs基板10の第1主表面11上に形成された第2ドメイン層40とを備えている。第1ドメイン層32及び第2ドメイン層40はいずれもGaAsで形成されている。なお、半導体層として、Si層22の代わりにGe層を用いても良い。
GaAs基板10上の第2ドメイン層40の自発分極の方向は、[100]軸方向(図中、矢印Iで示す方向)であるとする。このとき、Si層22上の第1ドメイン層32の自発分極の方向は、反転して[−100]軸方向(図中、矢印IIで示す方向)になっている。ここで、−1は、ミラー指数の1の上にバーをつけたものを表している。
第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80は、ドメイン反転層50上に、例えば、分子線エピタキシャル成長(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法で形成されている。第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80では、ドメイン反転層50の第1ドメイン層32及び第2ドメイン層40の繰り返し周期Λに等しい周期で、ドメインが反転している。すなわち、第2ドメイン層40の直上に位置する第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80の自発分極の方向は、第2ドメイン層40の自発分極の方向と同じく[100]軸方向である。一方、第1ドメイン層32の直上に位置する第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80の自発分極の方向は、第1ドメイン層32の自発分極の方向と同じく[−100]軸方向である。このように、第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80も、ドメイン反転層50と同じ周期Λの周期的ドメイン反転構造を有している。
導波路層70に外部から入射された信号光と、導波路層70内で発生した発振光とにより、差周波発生が発現する。差周波発生により発生した差周波光が変換光として、波長変換素子から出射される。
ここで、発振光(ポンプ光と称することもある。)、信号光、及び変換光のそれぞれの波数k、k、及びk間の波数差をΔk(=k−k−k)とすると、波長変換素子を伝播した各光の位相差は、ΔkLとなる。ここで、Lは波長変換素子の素子長である。従って、伝播中に位相差が生じないためにはΔk=0とする必要がある。
nを周波数ωでの屈折率、及びcを光速度としたときに、波数kは、k=nω/cで表される。この関係を用いると、Δk=(nω−nω−nω)/cが得られる。屈折率が光の周波数に依存して変化しないならば、ω+ω=ωであるので、常に、Δk=0となる。しかし、実際には、屈折率は周波数依存性を有しているので、Δkは0とはならない。このため、周期的ドメイン反転構造が形成された波長変換素子であるQPM型波長変換素子が使用される。このとき、波数間の関係は、Δk=k−k−k−2π/Λとなる。ここで、ポンプ光の特定の波長λp0に対して、QPM条件を満たすように、すなわち、kp0−ks0−kc0=2π/Λとなるように周期的ドメイン反転構造の周期Λを設定すると、この特定のポンプ光の波長λp0では、Δk=0となり、大きな変換効率が得られることになる。
なお、ここでは、半導体基板としてGaAs基板を用いて、導波路層、第1及び第2クラッド層をAlGaAsとして例について説明したが、これらに限定されるものではない。半導体基板としてInP基板を用いても、同様に実施可能である。また、導波路層、第1及び第2クラッド層は、ポンプ光の波長に応じて組成及び組成比が選択され、例えば、InPを用いることもできる。
また、波長変換素子をリッジ導波路型構造として説明したが、これに限定されるものでは、例えば、半導体基板としてInP基板を用いる場合などは、埋め込み型半導体レーザと同様に、埋め込み型の導波路構造としても良い。
(波長変換素子の製造方法)
図2〜5を参照して、波長変換素子の製造方法について説明する。ここでは、波長変換素子が、1つのウェハに複数形成される場合について説明する。図2(A)〜(C)、図3(A)〜(C)、図4(A)〜(D)及び図5(A)〜(B)は、波長変換素子の製造方法を説明するための工程図である。
最初に、図2(A)〜(C)及び図3(A)〜(C)を参照して、半導体基板上に周期的ドメイン反転構造を形成する工程について説明する。
図2(A)〜(C)及び図3(A)〜(C)は、主要製造段階で得られた構造体を、図1(A)と同様に、波長変換素子の上面に直交し、かつその長手方向に沿った断面の切り口で示している。
先ず、半導体基板としてGaAs基板10を用意する。なお、半導体基板として、InP基板を用いても良い。ここでは、GaAs基板10を、その上側表面が(100)面11であるとし、また、断面を(011)面12として説明する。GaAs基板10は、(100)面を[011]軸に対して10度程度まで傾斜させた傾斜基板としても良い(図2(A))。
次に、GaAs基板10の第1主表面である(100)面11上に、第1半導体層としてSi層20を成長させた後、第2半導体層としてGaAs層30を成長させる。後述する過程で自発分極の反転を生じさせるために、Si層20を、2nm以上の厚さに形成するのが好ましい。また、GaAs層30を、10nm以上の厚さに形成するのが好ましい。Si層20及びGaAs層30の形成には、例えば、MBE装置を用いることができる。成長条件の詳細は、装置依存性があるため装置固有の最適条件とするが、例えば、Si層20の成長温度を、450〜550℃程度とし、GaAs層30の成長温度を、400〜650℃程度とする。なお、Si層20に変えて、Ge層を形成しても良い(図2(B))。
次に、GaAs層30の上側表面に、第1領域5a及び第2領域5bの連続する2つの領域を一組として、周期的な区画領域を設定する。この周期Λは、信号光、波長変換素子で発生する発振光及び変換光の間のQPM条件を満たしている。GaAs層30上の全面に、例えば化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法などの任意好適な周知の方法でSiO膜を形成する。その後、従来周知のフォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、SiO膜を加工して第1領域5a内のSiO膜の部分を残存させると共に、第2領域5b内のSiO膜の部分を除去することによって、絶縁膜マスク42を形成する。よって、残存するSiO膜の部分で形成された絶縁膜マスク42には、第2領域5bに開口42bが形成されている(図2(C))。
次に、絶縁膜マスク42を用いたエッチングとして、例えば反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を行う。このエッチングにより、絶縁膜マスク42で覆われていない第2領域5bのGaAs層30及びSi層20の部分が除去され、第2領域5b内に、GaAs基板10の第1主表面11が露出する。第1領域5aには、GaAs層32及びSi層22が残存する。なお、第1領域5aに残存しているGaAs層32を第1ドメイン層32と称することもある(図3(A))。
次に、第2領域の露出したGaAs基板10の第1主表面11上に、例えばMBE法により半導体層としてGaAs層を成長させた後、絶縁膜マスク42を除去する。ここで成長したGaAs層を第2ドメイン層40と称する。第2ドメイン層40の成長は、第1ドメイン層32と同じ高さまで行われる。Si層22、第1ドメイン層32及び第2ドメイン層40は、ドメイン反転層50を構成する(図3(B))。
ここで、第2ドメイン層40が第1ドメイン層32よりも高く形成された場合は、化学的機械研磨(CMP:Chemical mechanical Polishing)法などにより、第2ドメイン層40の高さを第1ドメイン層32と同じ高さにすればよい。また、第1ドメイン層32を形成した後、絶縁膜マスク42を除去して、GaAs基板10の第1主表面11上及び第1ドメイン層32上にGaAs層を成長させた後、第1ドメイン層32の上面が露出するまでGaAs層をCMP法などにより研磨して第2ドメイン層40を得ても良い。なお、図3(B)を参照して説明したように、第2ドメイン層40の成長を、第1ドメイン層32と同じ高さまで行えば、CMP法などの研磨工程が不要になるので好適である。
その後、例えば、MBE装置を用いたエピタキシャル成長により、第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80を順に形成し、さらに、第2クラッド層80上に、キャップ層85を形成する(図3(C))。
GaAs基板10の(100)面11上のSi層22の有無によって、ドメイン反転層50の第1ドメイン層32と第2ドメイン層40の自発分極の方向が反転している。ドメイン反転層50の上に成長した第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80の自発分極の方向は、第1ドメイン層32上の領域、すなわち第1領域5aと、第2ドメイン層40上の領域、すなわち第2領域5bとで、互いに反転している。ここでは、第2領域5b内の第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80の自発分極の方向が[100]軸方向であるとする。このとき、第1領域5a内の第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80の自発分極の方向は、反転して[−100]軸方向になる。
ここでは、第1領域5a、すなわち、自発分極の方向が[−100]軸方向であるドメインを第1ドメインと称する。また、第2領域5b、すなわち、自発分極の方向が[100]軸方向であるドメインを第2ドメインと称する。
図4(A)〜(D)を参照して、第1ドメインと第2ドメインの周期的ドメイン反転構造を得た後の工程について説明する。図4(A)は、平面図であり、図4(B)〜(D)は、図4(A)のA−A線に沿った面で切った断面の切り口を部分的に示す図である。
第1ドメインと第2ドメインの周期的ドメイン反転構造を得た後、任意好適な周知の反応性イオンエッチング(RIE)により、リッジ導波路構造を形成する。波長変換素子が、1つのウェハに複数形成される場合は、リッジの凸部82は、互いに平行に複数形成される(図4(A)及び(B))。
その後、RIEにより露出する部分の酸化を防ぐために、第2クラッド層80の上面に、表面を保護する絶縁膜44を形成する。この絶縁膜44として、例えば、任意好適な周知のCVD法などで形成されたSiN膜が用いられる。(図4(C))。
次に、絶縁膜44のリッジの凸部82上の部分を除去した後、リッジの凸部82に残存するキャップ層85上に第2電極94を蒸着により形成する。その後、GaAs基板10を、劈開し易い厚みに研磨した後、GaAs基板10の第2主表面13上に、第1電極92を蒸着により形成する(図4(D))。
第1電極92及び第2電極94を形成した後、ウェハをチップ状に個片化して、波長変換素子を得る。図5(A)及び(B)を参照して、ウェハを個片化する工程について説明する。図5(A)及び(B)は、それぞれウェハ及びウェハを劈開して得られたバーの平面図である。
基板の両面に電極が形成された構造体(図5(A))を、第2電極94の長手方向に直交する面(図5(A)中、符号Iで示す。)で劈開して、バー102を得る。この劈開は、GaAs基板の(0−11)面に沿って行われる。一つのバー102には、複数の第2電極94、すなわちリッジ導波路が平行に配列されて設けられている(図5(B))。
次に、この劈開によって得られたバー102の(0−11)面に、低反射率の反射膜として、誘電体多層膜を形成する。
その後、バー102をリッジ導波路の第2電極94の長手方向に沿った面(図5(B)中、符号IIで示す。)で劈開し、それぞれ個片化された波長変換素子100を得る。
(周期的ドメイン反転構造の形成方法の第1の例)
周期的ドメイン反転構造の形成方法は、上述の方法に限定されず、他の方法を用いても良い。
図6(A)〜(E)を参照して、周期的ドメイン反転構造を得る第1の例について説明する。図6(A)〜(E)は周期的ドメイン反転構造の形成方法を説明するための概略図である。図6(A)〜(E)は、主要製造段階で得られた構造体を、図1(A)と同様に、波長変換素子の上面に直交し、かつその長手方向に沿った断面の切り口で示している。
先ず、半導体基板としてGaAs基板10を用意する。ここでは、GaAs基板10を、その上側表面が(100)面11である直方体状として説明する。図6(A)〜(E)では、断面を(011)面12とする。なお、GaAs基板10は、(100)面11を[011]軸に対して10度程度まで傾斜させた傾斜基板としても良い(図6(A))。
次に、GaAs基板10の上側表面を、第1領域5a及び第2領域5bの連続する2つの領域を一組として、周期的な区画領域を設定する。この周期Λは、信号光、波長変換素子で発生する発振光及び変換光の間のQPM条件を満たしている。その後、GaAs基板10の(100)面11上の全面に、例えばCVD法などの任意好適な周知の方法でSiO膜を形成する。その後、従来周知のフォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、SiO膜を加工して第2領域5b内のSiO膜の部分を残存させると共に、第1領域5a内のSiO膜の部分をGaAs基板10の第1主表面11を露出させるまで除去することによって、絶縁膜マスク19を形成する。よって、残存するSiO膜の部分で形成された絶縁膜マスク19は、第1領域5aに開口部19aを有している(図6(B))。
次に、GaAs基板10の(100)面11上に、絶縁膜マスク19を用いて、ドメイン反転層50として、Si層22及び第1ドメイン層32を順次に成長させる。Si層22を、1nm以下の厚さに形成するのが好ましい。また、第1ドメイン層32を、GaAsで、10nm以上の厚さに形成するのが好ましい。Si層22及び第1ドメイン層32の積層の形成には、例えば、MBE装置を用いることができる。成長条件の詳細は、装置依存性があるため装置固有の最適条件とするが、例えば、Si層22の成長温度を、450〜550℃程度とし、第1ドメイン層32の成長温度は、図2(B)を参照して説明した、GaAs層(図2(B)では、符号30で示す。)と同様に、400〜650℃程度とする(図6(C))。
次に、絶縁膜マスク19を除去する(図6(D))。
その後、例えば、MBE装置を用いたエピタキシャル成長により、第2領域5bのGaAs基板10の(100)面11上に、GaAsを成長させて、第2ドメイン層40を得る。GaAs基板10の(100)面11上のSi層22の有無によって、ドメイン反転層50の第1ドメインGaAs層32と第2ドメインGaAs層40の自発分極の方向が反転している。Si層22、第1ドメイン層32及び第2ドメイン層40は、ドメイン反転層50を構成する(図6(E))。
ドメイン反転層50を形成した後の工程は、図3(C)、図4(A)〜(D)及び図5(A)〜(B)を参照して説明したのと同様に行われるので、説明を省略する。
(周期的ドメイン反転構造の形成方法の第2の例)
図7(A)〜(D)及び図8(A)〜(C)を参照して、周期的ドメイン反転構造を得る第2の例について説明する。図7(A)〜(D)と図8(A)〜(C)は周期的ドメイン反転構造の形成方法を説明するための概略図である。図7(A)〜(D)と図8(A)〜(C)は、主要製造段階で得られた構造体を、図1(A)と同様に、波長変換素子の上面に直交し、かつその長手方向に沿った断面の切り口で示している。
先ず、半導体基板としてGaAs基板10を用意する。なお、半導体基板として、Si基板、Ge基板、あるいは、InP基板を用いても良い。ここでは、GaAs基板10を、その上側表面が(100)面11である直方体状として説明する。図7(A)〜(D)及び図8(A)〜(C)では、断面を(011)面12とする。なお、GaAs基板10は、(100)面を[011]軸に対して10度程度まで傾斜させた傾斜基板としても良い(図7(A))。
次に、GaAs基板10の(100)面11上に、例えばCVD法などの任意好適な周知の方法でシリコン酸化(SiO)膜15を形成する。その後、SiO膜15上に、フォトレジスト17を塗布する(図7(B))。
次に、グラデーションマスクを用いたフォトリソグラフィにより、フォトレジスト17をパターニングして、第1領域5aに傾斜面18aと第2領域5bに水平面18bを周期的に有する傾斜型レジスト18に加工する。第1領域5a及び第2領域5bは、一組の連続した領域であって、この一組を基準として周期的に形成する。この周期Λは、信号光、発振光及び変換光の間のQPM条件を満たしている(図7(C))。
次に、傾斜型レジスト18をマスクとして、SiO膜15に対してドライエッチングを行う。このドライエッチングにより、SiO膜15の一部分が除去されて、傾斜型絶縁膜マスク16になる。このドライエッチングにおいて、傾斜型レジスト18は、SiO膜15の一部分とともに除去される。傾斜型レジスト18は、厚みの均一部分と厚みが連続的に低減する部分とを有しているので、SiO膜15も傾斜型レジスト18の形状に合せてエッチングされる。従って、傾斜型絶縁膜マスク16のマスク形状は、エッチングされたSiO膜15に転写される。よって、SiO膜15は、このエッチングによって、傾斜型レジスト18の形状と同一形状の傾斜型絶縁膜マスク16となる。従って、傾斜型絶縁膜マスク16は、第1領域5aに傾斜面16aと第2領域5bに水平面16bを周期的に有している(図7(D))。
次に、下地であるGaAs基板10に対して、傾斜型絶縁膜マスク16を用いたドライエッチングを行い、GaAs基板10の上側部分のエッチングを行う。このとき、傾斜型絶縁膜マスク16も、GaAs基板10の上側部分とともに除去される。GaAs基板10の上側部分の形状は、傾斜型絶縁膜マスク16の形状と同様に、当該マスク16の形状を転写した形状になる。従って、GaAs基板10の上側表面は、第1領域5aに傾斜面11aと第2領域5bに水平面11bを周期的に有している。つまり、GaAs基板10の上側表面は、傾斜面11aと水平面11bの周期構造になる。ここで、傾斜面11aの傾斜方向は、[0−11]軸を基準として形成される。また、傾斜面11aの水平面11bに対する、すなわち、傾斜面11aの[0−11]軸に対する傾斜角度θは1〜10度程度とする(図8(A))。
エッチング後のGaAs基板10の(100)面11に形成された周期構造上に、バッファ層としてGe層24及びGaAs層34を順に成長させる。後述する過程で自発分極の反転を生じさせるために、Ge層24を、2nm以上の厚さに形成されるのが好ましい。また、GaAs層34は、10nm以上の厚さに形成されるのが好ましい。Ge層24及びGaAs層34を備えるドメイン反転層52の形成には、例えば、MBE装置を用いることができる。成長条件の詳細は、装置依存性があるため装置固有の最適条件とするが、例えば、Ge層24の成長温度を、400〜500℃程度とし、GaAs層34の成長温度を、400〜650℃程度とする(図8(B))。
GaAs基板10の上側表面の傾斜方向によって、その上に成長したGaAs層34の自発分極の方向が反転する。ここでは、第2領域5b内の自発分極、すなわち水平面11b上のGaAs層の部分の自発分極の方向が[100]軸方向であり、第1領域5a内の自発分極、すなわちエッチングにより形成された傾斜面11a上の自発分極の方向が[−100]軸方向であるとする。以下の説明では、第1領域5a、すなわち、自発分極の方向が[−100]軸方向であるドメインを第1ドメインと称することもある。また、第2領域5b、すなわち、自発分極の方向が[100]軸方向であるドメインを第2ドメインと称することもある。
図8(A)を参照して説明した、傾斜面11aの水平面11bに対する傾斜角度θは、第2ドメインの自発分極の方向が、第1ドメインの自発分極に対して反転するように設定されているものとしている。
次に、例えば、MBE装置を用いたエピタキシャル成長により、第1クラッド層60、導波路層70、第2クラッド層80及びキャップ層85を順に形成する。
第1クラッド層60、導波路層70及び第2クラッド層80の自発分極の方向は、第1領域5a及び第2領域5bの領域毎に、各領域におけるGaAs層34の自発分極の方向に等しくなる(図8(C))。
周期的ドメイン反転構造が形成された後の工程は、図4(A)〜(D)及び図5(A)〜(B)を参照して説明したのと同様に行われるので、説明を省略する。
(波長変換素子の動作)
上述の工程で形成した波長変換素子の、第1電極92と第2電極94の間の積層体55に順方向の電圧を印加すると、誘導放出光が発生する。この誘導放出光が、両劈開面の間で構成される共振器により増幅され、いわゆるレーザ光が得られる。このレーザ光がポンプ光として用いられる。
波長変換素子に順方向の電圧を印加した状態、すなわち、ポンプ光として用いられるレーザ光が発生している状態で、信号光を入力すると、周波数ωの信号光と、周波数ωのポンプ光との非線形光学効果により、周波数ωの変換光が発生する。例えば、周波数ωに対応する、信号光の波長λを1.55μmとし、周波数ωに対応する、ポンプ光の波長λを0.77μmとすると、変換光は、ω+ω=ωを満たす、周波数ωの差周波光となり、1/λ+1/λ=1/λの式から、変換光の波長λは、1.53μmとなる。
この発明の波長変換素子によれば、波長変換を行う導波路自体でレーザ発振を起こさせて、発振光としてポンプ光を得ることができる。従って、従来のように、半導体レーザ素子と波長変換素子をそれぞれモジュールにマウントし、光学結合を行う必要がない。この結果、波長変換装置の組立工数やサイズの改善が可能になる。
また、半導体レーザ素子と波長変換素子の間の光学結合が不要となるので、ポンプ光の光出力を効率よく変換させることが可能となる。その結果、ポンプ光を発生させるために必要な電力を削減することも可能になる。
波長変換素子を説明するための図である。 波長変換素子の製造方法を説明するための図(その1)である。 波長変換素子の製造方法を説明するための図(その2)である。 波長変換素子の製造方法を説明するための図(その3)である。 波長変換素子の製造方法を説明するための図(その4)である。 周期的ドメイン反転構造の形成方法の第1の例を説明するための図である。 周期的ドメイン反転構造の形成方法の第2の例を説明するための図(その1)である。 周期的ドメイン反転構造の形成方法の第2の例を説明するための図(その2)である。
符号の説明
5a 第1領域
5b 第2領域
10 GaAs基板
11 (100)面(第1主表面)
11a、16a、18a 傾斜面
11b、16b、18b 水平面
12 (011)面
13 第2主表面
15 SiO
16 傾斜型絶縁膜マスク
17 フォトレジスト
18 傾斜型レジスト
19、42 絶縁膜マスク
19a 開口部
20、22 Si層
24 Ge層
30、34 GaAs層
32 第1ドメイン層
40 第2ドメイン層
44 絶縁膜
50、52 ドメイン反転層
55 積層体
60 第1クラッド層
70 導波路層
80 第2クラッド層
82 凸部
85 キャップ層
92 第1電極
94 第2電極
100 波長変換素子
102 バー

Claims (7)

  1. 入射された信号光に対して、該信号光と波長が異なる変換光を出射する波長変換素子であって、
    半導体基板と、
    該半導体基板の第1主表面上に形成されたドメイン反転層と、
    該ドメイン反転層上に、n型の第1クラッド層、導波路層及びp型の第2クラッド層が順に積層されて形成された積層体と、
    前記第2クラッド層上に形成されたキャップ層と、
    前記半導体基板の第2主表面上に設けられた第1電極と、
    前記キャップ層上に設けられた第2電極と
    を備え、
    前記第1電極と前記第2電極間の前記積層体に順方向の電圧が印加されると、前記導波路層内に誘導放出光が発生し、
    該誘導放出光が前記導波路層の長手方向の両端面間に構成される共振器により増幅されて発振光が発生し、
    前記導波路層には、前記発振光の導波方向に、前記信号光、発振光及び変換光の間の擬似位相整合条件を満たす周期的ドメイン反転構造が設けられていて、前記導波路層に入射された前記信号光と、前記発振光とにより差周波光が発生し、及び
    該差周波光が前記変換光として出射される
    ことを特徴とする波長変換素子。
  2. 前記半導体基板の第1主表面上に、前記擬似位相整合条件を満たす周期で交互に第1領域及び第2領域が設定されており、
    前記ドメイン反転層は、
    前記第1領域の半導体基板の第1主表面上に、順次に積層されて形成された半導体層及び第1ドメイン層と、
    前記第2領域の半導体基板の第1主表面上に形成された第2ドメイン層と
    を備え、
    前記第2ドメイン層の自発分極の方向が、前記第1ドメイン層の自発分極の方向に対して反転している
    ことを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
  3. 入射された信号光に対して、該信号光と波長が異なる変換光を出射する波長変換素子であって、
    第1主表面に、第1領域の傾斜面と第2領域の水平面の周期構造が設けられた半導体基板と、
    前記周期構造上に、Ge層とGaAs層が順に積層されて形成されたドメイン反転層と、
    該ドメイン反転層上に、n型の第1クラッド層、導波路層及びp型の第2クラッド層が順に積層されて形成された積層体と、
    前記第2クラッド層上に形成されたキャップ層と、
    前記半導体基板の第2主表面上に設けられた第1電極と、
    前記キャップ層上に設けられた第2電極と
    を備え、
    前記第1電極と前記第2電極間の前記積層体に順方向の電圧が印加されると、前記導波路層内に誘導放出光が発生し、
    該誘導放出光が前記導波路層の長手方向の両端面間に構成される共振器により増幅されて発振光が発生し、
    前記周期構造は、前記信号光、発振光及び変換光の間の擬似位相整合条件を満たしており、
    前記導波路層では、前記第2領域の部分の自発分極の方向が前記第1領域の部分の自発分極の方向に対して反転していて、前記導波路層に入射された前記信号光と、前記発振光とにより差周波光が発生し、及び
    該差周波光が前記変換光として出射される
    ことを特徴とする波長変換素子。
  4. 入射された信号光に対して、該信号光の波長と異なる波長の変換光を出射する波長変換素子を製造するにあたり、
    半導体基板を用意する工程と、
    前記半導体基板の第1主表面上に、前記信号光、当該波長変換素子で発生する発振光及び変換光の間の擬似位相整合条件を満たす周期で自発分極の方向が反転するドメイン反転層を形成する工程と、
    前記ドメイン反転層上に、n型の第1クラッド層、導波路層及びp型の第2クラッド層を順に成長させて、当該第1クラッド層、導波路層及び第2クラッド層が積層されて形成された積層体に前記擬似位相整合条件を満たす周期的ドメイン反転構造を形成する工程と、
    前記第2クラッド層上にキャップ層を形成する工程と、
    前記半導体基板の第2主表面上に第1電極を形成し、及び前記キャップ層上に第2電極を形成する工程と
    を備えることを特徴とする波長変換素子の製造方法。
  5. 前記ドメイン反転層を形成する工程は、
    前記半導体基板の第1主表面上に、第1半導体層及び第2半導体層を順次に積層して形成する工程と、
    前記第2半導体層上に、前記擬似位相整合条件を満たす周期で交互に第1領域及び第2領域を設定し、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、前記第2領域に開口部が設けられている絶縁膜マスクを形成する工程と、
    該絶縁膜マスクを用いたエッチングにより、前記第1半導体層及び第2半導体層の前記第2領域の部分を除去して、前記第2領域の半導体基板の第1主表面を露出させる工程と、
    前記第1領域に残存した第2半導体層の部分を第1ドメイン層とし、及び、前記第2領域の露出した前記半導体基板上に、自発分極の方向が前記第1領域内の自発分極の方向に対して反転している第2ドメイン層を前記第1ドメイン層と同じ高さまで成長させる工程と、
    前記絶縁膜マスクを除去する工程と
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の波長変換素子の製造方法。
  6. 前記ドメイン反転層を形成する工程は、
    前記半導体基板の第1主表面上に、前記擬似位相整合条件を満たす周期で交互に第1領域及び第2領域を設定し、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、前記第1領域に開口部が設けられている絶縁膜マスクを形成する工程と、
    前記第1領域の半導体基板の第1主表面上に、Si層及びGaAs層を順次に積層して形成し、当該GaAs層を第1ドメイン層とする工程と、
    前記絶縁膜マスクを除去する工程と、
    前記絶縁膜マスクの除去により露出した、前記第2領域の半導体基板の第1主表面上に、自発分極の方向が前記第1領域内の自発分極の方向に対して反転しているGaAs層を形成し、当該GaAs層を第2ドメイン層とする工程と
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の波長変換素子の製造方法。
  7. 入射された信号光に対して、該信号光の波長と異なる波長の変換光を出射する波長変換素子を製造するにあたり、
    半導体基板を用意する工程と、
    該半導体基板の第1主表面上に、前記信号光、当該波長変換素子で発生する発振光、及び変換光の間の擬似位相整合条件を満たす周期で、交互に第1領域及び第2領域を設定する工程と、
    前記半導体基板の第1主表面に、第1領域に水平面及び第2領域に傾斜面を有する周期構造を形成する工程と、
    前記周期構造上にGe層を形成し、さらに該Ge層上にGaAs層を形成して、前記第2領域内の自発分極の方向が、前記第1領域内の自発分極の方向に対して反転しているドメイン反転層を得る工程と、
    前記ドメイン反転層上に、第1クラッド層、導波路層、及び第2クラッド層を順次に成長させて、当該第1クラッド層、導波路層及び第2クラッド層が積層された積層体であって、前記第2領域内の自発分極の方向が、前記第1領域内の自発分極の方向に対して反転している、周期的ドメイン反転構造を有する当該積層体を形成する工程と、
    前記第2クラッド層上にキャップ層を形成する工程と、
    前記半導体基板の第2主表面上に第1電極を形成し、及び前記キャップ層上に第2電極を形成する工程と
    を備えることを特徴とする波長変換素子の製造方法。
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