JP2007240128A - 熱交換器用フィン、熱交換器及び空気調和装置 - Google Patents

熱交換器用フィン、熱交換器及び空気調和装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水分吸着手段による除湿機能を備え、潜熱処理と顕熱処理とを分離して行なうことによって圧縮機の運転効率を向上させると共に、冷凍サイクルにおける凝縮排熱を利用して水分吸着手段で水分を吸着して蒸発器への着霜を防止しつつ、水分吸着手段からの水分の脱着・再生が可能な熱交換器用フィン、熱交換器及び空気調和装置を提供する。
【解決手段】熱交換器用フィン45の表面に、低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、相対湿度の範囲外における相対湿度に対する平衡吸着量の変化率よりも大きく、かつ、第1相対湿度及び第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段(たとえば、メソポーラスシリカ)を担持させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器用フィン、熱交換器及び空気調和装置に関し、特に潜熱処理と顕熱処理とを分離して行なうことによって冷凍サイクルの性能向上を図るとともに、蒸発器への着霜を防止する熱交換器用フィン、熱交換器及び空気調和装置に関するものである。
従来から、除湿機能を備えた空気調和装置が存在する。この空気調和装置は、一般的に、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを冷媒配管で順次接続した冷凍サイクルを備えている。この冷媒配管内には、非共沸混合冷媒や擬似共沸混合冷媒、単一冷媒等の冷媒が充填されており、空気調和装置は、この冷媒と外気との間で熱交換を行なって冷暖房運転を行なうようになっている。
このような空気調和装置は、圧縮機で高温・高圧に圧縮された冷媒は、高温・高圧のガス冷媒となって圧縮機から吐出する。このガス冷媒は、凝縮器に流入し、送風機が取り込んだ外気と熱交換(放熱)して凝縮液化する。この液化した冷媒は、膨張弁で減圧されて気液二相流状態となり、蒸発器で送風機が取り込んだ空気と熱交換(吸熱)して蒸発ガス化する。このとき、冷却対象域を冷却することになる。そして、蒸発ガス化した冷媒は、圧縮機に再度吸入される。つまり、冷媒が外気との熱交換を繰り返しながら冷凍サイクルを循環するのである。
特に、冷凍・冷蔵倉庫においては10[℃]より低い温度帯域を維持するように制御しなければならないことが多いため、蒸発器での蒸発温度が0[℃]より低くなることになる。このため、蒸発器に霜が発生してしまい、それが原因となって空気調和装置の冷却能力を低下させていた。そこで、デフロスタヒータ等の加熱装置を蒸発器に取り付け定期的に霜取り運転(除霜運転)を行なうようにしていた。
除霜運転を行なうと、蒸発器への着霜を防止することはできるものの、その結果として、余計なエネルギを消費してしまい、空気調和装置の効率を向上させることはできなかった。また、除霜運転終了直後は、所定の温度帯域を維持しなければならない冷凍・冷蔵倉庫内の温度が上昇してしまうことになり、必要な温度帯域とするまでの負荷が増大し、消費電力が更に増加し、効率の悪いものとなってしまっていた。
また、空気調和装置がルームエアコン等の場合、冷房の中間期(梅雨や秋の時期等)において、冷房負荷が小さくなる傾向にある。このような空気調和装置は、通常、圧縮機の回転数を制御可能にしている。そして、冷房負荷が小さくなる場合には、冷凍サイクルを循環する冷媒の流量を小さくするように制御している。その結果、蒸発温度が上昇し、部屋の顕熱は除去できるものの、潜熱(空気中の水分(湿気))は除去できないという状態に陥ってしまっていた。部屋の潜熱を除去できないと、部屋の相対湿度が上昇し、不快感が増大することになっていた。
このような問題を解決するために、「圧縮機、放熱器、膨張弁及び吸熱器を順に接続して、冷媒回路を構成する。冷媒回路には、冷媒としてCO2(二酸化炭素)が充填される。調湿機構には、デシカントロータが設けられる。吸熱器には、デシカントロータにより減湿した第1空気を供給する。また、放熱器で加熱された第2空気を利用して、デシカントロータを再生する。そして、減湿されて冷却された第1空気を、室内へ供給する」空気調和装置が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
この空気調和装置は、冷媒冷凍機と水分吸着手段であるデシカントロータとを組み合わせ、蒸発器(吸熱器)に空気が流れ込む前に、その空気から水分をデシカントロータによってあらかじめ除去し、蒸発器への着霜を防止して霜取運転を無くすようになっている。すなわち、デシカントロータで減湿した空気を蒸発器へ供給すると共に、デシカントロータで吸着した水分を脱着再生するために、凝縮器で加熱された高温の空気をデシカントロータへ供給するようになっている。
また、デシカントロータの表面に設けられる水分吸着手段としてゼオライトを使用した空気調和装置が開示されている(たとえば、非特許文献1参照)。このゼオライトの水分吸着特性は、吸着した水分を効率よく脱着して再生するために相対湿度が数パーセント以下の空気を供給する必要があるというものである(図2の等温吸着線A参照)。つまり、空気の相対湿度を減少させるためには、空気を高温に加熱する必要があるということである。そのため、冷媒にCO2(二酸化炭素)を使用し、凝縮器で放熱される熱が比較的高温になるようにしていた。
さらに、デシカントロータの表面に設けられる水分吸着手段としてシリカゲルを使用した空気調和装置が開示されている(たとえば、非特許文献2参照)。このシリカゲルの水分吸着特性については、2種類の吸着特性をもつことが知られている。すなわち、関係相対湿度の低い領域で水分の吸収率が高まり、関係相対湿度の高い領域で吸収率が飽和するというゼオライトと同様の特性と、関係相対湿度の低い領域では吸収率が低く、関係相対湿度の高い領域で吸収率が高まるという特性との2種類である。
特開2001−241693号公報(第6頁〜第8頁、第2図) 濱本芳徳、岡島次郎、松岡文雄、秋澤淳、柏木孝夫、「除湿・加湿ローターとシステムの性能解析 第1報:理論モデル」日本冷凍空調学会論文集 Trans. of the JSRAE Vol.19, No.3(2002) pp.281−292(第287頁、(17)式) "シリカゲルについて"、信越化成工業株式会社ホームページ、[平成16年6月1日検索]、インターネット<URL:http://www.shin−etsu−kasei.co.jp/silica.html>
特許文献1に記載の空気調和装置は、デシカントロータの表面に設けられる固体吸着剤としてゼオライトやシリカゲル等の多孔性の無機酸化物が用いられている。ゼオライトやシリカゲル等を固体吸着剤に使用した場合には、それぞれの有する特徴によって、ゼオライトやシリカゲルで吸着した水分を効果的に脱着し、再生すること(脱着した水分を加湿等に利用すること)ができないという問題を有していた。
非特許文献1に記載の空気調和装置に使用されるゼオライトは、低湿度領域で急激に吸着量が増加するものの、高湿度になっても吸着量の増加が少ないため、吸着領域を通過する湿度が高い場合に吸着ロスが発生するという特性を有している。つまり、ゼオライトに吸着した水分を効率よく脱着・再生するには、相対湿度が数パーセント以下の空気を供給しなければならず、空気の相対湿度を減少するためには空気を高温に加熱する必要がある。
ゼオライトを水分吸着手段に使用する場合、上述したように脱着・再生には高温の空気(たとえば、150℃)が必要となるため、空気の温度を上昇させる冷媒にも高温が要求される。したがって、物性上比較的高い冷媒温度が得られやすいCO2 (二酸化炭素)が冷媒として使われることが多い。このCO2 を冷媒に使用すると、圧縮機の吐出から膨張弁に吸入されるまでの間が、臨界圧を超えた超臨界状態となる。
冷媒にCO2 を使用すると、圧縮機で圧縮される高圧が100〜150[kgf/cm2]程度であり、冷媒にHFC(ハイドロフルオロカーボン)を用いた通常の臨界圧を越えない冷凍サイクルの場合の2倍程度となるので、圧縮機、凝縮器及びこれらを接続する配管の耐圧を確保するために製品コストが上昇することになってしまう。また、ゼオライトの再生温度が150[℃]程度と高いため、凝縮器出口の空気温度を高くする必要があり、圧縮機の圧縮比が増大し、圧縮機の効率が低下してしまうという問題があった。
非特許文献1に記載の空気調和装置に使用されるシリカゲルは、上述したように2つの吸着特性をもっている。したがって、ゼオライトと同様な特性を有しているシリカゲルは、ゼオライトが有している問題を同様に有しており、関係相対湿度の低い領域では吸収率が低く、関係相対湿度の高い領域で吸収率が高まるという特性を有しているシリカゲルは、標準的な空気の相対湿度60[%]では、水分を吸着できなくなり、かなり用途が限定されてしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、水分吸着手段による除湿機能を備え、潜熱処理と顕熱処理とを分離して行なうことによって圧縮機の運転効率を向上させると共に、冷凍サイクルにおける凝縮排熱を利用して水分吸着手段で水分を吸着して蒸発器への着霜を防止しつつ、水分吸着手段からの水分の脱着・再生が可能な熱交換器用フィン、熱交換器及び空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明に係る熱交換器用フィンは、低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、相対湿度の範囲外における相対湿度に対する平衡吸着量の変化率よりも大きく、かつ、第1相対湿度及び第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段を表面に担持させたことを特徴とする。また、本発明に係る熱交換器は、上記の熱交換器用フィンを使用したことを特徴とする。
本発明に係る空気調和装置は、圧縮機と、凝縮器と、熱交換器と、絞り装置と、蒸発器とが冷媒配管で順次接続され、冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する空気調和装置であって、熱交換器を構成する熱交換器用フィンの表面に、低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、相対湿度の範囲外における相対湿度に対する平衡吸着量の変化率よりも大きく、かつ、第1相対湿度及び第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段を担持させたことを特徴とする。
また、本発明に係る空気調和装置は、圧縮機と、凝縮器と、熱交換器と、蒸発器とが冷媒配管で順次接続され、冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する空気調和装置であって、熱交換器を第1の熱交換器と第2の熱交換器とで構成して、それらを並列に配置し、凝縮器と第1の熱交換器との間における冷媒配管に第1の開閉弁を、凝縮器と第2の熱交換器との間における冷媒配管に第2の開閉弁を接続し、第1の熱交換器及び第2の熱交換器を構成する熱交換器用フィンの表面に、低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、相対湿度の範囲外における相対湿度に対する平衡吸着量の変化率よりも大きく、かつ、第1相対湿度及び第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段を担持させたことを特徴とする。
本発明に係る熱交換器用フィンは、低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、相対湿度の範囲外における相対湿度に対する平衡吸着量の変化率よりも大きく、かつ、第1相対湿度及び第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段を表面に担持させたので、水分吸着手段に吸着した水分の脱着・再生が30%程度の相対湿度を有する空気で十分である。
本発明に係る熱交換器は、上記の熱交換器用フィンを使用したので、水分吸着手段に吸着した水分の脱着・再生が30%程度の相対湿度を有する空気で十分であり、冷凍サイクルを構成する凝縮器の凝縮排熱で水分吸着手段に吸着した水分の脱着・再生を行なうことができる。つまり、水分吸着手段に吸着した水分を脱着させるための脱着・再生用ヒータを設けなくて済み、余計な消費電力を低減することが可能である。
本発明に係る熱交換器は、圧縮機と、凝縮器と、熱交換器と、絞り装置と、蒸発器とが冷媒配管で順次接続され、冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する空気調和装置であって、熱交換器を構成する熱交換器用フィンの表面に、低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、相対湿度の範囲外における相対湿度に対する平衡吸着量の変化率よりも大きく、かつ、第1相対湿度及び第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段を担持させたので、潜熱の除去を水分吸着手段で行ない、顕熱の除去を冷凍サイクルで行なうことができる。
そのため、冷凍サイクルの蒸発温度を高く設定でき、圧縮比の低減を図ること可能となり、COP(成績係数)が大幅に改善される。また、第1の相対湿度が30%なので、水分吸着手段に吸着した水分を脱着して再生させるのに30%程度の相対湿度を有する空気で十分であるため、冷凍サイクルを構成する凝縮器の凝縮排熱で水分吸着手段の脱着・再生を行うことができるため、脱着・再生用ヒータを設けなくて済み、消費電力を大幅に削減できる。この凝縮排熱で水分吸着手段の脱着・再生を行うことができるので、除霜運転を無くすことが可能となり、消費電力を更に低減できる。
また、本発明に係る空気調和装置は、圧縮機と、凝縮器と、熱交換器と、蒸発器とが冷媒配管で順次接続され、冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する空気調和装置であって、熱交換器を第1の熱交換器と第2の熱交換器とで構成して、それらを並列に配置し、凝縮器と第1の熱交換器との間における冷媒配管に第1の開閉弁を、凝縮器と第2の熱交換器との間における冷媒配管に第2の開閉弁を接続し、第1の熱交換器及び第2の熱交換器を構成する熱交換器用フィンの表面に、低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、相対湿度の範囲外における相対湿度に対する平衡吸着量の変化率よりも大きく、かつ、第1相対湿度及び第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段を担持させたことので、潜熱の除去を水分吸着手段で行ない、顕熱の除去を冷凍サイクルで行なうことができる。
そのため、冷凍サイクルの蒸発温度を高く設定でき、圧縮比の低減を図ることが可能となり、COPが大幅に改善される。また、第1の相対湿度が30%なので、水分吸着手段に吸着した水分を脱着して再生させるのに30%程度の相対湿度を有する空気で十分であるため、冷凍サイクルを構成する凝縮器の凝縮排熱で水分吸着手段の脱着・再生を行うことができるため、脱着・再生用ヒータを設けなくて済み、消費電力を大幅に削減できる。この凝縮排熱で水分吸着手段の脱着・再生を行うことができるので、除霜運転を無くすことが可能となり、消費電力を更に低減できる。
また、第1の開閉弁の開度の状態と、第2の開閉弁の開度の状態とを切り替えることができるので、第1の熱交換器及び第2の熱交換器のそれぞれを吸着熱交換器及び脱着熱交換器として、交互に切り替えて利用することができる。つまり、第1の開閉弁の開度の状態と第2の開閉弁の開度の状態とを切り替えることにより、連続して水分の吸着運転を行うことができ、冷凍サイクルの信頼性が大きく向上する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱交換器40の要部を示す概略構成図である。図1に基づいて、本発明の特徴部分である熱交換器40の構成について説明する。ここでは、この熱交換器40が冷凍装置や空気調和装置に広く利用されているプレートフィンチューブ式の熱交換器である場合を例に示すものとする。
また、この熱交換器40は、熱交換器用フィン45(以下、単にフィン45と称する)を使用して構成されている。つまり、熱交換器40は、フィン45が積層されて構成されているのである。このフィン45は、その表面に水分吸着手段である吸着剤を担持して形成されている。なお、フィン45に担持する吸着剤の量(厚さ)を特に限定するものではないが、たとえば、1mm(ミリメートル)以下程度の吸着剤を担持するとよい。
また、熱交換器40には、各フィン45を貫通するように所定の間隔で複数の伝熱管46が設けられている。ここでは、6本の伝熱管46がフィン45を貫通するように設けられている場合を例に示しているが、これに限定するものではない。この伝熱管46は、内部に冷媒が流れるようになっている。そして、各伝熱管46を流れる冷媒は、各フィン45の間を流れる空気との間で熱交換を行なうようになっている。
このように、実施の形態1では、熱交換器40に吸着剤を担持させる必要があるため、冷凍装置用(ユニットクーラ)に通常使用されている比較的フィンピッチ(4〜10mm)の広いものをベースとして熱交換器40を構成するのが望ましい。つまり、実施の形態1に係る熱交換器40は、通常使用されている熱交換器を使用すればよく、形状や構成を特別なものとする必要がないのである。したがって、熱交換器40を製造するために要する手間やコストの低減を図ることができる。
次に、フィン45の表面に吸着剤を担持させる方法について説明する。
フィン45の表面に吸着剤を担持させる一例としてディッピングによる方法がある。ディッピングとは、含浸加工のことをいい、フィン45の表面に均一に所定量の吸着剤を含浸させて、新しい機能を付与することである。このディッピングによって吸着剤をフィン45の表面に担持させる一般的な手順を以下に示す。
(1)まず、フィン45の表面に担持させたい吸着剤を10μm(マイクロメートル)程度にまで粉砕する。
(2)次に、粉砕した吸着剤とバインダ(接合剤)と呼ばれる物質とを所定の割合で混ぜ合わせて混合溶液を作製する。このバインダは、吸着剤をフィン45の表面に接着させるものであればよく、特に種類を限定するものではない。また、吸着剤とバインダとを混合する割合も特に限定するものではなく、フィン45の表面に担持させたい吸着剤の量や厚さを考慮して決定するとよい。
(3)作製した混合溶液にフィン45やフィン45を積層させて組み立てられた熱交換器40を所定の回数浸ける(ディッピングする)。ディッピングする回数は、担持させた吸着剤が目的の量に達しているかどうかで決定するとよい。
(4)ディッピングを所定の回数行なった後、吸着剤が含浸しているフィン45や熱交換器40を乾燥させる。
このようにして、フィン45の表面に吸着剤を担持することができる。
フィン45の表面に吸着剤を担持させる他の一例として電気泳動による方法がある。電気泳動とは、溶液中の荷電物質が電場のもとで移動する現象のことであり、一般的に生化学的な分野で利用されることが多い。この性質を利用して、吸着剤をフィン45の表面に担持させることができるのである。つまり、吸着剤を担持させるフィン45と電極との間に電位をかけることによって、吸着剤の粒子をフィン45の表面に移動させて付着させるのである。この電気泳動によって吸着剤をフィン45の表面に担持させる一般的な手順を以下に示す。
(1)まず、フィン45の表面に担持させたい吸着剤を10μm(マイクロメートル)程度にまで粉砕する。
(2)次に、粉砕した吸着剤とバインダ(接合剤)と呼ばれる物質とを所定の割合で混ぜ合わせて混合溶液を作製する。このバインダは、吸着剤をフィン45の表面に接着させるものであればよく、特に種類を限定するものではない。また、吸着剤とバインダとを混合する割合も特に限定するものではなく、フィン45の表面に担持させたい吸着剤の量や厚さを考慮して決定するとよい。
(3)作製した混合溶液にフィン45やフィン45を積層させて組み立てられた熱交換器40と電極とを浸し、フィン45や熱交換器40と電極との間に電位を所定時間かける。この電位をかける時間は、担持させたい吸着剤が目的の量に達しているかどうかで決定するとよい。
(4)目的の量の吸着剤を担持させたフィン45や熱交換器40を混合溶液から取り出す。
このようにして、フィン45の表面に吸着剤を担持することができる。
フィン45の表面に吸着剤を担持させる他の一例としてスプレードライ装置による方法がある。スプレードライ装置による方法とは、吸着剤を噴霧してフィン45の表面に塗布することでフィン45の表面に吸着剤を担持させる方法である。なお、スプレードライ装置は、特別なものではなく、一般的に広く利用されているものを利用すればよい。このスプレードライ装置によって吸着剤をフィン45の表面に担持させる一般的な手順を以下に示す。
(1)まず、フィン45の表面に担持させたい吸着剤を10μm(マイクロメートル)程度にまで粉砕する。
(2)次に、粉砕した吸着剤とバインダ(接合剤)と呼ばれる物質とを所定の割合で混ぜ合わせて混合溶液を作製する。このバインダは、吸着剤をフィン45の表面に接着させるものであればよく、特に種類を限定するものではない。また、吸着剤とバインダとを混合する割合も特に限定するものではなく、フィン45の表面に担持させたい吸着剤の量や厚さを考慮して決定するとよい。
(3)作製した混合溶液をフィン45やフィン45を積層させて組み立てられた熱交換器40にスプレードライ装置により噴霧し、フィン45や熱交換器40に均一に所定の量が添着するまで継続する。
(4)目的の量の吸着剤が添着されたフィン45や熱交換器40を焼成処理によってバインダを除去する。
このようにして、フィン45の表面に吸着剤を担持することができる。
なお、実施の形態1では、フィン45の表面に吸着剤を担持する方法として3つの例を示して説明したが、これに限定するものではなく、フィン45の表面に吸着剤を担持できる方法であればよい。たとえば、真空蒸着法や、イオンプレーティング法等によってフィン45の表面に吸着剤を担持させてもよい。つまり、フィン45に担持させる吸着剤の種類や性質によって、担持させる方法を決定するのが望ましいのである。
次に、本発明の基本的なコンセプトについて簡単に説明する。
フィン45の表面に担持させる吸着剤の水分吸着性能を向上させるためには、空気の温度を低くし、相対湿度を大きくすることが効果的である。そのために、熱交換器40を構成するフィン45の表面に吸着剤を担持させて、吸着剤自身と吸着された空気とを同時に冷却するようにしている。こうすることによって、相対湿度を大きくすることができ、吸着剤の持っている吸着性能の潜在能力を最大限に発揮させることができる。
また、フィン45の表面に担持させる吸着剤の水分脱着性能を向上させるためには、空気の温度を高くし、相対湿度を小さくすることが効果的である。そのために、熱交換器40を構成するフィン45の表面に吸着剤を担持させて、吸着剤自身と吸着された空気を同時に加熱するようにしている。こうすることによって、相対湿度を小さくすることができ、吸着剤の持っている脱着性能の潜在能力を最大限に発揮させることができる。
次に、フィン45の表面に担持させる吸着剤について説明する。
図2は、フィン45の表面に担持させることのできる吸着剤の成分に応じた水分吸着特性を示す特性図である。図2に基づいて、フィン45の表面に担持させるのに適した吸着剤について、各吸着材を比較して説明する。ここでは、シリカゲル、ゼオライト及び多孔質ケイ素材料を吸着剤としたそれぞれの場合を示している。また、横軸は空調空間の相対湿度(%)を、縦軸は水分の平衡吸着量(kg/kg)をそれぞれ示している。
図2において、等温吸着線Aは、シリカゲルの等温吸着線を示している。このシリカゲルは、一般的な性質として、高湿度範囲において吸着量が多くなるために除湿用途に適している。図2において、等温吸着線Bはゼオライトの等温吸着線を示している。このゼオライトは、一般的な性質として、シリカゲルとは反対に広い湿度範囲でほぼ一定の吸着量を有しているために加湿用途に適している。また、ゼオライトは、吸着及び脱着の反応速度が速いという特性がある。
図2において、等温吸着線Cは、多孔質ケイ素材料の等温吸着線を示している。この材料多孔質ケイ素材料は、1.5〜3.0nm(ナノメートル)程度の穴径の細孔が多数設けられたものであり、空気の相対湿度の狭い領域(相対湿度が30%〜40%)で平衡吸着量がたとえば0.1kg/kgから0.4kg/kgまで急峻に増大する特性を示すという特徴を有している。つまり、30%〜40%の範囲における相対湿度にたいする水分の平衡吸着量の変化率である傾斜が、30%未満または40%を超える範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率である傾斜よりも顕著に大きいという性質を有している。
なお、相対湿度30%を第1相対湿度(低湿度である第1相対湿度)と、相対湿度40%を第2相対湿度(第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度)とそれぞれ称することにする。そうすると、多孔質ケイ素材料の細孔径を増加または減少することにより、第1相対湿度及び第2相対湿度を変化(増加または減少)させることが可能になる。このような多孔質ケイ素材料としては、たとえばメソポーラスシリカが存在する。したがって、このメソポーラスシリカを吸着剤として使用するのが望ましい。
このメソポーラスシリカは、均一で規則的に配列したメソ孔(直径2〜50nm)を持つシリカ(二酸化珪素)系多孔質材料の総称であり、厚みが約1nmの隔壁で仕切られたシリンダー状の細孔がヘキサゴナル配列した規則的な配列構造を有していることを特徴とする。また、このメソポーラスシリカは、メソポーラスシリカのメソ孔内において、その孔径に応じた相対湿度において毛管凝縮が起こり、特定の狭い相対湿度範囲で大きな吸脱着量を示すという特異的な特徴も有している。
したがって、このような性質を有しているメソポーラスシリカをフィン45の表面に担持する吸着剤とすれば、相対湿度40%以上の空気から水分を吸着し、空気を相対湿度30%以下になるように昇温すれば、吸着されている水分を脱着することが可能になる。すなわち、熱交換器40の伝熱管46内を流れる冷媒との熱交換で得られる50℃程度に昇温された空気でも、フィン45から水分を脱着することが可能になるのである。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置100の構成例を示す概略構成図である。図3に基づいて、空気調和装置100の冷凍サイクルの基本的な構成について説明する。この空気調和装置100は、冷媒を循環させる冷凍サイクルを利用して、冷房運転及び暖房運転を行うものである。この空気調和装置100は、実施の形態1で説明した熱交換器を備えているものとする。なお、空気調和装置100は、加湿運転を行うことができるものであるとよい。
空気調和装置100は、圧縮機10、凝縮器20、第1の絞り装置60、熱交換器40、第2の絞り装置61及び蒸発器70が冷媒配管1で順次接続されて構成されている。なお、一般的に、圧縮機10と凝縮器20とは室外ユニットに内蔵されており、第1の絞り装置60と熱交換器40と第2の絞り装置61と蒸発器70とは室内ユニットに内蔵されている。また、熱交換器40で吸着した水分を利用して加湿運転を行なうようにした加湿ユニットを空気調和装置100に搭載してもよい。
冷媒配管1は、気体になった冷媒を導通させるガス側冷媒配管と、液体になった冷媒を導通させる液側冷媒配管とで構成されている。液側冷媒配管は、凝縮されて液体となった冷媒を導通するものである。ガス側冷媒配管は、蒸発されて気体になった冷媒を導通するものである。また、凝縮器20の近傍には、凝縮器20に空気を取り込むためのファン等の図示省略の送風機が設けられている。同様に、蒸発器70の近傍には、蒸発器70に空気を取り込み、熱交換された空気を送風するためのファン等の図示省略の送風機が設けられている。なお、冷媒配管1に封入される冷媒については、後の詳述する。
圧縮機10は、冷媒配管1を流れる冷媒を吸入して、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にするものである。凝縮器20は、冷媒と空気との間で熱交換を行なって冷媒を凝縮液化するものである。第1の絞り装置60は、一般に減圧弁や膨張弁で構成されており、冷媒を減圧して膨張させるものであり、たとえば電子式膨張弁等で構成するとよい。熱交換器40は、図1及び図2で説明したように、フィン45の表面に水分吸着手段である吸着剤が担持されている。この熱交換器40は、空気中の水分を吸着する吸着熱交換器として機能する役目を果たす。また、吸着した水分を脱着して加湿運転等を行なう脱着熱交換器としても機能する役目を果たす。
第2の絞り装置61は、一般に減圧弁や膨張弁で構成されており、冷媒を減圧して膨張させるものであり、たとえば電子式膨張弁等で構成するとよい。蒸発器70は、冷媒と空気との熱交換によって、その冷媒を蒸発ガス化するものである。なお、蒸発器70の近傍に設けられている送風機は、空気を取り込むと共に、蒸発器70で熱交換して冷却された空気を冷却対象域(室内や冷蔵庫内、冷凍庫内等)に供給するものである。なお、圧縮機10の駆動周波数や、第1の絞り装置60及び第2の絞り装置61の開度の制御は、図示省略の制御装置が行なうようになっている。
ここで、空気調和装置100の動作について説明する。まず、熱交換器40が吸着熱交換器として機能する場合について説明する。
圧縮機10で圧縮された高温・高圧の冷媒は、凝縮器20で外気に熱を放出しながら凝縮液化して液冷媒となる。この液冷媒は、第1の絞り装置60に流入し、そこで減圧されて低圧の気液二相冷媒となる。この気液二相冷媒は、熱交換器40に流入し、吸着剤及び空気を同時に冷却しながら蒸発するようになっている。つまり、熱交換器40が吸着熱交換器として機能しているのである。そして、この気液二相冷媒は、全開状態の第2の絞り装置61を通過し、蒸発器70に流入する。この気液二相冷媒は、蒸発器70ですべて蒸発ガス化し、気体冷媒となって圧縮機10に再度吸入されるようになっている。
次に、熱交換器40が脱着熱交換器として機能する場合について説明する。
圧縮機10で圧縮された高温・高圧の冷媒は、凝縮器20で外気に熱を放出しながら気液二相冷媒となる。この高圧状態の気液二相冷媒は、全開状態の第1の絞り装置60を通過し、熱交換器40に流入する。熱交換器40に流入した気液二相冷媒は、吸着剤及び空気を同時に加熱しながら液化するようになっている。つまり、熱交換器40が脱着熱交換器として機能しているのである。この液化した冷媒は、第2の絞り装置61で減圧されて低圧の気液二相冷媒となる。そして、気液二相冷媒は、蒸発器70に流入し、そこですべて蒸発ガス化し、気体冷媒となって圧縮機10に再度吸入されるようになっている。
実施の形態2に係る空気調和装置100は、熱交換器40を吸着熱交換器として機能させるか、脱着熱交換器として機能させるかによって、潜熱処理(除湿運転)と顕熱処理(冷却運転や冷房運転)とが分離可能になっている。すなわち、潜熱の除去は、フィン45の表面に担持させた吸着剤(水分吸着手段)で賄い、顕熱の除去は、冷凍サイクルで賄うことができるのである。このため、冷凍サイクルの蒸発器70における冷媒を蒸発させる温度を高く設定できる。つまり、蒸発器70での蒸発温度を霜が発生しない程度に高く設定することができるのである。
したがって、熱交換器40を吸着熱交換器として機能させれば、蒸発器70の蒸発温度を高く設定することができ、蒸発器70に霜を発生させないようにできる。換言すれば、霜を除去する除霜運転が不要になるのであり、デフロスタヒータを備えなくて済むのである。また、蒸発器70の蒸発温度を高く設定できるということは、圧縮機10における冷媒の圧縮比の低減も図ることが可能ということである。つまり、COP(Coefficient of Performance:成績係数)を大幅に改善することが可能になる。
さらに、熱交換器40を脱着熱交換器として機能させれば、冷凍サイクルの凝縮器20における凝縮排熱を利用することで吸着されている水分を脱着し、その水分を廃棄したり、加湿運転に利用したりする等の再生が可能になる。つまり、吸着された水分を脱着・再生するための再生用ヒータ等の加熱手段を設けなくてよいのである。したがって、加熱手段に要していた消費電力が不要となり、消費電力を大幅に削減できる。なお、実施の形態2に係る空気調和装置100の典型的な例としては、冷凍装置として冷蔵倉庫に適用することである。
空気調和装置100を冷蔵倉庫に適用した場合を例に示すと、外気側の条件が乾球温度30[℃]、相対湿度60[%]、絶対湿度16.04[g/kg]として維持されている場合において、冷蔵倉庫内の冷蔵室(空調空間)を、乾球温度10[℃]、相対湿度60[%]、絶対湿度4.56[g/kg]という条件で維持・継続するために冷凍サイクルを運転するよう各機器を制御するとよい。
図4は、蒸発温度とCOP(成績係数:冷却能力/消費電力)との関係を示した関係図である。図4に基づいて、蒸発温度とCOPとの関係について説明する。図4において、蒸発温度とCOPとは、比例関係にあることがわかる。たとえば、蒸発温度が11[℃]である場合、COPが3.1程度(図で示す(A))であり、蒸発温度を20[℃]に上げた場合、COPが3.9程度(図で示す(B))にまで上昇することがわかる。したがって、蒸発温度を高く設定できれば、COPをその分改善できるのである。
ここで、空気調和装置100に使用する冷媒について説明する。
空気調和装置100の冷凍サイクルに使用できる冷媒には、非共沸混合冷媒や擬似共沸混合冷媒、単一冷媒等がある。非共沸混合冷媒には、HFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒であるR407C(R32/R125/R134a)等がある。この非共沸混合冷媒は、沸点が異なる冷媒の混合物であるので、液相冷媒と気相冷媒との組成比率が異なるという特性を有している。擬似共沸混合冷媒には、HFC冷媒であるR410A(R32/R125)やR404A(R125/R143a/R134a)等がある。この擬似共沸混合冷媒は、非共沸混合冷媒と同様の特性の他、R22の約1.6倍の動作圧力という特性を有している。
また、単一冷媒には、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)冷媒であるR22やHFC冷媒であるR134a等がある。この単一冷媒は、混合物ではないので、取扱いが容易であるという特性を有している。その他、自然冷媒である二酸化炭素やプロパン、イソブタン、アンモニア等を使用することもできる。なお、R22はクロロジフルオロメタン、R32はジフルオロメタンを、R125はペンタフルオロエタンを、R134aは1,1,1,2−テトラフルオロエタンを、R143aは1,1,1−トリフルオロエタンをそれぞれ示している。したがって、空気調和装置100の用途や目的に応じた冷媒を使用するとよい。
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係る空気調和装置100aの構成例を示す概略構成図である。図5に基づいて、空気調和装置100aの冷凍サイクルの基本的な構成について説明する。この空気調和装置100aは、冷媒を循環させる冷凍サイクルを利用して、冷房運転及び暖房運転を行うものである。この空気調和装置100aは、実施の形態1で説明した熱交換器を備えているものとする。なお、空気調和装置100aは、加湿運転を行うことができるものであるとよい。また、実施の形態3では実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
空気調和装置100aは、実施の形態1で説明した吸着剤(水分吸着手段)を担持させた熱交換器40a(第1の熱交換器)及び熱交換器40b(第2の熱交換器)を備えている。そして、この2つの熱交換器40a及び熱交換器40bは、室内ユニットに別々に内蔵されている(図5参照)。また、空気調和装置100aは、圧縮機10、凝縮器20、並設されている第1の開閉弁である開閉弁30及び第2の開閉弁である開閉弁31、並設されている熱交換器40a及び熱交換器40b、並設されている逆流防止手段50及び逆流防止手段51、絞り装置62及び蒸発器70が冷媒配管1で順次接続されて構成されている。
この冷媒配管1は、分岐して冷媒配管1aと冷媒配管1bとなって、開閉弁30、熱交換器40a及び逆流防止手段50を冷媒配管1aで接続し、開閉弁31、熱交換器40b及び逆流防止手段51を冷媒配管1bで接続してから再度合流するように構成されている。この冷媒配管1を流れる冷媒には、実施の形態2で説明したような冷媒を使用するとよい。また、この空気調和装置100aには、蒸発器70の温度及び湿度を検知するための温度・湿度検知手段81(第1の温度・湿度検知手段)が蒸発器70の風路入口側に備えられている。
この温度・湿度検知手段81は、温度及び湿度を検知できるものであればよく、特に種類を限定するものでない。たとえば、サーミスタ等の温度センサや、温度計、湿度センサ、湿度計等で構成すればよい。また、空気調和装置100aには、圧縮機10の駆動周波数や開閉弁30及び開閉弁31の開度、絞り装置62の開度を制御する制御手段80が備えられている。
開閉弁30及び開閉弁31は、冷媒配管1a及び冷媒配管1bを流れる冷媒の流量を調整するものであり、特に種類を限定するものではない。逆流防止手段50及び逆流防止手段51は、冷媒配管1a及び冷媒配管1bを流れる冷媒の逆流を防止するものであり、逆流弁等で構成するとよいが、特に種類を限定するものではない。絞り装置62は、一般に減圧弁や膨張弁で構成されており、冷媒を減圧して膨張させるものであり、たとえば電子式膨張弁等で構成するとよい。なお、制御手段80は、各機器を制御する他、温度・湿度検知手段81からの情報に基づいて、蒸発器70での空気の相対湿度を算出し、その相対湿度を露点(露点温度)に換算するようになっており、マイクロコンピュータ等で構成するとよい。
図6は、蒸発器70が内蔵された室内ユニット300の構成を示す概略構成図である。図6に基づいて、室内ユニット300の基本的な構成について説明する。図6では、室内ユニット300の一部分が冷凍庫内(空調空間)400に、それ以外の部分が外気500側に設置されている場合を示している。この室内ユニット300には、図5で示した熱交換器40a、熱交換器40b及び蒸発器70が内蔵されている。そして、熱交換器40a及び熱交換器40bの近傍には、それぞれ遠心ファンや軸流ファン等の送風機90及び送風機91が備えられている。また、室内ユニット300にはダクト310が設けられており、冷凍庫内400と連通するようになっている。
この室内ユニット300は、熱交換器40aと熱交換器40bとを風路的に遮断するような構造となっている。そして、室内ユニット300は、風路を切り替えることができるようになっており、風路を切り替えることによって熱交換器40a及び熱交換器40bを冷凍庫内400や外気500と連通させることが可能になっている。この風路の切り替えは、風路切替手段301a及び風路切替手段301b、風路切替手段302a及び風路切替手段302b、風路切替手段303a及び風路切替手段303b、そして風路切替手段304a及び風路切替手段304bで行なわれるようになっている。
次に、室内ユニット300内の空気の流れについて説明する。
図6において、風路切換手段301a、風路切替手段302b、風路切替手段303b及び風路切替手段304aが開状態であり、風路切換手段301b、風路切替手段302a、風路切替手段303a及び風路切替手段304bが閉状態であることを示している。各風路切替手段がこのような状態のとき、熱交換器40aの内蔵スペースは外気500と連通し、外気から空気が流れ込むようになっている(矢印A)。また、熱交換器40bの内蔵スペースは、ダクト310を介して、冷凍庫内400と連通し、庫内空気(たとえば、気温10[℃]、相対湿度60[%])が流れ込むようになっている(矢印B)。
このように風路を形成している場合において、熱交換器40aは脱着熱交換器として機能し、熱交換器40bは吸着熱交換器として機能するようになっているのである。つまり、脱着熱交換器を顕熱除去のために機能させ、吸着熱交換器を潜熱除去のために機能させることで、顕熱処理と潜熱処理とを分離しているのである。一方、各風路切換手段の開閉状態が逆の状態になっている場合には、熱交換器40aの内蔵スペースには、庫内空気が流れ込むようになっており、熱交換器40bの内蔵スペースには、外気からの空気が流れ込むようになっている。そして、熱交換器40aは吸着熱交換器として機能し、熱交換器40bは脱着熱交換器として機能するようになっている。
図7は、室内ユニット300の風路を切り替えた状態を示す説明図である。図7では、室内ユニット300の一部分が冷凍庫内400に、それ以外の部分が外気500側に設置されている場合を示している。なお、図7(a)は、風路切換手段301a、風路切替手段302b、風路切替手段303b及び風路切替手段304aが閉状態であり、風路切換手段301b、風路切替手段302a、風路切替手段303a及び風路切替手段304bが開状態であることを示している。
つまり、図7(a)では、熱交換器40bの内蔵スペースは外気500と連通し、外気からの空気が流れ込むようになっている(矢印C)。また、熱交換器40aの内蔵スペースは、ダクト310を介して、冷凍庫内400と連通し、庫内空気が流れ込むようになっている(矢印D)。このように風路を形成すると、熱交換器40bは脱着熱交換器として機能し、熱交換器40aは吸着熱交換器として機能するようになっている。
また、図7(b)は、図6で示した場合と同様に、風路切換手段301a、風路切替手段302b、風路切替手段303b及び風路切替手段304aが開状態であり、風路切換手段301b、風路切替手段302a、風路切替手段303a及び風路切替手段304bが閉状態であることを示している。つまり、熱交換器40aの内蔵スペースには、庫内空気が流れ込むようになっており、熱交換器40bの内蔵スペースには、外気が流れ込むようになっている。このように風路を形成すると、熱交換器40bは吸着熱交換器として機能し、熱交換器40aは脱着熱交換器として機能するようになっているのである。
図8は、冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示すP−h線図(モリエル線図)である。図8に基づいて、冷凍サイクルにおける冷媒の状態について説明する。この図は、縦軸が絶対圧力(P)で、横軸がエンタルピー(h)を示している。この図8において、飽和液線と飽和蒸気線とで囲まれた部分では気液二相状態の冷媒であることを示し、飽和液線の左側では液化した冷媒であることを示し、飽和蒸気線の右側ではガス化した冷媒であることを示している。つまり、状態(1)及び状態(5)ではガス冷媒であることがわかり、状態(2)及び状態(4)では気液二相冷媒であることがわかり、状態(3)では液冷媒であることがわかるようになっている。
次に、空気調和装置100aの動作について説明する。
図7及び図8に基づいて、空気調和装置100aの動作について説明する。なお、開閉弁30を開状態、開閉弁31を閉状態にし、熱交換器40aを脱着熱交換器として、熱交換器40bを吸着熱交換器として機能させた場合における空気調和装置100aの動作について説明するものとする。また、開閉弁31が閉状態になっているので、熱交換器40bに冷媒は流れ込まないようになっている。
圧縮機10で圧縮された高温・高圧のガス状態の冷媒(図8で示す状態(1))は、凝縮器20に流入する。この状態の冷媒は、凝縮器20で外気に一部を放熱しながら気液二相冷媒となる(図8で示す状態(2))となる。この高圧状態の気液二相冷媒は、吸着剤が担持された熱交換器40aに流入する。熱交換器40aに流入した気液二相冷媒は、吸着剤を加熱することで吸着剤に吸着されている水分を飛ばし(脱着工程)、液化した液冷媒となる(図8で示す状態(3))。
この冷媒は、逆流防止手段50を流れて、絞り装置62で減圧される。減圧された冷媒は、低圧の気液二相冷媒となる(図8で示す状態(4))。そして、この気液二相冷媒は、蒸発器70に流入し、空調空気から熱を奪うことで蒸発し、低圧のガス冷媒となる(図8で示す状態(5))。このガス冷媒は、圧縮機10に再吸入されるように冷凍サイクルを循環する。したがって、冷媒が吸熱及び放熱を繰り返し状態変化を遷移させながら冷凍サイクルを循環することで冷房・冷凍運転を行なうようになっている。
図9は、空気調和装置100aの動作を説明するための空気線図である。この空気線図及び図6の構成図を用いて、上述した空気調和装置100aの動作について説明する。図6及び図9において、冷凍庫内400側と連通させている熱交換器40bを通過する空気に対し、熱交換器40bの通過前の空気を図9示す状態(1)、熱交換器40bを通過した直後の空気を図9で示す状態(2)、蒸発器70と熱交換した直後の空気を図9で示す状態(3)として説明するものとする。
熱交換器40bが冷凍庫内400内に存在する空気の水分を吸着する場合について説明する。状態(1)の空気は、乾球温度が10[℃]、相対湿度が60[%]、絶対湿度が4.56[g/kg]である。この状態の空気が熱交換器40bに供給されると、等エンタルピー線に沿って、相対湿度が60[%]からたとえば30[%]まで減湿され、絶対湿度が4.56[g/kg]から2.96[g/kg]まで減湿され、乾球温度が10[℃]から14[℃]まで上昇した状態(2)の空気となって蒸発器70へ流れるようになっている。
つまり、実施の形態1で説明したように、熱交換器40bに担持されている吸着剤は、相対湿度40%以上の領域で吸着できる水分量が大きいので、状態(1)の空気を減湿できるのである。そして、状態(2)の空気は、蒸発器70で熱交換されて状態(3)の空気となる。この状態(2)の空気は、絶対湿度が一定の状態で顕熱のみが除去されることで冷却されて、相対湿度が100[%]未満、乾球温度が−2[℃]である状態(3)の空気となる。
冷凍庫内400を10[℃]よりも低い温度帯域で維持するようになっており、蒸発温度を0[℃]よりも低く設定しなければならないことが多い。しかしながら、この空気調和装置100aは、冷凍サイクルが蒸発器70に着霜した霜を除去する除霜運転を実行しないようにするために、蒸発器70の蒸発温度(状態(2)の温度14[℃])を露点温度(たとえば、状態(2)の露点温度−2.9[℃])よりも高く設定することが可能になっている。
なお、蒸発器70の蒸発温度を高くするように、制御手段80は、絞り装置62の開度や、圧縮機10の駆動周波数、送風機91の回転数等を制御して蒸発温度を調節するとよい。また、蒸発温度を高く設定できれば、COPをその分改善できることは、図4で説明した通りである。また、蒸発器70の蒸発温度を露点以上とすることができるので、ドレインが発生しない。つまり、ドレイン配管が不要となり、製造コストを低減することが可能になる。
この制御手段80は、温度・湿度検知手段81からの情報によって、蒸発器70での空気の相対湿度を算出し、その相対湿度を露点に換算するようになっており、その結果に基づいて露点の検知をするとよい。それから、状態(3)の空気は、冷凍庫内400内へ拡散されて、冷凍庫内400の乾球温度を10[℃]以下に保つようになっている。また、吸着熱交換器として機能している熱交換器40bで吸着できる水分量には限界が存在する。そのため、制御手段80は、温度・湿度検知手段81からの検知情報により熱交換器40bの風路出口側の相対湿度が所定の閾値以上になった判断した時は、開閉弁30を開状態から閉状態へ、開閉弁31を閉状態から開状態へ変更し、冷媒の流れを切り替えるようになっている。そして、熱交換器40bに高温・高圧のガス冷媒を流入し、吸着剤が加熱されるようにする。
つまり、吸着熱交換器として機能していた熱交換器40bを、今度は脱着熱交換器として機能させて吸着した水分を脱着するのである。熱交換器40bの吸着剤が加熱されると、吸着剤で保持されていた水分が放出され、吸着剤が再生されるのである。一方、冷媒の流路を切り替えたので、熱交換器40aが吸着熱交換器として機能するようになる。この熱交換器40aでは、空気中の水分を吸着し、図9で示したように状態(1)から状態(2)へと庫内空気が減湿されるようになっている。
また、吸着熱交換器として機能している熱交換器40aで吸着できる水分量には限界が存在する。そのため、制御手段80は、温度・湿度検知手段81からの検知情報により熱交換器40aの風路出口側の相対湿度が所定の閾値以上になった判断した時は、開閉弁30を閉状態から開状態へ、開閉弁31を開状態から閉状態へ変更し、冷媒の流れを切り替えるようになっている。そして、熱交換器40aに高温・高圧のガス冷媒を流入し、吸着剤が加熱されるようにする。
以上のように、空気調和装置100aは、一方の熱交換器(熱交換器40b)を吸着熱交換器として機能させている場合は他方の熱交換器(熱交換器40a)を脱着熱交換器として機能させ、水分の吸着量に応じて、吸着熱交換器としての機能と脱着熱交換器としての機能とを交互に切り替えるようになっている。したがって、連続的に冷凍庫内400の空気の湿度(潜熱)を除去することが可能となる。つまり、開閉弁30及び開閉弁31と、風路切替手段301a〜風路切替手段304bとを適宜切り替えることによって、連続的に庫内空気の湿度を除去することが可能となるのである。
表1は、開閉弁30、開閉弁31及び風路切替手段301a〜風路切替手段304bの制御状態と、熱交換器40a及び熱交換器40bの機能をまとめたものである。表1において、パターン1は、図7(a)で示したように、熱交換器40aが吸着熱交換器として機能し、熱交換器40bが脱着熱交換器として機能している場合を示しており、パターン2は、図7(b)で示したように、熱交換器40aが脱着熱交換器として機能し、熱交換器40bが吸着熱交換器として機能している場合を示している。つまり、パターン1とパターン2とを交互に切り替えることによって、連続運転を可能としているのである。
Figure 2007240128
このように、図2で示した等温吸着線Cの特性を有した水分吸着手段を吸着材としてフィン45の表面に担持させ、そのフィン45で構成された熱交換器40a及び熱交換器40bを使用して冷凍サイクルを構成するので、従来、頻繁に発生していた除霜運転を無くすことが可能となり、除霜運転に伴う消費電力を更に低減できる。また、蒸発器70の蒸発温度を露点温度よりも高く設定可能なので、冷凍サイクルを効率よく運転することができる。
このフィン45の表面に担持させた吸着材の性質は、図2で説明したように、30[%]程度の相対湿度(第1相対湿度)を有する空気で、吸着した水分を十分に脱着・再生させることができることである。したがって、空気調和装置100aでは、吸着した水分をヒータ等の加熱手段で加熱するものとは異なり、凝縮器20からの凝縮排熱(放熱)で吸着材を加熱し、吸着されている水分を脱着できる。つまり、ヒータを備えなくて済み、ヒータの設置スペースを省略できると共に、ヒータによる加熱の電力が不要となるのである。
また、この空気調和装置100aでは、蒸発器70の蒸発温度を高く設定できるので、冷凍サイクルにおける冷媒が臨界圧を越えるほどの高圧を必要としない。つまり、圧縮機10、凝縮器20及びこれらを接続する冷媒配管1(冷媒配管1a及び冷媒配管1bも含めて)の耐圧性能の低いものを使用することができ、製品コストを低減することができる。また、圧縮機10における冷媒の圧縮比も抑制できるので、圧縮機10の運転効率を改善できる。つまり、COPを大幅に改善することが可能であり、省エネルギーを図ることができる。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4に係る空気調和装置100bの構成例を示す概略構成図である。図10に基づいて、空気調和装置100bの冷凍サイクルの基本的な構成について説明する。この空気調和装置100bは、冷媒を循環させる冷凍サイクルを利用して、冷房運転及び暖房運転を行うものである。この空気調和装置100bは、実施の形態1で説明した熱交換器を備えているものとする。
この空気調和装置100bは、潜熱処理と顕熱処理とを分離することにより、高いCOPを実現することを目的としている。なお、実施の形態4に係る空気調和装置100bの典型的な例としては、室内空間を冷却するルームエアコンやパッケージエアコンに適用することである。なお、空気調和装置100bは、加湿運転を行うことができるものであるとよい。また、実施の形態4では実施の形態2及び実施の形態3との相違点を中心に説明し、実施の形態2及び実施の形態3と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
空気調和装置100bは、実施の形態1で説明した吸着剤(水分吸着手段)を担持させた熱交換器40c(第1の熱交換器)及び熱交換器40d(第2の熱交換器)を備えている。そして、この2つの熱交換器40c及び熱交換器40dは、室内ユニットに別々に内蔵されている(図11参照)。また、空気調和装置100bは、圧縮機10、凝縮器20、並設されている第1の開閉弁である開閉弁32及び第2の開閉弁である開閉弁33、並設されている熱交換器40c及び熱交換器40d、並設されている開閉弁34及び開閉弁35、そして蒸発器70が冷媒配管1で順次接続されて構成されている。
この冷媒配管1は、分岐して冷媒配管1cと冷媒配管1dとなって、開閉弁32、熱交換器40c及び開閉弁34を冷媒配管1cで接続し、開閉弁33、熱交換器40d及び開閉弁35を冷媒配管1dで接続してから再度合流するように構成されている。この冷媒配管1を流れる冷媒には、実施の形態2で説明したような冷媒を使用するとよい。また、冷媒配管1c及び冷媒配管1dには、開閉弁32と熱交換器40cとの間における冷媒配管1cから分岐し、熱交換器40dと開閉弁35との間における冷媒配管1dに合流するバイパス管2(第1のバイパス管)と、開閉弁33と熱交換器40dとの間における冷媒配管1dから分岐し、熱交換器40cと開閉弁34との間における冷媒配管1cに合流するバイパス管3(第2のバイパス管)が設けられている。
このバイパス管3には、絞り装置63(第1の絞り装置)及び開閉弁36(第3の開閉弁)が設けられている。また、このバイパス管2には、絞り装置64(第2の絞り装置)及び開閉弁37(第4の開閉弁)が設けられている。また、この空気調和装置100bには、蒸発器70の温度及び湿度を検知するための温度・湿度検知手段81が蒸発器70の風路入口側に、熱交換器40c及び熱交換器40dの温度及び湿度を検知するための温度・湿度検知手段82(第2の温度・湿度検知手段)が熱交換器40cの風路出口側にそれぞれ備えられている。
この温度・湿度検知手段81及び温度・湿度検知手段82は、温度及び湿度を検知できるものであればよく、特に種類を限定するものでない。たとえば、サーミスタ等の温度センサや、温度計、湿度センサ、湿度計等で構成すればよい。また、温度・湿度検知手段81及び温度・湿度検知手段82がそれぞれ1つ設置されている場合を例に示しているが、これに限定するものでなく、複数個設置してもよい。さらに、温度・湿度検知手段82は、熱交換器40c及び熱交換器40dのそれぞれの風路出口側に設置してもよい。
空気調和装置100bには、圧縮機10の駆動周波数や開閉弁32〜開閉弁37の開度、絞り装置63、絞り装置64及び絞り装置85(第3の絞り装置)の開度を制御する制御手段80aが備えられている。開閉弁32〜開閉弁37は、冷媒配管1a及び冷媒配管1bを流れる冷媒の流量を調整するものであり、特に種類を限定するものではない。絞り装置63、絞り装置64及び絞り装置85は、一般に減圧弁や膨張弁で構成されており、冷媒を減圧して膨張させるものであり、たとえば電子式膨張弁等で構成するとよい。
この制御手段80aは、各機器を制御する他、温度・湿度検知手段82からの情報に基づいて、熱交換器40cの風路出口側の相対湿度を算出してその相対湿度を露点(露点温度)に換算し、また温度・湿度検知手段81からの情報に基づいて、蒸発器70での相対湿度を算出してその相対湿度を露点(露点温度)に換算するようになっている。なお、熱交換器40cの機能と熱交換器40dの機能とを切り替えた場合は、制御手段80aは、熱交換器40dの風路出口側の相対湿度を算出してその相対湿度を露点(露点温度)に換算するようになっている。
図11は、蒸発器70が内蔵された室内ユニット300aの構成を示す概略構成図である。図11に基づいて、室内ユニット300aの基本的な構成について説明する。なお、図7で示した室内ユニット300と相違点を中心に説明するものとする。図11では、室内ユニット300aの一部分が室内(空調空間)401に、それ以外の部分が外気500側に設置されている場合を示している。この室内ユニット300aには、図10で示した熱交換器40c、熱交換器40d及び蒸発器70が内蔵されている。
この室内ユニット300aは、熱交換器40cと熱交換器40dとを風路的に遮断するような構造となっている。そして、室内ユニット300aは、風路を切り替えることができるようになっており、風路を切り替えることによって熱交換器40c及び熱交換器40dを室内401や外気500と連通させることが可能になっている。この風路の切り替えは、風路切替手段311a及び風路切替手段311b、風路切替手段312a及び風路切替手段312b、風路切替手段313a及び風路切替手段313b、そして風路切替手段314a及び風路切替手段314bで行なわれるようになっている。
次に、室内ユニット300a内の空気の流れについて説明する。
図11において、風路切換手段311a、風路切替手段312b、風路切替手段313b及び風路切替手段314aが開状態であり、風路切換手段311b、風路切替手段312a、風路切替手段313a及び風路切替手段314bが閉状態であることを示している。各風路切替手段がこのような状態のとき、熱交換器40cの内蔵スペースは外気500と連通し、外気から空気が流れ込むようになっている(矢印A)。また、熱交換器40dの内蔵スペースは、ダクト310を介して、室内401と連通し、室内空気(たとえば、気温26[℃]、相対湿度60[%])が流れ込むようになっている(矢印B)。
このように風路を形成している場合において、熱交換器40cは脱着熱交換器として機能し、熱交換器40dは吸着熱交換器として機能するようになっているのである。つまり、脱着熱交換器を顕熱除去のために機能させ、吸着熱交換器を潜熱除去のために機能させることで、顕熱処理と潜熱処理とを分離しているのである。一方、各風路切換手段の開閉状態が逆の状態になっている場合には、熱交換器40cの内蔵スペースには、庫内空気が流れ込むようになっており、熱交換器40dの内蔵スペースには、外気からの空気が流れ込むようになっている。そして、熱交換器40cは吸着熱交換器として機能し、熱交換器40dは脱着熱交換器として機能するようになっている。
図12は、室内ユニット300aの風路を切り替えた状態を示す説明図である。図12では、室内ユニット300aの一部分が室内401に、それ以外の部分が外気500側に設置されている場合を示している。なお、図12(a)は、風路切換手段311a、風路切替手段312b、風路切替手段313b及び風路切替手段314aが閉状態であり、風路切換手段311b、風路切替手段312a、風路切替手段313a及び風路切替手段314bが開状態であることを示している。
つまり、図12(a)では、熱交換器40dの内蔵スペースは外気500と連通し、外気からの空気が流れ込むようになっている(矢印C)。また、熱交換器40cの内蔵スペースは、ダクト310を介して、室内401と連通し、室内空気が流れ込むようになっている(矢印D)。このように風路を形成すると、熱交換器40dは脱着熱交換器として機能し、熱交換器40cは吸着熱交換器として機能するようになっている。
また、図12(b)は、図11で示した場合と同様に、風路切換手段311a、風路切替手段312b、風路切替手段313b及び風路切替手段314aが開状態であり、風路切換手段311b、風路切替手段312a、風路切替手段313a及び風路切替手段314bが閉状態であることを示している。つまり、熱交換器40cの内蔵スペースには、室内空気が流れ込むようになっており、熱交換器40dの内蔵スペースには、外気が流れ込むようになっている。このように風路を形成すると、熱交換器40dは吸着熱交換器として機能し、熱交換器40cは脱着熱交換器として機能するようになっているのである。
空気調和装置100bをルームエアコンやパッケージエアコンに適用した場合を例に示すと、外気500側の条件が乾球温度30[℃]、相対湿度60[%]、絶対湿度16.04[g/kg]として維持されている場合において、室内401(空調空間)を、乾球温度26[℃]、相対湿度60[%]、絶対湿度8.74[g/kg]という条件で維持・継続するために冷凍サイクルを運転するよう各機器を制御するとよい。
図13は、冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示すP−h線図(モリエル線図)である。図13に基づいて、冷凍サイクルにおける冷媒の状態について説明する。この図は、縦軸が絶対圧力(P)で、横軸がエンタルピー(h)を示している。この図13において、飽和液線と飽和蒸気線とで囲まれた部分では気液二相状態の冷媒であることを示し、飽和液線の左側では液化した冷媒であることを示し、飽和蒸気線の右側ではガス化した冷媒であることを示している。つまり、状態(1)及び状態(7)ではガス冷媒であることがわかり、状態(2)、状態(4)、状態(5)及び状態(6)では気液二相冷媒であることがわかり、状態(3)では液冷媒であることがわかるようになっている。
次に、空気調和装置100bの動作について説明する。
図10及び図13に基づいて、空気調和装置100bの動作について説明する。なお、開閉弁32、開閉弁36及び開閉弁35を開状態、開閉弁33、開閉弁37及び開閉弁36を閉状態にし、熱交換器40cを脱着熱交換器として、熱交換器40dを吸着熱交換器として機能させた場合における空気調和装置100bの動作について説明するものとする。
圧縮機10で圧縮された高温・高圧のガス状態の冷媒(図13で示す状態(1))は、凝縮器20に流入する。この状態の冷媒は、凝縮器20で外気に一部を放熱しながら気液二相冷媒となる(図13で示す状態(2))となる。この高圧状態の気液二相冷媒は、吸着剤が担持された熱交換器40cに流入する。熱交換器40cに流入した気液二相冷媒は、吸着剤を加熱することで吸着剤に吸着されている水分を飛ばし(脱着工程)、液化した液冷媒となる(図13で示す状態(3))。
この冷媒は、開閉弁36を流れて、絞り装置63で減圧される。減圧された冷媒は、低圧の気液二相冷媒となる(図13で示す状態(4)、第1の蒸発温度)。そして、この気液二相冷媒は、熱交換器40dに流入し、第1の蒸発温度で吸着材を冷却することで吸着性能を高めるようになっている。つまり、主に空気中の水分を除去(潜熱除去)するのである。熱交換器40dに流入した気液二相冷媒は、吸着熱によって蒸発し、低圧の気液二相冷媒となる(図13で示す状態(5))。この気液二相冷媒は、絞り装置85によって減圧され、第2の蒸発温度となって、蒸発器70に流入し、空気中の顕熱を奪うこと(冷房)で、低圧のガス冷媒となる(図13で示す状態(6))。このガス冷媒は、圧縮機10に再吸入されるように冷凍サイクルを循環する。
この空気調和装置100bは、一方の熱交換器(ここでは、熱交換器40c)を通過した冷媒をバイパス管(ここでは、バイパス管3)を経由させて、他方の熱交換器(ここでは、熱交換器40d)に流入させるようになっている。つまり、熱交換器40c及び熱交換器40dを構成するフィン45の表面に担持されている吸着材の性能を高めて、冷凍能力の向上を図っているのである。
図2で示したように、等温吸着線Cの特性を有した水分吸着手段を吸着材としてフィン45の表面に担持させている場合、その吸着材を加熱すれば、吸着材の周囲における相対湿度が小さいものとなる。つまり、吸着材で吸着保持できる水分量が低下するために、周囲の空気に水分を放出(脱着)することとなる。このような吸着材を使用すれば、脱着させるのに必要な相対湿度が30[%]と比較的高くすることができる。従来のゼオライト(図2で示す等温吸着線A)のように、相対湿度を1[%]程度にする必要がない。その結果、比較的低い温度でも吸着剤を再生させることが可能となる。したがって、冷凍サイクルの凝縮排熱(50[℃]程度)でも容易に再生することができる。
また、冷媒を一方の熱交換器を通った後に、バイパス管を経由させて他方の熱交換器に流入させるようになっているので、他方の熱交換器では、吸着剤を冷媒で直接冷却することが可能になっている。そのため、吸着剤の周囲の空気も同時に冷却されることとなり、、相対湿度40[%]以上の状態で吸着剤を利用できるため、吸着剤の性能を十分に活用することができ、吸着剤の量を削減することができる。
図14は、空気調和装置100bの動作を説明するための空気線図である。この空気線図及び図11の構成図を用いて、上述した空気調和装置100bの動作について説明する。図11及び図14において、室内401側と連通させている熱交換器40dを通過する空気に対し、熱交換器40dの通過前の空気を図14で示す状態(1)、熱交換器40dを通過した直後の空気を図14で示す状態(2)、蒸発器70と熱交換した直後の空気を図14で示す状態(3)として説明するものとする。
熱交換器40dが室内401内に存在する空気の水分を吸着する場合について説明する。状態(1)の空気は、乾球温度が26[℃]、相対湿度が60[%]である。この状態の空気が熱交換器40dに供給されると、熱交換器40dで等温あるいは冷却吸着によって、状態(2)の空気となって蒸発器70へ流れるようになっている。つまり、実施の形態1で説明したように、熱交換器40dに担持されている吸着剤は、相対湿度40%以上の領域で吸着できる水分量が大きいので、状態(1)の空気を減湿できるのである。
そして、状態(2)の空気は、蒸発器70で熱交換されて状態(3)の空気となる。この状態(2)の空気は、蒸発器70によって、絶対湿度が一定の状態で顕熱のみが除去されることで冷却されて、相対湿度が100[%]未満、乾球温度が14[℃]である状態(3)の空気となる。この状態(3)の空気が室内401に供給される。
熱交換器40dでは、吸込み空気の露点以上(この実施の形態では18[℃])、蒸発器70では、熱交換器40dの出口空気の露点以上(この実施の形態では14[℃])になるように、制御手段80aは、絞り装置63及び絞り装置85の開度や、圧縮機10の駆動周波数、送風機91の回転数等を制御して第1の蒸発温度及び第2の蒸発温度を調節するとよい。露点温度の検知は、温度・湿度検知手段81及び温度・湿度検知手段82で検知した温度及び湿度の情報をもとに、制御手段80aで露点に換算する。この実施の形態では、第1の蒸発温度が18[℃]、第2の蒸発温度が14[℃]である場合を例に示している。
また、吸着熱交換器として機能している熱交換器40dで吸着できる水分量には限界が存在する。そのため、制御手段80は、温度・湿度検知手段81からの検知情報により蒸発器70での相対湿度が所定の閾値以上になった判断した時は、開閉弁32、開閉弁37及び開閉弁34を開状態から閉状態へ、開閉弁33、開閉弁36及び開閉弁35を閉状態から開状態へ変更し、冷媒の流れを切り替えるようになっている。そして、熱交換器40dに高温・高圧のガス冷媒を流入し、吸着剤が加熱されるようにする。
つまり、吸着熱交換器として機能していた熱交換器40dを、今度は脱着熱交換器として機能させて吸着した水分を脱着するのである。熱交換器40dの吸着剤が加熱されると、吸着剤で保持されていた水分が放出され、吸着剤が再生されるのである。一方、冷媒の流路を切り替えたので、熱交換器40cが吸着熱交換器として機能するようになる。この熱交換器40cでは、空気中の水分を吸着し、図14で示したように状態(1)から状態(2)へと室内空気が減湿されるようになっている。
また、吸着熱交換器として機能している熱交換器40cで吸着できる水分量には限界が存在する。そのため、制御手段80は、温度・湿度検知手段81からの検知情報により熱交換器40c出口の相対湿度が所定の閾値以上になった判断した時は、開閉弁33、開閉弁36及び開閉弁35を開状態から閉状態へ、開閉弁32、開閉弁37及び開閉弁34を閉状態から開状態へ変更し、冷媒の流れを切り替えるようになっている。そして、熱交換器40cに高温・高圧のガス冷媒を流入し、吸着剤が加熱されるようにする。
以上のように、空気調和装置100bは、一方の熱交換器(熱交換器40d)を吸着熱交換器として機能させている場合は他方の熱交換器(熱交換器40c)を脱着熱交換器として機能させ、水分の吸着量に応じて、吸着熱交換器としての機能と脱着熱交換器としての機能とを交互に切り替えるようになっている。したがって、連続的に室内401の空気の湿度(潜熱)を除去することが可能となる。
一方、外気500側からは、乾球温度が32[℃]、相対湿度が6[%]の空気が送風機90によって熱交換器40cに供給される。このとき、熱交換器40cは、脱着熱交換器として機能しており、吸着剤が加熱され、吸着剤が吸着保持していた水分を空気中に放出(脱着)し、絶対湿度が増加した状態の空気となって、再び外気500へ放出される。なお、この脱着された水分を加湿に利用するとよい。このように、潜熱の除去は、吸着熱交換器として機能している熱交換器40dで行ない、顕熱の除去は、冷凍サイクル(蒸発器70)で行なうことが可能となっている。しかも、水分吸着手段の脱着・再生を冷凍サイクルの凝縮器20における凝縮排熱を利用することにより行なうことができ、冷房・冷凍能力は大幅に改善される。
表2は、開閉弁32〜開閉弁37の制御状態と、熱交換器40c及び熱交換器40dの機能をまとめたものである。表2において、パターン1は、図12(b)で示したように、熱交換器40dが吸着熱交換器として機能し、熱交換器40cが脱着熱交換器として機能している場合を示しており、パターン2は、図12(a)で示したように、熱交換器40dが脱着熱交換器として機能し、熱交換器40cが吸着熱交換器として機能している場合を示している。つまり、パターン1とパターン2とを交互に切り替えることによって、連続運転を可能としているのである。
Figure 2007240128
パターン1は、開閉弁32、開閉弁37及び開閉弁34が開状態で、開閉弁33、開閉弁36及び開閉弁35が閉状態であり、熱交換器40cが脱着熱交換器として機能し、熱交換器40dが吸着熱交換器として機能していることを示している。一方、パターン2は、開閉弁33、開閉弁36及び開閉弁35が開状態で、開閉弁32、開閉弁37及び開閉弁34が閉状態であり、このとき熱交換器40cが吸着熱交換器として機能し、熱交換器40dが脱着熱交換器として機能していることを示している。
熱交換器40cまたは熱交換器40dのいずれかが脱着熱交換器として機能している場合には、その熱交換器で冷媒が凝縮し、吸着材に吸着保持されている水分は空気中に放出(脱着)され、熱交換器40cまたは熱交換器40dのいずれかが吸着熱交換器として機能している場合には、その熱交換器で冷媒が蒸発し、吸着剤を冷却し、空気中の水分を吸着するのである。すなわち、各開閉弁の開度を制御し、冷媒の流れ切り替えることによって、熱交換器40c及び熱交換器40dの機能も切り替えることが可能となり、吸着と脱着とを交互に切り替えながら連続的に運転できるのである。
たとえば、従来の空気調和装置の冷凍サイクルでは、空調空間の状態が乾球温度26[℃]、相対湿度60[%]であり、外気側の状態が乾球温度32[℃]、相対湿度60[%]である場合には、凝縮器での凝縮温度47[℃]、蒸発器での蒸発温度11[℃]付近でバランスを調整し、空調空間の顕熱処理(冷房運転)と潜熱処理(除湿運転)との両方を同時に行なうようになっていた。このような空気調和装置は、蒸発温度を低く設定しなければならず、冷凍サイクルの効率を悪いものとしていた。
実施の形態4で説明した空気調和装置100bは、空調空間の顕熱処理(冷房運転)と潜熱処理(除湿運転)との両方を別々に行なうことを可能としている。つまり、各熱交換器のフィン45の表面に担持させた吸着材(水分吸着手段)で潜熱処理を行なうので、冷凍サイクルは顕熱処理のみを行なえばよく、蒸発温度を高く設定することができる。つまり、従来の蒸発温度が11[℃]と設定されていたものを、14[℃]程度まで高く設定できるのである。その結果、冷凍サイクルの効率を大幅に改善できるようになっている。
図4に示したように、蒸発温度とCOPとは比例関係にある。たとえば、実施の形態4の場合であると、蒸発温度が11[℃]である場合、COPが3.1程度(図で示す(A))であるが、この蒸発温度を14[℃]に上げた場合、COPが3.3程度(図で示す(B))にまで上昇することがわかる。つまり、蒸発温度を9[℃]あげて設定するだけで、COPが約14%程度改善されるのである。
実施の形態5.
図15は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置100cの構成例を示す概略構成図である。図15に基づいて、空気調和装置100cの冷凍サイクルの基本的な構成に付いて説明する。この空気調和装置100cは、冷媒を循環させる冷凍サイクルを利用して、冷房運転及び暖房運転を行うものである。この空気調和装置100cは、実施の形態1で説明した熱交換器を備えているものとする。
この空気調和装置100cは、潜熱処理と顕熱処理とを分離することにより、高いCOPを実現することを目的としている。なお、実施の形態5に係る空気調和装置100bの典型的な例としては、冷凍装置として冷蔵倉庫に適用したり、室内空間を冷却するルームエアコンやパッケージエアコンに適用したりすることである。なお、空気調和装置100cは、加湿運転を行うことができるものであるとよい。また、実施の形態5では実施の形態2〜実施の形態4との相違点を中心に説明し、実施の形態2〜実施の形態4と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
空気調和装置100cは、実施の形態1で説明した吸着剤(水分吸着手段)を担持させた熱交換器40e(第1の熱交換器)及び熱交換器40f(第2の熱交換器)を備えている。そして、この2つの熱交換器40e及び熱交換器40fは、実施の形態4と同様に室内ユニットに別々に内蔵されている(図10参照)。また、空気調和装置100cは、圧縮機10、凝縮器20、並設されている開閉弁32及び開閉弁33、並設されている熱交換器40e及び熱交換器40f、並設されている三方弁38及び三方弁39、並設されている絞り装置63及び絞り装置64、そして蒸発器70が冷媒配管1で順次接続されて構成されている。
この冷媒配管1は、実施の形態4に係る空気調和装置100bと同様に、分岐して冷媒配管1cと冷媒配管1dとなって、開閉弁32、熱交換器40e及び三方弁38を冷媒配管1cで接続し、開閉弁33、熱交換器40f及び三方弁39を冷媒配管1bで接続してから再度合流するように構成されている。この冷媒配管1を流れる冷媒には、実施の形態2で説明したような冷媒を使用するとよい。また、冷媒配管1c及び冷媒配管1dには、開閉弁32と熱交換器40eとの間における冷媒配管1cから分岐し、熱交換器40fと三方弁39との間における冷媒配管1dに合流するにバイパス管2a(第1のバイパス管)と、開閉弁33と熱交換器40fとの間における冷媒配管1dから分岐し、熱交換器40eと三方弁38との間における冷媒配管1cに合流するバイパス管3a(第2のバイパス管)が設けられている。
このバイパス管3aには、絞り装置63が設けられている。また、このバイパス管2aには、絞り装置64が設けられている。また、この空気調和装置100cには、蒸発器70の温度及び湿度を検知するための図示省略の温度・湿度検知手段が蒸発器70の風路入口側に備えられている。この温度・湿度検知手段は、温度及び湿度を検知できるものであればよく、特に種類を限定するものでない。たとえば、サーミスタ等の温度センサや、温度計、湿度センサ、湿度計等で構成すればよい。
空気調和装置100cには、圧縮機10の駆動周波数や開閉弁32及び開閉弁33の開度、絞り装置63、絞り装置64及び絞り装置85の開度、三方弁38及び三方弁39の開度を制御する図示省略の制御手段が備えられている。三方弁38及び三方弁39は、冷媒配管1a及び冷媒配管1bを流れる冷媒の流れを切り替えて、熱交換器40eと熱交換器40fの機能(吸着と脱着)を切り替えるものである。
次に、空気調和装置100cの動作について説明する。
図15に基づいて、空気調和装置100cの動作について説明する。なお、開閉弁32を開状態、開閉弁33を閉状態にし、熱交換器40eを脱着熱交換器として、熱交換器40fを吸着熱交換器として機能させた場合における空気調和装置100cの動作について説明するものとする。
圧縮機10で圧縮された高温・高圧のガス状態の冷媒は、凝縮器20に流入する。この状態の冷媒は、凝縮器20で外気に一部を放熱しながら気液二相冷媒となる。この高圧状態の気液二相冷媒は、吸着剤が担持された熱交換器40eに流入する。熱交換器40eに流入した気液二相冷媒は、吸着剤を加熱することで吸着剤に吸着されている水分を飛ばし(脱着工程)、液化した液冷媒となる。
この冷媒は、三方弁38の制御によって流れる方向が決定する。たとえば、バイパス管3aを流れるように制御されていれば、冷媒は、絞り装置63で減圧される。減圧された冷媒は、低圧の気液二相冷媒となる。そして、この気液二相冷媒は、熱交換器40fに流入し、吸着材を冷却することで吸着性能を高めるようになっている。つまり、主に空気中の水分を除去(潜熱除去)するのである。熱交換器40fに流入した気液二相冷媒は、吸着熱によって蒸発し、低圧の気液二相冷媒となる。この気液二相冷媒は、絞り装置85によって減圧され蒸発器70に流入し、空気中の顕熱を奪うこと(冷房)で、低圧のガス冷媒となる。このガス冷媒は、圧縮機10に再吸入されるように冷凍サイクルを循環する。
この空気調和装置100cは、一方の熱交換器(ここでは、熱交換器40e)を通過した冷媒をバイパス管(ここでは、バイパス管3a)を経由させて、他方の熱交換器(ここでは、熱交換器40f)に流入させるようになっている。つまり、熱交換器40e及び熱交換器40fを構成するフィン45の表面に担持されている吸着材の性能を高めて、冷凍能力の向上を図っているのである。
図2で示したように、等温吸着線Cの特性を有した水分吸着手段を吸着材としてフィン45の表面に担持させている場合、その吸着材を加熱すれば、吸着材の周囲における相対湿度が小さいものとなる。つまり、吸着材で吸着保持できる水分量が低下するために、周囲の空気に水分を放出(脱着)することとなる。このような吸着材を使用すれば、脱着させるのに必要な相対湿度が30[%]と比較的高くすることができる。従来のゼオライト(図2で示す等温吸着線A)のように、相対湿度を1[%]程度にする必要がない。その結果、比較的低い温度でも吸着剤を再生させることが可能となる。したがって、冷凍サイクルの凝縮排熱(50[℃]程度)でも容易に再生することができる。
また、冷媒を一方の熱交換器を通った後に、バイパス管を経由させて他方の熱交換器に流入させるようになっているので、他方の熱交換器では、吸着剤を冷媒で直接冷却することが可能になっている。そのため、吸着剤の周囲の空気も同時に冷却されることとなり、、相対湿度40[%]以上の状態で吸着剤を利用できるため、吸着剤の性能を十分に活用することができ、吸着剤の量を削減することができる。
このように、図2で示した等温吸着線Cの特性を有した吸着剤を担持させたフィン45を熱交換器40e及び熱交換器40fを冷凍サイクルに使用し、吸着材の持つ特性と冷凍サイクルとを組み合わせることによって、顕熱処理と潜熱処理を分離し、冷凍能力を向上させることが可能となっている。すなわち、蒸発器70で蒸発温度を吸込み空気温度の露点よりも高く設定でき、圧縮機10の圧縮比をその分小さくすることができるので、冷凍サイクルの性能が飛躍的に向上する。
また、従来の吸着剤(たとえば、ゼオライト)の再生には100[℃]レベルの高い温度が必要であったが、図2で示す等温吸着線Cの特性を有した吸着剤を使用することで、冷凍サイクルの凝縮排熱を利用することで吸着材の加熱をすることができ、容易に再生することができる。すなわち、ヒータを設置しなくてもよく、またヒータに使っていた電力を削減することが可能となり、省スペースや省エネルギーを実現することができる。
各実施の形態では、圧縮機10の種類を特に限定するものではないが、容量制御が可能なインバータ圧縮機や、定速運転を行なう定速圧縮機を使用すればよい。また、各実施の形態では、冷凍サイクルに圧縮機10の1台が備えられている場合を例に示したが、これに限定するものでなく、複数の圧縮機を備えてもよい。この場合は、制御手段80が設けた圧縮機の台数分のマルチ制御を行うようにするとよい。
各実施の形態では、制御手段80及び制御手段80aが、各開閉弁の開度、圧縮機10の駆動周波数、各絞り装置の開度、各三方弁の開度を制御する場合を例に説明したが、これに限定するものでない。各機器毎に制御手段を設けてもよい。また、各実施の形態では、蒸発器70の風路入口側に温度・湿度検知手段81を1つ設けている場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、温度検知手段と湿度検知手段とに分けて設けてもよく、複数個設けてもよい。また、冷媒の圧力を検知する圧力検知手段を各機器の近傍に設けてもよい。
なお、空気調和装置100〜空気調和装置100cは、冷凍装置やルームエアコン、パッケージエアコン等に適用した場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、空気調和装置100〜空気調和装置100cは、冷蔵庫や、加湿器、調湿装置等に適用することも可能である。つまり、適用される目的・用途に応じて使用する冷媒を決定したり、冷凍サイクルでの風路及び流路を決定したりすればよいのである。
実施の形態1に係る熱交換器の要部を示す概略構成図である。 吸着剤の成分に応じた水分吸着特性を示す特性図である。 実施の形態2に係る空気調和装置の構成例を示す概略構成図である。 蒸発温度とCOPとの関係を示した関係図である。 実施の形態3に係る空気調和装置の構成例を示す概略構成図である。 空気調和装置の加湿ユニットを立体的に示した概略構成図である。 室内ユニットの風路を切り替えた状態を示す説明図である。 冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示すP−h線図である。 空気調和装置の動作を説明するための空気線図である。 実施の形態4に係る空気調和装置の構成例を示す概略構成図である。 蒸発器が内蔵された室内ユニットの構成を示す概略構成図である。 室内ユニットの風路を切り替えた状態を示す説明図である。 冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示すP−h線図である。 空気調和装置の動作を説明するための空気線図である。 実施の形態5に係る空気調和装置の構成例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 冷媒配管、1a 冷媒配管、1b 冷媒配管、1c 冷媒配管、1d 冷媒配管、2 バイパス管、2a バイパス管、3 バイパス管、3a バイパス管、10 圧縮機、20 凝縮器、30 開閉弁、31 開閉弁、32 開閉弁、33 開閉弁、34 開閉弁、35 開閉弁、36 開閉弁、37 開閉弁、38 三方弁、39 三方弁、40 熱交換器、40a 熱交換器、40b 熱交換器、40c 熱交換器、40d 熱交換器、40e 熱交換器、40f 熱交換器、45 フィン、46 伝熱管、50 逆流防止手段、51 逆流防止手段、60 絞り装置、61 絞り装置、62 絞り装置、63 絞り装置、64 絞り装置、70 蒸発器、80 制御手段、80a 制御手段、81 温度・湿度検知手段、85 絞り装置、90 送風機、91 送風機、100 空気調和装置、100a 空気調和装置、100b 空気調和装置、300 室内ユニット、300a 室内ユニット、301a 風路切替手段、301b 風路切替手段、302a 風路切替手段、302b 風路切替手段、303a 風路切替手段、303b 風路切替手段、304a 風路切替手段、304b 風路切替手段、311a 風路切替手段、311b 風路切替手段、312a 風路切替手段、312b 風路切替手段、313a 風路切替手段、313b 風路切替手段、314a 風路切替手段、314b 風路切替手段、400 冷凍庫内、401 室内、500 外気。

Claims (16)

  1. 低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、前記相対湿度の範囲外における相対湿度に対する前記平衡吸着量の前記変化率よりも大きく、かつ、前記第1相対湿度及び前記第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段を表面に担持させた
    ことを特徴とする熱交換器用フィン。
  2. 前記請求項1に記載の熱交換器用フィンを使用した
    ことを特徴とする熱交換器。
  3. 圧縮機と、凝縮器と、熱交換器と、絞り装置と、蒸発器とが冷媒配管で順次接続され、冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する空気調和装置であって、
    前記熱交換器を構成する熱交換器用フィンの表面に、低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、前記相対湿度の範囲外における相対湿度に対する前記平衡吸着量の前記変化率よりも大きく、かつ、前記第1相対湿度及び前記第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段を担持させた
    ことを特徴とする空気調和装置。
  4. 圧縮機と、凝縮器と、熱交換器と、蒸発器とが冷媒配管で順次接続され、冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する空気調和装置であって、
    前記熱交換器を第1の熱交換器と第2の熱交換器とで構成して、それらを並列に配置し、
    前記凝縮器と前記第1の熱交換器との間における冷媒配管に第1の開閉弁を、前記凝縮器と前記第2の熱交換器との間における冷媒配管に第2の開閉弁を接続し、
    前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器を構成する熱交換器用フィンの表面に、低湿度である第1相対湿度と該第1相対湿度よりも高湿度である第2相対湿度との範囲における相対湿度に対する水分の平衡吸着量の変化率が、前記相対湿度の範囲外における相対湿度に対する前記平衡吸着量の前記変化率よりも大きく、かつ、前記第1相対湿度及び前記第2相対湿度が30%から40%の範囲である水分吸着手段を担持させた
    ことを特徴とする空気調和装置。
  5. 前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度を制御する制御手段と、
    前記蒸発器の風路入口側に、該蒸発器の温度及び湿度を検知するための第1の温度・湿度検知手段とを設け、
    前記制御手段は、
    前記第1の温度・湿度検知手段からの情報に基づいて前記蒸発器での空気の相対湿度を算出し、
    前記第1の熱交換器または前記第2の熱交換器のいずれか一方を吸着熱交換器として、他方を脱着熱交換器として機能させるように、その算出した相対湿度に応じて前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の空気調和装置。
  6. 前記制御手段は、
    算出した相対湿度に応じて、
    前記第1の開閉弁または前記第2の開閉弁のいずれか一方の開閉弁を開状態に、他方の開閉弁を閉状態に制御することによって、前記第1の熱交換器または前記第2の熱交換器に流入する冷媒の流路を交互に切り替える
    ことを特徴とする請求項5に記載の空気調和装置。
  7. 前記制御手段で前記圧縮機の駆動周波数も制御するようになっており、
    該制御手段は、
    前記相対湿度を露点に換算し、
    前記蒸発器の蒸発温度が、該露点以上となるように前記圧縮機の駆動周波数と、前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度とを制御する
    ことを特徴とした請求項5または6に記載の空気調和装置。
  8. 前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器の温度及び湿度を検知するための第2の温度・湿度検知手段を該第1の熱交換器及び該第2の熱交換器の風路出口側に設け、
    前記制御手段は、
    前記第2の温度・湿度検知手段からの情報に基づいて前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器での空気の相対湿度を算出し、
    その結果を露点に換算し、
    前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器の設定温度が、該露点以上となるように前記圧縮機の駆動周波数と、前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度とを制御する
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の空気調和装置。
  9. 前記第1の開閉弁と前記第1の熱交換器との間で冷媒配管を分岐させ、前記第2の熱交換器の冷媒出口側における冷媒配管に合流する第1のバイパス管と、
    前記第2の開閉弁と前記第2の熱交換器との間で冷媒配管を分岐させ、前記第1の熱交換器の冷媒出口側における冷媒配管に合流する第2のバイパス管とを設け、
    前記第1のバイパス管に、第1の絞り装置と第3の開閉弁を、前記第2のバイパス管に、第2の絞り装置と第4の開閉弁をそれぞれ直列に配置した
    ことを特徴とする請求項4に記載の空気調和装置。
  10. 前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度と、前記第1の絞り装置及び前記第2の絞り装置の開度と、前記第3の開閉弁及び前記第4の開閉弁の開度とを制御する制御手段と、
    前記蒸発器の風路入口側に、該蒸発器の温度及び湿度を検知するための第1の温度・湿度検知手段とを設け、
    前記制御手段は、
    前記第1の温度・湿度検知手段からの情報に基づいて前記蒸発器での空気の相対湿度を算出し、
    前記第1の熱交換器または前記第2の熱交換器のいずれか一方を吸着熱交換器として、他方を脱着熱交換器として機能させるように、その算出した相対湿度に応じて前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度と、前記第1の絞り装置及び前記第2の絞り装置の開度と、前記第3の開閉弁及び前記第4の開閉弁の開度との開度を制御する
    ことを特徴とする請求項9に記載の空気調和装置。
  11. 前記制御手段は、
    算出した相対湿度に応じて、
    前記第1の開閉弁または前記第2の開閉弁のいずれか一方の開閉弁を開状態に、他方の開閉弁を閉状態に制御することによって、第1の熱交換器または第2の熱交換器に流入する冷媒の流路を交互に切り替え、
    前記第3の開閉弁及び前記第4の開閉弁の開度を前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度の状態に応じて制御する
    ことを特徴とする請求項10に記載の空気調和装置。
  12. 前記制御手段で前記圧縮機の駆動周波数も制御するようになっており、
    前記制御手段は、
    前記相対湿度を露点に換算し、
    前記蒸発器の蒸発温度が、該露点以上となるように前記圧縮機の駆動周波数と、前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度と、前記第1の絞り装置及び前記第2の絞り装置の開度と、前記第3の開閉弁及び前記第4の開閉弁の開度とを制御する
    ことを特徴とした請求項10または11に記載の空気調和装置。
  13. 前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器の温度及び湿度を検知するための第2の温度・湿度検知手段を該第1の熱交換器及び該第2の熱交換器の風路出口側に設け、
    前記制御手段は、
    前記第2の温度・湿度検知手段からの情報に基づいて前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器での相対湿度を算出し、
    その結果を露点に換算し、
    前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器の設定温度が、該露点以上となるように前記圧縮機の駆動周波数と、前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度と、前記第1の絞り装置及び前記第2の絞り装置の開度と、前記第3の開閉弁及び前記第4の開閉弁の開度とを制御する
    ことを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の空気調和装置。
  14. 前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器は、室内ユニット内に別々に内蔵されており、
    前記制御手段は、
    前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁の開度の状態に応じて、前記室内ユニット内の風路を切り替える
    ことを特徴とする請求項4〜13のいずれかに記載の空気調和装置。
  15. 前記水分吸着手段を、1.5〜3.0ナノメートルの穴径の細孔が多数設けられたケイ素材料で構成した
    ことを特徴とする請求項3〜14のいずれかに記載の空気調和装置。
  16. 前記ケイ素材料をメソポーラスシリカとする
    ことを特徴とする請求項15に記載の空気調和装置。
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