JP2007236820A - 超音波プローブ及び超音波診断装置 - Google Patents

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弘一 芝本
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稔 青木
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Abstract

【課題】超音波プローブを大型化せずにパルス減算法の実現が可能な超音波プローブ及び超音波診断装置を提供する。
【解決手段】正極性振動子3aと逆極性振動子3bは互いに逆方向に分極されている。正極性振動子3aと逆極性振動子3bは交互に配置され、超音波振動子の配列面に直交する方向であって、配列面の中心を通る軸を回転軸として180°回転対称となるように配置されている。1回目の送信では正極性振動子3aを駆動して超音波を送信させ、2回目の送信では逆極性振動子3bを駆動して超音波を送信させる。逆極性振動子3bが受信した信号の位相は位相反転部6によって反転させられる。1回目と2回目の送受信によって得られた信号を加算することで非線形成分のみの信号が得られ、非線形成分に基づいた画像が得られる。
【選択図】図1

Description

この発明は、超音波振動子が2次元的に配列された超音波プローブ、及びその超音波プローブを備えた超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波振動子を備えた超音波プローブにより被検体内に超音波を送信し、被検体内部における音響インピーダンスの不整合によって生じる反射波を超音波プローブで受信し、受信信号に基づいて被検体の内部状態を画像化する装置である。
ここで、従来技術に係る超音波診断装置の概略的な構成について図10を参照して説明する。図10は、従来技術に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。超音波診断装置は、超音波プローブ100と本体部200とを備えて構成され、超音波プローブ100によって超音波の送受信を行い、本体部200によって超音波の送受信で取得された信号に基づいて画像を生成して表示する。
超音波プローブ100は、マトリックス(格子)状に配列された複数の超音波振動子101を備え、3次元的に超音波を送信して反射波を受信することで、放射状に広がる形状の3次元データをエコー信号として受信することができる。
本体部200に備えられている制御部201には、クロック発生回路や送信遅延設定回路が備えられている。クロック発生回路は、超音波信号の送信タイミングや送信周波数を決めるクロック信号を発生する回路である。送信遅延回路は、超音波の送信時に遅延を掛けて送信フォーカスを実施するため、送信部に遅延データを設定する回路である。
送信部102は、遅延が掛けられた送信タイミングで駆動パルスを発生し、各超音波振動子101に供給するようになっている。受信部103は、超音波振動子101が受信したエコー信号を受信し、そのエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する。増幅されたエコー信号はコネクタ104を介して本体部200の信号処理部202に出力される。
信号処理部202は、受信部103によって受信されたエコー信号をA/D変換し、A/D変換後のエコー信号に対して受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与え、加算する。そして、加算処理後の信号に対してバンドパスフィルタ処理を行い、その後、出力信号の包絡線を検波し、検波したデータに対して対数変換による圧縮処理を施す。
画像処理部203は、超音波の送受信によって取得されたボリュームデータに対して、ボリュームレンダリング処理やMPR処理などの画像処理を実施することで、3次元画像データや任意断面の画像データ(MPR画像データ)などの画像データを生成する。この画像データは表示部204に出力され、表示部204の画面上に3次元画像やMPR画像などが表示される。
ここで、超音波プローブ100の製造工程について図11を参照して説明する。図11は、従来技術に係る超音波プローブの製造工程を示すフローチャートである。まず、超音波振動子を1方向に分極する(ステップS10)。そして、音響整合層を形成した後(ステップS11)、超音波の放射面側に共通(GND)電極を接続し、その放射面の反対側である背面側に信号電極を接続する(ステップS12)。その後、超音波振動子を2次元的にアレイ加工することで複数の超音波振動子101をマトリックス(格子)状に配列する(ステップS13)。そして、送信部102と受信部103を超音波振動子101に接続し(ステップS14)、外形ケースを装着することで超音波プローブ100とする(ステップS15)。
超音波振動子が1列に配列した1次元超音波プローブでは短冊状の超音波振動子を1列に配列するため、素子数は100個程度となるが、超音波振動子を2次元的に配列した2次元超音波プローブでは超音波振動子の素子数は数千個にもなる。従って、超音波プローブと超音波診断装置の本体部とを接続するケーブルに全超音波振動子の信号線を通すとケーブルの径が大きくなってしまい、超音波プローブの操作性が悪くなってしまう問題がある。そのため、図10に示すように、超音波プローブ内に送信部と受信部を設けることが多い。一方、超音波プローブは操作者が手で持って操作するため、操作性を考慮すると超音波プローブは小型であることが望ましい。従って、超音波プローブ内に設置する送信部と受信部の物理的容量の制約が厳しくなるため、超音波プローブ内に送信部と受信部を設ける場合は、超音波診断装置の本体部に送信部と受信部を設ける場合と比べて、送信部と受信部の機能を単純化して回路規模を可能な限り小さくする必要がある。
また、1次元超音波プローブを用いた超音波診断装置では、1回目の超音波の送信と2回目の超音波の送信とで逆位相のパルス波を送信し、受信した反射波を加算することで基本波成分を除去して非線形成分のみを映像化する技術(パルス減算法)が実用化されている(例えば特許文献1)。これにより、サイドローブやグレーティングローブなどのアーチファクトの影響が低減され、コントラストが高くて見やすい画像が生成される。しかしながら、パルス減算法では、両極性のパルス波を送信する必要があるため、1つの極性のパルス波を送信する場合と比べて送信部の構成は複雑になり、送信部の回路規模も増大する。2次元超音波プローブを備えた超音波診断装置では、2次元超音波プローブ内に設置する送信部と受信部の回路規模を制限する必要があるため、パルス減算法の実現は容易ではない。換言すると、超音波プローブ内に設置する送信部の回路規模を増大せずにパルス減算法を実現することは容易ではない。
米国特許第5,706,819号明細書
この発明は上記の問題点を解決するものであり、超音波振動子が2次元的に配列された2次元超音波プローブ及びその2次元超音波プローブを備えた超音波診断装置であって、超音波プローブを大型化せずにパルス減算法の実現が可能な超音波プローブ及びその超音波プローブを備えた超音波診断装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、複数の超音波振動子が2次元的に配列された超音波振動子部を有する超音波プローブであって、前記超音波振動子部は、第1の方向に分極した複数の第1の超音波振動子と、前記第1の方向と逆方向である第2の方向に分極した複数の第2の超音波振動子と、を有し、前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子は交互に配列され、前記超音波振動子の配列面に垂直な軸を回転軸として180°回転対称となるように配置されていることを特徴とする超音波プローブである。
請求項5に記載の発明は、複数の超音波振動子が2次元的に配列された超音波振動子部と、前記超音波振動子に駆動パルス信号を印加する送信部と、を有する超音波プローブであって、前記超音波振動子部は、所定方向に分極した複数の第3の超音波振動子と、前記第3の超音波振動子と同じ方向に分極した複数の第4の超音波振動子と、を有し、前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子は交互に配置され、前記超音波振動子の配列面に垂直な軸を回転軸として180°回転対称となるように配置され、前記送信部は、前記第3の超音波振動子への駆動パルス信号の印加と、前記第4の超音波振動子への駆動パルス信号の印加とを交互に実施し、前記第4の超音波振動子に対しては、前記第3の超音波振動子に印加する駆動パルス信号と逆極性の駆動パルス信号を印加することを特徴とする超音波プローブである。
請求項8に記載の発明は、複数の超音波振動子が2次元的に配列された超音波振動子部を有する超音波プローブと、前記超音波振動子部に駆動パルス信号を印加する送信部と、信号処理部と、前記超音波プローブが受信した信号に基づいて画像データを生成する画像処理部と、を有する超音波診断装置であって、前記超音波振動子部は、第1の方向に分極した複数の第1の超音波振動子と、前記第1の方向と逆方向である第2の方向に分極した複数の第2の超音波振動子と、を有し、前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子は交互に配列され、前記超音波振動子の配列面に垂直な軸を回転軸として180°回転対称となるように配置され、前記送信部は、前記第1の超音波振動子への駆動パルス信号の印加と、前記第2の超音波振動子への駆動パルス信号の印加とを交互に実施することで、前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子に交互に超音波を送信させ、前記信号処理部は、前記第1の超音波振動子に駆動パルス信号を印加して送信した超音波に基づく反射波であって、前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子が受信した信号と、前記第2の超音波振動子に駆動パルス信号を印加して送信した超音波に基づく反射波であって、前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子が受信した信号と、を加算し、前記画像処理部は、前記加算された信号に基づいて画像データを生成することを特徴とする超音波診断装置である。
請求項10に記載の発明は、複数の超音波振動子が2次元的に配列された超音波振動子部を有する超音波プローブと、前記超音波振動子部に駆動パルス信号を印加する送信部と、信号処理部と、前記超音波プローブが受信した信号に基づいて画像データを生成する画像処理部と、を有する超音波診断装置であって、前記超音波振動子部は、所定方向に分極した複数の第3の超音波振動子と、前記第3の超音波振動子と同じ方向に分極した複数の第4の超音波振動子と、を有し、前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子は交互に配列され、前記超音波振動子の配列面に垂直な軸を回転軸として180°回転対称となるように配置され、前記送信部は、前記第3の超音波振動子への駆動パルス信号の印加と、前記第4の超音波振動子への駆動パルス信号の印加とを交互に実施し、前記第4の超音波振動子に対しては、前記第3の超音波振動子に印加する駆動パルス信号と逆極性の駆動パルス信号を印加することで、前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子に交互に超音波を送信させ、前記信号処理部は、前記第3の超音波振動子に駆動パルス信号を印加して送信した超音波に基づく反射波であって、前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子が受信した信号と、前記第4の超音波振動子に駆動パルス信号を印加して送信した超音波に基づく反射波であって、前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子が受信した信号と、を加算し、前記画像処理部は、前記加算された信号に基づいて画像データを生成することを特徴とする超音波診断装置である。
この発明によると、互いに逆方向に分極された超音波振動子を交互に配列し、各超音波振動子に同じ極性の駆動パルス信号を印加することによりパルス減算法を実現することができるため、両極性の駆動パルス信号を各超音波振動子に印加する必要がない。このように両極性の駆動パルス信号を各超音波振動子に印加する必要がないため、送信部の構成を複雑にして回路規模を増大することなく、パルス減算法を実現することが可能となる。そのことにより、送信部を超音波プローブ内に設置した場合であっても、超音波プローブを大型化せずにパルス減算法を実現することが可能となる。
また、この発明によると、同じ方向に分極した複数の超音波振動子に互い違いに逆極性の駆動パルス信号を印加して超音波を送信することによりパルス減算法を実現することができるため、両極性の駆動パルス信号を各超音波振動子に印加する必要がない。このように両極性の駆動パルス信号を各超音波振動子に印加する必要がないため、送信部の構成を複雑にして回路規模を増大することなく、パルス減算法を実現することが可能となる。そのことにより、送信部を超音波プローブ内に設置した場合であっても、超音波プローブを大型化せずにパルス減算法を実現することが可能となる。
[第1の実施の形態]
(構成)
この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブ及び超音波診断装置の構成について図1及び図2を参照して説明する。図1は、この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブに設置されている超音波振動子部の概略構成を示す上面図である。
超音波プローブ2は、既知の背面材(図示しない)上に超音波振動子部3が設けられ、その超音波振動子部3の上には既知の音響整合層(図示しない)が設けられている。つまり、背面材、超音波振動子部3、音響整合層の順番で積層されていることになる。超音波振動子部3において、音響整合層が設けられている面が超音波の放射面側となり、その面の反対側の面(背面材が設けられている面)が背面側となる。超音波振動子部3の放射面側には共通(GND)電極が接続され、背面側には信号電極が接続されている。
超音波振動子部3は、所定方向に分極された複数の超音波振動子と、その所定方向の反対方向に分極された複数の超音波振動子とを備えて構成され、それら複数の超音波振動子がマトリックス(格子)状に交互に配列されることで超音波振動子部3を構成している。つまり、超音波振動子部3は、互いに逆方向に分極された複数の超音波振動子が交互に配列されることで構成されていることになる。
この実施形態では、所定方向に分極された超音波振動子を正極性振動子3aとし、その反対方向に分極された超音波振動子を逆極性振動子3bとする。なお、正極性振動子3aがこの発明の「第1の超音波振動子」に相当し、逆極性振動子3bがこの発明の「第2の超音波振動子」に相当する。
ここで、超音波振動子部3を構成する正極性振動子3aと逆極性振動子3bの配列パターンについて図2の上面図を参照して説明する。正極性振動子3aと逆極性振動子3bは同じ大きさで矩形状の形状をしている。そして、図2に示すように、複数の正極性振動子3aと複数の逆極性振動子3bとが交互に並んで配列している。つまり、正極性振動子3aと逆極性振動子3bとが互い違いに並んで配列され、全体として市松模様状の配列パターンを成している。また、正極性振動子3aと逆極性振動子3bの数は等しくなっている。超音波振動子部3の配列面の中心を通り、その配列面に垂直な軸を中心軸とすると、正極性振動子3aと逆極性振動子3bの配列パターンは、その中心軸を回転軸として180°回転対称となっている。
なお、超音波振動子部3は、チタン酸ジリコン酸鉛Pb(Zr、Ti)O、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、チタン酸バリウム(BaTiO)又はチタン酸鉛(PbTiO)などのセラミック材料が用いられる。また、背面材は、超音波動子部3から発振された超音波振動や受信時の超音波振動のうち、超音波診断装置の画像抽出にとって必要でない超音波振動成分を減衰吸収する。背面材には、一般的に、合成ゴム、エポキシ樹脂又はウレタンゴムなどにタングステン、フェライト、酸化亜鉛などの無機粒子粉末などを混入した材料が用いられる。音響整合層は、超音波振動子部3の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスとの音響整合を良好にするために設けられる。音響整合層は、1層だけであっても良く、2層以上設けても良い。
本体部8に備えられている制御部9には、クロック発生回路や送信遅延設定回路が備えられている。クロック発生回路は、超音波振動の送信タイミングや送信周波数を決めるクロック信号を発生する回路である。送信遅延設定回路は、超音波の送信時に遅延を掛けて送信フォーカスを実施するため、送信部に遅延データを設定する回路である。
送信部4は、遅延が掛けられた送信タイミングで駆動パルス信号を発生し、正極性振動子3a又は逆極性振動子3bのいずれかにその駆動パルス信号を供給するようになっている。駆動パルス信号の供給先の切り換えは、制御部9による制御によって行なわれる。パルス減算法を実施する場合、例えば、1回目の超音波の送信では、制御部9による制御により正極性振動子3aに駆動パルス信号を印加することで、正極性振動子3aから超音波を送信し、2回目の超音波の送信では、制御部9の制御によって駆動パルス信号の供給先を切り替えて逆極性振動子3bに駆動パルス信号を印加することで、逆極性振動子3bから超音波を送信する。
受信部5は、正極性振動子3a及び逆極性振動子3bが受信したエコー信号を受信し、そのエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する。増幅されたエコー信号はコネクタ7を介して本体部8の信号処理部10に出力される。
位相反転部6は、逆極性振動子3bと受信部5との間に設置され、逆極性振動子3bから出力された信号の位相を反転し、位相を反転した信号を受信部5に出力する。
信号処理部10は、A/D変換回路、受信遅延・加算回路、及びBモード処理回路などを備えて構成されている。A/D変換回路は、受信部5によって受信されたエコー信号をA/D変換する。受信遅延・加算回路は、A/D変換後のエコー信号に対して受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与え、加算する。その加算により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。Bモード処理回路は、エコー信号の振幅情報の映像化を行い、エコー信号からBモード超音波ラスタデータを生成する。具体的には、Bモード処理回路は加算処理後の信号に対してバンドパスフィルタ処理を行い、その後、出力信号の包絡線を検波し、検波したデータに対して対数変換による圧縮処理を施すことによりBモード超音波ラスタデータを生成する。
パルス減算法を実施する場合、信号処理部10は、1回目の超音波の送受信によって得られた信号と、2回目の超音波の送受信によって得られた信号とを加算することで基本波成分を除去し、非線形成分の信号のみを得る。詳しく説明すると、信号処理部10は、正極性振動子3aに駆動パルス信号を印加することで正極性振動子3aから送信した超音波に基づく反射波であって、正極性振動子3a及び逆極性振動子3b(全超音波振動子)が受信した信号と、逆極性振動子3bで駆動パルス信号を印加することで逆極性振動子3bから送信した超音波に基づく反射波であって、正極性振動子3a及び逆極性振動子3b(全超音波振動子)が受信した信号と、を加算する。なお、上述したように、逆極性振動子3bが受信した信号の位相は、位相反転部6によって反転させられている。
なお、信号処理部10にドプラ処理部やCFM処理部が備わっている場合もある。ドプラ処理部はドプラ偏移周波数成分を取り出し、更にFFT処理などを施して血流情報を有するデータを生成する。また、CFM処理部は血流情報の映像化を行い、カラー超音波ラスタデータを生成する。
画像処理部11は、超音波の送受信によって取得されたボリュームデータに対して、ボリュームレンダリング処理やMPR処理などの画像処理を実施することで、3次元画像データや任意断面の画像データ(MPR画像データ)などの画像データを生成する。この画像データは表示部12に出力され、表示部12の画面上に3次元画像やMPR画像などが表示される。
(超音波プローブ2の製造工程)
次に、この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの製造工程について図3を参照して説明する。図3は、この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの製造工程を示すフローチャートである。
まず、超音波振動子上に音響整合層を形成した後(ステップS01)、超音波の放射面側に共通(GND)電極を接続し、その放射面の反対側である背面側に信号電極を接続する(ステップS02)。そして、超音波振動子が2次元的にアレイ加工することで複数の超音波振動子をマトリックス(格子)状に配列する(ステップS03)。その後、半数の超音波振動子であって、1つおきに直流の高電圧を印加することで所定方向に分極した正極性振動子3aを作製する(ステップS04)。そして、残り半数の超音波振動子に対して、逆方向の直流高電圧を印加することで、正極性振動子3aの分極に対して逆方向に分極した逆極性振動子3bを作製する(ステップS05)。そして、送信部4と受信部5を超音波振動子3a、3bに接続する(ステップS06)。このとき、逆極性振動子3bと受信部5との間に位相反転部6を設ける。その後、外形ケースを装着することで超音波プローブ2とする(ステップS07)。
(作用)
上記の構成を有する超音波プローブ2及び超音波診断装置1によると、以下に示す好適な作用及び効果を奏することが可能となる。
(送信時)
パルス減算法を実施する場合、1回目の超音波の送信で同一方向に分極された半数の超音波振動子のみを駆動し、2回目の超音波の送信で残り半数の超音波振動子を駆動する。例えば、1回目の超音波の送信では、制御部9の制御によって送信部4は正極性振動子3aのみに駆動パルス信号を印加して超音波を送信させ、2回目の超音波の送信では、制御部9の制御によって送信部4は逆極性振動子3bのみに駆動パルス信号を印加して超音波を送信させる。
(受信時)
受信時には、全ての超音波振動子で反射波を受信する。つまり、送信時においては、正極性振動子3a又は逆極性振動子3bのいずれかを駆動させることで超音波を送信するが、受信時においては、正極性振動子3a及び逆極性振動子3b(全ての超音波振動子)によって反射波を受信する。正極性振動子3aによって受信されたエコー信号は、受信した際の位相を保った状態で受信部5に出力される。一方、逆極性振動子3bによって受信されたエコー信号は、位相反転部6によって位相が反転され、その後、受信部5に出力される。この位相反転部6の機能によって、逆極性振動子3bによって受信された超音波の位相を、正極性振動子3aが受信した超音波の位相と一致させることができる。
超音波振動子部3によって受信されたエコー信号は、コネクタ7を介して本体部8の信号処理部10に出力される。そして、信号処理部10は、1回目の超音波の送受信によって得られた信号と、2回目の超音波の送受信によって得られた信号とを加算することで基本波成分を除去して非線形成分の信号のみを得る。つまり、1回目の超音波の送信では正極性振動子3aのみを駆動して超音波を送信し、2回目の超音波の送信では逆極性振動子3bのみを駆動して超音波を送信しているため、互いに逆位相のパルス波を送信していることになり、この送受信によって得られた信号を加算することで基本波成分が除去され、非線形成分の信号のみが得られることになる。
画像処理部11は、信号処理部10の加算処理によって得られた非線形成分の信号に基づいて画像データを生成する。例えばボリュームレンダリングやMPR処理などの画像処理を施すことにより、3次元画像データや任意断面におけるMPR画像データなどの画像データを生成する。これにより、非線形成分の信号に基づく3次元画像やMPR画像などの画像が表示部12に表示されることになる。
ここで、送受信時における超音波の音場分布について図4及び図5を参照して説明する。図4は、この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブにより超音波を送信する際に形成される音場分布を示す図である。図5は、この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブにより超音波を受信する際に形成される音場分布を示す図である。
例えば、超音波振動子部3の中心から斜め方向に偏向して超音波ビームを送信した場合、斜め方向にグレーティングローブが発生する。この第1の実施形態では、縦横方向の素子ピッチは従来技術と変わらないが、斜め方向の素子ピッチが従来技術の素子ピッチと比べて約1.4倍となる。その影響があるため、図4に示すように、斜め方向にグレーティングローブが発生する。
このように送信時にグレーティグローブが発生するが、上述したように受信時には全ての超音波振動子で反射波を受信することにより、受信時においては斜め方向のグレーティングローブの信号強度は低くなる。従って、図5に示すように、送信時に発生したグレーティングローブの反射波からの受信信号強度は低くなるため、送信時に発生したグレーティングローブの影響を低減することが可能となる。これにより、アーチファクトの影響が低減された画像を得ることができる。また、パルス減算法においては、送信時に発生したグレーティグローブなどのアーチファクトを効率良く低減することができるため、グレーティングローブなどの影響は問題にならないと考えられる。これにより、サイドローブやグレーティングローブなどのアーチファクトの影響が低減され、コントラストが高くて見やすい高画質の画像が得られる。
以上のように、この第1の実施形態に係る超音波プローブ2によると、超音波振動子の製造工程において特殊な製造を採用する必要がなく、また、超音波プローブ2の構成も特殊な構成にする必要がないため、コストアップや歩留まり低下を招かずにパルス減算法を実現することが可能となる。また、互いに逆方向に分極された超音波振動子を交互に配列し、各超音波振動子に同じ極性の駆動パルス信号を印加することによりパルス減算法を実現することができるため、両極性の駆動パルス信号を各超音波振動子に印加する必要がない。このように両極性の駆動パルス信号を各超音波振動子に印加する必要がないため、送信部4の構成を複雑にして回路規模を増大することなく、パルス減算法を実現することが可能となる。そのことにより、送信部4を超音波プローブ2内に設置した場合であっても、超音波プローブ2を大型化せずにパルス減算法を実現することが可能となる。
また、互いに逆方向に分極された正極性振動子3aと逆極性振動子3bの数を等しくすることで、正極性での送信時の音圧と逆極性での送信時の基本波の音圧とを等しくすることができ、正極性振動子3aと逆極性振動子3bの配列パターンを180°回転対称とすることで、超音波の音軸がずれることなく送受信することができるため、正確にパルス減算法を実施して、パルス減算法の効果を十分に得ることが可能となる。
なお、この実施形態では、正極性振動子3aと逆極性振動子3bの数を等しくしたが、これらの数が完全に一致せずに、厳密に180°回転対称となっていなくても、この発明と同様の作用及び効果を奏することが可能である。つまり、正極性振動子3aと逆極性振動子3bの数がほぼ一致し、実質的に180°回転対称となっていれば、この発明と同様の作用及び効果を奏することが可能となる。例えば、超音波振動子部3の端部において正極性振動子3aと逆極性振動子3bの数が一致せずに、厳密に180°回転対称となっていない場合であっても、パルス減算法を実施することで、グレーティングローブなどのアーチファクトの影響が低減され、コントラストが高い高画質の画像を得ることができる。
また、この第1の実施形態では、逆極性振動子3bから出力された信号の位相を位相反転部6にて反転したが、位相反転部6を設ける代わりに、信号処理部10にてA/D変換を行った後に逆極性振動子3bから出力された信号の位相を反転しても良い。このように信号処理部10にて信号の位相を反転しても、逆極性振動子3bによって受信された超音波の位相を、正極性振動子3aが受信した超音波の位相と一致させることができる。
また、この第1の実施形態では、超音波プローブ2内に送信部4、受信部5、及び位相反転部6を設けた例について説明したが、これらを本体部8やコネクタ7に設置しても、第1の実施形態に係る超音波診断装置1と同じ作用及び効果を奏することができる。
なお、基本波モードやドプラモードで超音波を送受信する場合は、正極性振動子3a又は逆極性振動子3bのいずれか一方を駆動させて基本波モードやドプラモードを実施する。
(変形例1)
次に、変形例1について図6から図8を参照して説明する。図6は変形例1に係る超音波振動子部の概略構成を示す上面図である。図7は、変形例1に係る超音波プローブにより超音波を送信する際に形成される音場分布を示す図である。図8は、変形例1に係る超音波プローブにより超音波を受信する際に形成される音場分布を示す図である。
この変形例1では、列ごとに複数の超音波振動子をまとめて、まとめた素子を同じ方向に分極する。図6に示す例では、3個の正極性振動子3aを1つのまとまりとし、3個の逆極性振動子3bを1つのまとまりとする。そして、3個ずつまとめられた正極性振動子3aと逆極性振動子3bを交互に配置し、超音波振動子部31の中心を通り、配列面に垂直な中心軸を回転軸として180°回転対称となるように、正極性振動子3aのまとまりと逆極性振動子3bのまとまりを配置する。このように複数の超音波振動子をまとめることにより、分極や回路配置を単純化することができる。
このように同じ極性の超音波振動子を複数個まとめて、逆極性の超音波振動子を交互に配置した場合であっても、パルス減算法を正確に実施することができる。パルス減算法を実施する場合、送信時においては、制御部9による制御によって1回目の超音波の送信では、正極性振動子3aのみに駆動パルス信号を印加して超音波を送信させ、2回目の超音波の送信では、逆極性振動子3bのみに駆動パルス信号を印加して超音波を送信させる。そして、受信時には、全ての超音波振動子で反射波を受信する。上述した第1の実施形態と同様に、逆極性振動子3bによって受信されたエコー信号は位相反転部6によって位相が反転させられる。
そして、上述した第1の実施形態と同様に、信号処理部10によって、1回目の超音波の送受信によって得られた信号と、2回目の超音波の送受信によって得られた信号とが加算される。これにより、基本波成分が除去されて非線形成分の信号のみが得られる。そして、画像処理部11は、その非線形成分の信号に基づいて画像データを生成する。これにより、非線形成分の信号に基づく3次元画像やMPR画像などの画像が表示部12に表示されることになる。
次に、送受信時における超音波の音場分布について図7及び図8を参照して説明する。例えば、超音波振動子部31の中心から斜め方向に偏向して超音波ビームを送信した場合、図7に示すように、斜め方向にグレーティングローブが発生する。このように送信時にグレーティングローブが発生するが、受信時には全ての超音波振動子で反射波を受信することにより、受信時においては斜め方向のグレーティングローブの信号強度は低くなる。従って、図8に示すように、送信時に発生したグレーティングローブの反射波の信号強度は低くなるため、送信時に発生したグレーティングローブの影響を低減することが可能となる。これにより、アーチファクトの影響が低減された画像を得ることができる。その結果、サイドローブやグレーティングローブなどのアーチファクトの影響が低減され、コントラストが高くて見やすい高画質の画像が得られる。
以上のように、変形例1に係る超音波プローブによっても、超音波プローブの構成を特殊な構成にする必要がないため、コストアップや歩留まり低下を招かずにパルス減算法を実現することが可能となる。
なお、この変形例1においても、正極性振動子3aと逆極性振動子3bの数が厳密に一致せずに、厳密に180°回転対称となっていない場合であっても、正極性振動子3aと逆極性振動子3bの数がほぼ一致し、実質的に180°回転対称となっていれば、この発明と同様の作用及び効果を奏することが可能となる。
[第2の実施の形態]
(構成)
この発明の第2の実施形態に係る超音波プローブ及び超音波診断装置の構成について図9を参照して説明する。図9は、この発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
第2の実施形態に係る超音波診断装置20は、上述した第1の実施形態に係る超音波診断装置1と比べて、超音波プローブ30の構成が異なっており、本体部8は同じ構成を有している。
超音波振動子部31は、マトリックス(格子)状に配列された複数の正極用振動子3cと逆極用振動子3dを備えて構成されている。これら複数の正極用振動子3cと逆極用振動子3dは、同じ方向(1つの方向)に分極されている。上述した第1の実施形態においては、逆方向に分極された超音波振動子を交互に配列したが、第2の実施形態においては、全て同じ方向に分極された超音波振動子によって超音波振動子部31を構成している。なお、正極用振動子3cがこの発明の「第3の超音波振動子」に相当し、逆極用振動子3dがこの発明の「第4の超音波振動子」に相当する。
正極性送信部4aと逆極性送信部4bは、互いに逆極性の駆動パルス信号を超音波振動子に印加する。正極性送信部4aは正極用振動子3cに接続され、逆極性送信部4bは逆極用振動子3dに接続されている。
そして、正極用振動子3cと逆極用振動子3dは交互に並んで配列されている。つまり、正極用振動子3cと逆極用振動子3dとが互い違いに並んで配列され、全体として市松模様状の配列パターンを成している。また、正極用振動子3cと逆極用振動子3dの数は等しくなっており、超音波振動子部31の配列面の中心を通り、その配列面に垂直な線を中心軸Oとすると、正極用振動子3cと逆極用振動子3dの配列パターンは、その中心軸Oを回転軸として180°回転対称となっている。
正極用振動子3cには正極性送信部4aが接続され、逆極用振動子3dには逆極性送信部4bが接続されているため、正極用振動子3cから送信される超音波の極性と逆極用振動子3dから送信される超音波の極性は逆の極性になる。
受信部5、コネクタ7、制御部9、信号処理部10、及び画像処理部11の機能は、上述した第1の実施形態に係る各部と同じ機能を有するため説明を省略する。
なお、制御部9は、正極性送信部4a及び逆極性送信部4bによる駆動パルス信号の印加の切り替えを制御する。つまり、パルス減算法を実施する場合、1回目の超音波の送信では、制御部9による制御により正極性送信部4aが正極用振動子3cに駆動パルス信号を印加することで、正極用振動子3cから超音波を送信し、2回目の超音波の送信では、制御部9の制御により逆極性送信部4bが逆極用振動子3dに駆動パルス信号を印加することで、逆極用振動子3dから超音波を送信する。このように、制御部9は、正極性送信部4a及び逆極性送信部4bによる駆動パルス信号の印加の切り替えを行う。
ここで、超音波プローブ30の製造工程について簡単に説明する。まず、超音波振動子を所定方向に分極した後、アレイ加工を行うことで、複数の超音波振動子が配列された超音波振動子部31を作製する。そして、互いに逆極性の駆動パルス信号を印加する正極性送信部4aと逆極性送信部4bを、交互に超音波振動子に接続する。これにより、正極性送信部4aに接続された超音波振動子と、逆極性送信部4bに接続された超音波振動子の配列パターンは市松模様状になる。
(作用)
上記の構成を有する超音波プローブ30及び超音波診断装置20によると、以下に示す好適な作用及び効果を奏することが可能となる。
(送信時)
パルス減算法を実施する場合、1回目の超音波の送信では、制御部9の制御によって正極性送信部4aが正極用振動子3cを駆動して超音波を送信させる。そして、2回目の超音波の送信では、制御部9の切り替え制御によって逆極性送信部4bが逆極用振動子3dを駆動して超音波を送信させる。
(受信時)
受信時には、全ての超音波振動子で反射波を受信する。つまり、送信時においては、正極性送信部4a又は逆極性送信部4bのいずれかによって正極用振動子3c又は逆極用振動子3dのいずれかに駆動パルス信号を印加することで、正極用振動子3c又は逆極用振動子3dのいずれかから超音波を送信させるが、受信時においては、正極用振動子3c及び逆極用振動子3d(全ての超音波振動子)によって反射波を受信する。超音波振動子部31を構成する正極用振動子3c及び逆極用振動子3dは全て同じ方向に分極しているため、上述した第1の実施形態のようにいずれか一方の出力の位相を反転する必要がない。
超音波振動子部31によって受信されたエコー信号は、コネクタ7を介して本体部8の信号処理部10に出力される。そして、信号処理部10は、1回目の超音波の送受信によって得られた信号と、2回目の超音波の送受信によって得られた信号とを加算することで基本波成分を除去し、非線形成分の信号のみを得る。つまり、1回目の超音波の送信では正極性送信部4aによって正極用振動子3cのみを駆動して超音波を送信し、2回目の超音波の送信では逆極性送信部4bによって逆極用振動子3dのみを駆動して超音波を送信しているため、互いに逆位相のパルス波を送信していることになり、この送受信によって得られた信号を加算することで基本波成分が除去され、非線形成分の信号のみが得られることになる。
画像処理部11は、信号処理部10の加算処理によって得られた非線形成分の信号に基づいて画像データを生成する。これにより、非線形成分の信号に基づく3次元画像やMPR画像などの画像が表示部12に表示されることになる。
なお、送受信時における超音波の音場分布は第1の実施形態と同じになる。つまり、送信時においては図4に示すように、斜め方向のグレーティグローブが発生するが、受信時においてはグレーティグローブの信号強度は低くなる。従って、図5に示すように、送信時に発生したグレーティングローブの反射波の信号強度は低くなるため、送信時に発生したグレーティングローブの影響を低減することが可能となる。これにより、アーチファクトの影響が低減された画像を得ることができる。その結果、サイドローブやグレーティングローブなどのアーチファクトの影響が低減され、コントラストが高くて見やすい高画質の画像が得られる。
以上のように、この第2の実施形態に係る超音波プローブ30によると、正極性送信部4aと逆極性送信部4bを備えて互いに逆極性の駆動パルス信号を超音波振動子に供給することによりパルス減算法を実現することできるため、両極性の駆動パルス信号を各超音波振動子に印加させる必要がない。そして、正極性送信部4aと逆極性送信部4bのように送信部の位相を反転させることは、各超音波振動子に両極性のパルス波を供給する回路を接続する場合と比べて、はるかに小規模で実現できる。さらに、スイッチ回路も必要がなく、回路規模が増大することがないため、コストアップや歩留まり低下を招かずにパルス減算法を実現することが可能となる。そのことにより、送信部を超音波プローブ30内に設置した場合であっても、超音波プローブ30を大型化せずにパルス減算法を実現することが可能となる。
なお、第1の実施形態と同様に、正極用振動子3cと逆極用振動子3bの数が完全に一致せずに、厳密に180°回転対称となっていなくても、この発明と同様の作用及び効果を奏することができる。
また、この第2の実施形態では、超音波プローブ30内に正極性送信部4a、逆極性送信部4b、及び受信部5を設けた例について説明したが、これらを本体部8やコネクタ7に設置しても、第2の実施形態に係る超音波診断装置20と同じ作用及び効果を奏することができる。
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。第2の実施形態に係る超音波プローブ及び超音波診断装置においても、上述した変形例1と同様に複数の超音波振動子をまとめ、まとめた素子に同じ極性の駆動パルス信号を印加しても良い。例えば、3個の正極用振動子3cを1つのまとまりとし、3個の逆極用振動子3dを1つのまとまりとする。そして、3個ずつまとめられた正極用振動子3cと逆極用振動子3dを交互に配置する。
このように同じ極性の駆動パルス信号が印加される超音波振動子を複数個まとめて、交互に配置した場合であっても、パルス減算法を正確に実施することができる。パルス減算法を実施する場合、送信時においては、制御部9による制御によって1回目の超音波の送信では、正極性送信部4aが正極用振動子3cを駆動して超音波を送信させ、2回目の超音波の送信では、逆極性送信部4bが逆極用振動子3dを駆動して超音波を送信させる。そして、受信時には、全ての超音波振動子で反射波を受信する。正極用振動子3c及び逆極用振動子3dは全て同じ方向に分極しているため、正極用振動子3c又は逆極用振動子3dによって受信されたエコー信号の位相を反転させる必要はない。
そして、上述した第2の実施形態と同様に、信号処理部10によって、1回目の超音波の送受信によって得られた信号と、2回目の超音波の送受信によって得られた信号とが加算される。これにより、基本波成分が除去されて非線形成分の信号のみが得られる。そして、画像処理部11は、その被線形成分の信号に基づいて画像データを生成する。これにより、非線形成分の信号に基づく3次元画像やMPR画像などの画像が表示部12に表示されることになる。
なお、送受信時における超音波の音場分布は変形例1と同じになる。つまり、送信時においては図7に示すように、斜め方向のグレーティグローブが発生するが、受信時においてはグレーティグローブの信号強度は低くなる。従って、図8に示すように、送信時に発生したグレーティングローブの反射波の信号強度が低くなるため、送信時に発生したグレーティングローブの影響を低減することが可能となる。これにより、アーチファクトの影響が低減された画像を得ることができる。その結果、サイドローブやグレーティングローブなどのアーチファクトの影響が低減され、コントラストが高くて見やすい高画質の画像が得られる。
以上のように、変形例2に係る超音波プローブによっても、超音波プローブの構成を特殊な構成にする必要がないため、コストアップや歩留まり低下を招かずにパルス減算法を実現することが可能となる。
なお、2次元超音波プローブを備えた超音波診断装置にてパルス減算法を実現する別の方法として、以下の2つの方法が挙げられる。
第1の方法としては、超音波振動子の両面に信号電極を設置し、正極性のパルス波を送信する時には背面側を信号電極とし、放射面側を共通電極として用い、逆極性のパルス波を送信する時には放射面側を信号電極とし、背面側を共通電極として用いて、超音波の送受信を行う。これにより、1回目の送信と2回目の送信とで、逆極性のパルス波を送信することができ、パルス減算法を実現することができる。
また、第2の方法としては、逆極性のパルス波を送信する時に、直流成分を最大値に保った状態から電圧を下げる方向のパルス波を発生することで逆極性のパルス波を得る。これにより、1回目の送信と2回目の送信とで、逆極性のパルス波を送信することができ、パルス減算法を実現することができる。
この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブに設置されている超音波振動子部の概略構成を示す上面図である。 この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの製造工程を説明するためのフローチャートである。 この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブにより超音波を送信する際に形成される音場分布を示す図である。 この発明の第1の実施形態に係る超音波プローブにより超音波を受信する際に形成される音場分布を示す図である。 変形例1に係る超音波振動子部の概略構成を示す上面図である。 変形例1に係る超音波プローブにより超音波を送信する際に形成される音場分布を示す図である。 変形例2に係る超音波プローブにより超音波を受信する際に形成される音場分布を示す図である。 この発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 従来技術に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 従来技術に係る超音波プローブの製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1、20 超音波診断装置
2、30 超音波プローブ
3、31 超音波振動子部
3a 正極性振動子
3b 逆極性振動子
3c 正極用振動子
3d 逆極用振動子
4 送信部
4a 正極性送信部
4b 逆極性送信部
5 受信部
6 位相反転部
8 本体部
9 制御部
10 信号処理部
11 画像処理部

Claims (10)

  1. 複数の超音波振動子が2次元的に配列された超音波振動子部を有する超音波プローブであって、
    前記超音波振動子部は、
    第1の方向に分極した複数の第1の超音波振動子と、前記第1の方向と逆方向である第2の方向に分極した複数の第2の超音波振動子と、を有し、
    前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子は交互に配列され、前記超音波振動子の配列面に垂直な軸を回転軸として180°回転対称となるように配置されていることを特徴とする超音波プローブ。
  2. 前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子の数が等しいことを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子の配列パターンが、市松模様状となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波プローブ。
  4. 前記第2の超音波振動子から出力される信号の位相を反転させる位相反転部を更に有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波プローブ。
  5. 複数の超音波振動子が2次元的に配列された超音波振動子部と、
    前記超音波振動子に駆動パルス信号を印加する送信部と、
    を有する超音波プローブであって、
    前記超音波振動子部は、
    所定方向に分極した複数の第3の超音波振動子と、前記第3の超音波振動子と同じ方向に分極した複数の第4の超音波振動子と、を有し、
    前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子は交互に配置され、前記超音波振動子の配列面に垂直な軸を回転軸として180°回転対称となるように配置され、
    前記送信部は、
    前記第3の超音波振動子への駆動パルス信号の印加と、前記第4の超音波振動子への駆動パルス信号の印加とを交互に実施し、前記第4の超音波振動子に対しては、前記第3の超音波振動子に印加する駆動パルス信号と逆極性の駆動パルス信号を印加することを特徴とする超音波プローブ。
  6. 前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子の数が等しいことを特徴とする請求項5に記載の超音波プローブ。
  7. 前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子の配列パターンが、市松模様状となっていることを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれかに記載の超音波プローブ。
  8. 複数の超音波振動子が2次元的に配列された超音波振動子部を有する超音波プローブと、
    前記超音波振動子部に駆動パルス信号を印加する送信部と、
    信号処理部と、
    前記超音波プローブが受信した信号に基づいて画像データを生成する画像処理部と、
    を有する超音波診断装置であって、
    前記超音波振動子部は、
    第1の方向に分極した複数の第1の超音波振動子と、前記第1の方向と逆方向である第2の方向に分極した複数の第2の超音波振動子と、を有し、
    前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子は交互に配列され、前記超音波振動子の配列面に垂直な軸を回転軸として180°回転対称となるように配置され、
    前記送信部は、
    前記第1の超音波振動子への駆動パルス信号の印加と、前記第2の超音波振動子への駆動パルス信号の印加とを交互に実施することで、前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子に交互に超音波を送信させ、
    前記信号処理部は、
    前記第1の超音波振動子に駆動パルス信号を印加して送信した超音波に基づく反射波であって、前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子が受信した信号と、
    前記第2の超音波振動子に駆動パルス信号を印加して送信した超音波に基づく反射波であって、前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子が受信した信号と、を加算し、
    前記画像処理部は、前記加算された信号に基づいて画像データを生成することを特徴とする超音波診断装置。
  9. 前記第2の超音波振動子が受信した信号の位相を反転させる位相反転部を更に有し、
    前記信号処理部は、前記第1の超音波振動子が受信した信号と前記位相が反転させられた信号とを加算することを特徴とする請求項8に記載の超音波診断装置。
  10. 複数の超音波振動子が2次元的に配列された超音波振動子部を有する超音波プローブと、
    前記超音波振動子部に駆動パルス信号を印加する送信部と、
    信号処理部と、
    前記超音波プローブが受信した信号に基づいて画像データを生成する画像処理部と、
    を有する超音波診断装置であって、
    前記超音波振動子部は、
    所定方向に分極した複数の第3の超音波振動子と、前記第3の超音波振動子と同じ方向に分極した複数の第4の超音波振動子と、を有し、
    前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子は交互に配列され、前記超音波振動子の配列面に垂直な軸を回転軸として180°回転対称となるように配置され、
    前記送信部は、
    前記第3の超音波振動子への駆動パルス信号の印加と、前記第4の超音波振動子への駆動パルス信号の印加とを交互に実施し、前記第4の超音波振動子に対しては、前記第3の超音波振動子に印加する駆動パルス信号と逆極性の駆動パルス信号を印加することで、前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子に交互に超音波を送信させ、
    前記信号処理部は、
    前記第3の超音波振動子に駆動パルス信号を印加して送信した超音波に基づく反射波であって、前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子が受信した信号と、
    前記第4の超音波振動子に駆動パルス信号を印加して送信した超音波に基づく反射波であって、前記第3の超音波振動子と前記第4の超音波振動子が受信した信号と、を加算し、
    前記画像処理部は、前記加算された信号に基づいて画像データを生成することを特徴とする超音波診断装置。

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