JP2007234310A - 有機elディスプレイの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーバーコート層中における水分を可能な限り低減し、残留ガスや水分の拡散を阻害し、製造歩留りが高く、長期の駆動でも安定に動作し、表示欠陥が生じない信頼性の高い有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】透明な支持基板(13)上に、色変換フィルタ層(11,12)と、オーバーコート層(14)と、無機パッシベーション層(16)と、有機EL積層体(17,18,19)とを順次配設する有機ELディスプレイの製造方法であって、上記オーバーコート層の形成後に、150〜200℃にて真空下で水分を除去するための加熱工程を設け、該加熱工程と上記無機パッシベーション層の形成工程が大気中に晒されることなく、真空下又は不活性雰囲気下で行われることを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、色変換フィルタを用いた有機ELディスプレイの製造方法及び製造装置に関する。
従来技術の色変換フィルタを用いた有機ELディスプレイのオーバーコート層の構成を図4を用いて説明する。有機ELディスプレイは、透明な支持基板103上に蛍光体層を有する色変換フィルタ層(101R、101G、102R、102G、102B)と、オーバーコート層104と、無機パッシベーション層106と、有機EL積層体とを順次配設する。図4は、有機EL積層体として、透明電極(陽極)107と有機発光層108と電極(陰極)109を示す。
色変換フィルタ(101R、101G、102R、102G、102B)を用いた有機ELディスプレイでは、色変換フィルタ層に用いる蛍光色素の濃度を高くすると濃度消光を起こすため、厚さが10〜15μm必要である。そのため各色の色変換フィルタ層の間を埋めて平坦化するためのオーバーコート層104が必要である。
従来のオーバーコート層104の材料例として、アクリレート系、メタクリレート系、ポリイミド系の反応性ビニル基を有する光硬化型有機高分子樹脂や熱硬化型有機高分子樹脂が用いる構成が開示されている(特許文献1〜2)。
また、オーバーコート層にストレートシリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂を用いオーバーコート層24自体をハードコート層として機械的信頼性や耐熱性を向上させる改良がなされている(特許文献3〜4)。
一方、パッシベーション層を形成する際に、オーバーコート層からの脱ガスの発生により、パッシベーション層の密着性が低下する問題も明らかになっており、特許文献5には無機物層(パッシベーション層)を真空中で行なうことが開示され、特許文献6には保護膜(平坦化層)形成の工程までを真空中で行なうことが開示されている。
特開平1−229203号公報 特開平8−279394号公報 特開2000−182780号公報 特開2000−91070号公報 特開2003−229271号公報 特開2000−306666号公報
色変換フィルタ層は分散させるマトリクス材料と色素分子の耐熱性が低く、熱により色変換特性が低下するため、ベーク温度を200℃以下にする必要がある。そのため200℃を越える高温で、硬化するようなポリイミドをはじめとする高温硬化樹脂の使用は問題がある。また、アクリル系有機高分子樹脂では、もともと有機溶剤を含んだモノマーをフォトプロセスにより薄膜化し、露光、現像してベークする工程と経るため、200℃以下のベークでは膜の中に有機溶剤ガスや水分が残留する。この残留ガスや水分が有機発光層に拡散するとアモルファス状の構成膜に結晶化が起こり、非発光部分が生じ劣化や表示欠陥の原因になるため、従来はオーバーコート層の上にパッシベーション層を形成し、残留ガスや水分の拡散を遮断している。
パッシベーション層は、シリコン酸化物や酸窒化物をスパッタや低温CVD法により薄膜化して形成するため残留ガスや水分に対するバリア性が高い。ところが、オーバーコート層上のパーティクルや形状不良によって、上記パッシベーション層のガスバリア性が低下し、上部に形成する有機発光層中にオーバーコート層の水分の拡散が進行し、表示不良などの不具合発生するという問題がある。また、上述したように、パッシベーション層を形成する際に、オーバーコート層からの脱ガスの発生により、パッシベーション層の密着性が低下する問題も明らかになっており、特許文献5には無機物層(パッシベーション層)を真空中で行ない、特許文献6には保護膜(平坦化層)形成の工程までを真空中で行なうことが開示されている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、オーバーコート層中における水分を可能な限り低減し、残留ガスや水分の拡散を阻害し、製造歩留りが高く、長期の駆動でも安定に動作し、表示欠陥が生じない信頼性の高い有機ELディスプレイを提供することにある。
本発明よれば、透明な支持基板上に、色変換フィルタ層と、無機パッシベーション層と、有機EL積層体を順次配設する有機ELディスプレイの製造方法に関し、該オーバーコート層から真空中における加熱乾燥によって水分を低減し、その後、無機パッシベーション層を形成するまで大気中に晒すことなく、好ましくは不活性雰囲気で取り扱われることにより、効果的に残留ガスや水分の拡散を阻害することが可能となる。
具体的には、本発明は、透明な支持基板上に、色変換フィルタ層と、オーバーコート層と、無機パッシベーション層と、有機EL積層体とを順次配設する有機ELディスプレイの製造方法であって、上記オーバーコート層の形成後に、150〜200℃にて真空下で水分を除去するための加熱工程を設け、該加熱工程と上記無機パッシベーション層の形成工程が大気中に晒されることなく、真空下又は不活性雰囲気下で行われることを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法を提供する。
本発明によれば、色変換フィルタ層のオーバーコート層(平坦化層)として有機高分子層を用い、オーバーコート層から無機パッシベーション層を形成するまで大気中に晒されることなく、不活性雰囲気もしくは真空中で取り扱われた基板に、有機EL素子を形成することにより、表示欠陥がなく、長期安定した駆動ができる信頼性の高い有機ELディスプレイを提供できる。
本発明の有機ELディスプレイの構造を図1を参照して説明する。
有機ELディスプレイは、透明な支持基板13上に蛍光体層を有する色変換フィルタ層(11R、11G、12R、12G、12B)と、オーバーコート層14と、無機パッシベーション層16と、有機EL積層体とを順次配設する。図1は、有機EL積層体として、透明電極(陽極)17と有機発光層18と電極(陰極)19を示す。以下、各構成要素について説明する。
[構成要素]
(1)色変換フィルタ層(11R,11G,12R,12G,12B)と基板13は、色変換フィルタ層によって変換された光に対して透明であることが必要である。また、基板13は、色変換フィルタ層、ブラックマスク、オーバーコート層及び隔壁層の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐えるものであるべきであり、さらに寸法安定性に優れていることが好ましい、基板13は、波長400〜800mmの光に対して50%以上の透過率を有することが難しい。
基板13の材料として好ましいものは、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂を含む。ホウケイ酸ガラス又は青板ガラス等が特に好ましいものである。
本明細書において、色変換フィルタ層は、カラーフィルタ層と蛍光変換層の積層体、カラーフィルタ層単独、及び蛍光変換層単独の態様を含む。図1では、カラーフィルタ層と蛍光変換層の積層体(12Rと11R、12Gと11G)、カラーフィルタ層単独(12B)を示す。蛍光変換層は、有機EL層18にて発光される近紫外領域ないし可視領域の光、特に青色ないし青緑色領域の光を吸収して異なる波長の可視光を蛍光として発光するものである。フルカラー表示を可能にするためには、少なくとも青色(B)領域、緑色(G)領域及び赤色(R)領域の光を放出する独立した色変換フィルタ層が設けられる、RGBそれぞれの蛍光変換層は、少なくとも有機蛍光色素とマトリクス樹脂とを含む。
(a)有機蛍光色素
本発明において、好ましくは、少なくとも赤色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上を用い、さらに緑色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上と組み合わせてもよい。これは、光源として青色ないし青緑色領域の光を発光する有機EL層18を用いる場合、有機EL層18からの光を単なる赤色フィルタに通して赤色領域の光を得ようとすると、元々赤色領域の波長の光が少ないために極めて暗い出力光になってしまうからである。
したがって、有機EL層18からの青色ないし青緑色領域の光を、蛍光色素によって赤色領域の光に変換することにより、十分な強度を有する赤色領域の光の出力が可能となる。
発光体から発せられる青色から青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−[4−(P−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウムパークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
発光体から発せられる青色ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えば3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H、4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
さらに、青色領域の光に関しては、有機EL層18からの発光を単なる青色フィルタ12Bに通して出力させることが可能である。
なお、本発明に用いる有機蛍光色素を、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂及びこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化して、有機蛍光顔料としてもよい。また、これらの有機蛍光色素や有機蛍光顔料(本明細書中で、前記2つを合わせて有機蛍光色素と総称する)は単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の蛍光変換層は、該蛍光変換層の重量を基準として0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%の有機蛍光色素を含有する。前記含有量範囲の有機蛍光色素を用いることにより、濃度消光などの硬化による色変換効率を伴うことなしに、充分な波長変換を行うことが可能となる。
また、本発明は蛍光変換層を具備しないカラーフィルタ層のみを適用した場合にも適用可能なことは言うまでもない。
(b)マトリクス樹脂
次に、本発明の蛍光変換層に用いられるマトリクス樹脂は、光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂(レジスト)を光及び/又は熱処理して、ラジカル種又はイオン種を発生させて重合又は架橋させ、不溶不融化させたものである。また、蛍光変換層のパターニングを行うために、該光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂は、未露光の状態において有機溶媒又はアルカリ溶液に可溶性であることが望ましい。
具体的には、マトリクス樹脂は、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマー及びオリゴマーと、光又は熱重合開始剤とからなる組成物膜を光又は熱処理して、光ラジカル又は熱ラジカルを発生させて重合させたもの、(2)ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物を光又は熱処理により二量化させて架橋したもの、(3)鎖状又は環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物膜を光又は熱処理してナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたもの、及び(4)エポキシ基を有するモノマーと酸発生剤とからなる組成物膜を光又は熱処理により、酸(カチオン)を発生させて重合させたものなどを含む。特に、(1)のアクリル系多官能モノマー及びオリゴマーと光又は熱重合開始剤とからなる組成物を重合させたものが好ましい。なぜなら、該組成物は高精細なパターニングが可能であり、及び重合した後は耐溶剤性、耐熱性等の信頼性が高いからである。
本発明で用いることができる光重合開始剤、増感剤及び酸発生剤は、含まれる蛍光変換色素が吸収しない波長の光によって重合を開始させるものであることが好ましい。本発明の蛍光変換層において、光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂中の樹脂自身が光又は熱により重合することが可能である場合には、光重合開始剤及び熱重合開始剤を添加しないことも可能である。
マトリクス樹脂(蛍光変換層)は、光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂、有機蛍光色素及び添加剤を含有する溶液又は分散液を、支持基板上に塗布して樹脂の層を形成し、そして所望される部分の光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂を露光することにより重合させて形成される。所望される部分に露光を行って光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂を不溶化させた後に、パターニングを行う、該パターニングは、未露光部分の樹脂を溶解又は分散させる有機溶媒又はアルカリ溶液を用いて、未露光部分の樹脂を除去するなどの慣用の方法によって実施することができる。
(c)構成及び形状
赤色に関しては、蛍光変換層11Rのみから形成されてもよい。しかし、蛍光色素による変換のみでは十分な色純度が得られない場合は、図1に示されるように蛍光変換層11Rとカラーフィルタ層12Rとの積層体としてもよい。カラーフィルタ層12Rを併用する場合、カラーフィルタ層12Rの厚さは1〜1.5μmであることが好ましい。
また、緑色に関しては、蛍光変換層11Gのみから形成されてもよい。しかし、蛍光色素による変換のみでは十分な色純度が得られない場合は、図1に示されるように蛍光変換層11Gとカラーフィルタ層12Gとの積層体としてもよい。カラーフィルタ層12Gを併用する場合、カラーフィルタ層12Gの厚さは1〜1.5μmであることが好ましい。あるいはまた、有機EL層18の発光が緑色領域の光を充分に含む場合には、カラーフィルタ層12Gのみとしてもよい。カラーフィルタ層12Gのみを用いる場合、その厚さは0.5〜10μmであることが好ましい。
一方、青色に関しては、図1に示されるようにカラーフィルタ層12Bのみとすることができる。カラーフィルタ層12Bのみを用いる場合、その厚さは0.5〜10μmであることが好ましい。
色変換フィルタ層の形状は、よく知られているように各色ごとに分離したストライプパターンとしてもよいし、各画素のサブピクセルごとに分離させた構造を有してもよい。
(2)オーバーコート層(平坦化層とも呼ばれる)14
オーバーコート層には以下のような機能が要求される。
(1)蛍光体層のパターン侵食や機能性の失活を起こさないこと、(2)蛍光体層の段差を埋めることができ、視野角特性を良好に保つできるだけ薄い膜厚(数μm程度)の製膜が可能なこと、(3)光透過性がよいこと、(4)耐熱性があること、(5)表面が平滑であること、(6)基板やパッシベーション層との密着性が良好であること、(7)耐薬品性に優れていること、(8)防湿性に優れていること、(9)残留モノマーや溶剤などの脱ガスがないこと、(10)機械的強度を備えていること、等が挙げられる。
オーバーコート層14としては、可視域における透明性が高く(400〜700nmの範囲で透過率50%以上)、Tgが100℃以上で、表面硬度が鉛筆硬度で2H以上あり、色変換フィルタ上にμmオーダーで塗膜を形成でき、色変換フィルタ2〜4の機能を低下させないものであれば良く、例えば、イミド変性シリコーン樹脂(特開平5−134112号公報、特開平7−218717号公報、特開平7−306311号公報等)、紫外線硬化型樹脂としてエポキシ変性アクリレートル樹脂(特開平7−48424号公報)、アクリレートモノマー/オリゴマー/ポリマーの反応性ビニル基を有した樹脂、レジスト樹脂(特開平6−300910号公報、特開平7−128519号公報、特開平8−279394号公報、特開平9−330793号公報等)、フッ素系樹脂(特開平5−36475号公報、特開平9−330793号公報等)等の光硬化型樹脂及び/又は熱硬化型樹脂が挙げられる。
オーバーコート層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは10〜30μm、より好ましくは20μm程度である。
オーバーコート層14形成法は、特に制約はなく、例えば、乾式法(スパッタ法、蒸着法、CVD法等)と湿式法(スピンコート法、ロールコート法、キャスト法等)等の慣用の手法により形成できる。また、該平坦化層14は単層、あるいは積層させてもよい。
ただし、封止部及び/又は接続部には、前記平坦化層14を形成せず、また、平坦化層14端部において、該平坦化層14と該基板13の成す角度を鋭角とするためには、感光性の材料を用いた膜を慣用の手法により、基板全面に形成し、その後にフォトリソグラフ法にて必要な形状を形成することが、最も簡便かつ精度の良好な方法であるため、好ましい。
オーバーコート層のフォトリソ工程終了後、図2に示すような本発明に係る製造装置を用いて、不活性雰囲気中に設置した真空乾燥機を用いて、好ましくは150〜200℃においてオーバーコート層中の水分を除去する。この場合の真空度は10-3〜10-7pa程度であればよい。このときの真空乾燥機内の水分量は、四重極質量分析装置(Q−Mass)によって把握することができる。本発明によれば、好ましくは炉内の水分分圧が10-5〜10-7pa程度まで水分量を低減することが有効である。この工程を経ることによって、オーバーコート層以下の水分は減少し、さらにパッシベーション層を上部に形成することによって、大気中及びこれ以降のプロセスにおいても、オーバーコート層以前への水分の拡散を防止することが可能となる。オーバーコート層の含水量は、1ppm以下とすることが好ましい。
加熱工程とパッシベーション層形成工程を、好ましくは1ppm以下の水分を含む真空下又は不活性雰囲気下で行う。これにより、有機発光層へのパッシベーション層を通した水分の拡散を低減できる。積極的な水分の加熱除去工程を伴わない、従来の真空下でのオーバーコート層とパッシベーション層の作成では、オーバーコート層の含水量は100ppm程度であり、本願発明の効果は得られない。
図2の装置は真空ポンプ21と真空乾燥機22を備えたグローブボックス23を有し、オーバーコート層を形成した基板24がグローブボックス23に導入される。真空乾燥機にて加熱、脱水処理された基板が、大気に晒されることなく、グローブボックス内のスパッタ装置ロードロック(L/L)室26を介してスパッタ室25に導入され、パッシベーション層が形成される。
別の態様として、図3の装置は、パッシベーション層を形成するスパッタ室35と、加熱ヒータ37を備えたスパッタ装置ロードロック(L/L)室36とを備える。この装置では、スパッタ装置L/L室中で基板34を真空加熱することによって基板の加熱、脱水処理を行うので、基板の入替え、グローブボックス等の設置の必要がなく、工程が簡素される。
(4)パッシベーション層16
以上のように形成されるオーバーコート層以下の各層を覆ってパッシベーション層16が設けられる。真空乾燥が終了した該基板は、パッシベーション層16を形成するまで、不活性雰囲気中で取り扱われる。この場合、装置的に分離されている場合は、不活性雰囲気を充填した搬送容器を使用することも可能である。パッシベーション層16は、オーバーコート層14以下の各層からの水分、ガスの透過を防止し、それらによる有機EL層18の機能低下を防止することに有効である。パッシベーション層16は、有機EL層18の発光を色変換フィルタ層へと透過させるために、その発光波長域において透明であることが好ましい。
これらの要請を満たすために、パッシベーション層16は、可視域における透明性が高く(400〜800nmの範囲で透過率50%以上)、電気絶縁性を有し、水分、酸素及び低分子成分に対するバリア性を有し、好ましくは2H以上の膜硬度を有する材料で形成される。例えば、SiOx,SiNx,SiNxOy,AlOx,TiOx,TaOx,ZnOx(式中、xは、0.8〜4を表し、yは0.1〜4を表す。)等の無機酸化物、無機窒化物等の材料を使用できる。該パッシベーション層の形成方法としては特に制約はなく、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法、ディップ法、ゾルーゲル法等の慣用の手法により形成できる。
パッシベーション層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは200〜400nm、より好ましくは300nm程度である。
(5)有機EL積層体(陽極17と有機EL層18と陰極19を含む)
陽極17は、正孔の注入を効率よく行うために、仕事関数が大きい材料が用いられる。特に通常の有機EL素子では、陽極を通して光が放出されるために陽極が透明であることが要求され、ITO、IZO等の導電性金属酸化物が用いられる。
陰極19には、仕事関数が小さい材料であるリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、又はこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属、その他の金属との合金や化合物が用いられる。前述と同様に、その下に反射率の高いメタル電極(Al、Ag、Mo、Wなど)を用いてもよく、その場合には低抵抗化及び反射による有機EL層18の発光の有効利用を図ることができる。
本発明の色変換方式の有機ELディスプレイにおいては、有機EL層18から発せられる近紫外から可視領域の光、好ましくは青色から青緑色領域の光を色変換フィルタ層に入射させて、所望される色を有する可視光を放出する。
有機EL層18は、少なくとも有機EL発光層を含み、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、及び/又は電子注入層を介在させた構造を有する。具体的には、下記のような層構成からなるものが採用される。
(a)有機EL発光層
(b)正孔注入層/有機EL発光層
(c)有機EL発光層/電子注入層
(d)正孔注入層/有機EL発光層/電子注入層
(e)正孔注入層/正孔輸送層/有機EL発光層/電子注入層
(上記において、陽極は有機EL発光層又は正孔注入層に接続され、陰極は有機EL発光層又は電子注入層に接続される)
上記各層の材料としては、公知のものが使用される。青色から青緑色の発光を得るためには、有機EL発光層中に、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。
有機積層体の各層の厚さは、特に限定されず、通常のものを用いることができ、例えば10〜200nmである。
実施例1
ガラス基板上に、それぞれの厚さが1.5μmである赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ層、及びそれぞれの厚さが10μmである赤色及び緑色の蛍光変換層を積層した。さらに、色変換層を平坦化するために平坦化層14としてオプトマーNN810(JSR製)をスピンコートで厚さ4μm塗布し、フォトリソグラフィで外部封止層内に収まる大きさに形成した。各カラーフィルタ層及び蛍光変換層は、100×300μmの寸法とした。平坦化層形成後、図3に示すような不活性雰囲気内に設置された真空乾燥機中で200℃、1時間の加熱工程を行なった。その後、加熱工程が終了した基板を、不活性雰囲気をへて、パッシベーション層を形成するためのスパッタ装置のロードロック室に格納した。マグネトロンスパタ法でSiOx(xは、0.8〜2.0を表す。)を300nm形成し、パッシベーション層16とした。
パッシベーション層16の上に、陽極(IZO)17を200nm形成しフォトリソグラフで100μmピッチにパターニングを行い、次いで、前記陽極17を形成した基板を抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子注入層を、真空を破らずに順次成膜した。成膜に際して真空槽内圧は1×10-4Paまで減圧した。正孔注入層は鋼フタロシアニン(CuPc)を100ml積層した。正孔輸送層は4,4’ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。有機発光層は4,4’−ビス(2,2’ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子注入層はアルミキレート(Alq)を20nm積層した。
この後、陽極(ITO)7のラインと垂直に幅0.30mm、空隙0.03mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを用いて、厚さ200nmのMg/Aq(10:1の重量比率)層からなる陰極19を、真空を破らずに形成した。
こうして得られた有機発光素子をグローブボックス内乾燥窒素雰囲気下において、封止ガラスとUV硬化接着剤を用いて封止した。
比較例1
実施例の構成の中で、平坦化層14の上にパッシベーション層16を形成する間で、大気雰囲気下で取り扱い有機ELディスプレイを作製した。
評価
実施例1と比較例1で作製した有機ELディスプレイを、85℃の雰囲気で500h、面輝度100cd/cm2で連続駆動したところ、実施例1の有機ELディスプレイには、パッシベーション層のピンホールが原因の全くダークスポットやダークエリアなどの表示欠陥や部分的な剥離現象は現れなかったが、比較例1の有機ELディスプレイでは1cm2の数個の前記表示欠陥が現れた。
本発明の有機ELディスプレイの構造を示す断面概略図である。 本発明の有機ELディスプレイの製造に用いられる製造装置を示す。 本発明の有機ELディスプレイの製造に用いられる製造装置を示す。 従来の有機ELディスプレイの構造を示す断面概略図である。
符号の説明
11R 色変換フィルタ層(蛍光変換層R)
11G 色変換フィルタ層(蛍光変換層G)
12R 色変換フィルタ層(カラーフィルタ層R)
12G 色変換フィルタ層(カラーフィルタ層R)
12B 色変換フィルタ層(カラーフィルタ層B)
13 基板
14 オーバーコート層
16 パッシベーション層
17 陽極
18 有機EL層
19 陰極
21 真空ポンプ
22 真空乾燥機
23 グローブボックス
24 基板
25 スパッタ室
26 スパッタ装置ロードロック室
34 基板
35 スパッタ室
36 スパッタ装置ロードロック室
37 加熱ヒータ
101R 色変換フィルタ層(蛍光変換層R)
101G 色変換フィルタ層(蛍光変換層G)
102R 色変換フィルタ層(カラーフィルタ層R)
102G 色変換フィルタ層(カラーフィルタ層R)
102B 色変換フィルタ層(カラーフィルタ層B)
103 基板
104 平坦化層(オーバーコート層)
106 パッシベーション層
107 陽極
108 有機EL層
109 陰極

Claims (3)

  1. 透明な支持基板上に、色変換フィルタ層と、オーバーコート層と、無機パッシベーション層と、有機EL積層体とを順次配設する有機ELディスプレイの製造方法であって、上記オーバーコート層の形成後に、150〜200℃にて真空下で水分を除去するための加熱工程を設け、該加熱工程と上記無機パッシベーション層の形成工程が大気中に晒されることなく、真空下又は不活性雰囲気下で行われることを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法。
  2. 上記真空下又は不活性雰囲気下が、1ppm以下の水分を含む真空下又は不活性雰囲気下である請求項1に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  3. 透明な支持基板と、該支持基板上に、色変換フィルタ層と、オーバーコート層と、無機パッシベーション層と、有機EL積層体とをこの順序で配設してなる有機ELディスプレイであって、上記オーバーコート層の含水量が1ppm以下である有機ELディスプレイ。
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