JP2007234083A - 光ピックアップ装置およびチルト検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のチルトセンサを搭載した光ピックアップ装置は、チルトセンサの取り付けによる光ピックアップ装置のコスト上昇や大型化を招くという問題があった。また、別の従来のチルトセンサを搭載しない光ピックアップ装置においても、予めチルト検出の為の検査を必要とし、さらに、チルトの検出中にも各種多くの演算を必要とする為に回路系が複雑になるという問題があった。
【解決手段】光記憶媒体に光ビームを照射する光源と
光ビームを一つのメインビームと二つのサブビームに分離する分離手段と
一つのメインビームと二つのサブビームを、光記録媒体が有する情報記録トラックに対して直交する方向に並ぶように照射し、その反射光を各々独立して受光する受光部と
二つのサブビームの反射光の受光光量に対応して受光部から出力される出力信号の差を演算し、光記録媒体のチルトを検出する演算手段と、を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
【選択図】図5
【解決手段】光記憶媒体に光ビームを照射する光源と
光ビームを一つのメインビームと二つのサブビームに分離する分離手段と
一つのメインビームと二つのサブビームを、光記録媒体が有する情報記録トラックに対して直交する方向に並ぶように照射し、その反射光を各々独立して受光する受光部と
二つのサブビームの反射光の受光光量に対応して受光部から出力される出力信号の差を演算し、光記録媒体のチルトを検出する演算手段と、を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
【選択図】図5
Description
本発明は光ピックアップ装置に係り、とりわけチルト量を検出する機能を備えた光ピックアップ装置およびチルト検出方法に関する。
近年、情報記録媒体である光ディスクの更なる大容量化が強く求められている。大容量化を進めるには、光ディスクに記録される情報の高密度化が有効な手段であり、光ディスク上に記録される情報の物理的間隔であるトラックピッチやピットピッチの縮小化が進められている。そして、前記ディスクの高密度化に対応するためには、光ディスク装置の基幹部分である光ピックアップ装置に搭載された、光源としてのレーザ光のスポットサイズをより小さくすることが必要であり、そのために波長の短い半導体レーザの使用や、光ピックアップ装置の対物レンズの開口数(NA:Numerical Aperture)の引上げ等の検討が推進されている。
一方、光ディスクの高密度化を行う場合、チルトの発生に起因する、光ディスクに記録された情報の読み取り不良または光ディスクへの情報の書き込み不良の問題が顕在化してくる。チルトとは、レーザ光の光軸と光ディスクの記録面の垂線との間の角度ずれ、すなわち、レーザ光に対する光ディスクの記録面の傾きずれを意味する。そして、その発生要因としては、(1)光ディスクをスピンドルモータに保持する際に、光ディスクが傾きずれを有した状態で保持してしまうこと、(2)光ディスクの製造時に光ディスク自体に歪みが発生していること、(3)光ディスク装置の経時変化によりスピンドルモータの軸と光ピックアップ装置のレンズの光軸との間に傾きずれが生ずること、等がある。
従来は、光ディスク装置の製造時に光軸調整を行っておきさえすれば、前述のような原因でチルト量が増大しても、信号の読み取りに重大な影響を与えることはなかったが、近年の光ディスクの高密度化に伴い、わずかな光軸のずれが問題となるようになっている。
光ディスク装置において、レーザ光の波長λ、開口数NA、およびチルトの許容値Tとの関係は、
T=λ/(NA)3 (1)
となることが知られており、レーザ光の波長λの短縮化、開口数NAの引上げを行うと、チルト量の許容値Tは小さくなる。そしてチルト量が許容値を超えると、コマ収差の発生によって光ディスク上に集光されたレーザ光のスポット品位が大幅に劣化し、正確な信号の読み取りまたは書き込みが困難となるという問題が生じる。
この問題に対する解決策としては、チルトの発生を根本からなくすような手法、すなわち変形量の少ない光ディスクを使用したり、経時変化の少ない材料を用いて光ディスク装置を構成したりという手法も考えられるが、いずれも大幅な製造コストの増大に繋がるため現実的ではない。このため、上記問題に対する解決策として、光ピックアップ装置に、前記光ディスクの傾きずれを検出するためのチルトセンサを搭載する方法が実施されている。
T=λ/(NA)3 (1)
となることが知られており、レーザ光の波長λの短縮化、開口数NAの引上げを行うと、チルト量の許容値Tは小さくなる。そしてチルト量が許容値を超えると、コマ収差の発生によって光ディスク上に集光されたレーザ光のスポット品位が大幅に劣化し、正確な信号の読み取りまたは書き込みが困難となるという問題が生じる。
この問題に対する解決策としては、チルトの発生を根本からなくすような手法、すなわち変形量の少ない光ディスクを使用したり、経時変化の少ない材料を用いて光ディスク装置を構成したりという手法も考えられるが、いずれも大幅な製造コストの増大に繋がるため現実的ではない。このため、上記問題に対する解決策として、光ピックアップ装置に、前記光ディスクの傾きずれを検出するためのチルトセンサを搭載する方法が実施されている。
図12に前記チルトセンサの構成例を示す。チルトセンサ110は、発光ダイオードなど一個の発光素子111と、2分割受光素子112と、レンズ113、および、前記各部品を保持するケース114を主たる部品として構成されている。
また、図13および図14を用いて、前記チルトセンサ110による傾きの検出原理を示す。先ず、発光素子111はレンズ113の中心線X上に配置されているので、発光素子111から放射される光は、図13に示すように中心線Xに対し左右が対称の光束として、例えば光ディスクのような被検出物1を照射する。このとき、前記発光素子111から放射される光に対して、被検出物1にチルトが生じていなければ、被検出物1で反射された反射光も中心線Xに対し左右が対称となる条件が保持されている。よって、中心線Xに対し左右が対称に配置された2分割受光素子112のそれぞれの部分からの出力も同一となる。
また、図13および図14を用いて、前記チルトセンサ110による傾きの検出原理を示す。先ず、発光素子111はレンズ113の中心線X上に配置されているので、発光素子111から放射される光は、図13に示すように中心線Xに対し左右が対称の光束として、例えば光ディスクのような被検出物1を照射する。このとき、前記発光素子111から放射される光に対して、被検出物1にチルトが生じていなければ、被検出物1で反射された反射光も中心線Xに対し左右が対称となる条件が保持されている。よって、中心線Xに対し左右が対称に配置された2分割受光素子112のそれぞれの部分からの出力も同一となる。
また、図14に示したように、中心線Xに対して前記被検出物1の例えば右側が上がった状態、すなわち、被検出物1にチルトが生じた状態においては、被検出物1で反射された反射光は中心線Xに対し左右が対称となる条件が保持されずに片寄ってしまう。その結果、2分割受光素子112からの出力のうち、2分割受光素子右半部112aからの出力が2分割受光素子左半部112bからの出力よりも、チルト量に応じて大きくなる。従って、この不平衡の出力状態から、被検出物1は中心線Xに対して何れの側に傾いてチルトが生じているのかというチルト方向と、傾きの大きさであるチルト量との両方を検出することができる。
チルトの方向と量が検出できれば、これらを補正する機構を設けることによって本チルト問題を解決できる。例えば光ピックアップ装置を傾けることができる機構部分を光ディスク装置内に設ける。そして、前記チルトセンサから得られたチルトの方向と量に応じて、これらを補正するように前記機構部分を用いて光ピックアップ装置の傾き制御を行えばよい。
また、チルトセンサを搭載せずに、既存のサーボ動作に用いる信号を演算処理してチルト検出する方法も提案されている(例えば特許文献1)。本文献について具体的に説明すると、例えば公報の段落番号(0052)から(0064)に記載されているように、チルトに対する溝横断信号の非対称性と、レンズシフトに対する溝横断信号の非対称性を用いて、演算処理を行うことによりチルト量に対応した出力を得ている。
特開2001−344790号公報
しかしながら、前記チルトセンサを光ピックアップ装置に搭載する方法には、次のような問題点がある。まず、チルトセンサを光ピックアップ装置に搭載する際には光ピックアップ装置に対して取り付け角度の調整工程等が必要となるので、光ピックアップ装置の製造工程数と時間の増加につながり、光ピックアップ装置の低価格化の妨げとなる。また部品点数が増えるので、コスト的にはもちろん、光ピックアップ装置の小型化に対しても不利となる。さらには、チルトセンサは、当然、光ピックアップ装置の対物レンズと同位置には搭載できないので、前記対物レンズとは異なった位置に搭載することになる。これは、チルトセンサ搭載位置、つまりはチルトセンサがチルト検出を行う位置と、対物レンズで光を集光させて再生記録を行う位置とが、同じ光ディスク上でも異なってしまうことを意味する。よって、補正を行うべき位置でのチルト状態と、チルトセンサから得られたチルト検出信号とで誤差が生じてしまうという問題点をも有する。
また、前記特許文献1の方法においても次のような問題点を有している。例えば公報の段落番号(0061)や(0069)に記載されているように、チルトを検出するためには、あらかじめ各種の検査を行う必要があり、さらには、前記検査にて取得したデータを記憶しておくための記憶手段が光ディスク装置に必要となる。また、チルトの検出中にも各種多くの演算を必要とするので、前記の記憶手段とも併せて回路系が複雑になってしまう。さらには、公報の段落番号(0051)に記載されているように、チルト検出信号はトラッキングサーボOFF状態のときの信号を用いるので、トラッキングサーボON状態のまま、リアルタイムでチルト検出を行うことはできない。
従って、本発明の目的は、光ピックアップ装置のコスト上昇やサイズの大型化を招く特別な部品を追加せず、さらに、チルトを検出するための事前検査や各種複雑な演算処理を軽減し、簡易な演算でありながらも信頼性の高いチルト検出をリアルタイムで行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
従って、本発明の目的は、光ピックアップ装置のコスト上昇やサイズの大型化を招く特別な部品を追加せず、さらに、チルトを検出するための事前検査や各種複雑な演算処理を軽減し、簡易な演算でありながらも信頼性の高いチルト検出をリアルタイムで行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
かかる目的を達成するため、本発明は、光記憶媒体に光ビームを照射する光源と、前記光ビームを一つのメインビームと二つのサブビームに分離する分離手段と、前記一つのメインビームと二つのサブビームを、前記光記録媒体が有する情報記録トラックに対して直交する方向に並ぶように照射し、その反射光を各々独立して受光する受光部と、前記二つのサブビームの反射光の受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号の差を演算し、前記光記録媒体のチルトを検出する演算手段と、を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置である。
また、前記二つのサブビームをサブビームS1およびサブビームS2とし、前記サブビームS1およびサブビームS2の反射光を受光する各々の受光部は、反射光を前記光情報記録媒体のトラック方向で二分割して受光する受光領域を有し、前記受光領域で受光した受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号をS11、S12およびS21、S22とすると、(S11−S12)+(S21−S22)を演算し、前記光記憶媒体のチルトを検出することが望ましい。
または、前記二つのサブビームをサブビームS1およびサブビームS2とし、前記サブビームS1およびサブビームS2の反射光を受光する各々の受光部は、反射光を前記光情報記録媒体のトラック方向で二分割して受光する受光領域を有し、前記受光領域で受光した受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号をS11、S12およびS21、S22とすると、(S11+S12)−(S21+S22)を演算し、前記光記憶媒体のチルトを検出することが望ましい。
または、前記二つのサブビームをサブビームS1およびサブビームS2とし、前記サブビームS1およびサブビームS2の反射光を受光する各々の受光部は、反射光を前記光情報記録媒体のトラック方向で二分割して受光する受光領域を有し、前記受光領域で受光した受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号をS11、S12およびS21、S22とすると、(S11−S12)/(S11+S12)+(S21−S22)/(S21+S22)を演算し、前記光記憶媒体のチルトを検出することを特徴とすることが望ましい。
または、前記二つのサブビームをサブビームS1およびサブビームS2とし、前記サブビームS1およびサブビームS2の反射光を受光する各々の受光部は、反射光を前記光情報記録媒体のトラック方向で二分割して受光する受光領域を有し、前記受光領域で受光した受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号をS11、S12およびS21、S22とし、前記一つのメインビームをメインビームM1とし、前記メインビームM1の反射光を受光する受光部からの該メインビームM1の反射光の受光光量に対応した出力信号をTOTALとすると、{(S11+S12)−(S21+S22)}/TOTAL
または{(S11−S12)+(S21−S22)}/TOTALを演算し、前記光記憶媒体のチルトを検出することが望ましい。
または{(S11−S12)+(S21−S22)}/TOTALを演算し、前記光記憶媒体のチルトを検出することが望ましい。
さらに、前記光記憶媒体のチルトを検出することとは、チルトのない状態での演算結果である定数または0とチルトのある状態での演算結果とを比較することによりチルトの方向または量の少なくとも一方を算出できることを特徴とすることが望ましい。
さらに、前記メインビームとサブビームは、前記光記録媒体での反射による該サブビームの反射光におけるトラックククロス信号成分がほぼ0となるように該サブビームの一部に位相差を与えることが可能な分離手段によって生成されることが望ましい。
または、光ピックアップ装置の主要構成部品である、光源と、受光素子と、導光手段と、分離手段と、1/4波長板とを筐体に搭載して、これらが一つの部品として構成されていることが望ましい。
さらに、前記分離手段は、偏光特性を有する偏光回折素子を用いて構成されていることが望ましい。
さらに、本発明は、光源から出射された光ビームを、分離手段により一つのメインビームと二つのサブビームに分離し、前記一つのメインビームと二つのサブビームを、光記録媒体が有する情報記録トラックに対して直交する方向に並ぶように照射し、光記憶媒体から反射された二つのサブビームの反射光を各々独立して受光する受光部にて受光し、前記二つのサブビームの反射光の受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号の差を演算することにより、前記光記憶媒体のチルトを検出することを特徴とする光記憶媒体のチルト検出方法である。
以上説明したように、光ピックアップ装置のコスト上昇やサイズの大型化を招く特別な部品を追加せず、さらに、チルトを検出するための事前検査や各種複雑な演算処理を軽減して、信頼性の高いチルト検出をリアルタイムで行うことが可能である。
(実施例1)
以下、図面を参照して本発明の実施例1について説明する。図1から図6は本発明の実施例1を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1について説明する。図1から図6は本発明の実施例1を示す図である。
図1に示すように、光ディスク装置70は、光ディスク1を保持して回転させるスピンドルモータ2と、光ディスク1に記録された情報の読み取りまたは光ディスク1への情報の書き込みを行うための光ピックアップ装置3Aと、光ピックアップ装置3Aを光ディスク1の半径方向(以下、ラジアル方向と記載)に粗動させるための駆動装置4とを備えている。また、回転制御系5は、光ピックアップ装置3Aによって読み取られた情報のうち、光ディスク1の半径方向についての位置情報に基づいて、スピンドルモータ2の回転速度の制御を行うように構成されている。
なお、本実施例において、光ディスク1とは、自身に記録されている情報がレーザ光等の照射によって読み取ることが可能な情報記録媒体である。また、前記レーザ光等の照射パワーを変化させることにより、情報の追記や消去や上書き等も可能な情報記録媒体であってもよい。
光ピックアップ装置3Aには、レーザ光線を発生させるための半導体レーザ、レーザ光線を発散光から平行光へ変換するためのコリメートレンズ、レーザ光線の光路を分岐や変更するためのビームスプリッタ、レーザ光線を検出するための例えばフォトダイオード等の受光素子、レーザ光線を光ディスク1上の所望の位置に照射するための対物レンズや駆動系等が設けられている。前記駆動系は、対物レンズをフォーカス方向とトラッキング方向に微動可能なように構成されている。該駆動系によって前記対物レンズの微動を行い、前記対物レンズによって集束されたレーザ光線のスポットを光ディスク1上の所望の位置に導く。
次に、光ピックアップ装置3Aの具体的な光学系構成を図2に示す。図2において、半導体レーザ6から出射したレーザ光線は発散光であるが、コリメートレンズ7を通過する際に平行光に変換される。そして、1/2波長板50を通過することで偏光方向を揃えた後、整形プリズム8に入射する。整形プリズム8は、前記コリメートレンズ7で平行光に変換されたレーザ光線のビーム断面形状を整形する機能を有している。よって、整形プリズム8に入射した前記レーザ光線は、光強度分布が均一となるように整形されて、整形プリズム8より出射する。
その後、後述する位相シフトグレーティング9の回折効果にて3つの光線(以降、3ビームと呼ぶ)に分離され、これら全てが偏光ビームスプリッタ(PBS)10に入射する。PBS10は反射もしくは透過作用を有する境界面を有しており、前記レーザ光線の一部は該境界面を透過して、APC(Auto Power Control)用光検出器17に入射する。半導体レーザの出力は、該APC用光検出器17に入射した光量に従って自動的に制御される。
一方、大部分のレーザ光線は、PBS10の前記境界面で反射して、1/4波長板60を通過後、ビームエキスパンダユニット11に入射する。ビームエキスパンダユニット11は、凹レンズ11aと凸レンズ11bで構成されており、光ディスク1の厚み誤差による球面収差が発生した場合、凹レンズ11aを光軸方向へ駆動することによって、その収差を補正する機能を有している。
ビームエキスパンダ11を通過したレーザ光線は、45°ミラー12で反射されることにより光ディスク1の方向へ導かれ、対物レンズ13にて光ディスク1上に集光される。そして、光ディスク1からの反射光(以下、戻り光と記載)は、対物レンズ13、45°ミラー12、ビームエキスパンダ11、1/4波長板60を通過後、PBS10に入射、PBS10の境界面を透過する。その後、集光レンズ14、シリンドリカルレンズ15で受光素子16上に集光される。
次に、位相シフトグレーティング9、および該位相シフトグレーティング9の回折効果にて分離生成された3ビームについて、詳しく説明を行う。まず、位相シフトグレーティング9によって分離生成された3ビームは、一つのメインビームと二つのサブビームから構成される。前記サブビームは、主にトラッキングサーボ用の信号の一部として用いられるので、前記メインビームに比べ出力は十分小さくて構わず、例えばメインビーム出力の十分の一程度でよい。これら3ビームの位置関係は、位相シフトグレーティング9の格子の溝方向に対して、直交する方向に三つ並ぶように分離生成されて、中央部がメインビーム、両端がサブビームである。
さらに本実施例においては、光ディスク1上に前記3ビームを集光したときに、該3ビームが光ディスク1のトラック方向に対して直交する方向に並ぶように設定される。従って、位相シフトグレーティング9を光ピックアップ装置3Aに搭載する際には、位相シフトグレーティング9の格子の溝方向が、前記3ビームと光ディスク1のトラック方向との位置関係を満たすように配置してから搭載する。
図6は、位相シフトグレーティング9に形成される格子の特徴(グレーティングパターン)を示した模式図である。本グレーティングパターンは、特開2001−250250号公報に開示されている位相シフトDPP法を用いたトラッキング誤差信号の検出のためのパターンであることが望ましく、その一例を示している。以下本グレーティングパターンについて説明する。
図6におけるグレーティングパターンは、領域31aと領域31bの二つの領域で構成されている。なお、参考のため、レーザ光線の通過する領域を図中の点線円にて模式的に示している。また図6にはX軸、Y軸、Z軸による三次元座標系を示している。本座標系を用いて領域31aと領域31bの位置関係の一例を説明すると次の通りである。すなわち、前記図中の点線円の中心点を前記三次元座標系の原点とし、レーザ光線の光軸方向をZ軸方向とすると、グレーティングパターン面は図に示す通りX−Y平面上に構成される。そして、前記X−Y平面上の第4象限領域のみが領域31bで構成され、その他の領域は領域31aで構成されている。そして、領域31aと領域31bとの違いは、グレーティングの周期構造において、位相が180度異なっている点である。このような構成とすることで、光ディスク1での反射によるサブビームの戻り光におけるトラックククロス信号成分であるプッシュプル信号出力が、ほぼ0となるため、次の利点を有する。すなわち、光ピックアップ装置の製造において、従来のグレーティングパターンを用いる場合には必要となる、光ディスクのトラックと3ビームの位置関係の調整工程が不要となる。
もちろん、本実施例におけるグレーティングパターンは、あくまでも一例に過ぎず、特開2001−250250号公報に開示されているグレーティングパターンであれば他のどのグレーティングパターンでも構わず、それら全てに前記利点が得られることは説明するまでもない。
さらには、本実施例において、3ビームを分離生成するグレーティングは前記の位相シフトグレーティングに限定されるものではない。前記従来のグレーティングパターン、つまり、いわゆる一般的な格子状のグレーティングでも、本発明の効果を得ることができる。その場合は、先に記載した通り、光ピックアップ装置の製造において、光ディスクのトラックと3ビームの位置関係の調整工程が必要となる。
前記調整工程の内容を説明すると、次の通りである。すなわち、グレーティングにより分離生成された3ビームのうち、一つのメインビームが光ディスク上のディスクグルーブ部を照射している場合には二つのサブビームはディスクランド部を照射するように、逆に、一つのメインビームがディスクランド部を照射している場合には二つのサブビームはディスクグルーブ部を照射するように、グレーティングの溝方向の調整を行う工程である。具体的な手法として、例えばグレーティングを光軸に垂直な面に沿って回転させることにより、グレーティングの溝方向の調整は可能である。
次に、チルト検出を行うための具体的な方法について説明する。図3に、光ピックアップ装置3Aの構成部品である受光素子16の受光部形状を示している。3ビームによる光ディスク1からの反射光は三つあるので、受光部もそれぞれを受光するために三つの領域から構成されている。さらに、前記三つの領域はそれぞれ次に示すように分割されている。
まず、前記三つの領域のうち中央に位置する領域は4分割されており、分割された各受光部を受光部A、受光部B、受光部C、受光部Dとしている。また、前記中央領域を挟むように両側に位置する二つ領域は、共に2分割されており、分割された各受光部を受光部E、受光部F、および受光部G、受光部Hとしている。3ビームによる光ディスク1からの反射光のうち、メインビームによる反射光は受光部A、受光部B、受光部C、受光部Dにて受光され、サブビームによる反射光は受光部E、受光部F、および受光部G、受光部Hにて受光される。
光ディスクからの反射光には光ディスク上の各種情報が含まれており、受光素子上でのスポットの明暗や大きさおよび形状の各変化として現れる。よって、受光素子の受光部を、分割等によって複数配置して、前記各変化を取得できるように構成する。前記構成にて取得できた複数の信号を演算処理することによって、前記各種情報を得ることができる。
前記演算処理によって得られる情報のうち、光ディスクのトラック関連情報を示すものとしてよく知られるプッシュプル(またはトラッキングプッシュプル)信号がある。前記プッシュプル信号は、受光素子上でのスポットを2分割するように配置された受光部からの各出力について、これらを差動演算処理することによって得られる。ここで、前記受光素子上でのスポットを2分割する分割方向は、次に示す通りである。前記受光素子上でのスポットとは、つまりは光ディスクからの反射光なので、光ディスク上に収束されたスポットの向き等の特徴を反映している。従って、前記光ディスク上に収束されたスポットが、光ディスクのトラックに沿って2分割される向きと等価となる方向にて、前記受光素子上でのスポットを2分割する。
前記プッシュプル信号において、3ビームのメインビームによって得られるプッシュプル信号をMPP(Main Push-Pull)、またサブビームによって得られるプッシュプル信号をSPP(Sub Push-Pull)とする。光ディスク上の所望のトラックに焦点を合わせるため、対物レンズをラジアル方向に追従制御させるが、そのためのトラッキング誤差信号TES(Tracking Error Signal)は
TES=MPP- α(SPP) α:定数 (2)
により生成される。
TES=MPP- α(SPP) α:定数 (2)
により生成される。
なお、本実施例では、シリンドリカルレンズ15により、受光素子上でのスポットの向き、つまり受光素子上に投影される光ディスク1からの反射光のビームパターンは90°回転する。その様子を、後述するチルトの検出原理説明に用いる図4に模式的に示している。したがって、受光部A〜Hの出力信号をSa〜Shとすると、
MPP=(Sa+Sd)−(Sb+Sc) (3)
SPP=(Se−Sf)+(Sg−Sh) (4)
と表すことができる。
MPP=(Sa+Sd)−(Sb+Sc) (3)
SPP=(Se−Sf)+(Sg−Sh) (4)
と表すことができる。
また、光ディスク上の所望の厚み方向位置、すなわち記録面位置に焦点を合わせるため、対物レンズをフォーカス方向に追従制御させるが、そのためのフォーカス誤差信号FES(Focus Error Signal)は非点収差法により、
FES=(Sa+Sc)−(Sb+Sd) (5)
という演算式で生成され、さらに、光ディスクに記録されている情報信号は、メインビームの総和信号(TOTAL)によって、
TOTAL=Sa+Sb+Sc+Sd (6)
という演算式により生成される。
FES=(Sa+Sc)−(Sb+Sd) (5)
という演算式で生成され、さらに、光ディスクに記録されている情報信号は、メインビームの総和信号(TOTAL)によって、
TOTAL=Sa+Sb+Sc+Sd (6)
という演算式により生成される。
そして、本実施例のチルト検出のためのチルト信号(TILT)は、
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh) (7)
あるいは
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh) (8)
という演算式にて生成される。
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh) (7)
あるいは
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh) (8)
という演算式にて生成される。
なお、(7)および(8)式の演算を行う演算手段の具体例として、オペアンプの組み合わせによる構成が簡易で望ましい。図7(a)および図7(b)に、受光部A〜Hの出力信号Sa〜Shを用いて、(7)および(8)式の演算を示す。図7(a)は(7)式の演算構成例であり、図7(b)は(8)式の演算構成例である。
また、図4および図5は、本実施例のチルト信号(TILT)によるチルトの検出方法を説明するための図である。先ず、対物レンズ13からディスク1に向かうサブビームS1,S2は、図4に示すように光軸Lに対し左右が対称の光束として光ディスク1を照射する。
このとき、光ディスク1にチルトが生じていなければ、光ディスク1で反射された反射サブビーム光は、光軸Lに対し左右が対称となる角度で戻ってくる。ただし、対物レンズ13によるケラレ(光ビームが一部遮られること)が発生するので、各サブビームともメインビームに近い側の領域が若干少なくなっている。また、先に説明したシリンドリカルレンズ15により、メインビームを含む受光素子上での各ビームパターンは90°回転している。しかしながら、受光部E,HおよびF,Gを照射するサブビーム面積は同じとなるため(7)式より、
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh)=0 (9)
あるいは(8)式より、
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh)=0 (10)
となる。
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh)=0 (9)
あるいは(8)式より、
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh)=0 (10)
となる。
ここで、図5(a)に示すように、光ディスク1に、例えば紙面右側が上がるチルトが生じると、サブビームによる反射光のうち、サブビームS2による反射光のケラレは大きくなり、他方のサブビームS1による反射光のケラレは小さくなる。
よって
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh)>0 (11)
あるいは
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh)>0 (12)
次に、図5(b)に示すように、光ディスク1に、例えば紙面左側が上がるチルトが生じると、サブビームによる反射光のうち、今度はサブビームS1による反射光のケラレが大きくなり、他方のサブビームS2による反射光のケラレは小さくなる。
よって
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh)<0 (13)
あるいは
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh)<0 (14)
以上より、TILTの演算式によって得られる信号から、光ディスク1は光軸Lに対して何れの側に傾いてチルトが生じているのかというチルト方向と、傾きの大きさであるチルト量との両方を得ることができる。
よって
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh)>0 (11)
あるいは
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh)>0 (12)
次に、図5(b)に示すように、光ディスク1に、例えば紙面左側が上がるチルトが生じると、サブビームによる反射光のうち、今度はサブビームS1による反射光のケラレが大きくなり、他方のサブビームS2による反射光のケラレは小さくなる。
よって
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh)<0 (13)
あるいは
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh)<0 (14)
以上より、TILTの演算式によって得られる信号から、光ディスク1は光軸Lに対して何れの側に傾いてチルトが生じているのかというチルト方向と、傾きの大きさであるチルト量との両方を得ることができる。
また、一般的に光ピックアップ装置は、記録時と再生時で光ディスクへのレーザ光線の照射光量を切り替えている。このような照射光量の変化によって、前記TILTが影響を受けないようにするため、TILTを照射光量に対応する出力で正規化することが望ましい。更には、照射光量を直接検出して出力を得るのではなく、光ディスクからの戻り光による出力を用いる手段が簡便で望ましい。また、戻り光による出力を用いて正規化することによって、光ディスク毎による反射率の違いや、更には同一光ディスクでも記録部と未記録部における反射率の違いによるTILT出力への影響を回避できる。
具体的には、例えば(7)式を用いて、
TILT={(Se+Sf)−(Sg+Sh)}
/(Sa+Sb+Sc+Sd) (15)
あるいは(8)式を用いて、
TILT=(Se−Sf)/(Se+Sf)
+(Sg−Sh)/(Sg+Sh) (16)
あるいは(8)式を用いて、
TILT={(Se−Sf)+(Sg−Sh)}
/(Sa+Sb+Sc+Sd) (17)
という演算式にて正規化される。
具体的には、例えば(7)式を用いて、
TILT={(Se+Sf)−(Sg+Sh)}
/(Sa+Sb+Sc+Sd) (15)
あるいは(8)式を用いて、
TILT=(Se−Sf)/(Se+Sf)
+(Sg−Sh)/(Sg+Sh) (16)
あるいは(8)式を用いて、
TILT={(Se−Sf)+(Sg−Sh)}
/(Sa+Sb+Sc+Sd) (17)
という演算式にて正規化される。
上記のTILTはフォーカシング、トラッキングを行いデータの記録もしくは再生を行っている間、記録もしくは再生を行っている領域近傍のディスク面チルトをリアルタイムで検出できる。よって、この信号を利用することで、従来の方法よりも正確なチルト補正が可能となり、例えば光ディスク自体に歪みが発生しているチルトの大きな粗悪ディスクに対しても、光ディスク装置としての記録再生性能を劣化させることがない。
チルト補正の方法としては、例えばTILTから得られたチルトの方向と量に応じて、これらを補正するように光ピックアップ装置3A全体を傾ける方法、あるいは対物レンズ13のみ傾ける方法により実現することができる。
以上説明した通り、光ピックアップ装置3Aの光源である半導体レーザ6から出射されたレーザ光を分離して得られる、一つのメインビームと二つのサブビームとの三つのビームを、光ディスク1のトラック方向に対して直交する方向に並ぶように照射する。そして両ビームの戻り光のうち、二つのサブビームの戻り光を、それぞれ独立して受光する受光部E、受光部F、および受光部G、受光部Hで受光する。前記各受光部から得られる出力信号の差動演算(7)式もしくは(8)式にて、光ディスク1の傾きに比例したチルト信号を得ることにより、次のような作用および効果を奏する。
つまり、光ピックアップ装置のコスト上昇やサイズの大型化を招くチルトセンサ等の特別な部品を追加する必要はない。さらに、チルトを検出するために事前検査や複雑な演算処理も必要としないで、フォーカス及びトラッキングの各サーボ動作を止めることなくリアルタイムで信頼性の高いチルトの検出を行うことが可能となる。
また、(2)〜(4)式より、トラッキング誤差信号の生成にも、前記チルト信号を得るために用いた受光部E、受光部F、および受光部G、受光部Hからの各出力Se,SfおよびSg,Shを利用しているので、次のような作用および効果を奏する。すなわち、本発明は、トラッキング誤差信号用とチルト検出用の受光部および出力信号が兼用できるので、チルト信号検出専用の受光部や受光素子は必要ない。
さらに、チルト信号の生成式である(8)式に対して、各サブビームのプッシュプル成分を、それぞれの戻り光量による出力で正規化を行い、(16)式とすることによって、次のような作用および効果を奏する。すなわち、光ディスク1は、記録部と未記録部が混在し、各サブビームを照射するディスク位置によっては反射率が異なってしまうような場合でも、前記反射率の違いによる影響を受けない正確なチルト信号が生成できる。
また、チルト信号の生成式である(7)式および(8)式に対して、メインビームの戻り光量による総和信号出力で正規化を行い、それぞれ(15)式および(17)式とすることによって、次のような作用および効果を奏する。すなわち、記録時と再生時で光ディスクへのレーザ光線の照射光量を切り替えるが、このような照射光量の変化によってサブビームの光量が変化した場合でも、光量の違いによる影響を受けない正確なチルト信号が生成できる。
さらに、メインビームとサブビームを生成する回折素子に、位相シフトグレーティング9を用いることによって、次のような作用および効果を奏する。すなわち、光ピックアップ装置の製造において、従来のグレーティングパターンを用いる場合には必要となる、光ディスクのトラックと3ビームの位置関係の調整工程が不要となって、グレーティングの配置精度を大幅に緩和することができる。
(実施例2)
以下に本発明の実施例2について説明する。図8に示すように、光ピックアップ装置3Bは、光集積ユニット19と、コリメートレンズ7と、対物レンズ13とを備えている。光集積ユニット19に搭載された光源である半導体レーザ41から出射したレーザ光線は、コリメートレンズ7により平行光にされた後、対物レンズ13を介して光ディスク1に集光される。そして、光ディスク1から反射した光(実施例1と同様に、以下、これを戻り光と記載)は、再び対物レンズ13とコリメートレンズ7を通過して、光集積ユニット19に搭載された受光素子38上に受光される。
以下に本発明の実施例2について説明する。図8に示すように、光ピックアップ装置3Bは、光集積ユニット19と、コリメートレンズ7と、対物レンズ13とを備えている。光集積ユニット19に搭載された光源である半導体レーザ41から出射したレーザ光線は、コリメートレンズ7により平行光にされた後、対物レンズ13を介して光ディスク1に集光される。そして、光ディスク1から反射した光(実施例1と同様に、以下、これを戻り光と記載)は、再び対物レンズ13とコリメートレンズ7を通過して、光集積ユニット19に搭載された受光素子38上に受光される。
光ディスク1は、基板1aと、レーザ光線が透過するカバー層1bと、基板1aとカバー層1bとの境界に形成された記録層1cとによって構成されている。そして、対物レンズ13は、対物レンズ駆動機構(図示せず)によってフォーカス方向(Z軸方向)とトラッキング方向(X軸方向)に駆動可能であって、光ディスク1に面振れや偏心があっても、レーザ光線の集光スポットが記録層1cの所定位置に対して追従を行えるように構成されている。
本実施例では、光集積ユニット19に波長405nm程度の短波長光源を備え、対物レンズ3にNA0.85程度の高NA対物レンズを備えた場合について説明する。本発明はこれに限定されるものではないが、前記短波長光源および高NA対物レンズを備えることにより、高密度の記録再生が可能になる。
図9は、図8に示した光集積ユニット19を拡大して表示した構成図である。図9に示すように、光集積ユニット19は、光源である半導体レーザ41と、受光素子38と、レーザ光線の導光手段としての偏光ビームスプリッタ(PBS)34と、レーザ光線の分離手段としての偏光回折素子35と、1/4波長板36とを備え、これらを筐体としてのホルダ37に搭載して、一つの部品として構成されている。ホルダ37には、光を通過させるための窓部37dが形成されている。
また、説明の便宜上、半導体レーザ41から出射するレーザ光線(光ビーム20)がPBS34に入射する面を、PBS34の光ビーム20入射面とし、戻り光がPBS34に入射する面を、PBS34の戻り光入射面とする。また、光ビーム20が偏光回折素子35に入射する面を、偏光回折素子35の光ビーム20入射面とし、戻り光が偏光回折素子35に入射する面を、偏光回折素子35の戻り光入射面とする。ここで、偏光回折素子35は、偏光回折素子35の光ビーム20入射面が、PBS34の戻り光入射面に対向するように、かつ、光ビーム20の光軸が通過するように配置されている。
先に記載したように、本実施例では半導体レーザ41は、波長λ=405nm程度の短波長の光ビーム20を出射するが、さらに、該光ビーム20は、図示した光軸方向(Z軸方向)に対してX軸方向の偏光振動面を有する直線偏光、つまりP偏光である特徴を有する。半導体レーザ41から出射された光ビーム20は、PBS34に入射する。
PBS34は二つの境界面、すなわち、偏光ビームスプリッタ(PBS)面34aと、反射ミラー面(反射面)34bとを有している。本実施例におけるPBS面34aは、図示した光軸方向(Z軸方向)に対してX軸方向の偏光振動面を有する直線偏光、つまりP偏光を透過し、該偏光振動面に垂直な偏光振動面、すなわち、図示した光軸方向(Z軸方向)に対してY軸方向の偏光振動面を有する直線偏光、つまりS偏光を反射する特性を有する。PBS面34aは、光ビーム20の光軸が通過するように、かつ、P偏光を有する該光ビーム20が透過するように配置されている。また、反射ミラー面34bは、PBS面34aと向かい合い、かつ、PBS面34aとなす角度が90度になるように配置されている。
PBS面34aに入射したP偏光を有する光ビーム20は、PBS面34aをそのまま透過する。PBS面34aを透過した光ビーム20は、次に、偏光回折素子35に入射する。
次に、偏光回折素子35について詳細に説明する。偏光回折素子35は、第1の偏光ホログラム素子31および第2の偏光ホログラム素子32から構成されている。第1の偏光ホログラム素子31および第2の偏光ホログラム素子32は、共に、光ビーム20の光軸が通過するように配置されており、第1の偏光ホログラム素子31は、第2の偏光ホログラム素子32よりも半導体レーザ41に近い側に配置されている。
第1の偏光ホログラム素子31はP偏光を回折させてS偏光を透過させる特徴を有し、逆に、第2の偏光ホログラム素子32は偏光を回折させてP偏光を透過させる特徴を有する。これら偏光の回折は、各偏光ホログラム素子に形成された溝構造(格子)によって行われ、回折角度は、該格子のピッチ(以下、これを格子ピッチとよぶ)によって規定される。
第1の偏光ホログラム素子31には、トラッキング誤差信号(TES)を検出するための3ビーム生成用の格子パターンであるホログラムパターンが形成されている。すなわち、PBS面34aを透過したP偏光の光ビーム20は、上記偏光回折素子35を構成する第1の偏光ホログラム素子31に入射すると、回折されてTESを検出するための3ビーム(一つのメインビームと二つのサブビーム)となって、該第1の偏光ホログラム素子31から出射する。なお、第1の偏光ホログラム素子31の詳細なホログラムパターンについては後述する。また、3ビームを用いたTES検出方法として、3ビーム法や、差動プッシュプル(DPP)法、または位相シフトDPP法等が一般に知られている。
第2の偏光ホログラム素子32は、先に記載した通り、入射した光のうちS偏光は回折させP偏光はそのまま透過させる。つまり、第1の偏光ホログラム素子31を通過して、3ビームとなった光ビーム20はP偏光なので、第2の偏光ホログラム素子32をそのまま透過する。なお、第2の偏光ホログラム素子32の詳細なホログラムパターンについても後述する。
また、1/4波長板36は、直線偏光を入射すると円偏光に変換して出射することができる。従って、1/4波長板36に入射した直線偏光であるP偏光の光ビーム20は、円偏光の光ビームに変換されて、光集積ユニット19から出射する。
光集積ユニット19から出射した円偏光の光ビームは、図8に示したように、コリメートレンズ7により平行光にされた後、対物レンズ13を介して光ディスク1に集光される。そして、光ディスク1によって反射された光ビーム、すなわち戻り光は、再び対物レンズ13とコリメートレンズ7を通過して、再び光集積ユニット19に配置された1/4波長板36に入射する。
光集積ユニット19の1/4波長板36に入射する前記戻り光は円偏光であり、該1/4波長板36によって、今度は図示した光軸方向(Z軸方向)に対してY軸方向の偏光振動面を有する直線偏光、つまりS偏光に変換される。S偏光に変換された戻り光は、上記第2の偏光ホログラム素子32に入射する。
前記第2の偏光ホログラム素子32に入射したS偏光に変換された戻り光は、0次回折光(非回折光)22と、+1次回折光(回折光)23とに回折されて第2の偏光ホログラム素子32から出射する。前記回折されたS偏光である戻り光(0次回折光および+1次回折光)は、第1の偏光ホログラム素子31に入射し、そのまま透過する。そして、該S偏光である戻り光は、PBS34に入射し、PBS面34aによって反射され、反射ミラー34bによってさらに反射された後、PBS34から出射する。PBS34から出射した前記戻り光は、受光素子38にて受光される。なお、上記受光素子38の受光部パターンについては、後述する。
次に、図6に示した第1の偏光ホログラム素子31に形成されるホログラムパターンについて説明する。なお、第1の偏光ホログラム素子31における格子ピッチは、受光素子38上で3ビームが十分分離されるように設計されている。
一つの具体例として、半導体レーザ41と第1の偏光ホログラム素子31の距離を空気中の光路長換算で5mm程度として、受光素子38上でのメインビームとサブビームとの間隔を150μm程度となるようにする。また、光ディスク1上でのメインビームとサブビームとの間隔を16μm程度になるようにする。その場合には、第1の偏光ホログラム素子31における格子ピッチは14μm程度であることが好ましい。また格子の溝方向は光ディスク1のトラックに平行な方向に配置して、光ディスク1上でのメインビームとサブビームが、光ディスク1のトラック方向に対して直交する方向に並ぶように設定する。
そして、第1の偏光ホログラム素子31に形成されるホログラムパターンとしては、実施例1にて説明した、特開2001−250250号公報に開示されている位相シフトDPP法を用いたトラッキング誤差信号の検出のための格子パターンであることが望ましい。図6に前記格子パターンの模式図を示しているが、実施例1にて具体的な説明と効果を記載済みなので、ここでは省略する。
次に、第2の偏光ホログラム素子32に形成されるホログラムパターンについて説明する。図10は、第2の偏光ホログラム素子32に形成されるホログラムパターンを示した模式図である。第2の偏光ホログラム素子32のホログラムパターンは、3つの領域32a、32b、32cから構成される。具体的には、ラジアル方向に対応するX軸方向の境界線32xによって2分割された一方の半円領域32cと、他方の半円領域がさらに円弧状の境界線によって分割された内周領域32aおよび外周領域32bで構成される。なお、参考のため、戻り光の通過する領域を図中の点線円にて模式的に示している。
第2の偏光ホログラム素子32の前記各領域における格子ピッチは、領域32bが一番小さく(回折角度が最大)、領域32cが一番大きく(回折角度が最小)、領域32aはこれらの中間の数値となっている。球面収差を補正するために用いられる球面収差誤差信号(SAES)は、領域32aおよび領域32bからの+1次回折光を用いて検出が可能である。また、焦点位置ずれを補正するために用いられるFESは、領域32cからの+1次回折光を用いたシングルナイフエッジ法、または、領域32aと領域32bと領域32cからの+1次回折光を用いたダブルナイフエッジ法によって検出が可能である。さらに、本発明では、0次回折光のメインビームを、RF信号(光ディスクに記録されている情報信号)や位相差検出(DPD)法を用いたTES等の高速信号の検出に用い、0次回折光のメインビームおよびサブビームを、位相シフトDPP法を用いたTESの検出に用いる。
次に、図11(a)および(b)を用いて、第2の偏光ホログラム素子32の分割パターンと受光素子38の受光部パターンの関係を説明する。
まず、図11(a)の光学的状態を説明すると、次の通りである。すなわち、図8における光ディスク1のカバー層1bの厚みに対して、対物レンズ13による集光ビームに球面収差が発生しないように、コリメートレンズ7の光軸方向の位置調整がなされている状態にある。そして、前記調整がなされている状態にて、光ビーム20は記録層1c上に合焦状態に集光している。この場合の戻り光の受光素子38上でのスポットを、図11(a)は示している。さらに、図10において説明した第2の偏光ホログラム素子32の3つの領域32a〜32cと、+1次回折光の進行方向の関係も、図11(a)は示している。なお、第2の偏光ホログラム素子32の中心位置は、受光部38a〜38dの中心位置に対応する位置に設置されるが、説明の便宜上、実際位置よりもX軸及びY軸方向にずらして図示している。
図11(a)に示すように、受光素子38は、38a〜38nの14個の受光部で構成されている。往路光学系(半導体レーザ41から出射した光ビーム20が、光ディスク1に到達するまでの光学系)において、第1の偏光ホログラム素子31で形成された3ビームは、光ディスク1で反射して戻り光となり、復路光学系(光ディスク1にて反射した戻り光が、受光素子38に到達するまでの光学系)において第2の偏光ホログラム素子32によりさらに分離されて、3つの非回折光(0次回折光)22と、9つの回折光(+1次回折光)23の、合計12個のビームが形成される。受光素子38は、非回折光22および回折光23のうち、前記RF信号やチルト信号を含むサーボ信号の検出に必要な光ビームを受光するための受光部を備えている。
次に、図11(b)の光学的状態を説明すると、次の通りである。すなわち、図11(a)の状態から、図8における対物レンズ13が光ディスク1に近づいた場合の、戻り光の受光素子38上でのスポットを示している。対物レンズ13が光ディスク1に近づくことによって、戻り光のビーム径が大きくなるため、受光素子38上でのスポットの大きさも大きくなる。ただし、受光部からの光ビームのはみ出しは、本状態ではまだ発生していないとする。
次に、サーボ信号生成の動作について説明する。なお、ここでは受光部38a〜38nの出力信号をSa〜Snと表す。
RF信号(RF)は、先に説明した通り、光ディスクに記録されている情報信号であり、0次回折光のメインビームを用いて検出を行う。よって、(6)式と同様にしてRFは、
RF=Sa+Sb+Sc+Sd (18)
という演算式により生成される。
RF=Sa+Sb+Sc+Sd (18)
という演算式により生成される。
DPD法によるトラッキング誤差信号(TES1)は、Sa〜Sdの位相比較を行うことにより検出される。該DPD法は、再生専用の光ディスク等、既に情報ピットが記録された光ディスクに有効な検出法であり、以下の原理が利用される。
例えば、図8に示した光ディスク1の記録層1cに形成されたピット列を、対物レンズ13により集光された光ビームが走査する場合、ピット列と光ビームの位置関係によって、光ディスク1から反射した光である戻り光の強度分布パターンが変化する。前記強度分布パターンの変化を検出するために、(Sa+Sc)と(Sb+Sd)の二つの出力変化に注目する。すなわち、光ビームがピット列の中央を走査している場合には、(Sa+Sc)と(Sb+Sd)の二つの出力変化は同位相であるのに対して、光ビームがピット列の中央からずれた位置を走査している場合には、前記二つの出力変化に位相差が生じる。また、前記ピット列の中央からのずれの方向、つまり、光ディスク1の内周側にずれたか、もしくは外周側にずれたかによって、前記位相差の方向、すなわち位相進みと位相遅れとが逆となる。従って、本原理を利用することにより、トラッキング誤差信号が得られる。
また、位相シフトDPP法によるトラッキング誤差信号(TES2)は、
TES2={(Sa+Sb)−(Sc+Sd)}
−α{(Se−Sf)+(Sg−Sh)} (19)
で与えられる。なお、ここでαは定数であり、対物レンズシフト等によってTES2出力に発生したオフセット出力をキャンセルするための最適な値に設定される。
TES2={(Sa+Sb)−(Sc+Sd)}
−α{(Se−Sf)+(Sg−Sh)} (19)
で与えられる。なお、ここでαは定数であり、対物レンズシフト等によってTES2出力に発生したオフセット出力をキャンセルするための最適な値に設定される。
また、フォーカス誤差信号(FES)は、ダブルナイフエッジ法を用いて検出する。すなわち、FESは、
FES=(Sm−Sn)−{(Si+Sk)−(Sj+Sl)} (20)
で与えられる。
FES=(Sm−Sn)−{(Si+Sk)−(Sj+Sl)} (20)
で与えられる。
さらに、本発明のチルトを検出するためのチルト信号(TILT)は、前記第1の実施例における(7)式あるいは(8)式の演算と同様に、
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh) (21)
あるいは
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh) (22)
という演算式にて生成される。
TILT=(Se+Sf)−(Sg+Sh) (21)
あるいは
TILT=(Se−Sf)+(Sg−Sh) (22)
という演算式にて生成される。
また、(21)および(22)式の演算を行う演算手段の具体例としても、前記第1の実施例同様、オペアンプの組み合わせによる構成が簡易で望ましい。
本実施例において、前記第1の実施例と大きく異なる点は、光集積ユニット19を有している点である。光集積ユニット19は、光ピックアップ装置3Bの主要構成部品である半導体レーザ41と、受光素子38と、レーザ光線の導光手段としての偏光ビームスプリッタ(PBS)34と、レーザ光線の分離手段としての偏光回折素子35と、1/4波長板36とを、筐体であるホルダ37に搭載して、これらを一つの部品として構成されていることを特徴とする。光集積ユニット19を有することによって、実施例1にはない、次のような作用および効果を奏する。すなわち、前記光ピックアップ装置3Bの主要構成部品が集積化されているので、温度変化や外部からの衝撃による特性劣化を抑えることができ、信頼性の高い光ピックアップ装置の提供が可能となる。
また、光ピックアップ装置3Bにおけるレーザ光線の分離手段として、偏光回折素子35を用いているが、これも実施例1にはない、次のような作用および効果を奏する。すなわち、偏光特性を有する回折素子を用いることによって、回折時における光量損失を抑えることが可能となる。そして、光量損失を抑えた分、半導体レーザの出力を控えることができる。このことは光ディスク1への記録時等、レーザ光線の光量を多く必要とする場合に特に有効である。つまり、従来に比べ少ない半導体レーザ出力での記録が可能であるので、その結果、半導体レーザの寿命が延びる。さらには余分な発熱も減少するため、長期間にわたって安定動作可能な信頼性の高い光ピックアップ装置を提供できる。
その他に関しては、チルトの検出方法や検出式が第1の実施例と同様のため、第1の実施例と同様の作用および効果を奏する
1 光ディスク
2 スピンドルモータ
3A,3B 光ピックアップ装置
4 駆動装置
5 回転制御系
6,41 半導体レーザ
7 コリメートレンズ
8 整形プリズム
9 位相シフトグレーティング
10,34 偏光ビームスプリッタ(PBS)
11 ビームエキスパンダユニット
12 45°ミラー
13 対物レンズ
14 集光レンズ
15 シリンドリカルレンズ
16,38 受光素子
17 APC用光検出器
19 光集積ユニット
35 偏光回折素子
36,60 1/4波長板
37 ホルダ
37d 窓部
50 1/2波長板
70 光ディスク装置
110 チルトセンサ
111 発光素子
112 2分割受光素子
112a 2分割受光素子右半部
112b 2分割受光素子左半部
113 レンズ
114 ケース
2 スピンドルモータ
3A,3B 光ピックアップ装置
4 駆動装置
5 回転制御系
6,41 半導体レーザ
7 コリメートレンズ
8 整形プリズム
9 位相シフトグレーティング
10,34 偏光ビームスプリッタ(PBS)
11 ビームエキスパンダユニット
12 45°ミラー
13 対物レンズ
14 集光レンズ
15 シリンドリカルレンズ
16,38 受光素子
17 APC用光検出器
19 光集積ユニット
35 偏光回折素子
36,60 1/4波長板
37 ホルダ
37d 窓部
50 1/2波長板
70 光ディスク装置
110 チルトセンサ
111 発光素子
112 2分割受光素子
112a 2分割受光素子右半部
112b 2分割受光素子左半部
113 レンズ
114 ケース
Claims (10)
- 光記憶媒体に光ビームを照射する光源と
前記光ビームを一つのメインビームと二つのサブビームに分離する分離手段と
前記一つのメインビームと二つのサブビームを、前記光記録媒体が有する情報記録トラックに対して直交する方向に並ぶように照射し、その反射光を各々独立して受光する受光部と
前記二つのサブビームの反射光の受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号の差を演算し、前記光記録媒体のチルトを検出する演算手段と、を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記二つのサブビームをサブビームS1およびサブビームS2とし、
前記サブビームS1およびサブビームS2の反射光を受光する各々の受光部は、反射光を前記光情報記録媒体のトラック方向で二分割して受光する受光領域を有し、
前記受光領域で受光した受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号をS11、S12およびS21、S22とすると、
(S11−S12)+(S21−S22)を演算し、前記光記憶媒体のチルトを検出することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 - 前記二つのサブビームをサブビームS1およびサブビームS2とし、
前記サブビームS1およびサブビームS2の反射光を受光する各々の受光部は、反射光を前記光情報記録媒体のトラック方向で二分割して受光する受光領域を有し、
前記受光領域で受光した受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号をS11、S12およびS21、S22とすると、
(S11+S12)−(S21+S22)を演算し、前記光記憶媒体のチルトを検出することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 - 前記二つのサブビームをサブビームS1およびサブビームS2とし、
前記サブビームS1およびサブビームS2の反射光を受光する各々の受光部は、反射光を前記光情報記録媒体のトラック方向で二分割して受光する受光領域を有し、
前記受光領域で受光した受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号をS11、S12およびS21、S22とすると、
(S11−S12)/(S11+S12)+(S21−S22)/(S21+S22)を演算し、前記光記憶媒体のチルトを検出することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 - 前記二つのサブビームをサブビームS1およびサブビームS2とし、
前記サブビームS1およびサブビームS2の反射光を受光する各々の受光部は、反射光を前記光情報記録媒体のトラック方向で二分割して受光する受光領域を有し、
前記受光領域で受光した受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号をS11、S12およびS21、S22とし、
前記一つのメインビームをメインビームM1とし、
前記メインビームM1の反射光を受光する受光部からの該メインビームM1の反射光の受光光量に対応した出力信号をTOTALとすると、
{(S11+S12)−(S21+S22)}/TOTAL
または{(S11−S12)+(S21−S22)}/TOTALを演算し、前記光記憶媒体のチルトを検出することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 - 前記光記憶媒体のチルトを検出することとは、
チルトのない状態での演算結果である定数または0とチルトのある状態での演算結果とを比較することによりチルトの方向または量の少なくとも一方を算出できることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の光ピックアップ装置。 - 前記メインビームとサブビームは、前記光記録媒体での反射による該サブビームの反射光におけるトラックククロス信号成分であるプッシュプル信号出力がほぼ0となるように該サブビームの一部に位相差を与えることが可能な分離手段によって生成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 光ピックアップ装置の主要構成部品である、光源と、受光素子と、導光手段と、分離手段と、1/4波長板とを筐体に搭載して、これらが一つの部品として構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記分離手段は、偏光特性を有する偏光回折素子を用いて構成されていることを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
- 光源から出射された光ビームを、分離手段により一つのメインビームと二つのサブビームに分離し、
前記一つのメインビームと二つのサブビームを、光記録媒体が有する情報記録トラックに対して直交する方向に並ぶように照射し、
光記憶媒体から反射された二つのサブビームの反射光を各々独立して受光する受光部にて受光し、
前記二つのサブビームの反射光の受光光量に対応して前記受光部から出力される出力信号の差を演算することにより、前記光記憶媒体のチルトを検出することを特徴とする光記憶媒体のチルト検出方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006051118A JP2007234083A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 光ピックアップ装置およびチルト検出方法 |
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