JP2007230037A - 熱転写記録システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱転写後のインクリボン残骸に残存する転写画像のネガ像を破壊することで個人情報の流出を防ぐ熱転写記録システムを提供する。
【解決手段】基材シートの少なくとも一方の面に染料層を有する熱転写シートと、基材シートの少なくとも一方の面に染料受容層を有する熱転写受像シートからとから構成され、該染料層と該受容層とを重ね合わせた後、加熱手段により該染料層中の染料を該染料受容層に転写可能な熱転写記録システムにおいて、感熱転写後の熱転写シートの巻き取り前、ないしはシステム外に排出する前の段階で、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段を設けたことを特徴とする熱転写記録システム。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱転写記録システムに関し、更に詳しく言えば、該システムにおける感熱転写後のインクリボンの処理に関し、転写後のインクリボンの残骸に残存している転写画像のネガ像から転写情報を読み取ることを不可能として、個人情報、営業秘密情報等の保護機能を有する熱転写システムに関する。
従来、種々の熱転写記録方式が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作製できるプロセスとして注目されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。しかも、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。
この染料拡散転写記録方式では、色素を含有する感熱転写シート(以下、「インクシート」ともいう。)と感熱転写受像シート(以下、「受像シート」ともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
この従来の熱転写記録方式のプリンターでは、多数枚分(通常100枚以上)のインクリボンが装填され、画像転写後のインクリボンは、転写画像のネガ像を残したままロール上に巻き取られ、多数枚のインクリボン全てが使用されるまで、一時的に保存プリンター内に保存されたあと廃却される。インクリボンは破壊されること無く、巻き取られているため、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のネガ像から故意にあるいは、不注意によって個人、企業等、顧客の画像が再生可能である。
そのため店頭プリントなど不特定多数の顧客がプリントを行ったあと、個人情報、営業秘密の情報等(以下単に「個人情報」ということがある。)が流出する危険にさらされている。
特許文献1には、使用済み熱転写シートから残存染料を回収する手段が提案されているが、その目的は、染料の回収が目的であって、転写後の熱転写シートのネガ画像を読み取れなくするというものではない。
この特許文献1の方法では、転写後、熱転写シート巻取り前に、染料回収ローラーによる染料回収が行われていることが記載されているが、このように均一に染料を除去した場合、コントラストが低下するものの、完全に染料を除去できない限り、画像情報は維持される。染料回収率90%程度であることを考慮すれば、例えば文字情報などの場合、十分に判別が可能と思われ、情報の流出防止という点では十分ではない。
また特許文献2、3の方法は、いずれも、染料回収を目的とする発明である。使用済みの転写シートを巻き取り、これから染料回収を行っているため、染料回収を行うまでの間に、情報の流出の可能性があり、本発明の目的には適さない。
「情報記録(ハードコピー)とその材料の新展開」、(株)東レリサーチセンター発行、1993年、p.241−285 「プリンター材料の開発」、(株)シーエムシー発行、1995年、p.180 特開2004−114563号公報 特開2004−98633号公報 特開平9−165466号公報
本発明は、熱転写後のインクリボン残骸に残存する転写画像のネガ像を破壊することで個人情報の流出を防ぐ熱転写記録システムを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、前記熱転写記録システム内に、転写後の染料層中
に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする特定の手段を設けることにより、染料回収を行うような場合でも情報流出の可能性を完全に回避でき、上記の目的を達成できるという知見を得た。本発明はこの知見に基づきなされるに至ったものである。
本発明の課題は以下の手段により達成された。
(1)基材シートの少なくとも一方の面に染料層を有する熱転写シートと、基材シートの少なくとも一方の面に染料受容層を有する熱転写受像シートからとから構成され、該染料層と該受容層とを重ね合わせた後、加熱手段により該染料層中の染料を該染料受容層に転写可能な熱転写記録システムにおいて、感熱転写後の熱転写シートの巻き取り前、ないしはシステム外に排出する前の段階で、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段を設けたことを特徴とする熱転写記録システム。
(2)(1)において、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段として、熱転写シートを切断することを特徴とする熱転写記録システム。
(3)(1)において、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段として、転写後の染料層中に残存する染料を除去することを特徴とする熱転写記録システム。
(4)(1)において、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段として、転写後の染料層の一部または全部に染料を追加する熱転写記録システム。
(5)(1)において、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段として、転写後の熱転写シートの染料層と裏面とを接着させることを特徴とする熱転写記録システム。
(6)(1)〜(5)において、画像情報を有する記録媒体から画像情報を熱転写記録システムに入力して画像形成することを特徴とする熱転写システム。
(7)(1)〜(5)において、デジタルカメラの画像情報を、デジタルカメラから直接入力して画像形成することを特徴とする熱転写システム。
(8)(1)〜(5)において、インターネットを用いて画像情報を入力して、画像形成することを特徴とする熱転写システム。
(9)(6)〜(8)において、画像情報を、画像処理してから入力し、画像形成することを特徴とする熱転写システム。
(10)(1)〜(9)において、熱転写シートが、基材上に「断熱層」、「受容層」を設けた熱転写用受像シートであり、該「断熱層」が、中空ポリマーを有し、かつ、該中空ポリマー以外に、有機溶剤に耐性の無い樹脂の水分散液を含まず、該「受容層」が、水系ラテックス樹脂を有する、ことを特徴とする熱転写用受像シート。
本発明のシステムによれば、熱転写後のインクリボンは、画像情報、文字情報などを判別・判読可能な形で系外に取り出されることがない。したがって、熱転写後の使用済みインクリボンに残存するネガ像に由来する個人情報、営業秘密の流出を防ぐことができる。
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の熱転写記録システムは転写工程において該染料層中の染料を該染料受容層に転写後、転写シートの巻き取り前、ないしは転写シートのシステム外への取出し前に、転写シートのネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段を設ける。
以下にこの好ましい実施例を図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の好ましいシステムの実施態様の全体模式図である。
図1は請求項2に従うシステムの1例の模式図である。1から送り出された熱転写シートは3のサーマルヘッドによる画像転写に使用された後、最終的にシュレッダー8に送り込まれて細かく裁断処理されるように構成されたシステムである。図中2は熱転写受像シート送り出しロール、4はプラテンローラー、5は熱転写受像シート、6は熱転写シート、7は熱転写シート搬送ローラーである。
図2は請求項3に従うシステムの1例の模式図である。21から送り出された熱転写ロールは23のサーマルヘッドによる画像転写に使用された後、再度熱転写受像シート(ネガ像処理用)と重ね合わせら残留色素が除去されるのに十分転写する量の熱量を29のネガ像処理用発熱体またはサーマルヘッドから加える。その後色素が除去された熱転写シートを210で巻き取り、一方残色素が転写された熱転写受像シート(ネガ像処理用)はシュレッダーで細かく裁断処理されるように構成されたシステムである。本構成によれば特許文献1、2、3に記載の方法に比べて単純な構成のシステムで色素を除去することができる。図中21は熱転写受像シート送り出しロール、22は熱熱転写シート送り出しロール、23は画像出力用サーマルヘッド、24はプラテンローラー、25は熱転写受像シート、26は熱転写シート、27は熱転写シート搬送ローラー、28は熱転写受像シート(ネガ像処理用)、29はネガ像処理用発熱体またはサーマルヘッド、210は使用済み熱転写シート巻き取りロール、211はシュレッダーである。
図3は請求項4に従うシステムの1例の模式図である。31から送り出された熱転写ロールは33のサーマルヘッドによる画像転写に使用された後、黒色インク供給要素により残画像を視認できなくするのに十分な量のインク供給した後39で巻き取られる。
インク供給要素としてはあらゆるものが使用でき、例えば通常のコーティングローラーやインクジェット用のインク供給要素を用いることができる。インクとしては特に制限はなく油性顔料インク、溶剤インクなど高濃度ものなら何でも用いることができる。図中31は熱転写シート送り出しロール、32は熱転写受像シート送り出しロール、33は画像出力用サーマルヘッド、34はプラテンローラー、35は熱転写受像シート、36は熱転写シート、37は熱転写シート搬送ローラー、38は黒色インク供給要素、39は使用済み熱転写シート巻き取りロールである。
図4は請求項5に従うシステムの1例の模式図である。41から送り出された熱転写ロールは43のサーマルヘッドによる画像転写に使用された後、2組成混合型の接着剤の1液、2液を塗布する2つのコーティングローラー48、49を1液、2液が異なる面状に塗布されるように配置し、両面に1液、2液が塗布された後410の使用済み熱転写シーと巻き取りロールに巻き取られる。巻き取られることによって1液、2液が混合され巻き取りロールは互いに接着する。接着剤としては特に制限はないが東亜合成社製のアロンアルファ、タイコエレクトロニクスレイケム社製S−1006,S−1009,S−1125等の2液タイプのものが好ましい。図中41は熱転写シート送り出しロール、42は熱転写受像シート送り出しロール、43は画像出力用サーマルヘッド、44はプラテンローラー、45は熱転写受像シート、46は熱転写シート、47は熱転写シート搬送ローラー、48は2組成混合型の接着剤コーティングローラー、49は2組成混合型の接着剤コーティングローラー、410は使用済み熱転写シート巻き取りロールである。
構造の単純化などの必要があれば1液組成タイプの接着剤を用いることもできる。この場合接着剤のコーティングローラーは一つで良い。
本発明で前記で現像した熱転写記録システムに用いられる染料層を有する熱転写シートと、これと組合わせて用いられる染料層を有する熱転写受像シートの、それぞれの構成は従来公知のものと同様であるが、好ましい態様を以下に述べる。
熱転写受像シートは、支持体上に少なくとも1層の染料受容層(受容層)を有し、支持体と受容層との間に少なくとも1層の断熱層(多孔質層)を有する。また、受容層と断熱層との間に、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの下地層が形成されていてもよい。
受容層および断熱層は同時重層塗布により形成されることが好ましい。また、下地層を含む場合は、受容層、下地層および断熱層を同時重層塗布により形成することができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。支持体の裏面側の各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。
(受容層)
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。本発明の受像シートにおいて、受容層はポリマーラテックスを含有する。受容層は1層でも2層以上でもよい。また、受容層は後述する水溶性ポリマーを含有することが好ましい。
<ポリマーラテックス>
上記の受容層中のポリマーラテックスについて説明する。感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64−538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
ポリマーラテックスとしては通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明のポリマーラテックスのガラス転移温度は、−30℃〜100℃が好ましく、0℃〜80℃がより好ましく、10℃〜70℃がさらに好ましく、15℃〜60℃が特に好ましい。
ポリマーラテックスの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリエステル類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ酢酸ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリオレフィン類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜500000がよい。分子量が小さすぎるものはラテックスを含有する層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラテックスも好ましく使用される。
ポリマーラテックスの合成に用いるモノマーとしては、特に制限はなく、通常のラジカル重合又はイオン重合法で重合可能なものでは、下記に示すモノマー群(a)〜(j)を好適に用いることができる。これらモノマーを独立かつ自由に組み合わせて選択し、ポリマーラテックスを合成することができる。
−モノマー群(a)〜(j)−
(a)共役ジエン類:1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b) オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等
(c) α,β−不飽和カルボン酸エステル類:アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等)、置換アルキルアクリレート(例えば、2−クロロエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート等)、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリ−レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等)、置換アルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(ポリオキシプロピレンの付加モル数=2ないし100のもの)、3−N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、クロロ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピルメタクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、4−オキシスルホブチルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート等)、不飽和ジカルボン酸の誘導体(例えば、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジブチル等)、多官能エステル類(例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート等)。
(d) β−不飽和カルボン酸のアミド類:例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、イタコン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸、メチレンビスアクリルアミド、ジメタクリロイルピペラジン等
(e) 不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(f) スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(g) ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(h) ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(i) α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(j) その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
ポリマーラテックスは市販もされており、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、ダイセル化学工業(株)製セビアンA-4635,4718,4601、日本ゼオン(株)製Nipol Lx811、814、821、820、855(P-17:Tg36℃)、857x2(P-18:Tg43℃)、大日本インキ化学(株)製Voncoat R3370(P-19:Tg25℃)、4280(P-20:Tg15℃)、日本純薬(株)製ジュリマーET-410(P-21:Tg44℃)、JSR(株)製AE116(P-22:Tg50℃)、AE119(P-23:Tg55℃)、AE121(P-24:Tg58℃)、AE125(P-25:Tg60℃)、AE134(P-26:Tg48℃)、AE137(P-27:Tg48℃)、AE140(P-28:Tg53℃)、AE173(P-29:Tg60℃)、東亞合成(株)製アロンA-104(P-30:Tg45℃)、高松油脂(株)製NS-600X、NS-620X、日信化学工業(株)製ビニブラン2580、2583、2641、2770、2770H、2635、2886、5202C、2706などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリエステル類の例としては、大日本インキ化学(株)製FINETEX ES650、611、675、850、イーストマンケミカル製WD-size、WMS、高松油脂(株)製A-110、A-115GE、A-120、A-121、A-124GP、A-124S、A-160P、A-210、A-215GE、A-510、A-513E、A-515GE、A-520、A-610、A-613、A-615GE、A-620、WAC-10、WAC-15、WAC-17XC、WAC-20、S-110、S-110EA、S-111SL、S-120、S-140、S-140A、S-250、S-252G、S-250S、S-320、S-680、DNS-63P、NS-122L、NS-122LX、NS-244LX、NS-140L、NS-141LX、NS-282LX、東亞合成(株)製アロンメルトPES-1000シリーズ、PES-2000シリーズ、東洋紡(株)製バイロナールMD-1100、MD-1200、MD-1220、MD-1245、MD-1250、MD-1335、MD-1400、MD-1480、MD-1500、MD-1930、MD-1985、住友精化(株)製セポルジョンESなどが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリウレタン類の例としては、大日本インキ化学(株)製HYDRAN AP10、AP20、AP30、AP40、101H、Vondic 1320NS、1610NS、大日精化(株)製D-1000、D-2000、D-6000、D-4000、D-9000、高松油脂(株)製NS-155X、NS-310A、NS-310X、NS-311X、第一工業製薬(株)製エラストロンなどが挙げられる(いずれも商品名)。
ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、LX410、LX430、LX435、LX110、LX415A、LX438C、2507H、LX303A、LX407BPシリーズ、V1004、MH5055(以上日本ゼオン(株)製)などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリ塩化ビニル類の例としては、日本ゼオン(株)製G351、G576、日信化学工業(株)製ビニブラン240、270、277、375、386、609、550、601、602、630、660、671、683、680、680S、681N、685R、277、380、381、410、430、432、860、863、865、867、900、900GT、938、950などが挙げられる(いずれも商品名)。ポリ塩化ビニリデン類の例としては、旭化成工業(株)製L502、L513、大日本インキ化学(株)製D-5071など挙げられる(いずれも商品名)。ポリオレフィン類の例としては、三井石油化学(株)製ケミパールS120、SA100、V300(P-40:Tg80℃)、大日本インキ化学(株)製Voncoat 2830、2210、2960、住友精化(株)製ザイクセン、セポルジョンG、共重合ナイロン類の例としては、住友精化(株)製セポルジョンPA、などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリ酢酸ビニル類の例としては、日信化学工業(株)製ビニブラン1080、1082、1085W、1108W、1108S、1563M、1566、1570、1588C、A22J7-F2、1128C、1137、1138、A20J2、A23J1、A23J1、A23K1、A23P2E、A68J1N、1086A、1086、1086D、1108S、1187、1241LT、1580N、1083、1571、1572、1581、4465、4466、4468W、4468S、4470、4485LL、4495LL、1023、1042、1060、1060S、1080M、1084W、1084S、1096、1570K、1050、1050S、3290、1017AD、1002、1006、1008、1107L、1225、1245L、GV-6170、GV-6181、4468W、4468Sなどが挙げられる(いずれも商品名)。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
受容層を水系の塗布液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
ポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は−30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃程度が好ましい。最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は一時可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)に記載されている。好ましい造膜助剤は以下の化合物であるが、本発明で用い得る化合物は以下の具体例に限定されるものではない。
Z−1:ベンジルアルコール
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
Z−4:ジエチレングルコール
ポリマーラテックスの好ましい例としては、ポリ乳酸エステル類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアセタール類、SBR類、ポリ塩化ビニル類を挙げることができ、この中でも、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリ塩化ビニル類を含むことが最も好ましい。
ポリマーラテックスは、ポリマーラテックスとともにいかなるポリマーも併用しても良い。併用することのできるポリマーとしては、透明又は半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、ポリアミド類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
本発明に用いられるバインダーは、加工脆性と画像保存性の点でガラス転移温度(Tg)が−30℃〜70℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは−10℃〜50℃の範囲、さらに好ましくは0℃〜40℃の範囲である。バインダーとして2種以上のポリマーをブレンドして用いることも可能で、この場合、組成分を考慮し加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。また、相分離した場合やコア−シェル構造を有する場合には加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。
このガラス転移温度(Tg)は下記式で計算することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用できる。
バインダーとして用いられるポリマーは、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、アニオン重合法、カチオン重合等により容易に得ることができるが、ラテックスとして得られる乳化重合法が最も好ましい。また、ポリマーを溶液中で調製し、中和するか乳化剤を添加後に水を加え、強制的に撹拌により水分散体を調製する方法も好ましい。乳化重合法は、例えば、水、或いは、水と水に混和し得る有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン等)との混合溶媒を分散媒とし、分散媒に対して5〜150質量%のモノマー混合物と、モノマー総量に対して乳化剤と重合開始剤を用い、30〜100℃程度、好ましくは60〜90℃で3〜24時間、攪拌下重合させることにより行われる。分散媒、モノマー濃度、開始剤量、乳化剤量、分散剤量、反応温度、モノマー添加方法等の諸条件は、使用するモノマーの種類を考慮し、適宜設定される。また、必要に応じて分散剤を用いることが好ましい。
乳化重合法は、一般的には次に示す文献に従って行うことができる。奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)。本発明に用いられるポリマーラテックスを合成する乳化重合法において、一括重合法、モノマー(連続・分割)添加法、エマルジョン添加法、シード重合法などを選択することができ、ラテックスの生産性の観点から一括重合法、モノマー(連続・分割)添加法、エマルジョン添加法が好ましい。
ポリマーラテックスは、その塗布液における溶媒として、水系溶媒を用いることができるが、水混和性の有機溶媒を併用してもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミド等を挙げることができる。これら有機溶媒の添加量は、溶媒の50質量%以下、より好ましくは30質量%以下であることが好ましい。
ポリマーラテックスは、ポリマー濃度がラテックス液に対して10〜70質量%であることが好ましく、さらに20〜60質量%、特に30〜55質量%であることが好ましい。
なお、本発明の受像シートに適用するポリマーラテックスは、塗布後に溶媒の一部を乾燥させることにより形成されるゲルまたは乾燥皮膜の状態を含む。
<水溶性ポリマー>
受容層は水溶性ポリマーを含有することが好ましい。本発明に用いることのできる水溶性ポリマーは、天然高分子(多糖類系、微生物系、動物系)、半合成高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系)および合成高分子系(ビニル系、その他)であり、以下に述べるポリビニルアルコールを始めとする合成ポリマーや、植物由来のセルロース等を原料とする天然あるいは半合成ポリマーが本発明で使用できる水溶性ポリマーに該当する。なお、本発明における水溶性ポリマーには、前記ポリマーラテックスは含まれない。
本発明に用いることのできる水溶性ポリマーのうち、天然高分子および半合成高分子について詳しく説明する。植物系多糖類としては、アラビアガム、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、グアガム(Squalon製Supercolなど)、ローカストビーンガム、ペクチン、トラガント、トウモロコシデンプン(National Starch & Chemical Co.製Purity-21など)、リン酸化デンプン(National Starch & Chemical Co.製National 78-1898など)など、微生物系多糖類としては、キサンタンガム(Kelco製Keltrol Tなど)、デキストリン(National Starch & Chemical Co.製Nadex360など)など、動物系天然高分子としては、ゼラチン(Croda製Crodyne B419など)、カゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム(Croda製Cromoist CSなど)などが挙げられる(いずれも商品名)。セルロース系としては、エチルセルロース(I.C.I.製Cellofas WLDなど)、カルボキシメチルセルロース(ダイセル製CMCなど)、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル製HECなど)、ヒドロキシプロピルセルロース(Aqualon製Klucelなど)、メチルセルロース(Henkel製Viscontranなど)、ニトロセルロース(Hercules製Isopropyl Wetなど)、カチオン化セルロース(Croda製Crodacel QMなど)などが挙げられる(いずれも商品名)。デンプン系としては、リン酸化デンプン(National Starch & Chemical製National 78-1898など)、アルギン酸系としては、アルギン酸ナトリウム(Kelco製Keltoneなど)、アルギン酸プロピレングリコールなど、その他の分類として、カチオン化グアガム(Alcolac製Hi-care1000など)、ヒアルロン酸ナトリウム(Lifecare Biomedial製Hyalureなど)が挙げられる(いずれも商品名)。
好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゴム類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、セルロースエステル類、ポリアミド類であって水溶性のものである。
受容層における水溶性ポリマーの添加量は、当該受容層全体の1〜25質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
<架橋剤>
受容層に含まれる前記水溶性ポリマーは、その一部又は全部が架橋剤により架橋されていることが好ましい。
架橋剤としては、アミノ基やカルボキシル基あるいはヒドロキシル基などと反応する基を分子内に複数含有すればよく、水溶性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用いられ、架橋剤の種類については特に限定されない。T.H.James著,“THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION”(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊),77〜87頁に記載の各方法や、米国特許第4,678,739号明細書第41欄、特開昭59−116655号公報、同62−245261号公報、同61−18942号公報等に記載の架橋剤が使用に適している。無機化合物の架橋剤(例えば、クロムみょうばん、ホウ酸及びその塩)および有機化合物の架橋剤のいずれも好ましい。また、特開2003−231775号公報記載のpHが1〜7であるキレート化剤とジルコニウム化合物とを含む混合水溶液からなる架橋剤を使用していてもよい。
架橋剤は、水溶性ポリマー溶液にあらかじめ混合した状態で添加してもよく、また塗布液の調製過程の最後に添加されてもよく、あるいは塗布する直前に添加することもできる。
受容層中の水溶性ポリマーは、架橋剤の種類によっても異なるが、水溶性ポリマーに対して、0.1〜20質量%架橋されていることが好ましく、1〜10質量%架橋されていることがより好ましい。
本発明に用いられる架橋剤の使用量としては、水溶性バインダーや架橋剤の種類により変化するが、概ね含まれる構成層の水溶性ポリマー100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、さらには1〜10質量部であることがより好ましい。
<紫外線吸収剤>
また、本発明では耐光性を向上するために受容層に紫外線吸収剤が添加してもよい。このとき、紫外線吸収剤を高分子量化することで受容層に固定でき、インクシートへの拡散や加熱による昇華・蒸散などを防ぐことができる。
紫外線吸収剤としては、情報記録分野において広く知られている各種紫外線吸収剤骨格を有する化合物を使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾトリアジン型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン型紫外線吸収剤骨格を有する化合物を挙げることができる。紫外線吸収能(吸光係数)・安定性の観点では、ベンゾトリアゾール型、トリアジン骨格を有する化合物が好ましく、高分子量化・ラテックス化の観点ではベンゾトリアゾール型、ベンゾフェノン型の骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、特開2004−361936号公報などに記載された紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤は、紫外域に吸収をもち、可視領域に吸収端がかからないことが好ましい。具体的には、受容層に添加して感熱転写受像シートを形成したとき、370nmの反射濃度がAbs0.5以上になることが好ましく、380nmの反射濃度がAbs0.5以上になることが更に好ましい。また、400nmの反射濃度がAbs0.1以下であることが好ましい。なお、400nmを超える範囲での反射濃度が高いと画像が黄ばむため好ましくない。
<離型剤>
また、受容層には、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合することもできる。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤フッ素系化合物を用いることができるが、特にシリコーンオイルが好ましく用いられる。シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが好ましく用いられるが、中でもビニル変成シリコーンオイルとハイドロジェン変成シリコーンオイルとの反応物が良い。離型剤の添加量は、受容ポリマーに対して0.2〜30質量部が好ましい。
受容層の塗布量は、0.5〜10g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましい。受容層の膜厚は1〜20μmであることが好ましい。
(断熱層)
断熱層は、サーマルヘッドを用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い熱転写受像シートを得ることができる。断熱層は1層でも2層以上でも良い。断熱層は、受容層より支持体側に設けられる。
受像シートにおいて、断熱層は中空ポリマーを含有するのが好ましい。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
これらの中空ポリマーは、中空率が20〜70%程度のものが好ましく、必要に応じて2種以上混合して使用することができる。前記1)の具体例としてはローアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記2)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記3)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。断熱層に用いられる中空ポリマーはラテックス化されていてもよい。
中空ポリマーを含む断熱層中にはバインダー樹脂として水分散型樹脂または水溶解型樹脂をバインダーとして含有することが好ましい。本発明で使用されるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セルロース誘導体、カゼイン、デンプン、ゼラチンなどの公知の樹脂を用いることができる。またこれらの樹脂は単独又は混合して用いることができる。
断熱層における中空ポリマーの固形分含有量は、バインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき5〜2000質量部の間であることが好ましい。また、中空ポリマーの固形分の塗工液に対して占める質量比は、1〜70質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。中空ポリマーの比率が少なすぎると十分な断熱性をえることができず、中空ポリマーの比率が多すぎると中空ポリマー同士の結着力が低下し、処理中に粉落ち、または膜はがれなどの問題を生じる。
中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。また、中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
受像シートは、断熱層に、中空ポリマー以外に、有機溶剤に耐性の無い樹脂の水分散液を含まない。有機溶剤に耐性の無い樹脂(色素染着性樹脂)を断熱層に含むと、画像転写後の画像にじみが増大するため好ましくない。これは、断熱層に色素染着性樹脂および中空ポリマーが存在することで、転写後、受容層に染着した色素が、経時で、隣接した断熱層を介して色素の移動が起こるためであると考えられる。
ここで、「有機溶剤に耐性の無い」とは、有機溶剤への溶解度が1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であることをいう。例えば前記ポリマーラテックスは、「有機溶剤に耐性の無い樹脂」に含まれる。
また、断熱層は前記の水溶性ポリマーを含有することが好ましい。好ましく用いることができる化合物は前記と同様である。
断熱層における水溶性ポリマーの添加量は、当該断熱層全体の1〜75質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましい。
断熱層には、ゼラチンを含むことが好ましい。断熱層のゼラチンの塗工液に占める量は0.5〜14質量%が好ましく、1〜6質量%が特に好ましい。また、断熱層における前記中空ポリマーの塗布量は1〜100g/m2が好ましく、5〜20g/m2がより好ましい。
また、断熱層に含まれる水溶性ポリマーは、架橋剤により架橋されていることが好ましい。好ましく用いることができる架橋剤およびその使用量の好ましい範囲は前記と同様である。
断熱層中の水溶性ポリマーは、架橋剤の種類によっても異なるが、水溶性ポリマーに対して、0.1〜20質量%架橋されていることが好ましく、1〜10質量%架橋されていることがより好ましい。
中空ポリマーを含む断熱層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
(下地層)
受容層と断熱層との間には下地層が形成されていてもよく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。これらの層については、例えば特許第3585599号明細書、特許第2925244号明細書などに記載されたものと同様の構成とすることができる。
(支持体)
本発明では、支持体として耐水性支持体を用いることが好ましい。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙を用いることができる。
−コート紙−
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
前記原紙等の表面に塗工する樹脂としては、熱可塑性樹脂を使用することが適当である。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の(イ)〜(チ)の熱可塑性樹脂を例示することができる。
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと、他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡(株)製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王(株)製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ(株)製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学(株)製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業(株)製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂(いずれも商品名)等が挙げられる。
(ハ)ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記熱可塑性樹脂には、増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料や染料等を必要に応じて含有させておくことができる。
−ラミネート紙−
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオレフィンは、一般に低密度ポリエチレンを用いて形成することが多いが、支持体の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのが好ましい。特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。
前記高密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレンとのブレンドは、例えば、ブレンド比率(質量比)1/9〜9/1で用いられる。該ブレンド比率としては、2/8〜8/2が好ましく、3/7〜7/3がより好ましい。該支持体の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、支持体の裏面は、例えば、高密度ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。ポリエチレンの分子量としては、特に制限はないが、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出し適性を有するものが好ましい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、25μm〜300μmが好ましく、50μm〜260μmがより好ましく、75μm〜220μmが更に好ましい。該支持体の剛度としては、種々のものがその目的に応じて使用することが可能であり、写真画質の電子写真用受像シート用の支持体としては、カラー銀塩写真用の支持体に近いものが好ましい。
(カール調整層)
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
(筆記層・帯電調整層)
筆記層・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
以下、本発明の感熱転写受像シートの製造方法について説明する。
本発明の感熱転写受像シートは、各層をロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で塗布し、これを乾燥させることで作製することができる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、受容層および断熱層を支持体上に同時重層塗布することでも形成することができる。
支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば特開米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。
本発明では、上記同時重層塗布を多層構成の受像シートの製造に用いることにより、生産性を大幅に向上させると同時に画像欠陥を大幅に減少させることができる。
本発明においては複数の層は樹脂を主成分として構成される。各層を形成するための塗布液は水分散ラテックスであることが好ましい。各層の塗布液に占めるラテックス状態の樹脂の固形分重量は5〜80%の範囲が好ましく20〜60%の範囲が特に好ましい。上記水分散ラテックスに含まれる樹脂の平均粒子サイズは5μm以下であり1μm以下が特に好ましい。上記水分散ラテックスは必要に応じて界面活性剤、分散剤、バインダー樹脂など公知の添加剤を含むことができる。
本発明では米国特許2,761,791号明細書に記載の方法で支持体上に複数の層の積層体を形成した後速やかに固化させることが好ましい。一例として樹脂により固化する多層構成の場合、支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を上げることが好ましい。またゼラチンなど低温でゲル化するバインダーを含む場合には支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を下げることが好ましい場合もある。
本発明においては多層構成を構成する1層あたりの塗布液の塗布量は1g/m2〜500g/m2の範囲が好ましい。多層構成の層数は2以上で任意に選択できる。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。
本発明の感熱転写受像シートを用いた画像形成方法において、熱転写画像形成の際に、上述した本発明の感熱転写受像シートと併せて使用される感熱転写シート(インクシート)は支持体上に拡散転写染料を含む色素層を設けたものであり、任意のインクシートを使用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所製、商品名、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
本発明は、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。
本願の熱転写記録システムは、あらゆる形態の画像データを元にハードコピーを出力するためのものである。画像データをハードコピーする場合、従来は例えば入力装置をデジタルカメラとした場合、デジタルカメラをパーソナルコンピューターに接続し、該パーソナルコンピューターをプリンターに接続し、パーソナルコンピューターに搭載したのプリンタードライバーでプリンターを制御することにより画像を出力するのが一般的であった。また、該パーソナルコンピューターにおいて必要に応じて画像処理を行った後に画像を出力するという方法も広く行われていた。つまりプリンターの他にコンピューターの所有が前提となっており、また画像出力のたびごとにコンピューターを起動するという煩雑な作業が必要で、コスト、即時性の点から問題となっていた。
このような問題に着目しデジタルカメラ内で画像を記録する脱着自在のメモリーカード(CFカード、スマートメディア、SDカード、メモリースティック、xdピクチャーカード等)のスロットをプリンターに設けパーソナルコンピューターを介さずデジタルカメラからメモリーカードによって直接プリンターに画像データを取り込んで画像出力する方法が提案されてるがこのような方法を併用したシステムは本発明にとってより好ましい。
また同様の問題に着目しデジタルカメラを直接にプリンターに接続し、デジタルカメラが装備している表示装置、スイッチでプリンターを制御する方法も提案されているがこの方法を併用したシステムは本発明にとってより好ましい。
本願の熱転写記録システムは、あらゆる形態の画像データを元にハードコピーを出力するためのものであるから、画像データはインターネット経由で入手する事も可能である。プリンターにADSL回線を接続できるようにすることは本発明のシステムにとってより好ましい。
また本システム内に画像補正、画像処理機能を保持させることは好ましい態様である。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例
(インクシートの作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルム背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m)した。
イエロー組成物
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタ組成物
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアン組成物
シアン染料(ソルベントブルー63) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
実施例1
1.受層シートの作製
(支持体の作製)
アカシアからなるLBKP50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
ついで前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC製CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC製 DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製サイズパインK)O.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製:アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール((株)クラレ製:KL−118)を1g/m2塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は157g/m2で抄造し、厚さ160μmの原紙(基紙〕を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側に、コロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いてMFR(メルトフローレート;以下同様)16.0g/10分、密度0.96g/cm3の高密度ポリエチレン(ハイドロタルサイト(商品名DHT−4A、協和化学工業
(株)製)250ppmと、二次酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、商品名:イルガフォス168、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、200ppmを含有)と、MFR
4.0g/10分、密度0.93g/cmの低密度ポリエチレンと、を75/25(質量比)の割合で配合した樹脂組成物を、厚さ21g/m2となるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した(以下、この熱可塑性樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナジル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように塗布した。続いて表面にコロナ処理し10質量%の酸化チタンを有するMFR 4.0g/10分、密度0.93g/m2の低密度ポリエチレンを27g/m2になるように溶融押出機を用いてコーティングし、鏡面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
(乳化物の作成)
乳化分散物Aを以下の手順で調製した。後掲の化合物A−6を高沸点溶媒(Solve-1) 42グラム及び酢酸エチル20mlに溶解し、この液を1gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む20質量%ゼラチン水溶液250g中に高速攪拌乳化機(ディゾルバー)で乳化分散し、水を加えて380gの乳化物Aの調整を行った。
化合物A−6の添加量は乳化物A中に30mmolとなるようにした。
Figure 2007230037
Figure 2007230037
Figure 2007230037
(受像シートの作成)
上記のように作成した支持体上に下層から順に下塗層1、下塗層2、断熱層、受像層の構成の多層構成塗布物を作成した。塗工液の組成と塗布量を以下に示す。
下塗層1塗工液
(組成)
・ゼラチン 3% 水溶液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1%加えた水溶液。
・NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 11ml/m
下塗層2塗工液
(組成)
・スチレンブタジエンラテックス 60部
(日本エイアンドエル社製 SR103 )
・PVA 6% 水溶液 40部
・NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 11ml/cm
断熱層塗工液
(組成)
・中空ポリマーラテックス 60部
(日本ゼオン製 MH5055)
・10%ゼラチン水溶液 20部
・先に調製した乳化物A 20部
・NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 45ml/m
受容層塗工液
(組成)
・塩ビを含むポリマーラテックス 50部
(ヒ゛ニフ゛ラン900 商品名 :日信化学(株)社製 )
・塩ビを含むポリマーラテックス 20部
(ヒ゛ニフ゛ラン276 商品名 :日信化学(株)社製 )
・10%ゼラチン水溶液 10部
・先に調製した乳化物A 10部
・マイクロクリスタリンワックス 5部
(日本製蝋製 EMUSTAR-42X)
・水 5部
・NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 18ml/m
(画像形成)
作製した受像シートは25℃60%雰囲気下で10日保存した。
その後、参考例のインクシートと、前記受像シートとを、日本電産コパル社製昇華型プリンターDPB1500(商品名)に装填可能なように加工した。使用済み熱転写シート巻き取りロール以後の構造を改造して図1の構造のシステムを作製しこれを一つの筐体内に収納したユニットを作製した。これにより使用済み熱転写シートは細かく裁断されるため、残存するネガ像の情報を読み取れなくするという目的を達成した。
(実施例2)
実施例1と同じ方法で作製したインクシートと受像シートを、日本電産コパル社製昇華型プリンターDPB1500(商品名)に装填可能なように加工した。使用済み熱転写シート巻き取りロール以後の構造を改造して図2のシステムを作製しこれを一つの筐体内に収納したユニットを作製した。ネガ像処理用熱転写受像シートにも、実施例で作製した受像シートを用いた。これにより熱転写シート残存するネガ像の情報はすべてネガ像処理用の熱転写受像シートに転写されその後にシュレッダー処理されるため、残存するネガ像の情報を読み取れなくするという目的を達成した。
(実施例3)
実施例1と同じ方法で作製したインクシートと受像シートを、日本電産コパル社製昇華型プリンターDPB1500(商品名)に装填可能なように加工した。使用済み熱転写シート巻き取りロール以後の構造を改造して図3のシステムを作製しこれを一つの筐体内に収納したユニットを作製した。黒色インク供与体としてはコーティングローラーをもちい、黒色インクとしては公知のものを用いた。これにより熱転写シート残存するネガ像はすべて黒く塗りつぶされ、残存するネガ像の情報を読み取れなくするという目的を達成した。
(実施例4)
実施例1と同じ方法で作製したインクシートと受像シートを、日本電産コパル社製昇華型プリンターDPB1500(商品名)に装填可能なように加工した。使用済み熱転写シート巻き取りロール以後の構造を改造して図4のシステムを作製しこれを一つの筐体内に収納したユニットを作製した。接着剤としては市販の2液組成型のアロンアルファ(東亜合成製)を用いた。これにより使用済み熱転写シートは接着して巻き取りロールからはがせなくなり、残存するネガ像の情報を読み取れなくするという目的を達成した。
請求項2に従うシステムの模式図である。 請求項3に従うシステムの模式図である。 請求項4に従うシステムの模式図である。 請求項5に従うシステムの模式図である。
符号の説明
1 熱転写シート送り出しロール
2 熱転写受像シート送り出しロール
3 画像出力用サーマルヘッド
4 プラテンローラー
5 熱転写受像シート
6 熱転写シート
7 熱転写シート搬送ローラー
8 シュレッダー
21 熱転写受像シート送り出しロール
22 熱熱転写シート送り出しロール
23 画像出力用サーマルヘッド
24 プラテンローラー
25 熱転写受像シート
26 熱転写シート
27 熱転写シート搬送ローラー
28 熱転写受像シート(ネガ像処理用)
29 ネガ像処理用発熱体またはサーマルヘッド
210 使用済み熱転写シート巻き取りロール
211 シュレッダー
31 熱転写シート送り出しロール
32 熱転写受像シート送り出しロール
33 画像出力用サーマルヘッド
34 プラテンローラー
35 熱転写受像シート
36 熱転写シート
37 熱転写シート搬送ローラー
38 黒色インク供給要素
39 使用済み熱転写シート巻き取りロール
41 熱転写シート送り出しロール
42 熱転写受像シート送り出しロール
43 画像出力用サーマルヘッド
44 プラテンローラー
45 熱転写受像シート
46 熱転写シート
47 熱転写シート搬送ローラー
48 2組成混合型の接着剤コーティングローラー
49 2組成混合型の接着剤コーティングローラー
410 使用済み熱転写シート巻き取りロール

Claims (10)

  1. 基材シートの少なくとも一方の面に染料層を有する熱転写シートと、基材シートの少なくとも一方の面に染料受容層を有する熱転写受像シートからとから構成され、該染料層と該受容層とを重ね合わせた後、加熱手段により該染料層中の染料を該染料受容層に転写可能な熱転写記録システムにおいて、感熱転写後の熱転写シートの巻き取り前、ないしはシステム外に排出する前の段階で、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段を設けたことを特徴とする熱転写記録システム。
  2. 請求項1において、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段として、熱転写シートを切断することを特徴とする熱転写記録システム。
  3. 請求項1において、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段として、転写後の染料層中に残存する染料を除去することを特徴とする熱転写記録システム。
  4. 請求項1において、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段として、転写後の染料層の一部または全部に染料を追加する熱転写記録システム。
  5. 請求項1において、転写後の染料層中に残存する転写画像のネガ像の情報を実質的に読み取れなくする手段として、転写後の熱転写シートの染料層と裏面とを接着させることを特徴とする熱転写記録システム。
  6. 請求項1〜5において、画像情報を有する記録媒体から画像情報を熱転写記録システムに入力して画像形成することを特徴とする熱転写システム。
  7. 請求項1〜5において、デジタルカメラの画像情報を、デジタルカメラから直接入力して画像形成することを特徴とする熱転写システム。
  8. 請求項1〜5において、インターネットを用いて画像情報を入力して、画像形成することを特徴とする熱転写システム。
  9. 請求項6〜8において、画像情報を、画像処理してから入力し、画像形成することを特徴とする熱転写システム。
  10. 請求項1〜9において、熱転写シートが、基材上に「断熱層」、「受容層」を設けた熱転写用受像シートであり、該「断熱層」が、中空ポリマーを有し、かつ、該中空ポリマー以外に、有機溶剤に耐性の無い樹脂の水分散液を含まず、該「受容層」が、水系ラテックス樹脂を有する、ことを特徴とする熱転写用受像シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011110859A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Sato Knowledge & Intellectual Property Institute 熱転写リボンおよび熱転写リボンの残存情報漏洩防止方法
JP2011212952A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Dainippon Printing Co Ltd 昇華型熱転写方法及び情報漏洩防止システム
JP2013028069A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Dainippon Printing Co Ltd Icカード

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