JP2007229825A - 微小電気機械構造、その製造方法および微小電気機械素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 経済性、高速応答性を実現できる微小電気機械構造を提供すること。
【解決手段】 微小電気機械構造1は、その一部または全部が外郭3によって中空内部2が形成された形状の筒状構造により構成される、いわば「擬似厚膜構造」である。筒状構造の外郭3は半導体電子回路製造の可能な製造装置を用いてなされる薄膜製造過程により効果的に形成することができ、軸方向が単一方向上にある方形の微小電気機械構造1が得られる。これとベース9、おもり8によりMEMS加速度センサを構成できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は微小電気機械構造、その製造方法および微小電気機械素子に係り、特に、半導体電子回路製造装置をそのまま援用でき、微小電気機械素子の経済性、高速応答性、高機能化および高信頼化を実現可能な、微小電気機械構造、その製造方法および微小電気機械素子に関する。
微小電気機械素子(Micro Electro−Mechanical Systems:MEMS)は、シリコン半導体デバイス製造技術、構造を援用して、微小な電気機械構造を形成したものである。中でも加速度センサは、バネに支持された重り構造に加速度が作用することによって発生する慣性力と、この慣性力によりバネが変位して発生するバネ力とがバランスする原理を用いており、変位の時間2次微分関数である加速度を、バネ変位の原関数で計測するものである(後掲非特許文献1)。本原理によれば計測回路の簡略化が可能であり、ほとんどの加速度センサは本原理を用いている。たとえば、後掲特許文献1では、バネにSiメンブレンダイアフラムを用いる構造が提案されている。
図7は、従来の加速度センサの原理構造を示す説明図である。また、図7−2は、図7の加速度センサを構成するはり構造のバネ、すなわちはりバネの断面図である。図中、71は中実構造で形成されたはりバネ、78は重り、79はベースである。加速度(a)が重り78に作用すると、重り(質量:m)には加速度の反対方向に慣性力による力(F)が作用する。はりバネ71の加速度と反対方向のバネ定数(k)と、その方向の変位(x)によりバネ力による反力(F)が作用してFとバランスする。つまり、F=ma=kx=F となることから、a=(k/m)x となり、はりバネ71の変位を計測することで加速度が測定できる。加速度は一般に変位の時間2次微分の形式であり(a=dx/dt)、これを直接計測するには変位の時間変化を記録して計算することが必要となり、煩雑な処理回路が必要となるが、バネ構造を用いることによって、簡便に加速度の測定ができることから、多くの構造の加速度センサに本原理が採用されているものである。
特開平5−63212「半導体装置の製造方法」 「マイクロ・ナノマシン技術」藤田博之著、工業調査会
さて、図7に示すような従来のバネ構造は通常、厚みが10〜100μmとなっている。バネ構造は繰り返し荷重により負荷が印加され、材料の疲労現象によりセンサの信頼性が低下したり、破壊されたりする。疲労現象は材料組成そのものよりも、多結晶で構成される材料の結晶粒界に負荷が集中することでおきる。MEMS構造体で用いられる10〜100μmの膜厚においては、めっきによる厚膜が工業的に広く用いられているが、膜密度が低く、多結晶の粒界に外部負荷が集中して疲労強度が低下する欠点があるため、MEMSの構造膜としての応用には限界がある。このため、バネなどのマイクロ機械構造材料としては、結晶性に優れる単結晶Siが広く用いられている。単結晶Siは、半導体デバイス産業分野において材料技術、加工技術が完成度高く構築されており、これら周辺技術を援用できることも、広く用いられている一因となっている。
しかし、本来、Si半導体加工技術はデバイスの平坦化構造技術に併せて構築されてきたものであり、その加工深さ(膜厚)は装置性能、加工技術ともに1μmの程度である。このため10〜100μmを構成単位(膜厚)とするMEMS構造化への応用には種々の制限がある。たとえば、上記特許文献1(特開平5−63212)においては、加速度検知の特性に影響する基本性能である膜厚の制御が問題であることが明示されており、複雑なプロセスを用いることによって、これを回避している。
さらに、このようなSi基板を加工して得られるMEMS構造体は、構造そのものを形成するには、加工技術、材料特性の観点からは優れているものの、本来のSi基板上に形成すべき計測、制御などの半導体電子回路との共存は難しい。このため、全く別の工程、基板で作製したMEMS構造体と半導体電子回路を、電気機械的に貼り合わせてシステム化する手法が一般的に用いられている。しかしこの方法では、表面実装方式(SMD)、あるいはチップボンディング構造のデバイスとならざるを得ず、小型化には不利である。
一方、近年は、RF−IDを用いたユビキタス環境でのセンシングが望まれており、小型であり、かつ、MEMSセンサ構造体、計測・制御電子回路、外部入出力回路などが同一チップに配置されるシステム・オン・チップ(System on Chip:SoC)構造化の要請が高い。
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点および状況に鑑み、半導体電子回路製造装置を援用でき、構造化材料の選択性の拡大、構造化プロセスの簡略化および低温化、半導体電子回路とのSoC化を可能とし、それにより微小電気機械素子の経済性、高速応答性、高機能化、高信頼化を実現することのできる、微小電気機械構造とその製造方法、および微小電気機械素子を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、内部を中空とする筒状構造にて微小電気機械構造を形成することに基づいて上記課題の解決が可能であることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
(1) 微小電気機械素子を構成するための微小電気機械構造であって、該構造はその一部または全部が、内部が中空である筒状構造により形成されていることを特徴とする、微小電気機械構造。
(2) 半導体電子回路製造の可能な製造装置を用いて製造される薄膜からなる筒状構造により、擬似厚膜構造が形成されていることを特徴とする、(1)に記載の微小電気機械構造。
(3) 軸方向が単一方向上にある一または複数の前記筒状構造を備えてなることを特徴とする、(1)または(2)に記載の微小電気機械構造。
(4) 軸方向が異なる二以上の前記筒状構造が二次元的に配置されてハニカム状に形成されていることを特徴とする、(1)または(2)記載の微小電気機械構造。
(5) (3)に記載の微小電気機械構造からなる、はりバネ。
(6) (4)に記載の微小電気機械構造からなる、メンブレンダイアフラム構造のバネ。
(7) (1)ないし(4)のいずれかに記載の微小電気機械構造を用いてなる、微小電気機械素子。
(8) (5)に記載のはりバネまたは(6)に記載のメンブレンダイアフラム構造のバネをベース上に固設し、該はりバネまたはバネにおもりを取り付けてなることを特徴とする、MEMS加速度センサ。
(9) 中空部分に相当する構造体を犠牲層として形成し、これを被覆するように該犠牲層よりも膜厚の小さい薄膜を形成し、最後に該犠牲層を除去して、該薄膜からなる外郭により内部に中空構造が形成された筒状構造を得ることを特徴とする、微小電気機械構造の製造方法。
(10) 前記犠牲層として高分子材料を用い、電子サイクロトロン共鳴プラズマ成膜技術を用いることにより、内部が中空である筒状構造を形成することを特徴とする、(9)に記載の微小電気機械構造の製造方法。
つまり本発明の微小電気機械構造は、10〜100μmを基本単位(膜厚)とする構造体を、サブμmの薄膜からなる外郭構造により内部に中空構造が形成された筒状構造でもって形成することを基本とするものである。
本発明における微小電気機械構造に係る筒状構造としては、断面形状が四角形の角筒状の筒状構造を、製造面からも、好適に用いることができる。しかし本発明は特に角筒状の筒状構造に限定されるものではなく、たとえばその他の多角形、円形その他の断面形状を有する筒状構造も、本発明から排除されず、本発明の範囲内である。
本発明の微小電気機械構造、その製造方法、および微小電気機械素子は上述のように構成されるため、これによれば、半導体集積回路の製造を目的に高品位の薄膜を形成する装置や当該加工技術をそのまま援用でき、構造化材料の選択性の拡大、構造化プロセスの簡略化および低温化、半導体電子回路とのSoC化を可能とし、それにより微小電気機械素子の経済性、高速応答性、高機能化、高信頼化を実現することができる。
特にプロセスの簡略化および低温化については、薄膜形成に、1000℃級で成膜する従来の成膜手法と同等の品質の薄膜を室温で形成できる電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance:ECR)プラズマを用いることによって、これらを可能とし、ひいては半導体電子回路とのSoC化を可能とすることができる。
また、構造化材料の選択性の拡大については、従来は単結晶Siを材料とすることに限定されていた構造体を、種々の金属膜、金属化合物膜に置き換えることが可能であるため、構造化のプロセス、必要とされる機械特性、使用される環境に合わせた材料選択などに応じた微小電気機械素子を作製することが可能になる。したがって、微小電気機械素子の経済性、高速応答性、高機能化、高信頼化を実現することができる。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の微小電気機械構造の実施例およびそれを用いた微小電気機械素子の構成を示す斜視図である。また、
図1−2は、図1の微小電気機械素子を構成するはり構造のバネ、すなわちはりバネの断面図である。これらに例示するように本微小電気機械構造1は、加速度センサ等の微小電気機械素子を構成するための構造であって、該構造1は、その一部または全部が外郭3によって中空内部2が形成された形状の筒状構造によりなることを、主たる構成とする。
かかる構造は、従来の中実構造のもの(図7等参照)との比較において、「擬似厚膜構造」であるともいえる。そして該筒状構造の外郭3は、半導体電子回路製造の可能な製造装置を用いてなされる薄膜製造過程により効果的に形成することができ、軸方向が単一方向上にある方形の微小電気機械構造1とすることができる。
図1に例示した本発明微小電気機械素子はMEMS加速度センサであるが、前記微小電気機械構造1はすなわちこの場合、中空構造で形成されたはりバネとして機能し、該はりバネ1はベース9上に固設され、さらにおもり8が取り付けられて、MEMS加速度センサが構成される。上述したように本発明に係るはりバネ1は中実ではなく、一定膜厚の薄膜によりなる外郭3によって形成される中空構造2をもって、これが構成されている。
かかる構成により該加速度センサでは、加速度(a)が重り8に作用すると、重り(質量:m)には加速度の反対方向に慣性力による力(F)が作用し、はりバネ1の加速度とは反対方向に、バネ定数(k)とその方向の変位(x)によってバネ力による反力(F)が作用して、Fとバランスする。つまり、F = ma = kx = F となることから、a = (k/m)x となり、はりバネ1の変位を計測することによって加速度を測定することができる。
つまり加速度の測定原理自体は、図7等により説明した従来構造と異なるものではないが、本発明の構成により素子の性能は大いに高められる。以下、計算結果等を用いて説明する。
図2は、本発明の微小電気機械構造における中空構造肉厚と断面二次モーメントの計算結果を示すグラフである。はり構造のバネ定数は構造の断面二次モーメントの平方根(I)に比例する。図7等に示した従来の中実構造(幅b、高さh)はりバネにおける断面二次モーメントをIとし、図1等に示した本発明の中空構造(幅b、高さh、肉厚t)はりバネにおける断面二次モーメントをIとすると、各モーメントはそれぞれ下式により求められる。
= b(h/12
= {b(h−(b−2t)(h−2t}/12
はりバネの材料はSiとした。また、重りの材料もSiとし、サイズを500x1000x50(μm)とした。図示するように本計算結果によれば、従来の20μmの正方形断面の中実はりバネは、肉厚0.2μm、外寸法47μm正方形断面の本発明中空はりバネと同じ断面二次モーメントとなることがわかる。つまり、従来の中実構造のはりバネを中空構造で置き換えて、同じバネ振幅のMEMS加速度センサが実現可能であることが示された。
図3は、図1に示した実施例素子と従来素子の振動応答特性を示すグラフであり、加速度の周波数に対するはりバネの振幅応答特性のシミュレーション結果を示したものである。シミュレーションでは1次の基本振動に加え、4次までの高次振動を考慮している。はりバネ材料はSiとし、断面寸法は、中実はりは17.5μmの正方形、中空はりは幅35μm、高さ50μm、肉厚0.2μmとし、ともに断面二次モーメントと長さ(300μm)を等しくした。はりバネの共振周波数は、一般的に用いられる基本振動モードに対しては、中実で300kHz、中空で760kHzとなった。つまり本発明の中空はりバネの共振周波数は従来の中実はりバネと比べてその2倍程度であったが、実際の状況により近い、高次の振動モードを考慮したシミュレーションでは、共振周波数は3倍異なることがわかった。
また、図示されるように、振幅ゲインが+5%となる振動周波数は3桁も異なるものであった。これらのシミュレーションから、同じ断面二次モーメント(バネ定数)でも、中実構造を中空構造化することによって、高速応答すなわち高加速度への線形性が飛躍的に改善されることが示された。具体的には、高加速度領域に3桁程度、比例応答のダイナミックレンジが拡張されることが示された。
図4は、本発明の中空構造を有する微小電気機械構造について、他の実施例を示す説明図である。図示するように、断面を凹形状とした構造(A)、図1に例示した構造が複数並列して連結されている構造(B)、あるいはこれらを適宜組み合わせた構造など、あるいはその他の形状など、特に限定されずに種々の中空構造具有の微小電気機械構造を構成し、またこれらを用いて微小電気機械素子を構成することができる。これにより、加工上の制限緩和、断面二次モーメントの最適化、加振応答特性の最適化が可能となった。
また、図中(C)に示す通り、軸方向が異なる二以上の前記筒状構造が二次元的に配置されてハニカム状に形成された構造の微小電気機械構造としてもよい。つまり、方形のはりバネに限らず、中空構造を2次元的に配置したハニカム形状とすることで、幅広の板構造、メンブレンダイアフラム構造のバネにも適用することができる。
なお、微小電気機械素子の構成にあたって、ベースに対するはりバネの固定は片方端部のみでも、両端部でも、いずれでもよい。また、メンブレンダイアフラムの場合は従来通り、外周全体を固定する方法を採ることができる。
図5は、本発明に係る中空はりバネの形成工程例を示す説明図である。図示するように工程の要点は、中空部分に相当する構造体(寸法10〜100μm)を犠牲層として形成し(a)、これを取り囲むように薄膜(0.1〜1μm)を形成し((b)〜(f))、最後に犠牲層を除去して中空構造を形成する(g)というものである。本発明製造方法では、従来の中実構造と同等の膜厚寸法10〜100μmの加工方法、および犠牲層除去の際の他材料への損傷もしくは選択性の問題を解決するために、半導体集積回路の製造工程を応用した。
つまり、半導体集積回路の製造工程では高分子レジストによって元パターンを形成し、これに忠実に下地基板、薄膜をエッチング加工するが、この高分子の元パターンを犠牲層として用いることとした。これにより、該犠牲層の除去を弱アルカリ水溶液または溶剤を用いて行うことができ、他の材料への損傷を防止しつつ中空構造化を得ることができる。
また、シンクロトロン放射光リソグラフィを利用するLIGAプロセスを用いることによって、100μm級の厚膜レジストにサブμmの微細構造を形成することも可能である(参照文献:「マイクロ・ナノマシン技術」藤田博之著、工業調査会)。
ところで、一般の成膜技術において高品質の薄膜を形成するためには基板温度を300℃以上にする必要がある。これに対し、高分子レジストの一般的な耐熱温度は100〜200℃程度であり相当低温度域なのであるが、電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance : ECR)成膜を用いることによって、室温近傍の成膜温度で、従来の熱プロセスによる成膜法における1000℃級の膜質の薄膜を容易に得ることができる(参照文献:「ECRプラズマを用いたhigh−kゲート絶縁膜形成、EOTは0.9〜1.1nmを達成」齋藤・神・小野、Semiconductor FPD World 2001.10)。
つまり本発明微小電気機械構造製造方法は、中空部分に相当する構造体を犠牲層として形成し、これを被覆するように該犠牲層よりも膜厚の小さい薄膜を形成し、最後に該犠牲層を除去して、該薄膜からなる外郭により内部に中空構造が形成された筒状構造を得ることを、特徴的な構成とする。そして、該犠牲層としては適宜の高分子材料を用い、さらにECRプラズマ成膜技術を用いることによって、内部が中空である筒状構造を得ることができる。そして本製法はまた、上述のように半導体集積回路の製造工程を応用したものであることから、半導体電子回路とのシステム・オン・チップ化(SoC化)を可能とするものである。
図6は、ECRプラズマ成膜における側壁膜の形成のシミュレーション結果を示すグラフである。図では、ECRスパッタによる立体形状の底面(平坦面)への成膜膜厚のシミュレーション結果も併せて示している。ECRスパッタにおいては、円筒状の固体ターゲットから成膜原料を供給する。したがって、基板を傾斜回転させることで成膜の均一性が確保される(参照文献:特許第3208439)。従来は、基板の凹凸が成膜膜厚の程度の半導体電子回路が応用対象であったため、平坦面の膜厚のみしか考慮されていなかったが、本発明においては側壁部への成膜膜厚もシミュレーションした。
図示されるように、基板の傾斜を大きくすることによって飛躍的に側壁部への成膜膜厚が増加し、側壁部膜厚/平坦部膜厚の比が改善されることが示された。特に、傾斜角度を60°とすることにより、平坦部と側壁部の膜厚をほぼ等しくすることができることがわかった。
図1等に示した本発明実施例では、レジストに膜厚10μmのAZ−P4620(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、120℃にベイキングして通常の紫外線露光によりパターン形成した後に、ECRスパッタ成膜により、基板傾斜を50°としてSiO膜を0.2μm成膜した。続いてアセトン、エチルアルコールに浸漬して犠牲層のレジストを除去した。基板としたSi、電気配線のAlなどには全く損傷を与えることなくレジストを除去することができ、目的とする中空構造の微小電気機械構造を得ることができた。
本発明によれば、信頼性高いMEMS構造体を形成でき、周辺電子回路との一体構造化を可能として、MEMSのシステム性能を大幅に改善し、安価、高機能の微小電気機械構造を実現することができる。本発明の実施例としては、上述の通り加速度センサのはりバネを示したが、本発明はこれに限定されず、機械的、物理的に可動する構造体を有する電子、電気、化学、物理素子の構造化にも適用可能であり、産業上利用価値が高い発明である。
本発明の微小電気機械構造の実施例およびそれを用いた微小電気機械素子の構成を示す斜視図である。 図1の微小電気機械素子を構成するはり構造のバネ、すなわちはりバネの断面図である。 本発明の微小電気機械構造における中空構造肉厚と断面二次モーメントの計算結果を示すグラフである。 図1に示した実施例素子と従来素子の振動応答特性を示すグラフであり、加速度の周波数に対するはりバネの振幅応答特性のシミュレーション結果を示したものである。 本発明の中空構造を有する微小電気機械構造について、他の実施例を示す説明図である。 本発明に係る中空はりバネの形成工程例を示す説明図である。 ECRプラズマ成膜における側壁膜の形成のシミュレーション結果を示すグラフである。 従来の加速度センサの原理構造を示す説明図である。 図7の加速度センサを構成するはり構造のバネ、すなわちはりバネの断面図である。
符号の説明
1…微小電気機械構造(中空構造はりバネ)
2…中空内部
3…外郭
8…重り
9…ベース
71…微小電気機械構造(中実構造はりバネ)
78…重り
79…ベース

Claims (10)

  1. 微小電気機械素子を構成するための微小電気機械構造であって、該構造はその一部または全部が、内部が中空である筒状構造により形成されていることを特徴とする、微小電気機械構造。
  2. 半導体電子回路製造の可能な製造装置を用いて製造される薄膜からなる筒状構造により、擬似厚膜構造が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の微小電気機械構造。
  3. 軸方向が単一方向上にある一または複数の前記筒状構造を備えてなることを特徴とする、請求項1または2に記載の微小電気機械構造。
  4. 軸方向が異なる二以上の前記筒状構造が二次元的に配置されてハニカム状に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の微小電気機械構造。
  5. 請求項3に記載の微小電気機械構造からなる、はりバネ。
  6. 請求項4に記載の微小電気機械構造からなる、メンブレンダイアフラム構造のバネ。
  7. 請求項1ないし4のいずれかに記載の微小電気機械構造を用いてなる、微小電気機械素子。
  8. 請求項5に記載のはりバネまたは請求項6に記載のメンブレンダイアフラム構造のバネをベース上に固設し、該はりバネまたはバネにおもりを取り付けてなることを特徴とする、MEMS加速度センサ。
  9. 中空部分に相当する構造体を犠牲層として形成し、これを被覆するように該犠牲層よりも膜厚の小さい薄膜を形成し、最後に該犠牲層を除去して、該薄膜からなる外郭により内部に中空構造が形成された筒状構造を得ることを特徴とする、微小電気機械構造の製造方法。
  10. 前記犠牲層として高分子材料を用い、電子サイクロトロン共鳴プラズマ成膜技術を用いることにより、内部が中空である筒状構造を形成することを特徴とする、請求項9に記載の微小電気機械構造の製造方法。
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