JP2007229739A - 高強度薄鋼板のレーザーブレージング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザービームを用いて高強度薄鋼板の重ね隅肉継手を形成するレーザーブレージング方法において、重ね合わせ部の上板の下面と下板の上面との間に0.05〜0.2mmの隙間を設け、ろう材として使用するワイヤと上板の端面との間隔を0.2〜0.5mmとし、上板の上方からレーザービームを照射して重ね合わせ部の上板と下板を加熱するとともにワイヤを溶融した後、放冷することによって重ね隅肉継手を形成する。
【選択図】図1
Description
ろう付を行なう際にろう材を溶融させる方法は、加熱炉内に装入して加熱する方法、あるいはガス炎やアークを用いて加熱する方法が従来から採用されている。しかしこれらの熱源を使用すると、ろう材が溶融するまで長時間を要する。そこで、ろう付の高速化を図るために種々の技術が検討されている。
(a)接合部を局所的に加熱できる、
(b)ろう付の速度を増加できる、
(c)継手の熱歪を低減できる
等の利点がある。したがって、レーザーブレージングは自動車車体や鉄道車両等の構造部材を接合するための重ね隅肉継手の形成に採用される。
ところが既に説明した通り、レーザーブレージングでは、一般のろう付と同様に、高強度薄鋼板より融点の低いろう材(たとえば銅合金,銀合金等)を使用する。このようなろう材がレーザービームによって加熱されて溶融した後、放冷され凝固することによって得られる溶着金属は、高強度薄鋼板に比べて強度が低い。しかも高強度薄鋼板と溶着金属の強度差に加えて、重ね隅肉継手では溶着金属に応力が集中するので、荷重が作用したときに、高強度薄鋼板が変形しなくても、溶着金属が破断する惧れがある。とりわけ溶着金属に割れや孔あき等の欠陥が存在する場合は、溶着金属の破断が発生しやすくなる。
(1)上板1の上面と端面および下板2の上面にレーザービーム6を照射して、接合部の高強度薄鋼板を加熱する、
(2)レーザービーム6の照射位置にワイヤ状のろう材5を供給し、レーザービーム6でろう材5を溶融させる、
(3)溶融したろう材が溶滴となって上板1の端面および下板2の上面に接触しつつ拡がっていく、
(4)レーザービーム6が通過した後、溶融したろう材5が放冷されて凝固する
という手順で重ね隅肉継手が形成される。なお、上板1は重ね隅肉継手の上側に位置する高強度薄鋼板を指し、下板2は重ね隅肉継手の下側に位置する高強度薄鋼板を指す。
ろう材5の溶滴の濡れ性を改善する技術は、従来から種々検討されている。たとえば上板1および下板2を加熱して昇温することによって、ろう材の溶滴の濡れ性を改善することができる。しかしレーザーブレージングは、エネルギー密度の高いレーザービームを照射て局所的に加熱するものであるから、重ね合わせ部の上板1および下板2を昇温するために照射量を増加すれば、上板1や下板2が溶解してレーザーブレージングに支障(たとえば溶断等)を来たす。
以上に説明した通り、レーザーブレージングによって形成された重ね隅肉継手では、上板1と下板2との会合部の溶着金属3に孔あき欠陥が発生しやすい。特に高強度薄鋼板の重ね隅肉継手では、荷重が作用したときに高強度薄鋼板は変形しなくても、溶着金属3が破断する惧れがある。したがって高強度薄鋼板の機械的特性を十分に活かして、構造部材(たとえは自動車車体,鉄道車両等)の軽量化を図るためには、孔あき欠陥を防止し、重ね隅肉継手の強度を高める必要がある。
すなわち本発明は、レーザービームを用いて高強度薄鋼板の重ね隅肉継手を形成するレーザーブレージング方法において、重ね合わせ部の上板の下面と下板の上面との間に0.05〜0.2mmの隙間を設け、ろう材として使用するワイヤと上板の端面との間隔を0.2〜0.5mmとし、上板の上方からレーザービームを照射して重ね合わせ部の上板と下板を加熱するとともにワイヤを溶融した後、放冷することによって重ね隅肉継手を形成することを高強度薄鋼板のレーザーブレージング方法である。
図1に示すように、本発明では高強度薄鋼板の上板1の下面と下板2の上面との間に隙間D1 を設ける。隙間D1 が0.05mm未満では、レーザービーム6によって下板2に与えられた熱量が上板1へ伝導して分散されるので、重ね合わせ部の温度が上昇しない。そのため、ろう材5の溶滴が、上板1の端面と下板2の上面との会合部に形成される角部に供給され難くなる。一方、隙間D1 が0.2mmを超えると、ろう材5の溶滴が、上板1と下板2の間を十分な厚みで橋絡し難くなる。したがって、上板1の下面と下板2の上面との隙間D1 は0.05〜0.2mmの範囲内とする必要がある。隙間D1 がこの範囲を外れると、重ね隅肉継手の溶着金属3において、角部に孔あき欠陥(隙間D1 が0.05mm未満の場合)あるいは溶着不良(隙間D1 が0.2mm超えの場合)が発生し易くなる。
ワイヤ状のろう材5の直径が0.6mm未満では、十分な密着を得るために高速でろう材5を送給する必要があり、ろう材5の送給が不安定になり易い。一方、直径が1.8mmを超えると、ろう材5を溶融させ、かつ上板1と下板2を加熱するためにレーザービーム6の径を大きくする必要があり、大きいビーム径で十分なエネルギー密度を確保するのが困難となる。したがって、ワイヤ状のろう材5の直径は0.6〜1.8mmの範囲内が好ましい。
また、重ね隅肉継手の断面を観察して、孔あき欠陥や空洞の有無を調査した。その結果は表1に示す通りである。
表1から明らかなように、発明例の重ね隅肉継手(すなわち継手1〜7)は、全て外観が良好で、しかも孔あき欠陥や空洞は認められなかった。
一方、比較例の重ね隅肉継手(すなわち継手8〜13)は、全て孔あき欠陥または空洞が認められた。また、継手9,12,13の外観は、一部にろう材5の溶着が十分でない箇所があった、あるいは溶着幅が不安定であったことから、不良と評価された。
2 下板
3 溶着金属
4 孔あき欠陥
5 ろう材
6 レーザービーム
7 空洞
Claims (2)
- レーザービームを用いて高強度薄鋼板の重ね隅肉継手を形成するレーザーブレージング方法において、重ね合わせ部の上板の下面と下板の上面との間に0.05〜0.2mmの隙間を設け、ろう材として使用するワイヤと前記上板の端面との間隔を0.2〜0.5mmとし、前記上板の上方からレーザービームを照射して前記重ね合わせ部の上板と下板を加熱するとともに前記ワイヤを溶融した後、放冷することによって重ね隅肉継手を形成することを特徴とする高強度薄鋼板のレーザーブレージング方法。
- 前記ワイヤが、直径0.6〜1.8mmの銅合金からなる線材であることを特徴とする請求項1に記載の高強度薄鋼板のレーザーブレージング方法。
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JP2006052298A JP2007229739A (ja) | 2006-02-28 | 2006-02-28 | 高強度薄鋼板のレーザーブレージング方法 |
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