JP2007227872A - 圧電/電歪アクチュエータ - Google Patents

圧電/電歪アクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】 圧電体の内部に発生する最大応力が小さく、長寿命の圧電/電歪アクチュエータを提供すること。
【解決手段】 圧電/電歪アクチュエータ10は、圧電体11、複数の内部電極層12、側面電極13及び複数の電極引出部14を備えている。内部電極層は、圧電体の中央部にのみ形成されている。これにより、圧電体の中央部には活性部が形成され、圧電体の中央部を取り囲む圧電体の周部には電圧が印加されることなく圧電体が伸縮しない不活性部が形成されている。内部電極層は、圧電体の外縁から活性部までの距離(不活性部の幅)が互いに対向する一対の内部電極層間の距離である圧電体一層分の厚さ以上であり、且つ、内部電極層のそれぞれが形成されている面において不活性部の面積が同面全体の面積の50%以下となるように形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、実質的に積層された複数の圧電体の伸縮動作を利用する圧電/電歪アクチュエータに関する。
図37乃至図39に示したように、従来から知られる圧電/電歪アクチュエータ110は、略直方体或いは円筒体の圧電体111と、圧電体111の内部に互いに平行に形成された複数の内部電極層112と、圧電体111の側面に形成された一対の側面電極113と、を備えている。内部電極層112は、一対の側面電極113が形成されている圧電体111の一対の側面の何れか一方から離間するとともに、圧電体111の外径に沿うように形成され、且つ、同一対の側面の他方において側面電極113と接続されている。
このような構造により、複数の内部電極層112には極性の異なる電圧が側面電極113を通して交互に印加される。これにより、図37に矢印にて示したように、圧電体に電界が加わるので、圧電体111が伸縮する。圧電/電歪アクチュエータ110は、その伸縮をアクチュエータの発生する力として利用している。このような圧電/電歪アクチュエータは、例えば、燃料噴射弁に適用されている(特許文献1を参照。)。
特開2004−297042号公報
しかしながら、従来の圧電/電歪アクチュエータ110においては、内部電極層112が対称形状ではないので、図37に示したように、内部電極層112の端部近傍において圧電体111の軸方向(Z軸方向)以外の方向の電界が圧電体111に印加される。このため、圧電体111の端部近傍の伸縮方向が中央部の伸縮方向と相違するから、圧電体111の端部に大きな応力が発生する。この結果、圧電/電歪アクチュエータ110の寿命が低下する恐れがある。
本発明は上記課題を解決するために為されたものである。
本発明の圧電/電歪アクチュエータは、
圧電体内部に複数の内部電極層が互いに平行に形成されるとともに同複数の内部電極層に所定の電圧を印加して同圧電体を伸縮させる圧電/電歪アクチュエータであって、
前記内部電極層のそれぞれは、前記圧電体の中央部に電圧が印加されて同圧電体が伸縮する活性部と同圧電体の中央部を取り囲む同圧電体の周部であって電圧が印加されることなく同圧電体が伸縮しない不活性部とが同圧電体に形成されるように同圧電体の中央部に配置され、且つ、同圧電体の外縁から同活性部までの距離である同不活性部の幅は互いに対向する一対の内部電極層間の距離である圧電体一層分の厚さ以上であり、且つ、同内部電極層のそれぞれが形成されている面において同不活性部の面積が同面全体の面積の50%以下であるように形成されてなる。
これによれば、活性部をなす圧電体の中央部を取り囲む圧電体の周部の全体に不活性部が形成され、表面粗さ或いは表面の傷等によって応力集中が発生しやすい圧電体の外縁(側面)に活性部と不活性部の境界が露出することがないので、圧電体に発生する最大応力が低下する。この結果、圧電/電歪アクチュエータの寿命を長期化することができる。
更に、不活性部の幅は、互いに対向する一対の内部電極層間の距離(即ち、互いに対向する一対の内部電極に挟まれた圧電体一層分の厚さ)以上であるから、活性部と不活性部との境界に発生する活性部の変形に基づく応力は、活性部と不活性部とで略等しく且つ小さくなる。換言すると、活性部と不活性部とは活性部の変形に基づく歪を均等に分け合って吸収するので、活性部と不活性部との境界における不活性部内に生じる応力は最小となる。これは、所謂「サンブナンの原理」からも説明することができる。
加えて、本発明の圧電/電歪アクチュエータの内部電極層のそれぞれは、内部電極層が形成されている面(圧電体の軸線に直交する平面)における不活性部の面積がその面全体の面積(活性部の面積と不活性部の面積の和)の50%以下となるように形成されている。不活性部の幅が大きくなれば、上述したように不活性部に生じる応力(引張り応力)は小さくなる。ところが、不活性部は活性部の変形を阻害するように機能するため、不活性部の占める割合が大きいと変形量が小さくなる。従って、不活性部の占める割合が大きい場合、所望の変形量を得ようとすれば圧電体を大型化せざるを得ない。そこで、発明者は実験を試みたところ、不活性部の面積が活性部の面積と不活性部の面積の和の50%以下であれば、圧電/電歪アクチュエータは十分な変形量をもたらし得ることを見出した。従って、本発明の構成によれば、小型で変形量(或いは、その変形に基づく力)が大きい圧電/電歪アクチュエータが提供される。
本発明の一態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいて、
前記内部電極層のそれぞれは、前記圧電体の中央部に電圧が印加されて同圧電体が伸縮する活性部と同圧電体の中央部を取り囲む同圧電体の周部であって電圧が印加されることなく同圧電体が伸縮しない不活性部とが同圧電体に形成されるように同圧電体の中央部に配置され、
更に、前記圧電/電歪アクチュエータは、
前記内部電極層から前記圧電体の側面(側端部)まで略帯状を有するように延在し、且つ、同帯の幅が同内部電極層の外縁から外部に出ることなく同内部電極層に描くことができる最大面積の円の直径の30%以下である電極引出部と、
前記圧電体の側端部に露呈した電極引出部の端部同士を接続するように同圧電体の側面に形成された側面電極と、
を備えている。
活性部を構成するための内部電極層には電圧を印加しなければならない。そのような電圧は、圧電体側面に形成される側面電極からもたらされることが圧電/電歪アクチュエータの構造を簡素化する点において有利である。しかしながら、側面電極と内部電極層とを接続するために帯状に形成される電極引出部の幅が過大であると、その電極引出部からも圧電体を変形させるに足る電界が発生してしまうから、大きな応力が発生する恐れがある。換言すると、電極引出部が圧電体の周部に活性部を構成してしまう恐れがある。
これに対し、発明者は、電極引出部(内部電極層から圧電体の側端部まで略帯状を有するように延在する電極引出部)の幅が、圧電体の中央に配置された内部電極層の外縁から外部に出ることなく同内部電極層に描くことができる最大面積の円(内部電極層の形状が例えば正多角形であれば内接円に相当する)の直径の30%以下であれば、その電極引出部が形成されている部分も実質的に不活性部として機能することを見出した。従って、上記構成によれば、圧電体の中央部にのみ活性部(即ち、内部電極層)を形成し、中央部を取り囲む圧電体の周部に電極引出部を形成した場合であっても、同周部に確実に不活性部を形成しておくことができる。その結果、過大な応力の発生を回避することができるので、寿命の長い圧電/電歪アクチュエータを提供することができる。
この場合、前記内部電極層の形状(平面視の形状、厚さ方向に直交する面における形状)は、2以上の整数nのn回対称性を有する形状、長方形、楕円形及び長円形の何れかひとつであることが好適である。これによれば、内部電極の形状が高い対称性を備えるから、過大な応力が発生することのない圧電/電歪アクチュエータが提供され得る。
以下、本発明による圧電/電歪アクチュエータの各実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
本発明の一実施形態に係る圧電/電歪アクチュエータ10は、図1乃至図5に示したように、圧電体11、複数の内部電極層(内部電極)12(12a,12b)、一対の側面電極13(13a,13b)及び複数の電極引出部14(14a,14b)を備えている。
圧電体(圧電セラミックス、PZT)11は、互いに直交するX,Y及びZ軸に沿った辺を備える略直方体である。圧電体11のZ軸方向の軸(長手方向の軸、積層方向)に直交する平面(X−Y平面)に沿った形状は、正方形である。圧電体11はZ軸に沿った電界が加えられると電界の向き(Z軸に沿った向き)に伸びるようになっている。
内部電極層12(12a,12b)は、導電体(例えば、Ag−Pd合金)からなる薄膜(例えば、膜厚が2〜3μm)である。複数の内部電極層12は、互いに平行となるように(X−Y平面に沿って)圧電体11の内部に埋設(形成)されている。内部電極層12aと内部電極層12bは(Z軸方向において)交互に配置されている。内部電極層12(12a,12b)のZ軸に直交する平面(X−Y平面)における形状は正方形であり、その重心は圧電体11の同平面(X−Y平面)における重心と一致している。更に、内部電極層12の各辺は、圧電体11の前記平面(X−Y平面)における各辺と平行となっている。即ち、内部電極層12は圧電体11の中央部に配置され、内部電極層12の周部は圧電体11により満たされている。
一対の側面電極13は、圧電体11の互いに対向する一対の側面に層状(薄膜状)に形成されている。即ち、一つの側面電極13aは圧電体11の相対的にX軸負方向側に位置するY−Z平面に形成され、他の側面電極13bは圧電体11の相対的にX軸正方向側に位置するY−Z平面に形成されている。側面電極13a及び側面電極13bの各幅は、圧電体11のY軸方向に沿った辺の長さの略半分程度である。側面電極13a及び側面電極13bのそれぞれは、それぞれが形成されている圧電体11の側面の中心軸に沿って圧電体11の下端部近傍位置から上端部近傍位置まで延在している。
電極引出部14は、内部電極層12と同じ導電体(例えば、Ag−Pd合金)からなる薄膜であり、内部電極層12と同一平面上に形成されている。電極引出部14の形状は、X軸方向に沿って延びる幅(Y軸方向長さ)Waの帯状である。電極引出部14の厚さは内部電極層12の厚さと同一である。電極引出部14の一端は内部電極層12の一辺と接続され、他端は側面電極13が形成された圧電体11の側面に露呈している。
より具体的に述べると、電極引出部14の一つである電極引出部14aは、圧電体11の相対的にX軸負方向側に位置するY−Z平面の中心軸を含む領域において内部電極層12aと側面電極13aとを接続(連結)している。電極引出部14の他の一つである電極引出部14bは、圧電体11の相対的にX軸正方向側に位置するY−Z平面の中心軸を含む領域において内部電極層12bと側面電極13bとを接続(連結)している。後述するように、幅(Y軸方向長さ)Waは、内部電極層12の内接円Cの直径Dの30%以下の長さに設定されている。なお、本明細書において、内部電極層の内接円とは「内部電極層の外縁(輪郭線)から外部に出ることなく内部電極層に描くことができる最大面積の円」であると定義される。
このような構造を備える圧電/電歪アクチュエータ10は、上記複数の内部電極層(内部電極)12を使用して分極処理される。そして、圧電/電歪アクチュエータ10を駆動する際、側面電極13aと側面電極13bとに圧電体11を伸縮させるための所定の電圧が印加される。例えば、側面電極13aには+V(V)が印加され、側面電極13bには基準電圧(例えば、0(V))が印加される。これにより、互いに対向する一対の内部電極層12の一つの内部電極層12aに+V(V)が印加され、他の一つの内部電極層12bに基準電圧(例えば、0(V))が印加される。この結果、圧電体11の中央部(対向する一対の内部電極層12a,12bにより挟まれている部分)に、圧電/電歪アクチュエータ10の縦断面図である図3において矢印にて示した方向の電界が加えられる。この電界は圧電体11の各層の分極方向と同方向となるから、圧電体11はZ軸方向に伸長する。その後、側面電極13aと側面電極13bとを同電位(例えば、基準電圧である0(V))に維持すると、圧電体11は収縮し、初期の(元の)状態に復帰する。圧電/電歪アクチュエータ10は、係る伸縮動作を利用して例えば燃料噴射弁の弁体を移動させる。
一方、圧電体11の上記分極処理がなされた圧電/電歪アクチュエータ10を駆動する際、複数の内部電極層12に互いに極性の異なる電圧(大きさは互いに等しい電圧)が交互に印加されてもよい。例えば、側面電極13aに+V(V)が印加され、側面電極13bに−V(V)が印加されれば、対向する一対の内部電極層12a,12bには互いに極性の異なる電圧が印加されるので、図3に矢印にて示した方向の電界が圧電体11の中央部に加えられる。その結果、電界が圧電体11の分極方向と同方向に加わるから、圧電体11はZ軸方向に伸長する。その後、側面電極13aと側面電極13bとが同電位(例えば、基準電圧である0(V))に維持される。これにより圧電体11は収縮し、初期の状態に復帰する。なお、図3は、図4の1−1線に沿った平面にて切断した断面図である。
このように、圧電体11には、圧電体11の中央部に電圧が印加されて圧電体11が伸縮する活性部(互いに対向する一対の内部電極層12により挟まれた部分)ACと、圧電体11の中央部(即ち、活性部)を取り囲む圧電体11の周部であって電圧が印加されることなく圧電体11が伸縮しない不活性部IAと、が内部電極層12によって形成されている。
本実施形態において、不活性部IAの幅Wiaは、圧電体11の全周に渡り一定であり、互いに対向する一対の内部電極層12a,12b間の距離である圧電体一層分の厚さt以上に設定されている。以下、この寸法設定によりもたらされる利点について図6を参照しながら説明する。
活性部ACは、電圧(電界)印加時において圧電体層の厚さ方向に伸長するように変形する。不活性部IAは、この活性部ACの伸長を妨げるように機能する。従って、活性部ACと不活性部IAとの境界近傍(以下、「境界近傍」と称呼する。)において、活性部ACには圧縮応力が発生し、不活性部IAには引張り応力が発生する。このとき、図6の(A)に示したように、不活性部IAの幅Wiaが圧電体一層分の厚さtよりも小さいと、不活性部IAは活性部ACの伸長を妨げるために十分な幅Wiaを備えていないので、不活性部IAの境界近傍には大きな引張り応力が発生する。一方、活性部ACは不活性部IAにより伸長動作が妨げられ難いので、境界近傍の活性部ACに発生する圧縮応力は小さくなる。
これに対し、図6(B)に示した本実施形態のように、不活性部IAの幅Wiaが圧電体一層分の厚さt以上であると、不活性部IAは活性部ACの伸長を妨げるために十分な幅Wiaを備えているから、境界近傍の不活性部IAに発生する引張り応力は図6(A)の場合よりも小さくなる。また、境界近傍の活性部ACは不活性部IAにより伸長動作が妨げられるので、活性部ACに発生する圧縮応力は図6(A)の場合よりも大きくなる。このとき、境界近傍の応力の状態に関与する活性部ACと不活性部IAの体積が同等となるので、境界近傍に発生した歪は活性部ACと不活性部IAとによって等しく吸収される。なお、このような現象は、「サンブナンの原理」として知られている。
この結果、本実施形態の圧電/電歪アクチュエータ10は、活性部ACと不活性部IAとの境界近傍の不活性部IAに過大な応力(引張り応力)が発生しないので、耐久性に優れ、長寿命のアクチュエータとなっている。なお、本実施形態とは異なり不活性部の幅Wiaが変化する場合(即ち、周方向において一定でない場合)、不活性部の幅Wiaの最小値が圧電体一層分の厚さt以上であることが必要である。
更に、本実施形態においては、内部電極層12のそれぞれが形成されている面(X−Y平面)において不活性部IAの面積がその面全体の面積(活性部ACの面積と不活性部IAの面積の和)の50%以下であるように、内部電極層12が形成されている。以下、この設定によりもたらされる利点について図7を参照しながら説明する。
図7は、活性部占有率に対する圧電/電歪アクチュエータ10の伸縮量を示したグラフである。活性部占有率とは、内部電極層12が形成されている平面における活性部ACの面積と不活性部IAの面積の和に対する活性部ACの面積の比である。なお、図7中の円のプロットは本実施形態に係る圧電/電歪アクチュエータ10についての伸縮量を示し、三角形のプロットは図37乃至図39に示した従来の圧電/電歪アクチュエータについての伸縮量を示している。
図7から明らかなように、活性部占有率が50%より小さくなると圧電/電歪アクチュエータ10の伸縮量は急激に低下する。換言すると、本実施形態の圧電/電歪アクチュエータ10は、活性部占有率が50%以上であるから、小型であって且つ伸縮量の大きなアクチュエータとなっている。
更に、上述したように、圧電/電歪アクチュエータ10の電極引出部14の幅Waは、内部電極層12の外縁から外部に出ることなく内部電極層12に描くことができる最大面積の円(圧電/電歪アクチュエータ10にあっては内部電極層12の内接円)の直径Dの30%以下に設定されている。以下、この設定によりもたらされる利点について図8を参照しながら説明する。
図8は、圧電/電歪アクチュエータ10の駆動サイクル数に対する圧電体11の伸縮量の変化を示したグラフである。ここでは、内部電極層12に電圧を印加して圧電体11を伸長させ、その後、内部電極層12への電圧印加を停止して圧電体11を初期状態に縮小(復元)させるまでの動作が一駆動サイクルである。図8において、四角形、三角形、円、五角形、ひし形のプロットは、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Waの比(Wa/D)が10、30、50、80及び100%である場合の伸縮量をそれぞれ示している。なお、比(Wa/D)が100%であるとは、図38に示した従来の圧電/電歪アクチュエータ110のように、電極引出部が圧電体111の幅と等しい場合である。
図8から明らかなように、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Wa(即ち、Wa/D)が50%以上になると、駆動サイクル数が10サイクルを超えた領域で伸縮量が減少する。これに対し、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Waが30%以下であると、駆動サイクル数が10サイクルまで伸縮量が低下しない。このことから、本実施形態の圧電/電歪アクチュエータ10は、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Waが30%以下となるように設定される。従って、圧電/電歪アクチュエータ10は、駆動サイクル数が多くなってもその伸縮量が低下し難く、従って、高い耐久性を備えていることが理解される。
このように、圧電/電歪アクチュエータ10においては、電極引出部14の幅Waが小さいので、電極引出部14から実質的な電界(圧電体11を伸縮させる電界)が発生しない。従って、活性部ACを取り囲むように不活性部IAを圧電体11に形成することができる。この点について図9を参照して説明する。
図9は、圧電体の活性部占有率に対する圧電体内部の最大応力を示したグラフである。図9において円のプロットは圧電/電歪アクチュエータ10の最大応力を示し、三角形のプロットは図37乃至図39に示した圧電/電歪アクチュエータ110の最大応力を示している。
図9から明らかなように、圧電体11の周部全体に不活性部を備える圧電/電歪アクチュエータ10は、電極引出部の幅が大きいことにより圧電体111の周部全体には不活性部が形成されていない圧電/電歪アクチュエータ110よりも、最大応力が小さくなっている。これは、圧電/電歪アクチュエータ10においては、(1)活性部と不活性部の配置の対称性が良いので、活性部の発生した歪が所望の伸縮方向(この場合、Z軸方向)の伸縮に効率良く利用されるようになること、(2)表面粗さ或いは表面の傷等によって応力集中が発生しやすい圧電体の外縁(側面)に活性部と不活性部の境界が露出することがないこと、の2点が主たる要因であると考えられる。
<第1実施形態の変形例>
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
(第1変形例)
第1変形例は、第1変形例の圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った面にて切断した図10に示したように、第1実施形態(圧電/電歪アクチュエータ10)の電極引出部14を電極引出部24に置換した点のみにおいて第1実施形態と相違している。
この電極引出部24は、圧電体11の側面電極13が形成されている側において最も幅が小さく、内部電極層12に近づくにつれて幅が次第に増大する形状を有している。これによれば、内部電極層12と電極引出部24との接続箇所に生じる応力集中を抑制することができるので、同接続箇所にクラックがはいり難くなっている。なお、このような形状の電極引出部24の幅Wa(内接円の直径Dと相対比較すべき幅)は、電極引出部24の最大幅である。
(第2変形例)
第2変形例は、第2変形例の圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った面にて切断した図11に示したように、第1実施形態(圧電/電歪アクチュエータ10)の電極引出部14を電極引出部34に置換した点のみにおいて第1実施形態と相違している。
この電極引出部34は、幅が、圧電体11の側面電極13が形成されている側面と内部電極層12との略中央位置において最も小さく、側面電極13が形成されている側面に近づくにつれて次第に増大するとともに、内部電極層12に近づくにつれて次第に増大する形状を有している。これによれば、内部電極層12と電極引出部34との接続箇所に生じる応力集中を抑制することができるので、同接続箇所にクラックがはいり難くなっている。更に、電極引出部34と側面電極13との接続部分の長さが長くなるので、両者の接続を確実に行う(接続の信頼性を向上する)ことができる。なお、このような形状の電極引出部34においても、その幅Wa(内接円の直径Dと相対比較すべき幅)は電極引出部34の最大幅である。
(第3変形例)
第3変形例は、第3変形例の圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った面にて切断した図12の(A)に示したように、第1実施形態(圧電/電歪アクチュエータ10)の圧電体11、内部電極層12及び電極引出部14を、圧電体21、内部電極層22及び電極引出部24にそれぞれ置換した点のみにおいて第1実施形態と相違している。
この圧電体21は、外形(平面視における形状)が正方形の各角部を直線状に切除した8角形である。内部電極層22は内部電極層12の角部にR形状を付した形状を有している。電極引出部24は先に説明した通りである。図12の(B)は、第3変形例の圧電/電歪アクチュエータについて、駆動サイクル数に対する圧電体21の伸縮量の変化を示したグラフである。図12の(B)において、円、ひし形、三角形、正方形であって半分が黒塗りされている四角形及び正方形のプロットは、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waの比(Wa/D)が10、30、50、80及び100%である場合の伸縮量をそれぞれ示している。
図12の(B)から明らかなように、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Wa(Wa/D)が50%以上になると、駆動サイクル数が10サイクルを超えた領域で伸縮量が減少する。これに対し、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下であると、駆動サイクル数が10サイクルまで伸縮量が低下しない。このことからも、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下となるように設定されることが圧電/電歪アクチュエータの耐久性向上の点で望ましいということが導き出される。
(第4変形例)
第4変形例は、第4変形例の圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った面にて切断した図13の(A)に示したように、第1実施形態(圧電/電歪アクチュエータ10)の圧電体11及び内部電極層12を、圧電体21及び内部電極層32にそれぞれ置換した点のみにおいて第1実施形態と相違している。
圧電体21は先に説明した通りである。内部電極層32は円形であり、その重心が圧電体21の重心と一致するように配置されている。図13の(B)は、第4変形例の圧電/電歪アクチュエータについて、駆動サイクル数に対する圧電体21の伸縮量の変化を示したグラフである。図13の(B)における各プロットは図内に示したとおり(図12(B)と同一)である。
図13の(B)から明らかなように、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Wa(Wa/D)が50%以上になると、駆動サイクル数が10サイクルを超えた領域で伸縮量が減少する。これに対し、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Waが30%以下であると、駆動サイクル数が10サイクルまで伸縮量が低下しない。このことからも、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Waが30%以下となるように設定されることが圧電/電歪アクチュエータの耐久性向上の点で望ましいということが導き出される。
(第5変形例)
第5変形例は、第5変形例の圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った面にて切断した図14の(A)に示したように、第1実施形態(圧電/電歪アクチュエータ10)の圧電体11及び内部電極層12を、圧電体21及び内部電極層22にそれぞれ置換した点のみにおいて第1実施形態と相違している。圧電体21及び内部電極層22は先に説明した通りである。図14の(B)は、第5変形例の圧電/電歪アクチュエータについて、駆動サイクル数に対する圧電体21の伸縮量の変化を示したグラフである。図14の(B)における各プロットは図内に示したとおり(図12(B)と同一)である。
図14の(B)から明らかなように、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Wa(Wa/D)が50%以上になると、駆動サイクル数が10サイクルを超えた領域で伸縮量が減少する。これに対し、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Waが30%以下であると、駆動サイクル数が10サイクルまで伸縮量が低下しない。このことからも、内接円の直径Dに対する電極引出部14の幅Waが30%以下となるように設定されることが圧電/電歪アクチュエータの耐久性向上の点で望ましいということが導き出される。
(第6変形例)
第6変形例は、第6変形例の圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った面にて切断した図15の(A)に示したように、第1実施形態(圧電/電歪アクチュエータ10)の圧電体11、内部電極層12及び電極引出部14を、圧電体31、内部電極層32及び電極引出部24にそれぞれ置換した点のみにおいて第1実施形態と相違している。圧電体31は、外形が略円形で、側面電極が形成される一対の側面が平面となるように形成されている。内部電極層32及び電極引出部24は先に説明した通りである。図15の(B)は、第6変形例の圧電/電歪アクチュエータについて、駆動サイクル数に対する圧電体31の伸縮量の変化を示したグラフである。図15の(B)における各プロットは図内に示したとおり(図12(B)と同一)である。
図15の(B)から明らかなように、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Wa(Wa/D)が50%以上になると、駆動サイクル数が10サイクルを超えた領域で伸縮量が減少する。これに対し、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下であると、駆動サイクル数が10サイクルまで伸縮量が低下しない。このことからも、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下となるように設定されることが圧電/電歪アクチュエータの耐久性向上の点で望ましいということが導き出される。
(第7変形例)
第7変形例は、第7変形例の圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った面にて切断した図16の(A)に示したように、第1実施形態(圧電/電歪アクチュエータ10)の圧電体11、内部電極層12及び電極引出部14を、圧電体41、内部電極層32及び電極引出部24にそれぞれ置換した点のみにおいて第1実施形態と相違している。圧電体41は、外形が円形である。内部電極層32及び電極引出部24は先に説明した通りである。図16の(B)は、第7変形例の圧電/電歪アクチュエータについて、駆動サイクル数に対する圧電体41の伸縮量の変化を示したグラフである。図16の(B)における各プロットは図内に示したとおり(図12(B)と同一)である。
図16の(B)から明らかなように、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Wa(Wa/D)が50%以上になると、駆動サイクル数が10サイクルを超えた領域で伸縮量が減少する。これに対し、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下であると、駆動サイクル数が10サイクルまで伸縮量が低下しない。このことからも、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下となるように設定されることが圧電/電歪アクチュエータの耐久性向上の点で望ましいということが導き出される。
(第8変形例)
第8変形例は、第8変形例の圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った面にて切断した図17の(A)に示したように、第1実施形態(圧電/電歪アクチュエータ10)の圧電体11、内部電極層12及び電極引出部14を、圧電体51、内部電極層42及び電極引出部24にそれぞれ置換した点のみにおいて第1実施形態と相違している。圧電体51は、外形が長方形の各角部を直線状に切除した8角形である。内部電極層42の外形は、圧電体51の外形より僅かに小さい長方形であって角部にR形状を付した形状を有している。内部電極層42の各辺は圧電体51の各辺と平行であり、内部電極層42の重心は圧電体51の重心と一致している。電極引出部24は先に説明した通りである。図17の(B)は、第8変形例の圧電/電歪アクチュエータについて、駆動サイクル数に対する圧電体51の伸縮量の変化を示したグラフである。図17の(B)における各プロットは図内に示したとおり(図12(B)と同一)である。
図17の(B)から明らかなように、内接円(この場合、長方形の一対の長辺に接する円)の直径Dに対する電極引出部24の幅Wa(Wa/D)が50%以上になると、駆動サイクル数が10サイクルを超えた領域で伸縮量が減少する。これに対し、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下であると、駆動サイクル数が10サイクルまで伸縮量が低下しない。このことからも、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下となるように設定されることが圧電/電歪アクチュエータの耐久性向上の点で望ましいということが導き出される。
(第9変形例)
第9変形例は、第9変形例の圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った面にて切断した図18の(A)に示したように、第1実施形態(圧電/電歪アクチュエータ10)の圧電体11、内部電極層12及び電極引出部14を、圧電体61、内部電極層52及び電極引出部24にそれぞれ置換した点のみにおいて第1実施形態と相違している。圧電体61は、外形が楕円形である。内部電極層52の外形は、圧電体61の外形より僅かに小さい楕円形であり、その長軸及び短軸は圧電体61の長軸及び短軸にそれぞれ一致する(重なる)ように形成されている。電極引出部24は先に説明した通りである。図18の(B)は、第9変形例の圧電/電歪アクチュエータについて、駆動サイクル数に対する圧電体61の伸縮量の変化を示したグラフである。図18の(B)における各プロットは図内に示したとおり(図12(B)と同一)である。
図18の(B)から明らかなように、内接円(この場合、楕円形の長軸で同楕円形を切断した一対の弧に接する円)の直径Dに対する電極引出部24の幅Wa(Wa/D)が50%以上になると、駆動サイクル数が10サイクルを超えた領域で伸縮量が減少する。これに対し、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下であると、駆動サイクル数が10サイクルまで伸縮量が低下しない。このことからも、内接円の直径Dに対する電極引出部24の幅Waが30%以下となるように設定されることが圧電/電歪アクチュエータの耐久性向上の点で望ましいということが導き出される。
(他の変形例)
本実施形態の圧電体及び内部電極層は、上記変形例以外にも図19乃至図21に示したように、種々の形状を有するように形成され得る。但し、いずれの実施形態及び変形例においおても、内部電極層は圧電体よりも高い対称性を有している。以下、各図に示した圧電体及び内部電極層の形状(平面視における形状)の特徴を列挙する。なお、これらの図において、圧電体、内部電極層、電極引出部及び側面電極は、符号81、82、83及び84が付されている。
図19の(A):圧電体81の形状は正方形であり、内部電極層82の形状は正8角形(8回対称の形状)である。
図19の(B):圧電体81の形状は正方形であり、内部電極層82の形状は正方形の各角部にR形状を付した形状である。
図19の(C):圧電体81の形状は正方形の各角部を直線状に切除した8角形である。内部電極層82の形状は正方形である。
図20の(A):圧電体81の形状は正六角形であり、内部電極層82の形状は圧電体の外形よりも僅かに小さい正六角形である。
図20の(B):圧電体81の形状は正六角形であり、内部電極層82の形状は円形である。
図20の(C):圧電体81の形状は正八角形であり、内部電極層82の形状は圧電体の外形よりも僅かに小さい正八角形である。
図20の(D):圧電体81の形状は正八角形であり、内部電極層82の形状は円形である。
図21の(A)に示した各一対の内部電極層82は互いに対向する内部電極層82である。圧電体81の平面視における形状は正方形である。それぞれの内部電極層82は、その平面形状が正方形であって、内部電極層82の平面視における重心を通る直線上において延びる一対の電極引出部83と接続されている。一つの内部電極層82に接続された電極引出部83が延びる方向は、その内部電極層82に対向する内部電極層82に接続された電極引出部83が延びる方向と直交するようになっている。
図21の(B)に示した各一対の内部電極層82は互いに対向する内部電極層82である。圧電体81の平面視における形状は正六角形である。それぞれの内部電極層82は、その平面形状が円形であって、内部電極層82の平面視における重心を通る直線上において延びる一対の電極引出部83と接続されている。一つの内部電極層82に接続された電極引出部83が延びる方向は、その内部電極層82に対向する内部電極層82に接続された電極引出部83が延びる方向と60°相違するようになっている。
図21の(C)に示した各一対の内部電極層82は互いに対向する内部電極層82である。圧電体81の平面視における形状は正八角形である。それぞれの内部電極層82は、その平面形状が正八角形であって、内部電極層82の平面視における重心を通り且つ互いに直交する一対の直線上において延びる4個の電極引出部83と接続されている。一つの内部電極層82に接続された電極引出部83が延びる方向は、その内部電極層82に対向する内部電極層82に接続された電極引出部83が延びる方向と45度だけ相違するようになっている。
このように、内部電極層の形状(平面視の形状、厚さ方向に直交する面における形状)は、2以上の整数nのn回対称性を有する形状、長方形及び楕円形の何れかでよく、更に、長円形であってもよい。これによれば、内部電極の形状が高い対称性を備えるから、活性部の発生した歪が所望の伸縮方向(Z軸方向)の伸縮に効率よく利用され、過大な応力が発生することのない圧電/電歪アクチュエータが提供され得る。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る圧電/電歪アクチュエータ90について図22乃至図24を参照して説明する。圧電/電歪アクチュエータ90は、圧電体11と略同一の圧電体91、内部電極層92a,92b及び92c並びに電極引出部93a及び93bを備えている。
内部電極層92a,92b及び92cのそれぞれは、内部電極層12と略同一である。但し、内部電極層92bは図23に示したように、電極引出部93aをZ軸方向に貫通させる貫通孔92b1を備えている。内部電極層92cは図24に示したように、電極引出部93bをZ軸方向に貫通させる貫通孔92c1を備えている。内部電極層92aは、圧電体91の最上部に配置され、次いで圧電体91の下方に向うにつれて内部電極層92bと内部電極層92cとが交互に配列されている。
電極引出部93aは、圧電体91の下端から圧電体91の内部にZ軸正方向に沿って進入し、次いで、内部電極層92bに形成されている貫通孔92b1を通過しながら内部電極層92cと接続され、最終的に内部電極層92aと接続されている。貫通孔92b1と電極引出部93aとの間は絶縁体(本例では、圧電体91)により満たされている。
電極引出部93bは、圧電体91の下端から圧電体91の内部にZ軸正方向に沿って進入し、次いで、下端部の内部電極層92bと接続され、更に、内部電極層92cに形成されている貫通孔92c1を通過しながら複数の内部電極層92bと接続され、最終的に最も上部の内部電極層92bと接続されている。貫通孔92c1と電極引出部93bとの間は絶縁体(本例では、圧電体91)により満たされている。
この構造によれば、図23及び図24から明らかなように、第1実施形態のように電極引出部が内部電極層と同一平面上に延在しないので、活性部(中央部)を取り囲む部分に不活性部を確実に形成することができる。
ところで、第1実施形態のように、内部電極層12を側面電極13に接続する圧電/電歪アクチュエータにおいて、そのアクチュエータ内部に発生したクラックが進展し側面電極13にクラックが生じると、所定の電圧を付与できない内部電極層12が発生する。
そこで、実際には、図25の(A)及び図25の(B)に示したように、側面電極13(13a,13b)に半田層201を介して第1補助電極202を固定する。半田層201は側面電極13の略全面に形成される。第1補助電極202は、X軸方向に僅かな厚みを有する薄板状の電極である。第1補助電極202のY軸方向の長さは、側面電極13のY軸方向の長さと同程度である。
第1補助電極202には、第2補助電極203が接触するように固定される。第2補助電極203は弾性を有するメッシュ状電極である。これにより、複数の内部電極層12a及び複数の内部電極層12bのそれぞれは、一つの側面電極13を通して電気的に接続されるとともに、半田層201、第1補助電極202及び第2補助電極203からなる一つの補助電極を通して電気的に接続される。この結果、例えば、側面電極13aにクラックCRが生じて側面電極13aが破断しても、複数の内部電極層12aの総てに補助電極を通して所定の電圧が印加される。
一方、図22に示した第2実施形態に係る圧電/電歪アクチュエータ90のように、複数の内部電極層92cを圧電体91内を通る電極引出部93aにより接続するとともに、複数の内部電極層92bを圧電体91内を通る電極引出部93bにより接続する構造を備えた圧電/電歪アクチュエータを「打抜同時積層法」により形成することによって、信頼性及び実装の容易性等が更に向上した圧電/電歪アクチュエータが提供される。以下、この「打抜同時積層法」により作成される圧電/電歪アクチュエータについて説明する。
図26の(A)は、打抜同時積層法により形成された圧電/電歪アクチュエータ300を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図である。図26の(B)は、圧電/電歪アクチュエータ300の縦断面図である。この圧電/電歪アクチュエータ300は、圧電体301、複数の内部電極層302a、複数の内部電極層302b、電極引出部303a及び電極引出部303bを備えている。
圧電体301は、外形が円柱形である圧電体41と類似の圧電体である。
内部電極層302aは、内部電極92bと類似の電極層であり、X−Y平面に沿って形成されている。内部電極層302aの径は、圧電体301の径と一致している。即ち、内部電極層302aの外周端部は圧電/電歪アクチュエータ300の側面に露呈している。内部電極層302aは、円筒状の貫通孔302a1及び円筒状の貫通孔302a2を備えている。貫通孔302a1の半径は貫通孔302a2の半径よりも僅かに大きい。
内部電極層302bは、内部電極92cと類似の電極層であり、X−Y平面に沿って形成されている。内部電極層302bの径は、圧電体301の径と一致しいている。即ち、内部電極層302bの外周端部は圧電/電歪アクチュエータ300の側面に露呈している。内部電極層302bは、円筒状の貫通孔302b1及び円筒状の貫通孔302b2を備えている。貫通孔302b1の半径は貫通孔302b2の半径よりも僅かに大きい。
内部電極層302a及び内部電極層302bは、互いに対向するようにZ軸方向に沿って交互に配置されている。隣接する内部電極層302aと内部電極層302bとの距離(即ち、圧電体一層分の厚さt)は一定である。
電極引出部303aは、中空円筒部303a1、層状電極部303a2、導電性弾性部材303a3及びメッシュ状電極303a4からなっている。
中空円筒部303a1は、圧電体301の内部に形成された中空円筒状の空間である。中空円筒部303a1は、Z軸に沿った中心軸を有している。中空円筒部303a1は圧電体301の下面に連通し、その下面に開口を形成している。中空円筒部303a1の中心軸、内部電極層302aの大きい貫通孔302a1の中心軸及び内部電極層302bの小さい貫通孔302b2の中心軸は同一直線上にある。中空円筒部303a1の半径は、内部電極層302aの大きい貫通孔302a1より小さく、且つ、内部電極層302bの小さい貫通孔302b2と一致している。中空円筒部303a1と内部電極層302aの大きい貫通孔302a1との間は、絶縁体(本例では、圧電体301)により満たされている。
層状電極部303a2は、中空円筒部303a1を形成する内壁面上に形成された導電性の薄膜である。層状電極部303a2は、内部電極層302bと物理的及び電気的に接続されている。
導電性弾性部材303a3及びメッシュ状電極303a4は、中空円筒部303a1の内部に挿入されている。導電性弾性部材303a3及びメッシュ状電極303a4は、中空円筒部303a1の内部に挿入された状態において拡径しようとする筒状体である。即ち、導電性弾性部材303a3はメッシュ状電極303a4を広げるように作用する。更に、メッシュ状電極303a4は層状電極部303a2と図示しない半田層により接続される。この結果、メッシュ状電極303a4は層状電極部303a2と電気的に確実に接続されている。
同様に、電極引出部303bは、中空円筒部303b1、層状電極部303b2、導電性弾性部材303b3及びメッシュ状電極303b4からなっている。
中空円筒部303b1は、圧電体301の内部に形成された中空円筒状の空間である。中空円筒部303b1は、Z軸に沿った中心軸を有している。中空円筒部303b1の中心軸と中空円筒部303a1の中心軸とは、所定の距離だけ離間している。中空円筒部303b1の半径は、中空円筒部303a1の半径と同じである。中空円筒部303b1は圧電体301の下面に連通し、その下面に開口を形成している。中空円筒部303b1の中心軸、内部電極層302bの大きい貫通孔302b1の中心軸及び内部電極層302aの小さい貫通孔302a2の中心軸は同一直線上にある。中空円筒部303b1の半径は、内部電極層302bの大きい貫通孔302b1より小さく、且つ、内部電極層302aの小さい貫通孔302a2と一致している。中空円筒部303b1と内部電極層302bの大きい貫通孔302b1との間は、絶縁体(本例では、圧電体301)により満たされている。
層状電極部303b2は、中空円筒部303b1を形成する内壁面上に形成された導電性の薄膜である。層状電極部303b2は、内部電極層302aと物理的及び電気的に接続されている。
導電性弾性部材303b3及びメッシュ状電極303b4は、中空円筒部303b1の内部に挿入されている。導電性弾性部材303b3及びメッシュ状電極303b4は、中空円筒部303b1の内部に挿入された状態において拡径しようとする筒状体である。即ち、導電性弾性部材303b3はメッシュ状電極303b4を広げるように作用する。更に、メッシュ状電極303b4は層状電極部303b2と図示しない半田層により接続される。この結果、メッシュ状電極303b4は層状電極部303b2と電気的に確実に接続されている。
以上のように構成された圧電/電歪アクチュエータ300は、上述した他の圧電/電歪アクチュエータと同様、層状電極部303a2及び層状電極部303b2を通して内部電極層302b及び内部電極層302aにそれぞれ所定の電圧を印加することにより、Z軸方向に伸縮するようになっている。
また、層状電極部303a2にクラックが生じても(層状電極部303a2が破断しても)、メッシュ状電極303a4を通して総ての内部電極層302bは互いに導通状態に維持される。同様に、層状電極部303b2にクラックが生じても(層状電極部303b2が破断しても)、メッシュ状電極303b4により、複数の内部電極層302aは互いに導通状態に維持される。この結果、層状電極部303a2及び層状電極部303b2にクラックが生じた場合であっても、内部電極層302a及び内部電極層302bには所定の電圧が印加される。
(個別打抜積層法)
次に、圧電/電歪アクチュエータ300を製造するための打抜同時積層法について、通常の個別打抜積層法と比較しながら説明する。圧電/電歪アクチュエータ300は、個別打抜積層法によっても製造できる。しかしながら、圧電/電歪アクチュエータ300を打抜同時積層法により製造することにより、後述する多くの利点がもたらされる。
先ず、通常の個別打抜積層法について説明する。個別打抜積層法においては、図27に示したように、円筒状のパンチ401とダイ402とが準備される。これらは、中空円筒部303a1及び中空円筒部303b1を構成する円形の貫通孔を形成するために使用される。ダイ402には、パンチ401を貫通させる円筒状の貫通孔402aが設けられている。一般に、貫通孔402aの半径はパンチ401の半径より距離Lだけ大きくなっている。即ち、パンチ401とダイ402との間にはクリアランスLが設けられている。
一方、圧電セラミックスグリーンシートSGに印刷等により内部電極層302a(又は内部電極層302b)となる層を形成しておく。このとき、貫通孔302a1及び302a2(又は貫通孔302b1及び302b2)も作成しておく。次に、ダイ402の上に前記圧電セラミックスグリーンシートSGを載置し、円筒状のパンチ401によってセラミックスグリーンシートSGを打ち抜く。このとき、図27において破線により示したように、パンチ401とダイ402のそれぞれのエッヂからクラックが発生する。この結果図28に示したように、貫通孔の断面形状は、打ち抜き方向に関して拡径したテーパ状となる。
このようにして、貫通孔が形成された複数のセラミックスグリーンシートSGを個別に形成し、それらを別の場所において積層し、その後、焼成する。次に、中空円筒部303a1及び中空円筒部303b1の内部にメッキ又はディッピングによって層状電極部303a2及び層状電極部303b2を形成する。次いで、導電性弾性部材303a3及びメッシュ状電極303a4を中空円筒部303a1内に挿入し且つ半田により層状電極部303a2に固定する。同様に、導電性弾性部材303b3及びメッシュ状電極303b4を中空円筒部303b1内に挿入し、半田により層状電極部303b2に固定する。以上により、圧電/電歪アクチュエータ300が製造される。
図29は、このようにして製造された圧電/電歪アクチュエータ300の中空円筒部303a1の拡大図である。前述したように、セラミックグリーンシートSGの貫通孔はテーパ形状を有する。従って、製造された中空円筒部303a1の内壁面は、そのテーパ形状の影響により平坦ではない。このため、ある圧電体層と隣接する圧電体層(これらは、焼成により一体化されている。)との境界部分に鋭利な角部が形成されることがある。その結果、鋭利な角部を起点として圧電体層にクラックが発生する恐れがある。
(打抜同時積層法)
次に、打抜同時積層法を用いた圧電/電歪アクチュエータ300の製造方法について説明する。なお、打抜同時積層法は特開2002−160195号公報に詳細に説明されている。特開2002−160195号公報は本明細書に援用される。
打抜同時積層法においては、図30に示したように、パンチ411、ダイ412及びストリッパー413が使用され、中空円筒部303a1及び中空円筒部303b1を構成する円形の貫通孔が形成される。
先ず、ダイ412の上に1シート目の圧電セラミックスグリーンシートSG1を載置する。この圧電セラミックスグリーンシートSG1には印刷等により内部電極層302a(又は内部電極層302b)となる層を形成しておく。このとき、貫通孔302a1及び302a2(又は貫通孔302b1及び302b2)も作成しておく。
次に、図31に示したように、一対の円筒状部分を有するパンチ411によってセラミックスグリーンシートSG1を打ち抜く。次いで、図32に示したように、パンチ411をセラミックスグリーンシートSG1から抜くことなく、セラミックスグリーンシートSG1をストリッパー413に密着させながらパンチ411と共に上方に移動させる。セラミックスグリーンシートSG1は、例えば、ストリッパー413に形成された貫通孔413aを用いた吸引によりストリッパー413に密着される。このとき、パンチ411の先端を、セラミックスグリーンシートSG1に形成された貫通孔の軸線方向における中央部よりも下方に位置させておく。即ち、パンチ411をセラミックスグリーンシートSG1の下面から僅かに引き込んだ位置まで挿入しておく。
次に、図32に示したように、ダイ412の上に2シート目の圧電セラミックスグリーンシートSG2を載置する。この圧電セラミックスグリーンシートSG2にも、1シート目と同様、印刷等により内部電極層となる層を形成しておく。そして、図33に示したように、パンチ411、ストリッパー413及び1シート目のセラミックスグリーンシートSG1を下方へ移動させ、パンチ411によって2シート目のセラミックスグリーンシートSG2を打ち抜く。その後、図34に示したように、パンチ411をセラミックスグリーンシートSG1及びSG2から抜くことなく、セラミックスグリーンシートSG1及びSG2をストリッパー413及びパンチ411と共に上方に移動させる。
以上の工程を繰り返し、必要な枚数のセラミックスグリーンシートを積層させながら、各セラミックグリーンシートに貫通孔を打ち抜きにより形成して行く。そして、必要な枚数のセラミックスグリーンシートの積層及び打抜き加工が完了したら、積層されたセラミックスグリーンシートからパンチ411を引き抜き、別の場所に移動してから焼成する。次いで、上述した方法と同様の方法を用いて、層状電極部303a2及び層状電極部303b2を形成する。そして、導電性弾性部材303a3及びメッシュ状電極303a4を層状電極部303a2と半田により接続し、導電性弾性部材303b3及びメッシュ状電極303b4を層状電極部303b2と半田により接続する。以上により、圧電/電歪アクチュエータ300が製造される。
打抜同時積層法を用いて製造された圧電/電歪アクチュエータ300は、次に述べる利点を有する。なお、以下においては、中空円筒部303a1に関連させながら説明するが、中空円筒部303b1についても同様である。
(1)打抜同時積層法によって形成された中空円筒部303a1の壁面(図35を参照。)は、個別打抜積層法によって形成された中空円筒部の壁面(図29を参照。)に比較して、非常に平坦度が高い。これは、貫通孔を形成したセラミックスグリーンシートからパンチ411を引き抜くことなく、セラミックスグリーンシートを積層させて行くので、各シートに形成された貫通孔の軸を精度良く一致させることができることによるものと考えられる。また、新たなセラミックスグリーンシートに貫通孔を形成する際、既に形成された貫通孔内をパンチ411が移動するから、そのパンチ411の移動によって貫通孔壁面が平坦になることによるものと考えられる。即ち、打抜同時積層法によって形成された中空円筒部303a1の壁面は、研削加工(機械加工)により研削した壁面と同程度の平坦度を有する。従って、ある圧電体層と隣接する圧電体層との境界部分に鋭利な角部が形成され難いので、圧電体層にクラックが発生する可能性が低減する。
なお、打抜同時積層法によって厚さ100μmのセラミックスグリーンシートのテープを500層分だけ積層した場合の上記中空円筒部に相当する貫通孔壁面の平坦度について調べたところ、表面粗さRmaxは5〜15μmであり、算術平均表面粗さRaは0.5〜2μmであった。また、うねり曲線の最大断面高さWtは8〜16μmであり、算術平均うねりWaは0.5〜1.5μmであった。これらの値は、機械加工による研削を行った際の値と同程度の大きさであり、上記壁面の平坦度が非常に良好であることを示す。
(2)上述したように打抜同時積層法によって形成された中空円筒部303a1の壁面の平坦度が高いから、図35に示した中空円筒部303a1の壁面と内部電極層302aとの距離(絶縁状態を確保するための距離)Disを極めて小さくすることができる。従って、圧電体301の各層に電界が印加されない部分(不活性部領域)を極めて小さくすることができる。その結果、圧電体301の各層において、伸縮しない部分が実質的に存在しないので、伸縮する部分と伸縮しない部分とが存在する場合に比較して、内部応力を小さくすることができる。従って、打抜同時積層法によって形成された圧電/電歪アクチュエータ300は耐久性に優れ、寿命が長い。なお、距離Disは、積層された圧電体一層分の厚さtの2倍以上であることが絶縁性確保の観点から望ましい。
(3)打抜同時積層法によって形成された中空円筒部303a1の壁面の平坦度が高いから、中空円筒部303a1の内壁面に形成された層状電極部303a2と内部電極層302bとの接続を確実に行い且つそれらの接続状態を良好に維持することができる。
(4)第1実施形態のように側面電極を備えていないので、図36の(A)、(B)及び(C)にそれぞれ示した円柱状、四角柱状及び六角柱状の他、様々な外形を有する圧電/電歪アクチュエータを容易に製造することができる。なお、この利点は、図22に示した圧電/電歪アクチュエータ90によってももたらされる。
(5)内部電極層へ電圧を印加するための端子を圧電/電歪アクチュエータ300の下端面に設けることができるので、例えば、他の回路基板上に圧電/電歪アクチュエータ300を載置する構成を採用することができる。換言すると、側面電極と電圧源とを接続するための引出導線を省略することができる。なお、この利点は、図22に示した圧電/電歪アクチュエータ90によってももたらされる。
以上、説明したように、本発明の各実施形態に係る圧電/電歪アクチュエータは、耐久性に優れるとともに、伸縮量が大きいアクチュエータとなっている。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、内部電極層の平面視における形状は、正多角形以外の多角形であってもよく、正多角形又は多角形の角部にR形状を付した形状であってもよい。また、上記実施形態の圧電体は、加えられる電界の方向に沿って伸びる電歪体であってもよい。
本発明の第1実施形態に係る圧電/電歪アクチュエータの概略斜視図である。 図1に示した圧電/電歪アクチュエータの圧電体一層分(対向する一対の内部電極により挟まれた部分)の概略斜視図である。 図1に示した圧電/電歪アクチュエータの縦断面図である。 図1に示した圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図である。 図1に示した圧電/電歪アクチュエータの内部電極層と側面電極との接続関係を示した概念図である。 圧電体の活性部と不活性部とに発生する内部応力を示した概念図である。 活性部占有率に対する圧電/電歪アクチュエータの伸縮量を示したグラフである。 圧電/電歪アクチュエータの駆動サイクル数に対する圧電体の伸縮量の変化を示したグラフである。 圧電体の活性部占有率に対する圧電体内部の最大応力を示したグラフである。 図1に示した圧電/電歪アクチュエータの変形例を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図である。 図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図である。 図12の(A)は図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図であり、図12の(B)は図12の(A)に示した圧電/電歪アクチュエータの駆動サイクル数に対する圧電体の伸縮量の変化を示したグラフである。 図13の(A)は図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図であり、図13の(B)は図13の(A)に示した圧電/電歪アクチュエータの駆動サイクル数に対する圧電体の伸縮量の変化を示したグラフである。 図14の(A)は図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図であり、図14の(B)は図14の(A)に示した圧電/電歪アクチュエータの駆動サイクル数に対する圧電体の伸縮量の変化を示したグラフである。 図15の(A)は図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図であり、図15の(B)は図15の(A)に示した圧電/電歪アクチュエータの駆動サイクル数に対する圧電体の伸縮量の変化を示したグラフである。 図16の(A)は図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図であり、図16の(B)は図16の(A)に示した圧電/電歪アクチュエータの駆動サイクル数に対する圧電体の伸縮量の変化を示したグラフである。 図17の(A)は図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図であり、図17の(B)は図17の(A)に示した圧電/電歪アクチュエータの駆動サイクル数に対する圧電体の伸縮量の変化を示したグラフである。 図18の(A)は図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例を内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図であり、図18の(B)は図18の(A)に示した圧電/電歪アクチュエータの駆動サイクル数に対する圧電体の伸縮量の変化を示したグラフである。 図19の(A)〜(C)は、図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例をそれぞれの内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図である。 図20の(A)〜(D)は、図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例をそれぞれの内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図である。 図21の(A)〜(C)は、図1に示した圧電/電歪アクチュエータの他の変形例をそれぞれの内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電/電歪アクチュエータの縦断面図である。 図22に示した圧電/電歪アクチュエータを図22の2−2線に沿った平面にて切断した断面図である。 図22に示した圧電/電歪アクチュエータを図22の3−3線に沿った平面にて切断した断面図である。 (A)は本発明の他の変形例に係る圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図であり、(B)は同圧電/電歪アクチュエータの縦断面図である。 (A)は本発明の更に別の変形例に係る圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図であり、(B)は同圧電/電歪アクチュエータの縦断面図である。 個別打抜積層法について説明するための図である。 個別打抜積層法により貫通孔が形成されたシートの拡大断面図である。 個別打抜積層法により形成された中空円筒部の拡大断面図である。 打抜同時積層法により貫通孔を形成する一つの工程を示した図である。 打抜同時積層法により貫通孔を形成する他の工程を示した図である。 打抜同時積層法により貫通孔を形成する他の工程を示した図である。 打抜同時積層法により貫通孔を形成する他の工程を示した図である。 打抜同時積層法により貫通孔を形成する他の工程を示した図である。 図26に示した圧電/電歪アクチュエータの部分拡大断面図である。 打抜同時積層法により容易に形成される圧電/電歪アクチュエータの概略斜視図である。 従来の圧電/電歪アクチュエータの縦断面図である。 図37に示した圧電/電歪アクチュエータを内部電極層に沿った平面にて切断した部分の平面図である。 図37に示した圧電/電歪アクチュエータの内部電極層と側面電極との接続関係を示した概念図である。
符号の説明
10,90…圧電/電歪アクチュエータ、11,21,31,41,51,61,81,91…圧電体(又は電歪体)、12(12a,12b),22,32,42,52,82,92a,92b,92c…内部電極層、13(13a,13b),84…側面電極、14(14a,14b),24,34,83,93a,93b…電極引出部。

Claims (3)

  1. 圧電体内部に複数の内部電極層が互いに平行に形成されるとともに同複数の内部電極層に所定の電圧を印加して同圧電体を伸縮させる圧電/電歪アクチュエータであって、
    前記内部電極層のそれぞれは、前記圧電体の中央部に電圧が印加されて同圧電体が伸縮する活性部と同圧電体の中央部を取り囲む同圧電体の周部であって電圧が印加されることなく同圧電体が伸縮しない不活性部とが同圧電体に形成されるように同圧電体の中央部に配置され、且つ、同圧電体の外縁から同活性部までの距離である同不活性部の幅は互いに対向する一対の内部電極層間の距離である圧電体一層分の厚さ以上であり、且つ、同内部電極層のそれぞれが形成されている面において同不活性部の面積が同面全体の面積の50%以下であるように形成されてなる圧電/電歪アクチュエータ。
  2. 圧電体内部に複数の内部電極層が互いに平行に形成されるとともに同複数の内部電極層に所定の電圧を印加して同圧電体を伸縮させる圧電/電歪アクチュエータであって、
    前記内部電極層のそれぞれは、前記圧電体の中央部に電圧が印加されて同圧電体が伸縮する活性部と同圧電体の中央部を取り囲む同圧電体の周部であって電圧が印加されることなく同圧電体が伸縮しない不活性部とが同圧電体に形成されるように同圧電体の中央部に配置され、
    更に、前記圧電/電歪アクチュエータは、
    前記内部電極層から前記圧電体の側面まで略帯状を有するように延在し、且つ、同帯の幅が同内部電極層の外縁から外部に出ることなく同内部電極層に描くことができる最大面積の円の直径の30%以下である電極引出部と、
    前記圧電体の側面に露呈した電極引出部の端部同士を接続するように同圧電体の側面に形成された側面電極と、
    を備えた圧電/電歪アクチュエータ。
  3. 請求項2に記載の圧電/電歪アクチュエータにおいて、
    前記内部電極層の形状は、2以上の整数nのn回対称性を有する形状、長方形、楕円形及び長円形の何れかひとつである圧電/電歪アクチュエータ。
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