JP2007227438A - 露光装置及び方法並びに光露光用マスク - Google Patents

露光装置及び方法並びに光露光用マスク Download PDF

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Abstract

【課題】コストの大幅な上昇を招かずにステージの加減速の回数を低減させることができ、その結果として露光精度を向上させることができる露光装置等を提供する。
【解決手段】露光装置EXは、被露光体としてのウェハWに転写すべきパターンを有する回転可能なレチクルRと、ウェハWを保持してXY面内で移動可能なウェハステージWSTとを備えている。レチクルRは、例えば円筒形状又は円柱形状であり、その周上にウェハWに転写すべきパターンが形成されている。主制御系MCは、レチクルRの回転とウェハステージWSTの移動との同期をとりながら、レチクルRに形成されたパターンをウェハW上に転写する制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、マスクに形成されたパターンを基板上に露光転写する露光装置及び方法、並びに光露光用マスクに関する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像装置(CCD(Charge Coupled Device)等)、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスの製造においては、マスクやレチクル(以下、これらを総称する場合はマスクという)に形成されたパターンをフォトレジスト等の感光剤が塗布されたウェハやガラスプレート等(以下、これらを総称する場合は基板という)に転写する露光装置が用いられる。近年においては、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(所謂、ステッパ)又はステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(所謂、スキャニングステッパ)が多用されている。
上記のステッパは、基板を二次元的に移動自在な基板ステージ上に載置し、この基板ステージにより基板を歩進(ステッピング)させて、マスクのパターンの縮小像を基板上の各ショット領域に一括露光する動作を順次繰り返す露光装置である。また、スキャニングステッパは、細長い矩形状(スリット状)のパルス露光光をマスクに照射している状態で、マスクを載置したマスクステージと基板を載置した基板ステージとを互いに同期移動(走査)させつつマスクに形成されたパターンの一部を基板のショット領域に逐次転写し、1つのショット領域に対するパターンの転写が終了すると、走査方向と交差する方向に基板をステッピングさせて他のショット領域にパターンの転写を行う露光装置である。
上記のスキャニングステッパにおいては、1つのショット領域の露光を終える度にマスクステージ及び基板ステージの走査方向が逆向きにされて順次露光処理が行われる。つまり、ショット領域毎にプラススキャンとマイナススキャンとが交互に繰り返される。このため、スキャニングステッパでは、ショット領域を露光する度にマスクステージ及び基板ステージの加減速が行われることになる。
ここで、露光精度を向上させるためには、加速終了後に生ずる振動が収まって両ステージが共に一定速度になって十分な同期が取れてから露光処理を開始するのが望ましい。このためには、整定時間(加速を終了してから各ステージの振動が収束して速度が一定になるまでに要する時間)をある程度確保する必要がある。しかしながら、スキャニングステッパにおいては、加減速が繰り返されるため、整定時間が長くなるとスループット(単位時間に処理することができるウェハの枚数)の低下に直結してしまう。このため、スキャニングステッパでは、露光精度及びスループットを共に向上させることは容易ではなかった。近年においては、デバイスの製造効率を向上させ、デバイスの製造コストを低減させるために基板が大面積化する傾向にあるため、ステージの加減速の回数を低減することが望まれている。
以下の特許文献1には、互いに異なるショット領域に転写すべき複数のパターンが形成されたレチクルを用い、パターンの配列方向にレチクルを同期移動させて一度の走査で複数のショット領域の露光を行う露光装置が開示されている。かかる露光装置では、ステージの加減速の回数をレチクルに形成されたパターンの数分の1(例えば、2つのパターンが形成されている場合には1/2)にすることができるため、ステージの加減速に起因する同期精度等の低下を減少させ、且つスループットを向上させることができる。
また、以下の特許文献2には、第1,第2のレチクルステージを設けて、第1のレチクルステージが走査中に第2のレチクルステージを反対方向に移動させて、第1のレチクルステージの走査終了後にウェハステージの連続移動と連動させて第2のレチクルステージを用いた露光を行う露光方法が開示されている。かかる露光方法では、ウェハ上に設定されたショット領域のうちの1列分のショット領域の露光をウェハステージの加減速なしに行うことができる。
特開平10−284411号公報 特許第3531297号公報
ところで、上記の特許文献1では、ステージの加減速の回数を低減させるためには、多くのパターンをレチクルに形成する必要がある。このため、レチクルが大面積化してレチクルの作成に要するコストが極めて大になるという問題が考えられる。また、この大面積のレチクルを用いるため、レチクルステージの大型化を招き、露光装置のコスト上昇を招くという問題も考えられる。
上記の特許文献2では、複数のレチクルステージを設けるとともに、各々のレチクルステージに載置するレチクルを形成する必要がある。また、各レチクルステージ上に載置されたレチクルのパターンの像をウェハ上に投影するための光学系を設ける必要がある。更に、各レチクルステージ間の同期をとるのはもちろんのこと、これらのレチクルステージとウェハステージとの同期をとる必要がある。このため、露光装置の大幅なコスト上昇を招くとともに、レチクル作成のコストも倍になるという問題が考えられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、コストの大幅な上昇を招かずにステージの加減速の回数を低減させることができ、その結果として露光精度を向上させることができる露光装置及び方法、並びに露光用マスクを提供することを目的とする。
本発明は、実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
上記課題を解決するために、本発明の露光装置は、所定のパターンを被露光体(W)に露光転写する露光装置(EX)において、前記被露光体に転写すべきパターンを有する回転可能なマスク(R)と、前記被露光体を保持して移動可能なステージ装置(WST)と、前記マスクの回転と前記ステージ装置の移動とを同期制御する制御装置(MC)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、マスクの回転に同期して被露光体が移動することにより、マスクに形成されたパターンの転写が行われる。
上記課題を解決するために、本発明の露光方法は、所定のパターンを被露光体(W)に露光転写する露光方法において、前記被露光体に転写すべきパターンを有する回転可能なマスク(R)を、前記被露光体の移動に同期させて回転させつつ前記マスクのパターンを前記被露光体に転写することを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の光露光用マスクは、所定のパターンを被露光体(W)に転写するために用いられる光露光用マスク(R)であって、前記被露光体に転写すべきパターン(P、P′、P1、P2)を有し、円筒形状及び円柱形状の何れか一方の形状であることを特徴としている。
本発明によれば、パターンが形成された回転可能なマスクを用いて露光処理を行っているため、従来のマスクを往復運動させつつ露光処理を行う場合や、マスクを保持する複数のステージを設ける場合に比べて露光装置の大幅なコスト上昇を招くことはない。また、本発明によれば、マスクを回転させ続けるとともに、被露光体を一方向に移動させることで被露光体上の複数箇所にパターンを転写することができるため、ステージの加減速の回数を低減させることができる。その結果として、露光精度を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による露光装置及び方法並びに光露光用マスクについて詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による露光装置の概略構成を示す正面図である。図1に示す通り、本実施形態の露光装置EXは、マスクとしてのレチクルRを駆動するレチクル駆動機構RM、被露光体としてのウェハWを保持するウェハステージWST、レチクルRを露光光ELで照明する照明光学系ILS、露光光ELで照明されたレチクルRのパターン像をウェハステージWSTに保持されているウェハW上に投影する投影光学系PL、及び露光装置EX全体の動作を統括制御する主制御系MCを含んで構成される。
また、本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸式の露光装置であって、ウェハW上に液体Lqを供給する液体供給機構SWと、ウェハW上の液体Lqを回収する液体回収機構CWとを備えている。露光装置EXは、少なくともレチクルRのパターンをウェハW上に転写する露光動作を行っている間において、液体供給機構SWから供給した液体Lqにより投影光学系PLの投影領域PRを含むウェハW上の一部に液浸領域WRを形成する。具体的には、露光装置EXは、投影光学系PLの先端部(終端部)の光学素子1とウェハWの表面との間を液体Lqで満たし、投影光学系PL及び液体Lqを介してレチクルRのパターン像をウェハW上に投影してウェハWを露光する。
図1に示す露光装置EXは、レチクルRとウェハWとを同期移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウェハWに転写する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。詳細は後述するが、本実施形態の露光装置EXで用いられるレチクルRは回転可能であるため、ウェハWの移動に同期するようレチクルRの回転が制御される。尚、以下の説明においては、必要に応じて図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でレチクルRとウェハWとの同期移動方向(走査方向)をY軸方向、Z軸方向及びY軸方向に垂直な方向(非走査方向)をX軸方向に設定している。また、X軸、Y軸、及びZ軸周りの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向に設定する。
露光装置EXは、レチクル駆動機構RM及び投影光学系PLを支持するメインコラム2を備えている。メインコラム2は、床面に水平に載置されたベースプレート3上に設置されている。メインコラム2には、内側に向けて突出する上側段部2a及び下側段部2bが形成されている。照明光学系ILSは、メインコラム2の上部に固定された支持コラム4により支持されている。照明光学系ILSは、レチクルRを露光光ELで照明するものであり、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び露光光ELによるレチクルR上の照明領域を細長い矩形状(スリット状)に設定する可変視野絞り等を有している。
また、本実施形態の露光装置EXは、照明光学系ILSから射出される露光光ELを円筒形状又は円柱形状(以下、これらの形状を総称する場合には、円筒形状という)のレチクルRに照射するための反射光学系を備えている。図2は、円筒形状のレチクルRに露光光ELを照射する反射光学系を示す側面図である。図2に示す通り、反射光学系40は、円筒形状のレチクルRと投影光学系PLとの間に配置されており、第1シリンドリカルレンズ41、折り曲げミラー42、及び第2シリンドリカルレンズ43を含んで構成される。
第1シリンドリカルレンズ41は、照明光学系ILSから射出されるスリット状の露光光ELの形状を補正する。折り曲げミラー42は、第1シリンドリカルレンズ41を透過して−Y方向に進む露光光ELをレチクルRに向けて偏向する。ここで、折り曲げミラー42は、露光光ELが円筒形状のレチクルRの最下部BTに向かうよう偏向する。第2シリンドリカルレンズ43は、折り曲げミラー42で偏向された露光光ELの形状を補正する。即ち、照明光学系ILSから射出されたスリット状の露光光ELは、第1シリンドリカルレンズ41及び第2シリンドリカルレンズ43によって、形状がX方向に延びる線状又は所定の幅を有するスリット状に補正された上で円筒形状のレチクルRの最下部BTに照射される。このように、反射光学系40はレチクルRを反射照明する。
レチクルRは、その最下部BTが投影光学系PLの物体側の焦点位置に配置されている。一方、投影光学系PLの像側の焦点位置にはウェハWの表面が配置されている。つまり、レチクルRは、その最下部BTが投影光学系PLに関してウェハWの表面と共役となるよう配置されている。尚、本実施形態では、露光用光源としてArFエキシマレーザ(波長193nm)を備えているものとする。更に、投影光学系PLとウェハWとの間に供給される液体Lqとしては、ArFエキシマレーザ光に対する吸収が少ない純水を用いている。
図3は、本発明の第1実施形態で用いられるレチクルRを示す図である。図3(a)に示す通り、円筒形状のレチクルRは、中心軸CXの周りで回転可能である。また、図3(b)に展開して示す通り、レチクルRの周方向に沿って複数のパターン形成領域PAが設けられており、これらパターン形成領域PAの各々の内部にウェハW上に転写すべきパターンPが形成されている。尚、図3(b)は、Y軸からZ軸へ向かう向き(−X方向から+X方向を見た場合の時計回り)にレチクルRの周上を内側から見た場合の展開図である。パターンPは、例えばクロム(Cr)等からなる金属膜を所定形状にパターニングしたものであり、その平面形状はウェハW上のショット領域に転写されるパターンと相似の形状である。尚、以下では、説明の簡単のために、パターンPが文字「F」の形状であるとする。
レチクルRの周方向に沿って複数のパターンを設ける第1の理由は、レチクルRの曲率半径を大きくすることでパターンの湾曲を低減するためである。第2の理由は、レチクルRの慣性モーメントを大きくしてレチクルRの回転を安定させるためである。また、第3の理由は、ウェハステージWSTの加減速の回数を低減するためである。つまり、ウェハW上に設定されるショット領域の各々を露光する度にウェハステージWSTの加減速を行っていたのでは、露光精度の向上及びスループットの向上の両立を図ることが困難である。このため、一度の走査で極力多くのショット領域を露光するために、レチクルRの周方向に沿って複数のパターンPを設けている。尚、図3(b)に示す例では、図示の簡単のために、レチクルRの周方向に4つのパターンPが形成されている例を挙げているが、ウェハW上に配列されたショット領域のY方向(走査方向)における最大数だけパターンPを形成するのが望ましい。
レチクル駆動機構RMは、メインコラム2の上側段部2a上に支持されており、中心軸CXがX方向に沿うようにレチクルRを保持するとともに、中心軸CXの周りで回転可能となるようレチクルRを保持する。このレチクル駆動機構RMは、レチクルRを一方向に一定速度で回転させることができるとともに、レチクルRの回転方向を反転させることができ、更にはY軸及びZ軸の周り(θY,θZ)でレチクルRの微動回転が可能である。また、レチクル駆動機構RMは、レチクルRを交換可能に保持している。例えば、レチクル駆動機構RMのレチクルRを保持する部分(保持部)が±X方向に移動可能に構成されており、この保持部を移動させることでレチクルRの交換が可能である。より具体的には、レチクルRの両端に配置される保持部の間隔を狭めることで±X方向から円筒形状のレチクルRの上底部及び下底部をそれぞれ挟持してレチクルRを保持することができ、保持部の間隔を広げることでレチクルRの保持が解除され、これによりレチクルRを交換することができる。
また、レチクル駆動機構RMには、レチクルRの回転量を検出するロータリーエンコーダ等の回転検出装置5が設けられている。この回転検出装置5によってレチクルRの回転量がリアルタイムで検出され、その検出結果は主制御系MCに出力される。主制御系MCは、回転検出装置5の検出結果に基づいてレチクルRの回転量を制御することで、ウェハWとレチクルRとの同期制御を行う。
投影光学系PLは、レチクルRのパターン像を所定の投影倍率βでウェハW上に投影するものであって、ウェハW側の先端部に設けられた光学素子(レンズ)1を含む複数の光学素子が鏡筒PKに支持されて構成されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4又は1/5の縮小系である。尚、投影光学系PLは等倍系及び拡大系の何れであってもよい。鏡筒PKの外周部にはフランジ部FLGが設けられている。また、メインコラム2の下側段部2bには、防振ユニット6を介して鏡筒定盤7が支持されている。そして、投影光学系PLのフランジ部FLGが鏡筒定盤7に係合することによって、投影光学系PLが鏡筒定盤7に支持されている。尚、本実施形態では、投影光学系PLが、レチクルRに形成されたパターンの倒立像をウェハW上に投影するものであるとする。
投影光学系PLの先端部に設けられる光学素子1は鏡筒PKに対して着脱(交換)可能に取り付けられている。液浸領域WRの液体Lqが接触する光学素子1は螢石(フッ化カルシウム:CaF)で形成されている。螢石は水との親和性が高いため、光学素子1の液体接触面のほぼ全面に液体Lqを密着させることができる。これにより、光学素子1とウェハWとの間の露光光ELの光路を液体Lqで確実に満たすことができる。尚、光学素子1は、純水との親和性が高い石英であってもよい。また、光学素子1の液体接触面に親水化(親液化)処理を施して、液体Lqとの親和性をより高めるようにしてもよい。
光学素子1の周囲には、光学素子1を囲むようにプレート部材8が設けられている。このプレート部材8は、液浸領域WRを広い範囲に亘って良好に形成するために設けられるものであり、ウェハWと対向する面(即ち下面)は平坦面となっている。投影光学系PLの先端部に設けられる光学素子1の下面(液体接触面)も平坦面になっており、プレート部材8の下面と光学素子1の下面とがほぼ面一となるよう配置される。光学素子1と同様に、プレート部材8の下面にも表面処理(親液化処理)を施すことが可能である。
ウェハステージWSTは、基板ホルダ9を介してウェハWを吸着保持して移動可能に構成されており、その下面には複数の非接触ベアリングである気体軸受(エアベアリング)10が設けられている。ベースプレート3上には、防振ユニット11を介して基板定盤12が支持されている。エアベアリング10は、基板定盤12の上面(ガイド面)に対して気体(エア)を吹き出す吹出口と、ウェハステージWST下面(軸受面)とガイド面との間の気体を吸引する吸気口とを備えており、吹出口からの気体の吹き出しによる反発力と吸気口による吸引力との釣り合いにより、ウェハステージWST下面とガイド面との間に一定の隙間を保持する。
つまり、ウェハステージWSTはエアベアリング10により基板定盤(ベース部材)12の上面(ガイド面)に対して非接触支持されており、リニアモータ等の基板ステージ駆動機構により、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、即ちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。更に、基板ホルダ9は、ウェハステージWSTに対してZ軸方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能に設けられている。基板ステージ駆動機構は主制御系MCにより制御される。即ち、主制御系MCは、基板ステージ駆動機構を介して基板ホルダ9を制御し、ウェハWのフォーカス位置(Z位置)及び傾斜角を制御してウェハWの表面をオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式で投影光学系PLの像面に合わせ込む。
ウェハステージWST(基板ホルダ9)上には移動鏡13が設けられており、移動鏡13に対向する位置にはレーザ干渉計14が設けられている。ウェハステージWST上のウェハWの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計14によりリアルタイムで計測され、計測結果は主制御系MCに出力される。主制御系MCはレーザ干渉計14の計測結果に基づいてリニアモータを含む基板ステージ駆動機構を駆動することでウェハステージWSTに支持されているウェハWの位置決めを行う。
また、ウェハステージWST(基板ホルダ9)上には、ウェハWを囲むように補助プレート15が設けられている。この補助プレート15は基板ホルダ9に保持されたウェハWの表面とほぼ同じ高さの平面を有している。この補助プレート15を設けることで、ウェハWのエッジ領域を露光する場合にも、補助プレート15とウェハWにより投影光学系PLの下に液体Lqが保持される。また、基板ホルダ9の上面における補助プレート15の外側には、ウェハWの外側に流出した液体Lqを回収する不図示の回収装置に接続された回収口16が設けられている。回収口16は補助プレート15を囲むように形成された環状の溝部であって、その内部にはスポンジ状部材や多孔質体等からなる液体吸収部材が配置されている。
ウェハステージWSTは、Xガイドステージ17によりX軸方向に移動自在に支持されている。ウェハステージWSTは、Xガイドステージ17に案内されつつXリニアモータ18によりX軸方向に所定ストロークで移動可能である。Xガイドステージ17の長手方向の両端には、このXガイドステージ17をウェハステージWSTとともにY軸方向に移動可能な一対のYリニアモータ19が設けられている。Yリニアモータ19の固定子とガイド部20の平坦部との間には非接触ベアリングである気体軸受(エアベアリング)が介在されており、Yリニアモータ19の固定子はエアベアリングによりガイド部20の平坦部に対して非接触支持される。
また、基板定盤12のX軸方向における両側の各々には、正面視L字状に形成され、Xガイドステージ17のY軸方向への移動を案内するガイド部20が設けられている。ガイド部20はベースプレート3上に支持されている。一方、Xガイドステージ17の下面の長手方向の両端部のそれぞれには凹形状の被ガイド部材21が設けられている。ガイド部20は被ガイド部材21と係合し、ガイド部20の上面(ガイド面)と被ガイド部材21の内面とが対向するように設けられている。ガイド部20のガイド面には非接触ベアリングである気体軸受(エアベアリング)が設けられており、Xガイドステージ17はガイド面に対して非接触支持されている。
液体供給機構SWは、投影光学系PLとウェハWとの間に液体Lqを供給するものであって、超純水製造装置30、温調装置31、及び供給ノズル32を含んで構成される。超純水製造装置30は純度の高い超純水を製造する装置である。温調装置31は超純水製造装置30で製造された超純水の温度を一定に制御する温調制御部、超純水を脱気する脱気部、温調及び脱気した超純水を収容するタンク、及び超純水を送出する加圧ポンプ等を備える。供給ノズル32は、ウェハWの表面に近接して配置しているとともに供給管33を介して温調装置31と接続されており、温調装置31から送出される超純水を液体Lqとして投影光学系PLとウェハWとの間に供給するものである。
供給管33の途中には、温調装置31からウェハW上に供給される液体Lqの量(単位時間当たりの液体供給量)を計測する流量計34が設けられている。流量計34はウェハW上に供給される液体Lqの量をモニタし、その計測結果を主制御系MCに出力する。主制御系MCは流量計34のモニタ結果に応じて温調装置31の液体供給動作を制御し、投影光学系PLとウェハWとの間に供給する単位時間当たりの液体Lqの供給量を制御する。また、供給管33のうち流量計34と供給ノズル32との間には、供給管33の流路を開閉するバルブ35が設けられている。バルブ35の開閉動作は主制御系MCにより制御されるようになっている。
液体回収機構CWは、液体供給機構SWによって供給されたウェハW(又は、基板ホルダ9)上の液体Lqを回収するものであって、回収ノズル35、真空系36、流量計37、及び回収タンク38等を含んで構成される。回収ノズル35は、ウェハWの表面に近接して配置されており、回収管39を介して回収タンク38と接続されている。真空系36は真空ポンプを含んで構成されており、その動作は主制御系MCに制御される。真空系36が駆動することにより、ウェハW上の液体Lqは回収ノズル35を介して回収される。
回収ノズル35で回収された液体Lqは回収管39を介して回収タンク38に導かれる。回収管39の途中には、回収された液体Lqの量(単位時間当たりの液体回収量)を計測する流量計37が設けられている。流量計37はウェハW上から回収ノズル35を介して回収された液体Lqの量をモニタし、その計測結果を主制御系MCに出力する。主制御系MCは流量計37のモニタ結果に応じて真空系36の動作を制御し、投影光学系PLとウェハWとの間から回収される液体Lqの単位時間当たりの回収量を制御する。
回収タンク38は回収ノズル35を介して回収された液体Lqを一時的に蓄えるものであり、その底部には蓄えた液体Lqを排出する排出管が設けられている。この排出管から排出された液体Lqは、例えば廃棄されたり、或いはクリーン化されて超純水製造装置30等に戻され再利用される。
ここで、液体供給機構SW及び液体回収機構CWの構成について詳細に説明する。図4は、液体供給機構SW及び液体回収機構CWと投影光学系PLの投影領域PRとの位置関係の一例を示す平面図である。図4に示す通り、投影光学系PLの投影領域PRはX方向に細長い矩形状(スリット状)になっており、その投影領域PRをY方向に挟むように、+Y側に3つの供給ノズル32a〜32cが配置され、−Y側に2つの回収ノズル35a,35bが配置されている。供給ノズル32a〜32cは供給管33を介して温調装置31に接続され、回収ノズル35a,35bは回収管39を介して流量計37に接続されている。
また、投影領域PRに関して供給ノズル32a〜32cと対称な位置に供給ノズル32a′〜32c′が配置され、投影領域PRに関して回収ノズル35a,35bと対称な位置に回収ノズル35a′,35b′が配置されている。供給ノズル32a〜32cと回収ノズル35a′,35b′とはX方向に交互に配列され、供給ノズル32a′〜32c′と回収ノズル35a,35bとはX方向に交互に配列されている。また、供給ノズル32a′〜32c′は供給管33′を介して温調装置31に接続され、回収ノズル35a′,35b′は回収管39を介して流量計37に接続されている。尚、供給管33′の途中には、供給管33と同様に、流量計34′が設けられている。
また、図1においては図示を省略しているが、露光装置EXは、ウェハステージWSTに支持されているウェハWの表面の位置を検出するフォーカス検出系を備えている。フォーカス検出系は、ウェハW上に液体Lqを介して斜め方向より検出用光束を投射する投光部と、ウェハWで反射した上記検出用光束の反射光を受光する受光部とを備えている。フォーカス検出系(受光部)の受光結果は主制御系MCに出力される。主制御系MCはフォーカス検出系の検出結果に基づいて、ウェハW表面のZ軸方向の位置情報とウェハWのθX及びθY方向の傾斜情報とを検出することができる。フォーカス検出系の構成としては、例えば特開平8−37147号公報に開示されているものを適用できる。
更に、露光装置EXは、オフ・アクシス方式のアライメントセンサを投影光学系PLの側方に備える。このアライメントセンサは、FIA(Field Image Alignment)方式のアライメントセンサであり、例えばハロゲンランプから射出される広帯域波長の光束を検出ビームとしてウェハW上に形成されたマークに照射し、ウェハWから得られる反射光をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子で撮像し、撮像した画像信号を主制御系MCに供給する。主制御系MCは、この画像信号に画像処理を施して、撮像されたマークの位置情報を算出する。このアライメントセンサとしては、例えば特開平4−65603号公報に開示されているものを適用することができる。
尚、図1の一部断面図に示すように、液体供給機構SW及び液体回収機構CWは、鏡筒定盤7に対して分離支持されている。これにより、液体供給機構SW及び液体回収機構CWで生じた振動が、鏡筒定盤7を介して投影光学系PLに伝わることはない。
次に、上記構成の露光装置EXを用いてレチクルRのパターンをウェハWに転写する露光方法について説明する。図5は、本発明の第1実施形態による露光方法を示すフローチャートである。露光シーケンスが開始されると、ウェハWがウェハステージWSTにロードされる(ステップS11)。尚、ウェハWをロードしている最中に、必要であればレチクルRの交換も行われる。
次に、EGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)計測が行われる(ステップS12)。ここで、EGA計測とは、ウェハW上に予め設定された代表的な一部(3〜9個)のショット領域の各々に付随して形成されたマーク(アライメントマーク)の位置情報と、その設計情報とに基づいてウェハW上に設定された全てのショット領域の配列の規則性を統計的な手法で決定する演算方法をいう。具体的には、アライメントセンサを用いてウェハステージWSTにロードされたウェハWに形成された代表的な数個のマークの位置情報が計測され、この計測結果に基づいて主制御系MCがEGA演算を行い、ウェハW上に設定された全てのショット領域の配列の規則性を決定する。
次いで、主制御系MCは、液体供給機構SWに設けられた温調装置31に対して制御信号を出力して超純水製造装置30で製造された超純水の温度を一定にさせるとともに、温度が一定にされた超純水を単位時間当たり所定量の割合で送出させる。温調装置31から送出された超純水は、供給管33(33′)及び供給ノズル32(32a〜32c,32a′〜32c′)を介して投影光学系PLの先端部に設けられる光学素子1とウェハWとの間に液体Lqとして供給される。
また、主制御系MCは、液体供給機構SWによる液体Lqの供給に伴って液体回収機構CWの真空系38を駆動し、回収ノズル35(35a,35b,35a′,35b′)、回収管39を介して単位時間当たり所定量の液体Lqを回収タンク38に回収する。これにより、投影光学系PLの先端部の光学素子1とウェハWとの間に液体Lqの液浸領域WRが形成される(ステップS13)。ここで、液浸領域WRを形成するために、主制御系MCは、例えばウェハW上に対する液体供給量とウェハW上からの液体回収量とがほぼ同じ量になるように、液体供給機構SW及び液体回収機構CWのそれぞれを制御する。
投影光学系PLとウェハWとの間に一定量の液体Lqが常時供給されている状態で、主制御系MCは、ウェハステージWSTを駆動して最初の露光開始位置へウェハWをステップ移動させる(ステップS14)。ここで、被露光体としてのウェハWについて説明する。図6は、ウェハWの平面図の一例を示す図である。図6に示す通り、ウェハW上にはX方向及びY方向に複数のショット領域SA1〜SAn(nは2以上の自然数)が配列されている。尚、図6においては、説明の簡単のために、Y方向(走査方向)におけるショット領域の最大数を4にしている。つまり、ショット領域のY方向の最大数と、レチクルRの周方向に形成されたパターンPの数とが同数に設定されている場合を例に挙げて説明する。ウェハWを露光する場合には、図6に示すショット領域SA1〜SAnの順で露光が行われるとする。このため、上記のステップS14では、ショット領域SA1が投影領域PRの+Y側の近傍に配置されようにウェハステージWSTが駆動される。
ウェハWの移動が完了すると、主制御系MCは、ウェハステージWSTに制御信号を出力して−Y方向への加速を開始させるとともに、レチクル駆動機構RMに制御信号を出力して中心軸CXの周りでのレチクルRの回転を開始させる。尚、ウェハWが−Y方向に移動している場合には、主制御系MCはY軸からZ軸へ向かう向き(−X方向から+X方向を見た場合の時計回り)にレチクルRを回転させる。ウェハWの−Y方向への移動速度及びレチクルRの角速度が一定になって同期が取れた後で、ショット領域SA1の−Y側の端部が投影領域PRに達すると、主制御系MCは照明光学系ILSから露光光ELを射出させて反射光学系40を介してレチクルRを照明し、レチクルRのパターンの像を投影光学系PL及び液体Lqを介してウェハW上に投影する。
走査露光時には、投影領域PRにレチクルRの一部のパターン像が投影されている状態で、投影光学系PLに対して、レチクルRのパターンPが+Y方向に速度Vで移動するのに同期して、ウェハWが−Y方向に速度β・V(βは投影倍率)で移動する。尚、図3に示すレチクルRは、周方向に沿って4つのパターンPが形成されているため、レチクルRが90°回転するとショット領域SA1の露光が終了する。尚、上記のEGA計測により、ウェハW上のショット領域の配列誤差があり、又はショット領域の変形が生じているとの計測結果が得られた場合には、ウェハステージWSTの移動速度、レチクルRの回転速度、レチクルRの回転軸の微調整、又は投影光学系PLの光学特性の調整等を行って、ショット領域の配列誤差や変形に応じてウェハW上に投影するパターン像を補正するのが望ましい。
最初に露光すべきショット領域SA1に対する走査露光が終了すると、ウェハステージWSTの減速を行わずにウェハステージWSTの−Y方向への移動を継続するとともに、チクルRの回転を継続する。そして、ショット領域SA1の+Y側に配置されているショット領域SA2の露光を同様に行う。つまり、本実施形態では、一度の走査でY方向に配列された1列分のショット領域の露光が継続して行われる(ステップS15)。
尚、本実施形態では、ウェハWの移動方向と同一方向に液体Lqを流すようにしている。つまり、図4中の走査方向SD1(−Y方向)にウェハWを移動させて走査露光を行う場合には、供給管33、供給ノズル32a〜32c、回収ノズル35a,35b、及び回収管39を用いて、液体供給機構SW及び液体回収機構CWによる液体Lqの供給及び回収が行われる。即ち、ウェハWが−Y方向に移動する際には、供給ノズル32(32a〜32c)から投影光学系PLとウェハWとの間に液体Lqが供給されるとともに、ウェハW上の液体Lqがその周囲の気体とともに回収ノズル35(35a,35b)から回収され、これによって投影光学系PLの先端部の光学素子1とウェハWとの間を満たすように液体Lqが−Y方向に流れる。
ショット領域SA2の露光を終えると、主制御系MCは、ウェハステージWSTを減速させる。そして、1枚のウェハWの露光が終了したか否か、つまりウェハW上の全ての露光を終えたか否かを判断する(ステップS16)。ここでは、ショット領域SA1,SA2の露光のみを終えたばかりであり、他に露光すべきショット領域が残っているため、ステップS16の判断結果は「NO」になる。次いで、主制御系MCはレチクル駆動機構RMに制御信号を出力してレチクルRの回転方向を反転させる(ステップS17)。つまり、Z軸からY軸へ向かう向き(−X方向から+X方向を見た場合の反時計回り)にレチクルRを回転させる。次に、主制御系MCは、ウェハステージWSTを駆動して次の露光開始位置へウェハWをステップ移動させる(ステップS18)。具体的には、次に露光すべきショット領域SA3が投影領域PRの−Y側の近傍に位置するようにウェハステージWSTを駆動する。尚、スループット向上のために、ステップS18のウェハステージWSTの移動を行っている最中にステップS17のレチクルの回転方向反転を行うのが望ましい。また、レチクルRの回転方向の反転動作中は、レチクルRに対する露光光ELの照射を行わないように(ウェハWの露光を一旦停止するように)しておくことが望ましい。
以上のウェハWの移動が完了すると、主制御系MCは、ウェハステージWSTの移動方向を逆方向に設定し、ウェハステージWSTに制御信号を出力して+Y方向への加速を開始させる(ステップS19)。尚、レチクルRはステップS17の処理でZ軸からY軸へ向かう向き(−X方向から+X方向を見た場合の反時計回り)への回転が開始されているものとする。ウェハWの+Y方向への移動速度及びレチクルRの角速度が一定になって同期が取れた後で、ショット領域SA3の+Y側の端部が投影領域PRに達すると、主制御系MCは照明光学系ILSから露光光ELを射出させて反射光学系40を介してレチクルRを照明し、レチクルRのパターンの像を投影光学系PL及び液体Lqを介してウェハW上に投影する。
このときには、投影領域PRにレチクルRの一部のパターン像が投影されている状態で、投影光学系PLに対して、レチクルRのパターンPが−Y方向に速度Vで移動するのに同期して、ウェハWが+Y方向に速度β・Vで移動する。そして、Y方向に配列されたショット領域SA3〜SA6を順次露光する。尚、図3に示すレチクルRは、周方向に沿って4つのパターンPが形成されているため、レチクルRが360°回転すると1列分のショット領域SA3〜SA6の露光が終了する。
尚、+Y方向(図2中の走査方向SD2)にウェハWを移動させて走査露光を行う場合には、供給管33′供給ノズル32a′〜32c′、回収ノズル35a′,35b′、及び回収管39を用いて、液体供給機構SW及び液体回収機構CWによる液体Lqの供給及び回収が行われる。即ち、ウェハWが+Y方向に移動する際には、供給ノズル32′(32a′〜32c′)から投影光学系PLとウェハWとの間に液体Lqが供給されるとともに、ウェハW上の液体Lqがその周囲の気体ともに回収ノズル35(35a′,35b′)から回収され、これによって投影光学系PLの先端部の光学素子1とウェハWとの間を満たすように+Y方向に液体Lqが流れる。
以下同様に、Y方向に配列された1列のショット領域の露光を終える度に、レチクルRの回転方向を反転するとともに、ウェハステージWSTの移動方向(走査方向)を逆向きにして、列単位での露光処理が行われる(ステップS15〜S19)。以上の動作を繰り返し、主制御系MCがウェハW上の全ての露光を終えたと判断した場合(ステップS16の判断結果が「YES」である場合)には、主制御系MCはウェハステージWST上に載置されているウェハWをアンロードする(ステップS20)。そして、次に露光すべきウェハWの有無を判断する(ステップS21)。露光すべきウェハWがある場合には判断結果が「YES」となり、ステップS11以降の処理を繰り返す。一方、露光すべきウェハWが無い場合には、判断結果が「NO」となり、一連の露光処理が終了する。
以上説明した通り、本実施形態においては、複数のパターンPが周方向に形成された円筒形状のレチクルRを回転させつつ、Y方向に配列された1列のショット領域を一度の走査で露光している。そして、Y方向に配列された1列のショット領域の露光を終える度に、レチクルRの回転方向を反転するとともに、ウェハステージWSTの移動方向(走査方向)を逆向きにすることで、複数列のショット領域を露光している。このため、従来に比べてウェハステージWSTの加減速の回数を大幅に低減することができる。また、本実施形態では、複数のパターンPが形成された円筒形状のレチクルRを用いているため、平面系のレチクルに複数のパターンを形成する場合や、複数のレチクルステージを設ける場合に比べて露光装置EXの大幅なコスト上昇を招くことはない。
また、本実施形態の露光装置EXでは、従来のようにショット領域毎にウェハステージWSTの走査方向を頻繁に変えつつ露光を行っている訳ではなく、ウェハステージWSTの走査方向を変えずに走査方向(Y方向)に配列された1列分のショット領域を連続して露光している。よって、投影光学系PLの光学素子1とウェハWとの間の液浸領域WRを安定させることができ、露光精度を向上させることができる。また、例えば走査方向を頻繁に変化させた場合には、液浸領域WRに気泡が混入して欠陥が生ずる可能性も考えられるが、本実施形態では走査方向を変化させる回数が従来に比べて遥かに少ないため、かかる欠陥が生ずる確率を大幅に低減させることができる。
尚、上記実施形態では、周方向に複数のパターンPが形成されているレチクルRを用いて露光を行う場合を例に挙げて説明したが、レチクルRの周方向に形成されるパターンは1つのみでも良い。図7は、本発明の第1実施形態で用いられるレチクルRの他の例を示す展開図である。図7に示す例では、レチクルRの周方向に沿って1つのパターン形成領域PA′が設けられており、パターン形成領域PA′の内部にウェハW上に転写すべき1つのパターンP′が形成されている。
このパターンP′は、例えばクロム(Cr)等からなる金属膜を所定形状にパターニングしたものであり、その平面形状はウェハW上のショット領域に転写されるべきパターンを周方向に延ばした形状である。尚、ここでは、レチクルRの曲率半径を大きくするために、レチクルRの周方向に延ばされたパターンP′を示しているが、曲率半径が小さくても良い場合にはウェハW上のショット領域に転写されるべきパターンと相似の形状であっても良い。かかるパターンP′が形成されたレチクルRを用いる場合には、1つのショット領域を露光する度にレチクルRを360°回転させる必要がある。このため、図3(b)に示す4つのパターンPが形成されたレチクルRを用いる場合に比べてレチクルRの回転速度を4倍にする必要がある。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の露光装置の全体構成は、図1に示す第1実施形態の露光装置EXとほぼ同様の構成であるが、使用するレチクルR及びレチクル駆動機構RMの構成が異なる。図8は、本発明の第2実施形態で用いられるレチクルRを示す図である。図8(a)に示す通り、円筒形状のレチクルRは、図3(a)に示すレチクルRと同様に、中心軸CXの周りで回転可能である。但し、側面が第1領域Z1と第2領域Z2とに分割されている点が異なる。
レチクルRの第1領域Z1には、図8(b)に展開して示す通り、レチクルRの周方向に沿って複数のパターン形成領域PA1が設けられており、これらパターン形成領域PA1の各々の内部にウェハW上に転写すべきパターンP1が形成されている。また、レチクルRの第2領域Z2には、図8(c)に展開して示す通り、レチクルRの周方向に沿って複数のパターン形成領域PA2が設けられており、これらパターン形成領域PA2の各々の内部にウェハW上に転写すべきパターンP2が形成されている。尚、図8(b),(c)は、図3(b)と同様に、Y軸からZ軸へ向かう向き(−X方向から+X方向を見た場合の時計回り)にレチクルRの周上を内側から見た場合の展開図である。このように、本実施形態で用いるレチクルRは、中心軸CXの方向に沿って複数列のパターンを有している。
これら複数列に亘るパターンP1,P2は、例えばクロム(Cr)等からなる金属膜を所定形状にパターニングしたものであり、その平面形状はウェハW上のショット領域に転写されるパターンと相似の形状である。但し、パターンP1とパターンP2とは、レチクルRの周上(側面上)で180°回転した関係にある。尚、本実施形態のレチクルRにおいても、レチクルRの曲率半径を大きくし、慣性モーメントを大きくし、更にはウェハステージWSTの加減速の回数を低減するためにパターンP1,P2は周方向に沿って複数形成されている。尚、図8(b),(c)に示す例では、図示の簡単のために、レチクルRの周方向に4つのパターンP1,P2がそれぞれ形成されている例を挙げているが、ウェハW上に配列されたショット領域のY方向(走査方向)における最大数だけパターンPを形成するのが望ましい。
レチクル駆動機構RMは、第1実施形態のものと同様に、中心軸CXがX方向に沿うようにレチクルRを保持するとともに、中心軸CXの周りで回転可能となるようレチクルRを保持する。但し、レチクル駆動機構RMは、レチクルRを一方向(Y軸からZ軸へ向かう向き(−X方向から+X方向を見た場合の時計回り))にのみレチクルRを回転させる点が異なる。尚、第1実施形態と同様に、Y軸及びZ軸の周り(θY,θZ)でレチクルRの微動回転が可能であり、レチクルRを交換可能に保持している。また、本実施形態のレチクル駆動機構RMは、X方向に沿ってレチクルRを平行移動(シフト)させることが可能である。これにより、照明光学系ILSから射出され、反射光学系40で反射された露光光ELを、第1領域Z1及び第2領域Z2の何れか一方にのみ照射させることが可能である。また、ここで、レチクルRを平行移動(シフト)する代わりに、パターンP1とパターンP2の両方に露光光ELを照射させる光学系を設け、光学的に切り替える方式をとることも可能である。
図9は、本発明の第2実施形態による露光方法を示すフローチャートである。尚、図9においては、図5に示したフローチャート中の処理と同様の処理が行われるステップには同一の符号を付してある。図9及び図5に示したフローチャートを比較すると、図5中のステップS17に代えてステップS22が設けられている点が異なる。露光シーケンスが開始されると、第1実施形態と同様に、ウェハWがウェハステージWSTにロードされ(ステップS11)、EGA計測が行われ(ステップS12)、液浸領域WRが形成され(ステップS13)、ウェハWが最初の露光開始位置へステップ移動される(ステップS14)。尚、初期状態においては、レチクルRの第2領域Z2に露光光ELが照射されるとする。
ウェハWの移動が完了すると、主制御系MCは、ウェハステージWSTに制御信号を出力して−Y方向への加速を開始させるとともに、レチクル駆動機構RMに制御信号を出力して中心軸CXの周りでのレチクルRの回転を開始させる。尚、レチクル駆動機構RMは、−X方向から+X方向を見た場合の時計回りにレチクルRを回転させる。ウェハWの−Y方向への移動速度及びレチクルRの角速度が一定になって同期が取れた後で、ショット領域SA1の−Y側の端部が投影領域PRに達すると、主制御系MCは照明光学系ILSから露光光ELを射出させる。この露光光ELは反射光学系40を介してレチクルRの第2領域Z2に照射され、これによりレチクルRに形成されたパターンP2の像が投影光学系PL及び液体Lqを介してウェハW上に投影される。そして、第1実施形態と同様に、パターンP2が逐次ショット領域SA1に転写される。
最初に露光すべきショット領域SA1に対する走査露光が終了すると、ウェハステージWSTの減速を行わずにウェハステージWSTの−Y方向への移動を継続するとともに、チクルRの回転を継続する。そして、ショット領域SA1の+Y側に配置されているショット領域SA2の露光を同様に行う(ステップS15)。ショット領域SA2の露光を終えると、主制御系MCは、ウェハステージWSTを減速させる。そして、1枚のウェハWの露光が終了したか否か、つまりウェハW上の全ての露光を終えたか否かを判断する(ステップS16)。
このステップS16の判断結果が「NO」である場合には、主制御系MCはレチクル駆動機構RMに制御信号を出力してレチクルRを+X方向にシフトさせる(ステップS22)。尚、このときには、第1実施形態のようにレチクルRの回転方向は反転させない。次に、主制御系MCは、ウェハステージWSTを駆動して次の露光開始位置へウェハWをステップ移動させる(ステップS18)。具体的には、次に露光すべきショット領域SA3が投影領域PRの−Y側の近傍に位置するようにウェハステージWSTを駆動する。尚、スループット向上のために、ステップS18のウェハステージWSTの移動を行っている最中にステップS22のレチクルのシフトを行うのが望ましい。また、レチクルRのシフトを行っている最中には、露光光ELをレチクルRに対し射出させないように(ウェハWの露光を一旦停止するように)しておくことが望ましい。
以上のウェハWの移動が完了すると、主制御系MCは、ウェハステージWSTの移動方向を逆方向に設定し、ウェハステージWSTに制御信号を出力して+Y方向への加速を開始させる(ステップS19)。そして、ウェハWの+Y方向への移動速度及びレチクルRの角速度が一定になって同期が取れた後で、ショット領域SA3の+Y側の端部が投影領域PRに達すると、照明光学系ILSから露光光ELを射出させる。この露光光ELは反射光学系40を介してレチクルRの第1領域Z1に照射され、これによりレチクルRに形成されたパターンP1の像が投影光学系PL及び液体Lqを介してウェハW上に投影される。そして、Y方向に配列されたショット領域SA3〜SA6の各々にパターンP1が順次露光される。
以下同様に、Y方向に配列された1列のショット領域の露光を終える度に、レチクルRをX方向にシフトさせるとともに、ウェハステージWSTの移動方向(走査方向)を逆向きにして、列単位での露光処理が行われる(ステップS15,S16,S22,S18〜S19)。以上の動作を繰り返し、主制御系MCがウェハW上の全ての露光を終えたと判断した場合(ステップS16の判断結果が「YES」である場合)には、主制御系MCはウェハステージWST上に載置されているウェハWをアンロードする(ステップS20)。そして、次に露光すべきウェハWの有無を判断する(ステップS21)。露光すべきウェハWがある場合には判断結果が「YES」となり、ステップS11以降の処理を繰り返す。一方、露光すべきウェハWが無い場合には、判断結果が「NO」となり、一連の露光処理が終了する。
以上説明した通り、本実施形態においては、レチクルRを一方向に回転させ続け、ウェハステージWSTの走査方向に応じてレチクルRをX方向にシフトさせて転写すべきパターンP1,P2を切り替えている。かかる動作を行う本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、ウェハステージWSTの加減速の回数を低減し、露光装置の大幅なコスト上昇を抑制し、また露光精度の向上を図ることができる。更に、本実施形態によれば、レチクルRの回転方向を反転させる必要がないため、レチクルRの回転方向を反転させて回転速度が一定速度になるまでに必要な時間を省くことができる。これにより、スループットの向上を図ることができる。
尚、本実施形態では、以上の通り、ウェハステージWSTの移動方向に拘わらずレチクルRを一方向に回転させ続けるとともに、ウェハステージWSTの移動方向に応じてレチクルRをX方向にシフトすることで異なるパターン(レチクルRの周上(側面上)で180°回転した関係にあるパターン)を転写している。このため、第2領域Z2に形成されたパターンP2は、レチクルRの最下部BTにおいてパターンP2が+Y方向に移動し、且つウェハWが−Y方向に移動することで転写される。これに対し、第1領域Z1に形成されたパターンP1は、レチクルRの最下部BTにおいてパターンP1が+Y方向に移動し、且つウェハWが+Y方向に移動することで転写される。
ここで、本実施形態の露光装置は、第1実施形態と同様に、倒立像をウェハW上に投影する投影光学系PLを備えている。よって、レチクルRに照射される露光光ELがスリット状でY方向にある幅を有している場合には、レチクルRのパターンの移動方向とウェハWの移動方向とが逆向きになるようにしなければパターンを正常に露光することができない。つまり、露光光ELがスリット状である場合には、第2領域Z2に形成されたパターンP2を正常に転写することができるが、第1領域Z1に形成されたパターンP2は正常に転写することがきない。このため、本実施形態では、レチクルRの最下部BTに線状の露光光EL(X方向のYが極めて狭い露光光)を照射する必要がある点に留意する。
尚、本実施形態においては、図7に示すパターンと同様の周方向に延びたパターンが第1領域Z1と第2領域Z2との各々に形成されたレチクルRを使用することができる。但し、第1領域Z1のパターンと第2領域Z2のパターンとが、レチクルRの周上(側面上)で180°回転した関係にある必要がある。また、かかるパターンPが形成されたレチクルRを用いる場合には、1つのショット領域を露光する度にレチクルRを360°回転させる必要があるため、図8に示す4つのパターンP1,P2が形成されたレチクルRを用いる場合に比べてレチクルRの回転速度を4倍にする必要がある。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の露光装置は、以上説明した第2実施形態による露光装置において、スリット状の露光光ELをレチクルRに照射する場合であっても正常なパターン転写を可能とするものである。本実施形態の露光装置の全体構成は図1に示す第1実施形態の露光装置EXとほぼ同様の構成であり、また使用するレチクルR及びレチクル駆動機構RMの構成は第2実施形態と同様である。但し、投影光学系PLの構成が異なる。本実施形態の露光装置が備える投影光学系PLは、その投影像を倒立像と正立像との何れか一方に切り替え可能である。
図10は、本発明の第3実施形態による露光装置が備える投影光学系PLの構成を示す側面図である。図10に示す通り、本実施形態の投影光学系PLは、投影レンズ50、1/2波長板51、偏光ビームスプリッタ52、正立像形成レンズ53、折り曲げミラー54,55、正立像形成レンズ56、偏光ビームスプリッタ57、1/2波長板58、及び投影レンズ59を含んで構成される。尚、図10においては、投影光学系PL以外にはレチクルR及びウェハWのみを図示しており、供給ノズル32、回収ノズル35等の他の構成の図示は省略している。尚、図10において、レチクルRの最下部に太線で示した領域はX方向に延びるスリット状の露光光ELが照射される照明領域IAであり、ウェハW上に太線で示した領域は露光光ELが照射される露光領域EAである。
投影レンズ50は、レチクルRからの光を平行光に変換する。1/2波長板51,58は、入射する光の偏光方向を変化させるものであり、光軸AXの周りで回転可能に構成されている。尚、これら1/2波長板51,58の回転量の制御は主制御系MCによって行われる。具体的には、主制御系MCは、1/2波長板58が1/2波長板51の回転に併せて回転するように1/2波長板51,58の各々の回転量を制御する。偏光ビームスプリッタ52,57は、偏光方向がY軸方向である光だけを透過させ、偏光方向がX軸方向である光を反射する。正立像形成レンズ53は中間結像点MPに中間像を形成し、正立像形成レンズ56は中間結像点MPを介した光を平行光に変換する。投影レンズ59は、1/2波長板58を透過した光をウェハW上に集光する。
上記構成において、照明領域IA内の1点からの露光光ELは、投影レンズ50に入射して平行光に変換された後に1/2波長板51に入射する。ここで、露光光ELが1/2波長板51を通過することにより、露光光ELの偏光方向はX方向又はY方向の何れかとなる。1/2波長板51を通過した露光光ELは、偏光ビームスプリッタ52に入射する。ここで、1/2波長板51を通過する露光光ELの偏光方向がY方向である場合には、露光光ELは偏光ビームスプリッタ52を透過し、X軸方向である場合には露光光ELは偏光ビームスプリッタ52で反射される。
偏光ビームスプリッタ52を透過した露光光ELは、偏光ビームスプリッタ57に至る。前述した通り、偏光ビームスプリッタ52と偏光ビームスプリッタ57とは、透過させる光の偏光方向が同じとなるように配置されているため、偏光ビームスプリッタ52から偏光ビームスプリッタ57に入射した露光光ELは偏光ビームスプリッタ57を透過する。偏光ビームスプリッタ57を透過した露光光ELは、1/2波長板58を通過する際にその偏光方向が、1/2波長板51に入射する前の方向に戻されて、投影レンズ59に入射する。投影レンズ59は、照明領域IA上の1点から発っせられ、投影光学系PLの上記各光学素子を通過した露光光ELを屈折させて、ウェハW上の露光領域EAの1点に集光させる。
一方、偏光ビームスプリッタ52で反射された露光光ELは、正立像形成レンズ53に入射して屈折し、折り曲げミラー54で折り曲げられた後、中間結像点MPに達する。この中間結像点MPには、照明領域IA内のパターンの倒立像が結像される。この中間結像点を通過した露光光ELは、折り曲げミラー55に折り曲げられた後に正立像形成レンズ56を介して偏光ビームスプリッタ57に入射する。ここで、偏光ビームスプリッタ52と偏光ビームスプリッタ57とは、反射させる光の偏光方向が同じとなるように配置されているため、偏光ビームスプリッタ57は、正立像形成レンズ56からの露光光ELを反射する。偏光ビームスプリッタ57で反射された露光光ELは、1/2波長板58を通過する際にその偏光方向が、1/2波長板51に入射する前の方向に戻されて、投影レンズ59に入射する。投影レンズ59は、照明領域IA上の1点から発っせられ、投影光学系PLの上記各光学素子を通過した露光光ELを屈折させて、ウェハW上の露光領域EAの1点に集光させる。
ところで、図10においては、照明領域IA内の+Y側の点Q1からの露光光ELの主光線を破線又は二点差線で図示している。露光光ELの経路は、偏光ビームスプリッタ52を透過するか、又は偏光ビームスプリッタ52で反射されるかによって異なるが、偏光ビームスプリッタ52を透過した場合の主光線を破線で示し、偏光ビームスプリッタ52で反射される場合の主光線を二点差線で示している。図10に示す通り、偏光ビームスプリッタ52を透過する場合には、点Q1からの露光光ELの主光線は、破線で示す経路を通って露光領域EA内の点Q2に到達する。即ち、かかる場合には、照明領域IA内の点Q1の像が、露光領域EA内の点Q2に結像する。一方、偏光ビームスプリッタ52で反射される場合には、点Q1からの露光光ELの主光線は、二点差線で示す経路を通って露光領域EA内の点Q3に到達する。即ち、かかる場合には、照明領域IA内の点Q1の像が、露光領域EA内の点Q3に結像する。
以上から、照明領域IA内全体で見ると、露光光ELが偏光ビームスプリッタ52を通過した場合には、露光領域EAには照明領域IA内のパターンの倒立像が結像され、偏光ビームスプリッタ52で反射された場合には、露光領域EAには照明領域IA内のパターンの正立像が結像される。即ち、露光光ELが偏光ビームスプリッタ52を透過するか又は反射されるかにより、照明領域IA内のパターン像が倒立像になるか又は正立像になるかが決定される。投影光学系PL内の露光光ELの偏光方向は1/2波長板51の回転量によって決定されるため、主制御系MCが1/2波長板51の回転量を調整することで、倒立像をウェハW上に投影するか、又は正立像をウェハW上に投影するかを制御することができる。
ここで、前述した第2実施形態では、第2領域Z2に形成されたパターンP2を転写する場合には、レチクルRの最下部BTにおいてパターンP2を+Y方向に移動させ、且つウェハWを−Y方向に移動させており、第1領域Z1に形成されたパターンP1を転写する場合には、レチクルRの最下部BTにおいてパターンP1を+Y方向に移動させ、且つウェハWを+Y方向に移動させていた。このため、第1領域Z1に形成されたパターンP1を転写する場合にはウェハW上に倒立像を投影させ、第2領域Z2に形成されたパターンP2を転写する場合にはウェハW上に正立像を投影させれば、パターンP1,P2を転写する場合の何れの場合であっても正常なパターン転写が可能となる。
尚、本実施形態では、図9に示す第2実施形態と同様の露光方法を用いてウェハWを露光することができる。但し、例えば図9に示すステップS22で、レチクルRをシフトするとともに、図10に示す1/2波長板51,58を回転させて、ウェハステージWSTの移動方向に応じて倒立像の投影又は正立像の投影を切り替える必要がある。以上の通り、本実施形態では、第2実施形態と同様に、ウェハステージWSTの加減速の回数低減、スループット向上等が実現できるとともに、スリット状の露光光ELを用いても正常なパターン転写を行うことができる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態の露光装置の全体構成は、図1に示す第1実施形態の露光装置EXとほぼ同様の構成であるが、使用するレチクルR及び照明光学系ILSからの露光光ELをレチクルRに照射する光学系の構成が異なる。図11は、本発明の第4実施形態で用いられるレチクルRを示す図である。図11(a)に示す通り、円筒形状のレチクルRは、図3(a)に示すレチクルRと同様に、中心軸CXの周りで回転可能である。但し、図11(b)に展開して示す通り、レチクルRの周方向に沿ってパターン形成領域PAが設けられたパターン部A1と、パターン形成領域が設けられていない透明部A2とを有する点が異なる。ここで、透明部A2は、照射される露光光ELを透過する領域である。
図11(b)に示す例では、パターン部A1及び透明部A2の周方向に占める割合が1対1に設定されている。このため、レチクルRを一方向に回転させると、レチクルRが180°回転する度にパターン部A1と透明部A2とが交互に現れる。尚、パターン部A1と透明部A2との周方向に占める割合は1対1に限られる訳ではない。図11(b)に示す例では、パターン部A1に2つのパターン形成領域PAが設けられており、これらの内部には、図3に示すレチクルRと同様のパターンPが形成されている。尚、図11(b)に示す例では、図示の簡単のために、パターン部A1に2つのパターンPが形成されている例を挙げているが、パターン部A1にはウェハW上に配列されたショット領域のY方向(走査方向)における最大数だけパターンPを形成するのが望ましい。尚、レチクル駆動機構MCは、第2実施形態と同様に、レチクルRを一方向にのみ一定速度で回転させることができる。また、レチクル駆動機構MCは、Y軸及びZ軸の周り(θY,θZ)でレチクルRの微動回転が可能である。
本実施形態の露光装置は、照明光学系ILSから射出される露光光ELを円筒形状のレチクルRに照射する光学系として、図2に示す反射光学系40に代えて図12に示す透過光学系60を備えている。図12は、円筒形状のレチクルRに露光光ELを照射する透過光学系を示す側面図である。図12に示す通り、透過光学系60は、円筒形状のレチクルRの上方とレチクルRの内部に配置されており、第1シリンドリカルレンズ61、折り曲げミラー62、及び第2シリンドリカルレンズ63を含んで構成される。尚、図12では、レチクルRのパターン部A1を太線で示し、透明部A2を点線で示している。
第1シリンドリカルレンズ61は、照明光学系ILSから射出されるスリット状の露光光ELの形状を補正する。折り曲げミラー62は、レチクルRの上方(+Z方向)に配置されており、第1シリンドリカルレンズ61を透過して−Y方向に進む露光光ELをレチクルRに向けて−Z方向に偏向する。ここで、折り曲げミラー62は、露光光ELが円筒形状のレチクルRの最上部TPに向かうよう偏向する。第2シリンドリカルレンズ63は、レチクルRの内部に配置されており、折り曲げミラー62で偏向されてレチクルRの最上部TPを透過した露光光ELの形状を補正する。即ち、照明光学系ILSから射出されたスリット状の露光光ELは、第1シリンドリカルレンズ61及び第2シリンドリカルレンズ63によって、形状がX方向に延びる線状又は所定の幅を有するスリット状に補正されるとともに、円筒形状のレチクルRの最上部TPを透過した上でレチクルRの最下部BTに照射される。このように、透過光学系60はレチクルRを透過照明する。尚、本実施形態においても、レチクルRは、その最下部BTが投影光学系PLの物体側の焦点位置に配置されている。
次に、本発明の第4実施形態による露光方法について説明する。尚、以下の説明では、説明の簡単のために、レチクルのパターン部A1には、ウェハW上に配列されたショット領域のY方向(走査方向)における最大数(ここでは、4つとする)だけパターンPが形成されているものとする。図13は、本発明の第4実施形態による露光方法を示すフローチャートである。尚、図13においては、図5に示したフローチャート中の処理と同様の処理が行われるステップには同一の符号を付してある。図13及び図5に示したフローチャートを比較すると、図5中のステップS17,S18に代えてステップS23が設けられている点が異なる。
露光シーケンスが開始されると、第1実施形態と同様に、ウェハWがウェハステージWSTにロードされ(ステップS11)、EGA計測が行われ(ステップS12)、液浸領域WRが形成され(ステップS13)、ウェハWが最初の露光開始位置へステップ移動される(ステップS14)。ウェハWの移動が完了すると、主制御系MCは、ウェハステージWSTに制御信号を出力して−Y方向への加速を開始させるとともに、レチクル駆動機構RMに制御信号を出力して中心軸CXの周りでのレチクルRの回転を開始させる。尚、レチクル駆動機構RMは、−X方向から+X方向を見た場合の時計回りにレチクルRを回転させる。
ウェハWの−Y方向への移動速度及びレチクルRの角速度が一定になって同期が取れた後で、ショット領域SA1の−Y側の端部が投影領域PRに達し、且つパターン部A1の周方向における一端E1が最下部BTに達すると、主制御系MCは照明光学系ILSから露光光ELを射出させる。この露光光ELは透過光学系60によってレチクルRの上方からレチクルの最上部TPに照射される。パターン部A1の一端E1が最下部BTに達すると、パターン部の他端E2は最上部TPに位置するため、このまま回転が進めばレチクルRの最上部には透明部A2が位置することになり、最上部TPに照射された露光光ELは透明部A2を透過し、レチクルRの内側からレチクルRの最下部BTに照射される。これにより、レチクルRに形成されたパターンPの像が投影光学系PL及び液体Lqを介してウェハW上に投影される。そして、第1実施形態と同様に、パターンPが逐次ショット領域SA1に転写される。
最初に露光すべきショット領域SA1に対する走査露光が終了すると、ウェハステージWSTの減速を行わずにウェハステージWSTの−Y方向への移動を継続するとともに、チクルRの回転を継続する。そして、ショット領域SA1の+Y側に配置されているショット領域SA2の露光を同様に行う(ステップS15)。ショット領域SA2の露光を終えると、主制御系MCは、ウェハステージWSTを減速させる。そして、1枚のウェハWの露光が終了したか否か、つまりウェハW上の全ての露光を終えたか否かを判断する(ステップS16)。
このステップS16の判断結果が「NO」である場合には、主制御系MCは、ウェハステージWSTを駆動して次の露光開始位置へウェハWをステップ移動させるとともに、ウェハWをステップ移動させている最中にレチクルRを180°回転させる(ステップS18)。尚、ウェハWのステップ移動中にレチクルRを180°回転しきるのではなく、次に露光すべきショット領域(ショット領域SA3)の露光を開始するまでにレチクルRを180°回転させる(ステップS23)。ここでレチクルRを180°回転させることにより、ショット領域SA1の露光を開始するときに最下部BTに位置していた端部E1が、再び最下部BTに位置することになる。
以上のウェハWのステップ移動が完了すると、主制御系MCは、ウェハステージWSTの移動方向を逆方向に設定し、ウェハステージWSTに制御信号を出力して+Y方向への加速を開始させる(ステップS19)。ウェハWの+Y方向への移動速度及びレチクルRの角速度が一定になって同期が取れた後で、ショット領域SA3の+Y側の端部が投影領域PRに達し、且つ回転を続けるレチクルRのパターン部A1の周方向における一端E1が最下部BTに達すると、主制御系MCは照明光学系ILSから露光光ELを射出させる。この露光光ELは透過光学系60及びレチクルRの透明部A2を介してレチクルRの最下部BTに照射され、これによりレチクルRに形成されたパターンPの像が投影光学系PL及び液体Lqを介してウェハW上に投影される。そして、Y方向に配列されたショット領域SA3〜SA6の各々にパターンPが順次露光される。尚、本実施形態では、レチクルRが180°回転するとショット領域SA3〜SA6が全て露光される。
以下同様に、Y方向に配列された1列のショット領域の露光を終える度に、ウェハWをステップ移動させている最中にレチクルRを180°回転させつつ列単位での露光処理が行われる(ステップS15,S16,S23,S19)。以上の動作を繰り返し、主制御系MCがウェハW上の全ての露光を終えたと判断した場合(ステップS16の判断結果が「YES」である場合)には、主制御系MCはウェハステージWST上に載置されているウェハWをアンロードし(ステップS20)、次に露光すべきウェハWの有無を判断する(ステップS21)。露光すべきウェハWがある場合には判断結果が「YES」となり、ステップS11以降の処理を繰り返す。一方、露光すべきウェハWが無い場合には、判断結果が「NO」となり、一連の露光処理が終了する。
以上説明した通り、本実施形態においては、レチクルRを一方向に回転させ続けて、レチクルRのパターン部A1が最下部BTにおいて照明されている間に露光処理を行い、パターン部A1が最上部TPに配置されている間はウェハWをステップ移動させている。かかる動作を行う本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、ウェハステージWSTの加減速の回数を低減し、露光装置EXの大幅なコスト上昇を抑制し、また露光精度の向上を図ることができる。更に、本実施形態によれば、レチクルRの回転方向を反転させる必要がなく、レチクルRの180°回転はウェハWをステップ移動させている最中に行えば良いため、レチクルRの回転方向を反転させて回転速度が一定速度になるまでに必要な時間、及びレチクルRを180°回転させるための無駄な時間を省くことができる。これにより、スループットの向上を図ることができる。
尚、以上説明した第4実施形態においては、露光光ELを透過させるために、パターン部A1と透明部A2とが設けられたレチクルRを用いる必要があることから、レチクルRの周上におけるパターンの形成位置を変えることができるアクティブマスクを用いるのが望ましい。ここで、第4実施形態において1列のショット領域を露光する度にレチクルRを180°回転させるのは、パターン部A1によって露光光ELが遮光されているからであり、露光光ELの遮光部分を無くせば1列のショット領域を露光する度に行われるレチクルRの回転を省略することができ、スループットを向上させることができると考えられる。
このため、レチクルRをアクティブマスクとし、レチクルRの回転に応じて例えばレチクルRの最下部BT及びその近傍でのみパターンを形成するようにすれば、レチクルRの最上部TP及びその近傍で露光光ELが遮光されなくなるため、スループットを向上させることができる。尚、アクティブマスクとは、一般に、電子マスクである。電子マスクは、例えば液晶やDMD(ディジタル・マイクロミラー・デバイス)等の非発光型画像表示素子と自発光型画像表示素子との双方を含む概念である。
ここで、非発光型画像表示素子は、空間光変調器(Spatial Light Modulator)とも呼ばれ、光の振幅、位相或いは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器と反射型空間光変調器とに分けられる。透過型空間光変調器には、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystral Display)、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が含まれる。また、反射型空間光変調器には、DMD(Digital Mirror Device又はDigital Micro-mirror Device)、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:ElectroPhoretic Display)、電子ペーパ(又は電子インク)、光回折ライトバルブ(Grating Light Value)等が含まれる。
また、自発光型画像表示素子には、CRT(Cathod Ray Tube)、無機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)や、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、又は複数の発光点を1枚の基板に作り込んだ固体光源アレイ(例えばLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、LD(Laser Diode)ディスプレイ等)等が含まれる。尚、周知のプラズマディスプレイ(PDP
)の各画素に設けられている蛍光物質を取り除くと、紫外域の光を発光する自発光型画像表示素子となる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第4実施形態で設けられていた透過光学系60(照明光学系ILSからの露光光ELをレチクルRに照射する光学系)に代えて、図14に示す透過光学系70を備える点が異なる。図14は、透過光学系70を示す側面図である。図14に示す通り、本実施形態の透過光学系70は、第1シリンドリカルレンズ71、折り曲げミラー72、及び第2シリンドリカルレンズ73を含んで構成され、図11に示す透過光学系60とほぼ同様の構成である。しかしながら、透過光学系70は、透過光学系60とは結像関係が異なる。尚、図14においても、レチクルRのパターン部A1を太線で示し、透明部A2を点線で示している。
第1シリンドリカルレンズ71は、照明光学系ILSから射出される−Y方向に進むスリット状の露光光ELがレチクルRの最上部TPに集光されるように集光する。尚、第1シリンドリカルレンズ71は、図14において−Y方向に進む露光光ELをZ方向についてのみ集光し、X方向については集光しない。折り曲げミラー72は、レチクルRの上方(+Z方向)に配置されており、第1シリンドリカルレンズ71を透過して−Y方向に進む露光光ELをレチクルRに向けて−Z方向に偏向する。ここで、折り曲げミラー72は、露光光ELが円筒形状のレチクルRの最上部TPに向かうよう偏向する。この折り曲げミラー72で露光光ELが偏向されることにより、レチクルRの最上部TPには、X方向に延びる線状の露光光ELが照射される。
第2シリンドリカルレンズ73は、レチクルRの内部に配置されており、レチクルRの最上部TPと最下部BTとを光学的に共役関係にする。尚、第2シリンドリカルレンズ73は、レチクルRの最上部TPに配置されるパターンの正立像がレチクルRの最下部BTに結像するものとする。ここで、本実施形態においても、レチクルRは、その最下部BTが投影光学系PLの物体側の焦点位置に配置されている。このため、本実施形態では、レチクルRの最上部TP、レチクルの最下部BT、及び投影光学系PLの像側に位置するウェハWの表面が互いに共役関係にある。よって、照明光学系ILSから射出されたスリット状の露光光ELは、第1シリンドリカルレンズ71及び折り曲げミラー72を順に介して集光されてレチクルRの最上部TPに照射される。レチクルRの最上部TPに照射された露光光ELは、レチクルRを透過して第2シリンドリカルレンズ73に入射し、再び集光されてレチクルRの最下部BTに照射される。このように、透過光学系70はレチクルRを透過照明する。
以上の透過光学系70を備える本実施形態では、レチクルRの最上部TPと最下部BTとが共役関係にあるため、パターン部A1が最下部BT側に配置されている場合のみならず、最上部TP側に配置されている場合にもパターンPをウェハWに転写することが可能である。図12を用いて説明した第4実施形態による露光方法では、Y方向に配列された1列のショット領域の露光を終える度に、ウェハWをステップ移動させている最中にレチクルRを180°回転させていた(ステップS23)。レチクルRを180°回転させるのに要する時間が、ウェハWをステップ移動させる時間と同程度或いは短い場合には、第4実施形態による露光方法を用いてもスループットが低下することはない。
しかしながら、レチクルRを180°回転させるのに要する時間に比べてウェハWをステップ移動させる時間が極端に短い場合にはスループットが低下することが予想される。かかる場合に、図14に示した透過光学系60を用いると、Y方向に配列された1列のショット領域の露光を終えてウェハWをステップ移動させた後で直ちに次に露光すべき列のショット領域を露光することが可能となる。つまり、パターン部A1の一端E1が最下部BTに達したときにY方向に配列された1列のショット領域の露光が開始される場合を考えると、その列に配列されたショット領域の露光が終了するのは、パターン部A1の他端E2が最下部BTに達した時である。このときには、パターン部A1の一端E1は、最上部E2に配置されることになるため、即座にウェハWをステップ移動させれば次に露光すべき列に配列されたショット領域の露光を開始することが可能になる。以上説明した第5実施形態によれば、第4実施形態よりもスループットを向上させることが可能である。
尚、以上説明した透過光学系70は、レチクルRの最上部TPと最下部BTとを共役関係にするものであったため、投影光学系PLのレチクルR側の焦点位置を動的には切り替えてはいない。しかしながら、透過光学系70の構成を、レチクルRに対する露光光ELの照射位置をレチクルRの最上部TPにするか、又は最下部BTにするかを切り替える第1光学系と、投影光学系PLの物体側の焦点位置をレチクルRの最上部TPにするか、又は最下部BTにするかを切り替える第2光学系とを備える構成とし、レチクルRの周上におけるパターンの位置に応じて上記の切り替えを行うようにしても良い。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態の露光装置の全体構成は、図1に示す第1実施形態の露光装置EXとほぼ同様の構成であるが、照明光学系ILSから射出される露光光ELを円筒形状のレチクルRに照射する光学系として、図2に示す反射光学系40に代えて図15に示す内部照明光学系80を備えている。図15は、円筒形状のレチクルRに露光光ELを照射する内部照明光学系80を示す斜視図である。図15に示す通り、内部照明光学系80は、円筒形状のレチクルRの内部に配置されており、折り曲げミラー81、ビームエキスパンダ82、及びシリンドリカルレンズ83を含んで構成される。
本実施形態では照明光学系ILSから射出される露光光ELは−X方向に進み、レチクルRの上底部又は下底部(+X側における端部)からレチクルRの内部に入射する。尚、照明光学系ILSから射出される露光光ELは第1〜第5実施形態のようにスリット状ではなく、例えば円形の断面形状である。折り曲げミラー81は、レチクルRの内部に入射して−X方向に進む露光光EXを−Z方向に偏向する。ビームエキスパンダ82は、折り曲げミラー81の下方(−Z方向)に配置されており、折り曲げミラー81で偏向されて−Z方向に進む露光光ELを+X方向と−X方向に発散させる。シリンドリカルレンズ83は、ビームエキスパンダ82の下方に配置されており、エキスパンダ82で+X方向と−X方向に発散する露光光ELの形状を、X方向に延びる線状又は所定の幅を有するスリット状に補正する。
よって、照明光学系ILSから射出された断面円形状の露光光ELは、折り曲げミラー81により−Z方向に偏向された後、ビームエキスパンダ82で+X方向と−X方向に発散される。そして、シリンドリカルレンズ83によってその形状がX方向に延びる線状又は所定の幅を有するスリット状に補正されてレチクルRの内側からレチクルRの側面に照射される。このように、内部照明光学系80は、レチクルRを内側から照明する。以上の内部照明光学系80は、レチクルRの内部に配置されることがあることから、使用可能なレチクルRは中空である必要がある。また、レチクルRは、レチクル駆動機構RMによって上底部及び下底部が挟持されるが、レチクルRの両端に配置されてレチクルRの上底部及び下底部を保持する保持部が透明であることが必要になる。この内部照明光学系80は、前述した第1実施形態〜第4実施形態でも使用することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、レチクルRが円筒部材の周上にパターンが形成されたもの、又は円筒部材の周上におけるパターンを変更することができるアクティブマスクである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、例えばパターンが形成された可撓性のあるパターンシートと透明材料で形成された円柱形状の回転部材とからなるレチクルRを用いても良い。かかるレチクルRは、回転部材をレチクル駆動機構RMによって回転可能に露光装置EX内に固定配置し、この回転部材の周上にパターンシートを巻き付けて使用する。パターンシートを交換することで、ウェハW上に転写すべきパターンを変更することができる。
また、上記実施形態では、レチクルRが円筒形状(円柱形状を含む)である場合を例に挙げて説明したが、本発明はレチクルRの形状が円筒形状や円柱形状に限られる訳ではない。例えば、断面形状が楕円形状の筒又は柱形状、複数の曲面を継ぎ接ぎしてなる形状、又は円錐形状等であってもよい。つまり、本発明で用いることができるレチクルRは回転可能なものである。また、上記実施形態では、円筒形状のレチクルRのパターンを平面状のウェハW上に転写する例について説明したが、ウェハWは必ずしも平面形状である必要はなく、レチクルRと同様の円筒形状であっても良く、更には球形等の任意の形状のものを用いることができる。
尚、上記実施形態においては、露光用光源としてArFエキシマレーザ光源を備えているため、液体Lqとして純水を用いている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、ウェハW上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有率が極めて低いため、ウェハW表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。また、工場の純水はそのレベル(純水度)が低いことも考えられるので、その場合には露光装置自身が超純水化機構を持つようにしても良い。
波長が193nm程度の露光光に対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44と言われており、露光光の光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、ウェハW上では1/n、即ち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、即ち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
尚、液浸露光に用いる光源1としてKrFエキシマレーザ光源やFレーザ光源を用いることもできる。Fレーザ光源を用いる場合、液浸露光用の液体としてはFレーザ光を透過可能な例えばフッ素系オイルや過フッ化ポリエーテル(PFPE)等のフッ素系の液体を用いればよい。また、その他にも、露光光に対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLやウェハW表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLとウェハWとの間を局所的に液体で満たす液浸露光装置を採用しているが、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する液浸露光装置にも本発明を適用可能である。尚、本発明は、液浸露光装置に限られる訳ではなく、液浸法を用いない露光装置にも適用可能である。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報等に開示されているように、ウェハ等の被処理基板を別々に載置してXY方向に独立に移動可能な2つのステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
また、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を例に挙げて説明したが、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置にも本発明を適用することができる。更に、本発明は半導体素子の製造に用いられる露光装置だけではなく、液晶表示素子(LCD)等を含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置等にも適用することができる。
次に、本発明の実施形態による露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図16は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造工程の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、まず、ステップS31(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS32(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS33(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、ステップS34(ウェハ処理ステップ)において、ステップS31〜ステップS33で用意したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS35(デバイス組立ステップ)において、ステップS34で処理されたウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS35には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS36(検査ステップ)において、ステップS35で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図17は、半導体デバイスの場合における、図16のステップS34の詳細なフローの一例を示す図である。図17において、ステップS41(酸化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップS42(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS43(電極形成ステップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS44(イオン打込みステップ)においてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS41〜ステップS44のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウェハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS45(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS46(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウェハに転写する。次に、ステップS47(現像ステップ)においては露光されたウェハを現像し、ステップS48(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS49(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
本発明の第1実施形態による露光装置の概略構成を示す正面図である。 円筒形状のレチクルRに露光光ELを照射する反射光学系を示す側面図である。 本発明の第1実施形態で用いられるレチクルRを示す図である。 液体供給機構SW及び液体回収機構CWと投影光学系PLの投影領域PRとの位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の第1実施形態による露光方法を示すフローチャートである。 ウェハWの平面図の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態で用いられるレチクルRの他の例を示す展開図である。 本発明の第2実施形態で用いられるレチクルRを示す図である。 本発明の第2実施形態による露光方法を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態による露光装置が備える投影光学系PLの構成を示す側面図である。 本発明の第4実施形態で用いられるレチクルRを示す図である。 円筒形状のレチクルRに露光光ELを照射する透過光学系を示す側面図である。 本発明の第4実施形態による露光方法を示すフローチャートである。 透過光学系70を示す側面図である。 円筒形状のレチクルRに露光光ELを照射する内部照明光学系80を示す斜視図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。 半導体デバイスの場合における、図16のステップS34の詳細なフローの一例を示す図である。
符号の説明
40 反射光学系
60,70 透過光学系
80 内部照明光学系
A2 透明部
CX 中心軸
EX 露光装置
MC 主制御系
P,P′,P1,P2 パターン
PL 投影光学系
R レチクル
SA1〜SAn ショット領域
W ウェハ
WST ウェハステージ

Claims (38)

  1. 所定のパターンを被露光体に露光転写する露光装置において、
    前記被露光体に転写すべきパターンを有する回転可能なマスクと、
    前記被露光体を保持して移動可能なステージ装置と、
    前記マスクの回転と前記ステージ装置の移動とを同期制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 前記マスクは、円筒形状及び円柱形状の何れか一方の形状であり、その中心軸の周りで回転可能であることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 前記マスクは、交換可能であることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  4. 前記マスクは、前記パターンが可変である電子マスクであることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  5. 前記マスクは、回転が一定速、或いは、前記パターン間で回転速度が変更可能であることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  6. 前記マスクには、周方向に沿って前記パターンが複数配列されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の露光装置。
  7. 前記被露光体上には、前記パターンを露光転写する単位である区画領域が複数配列されており、
    前記マスクには、前記被露光体上に配列された区画領域の1列に含まれる最大数だけ前記パターンが前記周方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項6記載の露光装置。
  8. 前記マスクは、前記被露光体に転写すべきパターンを周方向に延ばしたパターンを有することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の露光装置。
  9. 前記マスクは、前記周方向に沿う前記パターンを前記中心軸の方向に沿って複数列有することを特徴とする請求項6から請求項8の何れか一項に記載の露光装置。
  10. 前記中心軸の方向に沿う第1列に含まれる前記パターンは、前記第1列とは異なる第2列に含まれる前記パターンを、前記マスクの周上で180°回転したパターンであることを特徴とする請求項9記載の露光装置。
  11. 前記マスクは、前記周方向の一部に前記パターンが形成されていない透明部を有することを特徴とする請求項6から請求項10の何れか一項に記載の露光装置。
  12. 前記マスクの前記中心軸に沿う方向に延びる露光光を前記マスクに照射して、前記マスクを反射照明する照明光学系を備えることを特徴とする請求項2から請求項10の何れか一項に記載の露光装置。
  13. 前記マスクの前記中心軸に沿う方向に延びる露光光を前記マスクの透明部を介して前記パターンに照射して、前記マスクを透過照明する照明光学系を備えることを特徴とする請求項11記載の露光装置。
  14. 円筒形状の前記マスクの内部に配置されて、前記マスクの前記中心軸に沿う方向に延びる露光光を前記マスクの内部から前記パターンに照射する照明光学系を備えることを特徴とする請求項2から請求項10の何れか一項に記載の露光装置。
  15. 前記制御装置は、前記ステージ装置の移動方向に応じて前記マスクの回転方向を逆転させる制御を行うことを特徴とする請求項2から請求項8の何れか一項に記載の露光装置。
  16. 前記制御装置は、前記被露光体上の複数の区画領域上に前記マスクのパターンを転写する間に、前記マスクの回転方向を複数回切り替え制御することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の露光装置。
  17. 前記制御装置は、前記ステージ装置の移動方向に拘わらず前記マスクを一方向に回転させながら前記被露光体上に設定された区画領域の全てを露光する制御を行うことを特徴とする請求項10記載の露光装置。
  18. 前記制御装置は、前記ステージ装置の移動方向に応じて前記マスクを前記中心軸に沿う方向に移動させて、前記第1列に含まれる前記パターンを露光に用いるか、又は前記第2列に含まれる前記パターンを露光に用いるかを切り替える制御を行うことを特徴とする請求項17記載の露光装置。
  19. 前記制御装置は、前記ステージ装置の移動方向に応じて、前記電子マスクのパターンを切り替える制御を行うことを特徴とする請求項4記載の露光装置。
  20. 前記マスクと前記ステージ装置との間に配置され、前記マスクに形成されたパターンの像を前記ステージ装置上の前記被露光体に投影する投影光学系と、
    前記マスクの回転量に応じて前記投影光学系の前記マスク側の焦点を、前記マスクの周上の異なる位置に合わせる光学系と
    を備えることを特徴とする請求項11記載の露光装置。
  21. 所定のパターンを被露光体に露光転写する露光方法において、
    前記被露光体に転写すべきパターンを有する回転可能なマスクを、前記被露光体の移動に同期させて回転させつつ前記マスクのパターンを前記被露光体に転写することを特徴とする露光方法。
  22. 前記マスクは、円筒形状及び円柱形状の何れか一方の形状であり、その中心軸の周りで回転可能であることを特徴とする請求項21記載の露光方法。
  23. 前記マスクは、前記パターンが可変である電子マスクであることを特徴とする請求項21記載の露光方法。
  24. 前記マスクは、回転が一定速、或いは、前記パターン間で回転速度が変更可能であることを特徴とする請求項21記載の露光方法。
  25. 前記被露光体の移動方向に応じて前記マスクの回転方向を逆転させることを特徴とする請求項22記載の露光方法。
  26. 前記マスクは、前記マスクの周上で180°回転した2種類のパターンを有しており、
    前記被露光体の移動方向に拘わらず前記マスクを一方向に回転させつつ、前記ステージ装置の移動方向に応じて何れのパターンを露光に用いるかを切り替えることを特徴とする請求項22記載の露光方法。
  27. 前記マスクは、周方向に沿って前記パターンが形成されたパターン形成部と前記パターンが形成されていない透明部とを有しており、
    前記マスクのパターンの像を前記被露光体上に投影する投影光学系の前記マスク側の焦点の位置を、前記パターン形成部の位置に応じて変更しつつ前記パターンを前記被露光体に転写することを特徴とする請求項22記載の露光方法。
  28. 前記被露光体の移動方向を途中で変更することなく、前記被露光体上に配列された区画領域の1列に含まれる区画領域の全てを露光することを特徴とする請求項21から請求項27の何れか一項に記載の露光方法。
  29. 前記ステージ装置の移動方向に応じて、前記電子マスクのパターンを切り替えることを特徴とする請求項23記載の露光方法。
  30. 所定のパターンを被露光体に転写するために用いられる光露光用マスクであって、
    前記被露光体に転写すべきパターンを有し、円筒形状及び円柱形状の何れか一方の形状であることを特徴とする光露光用マスク。
  31. その中心軸の周りで回転可能であることを特徴とする請求項30記載の光露光用マスク。
  32. 周方向に沿って前記パターンが複数配列されていることを特徴とする請求項30又は請求項31記載の光露光用マスク。
  33. 前記被露光体上に配列された区画領域の1列に含まれる最大数だけ前記パターンが前記周方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項32記載の光露光用マスク。
  34. 前記被露光体に転写すべきパターンを周方向に延ばしたパターンを有することを特徴とする請求項30又は請求項31記載の光露光用マスク。
  35. 前記周方向に沿う前記パターンを前記中心軸の方向に沿って複数列有することを特徴とする請求項32から請求項34の何れか一項に記載の光露光用マスク。
  36. 前記中心軸の方向に沿う第1列に含まれる前記パターンは、前記第1列とは異なる第2列に含まれる前記パターンを、前記マスクの周上で180°回転したパターンであることを特徴とする請求項35記載の光露光用マスク。
  37. 前記周方向の一部に前記パターンが形成されていない透明部を有することを特徴とする請求項32から請求項36の何れか一項に記載の光露光用マスク。
  38. 前記マスクは、前記パターンが可変である電子マスクであることを特徴とする請求項30又は請求項31記載の光露光用マスク。
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