JP2007224460A - ナノファイバー、その製造方法および繊維製品 - Google Patents

ナノファイバー、その製造方法および繊維製品 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的強度が高く、耐薬品性に優れるナノファイバー、その製造方法および繊維製品を提供する。
【解決手段】ポリオレフィンを含む高分子材料からなり、結晶化度が40%以上であり、繊維径が300nm以下であり、破断強度が100MPa以上であるナノファイバー;メルトフローレートが0.05g/10分以上であるポリオレフィンを含む高分子材料を超臨界流体または亜臨界状態の流体中で処理し、延伸する工程を含むナノファイバーの製造方法;本発明のナノファイバーを有する繊維製品。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナノファイバー、その製造方法および繊維製品に関する。
近年、ナノオーダーサイズに特有の機能発現、ナノオーダーでの複合化による新しい機能発現が期待されことから、ナノファイバーに対する関心が高まっている。
ナノファイバーは、繊維径がナノオーダーという極めて細い繊維であり、非常に大きな比表面積を有する等の特徴を有している。よって、ナノファイバーを用いたフィルターは、通常の繊維またはミクロファイバーを用いたフィルターと比較して、より微小な粒子を捉えることができるだけでなく、大きな比表面積を有することから、気体、液体、微粒子等の吸着効果にも優れる。
また、フィルターに用いられる繊維の繊維径がナノオーダーになると、従来の気体論では想定していない空気分子とナノファイバー表面との界面での相互作用に基づくSlip Flow効果(空気が滑りやすくなる効果)が発現する。そのため、ナノファイバーを用いたフィルターは、同一の圧損条件下でのろ過効率が向上することが知られている(例えば、非特許文献1)。
したがって、ナノファイバーおよびその集合体は、ろ過フィルター、バイオ・ケミカルハザード防止用フィルター等のフィルター、細胞培養担体、触媒担体、フィラー、軽量衣料、若もしくは、不織布研磨材等に有用である。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンは、(i)適度な力学特性および耐熱性を有している、(ii)結晶化度が高いことから、機械的強度が高く、耐薬品性に優れる、(iii)リサイクル性が良好であるため、近年の環境志向に適合した材料である、等の特徴を有する。したがって、ポリオレフィンからなるナノファイバーは、様々な分野での応用が期待される。
繊維径が非常に小さい繊維を得る方法としては、以下の方法が知られている。
(1)海島複合紡糸法(例えば、特許文献1)。
(2)数千から数万ボルトの高電圧を高分子溶液の入ったノズルの先端と基板上との間に加え、荷電した高分子溶液をノズル先端から噴射し、基板上にデポジットさせるエレクトロスピニング法。
また、繊維径の非常に小さいポリオレフィン系繊維を得る方法としては、メルトブローン法およびフラッシュ紡糸法が挙げられる(非特許文献2、非特許文献3のp.64−67)。
(3)溶融したポリマーを高速ガスの流体で吹き飛ばすことにより極細繊維を得るメルトブローン法。
(4)溶剤に溶かしたポリオレフィンを高速で吐出することにより溶剤を蒸発させ極細繊維を得るフラッシュ紡糸法。
(1)の方法で得られる繊維の繊維径は、約2μm程度までである。よって、(1)の方法では、ナノファイバーを得ることはできず、(1)の方法で得られる繊維では、ナノファイバーに期待される効果を得るには不充分である。また、(1)の方法では、海相を溶剤で除去する必要がある。
(2)の方法は、ナノファイバーを比較的容易に製造できる方法として、最近特に注目されている。高分子溶液に含まれる溶媒は、基板上に到達するまでに蒸発するため、乾燥したナノファイバーを得ることができる。しかしながら、該ナノファイバーは、(i)配向結晶化していないため、機械的強度が非常に低く、耐薬品性にも乏しい、(ii)得られたときの形態から、不織布にしか用いることができない、等の問題を有する。また、(2)の方法には、(iii)溶融紡糸法等と比較して生産性が低い、(iv)有機溶媒を使用する材料に対して高電圧を加えるため、取り扱いに注意が必要である、(v)ポリオレフィンを有機溶剤に溶解するためには、100℃以上の高温にする必要があり、ポリオレフィンに適用することが困難である、等の問題がある。
(3)の方法で得られるポリオレフィン系繊維の繊維径は、1〜6μm程度である。また、該繊維は、得られたときの形態から、不織布にしか用いることができない。
(4)の方法で得られるポリオレフィン系繊維の繊維径は、数μm〜数十μm程度である。また、該繊維は、得られたときの形態から、不織布にしか用いることができない。
また、(3)、(4)の方法で得られるポリオレフィン系繊維は、延伸されていないため、機械的強度が低い。
高強度、高弾性化を達成したポリエチレン繊維を製造する方法としては、以下の方法が開示されている。
(5)超高分子量ポリエチレンを紡糸口金から吐出した後引き取り、ついで超臨界流体またはそれに類する流体で処理する際にまたはその後に延伸する方法(非特許文献3のp.81−82)。
(5)の方法に用いられる超高分子量ポリエチレンは、メルトフローレートが溶融紡糸MFRが測定不能なほどに小さいため溶融紡糸が困難である。そのため、超高分子量ポリエチレンを溶剤に溶解して溶液とし、この溶液を吐出する方法、いわゆるゲル紡糸法にて得られたゲル状の未延伸糸を超臨界流体またはそれに類する流体で処理し、これを延伸する必要がある。しかしながら、ゲル状の未延伸糸を延伸した場合、得られる繊維の繊維径は、数10μm程度である。よって、(5)の方法で得られる繊維は、ナノファイバーとは言えない。
フィルター等に用いられる材料としては、ポリエチレンを延伸して得られた多孔質膜が開示されている(特許文献2、3)。該多孔質膜は、延伸によって形成されたナノオーダーのフィブリルによって構成されているが、フィブリルになっていない積層ラメラも多く残っており、ナノファイバーとはいえないものである。
本宮達也 監修、「ナノファイバーテクノロジーを用いた高度産業発掘戦略」、株式会社シーエムシー出版、2004年、p.371−373 繊維学会編、「最新の紡糸技術」、株式会社高分子刊行会、1992年、p.132−126、p.222−224 繊維学会編、「第3版 繊維便覧」、丸善株式会社、平成16年、p.64−67、p.81−82 特開2003−3323号公報 特開昭57−66114号公報 特許第3168036号公報
よって、本発明の目的は、機械的強度が高く、かつ耐薬品性に優れるナノファイバー、その製造方法およびナノファイバーに由来する特有の機能を発揮できる繊維製品を提供することにある。
本発明のナノファイバーは、ポリオレフィンを含む高分子材料からなり、X線法で測定した結晶化度が40%以上であり、繊維径が300nm以下であり、破断強度が100MPa以上であることを特徴とする。
本発明のナノファイバーの製造方法は、メルトフローレートが0.05g/10分以上であるポリオレフィンを含む高分子材料を、超臨界流体または亜臨界状態の流体中で処理し、延伸する工程を含むことを特徴とする。
超臨界流体または亜臨界状態の流体中で処理する際の温度は、該ポリオレフィンの融点をTmとしたときに、(Tm−120)℃以上(Tm+5)℃以下であることが好ましい。
本発明の繊維製品は、本発明のナノファイバーを有する繊維製品である。
本発明のナノファイバーは、機械的強度が高く、かつ耐薬品性に優れる。
本発明のナノファイバーの製造方法によれば、機械的強度が高く、かつ耐薬品性に優れるナノファイバーを得ることができる。
本発明の繊維製品は、ナノファイバーに由来する特有の機能を発揮できる。
<ナノファイバー>
本発明のナノファイバーは、ポリオレフィンを含む高分子材料からなるものである。本発明における「ナノファイバー」には、複数のナノファイバーが集合したナノファイバー集合体、該集合体を分繊して得られる単繊維状のナノファイバーが包含される。また、ナノファイバー集合体の形態としては、マルチフィラメント状、フィルム状、シート状、中空状等が例示できる。さらに、集合体がフィルム状やシート状の場合、単層構造・多層構造のいずれであってもよい。
ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレン、ペンテン、メチルペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン等のオレフィン類の単独重合体または共重合体やこれらオレフィンと酢酸ビニルまたはビニルアルコールとの共重合体が挙げられるが、延伸が容易であることから、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィンの割合は、高分子材料(100質量%)中、10質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%が最も好ましい。ポリオレフィンの割合が10質量%未満の場合、延伸による繊維構造の形成が不充分となるため、ナノファイバーを得ることが困難になるおそれがある。
本発明のナノファイバーの結晶化度は、40%以上であり、45%以上が好ましく、50%以上がさらに好ましい。結晶化度の上限は100%である。本発明のナノファイバーの結晶化度が40%未満の場合、ナノファイバーの機械的強度および耐薬品性が不充分になるおそれがある。
一般的に、結晶化度を測定する方法としては、X線法、密度法、融解熱法等がよく知られているが、本発明における「ナノファイバーの結晶化度」としては、X線法によって測定される結晶化度を用いる。ここで、X線法とは、広角X線回折測定から結晶化度を求める方法であり、結晶性回折と非晶生散乱とが比較的簡単に区別できることを利用し、全領域からの散乱強度(I)と結晶領域の散乱強度(Ic)とを測定し、所定の式[(Ic/I)×100]から結晶化度を算出する方法である(例えば、非特許文献3のp.81−82参照)。
一方、密度法は、あらかじめ測定したサンプルの密度から、下式(1)を用いて結晶化度を測定する方法であり、主に中実のプラスチックの測定に用いられる。(かかる計算式は、例えば「高分子分析ハンドブック」初版、第235頁ないし第243頁(日本分析化学会編、1985年発行)に記載されている。)
Figure 2007224460
ここで、dは密度の実測値、daは完全非晶の密度(0.856g/cm3 )、dcは完全結晶の密度(1.000g/cm3 )である。
しかしながら、本発明のナノファイバーの場合、サンプル中に極めて微小な空隙を形成しているため、プラスチックの密度測定に用いられる一般的な測定方法では、密度を小さく見積もる可能性がある。したがって、密度法は本発明におけるナノファイバーの結晶化度の測定法としては好ましくない。
一方、融解熱法は、示差走査熱量計(DSC)測定により求めたサンプルの単位質量あたりの融解熱量と、結晶の単位質量あたりの融解熱量から、所定の式により結晶化度を求める方法である。しかしながら、融解熱法は簡便ではあるものの、DSC測定の昇温中に結晶化が進む可能性があり、必ずしも塑性変形を受けた状態のサンプル(ナノファイバー)自体の結晶化度の数値ではない場合があり、本発明における結晶化度の測定法としては好ましくない。
本発明のナノファイバーの破断強度は、100MPa以上である。破断強度が100MPa以上のナノファイバーは、フィルター、不織布研磨剤等として用いられる際に必要とされる充分な機械的強度を有する。破断強度は高ければ高いほどよく、その上限は特に限定はされないが、分子鎖が繊維軸方向に配向した超高分子量ポリエチレンからなる繊維の破断強度から類推すると、数GPaである。
本発明における「破断強度」は、試長a(mm)、引速a(mm/min)にてナノファイバーの引張試験を行い、破断に至った時の応力である。試長aの範囲は、ナノファイバーにもよるが、5〜200mmが好ましく、10〜100mmがより好ましい。「試長」とは、引張試験を行う際のチャック間距離のことである。引張試験における引張方向は、繊維軸方向である。また、引張試験は、室温(約23℃)で行う。引張試験を行いやすくするために、ナノファイバーは集合体の状態で取り扱うことが好ましい。
機械的強度が高いナノファイバーの破断強度を測定する場合、引張試験の際にチャック内でサンプルが滑ることにより、サンプルが破断する前に見かけ応力が低下する場合がある(見かけの降伏応力)。この場合の破断強度は、見かけの降伏応力よりも高い。チャック滑りを防止するために、サンドペーパーを介してサンプルをチャックしてもよい。
本発明におけるナノファイバーの繊維径は、複数のナノファイバーが集合したナノファイバー集合体の場合は、かかる集合体を構成する各単繊維の繊維径の平均を意味し、単繊維状のナノファイバーの場合は、1本のナノファイバーの繊維径を意味する。
本発明のナノファイバーの繊維径は、300nm以下であり、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。繊維径が300nmより大きい場合には、ナノファイバーとしての効果が不充分になるおそれがある。繊維径の下限は特に設けられないが、通常1nm以上である。
本発明のナノファイバーの繊維径は以下のようにして測定する。
まず、ナノファイバーの表面を、電子顕微鏡を用いて観察する。サンプルとしてナノファイバー集合体を用いる場合は、ナノファイバー集合体を液体窒素などを用いて凍結割断し、現れたナノファイバーの表面を観察してもよい。この方法により、例えば図1に示すような、ナノファイバー集合体を構成する単繊維の表面を観察することができる。
電子顕微鏡としては、走査型電子顕微鏡(SEM)が好ましい。観察倍率は、1万倍〜10万倍程度である。観察倍率が1万倍未満であると、ナノファイバーの繊維径の決定が困難になる。したがって、繊維径を求めるためには、電界放射型SEMを用いることが好ましい。
ついで、得られたSEM写真よりナノファイバーの繊維径を求める。繊維径は、SEM写真中の任意の20箇所のナノファイバーの長手方向に垂直な方向の幅(直径)を計測し、ついで、この20箇所のナノファイバーの繊維径の平均値(平均繊維径)を求めることで、これをナノファイバーの繊維径とする。繊維径を求める際には、画像解析ソフトを用いることが好ましい。画像解析ソフトによって得られる繊維径は、画像解析のための画質調整、画像解析ソフトの種類等によって若干変動があるが、その差は通常の実験誤差の範囲内である。
本発明のナノファイバーの繊維径は、単繊維状の場合、以下のようにして求める。
1本のナノファイバーの表面または繊維軸方向に垂直な縦断面を、電子顕微鏡を用いて観察する。ついで、得られたSEM写真よりナノファイバーの繊維径を求める。繊維径は、ナノファイバー表面におけるファイバーの長手方向に垂直な方向の幅(直径)を20箇所計測し、これをナノファイバーの繊維径とする。
ナノファイバーをSEMで観察する際、単繊維状のナノファイバーを1本のみサンプリングすることができる場合は上述の方法でよいが、1本のみを取り扱うことが困難な場合は、ナノファイバーの集合体についてSEM観察を行ってもよい。この場合、各ナノファイバーの繊維径を求め、これらの平均値をナノファイバーの繊維径とする。
ナノファイバーの集合体を用いて繊維径を測定するには、ナノファイバー集合体のうち、SEM写真中の任意の20本を選び、それぞれ中央付近の幅を測定しこれらの平均値をナノファイバーの繊維径とする。なお、SEM写真中に20本以上のナノファイバーを撮影することができない場合は、同一のファイバー中の異なる2箇所以上を測定することにより、写真全体で合わせて20箇所について測定すればよい。
測定に用いるナノファイバー集合体の形態は特に限定されず、繊維状、フィルム状、シート状、中空状のいずれであってもよい。
<ナノファイバーの製造方法>
本発明のナノファイバーの製造方法は、メルトフローレートが0.05g/10分以上であるポリオレフィンを含む高分子材料を、超臨界流体または亜臨界状態の流体中で曝して処理し、延伸する方法である。すなわち、高分子材料の延伸は、(i)超臨界流体または亜臨界状態の流体中で行ってもよく、(ii)超臨界流体または亜臨界状態の流体に曝した後、該流体外にて行ってもよい。また、超臨界流体または亜臨界状態の流体に曝す前に、予備的に延伸を行ってもよい。
本発明における「超臨界流体」とは、臨界点以上の温度および圧力にすると、それ以上温度および圧力をかけても凝縮しない高密度な流体のことをいう。この状態は、液体と同程度の密度ながら、気体と同程度の拡散性を併せ持つ。このため、超臨界流体は高分子材料の細部まで浸透し、大きな可塑化効果を有する流体である。
本発明における「亜臨界状態の流体」とは、臨界点以上の温度または圧力である流体のことであり、高圧状態の流体は、超臨界流体と同様に、高分子材料の内部まで浸透して可塑化する効果を有する。
超臨界流体または亜臨界状態の流体としては、臨界点以上の温度および/または圧力の状態にある二酸化炭素(臨界温度31.0℃、臨界圧力7.38MPa)、亜酸化窒素(臨界温度36.5℃、臨界圧力7.27MPa)、エタン(臨界温度32.2℃、臨界圧力4.88MPa)、エチレン(臨界温度9.34℃、臨界圧力5.04MPa)等が挙げられる。
超臨界流体または亜臨界状態の流体の主成分としては、二酸化炭素が好ましい。二酸化炭素は、臨界温度が31.0℃、臨界圧力が7.38MPaであることから、比較的取り扱いやすく、不燃性、不活性、無毒、安価であり、超臨界条件が適当であるためである。本発明における「超臨界流体または亜臨界状態の流体の主成分が二酸化炭素である」とは、超臨界流体または亜臨界状態の流体(100体積%)中の二酸化炭素の割合が80〜100体積%であることを意味する。
本発明の製造方法に用いられるポリオレフィンとしては、本発明のナノファイバーの材料として例示したポリオレフィンが挙げられる。ポリオレフィンとしては、延伸しやすく、ナノファイバーが得やすいことから、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等が挙げられる。
ナノファイバーの製造に用いる原料ポリオレフィンの結晶化度は、40%以上であり、45%以上が好ましく、50%以上がさらに好ましい。ポリオレフィンの結晶化度が40%未満では、得られるナノファイバーの結晶化度が40%以上にならない、またはナノファイバー自体を得ることが困難となるおそれがある。
なお、本発明における「原料ポリオレフィンの結晶化度」は密度法を用いて測定したものを用いる。これは、本発明のナノファイバーの製造に用いる高分子材料の形態は、先のナノファイバーの場合とは異なり、ペレット等の密に詰まった材料であるため、密度法を用いても材料の状態での結晶化度を測定することが可能である。逆に、X線法を用いると、X線測定のために繊維状もしくはフィルム状に賦形する必要があり、その際に受ける熱履歴により結晶化度が変化する恐れがある。また、融解熱法では、DSC測定の昇温中に結晶化が進む可能性がある。従って、それぞれの方法には、原料ポリオレフィンの結晶化度を正確に測定することができないおそれがあるからである。
原料ポリオレフィンのメルトフローレート(MFR)は、0.05g/10分以上であり、0.1g/10分以上が好ましく、0.2g/10分以上がより好ましい。また、10g/10分以下が好ましい。ポリオレフィンのメルトフローレートを0.05g/10分以上とすることにより、溶融賦形性が高くなって、ポリオレフィンの分子鎖の運動性向上が充分となり、その結果、延伸による繊維構造の形成が可能となる。メルトフローレートは、JIS K7210に準拠して測定される値である。なお、原料ポリオレフィンの数平均分子量が大きくなるにしたがいMFRが低下する傾向にある。したがって、0.05g/10分未満となるような超高分子量ポリオレフィンは本発明のナノファイバーの製造には適していない。
本発明の製造方法における、結晶化度が40%以上のポリオレフィンの割合は、高分子材料(100質量%)中、10質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%が最も好ましい。結晶化度が40%以上のポリオレフィンの割合が10質量%未満の場合、延伸による繊維構造の形成が不充分となるおそれがある。
超臨界流体または亜臨界状態の流体に高分子材料を曝すことによって処理する際の温度(以下、処理温度と記す。)は、ポリオレフィンの融点をTmとすると、(Tm−120℃)以上(Tm+5℃)以下が好ましく、(Tm−60℃)以上(Tm+5℃)以下がより好ましい。処理温度が(Tm−120℃)℃未満では、超臨界流体または亜臨界状態の流体中での処理の際に、結晶化度が40%以上のポリオレフィンの分子鎖の運動性向上が不充分となるため、延伸による繊維構造の形成が不充分になるおそれがある。処理温度が(Tm+5℃)℃より高いと、高分子材料が融解してしまい、超臨界流体または亜臨界状態の流体中または処理後において、延伸操作を行うことが困難になるおそれがある。ポリオレフィンがポリエチレンの場合、処理温度は、20℃以上140℃以下が好ましく、80℃以上140℃以下がより好ましい。なお、ポリオレフィンの融点Tmは、JIS K 7121で規定された測定方法に準拠して決定する。
超臨界流体または亜臨界状態の流体に高分子材料を曝すことによって処理する際の圧力(以下、処理圧力と記す。)は、2MPa以上が好ましく、3MPa以上がより好ましい。処理圧力が2MPa未満では、超臨界流体または亜臨界状態の流体が高分子材料へ充分に浸透しないおそれがある。圧力の上限は、装置の耐圧条件によってのみ限定される。
超臨界流体または亜臨界状態の流体に高分子材料を曝して処理する時間(以下、処理時間と記す。)は、5分以上5時間以下が好ましく、15分以上1時間以下がより好ましい。処理時間が5分未満では、超臨界流体または亜臨界状態の流体が、高分子材料へ充分に浸透しないおそれがある。また、5時間以上処理しても超臨界流体または亜臨界状態の流体の浸透状態にほとんど変化が見られず、ナノファイバーの生産性、コスト面で不利となる傾向にある。
延伸操作を行う前の高分子材料(前駆体)の形状は、特に限定されることはなく、例えば、フィルム状、シート状、中空状等である。また、前駆体の賦形方法としては、焼結成形、溶融賦形、湿式賦形等、公知の方法を用いることができる。
また、本発明の製造方法においては、上述の(i)の方法、(ii)の方法のいずれにおいてもエントレーナー(添加溶媒)を用いてもよい。
本発明の製造方法におけるナノファイバーの形成メカニズムは定かではないが、以下のように考えられる。
超臨界流体または亜臨界状態の流体が高分子材料に浸透することで、高分子材料中の、結晶化度が40%以上のポリオレフィンの分子鎖の運動性が活発になるため、分子鎖の再配列が起こりやすくなり、例えばタイ分子の少ない完全な結晶構造が形成される。このような高分子材料を延伸すると、引き伸ばされる分子鎖の絡み合いが少ないため、延伸によって形成されるフィブリルの単位が小さくなり、ナノオーダーのフィブリル、すなわちナノファイバー集合体が形成されると考えられる。
このようにして形成されたナノファイバー集合体は、このまま、フィルターや触媒担体の製造のための2次加工に供することも可能であり、かかる集合体を分繊することにより、単繊維状のナノファイバーを得ることもできる。分繊方法としては、例えば、ナノファイバー集合体を溶剤に浸漬し、これに超音波をあてる方法等が挙げられる。
<繊維製品>
本発明の繊維製品は、本発明のナノファイバーを有する繊維製品である。該繊維製品に用いられる本発明のナノファイバーの形態は、ナノファイバー集合体であってもよく、これを分繊した単繊維状のナノファイバーであってもよい。
本発明の繊維製品としては、ろ過フィルター、バイオ・ケミカルハザード防止用フィルター等のフィルター;細胞培養担体、触媒担体、フィラー、軽量衣料、不織布研磨材等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
本実施例における評価方法は以下の通りである。
(ナノファイバーの観察)
ナノファイバーの表面観察は、日本電子(株)製、電界放射型走査型電子顕微鏡JSM−7400Fを用いて行った(SEM観察)。ナノファイバーの表面観察は、ナノファイバーを液体窒素中で、ナノファイバーの長手方向に対して平行に凍結割断し、現れたナノファイバーの表面を観察することにより行った。
(ナノファイバーの繊維径)
ナノファイバーの繊維径は、SEM写真を画像解析ソフト((株)プラネトロン製、Image−Pro Plus ver4.5.0.24)を用いて画像解析することにより求めた。SEM写真のスケールに対して画像解析のスケールが合うように調整した後、SEM写真中の任意の20本のナノファイバーの表面の幅を求め、その平均値をナノファイバーの繊維径とした。
(原料ポリエチレンのMFR測定)
JIS K7210に準じ、試験温度190℃、試験荷重2.16kgの条件で測定した。
(原料のポリオレフィンの密度法による結晶化度測定)
使用するポリエチレンの密度(カタログ値)から、式(1)を用いて結晶化度を算出した。
(ナノファイバーのX線法による結晶化度測定)
広角X線散乱測定は、(株)リガク製、RU−200を用い、サンプルの延伸方向を垂直に固定して、出力40kV−100mAにて行った。ついで、結晶化度解析ソフト(多重ピーク分離法)を用い、[110]、[200]の回折ピークを用いて、結晶化度を算出した。
(ナノファイバーの破断強度の測定)
ナノファイバーの破断強度の測定は、引張試験機((株)オリエンテック製、UCT−500)を用い、チャック間距離20mm、引速20mm/min、温度23℃で測定した。
〔実施例1〕
結晶化度が40%以上のポリオレフィンとして、三井化学(株)製、高密度ポリエチレン、ハイゼックス2200J(メルトフローレート=5.2g/10分(カタログ値)、密度=964kg/(密度から求めた結晶化度=78%)、Tm=135℃)を用いた。この高密度ポリエチレンを、180℃にて熱プレスし、厚さ180μmのフィルムを作製した。このフィルムから幅5mm、長さ40mmの短冊状試料を切り取った。これを耐圧容器に入れ、容器内部を二酸化炭素で置換した。容器内部の温度を125℃、圧力を10MPaにして、超臨界二酸化炭素中で短冊状試料を1時間処理した。処理終了後、容器内を大気圧まで減圧し、フィルムを回収した。回収したフィルムを手回し延伸器に取り付け、80℃の湯浴中で14倍に延伸し、延伸サンプル(ナノファイバー集合体)を得た。図1に得られたナノファイバー集合体を長手方向に対して平行に凍結割断し、現れたナノファイバーの表面を観察したSEM写真、表1に平均繊維径、破断強度、結晶化度を示す。極めて平均繊維径の細く、かつ充分な破断強度および結晶化度を有するナノファイバー集合体が形成された。なお、得られたサンプルの破断強度を測定する際、破断する前にチャックすべりが発生したため、最大応力は266MPaであったが、実際の破断強度は266MPa以上である。
〔比較例1〕
超臨界二酸化炭素中で処理する代わりに、短冊状試料を大気圧下125℃において熱処理した以外は、実施例1と同様にして延伸サンプルを得た。図2に得られた延伸サンプルを延伸方向に対して平行に凍結割断し、表れたファイバーの表面を観察したSEM写真、表1に平均繊維径、破断強度、結晶化度を示す。平均繊維径が300nmを超える繊維集合体が得られた。なお、実施例1のSEM写真(図1)は3万倍での観察であったが、比較例1の延伸サンプルを3万倍の観察倍率で観察するとファイバー構造が大きいため平均繊維径を求めることが困難であったため、観察倍率を1万倍にして平均繊維径を求めた。
Figure 2007224460
本発明のナノファイバーは、耐薬品性および機械的強度を兼ね備えており、ろ過フィルター、バイオ・ケミカルハザード防止用フィルター、細胞培養担体、触媒担体、フィラー、軽量衣料、不織布研磨材等に有用である。
実施例1で得られたナノファイバー集合体の縦断面SEM観察写真である。 比較例1で得られた延伸サンプルの縦断面SEM観察写真である。

Claims (4)

  1. ポリオレフィンを含む高分子材料からなり、X線法で測定した結晶化度が40%以上であり、繊維径が300nm以下であり、破断強度が100MPa以上である、ナノファイバー。
  2. メルトフローレートが0.05g/10分以上であるポリオレフィンを含む高分子材料を、超臨界流体または亜臨界状態の流体中で処理し、延伸する工程を含んでなる、ナノファイバーの製造方法。
  3. 超臨界流体または亜臨界状態の流体中で処理する際の温度が、該ポリオレフィンの融点をTmとしたときに、(Tm−120)℃以上(Tm+5)℃以下である請求項2記載のナノファイバーの製造方法。
  4. 請求項1に記載のナノファイバーを有する繊維製品。
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