JP2007223948A - 血管新生抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】副作用を抑えつつ、血管新生抑制効果を向上させることができる血管新生抑制剤を提供する。
【解決手段】血管新生抑制剤は、溶媒によるプロポリスの抽出物に含まれるバッカリン、ドルパニン、クマル酸、アルテピリンC、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸を有効成分とするものである。該有効成分は、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸であることが好ましい。さらに、有効成分は、3,4−ジカフェオイルキナ酸又は3,5−ジカフェオイルキナ酸であることが最も好ましい。血管新生抑制は、管腔面積、管腔長、パス本数又は管腔交差点数で評価される。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば糖尿病網膜症などの増殖過程で形成される異常な血管新生を抑制するために用いられる血管新生抑制剤に関するものである。
生体内における腫瘍などの増殖、転移、リューマチなどの関節炎、糖尿病網膜症などの網膜症の進展過程において、その組織に栄養を補給するため新たな血管が形成される。そのような新生血管の形成は、腫瘍の増殖、組織の肥大化などに不可欠であることから、係る新生血管の形成を抑制することができれば、癌、関節炎、網膜症などを減少させることができる。血管新生の促進に際しては、生体内において血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、酸性又は塩基性線維芽細胞増殖因子などが病態とは関係なく共通して働いている。正常な生体内組織においても血管新生は行われているが、過度の血管新生は生じない。これは、血管新生促進性因子の働きを血管新生抑制性因子の働きが抑えるように制御しているためである。そして、血管新生促進性因子の働きが血管新生抑制性因子の働きを上回るときに、過剰な血管新生が生じ、種々の病態を発生することとなる。
このように、過剰な血管新生による症状は、病態組織へ繋がる血管新生を抑制することによって予防及び治療することができると考えられ、これまでに腫瘍又は癌の増殖に対する血管新生阻害物質が研究され、見い出されてきた。血管新生阻害物質としては、例えばフマギリン、エンドスタチン、サイトジェニン、インターフェロンなどが知られている。しかしながら、これらの血管新生阻害物質は副作用などを考慮しなければならないため、使用上に制約があった。そこで、副作用の少ない血管新生阻害物質として、シイタケ菌糸体抽出物を含む血管新生阻害物質が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−196791号公報(第2頁、第3頁及び図1)
前記特許文献1に記載の血管新生阻害物質であるシイタケ菌糸体抽出物は、例えば糖質約25質量%、タンパク質約20質量%、ポリフェノール約3質量%、糖質以外の可溶性無窒素物約20質量%などが含まれ、それらの成分により副作用を抑えながら血管新生阻害活性を示すが、その抑制効果が不十分であった。すなわち、特許文献1の例えば図1に示すように、新生血管の長さについて、その長さをコントロールに対して50%抑制できる濃度が50〜100μg/mlであり、要求されている濃度の数十倍であって血管新生抑制効果が明らかに不足していた。従って、副作用を抑えながら血管新生抑制効果を一層高めることが望まれている。
本発明は、以上のような従来技術の問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、副作用を抑えつつ、血管新生抑制効果を向上させることができる血管新生抑制剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の血管新生抑制剤は、溶媒によるプロポリスの抽出物に含まれるバッカリン、ドルパニン、クマル酸、アルテピリンC、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸を有効成分とすることを特徴とするものである。
請求項2に記載の血管新生抑制剤は、請求項1に係る発明において、前記有効成分は、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の血管新生抑制剤は、請求項2に係る発明において、前記有効成分は、3,4−ジカフェオイルキナ酸又は3,5−ジカフェオイルキナ酸であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の血管新生抑制剤は、請求項1から請求項3のいずれか1項に係る発明において、前記血管新生抑制は、管腔面積、管腔長、パス本数又は管腔交差点数で評価されるものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の血管新生抑制剤では、溶媒によるプロポリスの抽出物に含まれるバッカリン、ドルパニン、クマル酸、アルテピリンC、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸を有効成分としている。これらの有効成分は、プロポリス抽出物の既存の結果から副作用を引き起こす成分ではなく、さらにこれらの有効成分の特異な構造や官能基が複雑に作用して血管新生を抑える働きをするものと推測される。従って、血管新生抑制剤は、副作用を抑えつつ、血管新生抑制効果を向上させることができる。
請求項2に記載の血管新生抑制剤においては、前記有効成分が3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸である。これらの有効成分は、キナ酸にカフェ酸が1分子又は2分子付加した化合物であり、キナ酸やカフェ酸のもつ水酸基又はカルボキシル基の官能基及びキナ酸やカフェ酸に基づく特異な構造に起因して血管新生を抑える働きをするものと推測される。従って、請求項1に係る発明の効果に加えて、血管新生抑制効果をより有効に発揮させることができる。
請求項3に記載の血管新生抑制剤においては、前記有効成分が3,4−ジカフェオイルキナ酸又は3,5−ジカフェオイルキナ酸である。これらの有効成分は、キナ酸にカフェ酸が2分子付加した化合物であり、水酸基及びカルボキシル基の官能基がクロロゲン酸に比べて増えると共に、構造の特異性も大きく、血管新生を抑える働きが増大するものと考えられる。従って、請求項2に係る発明の効果に加えて、血管新生抑制効果を最も有効に発揮させることができる。
請求項4に記載の血管新生抑制剤では、前記血管新生抑制が新生血管の状態を直接表す管腔面積、管腔長、パス本数又は管腔交差点数で評価される。このため、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、血管新生抑制の程度を有効に評価することができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の血管新生抑制剤は、溶媒によるプロポリスの抽出物に含まれるバッカリン、ドルパニン、クマル酸、アルテピリンC、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸を有効成分とするものである。これらの有効成分はいずれも血管新生に有効であり、血管新生抑制剤中にはこれら有効成分の少なくとも一種が含まれておればよく、複数種類含まれていることによりそれらの相乗効果が発現される場合がある。血管新生は、血管新生因子が既存の血管の内皮細胞に血管新生の情報を伝達し、その内皮細胞が遊走、増殖し、管腔を形成して毛細血管網を形成するものである。血管新生抑制剤は、そのような血管新生を抑制し、糖尿病網膜症、緑内障、固形腫瘍、血管腫、骨髄腫、慢性関節リューマチ、変形性関節症などの病態の発症及び進行を抑えるためのものである。
次に、溶媒によるプロポリスの抽出物及びその抽出物に含まれる化合物について説明する。プロポリス(プロポリス原塊)は蜂ヤニともいわれ、ミツバチが自然の中から樹液を集め自らの分泌物と合わせて作り上げた物質(抗菌物質)である。このプロポリスは、フラボノイド、アミノ酸、ミネラルなどの天然成分を多種多様に含んでおり、医薬品、健康食品、化粧品などの素材として用いられている。プロポリス原塊としては、ブラジルを含む南アメリカ諸国、中国や日本などのアジア諸国、ヨーロッパ諸国、北アメリカ諸国、オセアニア諸国で採取されるプロポリスなどあらゆる産地のものを使用することができるが、ブラジルのミナスジェライス州原産のグリーン・プロポリス原塊を使用することが好ましい。グリーン・プロポリス原塊は、キク科植物のバッカリス・ドラクンクリフォリア(伯名:アレクリン・ド・カンポ)を主たる起源植物としている。
プロポリスの主要な生理活性として抗酸化作用及び免疫賦活作用が知られている。プロポリス中には、フェノール性有機酸類、カフェオイルキナ酸類、フラボノイド類等の多くの化合物が含まれており、これらの化合物が相互に作用し、プロポリスの優れた生理活性が形成されると考えられている。
プロポリスの抽出物を得るための溶媒としては、水、親水性有機溶媒としてエタノール等のアルコール、含水エタノール等の含水アルコールのほか、液化炭酸ガスなども用いられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどの低級アルコールが好ましく、経口摂取する場合には、エタノールであることが特に好ましい。これらの溶媒による抽出操作で得られる抽出物は、それぞれ水抽出物、アルコール抽出物、含水アルコール抽出物、超臨界抽出物である。或いは、これらの抽出物を適宜選択し、それらを混合した混合物として用いることもできる。これらの抽出物に含まれる化合物の種類及び含有量は、主に溶媒の種類に応じて異なる。
上記の溶媒を使用してプロポリス抽出物を得る場合には、前記プロポリス原塊に溶媒を所定量加えた後、所定温度で所定時間撹拌し、次いで濾過などの操作をすることによって行われる。プロポリスに対する溶媒の量は、質量基準で0.5〜10倍量が好ましく、1.0〜5倍量がより好ましく、1.5〜2倍量が特に好ましい。この溶媒量がプロポリスに対して0.5倍量を下回る場合、溶媒による抽出効率が低下すると共に、製造コストが嵩む傾向を示して好ましくない。その一方、溶媒量がプロポリスに対して10倍量を上回る場合、抽出のための容器が大型となり、濃縮や乾燥に時間と人手を費やすことになって好ましくない。
抽出時の温度は、1〜50℃が好ましく、5〜25℃がより好ましい。この温度が1℃を下回る場合、抽出物が氷結したりして抽出効率が低下し、目的とする抽出物が十分に得られなくなる。その一方、温度が50℃を上回る場合、アルコールの蒸発が著しく、かつ高温による物性の低下が生じ、目的とする抽出が行なわれない場合がある。
抽出時間は、通常1〜72時間であるが、3〜48時間が好ましく、6〜24時間がより好ましい。この抽出時間が1時間未満の場合、抽出効率が低下し、目的とする抽出物が得られないときがある。一方、この抽出時間が72時間を越える場合には、細菌や微生物の繁殖が生じ、不純物による汚染のおそれがある。
上記の方法により得られるプロポリス抽出物は製剤化を効率的に行なう目的で以下のような後処理を行なうことが好ましい。すなわち、得られるプロポリス抽出物は濾過又は遠心分離等の固液分離に供される。濾過の手段としては、濾紙又は珪藻土等を敷いた濾紙を用いた吸引、真空ポンプによる減圧下での濾過又は常圧下での自然濾過のいずれでも良い。濾過の代わりに遠心分離を利用しても良い。さらに、濾過と遠心分離の組み合わせが好ましい。得られた濾液又は上清は、減圧濃縮機、真空乾燥機又は凍結真空乾燥機により濃縮液又は粉末にされる。以上の後処理により、液体又は粉末状態のプロポリス抽出物が得られる。
このようにして得られるプロポリスの抽出物中には、バッカリン、ドルパニン、クマル酸(オキシケイ皮酸)、アルテピリンC、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸が含まれている。これらの化合物はいずれも血管新生抑制作用を示すが、それらの作用には程度の差があり、ジカフェオイルキナ酸はその他の化合物よりもその程度が高いため好ましく、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸はより好ましく、3,4−ジカフェオイルキナ酸又は3,5−ジカフェオイルキナ酸は最も好ましい。それらの化合物はキナ酸にカフェ酸が1分子又は2分子付加された特異な構造を有すると共に、キナ酸又はカフェ酸に基づく水酸基やカルボキシル基が含まれている。なお、キナ酸には1つのカルボキシル基と4つの水酸基が含まれ、カフェ酸には1つのカルボキシル基と2つの水酸基が含まれている。従って、その特異な構造とそれらの官能基が、官能基はその種類、数、位置により変わるが、複雑に作用し、血管新生を抑える方向に働くものと考えられる。ちなみに、プロポリス抽出物に含まれるキナ酸、カフェ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸なども血管新生抑制作用を示すものと予測される。
プロポリスの抽出物中に含まれる成分(化合物)を、具体的には水抽出物、エタノール抽出物、25%エタノール(75%水)抽出物及び70%エタノール(30%水)抽出物について、それぞれ表1に示す。これらの抽出物は、以下のようにして調製及び分析したものである。
(プロポリス抽出物の調製)
細かく砕いたプロポリスの原塊15gに対して水又は25%エタノール75mlを添加し、40℃で16時間撹拌した。得られた抽出液を2500rpmで10分間遠心分離し、分取した上清を4℃で一晩静置した。分取された上清を濃縮後、凍結乾燥して粉末を得た。同様に、細かく砕いたプロポリスの原塊15gに対してエタノール又は70%エタノールを添加し、40℃で16時間撹拌した。抽出液を2500rpmで10分間遠心分離し、分取された上清を−20℃で一晩静置した。分取された上清を濃縮後、減圧加熱乾燥して粉末を得た。
(プロポリス抽出物についての高速液体クロマトグラフィ(HPLC)分析)
HPLCカラムCAPCELL PAK C18 AG-120((株)資生堂ファインケミカル製、φ4.6×250mm)を用いた。そして、移動相Aを1%酢酸含有精製水、移動相Bを1%酢酸含有アセトニトリルとし、初期条件B液10%で5分間保持、その後60分間でB液を65%まで直線的に増加させ、10分間保持するグラジェント法により溶出を行った。HPLC装置としてWaters社製616Pump及び486Tunable Absorbance Detectorを用い、流速1.0ml/min、カラム温度30℃、325nmの波長にて検出した。
(カフェオイルキナ酸の分画及び精製)
25%エタノール抽出プロポリスの粉末8gを10%エタノール25mlに溶解し、アンバーライトXAD−2ゲル(オルガノ(株)製)を充填したカラム(φ62mm×270mm)に吸着させた。精製水、10%、20%、40%エタノール及びエタノールを溶出溶媒とし、各2.4Lにて溶出し、得られた溶出液を濃縮後に凍結乾燥した。20%エタノール溶出画分をHPLCカラムCAPCELL PAK C18 ACR((株)資生堂ファインケミカル製、φ20mm×250mm)を用い、移動相として17.5%アセトニトリルを用いて溶出し、3,4−ジカフェオイルキナ酸(3,4−diCQA)及び3,5−ジカフェオイルキナ酸(3,5−diCQA)をそれぞれ単離した。そして、凍結乾燥によりそれぞれの粉末を得た。
40%エタノール溶出画分を上記カラムを用い、移動相として30%アセトニトリルを用いて溶出し、3,4−diCQAと3,5−diCQAの混合液及び3,4,5−トリカフェオイルキナ酸(3,4,5−triCQA)を単離し、凍結乾燥により粉末を得た。2種類のジカフェオイルキナ酸類の混合液は前述の20%エタノール溶出画分と同様にしてそれぞれ単離し、粉末を得た。HPLC装置としてJASCO製PU-980 pump及びUV-970 UV/VIS Detectorを用い、流速6.5 ml/min、カラム温度室温、325nmの波長にて検出した。
(カフェオイルキナ酸類のHPLC分析)
25%エタノールで抽出したプロポリス抽出粉末のカフェオイルキナ酸類含量を調べるため、HPLCによる分析を行った。HPLCカラムCAPCELL PAK C18 AG-120(資生堂ファインケミカル(株)製、φ4.6×250mm)を用いた。そして、移動相Aを1%酢酸含有精製水、移動相Bを1%酢酸含有アセトニトリルとし、初期条件B液7.5%で10分間保持、その後50分間でB液を25%まで直線的に増加させ、さらに20分間でB液を45%まで直線的に増加させ、5分間保持するグラジェント法により溶出を行った。Waters製600 Pump及び996 Photodiode Array Detectorを用い、流速1.0ml/min、カラム温度40℃、325nmの波長にて検出した。
Figure 2007223948
表1に示したように、溶媒で抽出されるプロポリス中の成分は、溶媒の種類、すなわち水及びエタノールによって異なる。3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、クロロゲン酸及びp−クマル酸は、エタノールより水によって抽出されやすく、25%エタノールによって最も抽出されやすい。バッカリン、ドルパニン及びアルテピリンCは、水よりエタノールによって抽出されやすく、バッカリン及びドルパニンは70%エタノールに最も抽出されやすく、アルテピリンCはエタノールに最も抽出されやすい。
以上のようにして得られる血管新生抑制剤は、健康食品のような飲食品、医薬品、医薬部外品などの用途に利用可能であり、糖尿病網膜症、緑内障、黄斑変性症、網膜色素変性症などの網膜疾患、固形腫瘍、血管腫などの腫瘍、リューマチ様関節炎、乾癬などの慢性炎症の治療及び予防に有効である。血管新生抑制剤をこのような用途に利用する場合の投与経路は、経口及び非経口のいずれでもよい。具体的な剤型としては、錠剤、点眼剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤、散剤などが挙げられる。これらの剤型は、汎用の製剤化技術によって得られる。投与量は、症状、年令、剤型などによって適宜選択されるが、1回又は数回に分けて投与すればよい。
血管新生抑制剤による血管新生抑制をin vitro(試験管内)において調べる場合には、血管内皮細胞と線維芽細胞とを、血管新生誘導性因子であるVEGFの存在下で共培養させることにより管腔形成初期段階の増殖状態が作り出された培養中に血管新生抑制剤を添加し、血管新生の抑制が生じるか否かを確認することにより行われる。具体的には管腔を染色することにより、管腔形成が抑制されているかどうかを調べることができる。このようなin vitroにおける血管新生の抑制効果を調べるためのキットとしては血管新生キットが用いられる。管腔を染色するためには、抗CD31抗体、抗フォン−ウィルブランド因子などの抗体を使用する管腔染色キットが使用される。血管新生抑制のための評価項目としては、管腔面積、管腔長、パス本数又は管腔交差点数が挙げられ、それら評価項目のいずれか又は全てに基づいて評価される。
また、血管新生抑制をin vivo(生体内)において調べるためには、マウス又はラットを使用した背部皮下法、ウサギなどの角膜を使用したコルネア法、受精鶏卵の漿尿膜を使用したCAM法、ハムスターの頬袋を使用したチークポーク法などが用いられる。例えば、背部皮下法では、腫瘍細胞を封入したミリポアチャンバーを、マウス又はラットの側背部皮下に予め作製したポーチ中に移植し、そのチャンバーに血管が分布する程度を測定することによって行われる。
血管新生抑制剤には、他の成分を添加することもでき、特に食品の形態として使用する場合、他の成分としてカルシウム剤、ビタミン剤、アルコール類、ポリフェノール類、香料などを添加することもできる。
さて、本実施形態における作用について説明すると、プロポリスの抽出物は例えばプロポリスの原塊を砕いてそれに水を添加し、撹拌して抽出を行ない、得られた抽出液を遠心分離した後、乾燥することにより水抽出物の粉末が得られる。この水抽出物の粉末中には、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸などの化合物が含まれている。血管新生抑制剤は、これらのプロポリスの抽出物に含まれる化合物を有効成分とするものである。これらの化合物はそれぞれ特異な構造を有すると同時に、カフェ酸が2つ含まれ、カフェ酸には1つのカルボキシル基と2つの水酸基が含まれている。そのため、これらの構造及び官能基が相俟って血管新生における管腔形成やその増殖に対してそれを阻止するように働くものと推測される。
前記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の血管新生抑制剤では、溶媒によるプロポリスの抽出物に含まれるバッカリン、ドルパニン、クマル酸、アルテピリンC、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸を有効成分としている。これらの有効成分は、プロポリス抽出物の既存の結果から副作用を引き起こす成分ではなく、さらにこれらの有効成分の特異な構造や官能基が複雑に作用して血管新生を抑える働きをするものと推測される。従って、血管新生抑制剤は、副作用を抑えつつ、血管新生抑制効果を向上させることができる。
・ 前記有効成分が3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸である場合、これらの有効成分は、キナ酸にカフェ酸が1分子又は2分子付加した化合物である。このため、キナ酸やカフェ酸のもつ水酸基又はカルボキシル基の官能基及びキナ酸やカフェ酸に基づく特異な構造に起因して血管新生を抑える働きをするものと推測される。従って、血管新生抑制効果をより有効に発揮させることができる。
・ 前記有効成分が3,4−ジカフェオイルキナ酸又は3,5−ジカフェオイルキナ酸である場合、これらの有効成分は、キナ酸にカフェ酸が2分子付加した化合物であり、水酸基及びカルボキシル基の官能基が増えると共に、構造の特異性も大きく、血管新生を抑える働きが増大するものと考えられる。従って、血管新生抑制効果を最も有効に発揮させることができる。
・ 血管新生抑制が新生血管の状態を直接表す管腔面積、管腔長、パス本数又は管腔交差点数で評価されることにより、血管新生抑制の程度を有効に評価することができる。
・ 前記のように血管新生抑制剤は血管新生における管腔形成抑制などに有効であることから、糖尿病網膜症、緑内障などの網膜疾患、癌などの腫瘍の予防及び治療に効果的である。従って、血管新生抑制剤を医薬組成物、食品組成物などとして有効に利用することができる。
以下に実施例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4)
(1)プロポリスの水抽出物の調製
細かく砕いたプロポリスの原塊15gに対して水75mlを添加し、40℃で16時間撹拌して抽出を行った。得られた抽出液を2500rpmで10分間遠心分離し、分取した上清を濃縮後、凍結乾燥により水抽出物の粉末を得た。この水抽出物中に含まれる化合物は、前記表1に示される水抽出物の通りである。
(2)試料の調製
1)VEGF(血管内皮細胞増殖因子)−Aを含有する血管新生専用培地−2〔クラボウ(株)製〕を用い、プロポリスの水抽出物を0.3〜100μg/mlの濃度に希釈して試料とした。
(3)試験方法
1)血管新生キット
ヒトさい帯静脈血管内皮細胞と線維芽細胞の共培養系である血管新生キット〔クラボウ(株)製〕を用いて試験を実施した。すなわち、VEGF−A、血管新生専用培地−2及びCD(血小板−内皮細胞接着分子)31抗体は本血管新生キットに付属のものを使用し、血管新生キットの付属説明書に従って試験を実施した。
2)培養及び固定並びに染色
1群当たり3ウェル(well)を使用し、培地交換は1日目(キット搬入日)、4日目、7日目及び9日目に行った。培地交換は前記血管新生専用培地−2を用いた。11日目に細胞をエタノールで固定した後、CD31抗体により血管内皮細胞を染色した。
3)管腔形成スコアリングの評価
CD31抗体による血管内皮細胞の染色後、顕微鏡〔オリンパス(株)製、IX70〕下で各ウェルの上、下、左、右及び中央の5点をデジタルカメラ〔ニコン(株)製、クールピクス4500〕で撮影した。撮影画像の解析は、血管新生定量ソフトウェアVer.2〔クラボウ(株)製〕を用いて行い、管腔面積、管腔長、管腔交差点数及びパス本数の4項目について評価した。なお、パス本数とは、例えば1本の血管が2本に分かれている場合には、パス本数は2、管腔交差点数は1になる。そして、管腔面積の結果(実施例1)を図1、管腔長の結果(実施例2)を図2、管腔交差点数の結果(実施例3)を図3及びパス本数の結果(実施例4)を図4に示した。各結果は、撮影した上記5点の平均値を各ウェル値とし、平均値±標準誤差で示した。
4)統計処理
プロポリスの水抽出物の血管新生抑制効果を評価するため、VEGF群とプロポリスの水抽出物群をダネット多重検定法(Dunnett’s multiple comparison test)で、VEGF群と各成分群をスチューデントtテスト(Student’s t test)で解析した。両検定とも有意水準は5%とした。図1〜図4において、WEPは水抽出プロポリスを表し、その濃度はμg/mlである。各成分の略号を次に示す。各成分の濃度はμMである。また、#及び*は5%以下の誤差をもって有意であることを示し、##及び**は1%以下の誤差をもって有意であることを示し、***は0.1%以下の誤差をもって有意であることを示す。
Ba:バッカリン
Dru:ドルパニン
Cou:p−クマル酸
Arte:アルテピリンC
3,4−:3,4−ジカフェオイルキナ酸
3,5−:3,5−ジカフェオイルキナ酸
Chlo:クロロゲン酸
(結果についての考察)
図1〜図4の実施例1〜4に示したように、プロポリスの水抽出物はVEGFに比べ、管腔面積、管腔長、管腔交差点数及びパス本数の4項目の全ての項目で有意な血管新生抑制効果が認められた。すなわち、濃度が100μg/mlであるプロポリスの水抽出物の場合には、VEGFに比べて88〜91%の抑制率であった。
また、プロポリスの水抽出物100μg/ml中における各成分濃度での評価において、バッカリン(Baccharin)、ドルパニン(Drupanin)、クマル酸(Coumaric acid)及びアルテピリン(Artepillin)Cは、VEGFに対して各評価項目で有意な結果が認められたが、その抑制率は3〜37%であった。これに対して、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及びクロロゲン酸については、VEGFに対して各評価項目で抑制率が50〜75%という高い結果であり、3,4−ジカフェオイルキナ酸及び3,5−ジカフェオイルキナ酸については、抑制率が60〜75%という最も高い結果であった。従って、プロポリスの水抽出物による血管新生抑制効果は、主に3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及びクロロゲン酸に基づくものであることが示され、特に3,4−ジカフェオイルキナ酸及び3,5−ジカフェオイルキナ酸に基づくものであることが示された。
なお、本実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。
・ プロポリスの水抽出物、エタノール抽出物又は含水エタノール抽出物中に含まれている成分はそれぞれ異なることから、目的に応じてそれらを適宜組合せて使用することができる。
・ 溶媒によるプロポリスの抽出物に含まれている化合物、例えば3,4−ジカフェオイルキナ酸又は3,5−ジカフェオイルキナ酸を単離し、血管新生抑制効果を高めるように使用することもできる。
・ 血管新生抑制を、管腔面積、管腔長、パス本数又は管腔交差点数の平均値ではなく、総和(積算値)を求めて評価することもできる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 網膜疾患の治療又は予防に用いられるものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の血管新生抑制剤。このように構成した場合、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果を網膜疾患の治療又は予防において発揮することができる。
・ 溶媒によるプロポリスの抽出物に含まれるバッカリン、ドルパニン、クマル酸、アルテピリンC、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸を血管新生抑制の有効成分として含有することを特徴とする飲食品。この飲食品によれば、副作用を抑えつつ、優れた血管新生抑制効果を発揮させることができる。
水抽出プロポリス及び各成分の濃度と、管腔面積との関係を示す棒グラフ。 水抽出プロポリス及び各成分の濃度と、管腔長との関係を示す棒グラフ。 水抽出プロポリス及び各成分の濃度と、管腔交差点数との関係を示す棒グラフ。 水抽出プロポリス及び各成分の濃度と、パス本数との関係を示す棒グラフ。

Claims (4)

  1. 溶媒によるプロポリスの抽出物に含まれるバッカリン、ドルパニン、クマル酸、アルテピリンC、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸を有効成分とすることを特徴とする血管新生抑制剤。
  2. 前記有効成分は、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸又はクロロゲン酸であることを特徴とする請求項1に記載の血管新生抑制剤。
  3. 前記有効成分は、3,4−ジカフェオイルキナ酸又は3,5−ジカフェオイルキナ酸であることを特徴とする請求項2に記載の血管新生抑制剤。
  4. 前記血管新生抑制は、管腔面積、管腔長、パス本数又は管腔交差点数で評価されるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の血管新生抑制剤。
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