JP2007220317A - 電子ビーム検査方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同定の時間が早く、コンタミネーションおよび帯電が無いと共に、構造欠陥の物質を同定する精度の高い電子ビーム検査方法および装置を実現する。
【解決手段】後方散乱電子の散乱情報を用いて、ばらつきΔSを含む放出効率の平均値Sを求め(ステップS304)、この平均値SおよびばらつきΔSを用いて、試料5の構造欠陥をなす物質の候補物質を複数選択し(ステップS305)、さらに電子ビーム2の電子エネルギーを変化させ(ステップS307)、この候補物質の選択を繰り返し、取得される複数の候補物質情報の中から構造欠陥をなす物質を同定することとしているので(ステップS308)、高い精度で構造欠陥をなす物質の同定を行うことができ、ひいてはEDS等を用いることなく安価で、高速で、しかも高い精度の物質同定を行うことを実現させる。
【選択図】図3

Description

この発明は、半導体ウェハーを用いてプレーナー型の集積回路を製造する半導体製造工程で、この半導体ウェハーに生じる構造欠陥を検出し、この構造欠陥が生じる要因を探る電子ビーム検査方法および装置に関する。
近年、半導体デバイスは、ウェハーにフォトマスクで形成されたパターンを、リソグラフィー処理およびエッチング処理により転写する工程を繰り返すことで製造される。このような製造プロセスにおいては、歩留まりの向上および製造プロセスの安定稼動を実現する為に、インライン検査によって発見した欠陥を迅速に解析し、対策に活用することが必要とされる。
そして、検査結果を迅速に不良対策と結びつけるためには、多数の検査結果を高速にレビューし、発生原因別に分類する欠陥レビュー:分類技術が鍵となる。この為、光学式、SEM(走査型電子顕微鏡)等の電子ビーム検査装置が製品化されている。なお、加工パターンの微細化に伴い、光学式よりも高い分解能を持つ、SEMが重要視されている。これら電子ビーム検査装置では、微小異物、微小形状欠陥あるいはスクラッチ等の凹凸を検出することが可能になっている。さらに、これら欠陥の物質同定を行うことで、より正確な欠陥原因の特定、例えばどの製造工程で欠陥が発生したのかを推測することができ、これもまた重要な事項となっている。
ここで、物質同定の方法として、3つの公知例が存在する。第1の方法は、EDS(Energy Dispersive x−ray Spectroscopy)を用いた方法である。これは、観察時に通常使用する一次電子ビームのエネルギー約1keVおよびビーム電流約10pAよりも大きい、高エネルギー15keVおよび高ビーム電流1nAの一次電子ビームを用いて欠陥部を照射し、発生する特性X線を得ることで物質の同定を行う。この方法は、物質同定の精度は高いが、EDS使用時にビームエネルギーおよびビーム電流の切り替えが必要であり、その切り替えに時間を要する。また、高エネルギーであるためにビームの固体内での広がりが大きく、さらに大電流ビームであるためにビーム径が広がり、空間分解能に劣る。また、装置価格も、高いものとなる。
第2の方法は、2次電子のエネルギー分別を行い、SEM画像の物質コントラストを向上させる方法である(例えば、特許文献1参照)。この方法では、一次電子ビームの照射によってコンタミネーション(極薄いカーボンを主成分とする膜)が試料に付着するので、極薄い表面から発生する2次電子は、その放出効率が大きく変化する。また、2次電子は、エネルギーが低く、試料の帯電の影響を強く受ける。そして、帯電しやすい試料では、軌道が変化し検出器での2次電子検出効率が変化する。従って、精度良く、物質コントラストを得ることができない。
第3の方法は、後方散乱電子(一般的に初期運動エネルギー50ev以上の電子)を利用するものである。後方散乱電子は、試料のある程度深い位置から発生するので、コンタミネーションの影響を受けにくい。また、この方法は、エネルギーが高いので帯電の影響も受けにくく、後方散乱電子の放出効率が、原子番号に比例して増加するので(例えば、非特許文献1参照)、以前から物質コントラスト像を得るために利用されている。しかし、この方法では、後方散乱電子の信号量が小さく、信号量にばらつき(ショットノイズ)が生じ、原子番号の近い物質を検出することが困難となる。
図11は、この困難を説明する説明図である。図11(a)は、SEMで取得される後方散乱電子像の一例を示す図である。この後方散乱電子像101には、シリコン基板104上に配列された銅パターン105が示されており、これら格子の間隙部分にアルミニウム粉等からなる構造欠陥102が付着している。図11(b)は、構造欠陥102が存在する実線ABで示す部分の後方散乱電子像101のプロファイルを示す図である。横軸は、実線AB上の画素位置を現し、縦軸は、後方散乱電子の信号から算定される放出効率を現す。なお、放出効率については、発明を実施するための最良の形態の欄で詳述する。
ここで、構造欠陥102が存在する中央部分の算定領域51で、放出効率Sは大きいものとなる。一方、算定領域51の放出効率Sには、ばらつき△Sが存在し、値を特定することができない。
図11(c)は、後方散乱電子の放出効率と原子番号の関係を示す図である。この図では、横軸は原子番号、縦軸は放出効率を現し、原子番号と放出効率が比例関係にあることを示している。ここで、放出効率Sに対して、対応する原子番号が、この比例関係を用いて決定される。一方、放出効率にばらつき△Sが存在する場合には、原子番号にばらつき32が生じ、原子番号の特定が困難になる。図11(c)の例では、放出効率のばらつき△Sに対して、原子番号が11〜16の間にある場合を例示している。
特開2000―173526号公報 ライマー(L.Reimer)他著、「スキャンニング エレクトロン マイクロスコピー(Scanning Electron Microscopy)」,シュプリンガーバーラグ(Springer−Verlag)出版、1998年、p.145
しかしながら、上記背景技術によれば、上述した第1の方法では、物質同定の精度は高いものの同定に時間を要し、空間分解能が低く、装置価格が高くなる。また、上述した第2の方法では、同定の時間は早いもののコンタミネーションおよび帯電の影響を受ける。また、上述した第3の方法では、同定の時間が早く、コンタミネーションおよび帯電は無いものの、構造欠陥102の物質を同定する精度が低くなる。
これらのことから、同定の時間が早く、コンタミネーションおよび帯電が無いと共に、構造欠陥の物質を同定する精度の高い電子ビーム検査方法および装置いかに実現するかが重要となる。
この発明は、上述した背景技術による課題を解決するためになされたものであり、同定の時間が早く、コンタミネーションおよび帯電が無いと共に、構造欠陥の物質を同定する精度の高い電子ビーム検査方法および装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、電子銃で発生される一次電子ビームを、試料の表面に照射し、前記照射の際に前記表面から発生される後方散乱電子の散乱情報を検出し、前記表面に存在する物質を同定する際の候補となる候補物質の候補物質情報を、前記散乱情報に基づいて取得し、前記照射を行う際の照射条件を変化させ、前記照射、前記検出および前記取得を繰り返し、前記繰り返しにより取得される複数の前記候補物質情報を比較し、前記物質の同定を行う。
この請求項1に記載の発明では、照射条件を変化させた、後方散乱電子の複数の散乱情報に基づいて、試料の表面に生じる構造欠陥の物質を同定する。
また、請求項2に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、請求項1に記載の電子ビーム検査方法において、前記同定が、複数の前記候補物質情報に共通に含まれる候補物質を、前記物質とすることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、請求項1または2に記載の電子ビーム検査方法において、前記散乱情報が、前記後方散乱電子の放出効率および前記放出効率のばらつきの大きさを含むことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法において、前記照射条件が、前記一次電子ビームの加速電圧であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法において、前記取得が、前記候補物質ごとの前記変化に伴う散乱情報の変動を示す散乱変化情報を参照して行われることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、請求項5に記載の電子ビーム検査方法において、前記候補物質からなる候補物質試料に対して、前記変化を伴う前記照射および前記検出を繰り返し、前記散乱変化情報を、前記試料の照射および検出を行う前に事前取得することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法において、前記物質の位置情報に基づいて、前記物質および前記物質の近傍領域を含む試料の表面における画像情報を採取することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、請求項7に記載の電子ビーム検査方法において、前記複数の散乱情報に演算処理を施し、前記物質のコントラストを強調した画像情報を形成することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法において、前記同定を行う前に前記候補物質の選択を行い、前記選択が行なわれた候補物質に対して前記同定を行なうことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明にかかる電子ビーム検査方法は、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法において、前記物質の同定情報、前記物質の位置情報および前記物質の形状情報に基づいて前記物質を分類することを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、電子銃で発生される一次電子ビームを、試料の表面に照射する照射手段と、前記照射の際に前記表面から発生される後方散乱電子の散乱情報を検出する検出器と、前記表面に存在する物質を同定する際の候補となる候補物質の候補物質情報を、前記散乱情報に基づいて取得する物質情報取得手段と、前記照射を行う際の照射条件を変化させ、前記照射、前記検出および前記取得を繰り返す制御部と、前記繰り返しにより取得される複数の前記候補物質情報を比較し、前記物質の同定を行う物質同定手段とを備える。
この請求項11に記載の発明では、照射条件を変化させた、後方散乱電子の複数の散乱情報に基づいて、試料の表面に生じる構造欠陥の物質を同定する。
また、請求項12に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項11に記載の電子ビーム検査装置において、前記検出器が、前記照射が行われる照射方向と角度が異なる複数の検出器を備えることを特徴とする。
この請求項12に記載の発明では、異なる方向に散乱される後方散乱電子の散乱情報を取得する。
また、請求項13に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項12に記載の電子ビーム検査装置において、前記検出器が、前記検出器の少なくとも一つが前記表面の近傍に配設されることを特徴とする。
この請求項13に記載の発明では、一次電子ビームが照射される照射方向の厚みが薄い試料を用いた場合にも、試料表面に存在する物質の同定を行う。
また、請求項14に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項11ないし13のいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置において、前記検出器が、前記試料を載置する試料台および前記照射手段を内包する鏡筒部を備えることを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項14に記載の電子ビーム検査装置において、前記試料台が、前記試料と共に前記候補物質からなる標準試料を並置することを特徴とする。
この請求項15に記載の発明では、散乱変化情報を、電子ビーム検査装置を用いて取得する。
また、請求項16に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項14または15に記載の電子ビーム検査装置において、前記検出器が、前記試料台の前記試料を載置する載置面と、前記鏡筒部から照射される一次電子ビームの照射方向に直交する直交面との間の交差角度が有限の値を有する際に、前記検出を行う検出器を、前記試料の照射位置近傍に配置する配置手段を備えることを特徴とする。
この請求項16に記載の発明では、検出器による後方散乱電子の検出効率を向上する。
また、請求項17に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項11ないし16のいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置において、前記検出器が、前記後方散乱電子を衝突させる反射板と、前記反射板で発生される2次電子を検出する2次電子検出器とを備えることを特徴とする。
この請求項17に記載の発明では、検出器による後方散乱電子の検出効率を向上する。
また、請求項18に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項17に記載の電子ビーム検査装置において、前記反射板が、前記1次電子ビームを囲むリング状の構造を有することを特徴とする。
この請求項18に記載の発明では、検出効率の向上を、大きなものとする。
また、請求項19に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項11ないし18のいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置において、前記物質の同定情報、前記物質の位置情報および前記物質の形状情報に基づいて前記物質を分類する分類手段を備えることを特徴とする。
この請求項19に記載の発明では、物質が構造欠陥である際に、生じた要因の特定を容易なものとする。
また、請求項20に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項11ないし19のいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置において、前記散乱情報に演算処理を施した画像情報を形成する画像形成手段を備えることを特徴とする。
この請求項20に記載の発明では、画像情報に含まれる物質、すなわち構造欠陥の画像を見やすいものとする。
また、請求項21に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項11ないし20にいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置において、前記同定された物質の物質名を表示する表示手段を備えることを特徴とする。
この請求項20に記載の発明では、同定された物質の物質名を、オペレータに知らせる。
また、請求項22に記載の発明にかかる電子ビーム検査装置は、請求項20および21に記載の電子ビーム検査装置において、前記表示手段が、前記画像情報を表示し、前記表示された画像上に前記物質名を上書きすることを特徴とする。
この請求項22に記載の発明では、同定された物質の物質名と共に物質の形状を、オペレータに知らせる。
本発明によれば、照射条件を変化させた後方散乱電子の複数の散乱情報に基づいて構造欠陥の物質を同定することとしているので、同定の時間が早く、コンタミネーションおよび帯電が無いと共に、構造欠陥を構成する物質を高い精度で同定し、ひいては構造欠陥の分類を確実および高速で行い構造欠陥を生じさせる原因の特定を容易なものとし、試料の構造欠陥を速く確実に減らすことができ,さらに試料が半導体ウェハーの場合には、歩留まりの改善を早急に行うことができる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電子ビーム検査方法および装置を実施するための最良の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
まず、本実施の形態にかかる電子ビーム検査装置99の全体構成について説明する。図1は、電子ビーム検査装置99の全体構成を示す構成図である。電子ビーム検査装置99は、電子銃1、対物レンズ4、偏向コイル17、試料5、試料台6、検出器7、情報処理部8、試料台制御部9、電源制御部10、制御部11、表示部12および入力部13を含む。ここで、電子銃1、対物レンズ4、偏向コイル17、試料5、試料台6、検出器7および試料台制御部9は、図示しない真空容器内に配設される。この真空容器は、ロータリポンプ、分子ポンプおよびイオンポンプ等を用いて高真空状態とされる。また、電子銃1、対物レンズ4、偏向コイル17および電源制御部10は、照射手段をなす。
電子銃1は、加熱されたフィラメントから放出される電子を、陽極と電子銃間にかかる加速電圧で加速し、試料5に照射する。電子ビーム2は、この照射で電子が走行する走行経路を示す。なお、電子銃1には、ショットキー型電子銃を用いることもできる。
偏向コイル17は、電子ビーム2を、走行方向と概ね直交する平面内の垂直および水平の2方向で2次元的に走査する偏向磁場を形成する。ここで、偏向磁場は、試料5の表面上にあって電子ビーム2が照射される位置を、垂直および水平方向に移動させる。偏向コイル17は、この2次元的な移動を、磁場方向が直交する2つのコイルを用いて行う。
対物レンズ4は、拡がりを持って電子銃1から射出される電子ビーム2を集束させるコイルで、電子ビーム2の走行経路上の、例えば試料5の表面に焦点位置を有する。
検出器7は、例えば半導体検出器により構成され、試料5に照射された電子ビーム2により試料5から散乱される後方散乱電子を検出する。
試料台6は、半導体ウェハー等の試料5を、電子ビーム2の照射位置に載置するXYステージである。このXYステージは、電子ビーム2の走行方向と概ね直交するXY方向に移動され、試料台制御部9により位置制御されつつオペレータの望む位置に試料5を配置する。
電源制御部10は、電子銃1の加速電圧、偏向コイル17および対物レンズ4を駆動する駆動電流等を制御し、電子ビーム2の電子エネルギーの制御、電子ビーム2のxy方向の走査、および電子ビーム2の焦点位置の制御等を行う。
制御部11は、電子ビーム2の発生、加速、走査、さらには、後方散乱電子の検出等の動作が、オペレータの目的とするタイミングで適正に行われるように電源制御部10、情報処理部8および試料台制御部9を制御する。
入力部13は、キーボード等からなり、オペレータによる、各種制御情報の入力が行われる。表示部12は、LCD等の表示ディスプレイからなり、入力部13から入力された制御情報の表示、あるいは電子ビーム検査装置99を走査して得られる試料5の画像情報の表示等を行う。
情報処理部8は、ハードウェア的にはCPU等の演算処理部および記憶部等からなり、検出器7で検出される試料5からの後方散乱電子の散乱情報を入力し、この入力情報から、試料5の表面に存在する付着物等の構造欠陥の物質を同定する。図2は、情報処理部8の機能的な構成を示す機能ブロック図である。情報処理部8は、放出効率算定手段21、散乱変化情報23、物質情報取得手段22、候補物質情報24、物質同定手段28、メモリ26および画像形成手段27を含む。ここで、放出効率算定手段21、物質情報取得手段22、物質同定手段28、メモリ26および画像形成手段27は、図示しない信号線により制御部11から制御される。なお、これらの機能については、電子ビーム検査装置99の動作のところで詳細を説明する。
つぎに、本実施の形態にかかる、電子ビーム検査装置99の動作について図3を用いて説明する。図3は、電子ビーム検査装置99の動作を示すフローチャートである。まず、オペレータは、試料台6に半導体ウェハーである試料5を配置する(ステップS301)。ここで、試料5の配置位置は、試料5上で走査される電子ビーム2の走査領域に、試料5に存在する付着物等の構造欠陥が含まれる様にされる。なお、この構造欠陥の半導体ウェハー上の位置は、半導体製造の各工程で実施される検査において、事前に光学顕微鏡等の検査機器を用いて概略位置が特定される。
その後、オペレータは、電子ビーム2の加速電圧の設定を行う(ステップS302)。ここで、加速電圧は、電源制御部10により、例えば電子ビーム2の電子エネルギーが0.5keVとなるように設定される。
その後、電子ビーム検査装置99は、電子ビーム2を試料5に照射しつつ走査を行い、試料5から発生される後方散乱電子14を、検出器7で検出する(ステップS303)。なお、この際、検出器7は、検出した後方散乱電子14の強度を示す散乱情報を、情報処理部8に転送する。この散乱情報は、走査が試料5上の平面で行われる場合には、例えば図11(a)に示した様な2次元画像として表示されるものである。
その後、情報処理部8は、放出効率算定手段21により、検出器7からの散乱情報に基づいて、構造欠陥が存在する領域における放射効率の平均値SおよびばらつきΔSを算定する(ステップS304)。ここで、放出効率算定手段21は、入力された後方散乱電子の強度を示す散乱情報を、放射効率に変換する。ここで、放出効率とは、試料5に照射される電子ビーム2の所定量に対する後方散乱される散乱電子の量であり、照射位置に存在する物質固有の値を有する。
また、後方散乱電子は、電子ビーム2が試料を構成する原子により散乱される電子で、50eV以上の高いエネルギーを有するものを指す。ここで、後方散乱電子は、高いエネルギーを有するので、直進性が高いものとなる。従って、検出器7で検出される後方散乱電子は、試料5の電子ビーム2が照射される位置で放射状に発生される後方散乱電子の中の一部のみとなる。
ここで、放出効率は、強度情報を、電子ビーム2が照射される試料5の照射位置から検出器7の電子有感領域を見た立体角を用いて補正したものである。この補正は、放出効率をε、強度情報をr、立体角をΩとすると、
ε∝r/Ω
の関係式を用いて算定される。なお、立体角Ωは、検出器7の形状および検出器7が配置される位置等により決定されるもので、あらかじめ入力部13からオペレータにより入力される。
また、放出効率のばらつきΔSは、電子ビーム2の照射位置が異なる複数地点で検出される散乱情報のばらつきにより発生する。このばらつきΔSの大きさは、例えば放出効率のばらつきが有する平均値Sに対する標準偏差の大きさとされる。ここで、このばらつきΔSは、同一の物質が存在する照射位置からの散乱情報すなわち放出効率の平均値Sから算定される。例えば、図11(b)に示した様な散乱強度のプロファイルの例では、放出効率が閾値を越える領域を同一物質からなる算定領域51とし、算定領域51で算定された放出効率Sのばらつきとして、ばらつきΔSが算定される。なお、この算定領域51は、図11(b)に示した様なプロファイルの例では、オペレータが手動で設定する様にすることもできる。
その後、情報処理部8は、物質情報取得手段22により、同一の物質が存在する算定領域51の放出効率の平均値SおよびばらつきΔSを用いて候補物質を決定する(ステップS305)。この候補物質の決定では、散乱変化情報23が参照される。散乱変化情報23は、電子ビーム2の照射エネルギーを変化させた場合の放出効率の変動を、試料5の表面に存在する可能性のある候補物質ごとに示した情報である。
図4は、散乱変化情報23をグラフにして示した説明図である。横軸は、電子ビーム2の照射エネルギー、縦軸は、後方散乱電子の放出効率を示す。ここで、候補物質としては、半導体製造工程で生じる構造欠陥の原因となるアルミニウムAl、銅Cu、炭素CおよびシリコンSiの例が示されている。なお、半導体製造工程では、構造欠陥を生じる候補物質が比較的限定されており、上述した物質は、候補物質の主要部分を占めるものである。
ここで、アルミニウムAl、銅Cu、炭素CおよびシリコンSiは、放出効率が元素ごとに異なり、照射エネルギーの変化に伴い放出効率も変動する。特に、銅Cuは、その他の元素と異なり、照射エネルギーの増加に伴い放射効率が増加し、その他の元素との放射効率の乖離が大きくなる。
物質情報取得手段22は、散乱変化情報23を参照し、ステップS304で求めた放出効率の平均値SおよびばらつきΔSに基づいて、候補物質を決定する(ステップS305)。図4には、散乱変化情報23のグラフ上に、ステップS304で求めた放出効率の平均値SおよびばらつきΔSが、誤差棒31として表示されている。誤差棒31は、照射エネルギーが0.5keVの位置に、放射効率の平均値Sを中心とするばらつきΔSの範囲が示された線分である。ここで、物質情報取得手段22は、図4に示す散乱変化情報23のグラフから、誤差棒31の線分が示す範囲内に存在する2つの候補物質、銅CuおよびアルミニウムAlを、候補物質として決定する。そして、この候補物質の名称は、メモリ26に候補物質情報24として保存される。
その後、オペレータあるいは制御部11は、候補物質情報24が、構造欠陥をなす物質の同定に充分なものかどうかを判定し(ステップS306)、充分でない場合には(ステップS306否定)、電源制御部10により加速電圧を変更し(ステップS307)、ステップS303に移行する。そして、ステップS303〜305の電子ビーム2の走査、照射および検出、放出効率およびばらつきの算定、候補物質の決定を繰り返し、電子エネルギーの異なる候補物質情報を取得する。
ここで、電子ビーム2の電子エネルギーを1.5keVに変化させ、同一の算定領域51から求めた試料5の放出効率の平均値SおよびばらつきΔSを、図4のグラフ上の誤差棒41として示す。誤差棒41は、照射エネルギーが1.5keVの位置に、放射効率の平均値Sを中心とするばらつきΔSの範囲が示された線分である。ここで、物質情報取得手段22は、図4に示す散乱変化情報23のグラフから、誤差棒41の線分が示す範囲内に存在する2つの候補物質、シリコンSiおよびアルミニウムAlを、候補物質として決定する。そして、この候補物質の名称は、メモリ26に候補物質情報25として保存される。
また、オペレータあるいは制御部11は、候補物質情報24が、構造欠陥をなす物質の同定に充分である場合には(ステップS306肯定)、情報処理部8の物質同定手段28により、候補物質情報を比較し、構造欠陥をなす物質の同定を行う(ステップS308)。ここで、物質同定手段28は、メモリ26から候補物質情報24および25を読み出し、候補物質情報24に含まれる銅CuおよびアルミニウムAl、並びに、候補物質情報25に含まれるシリコンSiおよびアルミニウムAlを比較し、共通に含まれるアルミニウムAlを、構造欠陥をなす物質と同定する。なお、制御部11でステップS306の判定を行う際には、この判定基準は、入力部13からの入力あるいは上述したようなアルゴリズムを演算等により求め設定される。
その後、情報処理部8は、画像形成手段27において、この物質名を表示部12に表示する画像情報を形成する(ステップS309)。この画像情報として、例えば図5に示すように、構造欠陥102の画像情報である後方散乱電子像101に、物質名Alを上書きした後方散乱電子像111が形成される。この後方散乱電子像111では、図11(a)に示す後方散乱電子像101に物質名Alが上書きされており、物質名Alは、構造欠陥102の位置を矢印により指し示している。
また、この画像情報として、加速電圧を変更して取得される複数の散乱情報間で演算処理を施したものを用いることもできる。例えば、図11(a)に示すような構造欠陥102を含む後方散乱電子像101の場合には、加速電圧を変更して取得される複数の後方散乱電子像101間で加算平均を行う。この加算平均により、画像に含まれる統計ノイズの軽減等が計られ、構造欠陥102を強調した高いコントラストの後方散乱電子像が取得される。なお、演算処理としては、変化される照射条件に応じて、加算平均のみならず差分、積算等を用いることができる。
その後、電子ビーム検査装置99は、この画像情報を、制御部11を介して表示部12に表示し(ステップS310)、本処理を終了する。
上述してきたように、本実施の形態では、電子ビーム2の照射により、試料5から発生される後方散乱電子の散乱情報を用いて、算定領域51のばらつきΔSを含む放出効率の平均値Sを求め、この平均値SおよびばらつきΔSを用いて、試料5の構造欠陥をなす物質の候補物質を複数選択し、さらに電子ビーム2の電子エネルギーを変化させ、この候補物質の選択を繰り返し、取得される複数の候補物質情報の中から構造欠陥をなす物質を同定することとしているので、ばらつきΔSが大きく一回の測定で構造欠陥をなす物質を同定することができない場合にも、高い精度で構造欠陥をなす物質の同定を行うことができ、ひいてはEDS等を用いることなく安価で、高速で、しかも高い精度の物質同定を行うことができる。
また、本実施の形態では、検出器7に半導体検出器を用いた例を示したが、シンチレータ、チャネルトロンあるいはマルチチャネルプレート等を用いることもできる。
また、本実施の形態では、図4に示す様な散乱変化情報23があらかじめ取得されていることとしたが、半導体ウェハーの代わりに候補物質、例えば銅CuあるいはアルミニウムAl等からなる標準試料を試料台6に載置し、散乱変化情報23を、電子ビーム検査装置99を用いて取得することもできる。さらに、これら標準試料を、試料台6の半導体ウェハーが存在しない表面に並置し、これら標準試料からの散乱情報に基づいて、物質の同定あるいは同定の精度の向上を行うこともできる。
図6は、電子ビーム2の照射方向から見た、試料台6に並置された試料5および標準試料71を示す配置図である。標準試料71には、例えば、アルミニウム72、銅73、炭素74およびシリコン75のみからなる円形の標準試料部分が存在し、この部分に電子ビーム2を照射することにより、これら物質の散乱変化情報23を取得する。
また、本実施の形態では、試料5および検出器7は、図1に示す様な位置関係にあるとして、試料5から放射状に散乱される後方散乱電子の一部を検出器7で検出することとしたが、検出器7を試料5の近傍に配置することにより、後方散乱電子の検出効率を高め、高速で物質の同定を行うこともできる。
図7は、検出器7を、試料5の近傍に配置した例を示す配置図である。なお、図に示す鏡筒部81は、電子銃1、偏向コイル17および対物レンズ4等を内包する真空容器で、先端の射出口82から電子ビーム2が照射される。ここで、検出器7は、試料5の近傍に配置される一方で、試料台6は、電子ビーム2の照射方向と直交する面に対して傾きを持った配置とされる。これにより、試料5に対して電子ビーム2を射出する鏡筒部81が、検出器7に接触することを防止し、検出器7を試料5の近傍に配置することができる。なお、この際試料台6を傾ける代わりに鏡筒部81を傾け、試料台6および鏡筒部81の相互の位置関係が同一のものとする配置にすることもできる。
また、本実施の形態では、試料5および検出器7は、図1に示す様な位置関係にあるとして、試料5から放射状に散乱される後方散乱電子14の一部を検出器7で検出することとしたが、上述した鏡筒部81が有する電子ビーム2の射出口82付近に金属の反射板を設けることにより、後方散乱電子14の検出効率を高め、高速で物質の同定を行うこともできる。
図8は、鏡筒部81の射出口82付近に、反射板91を配置した例を示す断面図である。反射板91は、リング状の構造を有し、リングの中心部分を電子ビーム2が通過する。電子ビーム2の照射により発生される試料5の後方散乱電子3は、一部が検出器7で検出されると共に、他の多く電子が反射板91に衝突される。この際、衝突した後方散乱電子3に比例した数の2次電子92が、反射板91から放出される。2次電子92は、初期エネルギーが小さく直進性に劣るので、検出器7および反射板91間に電場を印加することにより、検出器7で捕獲することができる。これにより、検出器7は、後方散乱電子3の検出効率を、間接的に高いものとすることができる。
また、本実施の形態では、試料5および検出器7は、図1に示す様な位置関係にあるとして、電子ビーム2が入射する試料5の上方向に散乱される後方散乱電子を検出器7で検出することとしたが、さらにもう1つの検出器16を、検出器7よりも試料5の表面に近い位置に配設し、試料5の斜め方向に散乱される後方散乱電子を検出器16で検出することもできる。これにより、試料5の構造欠陥が有する電子ビーム2の照射方向の厚さが小さく、検出器7の散乱情報に構造欠陥の下地となる物質の散乱情報を含む場合にも、構造欠陥の物質を同定することができる。
図9は、電子ビーム検査装置99に検出器16を付加した電子ビーム検査装置100のブロック図である。検出器16は、検出器7と同様に、試料5からの後方散乱電子14を検出する検出器であるが、配設位置が、検出器7と比較して試料5の表面に近い位置にされる。これにより、検出器16は、検出器7に入射される後方散乱電子14と比較して、より試料5の表面に近い斜め方向に散乱される後方散乱電子15を検出する。
図10は、試料5の構造欠陥が有する厚さが厚い場合と薄い場合とで、検出器7および検出器16で取得される散乱情報が異なることを示す説明図である。まず、図10(a)は、試料5の厚い構造欠陥201および構造欠陥の下地202で発生する後方散乱電子と、検出器7が取得する散乱情報との関係を示す説明図である。電子ビーム2の照射により、試料5の構造欠陥201および構造欠陥の下地202は、後方散乱電子203〜206を発生する。ここで、後方散乱電子203および204は、構造欠陥201で発生されるものであり、後方散乱電子205および206は、下地202で発生されるものである。また、後方散乱電子203および205は、検出器7が存在する方向に散乱されるものであり、後方散乱電子204および206は、検出器16が存在する方向に散乱されるものである。
ここで、下地202で発生される後方散乱電子205は、厚い構造欠陥201により遮断されるので、検出器7が検出する散乱情報は、構造欠陥201で発生される後方散乱電子203の情報のみを含むものとなる。従って、上述した情報処理部8で、構造欠陥201を構成する物質の同定を行うことができる。
図10(b)は、試料5の薄い構造欠陥207および構造欠陥の下地202で発生する後方散乱電子と、検出器7が取得する散乱情報との関係を示す説明図である。電子ビーム2の照射により、試料5の構造欠陥207および構造欠陥の下地202は、後方散乱電子213〜216を発生する。ここで、後方散乱電子213および214は、構造欠陥207で発生されるものであり、後方散乱電子215および216は、下地202で発生されるものである。また、後方散乱電子213および215は、検出器7が存在する方向に散乱されるものであり、後方散乱電子214および216は、検出器16が存在する方向に散乱されるものである。
ここで、検出器7が検出する散乱情報は、下地202で発生される後方散乱電子215が、薄い構造欠陥207を透過するので、構造欠陥207で発生される後方散乱電子213および下地202で発生される後方散乱電子215の情報を含むものとなる。従って、上述した情報処理部8で、構造欠陥207を構成する物質の同定を行うことができない。
一方、検出器16が検出する散乱情報は、下地202で発生される後方散乱電子216が、薄い構造欠陥207を斜め方向に進行し遮断されるので、構造欠陥207で発生される後方散乱電子214のみの情報を含むものとなる。従って、検出器16が検出する散乱情報は、上述した情報処理部8で、構造欠陥207を構成する物質の同定を行うことができる。
また、本実施の形態では、情報処理部8で同定された物質の同定情報である物質名は、表示部12に表示されたが、情報処理部8に分類手段を設け、この物質名、さらにはこの物質の試料5上での位置情報、形状情報等に基づいて、この物質を、例えば発生要因別に分類することもできる。なお、物質の位置情報および形状情報は、光学顕微鏡を用いた検査あるいは構造欠陥近傍領域の後方散乱電子像を用いた画像処理等により得ることができる。
電子ビーム検査装置の全体構成を示すブロック図である。 電子ビーム検査装置の情報処理部が有する機能的な構成を示す機能ブロック図である。 電子ビーム検査装置の動作を示すフローチャートである。 情報処理部に存在する散乱変化情報の内容を示す説明図である。 構造欠陥の物質名を表示する画像情報の一例を示す図である。 試料に並置される標準試料の配置を示す配置図である。 検出器を、試料上の照射位置近傍に配設する一例を示す配置図である。 反射板を、鏡筒部の射出口近傍に配設する一例を示す断面図である。 もう1つの検出器が付加された電子ビーム検査装置の全体構成を示すブロック図である。 もう1つの検出器が付加された電子ビーム検査装置の動作を示す説明図である。 試料の後方散乱電子の検出により取得される散乱情報の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 電子銃
2 電子ビーム
3、14、15 後方散乱電子
4 対物レンズ
5 試料
6 試料台
7、16 検出器
8 情報処理部
9 試料台制御部
10 電源制御部
11 制御部
12 表示部
13 入力部
17 偏向コイル
21 放出効率算定手段
22 物質情報取得手段
23 散乱変化情報
24 、25 候補物質情報
26 メモリ
27 画像形成手段
28 物質同定手段
31、41 誤差棒
32 ばらつき
51 算定領域
71 標準試料
72 アルミニウム
73 銅
74 炭素
75 シリコン
81 鏡筒部
82 射出口
91 反射板
92 2次電子
99,100 電子ビーム検査装置
101、111、202〜206、213〜216 後方散乱電子像
102、201,207 構造欠陥
104 シリコン基板
105 銅パターン
202 下地

Claims (22)

  1. 電子銃で発生される一次電子ビームを、試料の表面に照射し、
    前記照射の際に前記表面から発生される後方散乱電子の散乱情報を検出し、
    前記表面に存在する物質を同定する際に候補となる候補物質の候補物質情報を、前記散乱情報に基づいて取得し、
    前記照射を行う際の照射条件を変化させ、前記照射、前記検出および前記取得を繰り返し、
    前記繰り返しにより取得される複数の前記候補物質情報を比較し、
    前記物質の同定を行う電子ビーム検査方法。
  2. 前記同定は、複数の前記候補物質情報に共通に含まれる候補物質を、前記物質とすることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム検査方法。
  3. 前記散乱情報は、前記後方散乱電子の放出効率および前記放出効率のばらつきの大きさを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子ビーム検査方法。
  4. 前記照射条件は、前記一次電子ビームの加速電圧であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法。
  5. 前記取得は、前記候補物質ごとの前記変化に伴う散乱情報の変動を示す散乱変化情報を参照して行われることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法。
  6. 前記電子ビーム検査方法は、前記候補物質からなる候補物質試料に対して、前記変化を伴う前記照射および前記検出を繰り返し、前記散乱変化情報を、前記試料の照射および検出を行う前に事前取得することを特徴とする請求項5に記載の電子ビーム検査方法。
  7. 前記電子ビーム検査方法は、前記物質の位置情報に基づいて、前記物質および前記物質の近傍領域を含む試料の表面における画像情報を採取することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法。
  8. 前記電子ビーム検査方法は、前記複数の散乱情報に演算処理を施し、前記物質のコントラストを強調した画像情報を形成することを特徴とする請求項7に記載の電子ビーム検査方法。
  9. 前記電子ビーム検査方法は、前記同定を行う前に前記候補物質の選択を行い、前記選択が行なわれた候補物質に対して前記同定を行なうことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法。
  10. 前記電子ビーム検査方法は、前記物質の同定情報、前記物質の位置情報および前記物質の形状情報に基づいて前記物質を分類することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の電子ビーム検査方法。
  11. 電子銃で発生される一次電子ビームを、試料の表面に照射する照射手段と、
    前記照射の際に前記表面から発生される後方散乱電子の散乱情報を検出する検出器と、
    前記表面に存在する物質を同定する際に候補となる候補物質の候補物質情報を、前記散乱情報に基づいて取得する物質情報取得手段と、
    前記照射を行う際の照射条件を変化させ、前記照射、前記検出および前記取得を繰り返す制御部と、
    前記繰り返しにより取得される複数の前記候補物質情報を比較し、前記物質の同定を行う物質同定手段と、
    を備える電子ビーム検査装置。
  12. 前記検出器は、前記照射が行われる照射方向と角度が異なる複数の検出器を備えることを特徴とする請求項11に記載の電子ビーム検査装置。
  13. 前記検出器は、前記検出器の少なくとも一つが前記表面の近傍に配設されることを特徴とする請求項12に記載の電子ビーム検査装置。
  14. 前記検出器は、前記試料を載置する試料台および前記照射手段を内包する鏡筒部を備えることを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置。
  15. 前記試料台は、前記試料と共に前記候補物質からなる標準試料を並置することを特徴とする請求項14に記載の電子ビーム検査装置。
  16. 前記検出器は、前記試料台の前記試料を載置する載置面と、前記鏡筒部から照射される一次電子ビームの照射方向に直交する直交面との間の交差角度が有限の値を有する際に、前記検出を行う検出器を、前記試料の照射位置近傍に配置する配置手段を備えることを特徴とする請求項14または15に記載の電子ビーム検査装置。
  17. 前記検出器は、前記後方散乱電子を衝突させる反射板と、前記反射板で発生される2次電子を検出する2次電子検出器とを備えることを特徴とする請求項11ないし16のいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置。
  18. 前記反射板は、前記1次電子ビームを囲むリング状の構造を有することを特徴とする請求項17に記載の電子ビーム検査装置。
  19. 前記電子ビーム検査装置は、前記物質の同定情報、前記物質の位置情報および前記物質の形状情報に基づいて前記物質を分類する分類手段を備えることを特徴とする請求項11ないし18のいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置。
  20. 前記電子ビーム検査装置は、前記散乱情報に演算処理を施した画像情報を形成する画像形成手段を備えることを特徴とする請求項11ないし19のいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置。
  21. 前記電子ビーム検査装置は、前記同定された物質の物質名を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項11ないし20にいずれか1つに記載の電子ビーム検査装置。
  22. 前記表示手段は、前記画像情報を表示し、前記表示された画像上に前記物質名を上書きすることを特徴とする請求項20および21に記載の電子ビーム検査装置。
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