JP2007219274A - プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

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晴之 辻
Noriaki Kuroda
紀明 黒田
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航 北村
Atsushi Okuda
篤 奥田
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Abstract

【課題】 帯電や、トナー、外添剤のダメージを除去する為、電子写真感光体の表面を削って使用した場合でも、傷や削れムラの発生の問題が無く、また従来より薄膜の膜厚まで耐久使用でき、十分な電子写真特性が得られる電子写真感光体を用いるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 表面層に特定構造のポリカーボネート樹脂を含有する電子写真感光体と、支持体、該支持体に形成された導電性弾性層及び該導電性弾性層上にフッ化アルキル基及びオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する表面層を有し、該表面層が下記式(i)で示す物性を有する帯電部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置。
1.00×10-6≧静電容量(C)≧5.00×10-9[F] (i)
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、少なくとも表面層に特定構造のポリカーボネート樹脂を含有する電子写真感光体、と、支持体、該支持体に形成された導電性弾性層、及び、該導電性弾性層上にフッ化アルキル基及びオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する表面層を有し、該表面層が特定の式で示される物性を有する帯電部材による電子写真感光体を帯電させる帯電手段、と、及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段、とを、共に一体に支持するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関するものである。
現在、電子写真感光体の表面を帯電する方式のひとつとして、接触帯電方式が実用化されている。
接触帯電方式は電子写真感光体に接触配置された帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材と該電子写真感光体との間の当接部近傍で微小な放電をさせることによって、該電子写真感光体の表面を帯電する方式である。
電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材としては、電子写真感光体と帯電部材との当接ニップを十分に確保する観点から、支持体及び該支持体上に設けられた弾性層(導電性弾性層)を有するものが一般的である。
また、弾性層(導電性弾性層)は、低分子量成分を比較的多量に含むことが多いため、この低分子量成分がブリードアウトし、電子写真感光体の表面を汚染することを抑制するために、導電性弾性層上には、これとは別の、導電性弾性層に比べて弾性率の小さい表面層を設けることもよく行われている。
また帯電部材の形状としては、ローラー形状が一般的である。以下、ローラー形状の帯電部材を「帯電ローラー」ともいう。
また、接触帯電方式の中でも広く普及している方式は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電部材に印加する方式(以下「AC+DC接触帯電方式」ともいう。)である。
AC+DC接触帯電方式の場合、交流電圧には、帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ電圧が用いられる。
AC+DC接触帯電方式は、交流電圧を用いることにより、帯電均一性の高い安定した帯電を行える方式であるが、交流電圧源を使用する分、直流のみの電圧を帯電部材に印加する方式(以下「DC接触帯電方式」ともいう。)に比べて、帯電装置、電子写真装置の小型化、コストダウンの点で優れた帯電方式である。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性等の機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性等にも優れていることから、エンジニアリングプラスチックとして多くの分野に広く使用されている。特に、透明性に優れていることから光学材料としての用途も多い。例えば、光学材料として各種プラスチックレンズ、プリズム、光ディスク基板などに利用されている。特に、電子写真感光体における結着樹脂として電子写真特性や耐磨耗性などに優れた材料として用いられてきた。(特許文献1)
特開2004−075799号公報
電子写真感光体には、当然ながら、適用される電子写真プロセスに応じた所要の感度、電気特性及び光学特性を有することが要求される。特に繰り返し使用される感光体にあっては、電子写真感光体の表面が帯電時に発生するオゾンや帯電生成物、トナーや外添剤により汚染されるため、電子写真感光体の表面物性及び電位特性の劣化等をリフレッシュする為、電子写真感光体表面を削ってフレッシュな面を出しながら使用すると良い。一方、電子写真感光体表面を削って使用する方法として電子写真感光体表面層の機械的強度を下げるという方法がある。具体的な方法としては、例えば、電子写真感光体表面層の結着樹脂として分子量を小さいものを選択使用することにより表面を削ってフレッシュな面を出すということに関しては目的が達成されるものの、表面に大きな傷が発生したり、また特に削れムラが生じてしまうという問題が発生することがあった。DC接触帯電方式においては感光層の膜厚に応じた帯電電位となるため、削れムラによる帯電電位ムラが発生したり、表面に大きなキズがあるとその部分で絶縁破壊を起こすなどして電流がリークするため、部分的なキズであっても画像上に欠陥が現れ、本来の寿命(帯電限界感光層膜厚)まで到達せずに使用できなくなるという問題があった。
そこで、本提案では帯電時に発生するオゾンや帯電生成物、トナーや外添剤により汚染された電子写真感光体の表面を、電子写真感光体の表面物性及び電位特性の劣化等をリフレッシュする為、電子写真感光体表面を削ってフレッシュな面を出しながら使用しても、削れムラによる帯電電位ムラや、表面に大きなキズによる画像欠陥の発生の問題がなく、十分な電子写真特性が得られるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
〔1〕少なくとも電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段と共に一体に支持し、電子写真感光体が表面層にポリカーボネート樹脂を含有する電子写真感光体であって、 前記ポリカーボネート樹脂は、下記式(1)
Figure 2007219274
(式(1)中、各R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基を示し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。)
で示される繰り返し単位と、下記式(2)
Figure 2007219274
(式(2)中、Xは、炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は下記式(3)
Figure 2007219274
で示される連結構造を示す。)
で示される繰り返し単位とを有することを特徴とする電子写真感光体であり、帯電手段が、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する帯電部材による帯電手段である電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
〔2〕前記電子写真感光体において式(2)の構造のポリカーボネート樹脂が式(4)で示される繰り返し単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする〔1〕に記載のプロセスカートリッジ。
Figure 2007219274
〔3〕該表面層が下記(i)で示す物性を有する帯電部材による帯電手段である電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のプロセスカートリッジ。
(i)1.00×10-6≧静電容量(C)≧5.00×10-9[F]
〔4〕前記帯電部材において前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上50.00質量%以下であり、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上70.00質量%以下であり、前記ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して20.00質量%以上90.00質量%以下である〔1〕乃至〔3〕に記載のプロセスカートリッジ。
〔5〕少なくとも電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段と共に一体に支持し、電子写真感光体が表面層にポリカーボネート樹脂を含有する電子写真感光体であって、 前記ポリカーボネート樹脂は、下記式(1)
Figure 2007219274
(式(1)中、各R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基を示し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。)
で示される繰り返し単位と、下記式(2)
Figure 2007219274
(式(2)中、Xは、炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は下記式(3)
Figure 2007219274
で示される連結構造を示す。)
で示される繰り返し単位とを有することを特徴とする電子写真感光体であり、帯電手段が、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する帯電部材による帯電手段である電子写真装置。
〔6〕前期電子写真感光体において式(2)の構造のポリカーボネート樹脂が式(4)で示される繰り返し単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする〔5〕に記載の電子写真装置。
Figure 2007219274
〔7〕該表面層が下記(i)で示す物性を有する帯電部材による帯電手段である〔5〕乃至〔6〕に記載の電子写真装置。
(i)1.00×10-6≧静電容量(C)≧5.00×10-9[F]
〔8〕前記帯電部材において前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上50.00質量%以下であり、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上70.00質量%以下であり、前記ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して20.00質量%以上90.00質量%以下である〔5〕乃至〔7〕に記載の電子写真装置。
本発明によれば、帯電時に発生するオゾンや帯電生成物、トナーや外添剤により汚染された電子写真感光体の表面を、電子写真感光体の表面物性及び電位特性の劣化等をリフレッシュする為、電子写真感光体表面を削ってフレッシュな面を出しながら使用しても、削れムラによる帯電電位ムラや、表面に大きなキズによる画像欠陥の発生の問題がなく、より薄い感光層膜厚まで使用でき、十分な電子写真特性が得られるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが出来る。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明に用いられるポリカーボネート樹脂について詳細に説明する。
ポリカーボネート樹脂は、原料としてジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル又はホスゲンなどの炭酸結合を導入し得る化合物を用いて製造されたポリカーボネート樹脂の中、制御された末端水酸基濃度と残存モノマー量とを有する樹脂である。
本発明の電子写真感光体の表面層に含有されるポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で示される繰り返し単位と、下記式(2)で示される繰り返し単位とを少なくとも有することを特徴とする。
Figure 2007219274
上記式(1)中の各R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基であり、このアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられ、このシクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基などが挙げられ、このアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。式(1)中のR11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基であり、このアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、このアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
式(2)中のXは、炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は下記式(3)で示される連結構造である。このアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられ、このシクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基などが挙げられる。
Figure 2007219274
本発明のポリカーボネート樹脂は、重合触媒の存在下、下記式(6)及び下記式(7)のジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを反応させることによって製造される。
Figure 2007219274
(式(5)中、各R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を示し、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、または置換若しくは無置換のアリール基を示す。)
Figure 2007219274
(式(6)中、Xは、炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は下記式(3)
Figure 2007219274
で示される連結構造を示す。)
本発明のポリカーボネート樹脂は、上記式(5)で示されるジヒドロキシ化合物を、30モル%以上90モル%以下の比率で反応させて合成されるのが好ましく、30モル%以上70モル%以下がより好ましい。
本発明に用いられる式(5)で示されるジヒドロキシ化合物としては、具体的には、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等が挙げられる。その中でも、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンがより好ましい。
本発明に用いられる式(6)で示されるジヒドロキシ化合物としては、具体的には、トリシクロデカン[5.2.1.02,6 ]ジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、デカリン−2,6−ジメタノール、デカリン−1,5−ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、スピログリコール等が挙げられる。その中でも、シクロアルキレンを有するジヒドロキシ化合物が、好ましく、特には、トリシクロデカン[5.2.1.02,6 ]ジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノールが、より好ましい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、ランダム、ブロック又は交互共重合構造を含むものである。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上記式(5)及び(6)で示されるジヒドロキシ化合物を1種類ずつ共重合されたものでもよく、構造の異なる2種以上のジヒドロキシ化合物とを共重合されたものであってもよい。更に、必要に応じて、他の構造のジヒドロキシ化合物やビスフェノールなどと共重合されたものであってもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂に、他のジヒドロキシ化合物やビスフェノールを共重合する場合、他のジヒドロキシ化合物やビスフェノールの比率は60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、20,000〜200,000であることが好ましく、更に好ましくは25,000〜100,000である。ポリスチレン換算重量平均分子量が低い方が電子写真感光体の表面を削って表面物性及び電位特性の劣化をリフレッシュする効果は大きいものの、20,000未満では削れムラや表面キズに対する本発明の効果が小さくなる。なお、ポリスチレン換算重量平均分子量は以下の方法で測定する。
<<ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、Mwと称する。)>>
GPCを用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量(分子量分布=1)の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。この検量線に基づいて、GPCのリテンションタイムから算出した。
次に、本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法について述べる。
ポリカーボネートの製造方法としては、ホスゲンを用いる界面重縮合法、或いは炭酸ジエステルを用いるエステル交換法等が代表的な方法である。いずれの製造方法を用いても構わないが、本発明のポリカーボネート樹脂は、塩基性化合物触媒及び/又はエステル交換触媒の存在下、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを反応させる公知の溶融重縮合法が好適に用いられる。
以下、溶融重縮合法による製造方法の例を示す。
本発明に用いられる炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートは、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.97〜1.10モルの比率で用いられることが好ましく、更に好ましくは0.98〜1.05モルの比率である。
塩基性化合物触媒としては、特にアルカリ金属化合物および/又はアルカリ度類金属化合物、含窒素化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物等の有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物又はアルコキシドが用いられ、含窒素化合物としては、4級アンモニウムヒドロキシド若しくはそれらの塩、又はアミン類等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独又は組み合わせて用いてもよい。
アルカリ金属化合物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩若しくはリチウム塩等が用いられる。
アルカリ土類金属化合物としては、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、フェニルリン酸マグネシウム等が用いられる。
含窒素化合物としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル基又はアリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類;トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類;ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン類;プロピルアミン、ブチルアミン等の1級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;又はアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基若しくは塩基性塩;等が用いられる。
エステル交換触媒としては、亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛の塩が好ましく用いられ、これらは単独又は組み合わせて用いてもよい。
エステル交換触媒としては、具体的には、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)等が用いられる。
これらの重合触媒は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、1×10-9〜1×10-3モルの比率で、好ましくは1×10-7〜1×10-3モルの比率で用いられる。
上述の溶融重縮合法は、前記の原料、および重合触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下にエステル交換反応により副生成物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。反応は、一般には二段以上の多段工程で実施される。
具体的には、第一段目の反応を120〜260℃、好ましくは180〜240℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間反応させる。次いで反応系の減圧度を上げながら反応温度を高めてジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応を行い、最終的には1mmHg以下の減圧下、200〜350℃の温度で重縮合反応を行う。合計の反応時間(滞留時間)は、好ましくは1〜10時間である。このような反応は、連続式で行ってもよくまたバッチ式で行ってもよい。これらの反応を行うに際して用いられる反応装置は、錨型攪拌翼、マックスブレンド攪拌翼、ヘリカルリボン型攪拌翼等を装備した縦型であっても、パドル翼、格子翼、メガネ翼等を装備した横型であってもスクリューを装備した押出機型であってもよく、また、これらを重合物の粘度を勘案して適宜組み合わせた反応装置を使用することが好適に実施される。
本発明のポリカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持させるために、触媒を除去又は失活させる。一般的には、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、具体的には、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類;p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類;ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物;ジメチル硫酸等のアルキル硫酸;塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物;等が好適に用いられる。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜350℃の温度で脱揮除去する工程を設けてもよく、このためには、パドル翼、格子翼、メガネ翼等、表面更新能の優れた攪拌翼を備えた横型装置、あるいは薄膜蒸発器が好適に用いられる。
さらに本発明において、上記熱安定化剤、加水分解安定剤の他に、酸化防止剤、顔料、染料、強化剤や充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、帯電防止剤、抗菌剤等を添加してもよい。
次に本発明の電子写真感光体について説明する。
本発明による電子写真感光体は、導電性支持体上に、感光層として、電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とをこの順に積層した構成若しくはこの電荷発生層と電荷輸送層とを逆に積層した構成(以下、積層型と称する。)又は電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一層中に分散した単層からなる構成(以下、単層型と称する。)のいずれの構成をとることも可能である。上述の積層型においては、電荷輸送層が二層以上の構成であってもよく、また、上述の単層型においては、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一層中に含有する感光層上に更に電荷輸送層を積層してもよい。さらに、本発明による電子写真感光体は、上述の積層構造上に保護層をさらに積層してもよい。
本発明よる電子写真感光体は、上述の通り構成されるが、いずれの構成を有する電子写真感光体においても、その最外層、つまり、表面層は、式(1)及び式(2)の構造を有する繰り返し単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂を含有する。
Figure 2007219274
(式(1)中、R1は炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を示し、R11〜R14はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を示す。式(2)中、Xは、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、または下記式(3)で示される連結構造を示す)
Figure 2007219274
電子写真感光体が有する支持体は、導電性を有するものであればよい。例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
本発明においては、支持体と感光層の間にバリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることができる。下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が挙げられる。下引き層は、これらの材料をそれぞれに適した溶剤に溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成される。膜厚は、0.1〜2μmであることが好ましい。
本発明による電子写真感光体を構成する、例えば、積層型の電荷発生層は少なくとも電荷発生物質と結着樹脂からなる。電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えば、α、β、γ、ε及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコン等が挙げられる。
結着樹脂としては、電荷発生層が表面層の場合、式(1)及び式(2)の構造を有する繰り返し単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂を用い、その他の結着樹脂と併用しても良い。
Figure 2007219274
(式(1)中、R1は炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を示し、R11〜R14はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を示す。式(2)中、Xは、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、または下記式(3)で示される連結構造を示す)
Figure 2007219274
その他の結着樹脂の例としては、例えばスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。電荷発生層が表面層でない場合には上記結着樹脂の中から選択して用いることができる。
電荷発生層は、前記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アドライダー及びロールミル等を用いた方法でよく分散し、得られた分散液を塗布し、乾燥することによって形成されるか、前記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmであることが好ましい。
本発明による電子写真感光体を構成する電荷輸送層は、主鎖又は側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン及びフェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物;インドール、カルバゾール、オキサジアゾール及びピラゾリン等の含窒素環化合物;ヒドラゾン化合物;及びスチリル化合物;等の電荷輸送物質を結着樹脂に溶解した塗工液を塗布、乾燥することにより形成される。
上述の電荷輸送物質は、特に限定されないが、画像がつぶれて文字などが判別できない、所謂画像ボケという現象を防止する事を目的に電荷輸送物質としては酸化電位が高いものを用いてもよい。酸化電位として好適なのは、0.6V以上が好ましく、0.7V以上が更に好ましい。
電荷輸送層に用い得る結着樹脂としては、電荷輸送層が表面層の場合、式(1)及び式(2)の構造を有する繰り返し単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂であり、
Figure 2007219274
(式(1)中、R1は炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を示し、R11〜R14はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を示す。式(2)中、Xは、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、または下記式(3)で示される連結構造を示す)
Figure 2007219274
その他の結着樹脂と併用しても良い。その他の結着樹脂の例としては、例えばポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂若しくはポリウレタン樹脂又はスチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー若しくはスチレン−マレイン酸コポリマー等の共重合体が挙げられる。また、このような絶縁性樹脂の他にポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルアントラセン樹脂やポリビニルピレン樹脂等の有機光導電性樹脂を使用してもよい。電荷輸送層が表面層でない場合には、種々の結着樹脂を用いてもよく、例えば、上述の結着樹脂を用いてもよい。電荷輸送物質と結着樹脂との配合割合は、結着樹脂10質量部当たり電荷輸送物質を4〜10質量部とすることが好ましく、特に6〜9質量部とすることが好ましい。電荷輸送層が表面層の場合には、結着樹脂中の式(1)及び式(2)の構造を有する繰り返し単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂の質量%は30%以上の場合において本発明の効果が顕著である。
Figure 2007219274
(式(1)中、R1は炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を示し、R11〜R14はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を示す。式(2)中、Xは、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、または下記式(3)で示される連結構造を示す)
Figure 2007219274
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
電荷輸送層にはフッ素原子含有樹脂を含有させてもよい。フッ素原子含有樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体、各分子鎖の片末端に重合性の官能基を有する分子量が1000〜10000程度の比較的低分子量のオリゴマーからなるマクロモノマーとフッ素系重合性モノマーとを共重合して得られるフッ素系グラフトポリマー等が挙げられる。
また、電荷輸送層は、種々の酸化防止剤を含有してもよく、例えば、プラスチック、ゴム、石油、油脂類等、酸化防止剤として公知の全ての材料が挙げられる。
感光層が単層型の場合、前記電荷発生物質及び電荷輸送物質を前記の結着樹脂に分散及び溶解した塗工液を塗布、乾燥することにより形成される。
その膜厚は5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましい。
本発明による電子写真感光体は、感光層と導電性支持体との間に中間層を有してもよい。この中間層は、感光層と導電性支持体との接着性を高め、あるいは電荷のバリアー層として機能させることを目的とするものであってもよい。中間層としては、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂等の樹脂材料が使用可能である。
また、本発明による電子写真感光体は、導電性支持体と中間層との間に被覆層をさらに有していてもよく、この被覆層は、支持体のムラや欠陥の被覆、及びレーザー光を用いた画像入力の際に発生する散乱による干渉縞の防止を目的とするものであってもよい。被覆層は、隠蔽性を付与するため、膜表面に適度な粗さを付与するため、或いは抵抗を調節する等の目的のため、金属酸化物、金属粒子、カーボンブラック等を結着樹脂中に分散して形成されてもよい。
この膜厚は5〜40μm、特には10〜30μmが好ましい。
上述の各層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等が挙げられる。
導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレススチール、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金及び白金等を用いてもよい。また、こうした金属又は合金を真空蒸着法によって被膜形成したプラスチック(例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びアクリル樹脂等)や導電性粒子(例えばカーボンブラック及び銀粒子等)を適当な結着樹脂と共に上述のプラスチック、金属又は合金の支持体上に被覆した支持体又は導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体等を用いてもよい。
本発明による電子写真感光体を構成する支持体は、ドラム状、シート状及びベルト状等、種々の形状を用いることができるが、適用される電子写真装置等、使用状況に合わせて、種々変更してもよい。
本発明による電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置全般に適用し得るだけではなく、電子写真技術を応用した記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用し得るものである。
(帯電部材)
まずは、本発明の帯電手段に用いる帯電部材について説明する。
本発明の帯電部材は、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有するものである。この「表面層」とは、帯電部材が有する層のうち、帯電部材の最表面に位置する層を意味する。
本発明の帯電部材の最も簡単な構成は、該支持体上に導電性弾性層および表面層の2層を設けた構成であるが、支持体と導電性弾性層との間や導電性弾性層と表面層との間に別の層を1つまたは2つ以上設けてもよい。
図1に、本発明の帯電部材の構成の一例を示す。図1中、101は支持体であり、102は導電性弾性層であり、103は表面層である。
帯電部材の支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルなどの金属性(合金製)の支持体を用いることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理などの表面処理を施してもよい。
導電性弾性層には、従来の帯電部材の弾性層(導電性弾性層)に用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種または2種以上用いることができる。
ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムなどが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマーおよびオレフィン系エラストマーなどが挙げられる。スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製「ラバロン(登録商標)」、クラレ(株)製「セプトン(登録商標)コンパウンド」などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製の「サーモラン(登録商標)」、三井石油化学工業(株)社製の「ミラストマー(登録商標)」、住友化学工業(株)社製の「住友TPE」およびアドバンストエラストマーシステムズ社製の「サントプレーン(登録商標)」などが挙げられる。
また、導電性弾性層には、導電剤を適宜使用することによって、その導電性を所定の値にすることができる。導電性弾性層の電気抵抗は、導電剤の種類および使用量を適宜選択することによって調整することができ、その電気抵抗の好適な範囲は102Ω以上108Ω以下であり、より好適な範囲は103Ω以上106Ω以下である。
導電性弾性層に用いられる導電剤としては、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質などが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩として、具体的には、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩など)などが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩および高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン性帯電防止剤などが挙げられる。
電解質としては、例えば、周期律表第1族の金属(LiやNaやKなど)の塩(第四級アンモニウム塩など)が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩として、具体的には、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCNおよびNaClなどが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、周期律表第2族の金属(CaやBaなど)の塩(Ca(ClO42など)やこれから誘導される帯電防止剤が、イソシアネート(一級アミノ基や二級アミノ基など)と反応可能な活性水素を有する基(水酸基やカルボキシル基など)を1つ以上持ったものを用いることもできる。また、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)もしくはその誘導体との錯体や、これらとモノオール(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど)との錯体などのイオン導電性導電剤を用いることもできる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック、ゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、および、熱分解カーボンなどの導電性のカーボンを用いることもできる。ゴム用カーボンとして、具体的には、Super Abrasion Furnace(SAF:超耐摩耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF:準超耐摩耗性)、High Abrasion Furnace(HAF:高耐摩耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF:良押し出し性)、General Purpose Furnace(GPF:汎用性)、Semi Rein Forcing Furnace(SRF:中補強性)、Fine Thermal(FT:微粒熱分解)およびMedium Thermal(MT:中粒熱分解)などの各ゴム用カーボンが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、天然グラファイトおよび人造グラファイトなどのグラファイトを用いることもできる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、酸化スズ、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの金属酸化物や、ニッケル、銅、銀およびゲルマニウムなどの金属を用いることもできる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリアセチレンなどの導電性ポリマーを用いることもできる。
また、導電性弾性層には、無機または有機の充填剤や架橋剤を添加してもよい。充填剤としては、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸アルミニウムなどが挙げられる。架橋剤としては、例えば、イオウ、過酸化物、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤などが挙げられる。
導電性弾性層の硬度は、帯電部材と被帯電体である電子写真感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する観点から、アスカーCで70度以上であることが好ましく、特には73度以上であることがより好ましい。
本発明において、アスカーC硬度の測定は、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g加重の条件で行った。
また、電子写真感光体との当接ニップを必要十分に確保するために設けた導電性弾性層の機能を十分に発揮させる観点から、帯電部材の表面層の弾性率は100MPa以上2000MPa以下であることが好ましい。表面層の層厚は0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、特には0.2μm以上0.6μm以下であることがより好ましい。
また、帯電部材の表面へのトナーや外添剤の固着を抑制する観点から、帯電部材の表面(=表面層の表面)の粗さ(Rz)はJIS94で10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがより一層好ましい。
本発明の帯電部材は、上記のとおり、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有することを特徴とする帯電部材である。該表面層が、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有することで、耐久使用を通じ、トナーや外添剤の付着が抑えられ、高い帯電能を維持することができる。
上記フッ化アルキル基としては、例えば、直鎖型または分岐型のアルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが挙げられる。その中でも、炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
上記オキシアルキレン基とは、−O−R−(R:アルキレン基)で示される構造を有する2価の基(「アルキレンエーテル基」と呼ばれることもある。)である。このR(アルキレン基)としては、炭素数1以上6以下のアルキレン基が好ましい。
上記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上50.00質量%以下であることが好ましく、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上70.00質量%以下であることが好ましく、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して20.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましい。
上記ポリシロキサンは、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物と、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させて加水分解性縮合物を得て、次いで、該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、該加水分解性縮合物を架橋させることによって得ることができる。
以下、本発明の帯電部材の具体的な製造方法(上記ポリシロキサンを含有する表面層の具体的な形成方法)について説明する。
まず、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物、ならびに、必要に応じて上記の他の加水分解性シラン化合物を水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物を得る。
加水分解反応の際、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。
また、加水分解反応の際、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御してもよい。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドおよびジルコニアアルコキシドなど、ならびに、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
また、加水分解性縮合物を得る際の、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、あるいは、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物および上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、得られるポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上50.00質量%以下になるように、オキシアルキレン基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上70.00質量%以下になるように、シロキサン部分の含有量がポリシロキサン全質量に対して20.00質量%以上90.00質量%以下になるようにすることが好ましい。
具体的には、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して0.5000mol%以上20.00mol%以下の範囲になるように配合することが好ましく、特には1.000mol%以上10.00mol%以下の範囲になるように配合することがより好ましい。
また、上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合には、さらに、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物(MC)と上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物(M1)とのモル比(MC:M1)が10:1から1:10までの範囲になるように配合することが好ましい。
次に、得られた加水分解性縮合物を含む表面層用塗布液を調製し、支持体および該支持体上に形成された導電性弾性層を有する部材(以下「導電性弾性部材」ともいう。)上に、調製した表面層用塗布液を塗布する。
表面層用塗布液を調製する際には、塗布性向上のために、加水分解性縮合物以外に、適当な溶剤を用いてもよい。適当な溶剤としては、例えば、エタノールおよび2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、あるいは、これらを混合したものが挙げられる。また、表面層用塗布液を導電性弾性部材上に塗布する際には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布などを採用することができる。
次に、導電性弾性部材上に塗布された表面層用塗布液に活性エネルギー線を照射する。すると、表面層用塗布液に含まれる加水分解性縮合物中のカチオン重合可能な基は開裂し、これによって該加水分解性縮合物を架橋させることができる。加水分解性縮合物は架橋によって硬化する。
活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。
上記活性エネルギー照射時に発生した熱により、導電性弾性部材の導電性弾性層が膨張し、その後冷却によって収縮した際、表面層がこの膨張・収縮に十分に追従しないと、シワやクラックが多い表面層になってしまう場合があるが、架橋反応に紫外線を用いた場合、短時間(15分以内)に加水分解性縮合物を架橋することができる上、熱の発生も少ないため、表面層のシワやクラックが発生しにくい。
また、帯電部材の置かれる環境が温湿度の変化が急激な環境である場合、その温湿度の変化による導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従しないと、表面層にシワやクラックが発生することがあるが、架橋反応を熱の発生が少ない紫外線によって行えば、導電性弾性層と表面層との密着性が高まり、導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従できるようになるため、環境の温湿度の変化による表面層のシワやクラックも抑制することができる。
また、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電性弾性層の劣化を抑制することができるため、導電性弾性層の電気的特性の低下を抑制することもできる。
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150nm以上480nm以下の光を豊富に含む紫外線源が用いられる。
なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254を用いて測定することができ、エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172を用いて測定することができる。
また、架橋反応の際、架橋効率向上の観点から、カチオン重合触媒(重合開始剤)を共存させておくことが好ましい。例えば、活性エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム塩に対してエポキシ基は高い反応性を示すことから、上記のカチオン重合可能な基がエポキシ基である場合、カチオン重合触媒としては、ルイス酸のオニウム塩を用いることが好ましい。
その他のカチオン重合触媒としては、例えば、ボレート塩、イミド構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、アゾ化合物、過酸化物などが挙げられる。
カチオン重合触媒の使用量は、加水分解性縮合物に対して1質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
本発明者らは、本発明の帯電部材を基に、帯電部材の各種特性のうち、どの特性が上述の課題の解決に作用しているのかを検討した結果、主として、帯電部材の表面層(表面)の電気的特性が上述の課題の解決に作用していることを見いだした。
本発明の帯電部材は、表面層が、下記(i):
(i)1.00×10-6≧静電容量(C)≧5.00×10-9[F]
で示す物性を有していることが好ましい。
上記静電容量(C)は、帯電部材の表面層の電気的特性を表すパラメーターである。
帯電部材の表面層の静電容量(C)について説明する。
静電容量は、大きいほど、帯電部材の表面の静電的な反発力が大きくなり、帯電部材の表面にトナーや外添剤が固着しにくくなり、また静電容量は、大きいほど、電子写真感光体を帯電する帯電能も大きくなるため、5.00×10-9[F]以上が好ましい。大きすぎると、ゴースト現象が生じる場合があり、1.00×10-6[F]以下が好ましい。上記(i):
(i)1.00×10-6≧静電容量(C)≧5.00×10-9[F]
の範囲で、本発明の効果が得られる。
本発明において、帯電部材の表面層の静電容量は次のように測定した。
まず、測定対象の帯電部材を23℃/50%RH環境下に24時間放置した。
次に、図2に示す構成の測定装置に帯電部材を装着し、印加電圧3V、測定周波数0.1Hz以上1MHz以下の条件で誘電率を測定した。測定の結果、例えば、図3に示すようなインピーダンス特性が得られる。
次に、図4に示すように前記帯電部材を導電性弾性層/表面層/表面層と円筒電極との界面におけるRC並列の等価回路を想定し、導電性弾性層の抵抗をR1、静電容量をC1とし、表面層の抵抗をR2、静電容量をC2とし、表面層と円筒電極との界面の抵抗をR3、静電容量をC3として、C2の値を算出した。
なお、図2中、401は帯電部材であり、402は円筒電極(金属ローラー)であり、403は誘電率測定システム(英国ソーラトロン社製1296型誘電率測定インターフェース、1260型インピダンスアナライザーを併用)である。
上記各パラメーターに関しては、使用する材料の種類や配合比、さらには表面の粗さおよび表面層の層厚などを適宜調整することによって所望の値に調整することができる。
例えば、上記紫外線照射は、帯電部材の表面を酸化させるため、帯電部材の表面自由エネルギーは増大する傾向にある。上記処理剤の使用は、上記紫外線照射を行っても帯電部材の表面自由エネルギーの増大を抑制することができる上、帯電部材の表面がある程度粗面化されてその動摩擦係数を小さくすることもできる。また、表面層の層厚を厚くするほど、表面層の静電容量は小さくなり、表面層の層厚を薄くするほど、表面層の静電容量は大きくなる傾向にある(図5参照)。静電容量を上記範囲に収める観点からは、表面層の層厚は5.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることがより一層好ましい。
本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置の具体例を図6に示す。この装置は、電子写真感光体101の周面上に一次帯電手段103、像露光手段114、前露光手段113、現像手段105及び転写手段106が配置されている。102は電子写真感光体回転軸である。
画像形成の方法は、まず、本発明の帯電部材を用いた一次帯電手段103に電圧を印加し、電子写真感光体101表面を帯電し、像露光手段114から発せられた像露光光104によって原稿に対応した画像を電子写真感光体101表面に像露光し、静電潜像を形成する。次に、現像手段105の現像剤に含まれるトナーにより現像(反転現像もしくは正規現像)されて電子写真感光体101に付着させることにより電子写真感光体101上の静電潜像を現像(可視像化)する。更に、電子写真感光体101上に形成されたトナー像を供給された紙などの転写材107上に転写手段106によって転写し、像転写を受けた転写材107は、感光体面から分離されて定着手段108へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。転写材に転写されずに電子写真感光体101上に残った残トナーをクリーナー等で回収する。近年、クリーナーレスシステムも研究され、残トナーを直接、現像器で回収することもできる。更に、前露光手段113からの前露光光110により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。なお、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明の帯電部材を用いた一次帯電手段103により電子写真感光体1の表面を帯電する際、帯電部材には、電圧印加手段(不図示)から直流電圧のみの電圧あるいは直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。直流電圧のみの電圧を印加する場合が本発明の効果をより奏する。
この画像形成装置において、像露光手段104の光源はハロゲン光、蛍光灯、レーザー光及びLEDなどを用いることができる。また、必要に応じて他の補助プロセスを加えても良い。
本発明において、上述の電子写真感光体101、一次帯電手段103、現像手段105及びクリーニング手段109等の構成要素のうち、少なくとも電子写真感光体101、一次帯電手段103、及びクリーニング手段109を含む複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、一次帯電手段103、現像手段105及びクリーニング手段109を電子写真感光体101と共に一体に支持してカートリッジ化し、装置本体のレール112等の案内手段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ111とすることができる。また、像露光手段104は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、信号化された原稿を、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等による照射光を用いた手段である。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
《ポリカーボネート樹脂(PR-1)の製造》
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(化合物A)70.2g(0.160モル)、ペンタシクロペンタデカンジメタノール(化合物B)11.8g(0.0400モル)、ジフェニルカーボネート43.7g(0.204モル)、および炭酸水素ナトリウム2.50×10-3g(3.00×10-5モル)を攪拌機および留出装置付きの300ml四ッ口フラスコに入れ、窒素雰囲気760mmHgの下180℃に加熱し30分間攪拌した。
その後、減圧度を150mmHgに調整すると同時に、60℃/hrの速度で200℃まで昇温を行い、20分間その温度に保持しエステル交換反応を行った。さらに、75℃/hrの速度で225℃まで昇温し、昇温終了の10分後、その温度で保持しながら、1時間かけて減圧度を1mmHg以下とした。その後、60℃/hrの速度で235℃まで昇温し、さらに1.5時間攪拌下で反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み常圧に戻し、生成したポリカーボネート樹脂(PR−1)を取り出した。
《PR−1のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、Mwと称する。)》
GPCを用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量(分子量分布=1)の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。この検量線に基づいて、GPCのリテンションタイムから算出した。
《電子写真感光体の製造》
まず導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50.0部(質量部、以下同様)、フェノール樹脂25.0部、メチルセロソルブ20.0部、メタノール5.0部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.0020部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ24mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚15.0μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5.0部をメタノール95.0部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.60μmの中間層を形成した。
次にCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10.0部、下記式(7)で示される構造を有する化合物0.10部、
Figure 2007219274
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業(株)製)5.0部、並びにシクロヘキサノン250.0部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、その後、酢酸エチル250.0部を加えて電荷発生層用塗料とした。この塗料を前記の中間層の上に浸漬コーティング法で塗布して、100℃で15分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
ついで、下記式(8)の電荷輸送物質7.2部、下記式(9)の電荷輸送物質0.8部、
Figure 2007219274
及び前記ポリカーボネート樹脂PR−1、10.0部をモノクロロベンゼン70部及びジメトキシメタン30.0部に溶解した電荷輸送層用塗料を電荷発生層上に塗布し、120℃30分間乾燥して15.0μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体(PC−1)を得た。
《帯電部材(CR-1)の製造》
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマー(登録商標)CG102、ダイソー(株)製)100部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:HTC#20、新日化カーボン(株)製)35部、ベントナイト(商品名:ベンゲルSH、ホージュン(株)製)5部、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラー(登録商標)DM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラー(登録商標)TS、大内新興化学(株)製)1部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物Iを得た。
次に、混練物Iを、ゴム押し出し機で、外径9.5mm、内径5.4mmの円筒形に押し出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶で160℃の水蒸気で30分間1次加硫することによって、導電性弾性層用1次加硫チューブIを得た。
一方、直径6mm、長さ256mmの円柱形の鋼製の支持体(表面をニッケルメッキ加工したもの)の円柱面軸方向中央を挟んで両側115.5mmまでの領域(あわせて軸方向幅231mmの領域)に、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を塗布し、これを30分間80℃で乾燥させた後、さらに1時間120℃で乾燥させた。
この円柱面に熱硬化性接着剤を塗布し乾燥させた支持体を、導電性弾性層用1次加硫チューブIの中に挿入し、その後、導電性弾性層用1次加硫チューブIを1時間160℃で加熱した。この加熱によって、導電性弾性層用1次加硫チューブIが2次加硫され、また、熱硬化性接着剤が硬化した。このようにして、表面研磨前の導電性弾性ローラーIを得た。
次に、表面研磨前の導電性弾性ローラーIの導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分の軸方向幅を231mmとした後、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨することによって、端部直径8.2mm、中央部直径8.5mmのクラウン形状で、表面の十点平均粗さ(Rz)が4.9μmで、振れが22μmの導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iを得た。
十点平均粗さ(Rz)はJISB6101に準拠して測定した。
振れの測定は、ミツトヨ(株)製高精度レーザー測定機LSM−430vを用いて行った。詳しくは、該測定機を用いて外径を測定し、最大外径値と最小外径値の差を外径差振れとし、この測定を5点で行い、5点の外径差振れの平均値を被測定物の振れとした。
得られた導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iの硬度は74度(アスカーC)であった。
次に、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(MTES)17.83g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)7.68g(0.0151mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水17.43gおよびエタノール37.88gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。
この縮合物Iを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Iを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液I100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液Iに添加することによって、表面層用塗布液Iを調製した。
次に、導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iの導電性弾性層上に表面層用塗布液Iをリング塗布し、これに254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、表面層用塗布液Iを硬化(架橋反応による硬化)および乾燥させることによって表面層を形成した。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。
紫外線の照射によってグリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基が開裂し、縮合物Iの架橋反応が生じたと考えられる。
以上のようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層(表面層用塗布液Iを用いて形成したポリシロキサンを含有する層)を有する帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを、帯電ローラーCR−1とする。
作製した帯電ローラーCR−1の表面層の組成分析と静電容量(C)の測定を行った。
《帯電ローラーの表面層の組成分析》
帯電ローラーCR−1の表面層の組成分析を以下のとおりにして行った。
10倍以上1000倍以下の光学顕微鏡下、光学顕微鏡に設置した3次元粗微動マイクロマニピュレーター((株)ナリシゲ製)を用い、上記と同様にして作製した帯電ローラーCR−1の表面層から1mg程度の試料を採取した。
採取した試料を、TG−MS法(TG装置にMS装置を直結)により、加熱時に発生する気体の質量数ごとの濃度変化を、重量変化と同時に、温度の関数として追跡した。測定の条件を表1に示す。
Figure 2007219274
上記条件で測定して得られたTG−DTG(Derivative thrmogravimetry)曲線によると、室温付近から重量減少が認められ、また、400℃以上500℃以下付近および500℃以上650℃以下付近から、2段階の顕著な重量減少が認められた。
ここで、400℃以上500℃以下で発生する気体について、質量数(m/z)31、43、58、59のオキシアルキレン基(グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して37.36質量%であることがわかった。
また、500℃以上600℃以下で発生する気体について、質量数(m/z)51、69、119、131のフッ化アルキル基(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシランのフッ化アルキル基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して19.20質量%であることがわかった。
残渣はポリシロキサン中のシロキサン部分であると考えられ、よってポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して100.00−(37.36+19.20)=43.44質量%である。
《帯電ローラーの表面層の静電容量(C)の測定》
まず、測定対象の帯電部材を23℃50%RH下に24時間放置した。
次に、図2に示す構成の測定装置に帯電部材を装着し、印加電圧3V、測定周波数0.1Hz以上1MHz以下の条件で誘電率を測定した。測定の結果、例えば、図3に示すようなインピーダンス特性が得られる。
次に、図4に示すように前記帯電部材を導電性弾性層/表面層/表面層と円筒電極との界面におけるRC並列の等価回路を想定し、導電性弾性層の抵抗をR1、静電容量をC1とし、表面層の抵抗をR2、静電容量をC2とし、表面層と円筒電極との界面の抵抗をR3、静電容量をC3として、C2の値を算出した。
なお、図2中、401は帯電部材であり、402は円筒電極(金属ローラー)であり、403は誘電率測定システム(英国ソーラトロン社製1296型誘電率測定インターフェース、1260型インピダンスアナライザーを併用)である。
作製した帯電ローラーCR−1の表面層の静電容量(C)は8.58×10-9Fであった。
《電子写真感光体及び帯電部材の評価》
作製した電子写真感光体及び帯電部材について、画像(帯電ムラ)と実使用可能限界時表面層平均膜厚を評価した。評価機としては、HP製 LaserJet 1012 Printerを改造したもの及びHP製 LaserJet 1012 Printer用カートリッジを改造したものを用いた。Printerの改造は、(1)像露光のレーザー光量を所望の値に変更できるようにした。(2)一次帯電の印加電圧を外部電源から行うようにし、かつ元の一次帯電の印加タイミングと同期入力できるようにした。外部電源としては商品名: Model 618、Trek社製を使用した。(3)さらに現像印加電圧のうちDC成分の値(VDC)を変更できるようにした。
カートリッジの改造は本発明の帯電部材を元の帯電部材に取り替えて装着できるようにし、かつ電子写真感光体との当接ニップ幅が十分になるように帯電部材に接している押し当てバネの長さを3.0mm長いものに取り替えた。
まず、評価は、この電子写真感光体をHP製 LaserJet 1012 Printerに装着して行った。
《電子写真感光体の初期膜厚測定》
電子写真感光体の表面層のみを耐久評価する電子写真感光体と同様に塗布したものの膜厚を母線方向に10点、周方向に16点の全160点測定し、その平均を初期膜厚T0とした。
耐久評価する電子写真感光体の膜厚を初期膜厚T0測定と同様、同じ位置で母線方向に10点、周方向に16点の全160点測定し、その平均を初期膜厚T1とした。
《評価機の設定(一次帯電電圧とレーザー光量の調整)》
まず、23℃50%RH下、暗所に電子写真感光体を放置し、LaserJet 1012 Printer用カートリッジの現像器部を取り外し、代わりに電位測定プローブ(商品名:Model 6000B、Trek社製)を現像位置(電子写真感光体表面から3mm離隔した位置)に設置したカートリッジに該電子写真感光体を取り付けた。帯電部材は本発明のものに取り替えた。このカートリッジをHP製 LaserJet 1012 Printer改造機に装着し、初期の暗部電位Vdが−600Vになるように一次帯電印加電圧を調整して合わせた。さらに初期の明部電位Vlを−175Vになるようにレーザー光量を調整して合わせた。電位計は商品名:Model344、Trek社製を使用した。
《画像評価》
更に改造したLaserJet 1012 Printer用カートリッジに該電子写真感光体及び該帯電部材を付け替えて、カートリッジを改造したHP製 LaserJet 1012 Printerに装着し、設定した一次帯電電圧とレーザー光量で画像評価を行った。
画像評価はベタ白(全面白画像)、ベタ黒(全面黒画像)及び図7に示すハーフトーンの画像パターン(1ドット桂馬パターン)及びVDCを−450Vに調整したベタ白で初期の画像を出力した。その後、VDCを元に戻し1ドット99スペースの横線で間欠通紙耐久試験を行い、100枚目毎にベタ白(全面白画像)、ベタ黒(全面黒画像)及び図7に示すハーフトーンの画像パターン(1ドット桂馬パターン)及びVDCを−450Vに調整したベタ白で画像サンプリングを行った。1K枚後の画像上の画像を目視し、実用上問題があるところで実使用可能限界とし、その時点での電子写真感光体の表面層の膜厚を初期膜厚T0測定と同様、同じ位置で母線方向に10点、周方向に16点の全160点を測定し、平均膜厚をT2とし、下記式(ii)からを求めた。
(ii)実使用可能限界時表面層平均表面層膜厚=T0-(T1−T2)
評価は1K後の画像のムラと実使用可能限界表面層平均膜厚で判別した。
1K後の画像ムラは、画像ムラの見え方の度合いを全く見えないものを0、はっきり見えるものを5とした6段階で評価し、画像ムラが画像全体の内のどの程度の面積を占めるかで4分の1を「1」、全体にわたる場合を「4」とした4段階で評価し、それらの掛け算で21段階のレベルで評価した。実用上問題のないレベルは5以下である。6以上は実用上問題がある。
これらを表2に示す。
Figure 2007219274
(ポリカーボネート樹脂(PR−2)の製造)
実施例1の化合物A、70.2g(0.160モル)を43.9g(0.100モル)、化合物B、11.8g(0.0400モル)をシクロヘキサン−1,4−ジメタノール14.4g(0.100モル)に変え、PR−1をPR-2としたほかは実施例1と同様にポリカーボネート樹脂を作製した。
(電子写真感光体)
式(8)の電荷輸送物質7.2部を8.1部に、式(9)の電荷輸送物質0.8部を0.9部に変えた他は実施例1と同様に電子写真感光体PC−2を作製した。
(帯電部材(CR−2))
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液IIに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーIIとする。
表面層用塗布液IIは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(MTES)17.83g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数10)3.34g(0.0047mol(加水分解性シラン化合物総量に対して2.3mol%相当))と、水16.6gおよびエタノール31.7gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物IIを得た。
この縮合物IIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液IIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液II100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液IIに添加することによって、表面層用塗布液IIを調製した。
作製した帯電ローラーCR−2の表面層の静電容量(C)は3.30×10-8Fであった。
帯電ローラーCR−2の評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。
また、帯電ローラーCR−2の表面層の組成分析を、実施例1の帯電ローラーIの表面層の組成分析と同様にして行ったところ、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して40.00質量%であり、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して11.90質量%であり、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して48.10質量%であった。
(ポリカーボネート樹脂(PR−3)の製造)
実施例1の化合物A、70.2g(0.160モル)を43.9g(0.100モル)、化合物B、11.8g(0.0400モル)をトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール11.8g(0.0600モル)に変え、PR−1をPR-3としポリカーボネート樹脂を作製した。
(電子写真感光体)
式(8)の電荷輸送物質7.2部を3.0部に、式(9)の電荷輸送物質0.8部を、下記式(10)の電荷輸送物質3.0部
Figure 2007219274
とし、ポリカーボネート樹脂PR−1、10.0部をポリカーボネート樹脂PR−3、9.0部、下記式(11)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−Z)(Mw:48000)1.0部に変えた他は実施例1と同様に電子写真感光体PC−3を作製した。
Figure 2007219274
(帯電部材CR−3)
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液IIIに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCR−3とする。
表面層用塗布液IIIは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)24.04g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)7.68g(0.0151mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水17.43gおよびエタノール53.82gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物IIIを得た。
この縮合物IIIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液IIIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液III100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液IIIに添加することによって、表面層用塗布液IIIを調製した。
作製した帯電ローラーIIIの表面層の静電容量(C)は2.34×10-8Fであった。
また、帯電ローラーIIIの表面層の組成分析を、実施例1の帯電ローラーCR−1の表面層の組成分析と同様にして行ったところ、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して33.50質量%であり、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して12.90質量%であり、ポリシロキサン中のフェニル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して6.700質量%であり、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して46.90質量%であった。なお、400℃以上500℃以下で発生する気体については、質量数(m/z)78のベンゼンや質量数(m/z)91(トルエン)などのフェニル基も確認でき、これから上記フェニル基に関しての6.700質量%を算出した。
(ポリカーボネート樹脂(PR−4)の製造)
実施例1の化合物A、70.2g(0.160モル)を43.9g(0.100モル)、化合物B、11.8g(0.0400モル)を26.2g(0.100モル)に変え、PR-4としポリカーボネート樹脂を製造した。
(電子写真感光体)
ポリカーボネート樹脂PR−1、10.0部をポリカーボネート樹脂PR−4、6.0部、下記式(11)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−Z)(Mw:48000)4.0部に変えた他は実施例1と同様に電子写真感光体PC−4を作製した。
Figure 2007219274
(帯電部材CR−4)
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液IVに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCR−4とする。
表面層用塗布液IVは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)41.43g(0.149mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)30.71g(0.149mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.0224mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水25.93gおよびエタノール83.14gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物IVを得た。
この縮合物IVを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液IVを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液IV100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液IVに添加することによって、表面層用塗布液IVを調製した。
作製した帯電ローラーCR−4の表面層の静電容量(C)は1.49×10−8Fであった。
また、帯電ローラーCR−4の表面層の組成分析を、実施例1の帯電ローラーIの表面層の組成分析と同様にして行ったところ、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して29.18質量%であり、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して12.71質量%であり、ポリシロキサン中のアルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して22.50質量%であり、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して35.61質量%であった。なお、400℃以上500℃以下で発生する気体については、質量数(m/z)16、41などのアルキル基も確認でき、これから上記アルキル基に関しての22.50質量%を算出した。
(電子写真感光体)
式(8)の電荷輸送物質7.2部を4.8部に、式(9)の電荷輸送物質0.8部を、下記式(10)の電荷輸送物質3.2部
Figure 2007219274
とし、ポリカーボネート樹脂PR−1、10.0部をポリカーボネート樹脂PR−4、6.0部、下記式(11)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−Z)(Mw:48000)4.0部に変えた他は実施例1と同様に電子写真感光体PC−5を作製した。
Figure 2007219274
(帯電部材(CR−5))
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液Vに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCR−5とする。
表面層用塗布液Vは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)32.52g(0.117mol)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)28.08g(0.117mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)13.21g(0.064mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水25.93gおよびエタノール77.12gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Vを得た。
この縮合物Vを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Vを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液V100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液Vに添加することによって、表面層用塗布液Vを調製した。
作製した帯電ローラーCR−5の表面層の静電容量(C)は3.47×10-8Fであった。
また、帯電ローラーCR−5の表面層の組成分析を、実施例1の帯電ローラーCR−1の表面層の組成分析と同様にして行ったところ、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して13.70質量%であり、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して6.100質量%であり、ポリシロキサン中のアルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して10.20質量%であったり、ポリシロキサン中のフェニル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して6.40質量%であり、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して63.60質量%であった。アルキル基およびフェニル基の含有量の算出は、実施例3および4と同様である。
(比較例1)
(電子写真感光体の製造)
ポリカーボネート樹脂PR−1、10.0部をスチレン−メタクリル共重合樹脂(商品名:エスチレンMS−200)10.0部に変えた他は実施例1と同様に電子写真感光体PC−6を作製した。
(帯電部材CR−6)
エラストマー用ポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン(登録商標)4042(水酸基価56KOHmg/g)、日本ポリウレタン工業(株)製)100部および導電性カーボン(商品名:トーカブラック(登録商標)#3845、東海カーボン(株)製)1部を、3本ロールで混練することによって、混練物CIを得た。
次に、混練物CIを100℃に昇温させ、3mmHgの減圧下で3時間脱水処理を行った。
次に、脱水処理後の混練物CIに、NCO/OH比が1.05となるように2,6−トリレンジイソシアナート(商品名:コスモネート(登録商標)T−80、三井化学(株)製)19.1gを加え、これらを2分間以上3分間以下激しく混合することによって、導電性弾性層用組成物を得た。
この導電性弾性層用組成物を、あらかじめ150℃に昇温させておいた金型(内型は実施例1で用いた支持体と同様の支持体)に流し込み、60分間放置することによって、導電性弾性層用組成物を硬化させ、その後、脱型して、さらに24時間110℃で導電性弾性層用組成物を硬化させた。このようにして、導電性弾性ローラーCIを得た。
次に、ウレタン樹脂(商品名:レザミン(登録商標)ME44−ELP、大日精化工業(株)製)100部、フッ素系改質剤(商品名:ダイアロマーFF−101(D)、大日精化工業(株)製)1.3部およびレベリング樹脂(商品名:GS−30、東亞合成(株)製)0.05部を、メチルエチルケトン177部/ジメチルホルムアミド98部の混合溶剤に溶解させることによって、表面層用塗布液CIを調製した。
この表面層用塗布液CIを導電性弾性ローラーCIの導電性弾性層上に浸漬塗布し、30分間100℃で乾燥させることによって、層厚が15μmの表面層を形成した。
このようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層および該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを、帯電ローラーCR−6とする。
作製した帯電ローラーCR−6の表面層の静電容量(C)は1.07×10-9Fであった。
(比較例2)
(電子写真感光体の製造)
式(8)の電荷輸送物質7.2部を8.1部に、式(9)の電荷輸送物質0.8部を0.9部とし、ポリカーボネート樹脂PR−1、10.0部を下記式(12)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−A)(Mw:20000)10.0部に変えモノクロロベンゼン70部及びジメトキシメタン30.0部を1,4−ジオキサン80部及びテトラヒドロフラン20部に変えた他は実施例1と同様に電子写真感光体PC−7を作製した。
Figure 2007219274
(帯電部材CR−7)
実施例1において、混練物Iを以下の混練物CIIに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)CIIを得た。
混練物CIIは以下のようにして得た。
すなわち、エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマー(登録商標)CG102、ダイソー(株)製)100部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:HTC#20、新日化カーボン(株)製)5部、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、可塑剤としてのアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(商品名:DOA、(株)ジェイ・プラス製)5部およびイオン導電剤としての過塩素酸第四級アンモニウム塩1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラー(登録商標)DM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラー(登録商標)TS、大内新興化学(株)製)1.0部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物CIIを得た。
得られた導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)CIIの表面の十点平均粗さ(Rz)は5.6μmであり、振れは28μmであり、硬度は70度(アスカーC)であった。
次に、ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセル(登録商標)DC2016(水酸基価80KOHmg/g)、ダイセル化学工業(株)製)42.9部を、メチルイソブチルケトン(MIBK)557.1部に溶解させ、固形分5.0質量%の溶液とした。この溶液200部に、イソホロンジイソシアネートのブロックタイプのイソシアヌレート型3量体(IPDI)(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス社製)10.7部を混合し、これらをボールミルで1時間撹拌し、攪拌後、200メッシュの網で溶液を濾過することによって、表面層用塗布液CIIを調製した。
次に、導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)CIIの導電性弾性層上に表面層用塗布液CIIをリング塗布し、これをオーブンで1時間160℃で加熱し、表面層用塗布液CIIを硬化(熱硬化)および乾燥させることによって表面層を形成した。
このようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層および該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを、帯電ローラーCR−7とする。
作製した帯電ローラーCR−7の表面層の静電容量(C)は1.25×10-9Fであった。
(比較例3)
(電子写真感光体の製造)
式(8)の電荷輸送物質7.2部を5.4部に、式(9)の電荷輸送物質0.8部を0.6部とし、ポリカーボネート樹脂PR−1、10.0部をポリスチレン樹脂(PS)(東洋スチレン製)(Mw:350000)10.0部に変えた他は実施例1と同様に電子写真感光体PC−8を作製した。
(帯電部材CR-8)
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液CIIIに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCR−8とする。
表面層用塗布液CIIIは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)35.04g(0.128mol)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)30.77g(0.128mol)およびヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)13.21g(0.064mol)と、水25.93gおよびエタノール63.07gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物CIIIを得た。
この縮合物CIIIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液CIIIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液CIII100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液CIIIに添加することによって、表面層用塗布液CIIIを調製した。
作製した帯電ローラーCR−8の表面層の静電容量(C)は6.03×10-9Fであった。
また、帯電ローラーCR−8の表面層の組成分析を、実施例1の帯電ローラーCR−1の表面層の組成分析と同様にして行ったところ、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して16.30質量%であり、ポリシロキサン中のアルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.400質量%であり、ポリシロキサン中のフェニル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して9.900質量%であり、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して68.40質量%であった。
(比較例4)
(電子写真感光体の製造)
ポリカーボネート樹脂PR−1、10.0部を下記式で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−Z)(Mw:48000)2.0部及び下記式(11)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−Z)(Mw:12000)8.0部に変えた他は実施例1と同様に電子写真感光体PC−9を作製した。
Figure 2007219274
(帯電部材CR−9)
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液CIVに変更した以外は、実施例1と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCR−9とする。
表面層用塗布液CIVは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのフェニルトリエトキシシラン(PhTES)56.16g(0.234mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)13.21g(0.064mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水25.93gおよびエタノール61.50gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物CIVを得た。
この縮合物CIVを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液CIVを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液CIV100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液CIVに添加することによって、表面層用塗布液CIVを調製した。
作製した帯電ローラーCR−9の表面層の静電容量(C)は2.17×10-8Fであった。
また、帯電ローラーCR−9の表面層の組成分析を、実施例1の帯電ローラーCR−1の表面層の組成分析と同様にして行ったところ、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して7.100質量%であり、ポリシロキサン中のアルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.400質量%であり、ポリシロキサン中のフェニル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して18.00質量%であり、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して69.50質量%であった。
本発明の帯電部材の構成の一例を示す図である。 静電容量を測定するための測定装置の構成を示す図である。 インピーダンス特性を示す図である。 導電性弾性層/導電性弾性層と表面層との界面/表面層におけるRC並列の等価回路の想定図である。 表面層の層厚と表面層の静電容量の関係を示す図である。 本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 画像評価のハーフトーンの画像パターン(1ドット桂馬パターン)を示す概略図である。
符号の説明
101 支持体
102 導電性弾性層
103 表面層
201 帯電部材
202 ベルト
203 重り
204 荷重計
205 記録計
401 帯電部材
402 円筒電極
403 誘電率測定システム
R1 導電性弾性層の抵抗
C1 導電性弾性層の静電容量
R2 界面の抵抗
C2 界面の静電容量
R3 表面層の抵抗
C3 静電容量
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電部材(帯電手段)
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ容器
12 案内手段

Claims (8)

  1. 少なくとも電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段と共に一体に支持し、電子写真感光体が表面層にポリカーボネート樹脂を含有する電子写真感光体であって、
    前記ポリカーボネート樹脂は、下記式(1)
    Figure 2007219274
    (式(1)中、各R1は、それぞれ独立に、炭素数2以上10以下のアルキレン基、炭素数6以上20以下のシクロアルキレン基、又は炭素数6以上20以下のアリーレン基を示し、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。)
    で示される繰り返し単位と、下記式(2)
    Figure 2007219274
    (式(2)中、Xは、炭素数2以上10以下の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5以上20以下の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は下記式(3)
    Figure 2007219274
    で示される連結構造を示す。)
    で示される繰り返し単位とを有することを特徴とする電子写真感光体であり、帯電手段が、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する帯電部材による帯電手段である電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  2. 前記電子写真感光体において式(2)の構造のポリカーボネート樹脂が式(4)で示される繰り返し単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
    Figure 2007219274
  3. 該表面層が下記(i)で示す物性を有する帯電部材による帯電手段である電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする請求項1または2に記載のプロセスカートリッジ。
    (i)1.00×10-6≧静電容量(C)≧5.00×10-9[F]
  4. 前記帯電部材において前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上50.00質量%以下であり、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上70.00質量%以下であり、前記ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して20.00質量%以上90.00質量%以下である請求項1乃至3に記載のプロセスカートリッジ。
  5. 少なくとも電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段と共に一体に支持し、電子写真感光体が表面層にポリカーボネート樹脂を含有する電子写真感光体であって、
    前記ポリカーボネート樹脂は、下記式(1)
    Figure 2007219274
    (式(1)中、各R1は、それぞれ独立に、炭素数2以上10以下のアルキレン基、炭素数6以上20以下のシクロアルキレン基、又は炭素数6以上20以下のアリーレン基を示し、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。)
    で示される繰り返し単位と、下記式(2)
    Figure 2007219274
    (式(2)中、Xは、炭素数2以上10以下の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5以上20以下の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は下記式(3)
    Figure 2007219274
    で示される連結構造を示す。)
    で示される繰り返し単位とを有することを特徴とする電子写真感光体であり、帯電手段が、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する帯電部材による帯電手段である電子写真装置。
  6. 前記電子写真感光体において式(2)の構造のポリカーボネート樹脂が式(4)で示される繰り返し単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真装置。
    Figure 2007219274
  7. 該表面層が下記(i)で示す物性を有する帯電部材による帯電手段である請求項5乃至6に記載の電子写真装置。
    (i)1.00×10-6≧静電容量(C)≧5.00×10-9[F]
  8. 前記帯電部材において前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上50.00質量%以下であり、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.000質量%以上70.00質量%以下であり、前記ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して20.00質量%以上90.00質量%以下である請求項5乃至7に記載の電子写真装置。
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JP2010151962A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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