JP2007217643A - 単相分散型無機微粒子複合体を含む樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

単相分散型無機微粒子複合体を含む樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性などの特性を維持したまま、微粒子添加量増加に伴う延性低下、耐衝撃性低下を抑制し、従来のトレードオフの関係にある諸特性を高次元にバランスさせた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
微粒子と、第1樹脂相及び第2樹脂相の相分離構造を有する樹脂成分相とから成り、
該微粒子を該第1樹脂相に分散させ、並びに該第2樹脂相には該微粒子が分散していない樹脂組成物であって、
該微粒子の一次粒子の短軸長さが1〜10nm、長軸長さが20〜700mm、アスペクト比が5〜200である微粒子から構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、及び樹脂組成物の製造方法に関する。
樹脂にナノサイズの無機フィラーを包含させたポリマーナノコンポジットは、樹脂に耐熱性、ガスシールド性、弾性率・表面平滑性、収縮等方性等、新たな物性を付与できるため、様々な工業分野からその技術が数多く開示されている。たとえば代表的なものとしては豊田中研の「複合材料及びその製造方法」(特許第2619046)や宇部興産他の「ポリアミド複合材料及びその製造方法(特公平7−47644)、昭和電工の「ポリオレフィン系複合材料およびその製造方法(特開平10−30039)などを挙げることができる。
たとえば前述の特公平7−47644では粘土鉱物フィラーのモンモリロナイトの層間にナイロンの原料カプロラクタムを含浸させて重合させ、ナイロンと充填材(モンモリロナイト)のコンポジットを得る方法である。このコンポジットは十分な機械的物性の向上が見られ、工業的に有効な樹脂材料であるが、開示された方法では樹脂と無機フィラーの選択にかなりの限定があり、様々な樹脂に、無機微粒子の特異な物性を付与できないでいた。
そこで近年、粘土鉱物フィラーに代って、ナノサイズの無機フィラーとしてシリカ、チタニア、アルミナ等の酸化物粒子、金、銀等の金属微細粒子、カーボンナノチューブ、フラーレン、シルセスキオキサンなどの機能性ナノ有機材料が広く利用されるようになった。これらは無機フィラーがミクロンサイズの二次凝集体を形成することなく、均一に分散することで、ナノ領域となるとバルクとは異なった特異な物理、化学的性質を示すため、それらユニークな特性を材料に応用する研究が各方面にて行なわれている。たとえば石原産業株式会社の「針状導電性酸化チタンおよびその製造方法」(特公平6−17231)では、ナノサイズの針状チタニア上を酸化ズズと酸化アンチモンで被覆し、導電性を高めたナノ粒子を作成し、これを塩化ビニルに含有させたコンポジットを得ることで帯電防止の樹脂材料を提供している。また、本文中には記述は無いものの高アスペクト比を有する針状の粒子を用いることで弾性率、引っ張り強度をはじめとする機械物性も大幅に向上されることが推察できる。
また、高アスペクト比のアルミナ粒子を用いた例として、帝人の「被覆繊維状酸化アルミニウムフィラー及びこれを含む熱可塑性樹脂組成物」(特開2004−149687号)が挙げられる。かかる技術ではナノオーダレベルの粒子を用い、これをシランカップリング剤で表面処理し分散性を向上し、フィルム等コンポジット材の表面性や弾性率、軟化温度の向上を図っている。しかしながら、シランカップリング剤処理ではその反応性の点から十分な分散性が期待できず、表面性の改善は期待できても透明性の点では未だ不十分である。
以上のように様々な検討がなされているが、これらの無機微粒子を用いた樹脂組成物では、機械物性と透明性の双方を十分なレベルで両立することは未だできていない。
さらにナノサイズの無機フィラーは樹脂にユニークな特性を付与するが、思いがけないところで物性低下の原因ともなっている。たとえば上記特性を向上させるために無機フィラーの添加量を増大させた場合、樹脂組成物全体の延性が著しく低下し、力学的付加を加えた際の吸収エネルギーが低下し、特に衝撃強度が著しく低下する現象である。フィラー添加による脆化の同単に対し、一般的にマクロサイズの無機フィラーではマトリクス樹脂との界面結合力を調整することで、脱接合または引き抜きを生じきせ、破壊エネルギーを損失させることで衝撃強度を保持する手法が採られる。ナノサイズの無機フィラーではその表面エネルギーに打ち勝ち、均一分散させるためにマトリクス樹脂と強い相互作用を有する表面改質剤の使用が必須であるため、界面結合カの調整による衝撃強度の付与は難しく、未だ具体的な報告例がない。
特許第2619046号 特公平7−47644号 特開平10−30039号 特公平6−17231号 特開2004−149687号
したがって、粒子が均一且つある濃度分散することで初めて発現される高弾性、低熱膨張性、裏面平滑性、透明性、可撓性の物性と樹脂組成物として用いるために必要な靭性、延性、耐衝撃性といったトレードオフ関係にある性質を高いレベルで両立することが求められている。
ナノサイズの無機フィラーが均一分散した樹脂組成物において、透明性などの特性を維持したまま、無機フィラー添加量増加に伴う延性低下、耐衝撃性低下を抑制し、従来のトレードオフの関係にある諸特性を高次元にバランスさせた樹脂組成物を提供することが本発明の目的である。
上記目的を達成すべく、本発明は、
微粒子、第1樹脂相及び第2樹脂相の相分離構造を有する樹脂成分相から成り、
該微粒子を第1樹脂相に分散させ、並びに第2樹脂相には該微粒子が分散していない樹脂組成物であって、
該微粒子の一次粒子の短軸長さが1〜10nm、長軸長さが20〜700mm、アスペクト比が5〜200であることを特徴とする、樹脂組成物に関する。
本発明によれば、第1樹脂相及び第2樹脂相の相分離構造を必須とするポリマーアロイ(または相分離型ポリマーブレンド)からなる樹脂成分相の第1樹脂相中、若しくは第1樹脂相中および第1樹脂相の第2樹脂相との相界面付近に前記無機微粒子を分散するようにしている。
また、前記微粒子として上述したような高アスペクト比の微粒子を用いるようにしているとともに、例えば、前記樹脂成分相の任意の相を意図的に架橋構造としたり、目的とする樹脂組成物製造の際に使用する溶媒などに非溶解性としたりすることにより、前記微粒子を前記相以外の相中、及び/又は前記相以外の相の相界面付近に分散させるようにすることができる。したがって、前記樹脂成分相中の、前記微粒子が存在しない非分散相(第2樹脂相)を適宜に上記架橋構造などとすることにより、例えば前記微粒子を延性を有する成分相中に分散させないようにし、目的とする樹脂組成物の透明性などを維持しながら、その延性及び耐衝撃性を十分に高いレベルで担保することができるようになる。
なお、特開平7−324160号公報及び特開平8−12881号公報には、ポリフェニレンエーテル系樹脂及びポリアミド系樹脂中に、陽イオン交換樹脂能を有する層状珪酸塩をホストとし、有機オニウムイオンをゲストとする層間化合物、あるいは同じく層状珪酸塩をホストし、4級アンモニウムイオンをゲストとする層間化合物を含有させることが開示されているが、このような層間化合物はアスペクト比が高くなく、異方性が低いことから、本発明のように、目的とする樹脂相中、または目的とする樹脂相中とその相界面付近、のいずれかに十分に分散させるようにすることはできない。
特開平7−324160号 特開平8−12881号
以上、本発明によれば、透明性などの特性を維持したまま、無機フィラー添加量増加に伴う延性低下、耐衝撃性低下を抑制し、従来のトレードオフの関係にある諸特性を高次元にバランスさせた樹脂組成物を提供することが可能となる。
以下、本発明のその他の特徴及び利点について、発明を実施するための最良の形態に基づいて説明する。
(微粒子)
本発明で使用する微粒子は、その一次粒子の各寸法の数平均として、短軸長さ1〜10nm、好ましくは1〜8nm、さらに好ましくは2〜7nm、長軸長さ20〜700mm、好ましくは10〜200mm、さらに好ましくは15〜200nm、アスペクト比5〜200であって、好ましくは金属酸化物粒子であって、構成する金属原子がAlを主成分とする粒子から選ばれる少なくとも一種類の粒子であり、さらに好ましくは
Al2O3・nH2O
なる一般式で表されるアルミナ粒子から構成する。
本発明の樹脂組成物において、前記微粒子はその1次粒子が凝集した状態で実際に分散していてもよい。かかる実際の分散状態の粒子(以下「分散粒子」と記す場合がある。)のサイズは、短軸長さは通常1〜50nm、長軸長さは通常20〜5000nm、アスペクト比は通常2〜200(いずれも数平均)である。かかるサイズの数平均の測定は、透過型電子顕微鏡による任意の少なくとも100個の分散粒子の像の画像解析により行う。この分散粒子の短軸長さの上限は、樹脂組成物の透明性の点で好ましくは30nm、さらに好ましくは20nmであり、該長軸長さの上限は樹脂組成物の透明性、機械的強度及び成形表面平滑性の点で好ましくは3000nm、さらに好ましくは1000nmであり、該アスペクト比の下限は樹脂組成物の機械的強度及び熱膨張係数の点で好ましくは5、さらに好ましくは10である。
このようなアルミナ粒子は極めて高いアスペクト比を示しているために、上述したように、目的とする樹脂組成物の樹脂成分相の、非分散相(第2樹脂相)とすべき相を、例えば架橋構造などとすることにより、前記樹脂成分相の目的とする相中、あるいは樹脂成分相の目的とする相中およびその相の界面付近に前記アルミナ粒子を無機微粒子として簡易に分散させることができるようになる。この結果、例えば前記無機微粒子を延性を有する成分相中に分散させないようにし、目的とする樹脂組成物の透明性などを維持しながら、その延性及び耐衝撃性を十分に高いレベルで担保することができるようになる。
上述したアルミナ粒子の一般式において、式中のnがOのときは酸化アルミニウムを示し、α、γアルミナまたはβ、ρ、χ、ε、γ、κ、κ’、θ、η、δ、λ型のアルミナである。式中のnが1のときはベーマイトを表す。また式中のnが1を超えて3未満である場合はべ一マイトと非結晶構造のアルミナ水和物の混合物を示す。これは一般に疑ベーマイトと呼ばれている。さらにnが3以上では非結晶構造のアルミナ水和物を示す。本発明のアルミナ粒子はこれらのうちから選ばれる少なくとも1つであるが、結晶性や粗子安定性の面や入手の容易さからベーマイト、αアルミナ、γアルミナのいずれかが特に好ましい。
前記アルミナ粒子の形状は、繊維状、紡錘状、棒状、針状、筒状、柱状などの異方性を示す形状であれば特に限定されるものではない。また、不定形粒子、たとえば粒子の前駆体となる水酸化物などのゲル状物質は、水を多量に含み、水酸基封止剤の自己縮合を招くため、適さない。
また、前記アルミナ粒子は、粒子短軸の径の大ききに応じて0.5nm〜9.5nmの径、長さは粒子長軸径以下の5nm〜700nmの中空円筒を粒子内に有した中空粒子であることが好ましい。これによって、前記アルミナ粒子の比重を低減することができる。
なお、アルミナ粒子のモル数は一般式より求める。たとえばαアルミナ粒子は一般式Al2O3より分子量は101.96とする。ベーマイト粒子の場合は例外的にAlO(OH)を分子量に適用して75.98を分子量とする。
また、上述したアルミナ粒子は、特定の種類のものを単独で用いることもできるが、2以上を組み合わせて用いることもできる。
上述したアルミナ粒子は、上記結晶系、形状、サイズのものが得られれば特に限定されず、水熱合成法やゾルゲル法など一般的な方法を用いることができる。
なお、本発明における微粒子は、上述したような高アスペクト比(高異方性)のアルミナ粒子を用いることが好ましいが、その他の材質の粒子を用いることもできる。例えば、一般的な金属酸化物粒子などを用いることができる。また、その他の金属粒子、ナノ有機材料も適用可能である。しかしながら、これらの微粒子を用いた場合に比べて上述したような高アスペクト比(高異方性)のアルミナ粒子を用いた場合の方が透明性維持、靭性及び耐衝撃性に優れる。
なお、使用可能性のある金属酸化物粒子としては、酸化鉄、酸化チタン、酸化銅、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化イットリアなどを例示することができる。この酸化物粒子の中でもシリカ、カルシア、ベーマイト、ヘマタイト、チタニアが好ましい。これらの粒子は特異な形状、機能という特徴を有しており、各方面の産業分野で有用な粒子となるからである。
また、使用可能性のある金属粒子としては、金、銀、銅、モリブデンなどの金属単体、カドミウムセレン、硫化亜鉛などの無機化合物粒子を挙げることができる。
さらに、使用可能性のあるナノ有機材料としてはカーボン、カーボンナノチューブ、フラーレン、シルセスキオキサンなど炭素、ケイ索骨格を有する化合物を例示できる。
なお、このような金属酸化物などは使用可能であれば、2種以上を合わせて用いることができるし、金属酸化物粒子、金属粒子及びナノ有機材料の2種以上を合わせて用いるようにすることもできる。
(微粒子複合体)
本発明における微粒子は、第1樹脂相中に均一分散させるべく、粒子表面に樹脂との親和性を向上させるための分散改質剤を含むことが好ましい。
このような分散改質剤としては、硫黄原子、リン原子、カルボニル基、水酸基、および窒素原子から選ばれる少なくとも一つを有する化合物である好ましく、特に粒子表面に化学的に結合する有機スルホン酸、有機リン化合物はその分散効果が高く、特に好ましい。
上述した分散改質剤を微粒子に付加すると、結果的に得られる微粒子複合体はゾルとして得られることになるが、このゾルに対する解膠能力は、有機スルホン酸が高く、特にp−トルエンスルホン酸が最も高い。有機リン化合物は特に限定されないが、粒子表面への反応性、化合物としての安定性、入手の容易さなどの理由から、モノフェニルアシッドホスフェート、モノエチルアシッドホスフエート、モノブチルアシッドホスフェート、モノブトキシエチルアシッドホスフェート、モノベンジルアシッドホスフェートが最も望ましい。
これらの有機スルホン酸、有機リン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。ここでいう「2種以上」とは、例えばブトキシエチルアシッドホスフェートとテトラコシルアシッドホスフェートのように化学種の異なるものを組み合わせてもよいし、また例えば(C4H9O)nP(O)(OH)3-nなる化学式で表されるブチルアシッドホスフェートにおいて、式中のnが1のものと2のものを混合して用いてもよいことを意味している。
なお、本発明の目的を達成することが出来る限りにおいて、前記有機リン化合物は、前記微粒子に対して、共有結合、配位相合、水素結合、静電気的な結合などのいずれの態様で結合していても良いし、前記有機リン化合物の総てがこのような態様で結合している必要はなく、少なくとも一部が結合していれば良い。
本発明の微粒子における有機スルホン酸、有機リン化合物の含有量は特に制限されない。しかしながら、微粒子複合体の固形分に対してそれぞれ0.3wt%以上が好ましく、さらに好ましくは1wt%以上である。含有量が0.3wt%以下では、後述する樹脂組成物において分散効果が十分に得られない恐れがある。
尚、有機スルホン酸、有機リン化合物の含有量は、TG-DTA、IR、NMR、GC-MSなどの装置を組み合わせて定性、定量することができる。
(樹脂組成物及びその製造方法)
本発明の樹脂組成物を製造するに際しては、最初に、前記微粒子を所定の有機溶剤中に、好ましくは上述した改質剤を付加させた後、所定の溶媒中に分散させて微粒子分散溶液を作製する。この分散溶液は上述したように一般的にはゾルとなる。
前記微粒子の樹脂に対する配合量は、要求特性(例えば、剛性、耐熱性及び耐熱膨張性など)が得られるような量であれば特に制限されないが、1〜60wt%であることが好ましく、さらには1〜30wt%であることが好ましい。前記微粒子の配合量が1wt%未満では、前記微粒子の配合の効果が少なく、得られる樹脂組成物の剛性・耐熱性及び耐熱膨張性などの物性の向上がほとんど認められない場合がある。また、前記微粒子の配合量が60wt%を超えると、比重の増加が無視できなくなるばかりでなく、コスト面でも不利となり、樹脂組成物のコスト及び比重が増大してしまうという問題が生じる場合がある。また、前記微粒子の含有量の増大に伴い、樹脂組成物の粘度が増大し、成形性が悪くなる項合がある。
樹脂組成物の製造方法としては後述する第1、第2、第3の製造方法があるが、全てに共通する条件として、例えば非分散相(第2樹脂相)の樹脂は架橋構造を有するか、若しくは樹脂組成物を製造する際に使用する溶媒に対し、極性が著しく異なるために溶解せず、さらに溶融混練時においても粒子が侵入せず、分散相(第1樹脂相)の樹脂のみ溶解するようにする。
なお、ここでいう“架橋構造”とは熱硬化性樹脂に見られるような強固な三次元構造のみに限定されず、例えばSEBS主鎖中におけるブタジエン構造の炭素原子間二重結合の一部が開環し、生成する構造も含む。
本発明の樹脂組成物の樹脂成分相は、第1樹脂相及び第2樹脂相の相分離構造を必須とするポリマーアロイ(または相分離型ポリマーブレンド)からなる。両相は相分離構造をとっている限りにおいて、例えば前者が連続相で後者が分散相を成す海島構造、前者が分散相で後者が連続相を成す海島構造、両者がそれぞれ連続相を成しながら相互に入り組んだいわゆるCo-continuous構造など、若しくはこれら3種の相構造が混在した複合相構造など任意の相構造をとることができる。
前記相分離構造において、両相にまたがる結合分子鎖(いわゆるタイモレキュール:Tie-molecule)が存在することが界面接着力を向上させるので機械的強度の点で望ましい。かかる界面接着力を改善するタイモレキュールを実現するには公知の様々な手段が適用可能である。即ち、例えば第1樹脂相及び第2樹脂相を構成する樹脂成分(以下、それぞれ「第1樹脂成分」及び「第2樹脂成分」と記す場合がある。)を溶融混練し、いわゆるリアクティブプロセッシング(化学反応を伴う混練工程)により両者界面における共重合体を生成させる方法、各種リビング重合やマクロモノマーの手法を用いて第1樹脂成分と第2樹脂成分のブロック連鎖を共重合させる方法(この場合各ブロックは直鎖状に連鎖したブロック共重合体であっても、一方が主鎖となり他方が側鎖となるグラフト共重合体でもよい。)、一方をまずポリマー微粒子となし、これを他方の原料であるモノマーを含有する液相に分散しながら該モノマーを重合する際に該ポリマー微粒子表面の活性点が該重合反応に参加する結果として共重合体を形成する方法、などが挙げられる。
なおここでいう第1樹脂成分と第2樹脂成分は、それぞれが複数種類の原料高分子の混合物又は共重合体で構成されていてもよい。樹脂組成物の機械的物性のバランス(例えば剛性と靭性のバランス)の点で、好ましい相分離構造は第2樹脂相がゴム系樹脂(又はエラストマー類)からなるものであり、さらに好ましくはかかる第2樹脂相が前記架橋構造を有するゴム系樹脂からなるものである。
前記相分離構造を有するポリマーアロイ系としては、以下列挙する公知系が具体的に例示できる。即ちアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、耐熱アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(MUH樹脂)、アクリロニトリルエチレンスチレン樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリルアクリレートスチレン樹脂(AAS樹脂)、塩素化ポリエチレン-アクリロニトリル-スチレン共重合体(ACS樹脂)、ハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS樹脂)、塩化ビニル/メチルメタクリレートブタジエンスチレン樹脂(PVC/MBS樹脂)、ポリ塩化ビニル/無水マレイン酸共重合体ポリスチレン樹脂(PVC/PS-MAH樹脂)、ポリ塩化ビニル/アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(PVC/ABS樹脂)、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(PC/ABS樹脂)、アクリロニトリルブタジエンスチレン/ポリブチレンテレフタレート(ABS/PBT樹脂)、アクリロニトリルブタジエンスチレン/親水性樹脂(ABS/親水性樹脂)などのスチレン共重合系ポリマーアロイ、ポリメチルメタクリレート/ポリスチレンブロック共重合体やポリ塩化ビニル/ポリアクリレート樹脂(PVC/ポリアクリレート樹脂)などのアクリル樹脂系ポリマーアロイ、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン樹脂(PPE/PSt樹脂)やポリフェニレンエーテル/ハイインパクトポリスチレン樹脂(PPE/HIPS樹脂)などのPPE/ポリスチレン系ポリマーアロイ、ポリアミド66/エチレンプロピレンゴム樹脂(PA66/EPR樹脂)、ポリアミド66/カルボン酸変性エチレンプロピレンゴム樹脂(PA66/カルボン酸変性EPR樹脂)、ポリアミド6/カルボン酸変性エチレンプロピレンゴム樹脂(PA6/カルボン酸変性EPR樹脂)などのゴムタフ化ナイロン系ポリマーアロイ、ポリフェニレンエーテル/ポリアミド66樹脂(PPE/PA66樹脂)、ポリフェニレンエーテル/ポリアミド6樹脂(PPE/PA6樹脂)、ポリフェニレンエーテル/スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(略称SEBSゴム)/ポリアミド66樹脂(PPE/SEBS/PA66樹脂)、ポリフェニレンエーテル/SEBSゴム/ポリアミド6樹脂(PPE/SEBS/PA6樹脂)、ポリフェニレンエーテル/カルボン酸変性SEBSゴム/ポリアミド66樹脂(PPE/カルボン酸変性SEBS/PA66樹脂)、ポリフェニレンエーテル/エポキシ変性SEBSゴム/ポリアミド66樹脂(PPE/エポキシ変性SEBS/PA66樹脂)、前記SEBSゴムを当業者に公知の類似のスチレン系熱可塑性エラストマー(例えばスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体であるSBSゴム、スチレン-エチレン-プロピレンブロック共重合体であるSEPゴム、若しくはこれらのカルボン酸変性品やエポキシ変性品)で置き換えたゴムタフ化されていてもよいPPE/PA系ポリマーアロイ、ポリエチレン/特殊ポリアミド樹脂(PE/特殊ナイロン樹脂)、ポリアミド6/ポリスチレン樹脂(PA6/PS樹脂)、ポリアミド6/ポリエチレンテレフタレート樹脂(PA6/PET樹脂)、ポリアミド6/共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(PA6/共重合PET樹脂)などのその他のナイロン系ポリマーアロイ、ポリブチレンテレフタレート/ポリカーボネート樹脂(PBT/PC樹脂)やポリエチレンテレフタレート/ポリカーボネート樹脂(PET/PC樹脂)などのポリエステル/PC系ポリマーアロイ、ポリエチレンテレフタレート/ポリスチレン樹脂(PET/PS樹脂)やポリブチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート樹脂(PBT/PET樹脂)などのポリエステル系ポリマーアロイ、ポリプロピレン(以下PPと略記)ブロックコポリマーやPP/エチレンプロピレンゴム樹脂(PP/EPR樹脂)などのPP系ポリマーアロイ、ポリアセタール/ポリウレタン樹脂(POM/PU樹脂)などのPOM系ポリマーアロイ、特殊デンプン/ポリビニルアセテート樹脂(特殊デンプン/PVA樹脂)などのPVA系ポリマーアロイなどが挙げられる。
中でもポリカーボネート系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、非晶性オレフィン系樹脂、ゴム系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂、またはこれら樹脂の繰り返し単位構造のブロック若しくはグラフト共重合体を含むポリマーアロイを用いることが本発明である樹脂組成物の透明性維持、耐衝撃性向上などの点から好ましいものである。
なお上述した微粒子、分散相(第1樹脂相)、非分散相(第2樹脂相)の各々の屈折率差が0.05以下であることが好ましく、さらには0.03以下、またはさらに0.01以下であることが好ましい。
次に、本発明の樹脂組成物の上述した第1の製造方法から第3の製造方法について説明する。
第1の製造方法としては、前記微粒子を所定の有機溶媒中に配合及び混合して、前記微粒子が分散した微粒子分散溶液を作製する。この微粒子には、上述したように分散改質剤を付加することができる。また、前記分散溶液は、この分散改質剤の付加や配合量などに応じて、適宜ゾルなどの形態を採る。
次いで、前記微粒子分散溶液と、別途準備したポリマーアロイとを混合し、溶融混練することにより、前記微粒子が均一に分散した目的とする樹脂組成物を得る。混練機は、二軸押出成形機、真空微量混練押出機、ラボプラストミル等を用いることができ、前記金属酸化物粒子複合体の種類、分散させている溶媒の種類により選択決定する。
第2の製造方法としては、最初に第1の製造方法と同様にして、前記微粒子を所定の有機溶媒中に配合及び混合して、前記微粒子が分散した微粒子分散溶液を作製する。次いで、この分散溶液と樹脂モノマーとを混合し、その後、前記樹脂モノマーを重合させることにより、前記樹脂組成物を得る。本方法は、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、耐熱アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(MUH樹脂)、メチルメタクリレートブタジエンスチレン樹脂(MBS樹脂)、アクリロニトリルエチレンスチレン樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリルアクリレートスチレン樹脂(AAS樹脂)、塩素化ポリエチレンアクリロニトリル-スチレン共重合体(ACS樹脂)を合成する工程中の何れかにおいて、前記微粒子複合体分散ゾルを混合する。
更に、分散相(第1樹脂相)の樹脂単独に対して微粒子複合体を分散させた樹脂組成物を原料とし、これに非分散相(第2樹脂相)の樹脂をブレンドしてもよい。
この方法において、特にポリカーボネート系樹脂組成物を製造する場合、2価フェノール及びホスゲン間の縮合反応である、いわゆるホスゲン法、又は炭酸ジエステルと2価フェノールのエステル交換反応である、いわゆるエステル交換法などの方法で前記重合を行う。
2価フェノールとしては、2,2-ビス(4-ヒドロキシジフェニル)プロパン(通称:ビスフェノールA)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3,5-ジメチル-4-セドロキシフェニル)メタン、1-フェニル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノンが好ましく、より好ましくは2,2-ビス(4セドロキシジフェニル)プロパン、1,1-ビス(4セドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロへキサンである。これらの2価フェノールはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネートや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネートが挙げられる。
その他、メタクリル樹脂系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロニトリルや(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。これらモノマーは、1種単独または2種類以上を混合して用いてもよいが、透明性、剛性、硬度等のバランスからメチルメタクリレートが主成分であることが好ましい。より好ましくは、上記不飽和単量体と共重合しうるもう一方の単量体全量に対してメチルメタクリレートが70質量%以上である。
第3の製造方法としては、最初に第1の製造方法と同様にして、前記微粒子を所定の有機溶媒中に配合及び混合して、前記微粒子が分散した微粒子分散溶液を作製する。次いで、この分散溶液と、所定の樹脂成分相を含む有機溶媒とを混合攪拌し、高温減圧下において溶媒のみをすばやく留去し、前記微粒子複合体が均一に分散した、目的とする樹脂組成物を得る。溶剤減量とともに溶液の粘度が上昇するが、攪拌出来なくなるまで攪拌を継続する。これによって、前記樹脂組成物中における前記微粒子複合体を、凝集させることなくより均一に分散させることができるようになる。
以下、実施例および比較例により本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明において採用した分析方法および分析機器は下記の通りである。
(1)粒子形状、粒子径、樹脂組成物中の粒子分散性
透過型電子顕微鏡(TEM)にて、粒子形状、分散度合いを観察した。
<観察方法(粒子形状)>
ゾル試料を純水(2段蒸留水)にて希釈後、超音波洗浄器にて15分間かけた。その後銅メッシュ上の親水処理済カーボン被覆コロジオン膜に試料を塗布し、乾燥させ観察試料を準備した。透過型電子顕微鏡にてその試料の電子顕微鏡像を120KV、70mA、10万倍にて撮影して、観察した。
・TEM用銅メッシュ:マイクログリット150-Bメッシュ、カーボン補強済み 応研商事株式会社
・透過型電子顕微鏡:JEOLJEM-1200EXII 日本電子株式会社
<観察方法(粒子径)>
透過型電子顕微鏡にて撮影した写実を市販のスキャナーで電子データとして取り込み、市販のパソコン上で長さを測るソフトを用いて粒子径を測定した。短軸径、長軸径、厚さ、一辺の長さ共にそれぞれ無作為に100個体選び、測定した。
ソフト名:Scion Image for Whindows(登録商標)Scion corp.
<観察方法(樹脂組成物中の粒子分散性)>
樹脂組成物のバルク試料を四酸化オスミウムにて染色固定後、超薄切片作成装置であるクライオウルトラミクロトームにより冷凍切断して観察試料を準備した。透過型電子顕微鏡にてその試料の電子顕微鏡像を200kV、5000、2万、10万倍にて撮影して、観察した。
・TEM用銅メッシュ:マイクログリット150-Bメッシュ、カーボン補強済み 応研商事株式会社
・透過型電子顕微鏡:H-800 株式会社日立製作所
(2)アルミナの同定
粉末X線回折装置を用いた。
<観察方法>
試料を測定用無反射板に圧粉することにより、これを観察試料とし、X線解析装置にて測定し、アルミナのJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)と比較することにより同定した。
・X線解析装置:RINT-2000理学電機
(3)粒子表面改質量の定性、定量
TG-DTA、IR、NMRを用いて行なった。
・TG-DTA:TG-DTA20セイコーインスツルメンツ
<分析条件>
測定温度:室温〜900℃、昇温速度10℃/分
・NMR:JNMLA-400 日本電子、1H、19Cを測定した。測定溶媒CDC13
(4)機械的物性、光学的物性測定
得られた樹脂組成物を乾燥して粒状にし、加熱プレス成形して厚さ2mmの試験片フィルムを得る。得られたシートについてヘイズ値、曲げ弾性率、熱線膨張係数、IZOD衝撃強度を測定した。
・ヘイズ値は、ヘイズメーター(村上色彩研究所製 HM-65)で計測した。
・曲げ弾性率は、オートグラフ(島津製作所(株)製DSC-10T)で計測した。
・熱線膨張係数は、熱機械測定装置(セイコー電子工業(株)製TMA120Cまたはディラトメータ(ブルカーエイエックスエス社製T5000))で計測した。
・IZOD衝撃強度は、IZOD衝撃試験装置(安田精機社製95-LFR)で切欠き入り、
23℃にて測定した。
(5)粒子の合成
A.針状ベーマイト粒子
機械攪拌機を備えたテフロン(登録商標)製ビーカーに塩化アルミニウム六水和物(2.0M,40ml,25℃)を入れ、恒温槽で10℃に保ちつつ、攪拌(700rpm)しながら水酸化ナトリウム(5.10M,40ml,25℃)を約6分かけて滴下した。滴下終了後さらに10分間攪拌を続け、攪拌終了後、溶液のpHを測定した(pH=7.08)。溶液をテフロンライナーを備えたオートクレーブに代えて密栓し、オーブンで120℃、24時間経時させた(第1の熱処理)。第1の熱処理の終了後、前記オートクレープをオイルバスへ移し、180℃、30分間加熱した(第2の熱処理)。第2の熱処理終了後、前記オートクレープを流水へ入れ、急速冷却(約10℃)をした(第3の熱処理)。第3の熱処理終了後、前記オートクレープを再びオーブンへ入れ150℃で、1日加熱を続けた(第4の熱処理)。その後、前記オートクレープを流水で冷やし、遠心分離(30000rpm,30min)で上澄み除去後、遠心水洗3回、水メタノール混合溶液(体積比水:メタノール、0.5:9.5)遠心洗浄を1回行った。その後、凍結乾燥機を用いて乾燥させることにより無色結晶(A)を得た。
この無色結晶(A)はX線回折の結果、針状ベーマイトであることが判明した。また、TEMを用いて粒子のサイズを調べたところ、長軸長さ125±13nm、短軸長さ(径)5.2±0.6nm、アスベクト比が約20の針状であることが判明した。
(6)無機微粒子複合体(分散ゾル)の合成
B.針状ベーマイト粒子複合体(分散溶液)
上記(A)にて得た針状ベーマイト粒子をテトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社)に添加し、粒子10wt%の分散溶液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に40分間かけた。そこヘパラトルエンスルホン酸−水和物(和光純薬工業株式会社製)を粒子重量に対して15wt%の割合で添加し、よく攪拌した後、超音波分散機に90分間かけた。その後、得られた溶液をさらに高圧乳化装置で50MPaの圧力で処理することにより、テトラヒドロフランに分散した針状ベーマイト粒子複合体分散溶液(A)を得ることができた。また、前記分散溶液を濃縮、乾燥し、TG-DTAを用いて粒子上に吸着している改質剤量を確認すると、粒子重量に対して14wt%であった。
C.針状ベーマイト粒子複合体(分散溶液)
上記(B)の分散溶液作製工程において、パラトルエンスルホン酸−水和物に代えて、モノブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製)を用い、その添加量を粒子重量に対して11wt%とした以外は、同様の操作を行い、分散溶液(C)を得た。また、前記分散溶液を濃縮、乾燥し、TG-DTAを用いて粒子上に吸着している改質剤量を確認すると、粒子重量に対して10wt%であった。
D.針状ベーマイト粒子複合体(分散溶液)
上記(B)の分散溶液作製工程において、パラトルエンスルホン酸−水和物に代えて、モノベンジルアシッドホスフェートを用い、その添加量を粒子重量に対して13wt%とした以外は、同様の操作を行い、分散溶液(D)を得た。また、前記分散溶液を濃縮、乾燥し、TG-DTAを用いて粒子上に吸着している改質剤量を確認すると、粒子重量に対して12wt%であった。
E.ベーマイト粒子複合体(分散溶液)
サンゴバン・セラミック・マテリアルズ株式会社製ベーマイトCAM9010の粉末をテトラヒドロフランに添加し、粒子10wt%の分散溶液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に40分間かけた。そこヘパラトルエンスルホン酸−水和物を粒子重量に対して15wt%の割合で添加し、よく攪拌した後、超音波分散機に90分間かけた。その後、得られた溶液をさらに高圧乳化装置で50MPaの圧力で処理し、分散溶液(E)を得た。この分散溶液は懸濁状態であった。また、前記分散溶液を濃縮、乾燥し、TG-DTAを用いて粒子上に吸着している改質剤量を確認すると、粒子重量に対して13wt%であった。
尚、CAM9010は、長軸径約90nm、短軸径11-15nmのサイズでちょうどラグビーボール形状を呈している。TEM観測結果より、粒子は単独で存在するのではなく、4、5個の数珠繋ぎになっていることが確認された。

F.ガラス繊維(分散溶液)
サンゴバン・セラミック・マテリアルズ株式会社製ガラス繊維サーフェストランドREV4(直径13μm、長さ70μm)をテトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社製)に添加し、粒子10wt%の分散溶液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に40分間かけ、分散溶液(F)を得た。この混合溶液は懸濁状態であった。
G.シリカ粒子(分散溶液)
日産化学株式会社製コロイダルシリカMEK-ST(直径10-20nm)をテトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社製)に添加し、粒子10wt%の分散溶液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に40分間かけた。そこヘパラトルエンスルホン酸−水和物を粒子重量に対して15wt%の割合で添加し、よく攪拌した後、超音波分散機に90分間かけた。その後、得られた溶液をさらに高圧乳化装置で60MPaの圧力で処理し、分散溶液(G)を得た。この分散溶液は懸濁状態であった。また、前記分散溶液を濃縮、乾燥し、TG-DTAを用いて粒子上に吸着している改質剤量を確認すると、粒子重量に対して12wt%であった。
(7)樹脂組成物の製造
(実施例1)
上記分散溶液(B)とハイインパクトポリスチレン(PSジャパン株式会社製 透明耐衝撃性スチレン系樹脂SX100)とを、得られる樹脂組成物中の粒子複合体が30wt%となるよう、減圧装置、機械攪拌機、還流器を備えた反応容器投入し、ジクロロメタンを追加溶媒として加え、攪拌した。次いで、減圧ラインを用いて、系内を徐々に減圧し溶媒を留去し、この後さらに反応容器温度を上げ完全に溶媒を除いて、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を乾燥して粒状にし、これを真空微量混練押出機(井元製作所製、IMC−1170B型)を用いて溶融混練した。混練条件は真空チャンバー内10mmHg以下の減圧度、炉内及びローター温度250℃、ローター回転速度15rpmで10分間行った。混練後、得られた樹脂組成物を乾燥して粒状にし、前記方法にて各種試験片を得た。試験片のTEM観察を行った結果、ベーマイト粒子はHIPS中に見られるサラミ構造状のポリブタジエン相にはほぼ見られず、この系における第一樹脂相であるポリスチレン相及びポリスチレン相とポリブタジエン相の界面部にのみ選択的に見られる。さらにベーマイト粒子の殆どが一本一本にまで分散されており、一部の2次凝集体においても数本(50nm)程度以下であることが確認された。
(実施例2)
上記分散溶液(B)に代えて、上記分散溶液(C)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(実施例3)
上記分散溶液(B)に代えて、上記分散溶液(D)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(実施例4)
ハイインパクトポリスチレン(PSジャパン株式会社製 透明耐衝撃性スチレン系樹脂SX100)に代えて、透明ABS樹脂(電気化学工業株式会社製 MABS樹脂CL-301)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(実施例5)
ハイインパクトポリステレン(PSジャパン株式会社製 透明耐衝撃性スチレン系樹脂SX100)に代えて、PC/ABS樹脂(テクノポリマー株式会社製 高衝撃PC/ABS樹脂、エクセロイCK10)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(比較例1)
実施例1の工程において、分散溶液(B)に代えて、同重量のテトラヒドロフランを用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(比較例2)
実施例1の工程において、分散溶液(B)に代えて、分散溶液(F)を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
(比較例3)
ベーマイト粒子複合体分散溶液(D)に代えて、上記アルミナ粒子分散溶液(E)を用いた以外は、実施例3と同様にして試験片を作製した。
(比較例4)
実施例4の工程において、分散溶液(B)に代えて同重量のテトラヒドロフランを用いた以外は、実施例4と同様にして拭験片を作製した。
(比較例5)
実施例5の工程において、分散溶液(B)に代えて同重量のテトラヒドロフランを用いた以外は、実施例5と同様にして試験片を作製した。
(比政例6)
実施例5の工程において、分散溶液(B)に代えて分散溶液(F)を用いた以外は、実施例5と同様にして試験片を作製した。
(比較例7)
べーマイト粒子複合体分散溶液(B)に代えて、上記分散液(G)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(評価結果)
各実施例、比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2007217643
表1から明らかなように、本発明にしたがって得た実施例に関する樹脂組成物は、ヘイズ値で示される透明性と、曲げ弾性率及びIZOD衝撃値などで示される延性や耐衝撃性などとを高水準でバランスさせていることが分かる。したがって、本発明によれば、ナノサイズの微粒子が均一分散した樹脂組成物において、透明性などの特性を維持したまま、微粒子添加量増加に伴う延性低下、耐衝撃性低下を抑制し、従来のトレードオフの関係にある諸特性を高次元にバランスさせた樹脂組成物を提供できることが分かる。
なお実施例2〜4については試験片のTEM観察を実施していないが、表1中のヘイズ値から明らかなように実施例1と同様の分散状態を示していると推定する、すなわち実施例2〜4についても、第一樹脂相であるポリスチレン相に粒子がほぼ2次凝集することなく、均一に分散していると推定する。さらに実施例5についてもこれまで述べてきた理由から同様にPC及びABSのポリスチレン相に粒子がほぼ2次凝集することなく、均一に分散していると推定する。
以上、具体例を挙げながら本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
例えば、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤及び熱安定剤(例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、チオエーテル、及びこれらの置換体及びその組み合わせを含む)、紫外線吸収剤(例えばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフケノン等)、滑剤、離型剤(例えばシリコン樹脂、モンタン酸及びその塩、ステアリン酸及びその塩、ステアリルアルコール、ステアリルアミド等)、染料(例えばニトロシン等)、顔科(例えば硫化カドミウム、フタロシアニン等)を含む着色剤、添加剤添着液(例えばシリコンオイル等)、及び結晶核剤(例えばタルク、カオリン等)などを単独又は適宜組み合わせて添加することができる。

Claims (14)

  1. 微粒子と、第1樹脂相及び第2樹脂相の相分離構造を有する樹脂成分相とから成り、
    該微粒子を該第1樹脂相に分散させ、並びに該第2樹脂相には該微粒子が分散していない樹脂組成物であって、
    該微粒子の一次粒子の短軸長さが1〜10nm、長軸長さが20〜700mm、アスペクト比が5〜200であることを特徴とする、樹脂組成物。
  2. 前記第2樹脂相は、架橋構造を呈することを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記第2樹脂相は、第1樹脂相を溶解する溶解性溶媒に対して、溶解しないことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記微粒子は、金属酸化物粒子であって、構成する金属原子がAlを主成分とする粒子から選ばれる少なくとも一種類の粒子であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の樹脂組成物。
  5. 前記無機微粒子は、
    Al2O3・nH2O
    なる一般式で表されるアルミナ粒子であることを特徴とする、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記アルミナ粒子はベーマイト、αアルミナ、γアルミナから選ばれる少なくとも1種類のアルミナであることを特徴とする、請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記微粒子の表面に、分散改質剤として、硫黄原子、リン原子、カルボニル基、水酸基、および窒素原子から選ばれる少なくとも一つを有する化合物が一種類以上存在している無機微粒子複合体であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載の樹脂組成物。
  8. 前記分散改質剤は、有機スルホン酸及び有機リン化合物の少なくとも一方であることを特徴とする、請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. 前記微粒子の配合量が、前記樹脂組成物の全体に対し、1〜60wt%であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載の樹脂組成物。
  10. 前記樹脂成分相は、ポリカーボネート系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、非晶性オレフィン系樹脂、ゴム系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂、またはこれら樹脂の繰り返し単位構造のブロック若しくはグラフト共重合体を含むポリマーアロイであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一に記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
    前記微粒子を所定の有機溶媒中に配合及び混合して、前記微粒子が分散した微粒子分散溶液を作製する工程と、
    前記樹脂成分相と前記微粒子分散溶液とを溶融混練し、前記樹脂組成物を製造する工程と、
    を具えることを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
    前記微粒子を所定の有機溶媒中に配合及び混合して、前記微粒子が分散した微粒子分散溶液を作製する工程と、
    前記樹脂成分相のモノマーと前記微粒子分散溶液とを混合して反応溶液を作製し、この反応溶液に対して重合反応を生ぜしめて前記樹脂組成物を製造する工程と、
    を具えることを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
    前記微粒子を所定の有機溶媒中に配合及び混合して、前記微粒子が分散した微粒子分散溶液を作製する工程と、
    前記樹脂成分相を所定の有機溶媒中に配合及び分散させた混合溶液を作製するとともに、この混合溶液と前記金属酸化物粒子分散溶液とを混合攪拌して反応溶液を作製し、この反応溶液から高温減圧下にて溶媒のみを留去し、前記樹脂組成物を製造する工程と、
    を具えることを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。
  14. 前記微粒子の表面に対して前記分散改質剤を付加する工程を具えることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
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